JP2001208672A6 - プローブ及びプローブの製造方法、プローブアレイ及びプローブアレイの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率かつ高分解能のプローブアレイ又は単一プローブであって、先端部分の寸法精度を向上させ、各突起部の高さを一定に制御する。
【解決手段】光透過性を有するSi突起部3と、基板2よりも屈折率が高いSiからなり、ガラス基板2上に形成された複数のSi突起部3とを備え、ガラス基板2から光を入射して、各Si突起部3の先鋭部分で近接場光又は伝搬光(近接場光でない光)又は両方を発生させる。光透過性を有するガラス基板2と、SiからなるSOIウエハ、SOIウエハ上に積層されたSiO2層と、SiO2層上に積層されたSi支持基板からなるSOI基板と、を陽極接合により接合し、SOI基板に含まれるSi支持基板を除去し、SiO2層をパターニングし、SOIウエハをエッチングし、パターニングされたSiO2層を除去して、ガラス基板2上にSiからなる複数のSi突起部3を備えるプローブアレイ1を作製する。
【選択図】図1
【解決手段】光透過性を有するSi突起部3と、基板2よりも屈折率が高いSiからなり、ガラス基板2上に形成された複数のSi突起部3とを備え、ガラス基板2から光を入射して、各Si突起部3の先鋭部分で近接場光又は伝搬光(近接場光でない光)又は両方を発生させる。光透過性を有するガラス基板2と、SiからなるSOIウエハ、SOIウエハ上に積層されたSiO2層と、SiO2層上に積層されたSi支持基板からなるSOI基板と、を陽極接合により接合し、SOI基板に含まれるSi支持基板を除去し、SiO2層をパターニングし、SOIウエハをエッチングし、パターニングされたSiO2層を除去して、ガラス基板2上にSiからなる複数のSi突起部3を備えるプローブアレイ1を作製する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射された光を集光して例えば被測定試料及び記録媒体に光を照射するのに用いて好適なプローブ及びプローブの製造方法、プローブアレイ及びプローブアレイの製造方法に関し、詳しくは、入射された光を集光して近接場光や伝搬光を発生させることができるプローブ及びプローブの製造方法、プローブアレイ及びプローブアレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば近接場光学顕微鏡及び近接場光記録用光ヘッドに備えられる複数の突起型プローブを作製するには、これまでに複数の凹部アレイの転写による作製方法が提案されていた。
【0003】
この近接場光学顕微鏡及び近接場光記録用光ヘッドは、各突起部と試料との距離を、試料の測定を行うときに用いる光の波長よりも小さくするように突起型プローブアレイを配設する。これにより、近接場光学顕微鏡は、各突起部と、試料との間に近接場光を発生させて試料の物性測定を行うことが多い。
【0004】
上記突起型プローブアレイを製造するときには、先ず、例えば面方位が(100)面のSi基板に対して異方性エッチングを行うことでSi基板に複数の凹部からなる凹部アレイを作製する。次いで、作製した凹部アレイを用いて他の材料(例えば金属材料や誘電体材料)に凹部を転写する。このとき凹部アレイの表面を例えば金属や誘電体等のSiとは異なる他の材料で覆い、その後他の材料からSi基板を除去する。これにより、金属材料や誘電体材料からなる突起部を複数備えた突起型プローブアレイを作製する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した近接場光学顕微鏡に備えられる突起型プローブアレイは、光の波長以下の距離で各突起部と試料とを近接して使用されるので、各突起部の高さを制御することが重要となる。
【0006】
ここで、上述したように、凹部アレイを用いて金属材料等を転写して突起型プローブアレイを作製する場合、各突起部の高さHは、図29に示すように、凹部アレイ1000の凹部1001の深さにより決定される。各凹部1001の深さは、凹部1001がSi(111)面によって囲まれることにより、凹部1001の幅W=2H/tan54.74゜≒1.414Hによって決定される。
【0007】
しかし、凹部1001の幅は、電子ビーム露光装置を用いたとしても、機械的な精度に揺らぎが発生するために、各凹部1001で約10nm程度の誤差が発生してしまう。したがって、凹部アレイ1000を用いて作製される突起型プローブアレイの各突起部の高さを均一にすることが不可能であった。
【0008】
また、プローブアレイでなく、単一の突起型プローブを作製する場合は、単一の突起を作製するので、複数の突起の高さを均一にすることは考慮することはない。しかし、次のような問題がある。
【0009】
先ず、各突起の先端は完全に先鋭化されている訳ではなく、実際には、突起先端部が平面に仕上げられていて、突起は錐台形状になっている。従来技術により錐台形の突起を作製する場合、図30(a)に示すように、先ず、錐台状の凹部2001を作製する。これを転写して突起を作製するわけであるが、このときの突起先端の平面度は前記凹部の平面度に反映される。底面2002を持つ凹部2001を作製する場合は、凹部2001を構成する面が全て(111)面になる(底面が無くなる)前に、異方性エッチングの時間を管理して、エッチングを停止して作製する。この場合、底面2002の平面度は、ヒロック等の発生により、その平面度は非常に悪いことが多い。
【0010】
突起型プローブの先端としては、例えば出射する光の波長をλとすると、λ/8以下の平面度が必要であるが、従来技術で作製した凹部2001の底面2002の平面度はこれに遠く及ばない。したがって、従来技術で突起型プローブを作製することはできない。
【0011】
次に、図30(b)に示すように、エッチストップ層2003を凹部2001の底面2002に予め作製しておいて時間管理をせずに底面2002を作製する場合もある。この場合、エッチストップ層2003の充分な平面度を得ることができるので、平面度の点では要求を満たす突起を作製することが可能となる。
【0012】
しかし、この場合は、凹部2001の開口幅Wと凹部2001の深さHとから作製する突起の開口径Dが定まり、深さHは局所的な平面度という点では上述したように充分な精度を有しているが、一枚のウェハ内あるいはウェハ間の揺らぎは数百nm程度と非常に大きいことが多い。
【0013】
従って、一定の開口幅Wで凹部2001を作製すると、底面2002の径(すなわち突起先端の開口径D)は深さHの揺らぎに応じて変動する。
【0014】
このことに対応するには、開口幅Wを深さHの揺らぎに合わせて変化させることが挙げられるが、深さHを正確に測定することは不可能である。また、実際はフォトマスクの寸法を変化させることは不可能である。
【0015】
以上より、従来技術には、複数の突起の高さを均一にすることを考慮する必要のない、単一の突起型プローブを作製する場合にも、寸法精度上の大きな問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、寸法精度を飛躍的に向上させたプローブ及びプローブの製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、高効率かつ高分解能であって、プローブアレイに設けられる各突起部の高さが一定に制御されたプローブアレイを提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、プローブアレイを製造するときに、高効率かつ高分解能であって、各突起部の高さを一定に制御することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプローブは、上述の課題を解決するために、光透過性を有する基板と、上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなる突起部とを備える。このプローブにおいて、上記突起部は、上記基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、或いは伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。
【0020】
本発明に係るプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高い高屈折率層、上記高屈折率層上に積層された中間層、上記中間層上に積層された支持層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高屈折率層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上に高屈折率層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0021】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、支持層、上記支持層上に形成された中間層、上記中間層上に形成されGaP層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記GaP層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上にGaP層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0022】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高く所定量の不純物が混入した低濃度層、前記所定量の不純物よりも多い不純物が混入した高濃度層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記低濃度層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる高濃度層を除去し、上記高濃度層を除去して露呈した上記低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に低濃度層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0023】
本発明を適用した他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高いn型Si層とp型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記n型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるp型Si層を除去し、上記p型Si層を除去して露呈した上記n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記n型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上にn型Si層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0024】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si層とn型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高濃度p型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるn型Si層を除去し、上記n型Si層を除去して露呈した上記高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に上記高濃度p型Si層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0025】
本発明に係るプローブアレイは、上述の課題を解決するために、光透過性を有する基板と、上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなり、先端位置が揃った錐状の複数の突起部とを備え、上記各突起部は、上記基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、或いは伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。
【0026】
本発明に係るプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高い高屈折率層、上記高屈折率層上に積層された中間層、上記中間層上に積層された支持層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高屈折率層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上に高屈折率層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0027】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、支持層、上記支持層上に形成された中間層、上記中間層上に形成されGaP層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記GaP層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上にGaP層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0028】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高く所定量の不純物が混入した低濃度層、前記所定量の不純物よりも多い不純物が混入した高濃度層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記低濃度層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる高濃度層を除去し、上記高濃度層を除去して露呈した上記低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に低濃度層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0029】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高いn型Si層とp型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記n型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるp型Si層を除去し、上記p型Si層を除去して露呈した上記n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記n型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上にn型Si層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0030】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si層とn型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高濃度p型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるn型Si層を除去し、上記n型Si層を除去して露呈した上記高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に上記高濃度p型Si層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
本発明は、入射された光を集光する単一プローブ、例えば図1に示すような複数の単一プローブを有するプローブアレイ1に適用される。
【0033】
このプローブアレイ1は、近接場光学顕微鏡の光ヘッドや、記録媒体に近接場光を照射するための光ヘッドとして用いられる。例えばプローブアレイ1を近接場光学顕微鏡の光ヘッドとして使用した場合、プローブアレイ1は、被測定試料との距離が、被測定試料に照射する光の波長以下の位置に配設される。このような状態において、プローブアレイ1は、被測定試料との間で近接場光を発生させる。
【0034】
このプローブアレイ1は、図1に示すように構成される。プローブアレイ1は、図1(b)に示すように、ガラス基板2と、ガラス基板2上に形成された複数のSi突起部3と、Si突起部3の周囲に設けられたバンク部4と、Si突起部3及びバンク部4上に形成された金属層5とからなる。このプローブアレイ1において、ガラス基板2と、Si突起部3及びバンク部4とは、陽極接合等の手法を用いて接続されている。なお、上記陽極接合については、プローブアレイ1の製造方法の説明で詳述する。本実施の形態において、プローブアレイ1を構成するSi突起部3は、上記単一プローブに相当する。
【0035】
ガラス基板2は、図1(a)に示すように例えば縦寸法t1が約3mm、横寸法t2が約4mmであって、図1(b)に示すように厚さ寸法t3が約1mmに成形されている。
【0036】
Si突起部3は、ガラス基板2よりも屈折率が非常に高い高屈折率材料からなる。この実施の形態では、例えばSi材料からなる。このSi突起部3は、図1(a)に示すように、バンク部4に囲まれて、縦方向及び横方向の2次元に配列されて形成されている。各Si突起部3は、底面をガラス基板2側に形成した四角錐形状となってガラス基板2上に形成される。各Si突起部3は、図1(b)に示すように、高さ寸法t4が約5〜10μmで形成されている。
【0037】
また、各Si突起部3は、図2に示すように、底面の一辺の長さt7が約10μm、高さ寸法t4が約10μmとなっているとき、先端部分(頂点)のなす角度θが約90度とされて形成される。このSi突起部3の側面は、光が四角錐の底面側から入射されたとき、先端部分で光強度が大きくなるように設計されている。
【0038】
更に、Si突起部3は、後述するが、側面が2段階に変化されたときには、高さ寸法t4が約3μm、底面の一辺の長さが約2μm、先端部分(頂点)のなす角度が約30度とされて形成される。また、このSi突起部3は、先端部分の開口径が100nm程度に形成されることで先端部分に近接場光を発生させるように設計され、先端部分の開口径が光の波長程度に形成させることで先端部分に近接場光でない伝搬光を発生させるように設計される。
【0039】
バンク部4は、Si突起部3と同じくSi材料からなる。このバンク部4は、縦寸法t5及び横寸法t6が約100μmの正方形状に形成され、高さ寸法がSi突起部3と同じく5〜10μmで形成される。
【0040】
このバンク部4は、縦方向及び横方向の2次元に配列されて2上に形成される。このバンク部4が2次元方向に配列されることで、各Si突起部3は、ガラス基板2上に2次元方向に配列される。
【0041】
金属層5は、例えばAl等の遮光性材料からなり、例えば蒸着法等の薄膜形成技術により、光を透過させない程度の膜厚に形成される。この金属膜5は、例えばAl材料を用いた場合、約30nm程度の膜厚で形成される。この金属層5は、ガラス基板2及びSi突起部3の側面に形成される。
【0042】
このようなプローブアレイ1では、上記近接場光学顕微鏡に備えられ、試料との距離が光の波長以下の位置に配設される。このプローブアレイ1は、ガラス基板2側から光が入射されると、金属層5で光を散乱させてSi突起部3の頂点での光強度が大きくなるように集光し、各Si突起部3と試料との間に近接場光を発生させる。
【0043】
つぎに、上述のプローブアレイ1の製造方法について説明する。なお、以下に説明するプローブアレイ1の製造方法は、単一のプローブ、すなわち、単一のSi突起部3を製造するときにも適用することができる。
【0044】
プローブアレイ1を製造するとき、先ず、図3に示すようにSOI(SiliconOn Insulator)基板10を用意する。このSOI基板10は、Siからなる活性層11と、活性層11上に形成された中間層であるSiO2層12と、SiO2層12上に形成されたSi支持基板13とからなる。ここで、活性層11は、膜厚が約10μm程度であり、波長が約800nm程度の光に対する屈折率が約4程度である。ここで、活性層11は、Si突起部3及びバンク部4が形成される面では表面が均一であることが必要である。
【0045】
次に、図4に示すように、SOI基板10とガラス基板14とを陽極接合する。ガラス基板14としては、コーニング社の#7740や#7070、或いは岩城硝子のSW−3等を用いる。ここで、ガラス基板14はNa+イオンを含有している。そして、SOI基板10の活性層11とガラス基板14とを接触させ、真空中或いはN2、Ar2等の不活性ガス中で、350℃〜450℃に加熱したまま、Si支持基板13側を陽極としてSi支持基板13とガラス基板14との間に200V〜1000Vの電位差を与える。ガラス基板14の融点以下の温度でも正のNa+イオンはガラス基板14の中で動きやすくなるので、負電界に引かれてガラス基板14表面に到達する。ガラス基板14中に残った多量の負イオンが活性層11(Si)との接着面に空間電荷層を形成して、Si−ガラス間に吸引力を生じ、化学結合させる。
【0046】
次に、SOI基板10からSi支持基板13をKOH水溶液やテトラメティルアンモニュウムハイドロオキサイド(TMAH)、弗酸・硝酸混合液等などによるエッチング、或いは機械的研磨、或いは化学機械研磨(CMP)により除去する。これにより、SiO2層12の表面が露呈することになる。
【0047】
次に、図5に示すように、Si支持基板13を除去したことにより露呈したSiO2層12の表面に対してリソグラフィによりパターニングする。パターニングするときには、例えば図1で示したように、Si突起部3及びバンク部4の先端部分を配設する位置にSiO2層12を残すように行う。これにより、SiO2層12からなるパターンを活性層11上に形成する。ここで、各Si突起部3を形成するための各先端部分に対応するパターンとしては、一辺が約10〜15μmの四角形状又は同等の大きさを有する丸形状のものが使用可能である。
【0048】
次に、図6に示すように、SiO2層12のパターンが形成された面に対して、例えばKOH水溶液、NaOH水溶液、ヒドラジン−水和物、エティレンジアミン−パイロカテコール−水の混合液(EPW)、TMAH等のエッチャントを用いて異方性エッチングを行う。これにより、SiO2層12のパターンが形成されていない部分にのみ異方性エッチングを施す。
【0049】
例えばエッチング溶液としてKOH溶液(34wt%、80℃)にイソプロピルアルコール(IPA)を混ぜた溶液を用いた場合、活性層11の側面の傾斜が一段階のプローブアレイ1を作製することができる。このとき、各SiO2層12により形成されるパターンの形状は丸形状でも四角形状であっても変化はしない。
【0050】
更に具体的には、SiO2層12を10μm角の正方形状とし、エッチャントとしてKOH(40g、85%)、水(60g)、IPA(40cc)を混ぜ、80℃でエッチングをしたとき、開始から180sec、360sec、540sec、750secの時間エッチングをしたときの活性層11の変化は、それぞれ図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)に示すようになる。これにより、図6に示すように、四角錐形状のSi突起部3となる活性層11aを形成するとともに、バンク部4となる活性層11bをガラス基板14上に形成する。
【0051】
次に、図8に示すように、活性層11a及び活性層11b上に残存するSiO2層12を除去し、活性層11a及び活性層11bの側面、及び、活性層11a及び活性層11bが残存していないガラス基板14上に金属層15を形成する。
【0052】
また、図9に示すように、活性層11b及びガラス基板14の活性層形成面、或いは上記活性層11bのみに金属層15からなる遮光膜を形成する。このように製造されたプローブアレイ1では、Si突起部3の先端から発生する光以外の光を遮断することができ、読みとり信号のS/Nを向上させることができる。
【0053】
ここで、金属層15の厚さは、材料としてAlを使用するときには約30〜50nm程度とし、材料としてAuを使用するときには約100nm程度に形成する。すなわち、金属層15は、ガラス基板2からSi突起部3に入射して光を発生させることができるスキンデプス程度の厚さに形成される。
【0054】
したがって、上述した図4〜図8、及び図9で説明した工程を行うことにより、図1に示すような、ガラス基板2上にSi突起部3を複数備えるプローブアレイ1又は単一のSi突起部3からなる単一プローブを製造することができる。
【0055】
このプローブアレイ1によれば、Siからなる活性層11をガラス基板14に接合・転写することにより、各Si突起部3の先端の高さを均一にし、Si突起部3の先端の平面度を向上させて、先端に発生させる近接場光及び伝搬光を高効率、高分解能で出射することができ、さらには、開口径制御を容易にする。
【0056】
また、プローブアレイでなく、単一の突起型プローブを作製する場合には、特に錐台状突起型プローブの先端面の平面度をλ/8以下の、非常に高いものにすることができる。また、突起先端の開口径Dは突起を作製するエッチング時間により容易に制御できる。
【0057】
このようなプローブアレイ1は、SOI基板10を用いて製造することができるので、各Si突起部3の先端部分の高さの誤差がSOI基板10の膜厚精度により決定される。ここで、結晶成長技術により作製されたSOI基板10の膜厚精度は、原子レベル程度の誤差しかないので、各Si突起部3の先端部分の高さの誤差も原子レベル程度と推定される。したがって、このプローブアレイ1の製造方法によれば、従来の転写を用いた製造技術と比較しても、高精度で高さの制御をすることができ、先端位置が均一に制御されたSi突起部3を製造することができる。
【0058】
更に、このプローブアレイ1によれば、各Si突起部3の高さが一定であるので、記録媒体に対して記録再生を行うに際して、記録媒体と各Si突起部3の先端との距離を各Si突起部3について一定とすることができ、全Si突起部3を近接場光を発生させるのに必要な位置とすることができる。すなわち、このプローブアレイ1によれば、各Si突起部3ごとに近接場光が発生しなかったり、発生したりするようなことがない。
【0059】
また、このプローブアレイ1は、SOI基板10とガラス基板14とを陽極接合して製造されるので、SOI基板10のみを用いて製造された場合と比較して強度が向上されている。
【0060】
更に、例えばガラス基板14に代えてSiからなる基板を用いたときには、充分な機械的強度を得るために数百μmの厚みは必要なので、Siが可視光に対して伝搬損失があるため、Si突起部3に光を入射することが不可能となる。これに対し、プローブアレイ1では、Si突起部3がガラス基板14上に形成されていて、Si突起部3の高さも5〜10μmである。5〜10μm厚のSiは780〜830nm程度の波長では数10%の透過率を有しているので、各Si突起部3に入射する光量を多くして、先端部分で発生する近接場光の光強度を高めることができる。
【0061】
したがって、このプローブアレイ1によれば、Si突起部3がSiからなり、各Si突起部3の先端位置が均一であるので、各Si突起部3の効率が均一となり、これまで両立が困難であった高効率性と高分解能性を兼ね備えるものであると言える。すなわち、このプローブアレイ1によれば、Si突起部3がSiのような高屈折率材料を用いることで、Si突起部3での伝搬光の波長が実効的に短くなることにより、Si突起部3から外部にしみ出す光を抑制して光利用効率を向上させるとともに、光スポット径を小さくすることができる。
【0062】
また、Si突起部3の間でそれらの高さが均一であるため、各Si突起部3について、その先端で近接場光が存在する範囲内に記録媒体が接近できる。従って、全てのSi突起部3の高効率性と高分解能性を同時に達成できる。
【0063】
また、このプローブアレイ1によれば、Si突起部3の高さと同じ高さを有し、Si突起部3の周囲を囲む位置に配されたバンク部4を備えているので、記録媒体への記録再生時に際して、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に対向したときに、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に接触したときでも、Si突起部3に加わる圧力を減らし、Si突起部3の損傷を低減することができる。
【0064】
また、このプローブアレイ1によれば、作製時において、Si突起部3及びバンク部4と同じ材料にして同時にエッチングすることで同じ高さとすることができるので、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に対向したときに、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に接触したときでも、Si突起部3に加わる圧力を減らし、Si突起部3の損傷を低減することができる。
【0065】
ここで、図6及び図7を用いて説明したように、エッチングを行ってSi突起部3及びバンク部4を製造するときには、図5を用いて説明したときの、SiO2層12をエッチングするときのパターンを変化させることで、ガラス基板14に対する傾斜角度が複数となされたSi突起部3を形成することができる。
【0066】
すなわち、活性層11の側面の傾斜角を複数とするときには、SiO2層12からなるマスクの形状を丸形状とすることが望ましい。更に、エッチングを行うときのエッチング液をKOH溶液(34wt%、80℃)や、NaOH、EPW、TMAHとして作製する。
【0067】
更に具体的には、SiO2層12を10μm角の正方形状のパターンとし、エッチャントとしてKOH(34wt%、80℃)を用いたとき、開始から60sec、150sec、405sec、483secの時間エッチングをしたときの活性層11の変化がそれぞれ図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)に示すようになり、活性層11aをガラス基板14上に形成する。これにより、図10(d)に示すように、活性層11aの外壁を、傾斜角(テーパ角度)が異なる複数の傾斜面11c、11dとすることができる。
【0068】
このように、活性層11aの外壁に複数の傾斜面11c、11dを設けたSi突起部3では、傾斜面11dを有した第1の錐状領域では先鋭角を大きくし、傾斜面11cを有した第2の錐状領域では、先鋭角を小さくするように構成されている。したがって、このように作製されるSi突起部3では、上記第1の錐状領域では光の損失を小さくして高効率で光を伝搬し、第2の錐状領域では、第2の錐状領域からの光を絞って先端部分から小さいスポットの光を出射する。したがって、このようなSi突起部3によれば、高効率、且つ光分解能の光を取捨することができる。
【0069】
上述したSi突起部3では、光ファイバを先鋭化した光ファイバプローブのコア径の最適化手法を適用してその開口径を決定することができる。ここで光ファイバプローブのコア材料は、屈折率が1.53のガラス材料からなる。
【0070】
すなわち、光ファイバプローブの最適化において、コア内部での電界分布解析方法を用いる。この電界分布解析方法によれば、クラッドを光の漏洩のない理想金属と仮定し、コア内部に存在する光のモードをTE1nモード(n=1〜6)と、TM1nモード(n=1〜6)のみとしたときに、図11に示すようなコア径と、コアの中心における電界強度との関係を得る。図11によれば、光ファイバプローブのコア内においては、図11(a)に示すように複数のモードが存在し、図11(b)に示すようにそれぞれのモードの重ね合わせによって電界分布が形成されていることが分かる。
【0071】
図11(a)は、コア径を変化させたときの、各モードの電界強度及び等価屈折率を示す。図11(a)によれば、等価屈折率が0に集束するコア径を示すカットオフ径において、各モードの電界強度(振幅比)が最大となる。
【0072】
図11(b)は、コア径を変化させたときの、各モードの電界強度の和と、各コア径におけるスポット径を示し、但し、複数のピークが存在する場合にはコア中心におけるピークのスポット径を示している。この図11(b)によれば、各モードのカットオフ径において、電界強度が極大値を有するのみならず(図11(a))、小さいスポット径のピークが得られることが分かる。
【0073】
これらの各モードのカットオフ径において、TE11モードの光を伝達するためのカットオフ径においては、より開口径が小さい、すなわち、伝搬距離が長いために損失が大きくなる。また、TE13モードのカットオフ径においては、情報再生に適用した場合、得られるピークの数が多くなるので(5つのピーク)、その影響によって余分な情報まで検出してしまうことになる。そこで、伝搬距離、ピーク数を勘案すると、TE12モードのカットオフ径の光ファイバプローブとすることが望ましい。
【0074】
このような解析結果に基づいて、光ファイバプローブのコア内に伝搬するモードをTE12モードとなるようなカットオフ径のコア径(900〜920nm、光の波長λ=830nm)としたときの実験結果を図12に示す。
【0075】
図12(実線:実験結果)によれば、スポット径が約150nmとなるとともに、ピーク中心における電界強度が1[a.u]となっており、図11での解析結果(点線)によるスポット径(175nm)、電界強度(1[a.u])となり、コア径をTE12モードのカットオフ径としたときにおいて電界強度の極大と、微小スポットが得られることが分かる。また、スポット形状については、実験結果と解析結果とで非常に良い一致が得られている。
【0076】
このような光ファイバプローブを用いた解析結果、実験結果を本例のSi突起部3の材料である高屈折率媒質であるSiをコアの材料にして計算した結果を図13に示す。
【0077】
図13によれば、コア材料をSiとした場合、SiからなるコアをTE12モードのカットオフ径(0.4μm)に一致させることにより、微小スポット径(約75nm)を形成するとともに、電界強度の極大を得ることができる。
【0078】
したがって、Si突起部3の開口径をTE12モードのカットオフ径とすることにより、光ファイバプローブと同様に、微小スポット径を形成するとともに、電界強度の極大を得られるプローブアレイ1又は単一プローブを作製することができる。また、プローブアレイ1又は単一プローブでは、損失が小さく、ピーク数が小さい、情報記録再生に最適なものとすることができる。
【0079】
また、金属層15を形成するに際して、図1に示すように、活性層11bの傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成しても良い。
【0080】
Si突起部3の傾斜面のみに金属層5を形成したプローブアレイ1を作製するときには、SiO2層12からなるマスクの形状を、図14に示すように、作製するSi突起部3の先端位置上のSiO2層12の中央部分12aを所定の厚さとし、Si突起部3の先端位置上以外のSiO2層12の周辺部分12bを所定の厚さ以下の厚さとする。例えば、中央部分12aの厚さを少なくとも200nm程度とし、周辺部分12bの厚さを中央部分12aの厚さの1/5〜1/10程度の厚さとする。
【0081】
このような形状のSiO2層12及び活性層11をエッチャントを用いて図14(a)、図14(b)、図14(c)に示すようにエッチングし、図14(d)に示すように最終的には活性層11aの先端部分のみに中央部分12aを残存させる。そして、残存した中央部分12aをキャップとして金属層15を形成し、図14(e)に示すように、中央部分12aをウェットエッチングにより除去することにより、活性層11aの先端部分に金属層15が形成されないものを作製することができ、活性層11aの傾斜面だけに金属層15を形成することができる。
【0082】
このように製造されたプローブアレイ1では、Si突起部3の先端から発生する光以外の光を遮断することができるので、図9に示した場合と比較しても、更に発生させる光強度を向上させる。
【0083】
つぎに、上述したように製造されたプローブアレイ1での光効率について説明する。プローブアレイ1の光効率を測定するときの測定装置を図15(a)に示す。この測定装置は、レーザダイオード21から波長が830nmのレーザ光を出射し、コア22、クラッド23、金属被膜層24からなり先端が先鋭化された光ファイバプローブの先鋭部25(開口径=100nm)に近接場光を発生させる。そして、プローブアレイ1では、光ファイバプローブの先鋭部25に発生した近接場光を検出し、Si突起部3、ガラス基板2を通過した光をフォトディテクタ26で検出するように構成されている。ここで、光ファイバープローブの先鋭部25の開口径は100nmである。このような測定装置では、光ファイバプローブからレーザ光を入射したときに、Si突起部3の先端部分で発生する近接場光の光強度を測定することができ、これにより、近接場領域におけるプローブアレイのスループットを求めることができる。また、プローブアレイ1のスループットと分解能を評価するために、ファイバプローブとして高スループット(10%)・高分解能(150nm)の特性を持つ内部集光プローブ(開口径D=920nm)も併せて測定した(図15(b))。
【0084】
このような測定装置を用いて、フォトディテクタ27で検出した光の強度[a.u.]と光の検出位置[μm]との関係を図16に示す。この図16において、特性A(実線)は上述した工程で作製したプローブアレイ1についての測定結果であり、特性B(点線)は内部集光型プローブの測定結果である。特性Aと特性Bとを比較すると、プローブアレイ1は10%の効率を持ち、内部集光型プローブよりもスループットが大きく(約15%)、75nmの分解能を有することがわかる。
【0085】
したがって、上述したような製造方法で製造されたプローブアレイ1によれば、高効率で光を集光し、Si突起部3の先端部分に光強度の高い近接場光を発生させることができると同時に高分解能で試料測定を行うことができる。
【0086】
また、このプローブアレイ1によれば、例えば記録媒体への光照射を行って記録媒体に信号を記録及び/又は再生を高記録密度かつ、高S/Nで実現することができる。
【0087】
つぎに、プローブアレイ1又は単一プローブを製造する他の一例について説明する。なお、上述のプローブアレイ1又は単一プローブの製造方法で説明した手法は、以下に示すプローブアレイ1又は単一プローブを製造する場合に適用することもできる。
【0088】
上述したプローブアレイ1の製造方法では、ガラス基板14上に作製する突起部の材料はSiに限られることなく、ガラス基板14よりも屈折率の高い材料であればよい。Siよりも短波長側に光透過領域があり、かつ、屈折率の高い材料としては、GaPやTiO2(通称ルチル)等がある。GaPは530nm〜16μmに光透過域があり、当該光透過域での屈折率が3.35となっている。また、TiO2は450nm〜6μmに光透過域があり、当該光透過域での屈折率が2.61〜2.90である。
【0089】
図17にGaPを用いたプローブアレイ又は単一プローブの作製方法を示す。なお、上述のプローブアレイ1又は単一プローブの製造方法で説明した手法は、以下に示すプローブアレイ1又は単一プローブを製造する場合に適用することもできる。
【0090】
先ず、図17(a)に示すように、中間層として酸化膜42が付された単結晶Siウェハ41に直接接合又は常温接合により単結晶GaPウェハ43を接合する。単結晶GaPウェハ43の厚さをエッチングやCMPにより5〜10μmにした基板を用意する。
【0091】
次に、図17(b)に示すように、ガラス基板44と単結晶GaPウェハ43とを陽極接合或いは直接接合或いは常温接合により接合する。
【0092】
次に、図17(c)に示すように、単結晶Siウェハ41を除去する。
【0093】
次に、図17(d)に示すように、SiO2層からなるSiO2パターン42Aを単結晶GaPウェハ43上に形成する。ここで、各SiO2パターン42Aは、後の工程でGaPからなる突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0094】
次に、図17(e)に示すように、パターン42Aをエッチングマスクとして単結晶GaPウェハ43をRIEや液体のエッチャントにより、GaP突起部43Aを形成する。ここで、SiO2層をエッチングマスクとせずにフォトリソのみをエッチングマスクとしてGaP突起部43Aを作製しても良い。
【0095】
次に、図17(f)に示すように、GaP突起部43A上に残ったSiO2パターン42Aを希弗酸等で除去する。
【0096】
次に、図17(g)に示すように、GaP突起部43Aの側面及びGaP突起部43Aの無いガラス基板44面に金属層45を形成する。
【0097】
これにより、GaPからなる突起部を複数有する突起型のプローブアレイを作製することができる。なお、GaPのみならず、TiO2等の他の材料を用いた場合でもほぼ同様な工程により突起部を備えたプローブアレイを作製することができる。
【0098】
GaPやTiO2からなる突起部を複数備えたプローブアレイは、Siからなるプローブアレイよりも、短波長側に高い光透過域があるので、短波長域での光吸収が少なく、より高い光利用効率を得ることができる。また、Siの場合よりも短波長の光を用いることができるので、より小さい光スポットを形成することができ、例えば記録媒体に記録するときの記録密度を向上させることができる。
【0099】
つぎに、SOI基板以外のSiウェハを用いてプローブアレイを製造するときの一例について図18を参照して説明する。なお、上述のプローブアレイ1又は単一プローブの製造方法で説明した手法は、以下に示すプローブアレイ1又は単一プローブを製造する場合に適用することもできる。
【0100】
先ず、図18(a)に示すように、数百μmの厚さを有するp型Si層51に、5〜10μmの厚さを有するn型Si層52が形成されている基板を用意する。ここで、n型Si層52は、p型Si層51上にエピタキシャル成長させて形成しても良く、固層拡散、イオン注入等によりp型Si層51表面にn型の不純物を拡散して形成しても良い。また、p型Si層51とn型Si層52とを張り合わせることにより作製しても良い。
【0101】
次に、図18(b)に示すように、ガラス基板53を用意し、ガラス基板53と、p型Si層51及びn型Si層52からなる基板のn型Si層52の表面とが接するように陽極接合する。ここで、ガラス基板53のn型Si層52と接しない面及びp型Si層51のn型Si層52と接しない面に電極54を形成し、または電極板を乗せ、各電極54間に電位差Vbを与える電源55を設けて陽極接合する。このとき、陽極接合とは異なる直接接合や常温接合を用いてガラス基板53とn型Si層52とを接合しても良い。
【0102】
次に、図18(c)に示すように、p型Si層51を機械的研磨或いは化学機械研磨(CMP)により概ね除去した後、ヒドラジン(N2H4・H2O)、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP(Ethylenediamine Pyrocatechol(water))、TMAH(Tetramethyl Ammoniumhydroxide、(CH3)4NOH)、等のアルカリエッテャントによるエッチングを行う。但し、このとき、n型Si層52とエッチャントの中におかれた参照電極56の間に電圧を電圧Veceを印加する電源57を設けてエッチングを行う。
【0103】
このようなエッチング方法(電気化学エッチング)を実現するためのエッチング装置の概略を図19に示す。このエッチング装置では、上記参照電極56に相当するPt電極61、上記電源57に相当する電源62、電流計63、上記n型Si層52とガラス基板53からなる基板に相当するエッチング材料64が直列に接続されて、Pt電極61及びエッチング材料64がエッチャント65中に配置された構造となっている。このエッチング装置では、エッチャント65がスターラ66により攪拌され、ヒータ67により90℃に保たれている。
【0104】
このようなエッチング装置を用いることにより、例えばアルカリエッチャントはp型Si層51以外にSiO2(ガラス基板53の主成分)もエッチングするが、ガラス基板53は非常に厚いので、全てエッチングされることはない。また、n型Si層52とガラス基板53とは非常に強固に接合されているので、両者間にエッチャントが侵入することはなく、n型Si層52がエッチングされることはない。したがって、p型Si層51及びのみがエッチングされる。前記の弗酸硝酸エッチャントでは、n型Si層52が露出すると、それ以上ほとんどエッチングが進まなくなるので、p型Si層51がエッチングされきったところでエッチングを止めることができる。
【0105】
次に、図18(d)に示すように、n型Si層52の表面に、プラズマCVD法或いは熱CVD法等によりSiO2或いはSi3N4等のアルカリエッチャントにエッチングされ難いパターン形成層58を形成する。
【0106】
次に、図18(e)に示すように、パターン形成層58を所定の形状とすることで、n型Si層52上にパターン形成層58からなるパターン58Aを形成する。ここで、パターン形成層58は、各Si突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0107】
次に、図18(f)に示すように、ヒドラジン、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP、TMAH等のアルカリエッチャントを用いて、Si突起部52Aを形成する。ここで、パターン58Aをエッチングマスクとせずに、フォトリソのみをエッチングマスクとしてRIEでSi突起部52Aを作製しても良い。
【0108】
次に、図18(g)に示すように、Si突起部52A上に残存したパターン58Aを希弗酸等で除去する。
【0109】
次に、図18(h)に示すように、Si突起部52Aの側面及びSi突起部52Aが形成されていないガラス基板53上に金属層59を形成する。
【0110】
これにより、SOI基板を用いることなく、突起部がSiからなる突起型のプローブアレイ又は単一プローブを作製することができる。
【0111】
つぎに、プローブアレイ又は単一プローブを製造するときの更に他の一例について図20を参照して説明する。
【0112】
先ず、図20(a)に示すように、数百μmの厚さを有する高濃度p型又はn型Si材料からなる高濃度Si層71に、5〜10μmの厚さを有する低濃度p型又はn型Si材料からなる低濃度Si層72が形成されている基板を用意する。ここで、低濃度Si層72は、高濃度Si層71上にエピタキシャル成長させて形成しても良く、固層拡散、イオン注入等により高濃度Si層71表面にこれと反対の型の不純物を拡散させて、補償効果により実効的に不純物濃度を低濃度にしても良い。また、高濃度Si層71と低濃度Si層72とを張り合わせることにより作製しても良い。
【0113】
ここで、高濃度Si層71と低濃度Si層72とは、不純物濃度が高い、低いが重要であり、p型、n型の組み合わせは任意である。但し、低濃度Si層72側と高濃度Si層71側とが異なる伝導型を有する場合は、低濃度Si層72側がn型Si材料であることが望ましい。これは、陽極接合の電圧印加時にpn接合が順バイアスされた方が接合されやすいからである。高濃度のSi基板の不純物濃度は約1017/cm3より多くする。逆に低濃度のときのSi基板の不純物濃度は約1017/cm3以下とする。
【0114】
次に、図20(b)に示すように、ガラス基板73を用意し、ガラス基板73と、低濃度Si層72の表面とが接するように陽極接合する。ここで、ガラス基板73の低濃度Si層72と接しない面及び高濃度Si層71の低濃度Si層72と接しない面に電極74を形成し、または電極板を乗せ、各電極74間に電位差Vbを与える電源75を設けて陽極接合する。このとき、陽極接合とは異なる直接接合や常温接合を用いてガラス基板73と低濃度Si層72とを接合しても良い。
【0115】
次に、図20(c)に示すように、高濃度Si層71を機械的研磨或いは化学機械研磨(CMP)により概ね除去した後、弗酸硝酸のエッテャントに漬ける。エッチャントの組成は、HF:HNO3:CH3COOH=1:3:8(体積比)とする。このエッチャントは不純物が約1017/cm3より少なくなると、それより多い場合よりもエッチング速度が1/150となる。このエッチャントは、Si以外にSiO2(ガラスの主成分)もエッチングするが、ガラス基板73は非常に厚いので、全てエッチングされることはない。また、低濃度Si層72とガラス基板53とは非常に強固に接合されているので、両者間にエッチャントが侵入することはなく、低濃度Si層72がエッチングされることはない。したがって、高濃度Si層71及び低濃度Si層72のみがエッチングされる。HF:HNO3:CH3COOH=1:3:8(体積比)をエッチャントとして用いたエッチングでは、高濃度Si層71を先にエッチングし低濃度Si層72が露出すると、それ以上ほとんどエッチングが進まなくなるので、高濃度Si層71をエッチングしきったところでエッチングを止めることができる。
【0116】
次に、図20(d)に示すように、低濃度Si層72の表面に、プラズマCVD法或いは熱CVD法等によりSiO2或いはSi3N4等のアルカリエッチャントにエッチングされ難いパターン形成層8を形成する。
【0117】
次に、図20(e)に示すように、パターン形成層78を所定の形状とすることで、低濃度Si層72上にパターン形成層78からなるパターン78Aを形成する。ここで、パターン形成層78は、単一突起部又は各Si突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0118】
次に、図20(f)に示すように、ヒドラジン、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP、TMAH等のアルカリエッチャントを用いて、Si突起部72Aを形成する。ここで、パターン78Aをエッチングマスクとせずに、フォトリソのみをエッチングマスクとしてRIEでSi突起部72Aを作製しても良い。
【0119】
次に、図20(g)に示すように、Si突起部72A上に残存したパターン78Aを希弗酸やドライエッチング等で除去する。
【0120】
次に、図20(h)に示すように、Si突起部72Aの側面及びSi突起部72Aが形成されていないガラス基板73上に金属層79を形成する。
【0121】
これにより、SOI基板を用いることなく、突起部がSiからなる突起型のプローブアレイ又は単一プローブを作製することができる。
【0122】
つぎに、プローブアレイ又は単一プローブを製造するときの更に他の一例について図21を参照して説明する。
【0123】
先ず、図21(a)に示すように、数百μmの厚さを有するn型Si材料からなるn型Si層81に、5〜10μmの厚さを有しn型Si層81より不純物濃度が高い高濃度p型Si材料からなる高濃度p型Si層82が形成されている基板を用意する。ここで、高濃度p型Si層82の濃度はn型Si層81のエッチングにKOHを用いる場合は約1020/cm3より多くする。また、EDPを用いる場合には約1019/cm3より多くする。高濃度p型Si層82は、n型Si層81上にエピタキシャル成長させて形成しても良く、固層拡散、イオン注入等により高濃度Si層71表面にこれとp型の不純物を拡散させて形成しても良い。また、n型Si層81と高濃度p型Si層82とを張り合わせることにより作製しても良い。
【0124】
次に、図21(b)に示すように、ガラス基板83を用意し、ガラス基板83と、高濃度p型Si層82の表面とが接するように陽極接合する。ここで、ガラス基板83の高濃度p型Si層82と接しない面に図20(b)と同様に電極板を乗せる。或いはより確実には、電極84aを形成するとともに、高濃度p型Si層82に電圧が印加されるようにn型Si層81の一部を除去して電極84bを形成し、各電極84a、84b間に電位差Vbを与える電源85を設けて陽極接合する。このとき、陽極接合とは異なる直接接合や常温接合を用いてガラス基板83と高濃度p型Si層82とを接合しても良い。
【0125】
次に、電極84a、84bを除去した後、図21(c)に示すように、n型Si層81を機械的研磨或いは化学機械研磨(CMP)により概ね除去した後、アルカリエッチャントによりエッチングする。エッチャントとしては、ヒドラジン、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP、TMAHなどのアルカリエッチャントを用いる。このエッチャントは、Si以外にSiO2(ガラスの主成分)もエッチングするが、ガラス基板73は非常に厚いので、全てエッチングされることはない。また、高濃度p型Si層82とガラス基板83とは非常に強固に接合されているので、両者間にエッチャントが侵入することはなく、高濃度p型Si層82がエッチングされることはない。したがって、n型Si層81のみがエッチングされる。高濃度p型Si層82が露出すると、それ以上ほとんどエッチングが進まなくなるので、n型Si層81がエッチングされきったところでエッチングを止めることができる。
【0126】
次に、図21(d)に示すように、高濃度p型Si層82の表面に、プラズマCVD法或いは熱CVD法等によりSiO2或いはSi3N4等のアルカリエッチャントにエッチングされ難いパターン形成層88を形成する。
【0127】
次に、図21(e)に示すように、パターン形成層88を所定の形状とすることで、高濃度p型Si層82上にパターン形成層88からなるパターン88Aを形成する。ここで、パターン形成層88は、単一突起部又は各Si突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0128】
次に、図21(f)に示すように、RIEでSi突起部82Aを形成する。ここで、パターン88Aをエッチングマスクとせずに、フォトリソで作製したレジストパターンのみをエッチングマスクとしてRIEでSi突起部82Aを作製しても良い。
【0129】
次に、図21(g)に示すように、Si突起部82A上に残存したパターン88Aを希弗酸やドライエッチング等で除去する。
【0130】
次に、図21(h)に示すように、Si突起部82Aの側面及びSi突起部82Aが形成されていないガラス基板83上に金属層89を形成する。
【0131】
これにより、SOI基板を用いることなく、突起部がSiからなる突起型のプローブアレイ又は単一プローブを作製することができる。
【0132】
つぎに、本発明を適用した他のプローブアレイについて説明する。なお、以下に説明するプローブアレイでは、上述したプローブアレイで説明した構成を適用しても良く、更には単一プローブであっても良い。
【0133】
平面図を図22(a)に示すプローブアレイ100は、図22(b)に示すように情報を記録する回転型記録媒体(光ディスクD)に突起部101の形成側が対向して配設され、回転する光ディスクDに対して光を照射して情報の記録再生を行う。
【0134】
このプローブアレイ100は、光ディスクDが回転することで、一方端100aが媒体進入端とされ、他方端100bが媒体退出端とされる。このプローブアレイ100は、光ディスクDが回転することで、光ディスクDから発生する空気流を受けて光ディスクDに接触して光ディスクDに光を照射してコンタクト型の記録再生をする。なお、本実施の形態に係るプローブアレイ100では、光ディスクD上を一定の浮上量で浮上する浮上型にも適用することができる。
【0135】
このプローブアレイ100では、突起部101の周囲を囲む位置に配され、光ディスクDが回転することで発生する空気流の流出側が開口部102aとされたバンク部102を備える。
【0136】
このようなプローブアレイ100では、一方端100aから流入した空気流をバンク部102の開口部他方端100bに向かって空気流が流れ、開口部102aを介して他方端100b側に流出させる。
【0137】
これにより、このプローブアレイ100において、バンク部102として、空気流発生方向(媒体回転方向)と直交したバンク102cが突起部101の一方端100a側に設けられることにより、一方端100aから他方端100bに向かって流入する塵等が突起部101に流入するのを止めることができる。
【0138】
また、プローブアレイ100では、装置内に存在する塵やゴミが空気流とともにバンク部102内部に流入しても、開口部102aから流出するので、突起部101の近傍に塵等が堆積することが無い。
【0139】
更に、このプローブアレイ100では、他方端100b側にバンク部102を設けないので、突起部101を他方端100b側に形成させることができる。これにより、プローブアレイ100では、突起部101の先端部分を光ディスクDに近づけて突起部101と光ディスクDとの距離を小さくすることができ、光ディスクDに照射する光のスポット径を小さくし、光ディスクDへの記録密度を高くすることができる。
【0140】
更にまた、このプローブアレイ100において、バンク部102は、他方端100bの端部102bに、一方端100aから他方端100bに向かって傾斜したテーパ部102bを有する。このテーパ部102bの頂点部分は、ガラス基板の短軸方向において、突起部101の先端と一直線上となっている。これにより、プローブアレイ100では、記録再生時において、テーパ部102bの頂点部分が光ディスクDと接触しても、バンク部102の頂点部分の圧力を拡散して破損を抑制することができる。
【0141】
更にまた、このプローブアレイ100において、バンク102cの一方端100a側が一方端100a側から他方端100b側に向かって傾斜したテーパ部102dとなされている。これにより、プローブアレイ100では、光ディスクDが進入して光ディスクDバンク102cと接触しても、光ディスクDとの衝撃を吸収して、光ディスクDの破損を抑制することができる。
【0142】
更にまた、このプローブアレイ100において、バンク部102として、空気流発生方向(媒体回転方向)と略平行であって、光ディスクDの径方向と直交したバンク102e、102fを有し、光ディスクDの径方向において傾斜したテーパ部102g、102hを備える。これにより、プローブアレイ100では、光ディスクDへの記録再生時において、径方向に移動したときにバンク102e、102fが光ディスクDと接触しても、光ディスクDとの衝撃を吸収して、光ディスクDの破損を抑制することができる。
【0143】
更にまた、このプローブアレイ100は、他方端100b側にガラス基板が突出してなる突出部103を備える。この突出部103は、突起部101から他方端100bに向かって長さt8だけ突出してなる。この突出部103の長さt8は、記録再生時において、光源から出射された光を最も他方端100b側の突起部101に入射することができるように設定されている。すなわち、突出部103の長さt8は、ガラス基板の厚さ、ガラス基板の屈折率、突起部101に光を入射する光学素子(対物レンズ)104の開口数に基づいて、決定される。これにより、プローブアレイ100は、決定した長さt8を最適な長さとし、突起部101を他方端100b側に配置して、光ディスクDとの距離を小さくすることができ、光ディスクDに小さいスポット径の光を集光する。
【0144】
更にまた、プローブアレイ100は、図23に示すように、突出部103のバンク102f及びバンク102eが多段階となされていても良い。このようなプローブアレイ100によれば、他方端100bから一方端100aに向かってテーパ部102b、テーパ部102iが形成され、短軸方向においてテーパ部102iの頂点位置と突起部101の先端が一直線上となっている。
【0145】
このようなプローブアレイ100によれば、光ディスクDと接触しても、テーパ部102b及びテーパ部102iの頂点部分が光ディスクDと接触し、一点が光ディスクDと接触する場合と比較して光ディスクDに与える力を分散し、突起部101の損傷を抑制するとともに、光ディスクDの損傷を軽減することができる。
【0146】
また、このようなプローブアレイ100によれば、バンク部102が多段階とされており、光ディスクDと接触して記録再生をするときにおいて、テーパ部102b及びテーパ部102iが接触することで、記録再生時の全体の傾きを防止することができる。
【0147】
更に、このようなプローブアレイ100によれば、バンク部102が多段階とすることにより、光ディスクDとの接触面積を小さくすることで静止摩擦係数を小さくして、バンク部102の摩耗量を抑制することができる。
【0148】
また、プローブアレイ100と記録媒体が、空気流発生方向に対して2点で接触しているので、この方向にばたつく、いわゆるピッチングが生じにくくなる。
【0149】
つぎに、本発明を適用した更に他のプローブアレイについて説明する。なお、以下に説明するプローブアレイでは、上述したプローブアレイで説明した構成を適用しても良く、更には単一プローブであっても良い。
【0150】
平面図を図24(a)に示すプローブアレイ110は、図24(b)に示すように情報を記録する回転型記録媒体(光ディスクD)に突起部111の形成側が対向して配設され、回転する光ディスクDに対して光を照射して情報の記録再生を行う。
【0151】
このプローブアレイ110は、突起部111と同じ高屈折率材料(例えばSi)からなり、各突起部111の周囲を囲む位置に配されたバンク部112と、突起部111と同じ材料からなるパッド部113と光ディスクDと対向する面に備えている。
【0152】
このようなプローブアレイ110は、上述したように、突起部111、バンク部112及びパッド部113を作製するときに、単一の高屈折率層上にパターンエッチングがなされるエッチング層(例えばSiO2)が形成され、突起部111、バンク部112及びパッド部113に対応したパターニングがされて、同時にエッチングされて作製される。
【0153】
このようなプローブアレイ110は、突起部111、バンク部112及びパッド部113が光ディスクDと接して、突起部111からの光を光ディスクDに照射し、光ディスクDに情報の記録再生をする。
【0154】
このように作製されるプローブアレイ110は、同一材料で同時にエッチングをするので、突起部111、バンク部112及びパッド部113を同一の高さとすることができ、記録再生時において、スライディングの安定性を向上させることができ、突起部111の破損を抑制することができる。
【0155】
このようなプローブアレイ110において、突起部111を100個配置し、各突起部111に波長が830nmの光を入射して先端で近接場光を発生させて、相変化型の光ディスクDを0.43m/sの線速度で回転させたときのマーク長[μm]とCN比[dB]との関係を図25に示す。図25によれば、プローブアレイ110により記録したときのマーク長は最小で110nmとなり、再生したときのCN比は約10dBとなる。この結果によれば、各突起部111では、伝搬光では不可能であった回折限界以下の記録マークを記録するとともに再生することができる。
【0156】
これに対し、開口数が0.4の対物レンズにより伝搬光を光ディスクDに照射して記録をしたときの最小マーク長は515nmであり、再生したときのCN比は約10dBとなる。
【0157】
このような結果より、プローブアレイ110によれば、100個の突起部111により並列して記録再生することにより、記録再生速度を1Gbpsの超高速として記録再生を行うことができるとともに、マーク長を小さくして、超高密度の記録再生をすることができる。
【0158】
つぎに、本発明を適用した更に他のプローブアレイについて説明する。なお、以下に説明するプローブアレイでは、上述したプローブアレイで説明した構成を適用しても良く、更には単一プローブであっても良い。
【0159】
平面図を図26(a)に示すプローブアレイ120は、図26(b)に示すように情報を記録する回転型記録媒体(光ディスクD)に突起部121の形成側が対向して配設され、回転する光ディスクDに対して光を照射して情報の記録再生を行う。
【0160】
このプローブアレイ120は、突起部121と同じ高屈折率材料(例えばSi)からなり、各突起部111の周囲を囲む位置に配されたバンク部112と、突起部121と同じ材料からなるパッド部123と光ディスクDと対向する面に備えている。プローブアレイ120は、バンク部122、パッド部123が光ディスクDと接して、情報の記録再生をする。
【0161】
パッド部123は、プローブアレイ120の一方端120aと他方端120bとの間の中心位置における中心線上、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置にその中心位置が配されるように形成される。すなわち、パッド部123は、プローブアレイ120を光ディスクDに接するように押圧する押圧部材124とプローブアレイ120が接し、押圧部材124の押圧方向(プローブアレイ120の厚さ方向)の直下に配設される。これにより、パッド部123は、押圧部材124の押圧力を光ディスクDに伝達し、プローブアレイ120を光ディスクDに押圧させる。これにより、プローブアレイ120は、更にスライディングの安定性を向上させることができる。また、このパッド部123は、中心位置が上記所定の位置に形成される場合のみならず重心位置を所定の位置に形成しても良い。
【0162】
すなわち、プローブアレイ120によれば、上述のプローブアレイ110と比較して光ディスクDに対して記録再生をしているときの跳躍量を抑制する。以下に、パッド部を媒体進入側に設けたプローブアレイ110と、パッド部を中心位置に設けたプローブアレイ120との跳躍量の比較をする。
【0163】
比較に際して、図27に示すような跳躍量測定装置130を用いた。この跳躍量測定装置130は、FFT(fast Fourier transform)測定器131、ドップラー振動計132、光ディスクDを回転するモータ133を備え、プローブアレイを光ディスクD上に配置してプローブアレイの振動を測定するものである。
【0164】
この跳躍量測定装置130によれば、モータ133により光ディスクDをCLV方式(線速度=0.43m/s)で回転させるとともにプローブアレイを光ディスクD上に配置させた状態で、光源141からレーザ光をビームスプリッタ142、光ファイバケーブル143を介してプローブアレイに照射し、その反射レーザ光を光ファイバケーブル143、ビームスプリッタ142、AOM144、ビームスプリッタ145を介して光検出器146で検出する。また、この跳躍量測定装置130は、光源141から出射したレーザ光をビームスプリッタ142、147、光ファイバケーブル148を介して光ディスクDの表面の記録層に照射し、その反射レーザ光を光ファイバケーブル148、ビームスプリッタ147、ミラー149、ビームスプリッタ145を介して光検出器146に入射する。ここで、ビームスプリッタ145に入射されたプローブアレイからの反射レーザ光と、光ディスクDからの反射レーザ光とは、合成されて光検出器146に入射される。FFT測定器131には、プローブアレイの跳躍に基づく検出信号にフーリエ変換処理をしてプローブアレイ1の跳躍量を求める。
【0165】
このような跳躍量測定装置130により求めた跳躍量の結果を図28に示す。図28は、プローブアレイ110、120の跳躍量を縦軸に示し、測定時間を横軸に示し、上段にプローブアレイ110の跳躍の様子、下段にプローブアレイ120の跳躍の様子を示す。
【0166】
図28によれば、跳躍量の標準偏差をσとしたとき、プローブアレイ110については2σ=約1.0nmとなるのに対し、プローブアレイ120については2σ=0.6nmとなる。
【0167】
したがって、プローブアレイ120によれば、パッド部122を中心位置に配置することにより、プローブアレイ110と比較して跳躍量を低減させ、安定したスライディングを実現できる。
【0168】
上述した実施の形態では、本発明を特に近接場光を発生させるプローブアレイ1又は単一プローブについて説明したが、本発明は、伝搬光(近接場光でない光)を出射するプローブアレイ又は単一プローブにも適用することができる。このプローブアレイ又は単一プローブは、先端の開口の大きさを記録媒体にエネルギーを供給する手段によって変化させる。このプローブアレイ又は単一プローブでは、例えば本願出願人が先に特開平11−271339号公報で提案したようなファイバープローブのように主として通常の光(伝搬光)の形態でエネルギーを供給する場合には、先端の開口の大きさを、出射する光の波長程度又はそれ以上とする。また、プローブアレイ又は単一プローブでは、エバネッセント光(近接場光)の形態でエネルギーを供給する場合には、先端の開口の大きさを、出射する光の波長より小さく形成させておく。これにより、内部集光型プローブであっても、本発明を適用することができる。
【0169】
本発明は上述した近接場光、伝搬光を発生させるもののどちらの形態であっても適用可能である。また、近接場光と伝搬光の両方の光が同時に突起部の先端から発するものであっても良い。
【0170】
また、上述の実施の形態でプローブアレイ1又は単一プローブを作製するときには、結晶成長により作製されたSOI基板10を用いる一例について説明したが、直接接合等による単結晶シリコンウェハのはりあわせの後に活性層11側のシリコンを研磨して所望の厚みに仕上げる張り合わせ法や、酸素イオンのイオン注入により酸化膜を基板表面下に形成するSIMOX法等を用いて作製したものでも良い。これらの場合でも原子レベルの活性層11膜厚の均一性は得られている。
【0171】
更に、透光性を有するガラス基板14として、コーニング社の#7740や岩城硝子のSW−3を挙げたが他の基板を用いても良い。具体的には、上述の常温の直接接合を用いる場合は、石英基板や、透光性の樹脂を用いることもできる。特に石英を用いた場合は、高温の直接接合により透光性の基板とSi層を接合することができる。この方法は、基板の表面を充分に洗浄して、表面のゴミや汚れを除去して乾燥させ、正常な雰囲気中で面同士を接触させる。この後、900℃以上の熱処理を窒素中で行うことにより、基板が接合される。
【0172】
更に、上述の実施の形態では、SOI基板10の活性層11とガラス基板14とを接合する方法として、陽極接合による一例を説明したが、他の接合方法であっても良い。すなわち、活性層11とガラス基板14とを接合する手法として、常温の直接接合(常温接合)を用いても良い。上記常温接合は、鏡面研磨したシリコンウェハやガラス基板、金属基板をいわゆるRCA洗浄した後、10-9Torr雰囲気中の真空チャンバ内でArのFAB(Fast Atomic Beam)を2枚の基板にそれぞれに300sec程度、同時に照射した後、10MPaの圧力で圧着する。これにより、大気中に戻した後の接合強度は、12MPa以上となる。活性層11と石英基板であるガラス基板14とを上記常温接合することにより本発明を適用したプローブアレイを作製することもできる。また、上記の接合の例においては、活性層11と透光性を有するガラス基板14との接合以外にも、上述したGaPやTiO2層、n型Si層52、低濃度Si層72、高濃度p型Si層82と透光性基板の接合により本発明を適用したプローブアレイを作製することができる。上記RCA洗浄とは、RCA社が提案した過酸化水素水をベースとした洗浄方法である。
【0173】
更にまた、低融点硝子(フリットガラス)を用いた硝子接合によりSi層と透光性のガラス基板14とを接合することもできる。
【0174】
更にまた、接着剤により開口を作製した層と透光性のガラス基板14の接合を行うこともできる。この場合、ガラス基板を用い、ガラスと屈折率が等しくなるように作製された光学用接着剤(例えば駿河精機製V40−J91)を用いることができる。
【0175】
更にまた、上述の実施の形態では、Si突起部3を作製するためにKOH等の異方性エッチングを用いたが、リアクティブイオンエッチング(RIE)等のドライエッチングを用いても良い。
【0176】
更にまた、上述した実施の形態では、突起部となる高屈折率材料をガラス基板上に接合により形成していたが、蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法、熱CVD法、光CVD法等の薄膜形成技術により高屈折率材料からなる薄膜を形成しても良い。
【0177】
更にまた、本発明を適用した実施の形態では、ガラス基板2上に複数のSi突起部3が搭載されるプローブアレイを示したが、ガラス基板2上に一つのSi突起部3が搭載された場合でも、本発明の効果を発揮することができ、本発明に含まれる。
【0178】
更にまた、本発明を適用した実施の形態では、Si突起部3の形状が四角錐形状である場合についてのみ述べたが、これに限られず、円錐形状や円錐台形状であっても良い。
【0179】
更にまた、本発明を適用した実施の形態では、突起部を形成する高屈折率材料として、主としてSiを用いた一例について説明したが、これに限られず、C(ダイヤモンド)、アモルファスSi、マイクロクリスタル(微小結晶)Si、多結晶Si、SixNy(x、yは任意)、TiO2、TeO2、Al2O3、Y2O3、La2O2S、LiGaO2、BaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、KNbO3、K(Ta,Nb)O3(KTN)、LiNbO3、LiTaO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、(Pb,La)(Zr,Ti)O2、(Pb,La)(Hf,Ti)O3、PbGeO3、Li2GeO3、MgAl2O4、CoFe2O4、(Sr,Ba)Nb2O6、La2Ti2O7、Nd2Ti2O7、Ba2TiSi12O8、Pb5Ge3O11、Bi4Ge3O12、Bi4Si3O12、Y3Al5O12、Gd3Fe5O12、(Gd,Bi)3Fe5O12、Ba2NaNbO15、Bi12GeO20、Bi12SiO20、Ca12Al14O33、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、AgCl、TlCl、CuCl、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、AgBr、TlBr、LiI、NaI、KI、CsI、Tl(Br,I)、Tl(Cl、Br)、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、PbF2、Hg2Cl2、FeF3、CsPbCl3、BaMgF4、BaZnF4、Na2SbF5、LiClO4・3H2O、CdHg(SCN)4、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、α−HgS、PbS、PbSe、EuS、EuSe、GaSe、LiInS2、AgGaS2、AgGaSe2、TlInS2、TlInSe2、TlGaSe2、TlGaS2、As2S3、As2Se3、Ag3AsS3、Ag3SbS3、CdGa2S4、CdCr2S4、Tl3TaS4、Tl3TaSe4、Tl3VS4、Tl3AsS4、Tl3PSe4、GaP、GaAs、GaN、(Ga,Al)As、Ga(As,P)、(InGa)P、(InGa)As、(Ga,Al)Sb、Ga(AsSb)、(InGa)(AsP)、(GaAl)(AsSb)、ZnGeP2、CaCO3、NaNO3、α−HIO3、α−LiIO3、KIO2F2、FeBO3、Fe3BO6、KB5O8・4H2O、BeSO4・2H2O、CuSO4・5H2O、Li2SO4・H2O、KH2PO4、KD2PO4、NH4H2PO4、KH2AsO4、KD2AsO4、CsH2AsO4、CsD2AsO4、KTiOPO4、RbTiOPO4、(K,Rb)TiOPO4、PbMoO4、β−Gd2(MoO4)3、β−Tb2(MoO4)3、Pb2MoO5、Bi2WO6、K2MoOS3・KCl、YVO4、Ca3(VO4)2、Pb5(GeO4)(VO4)2、CO(NH2)2、Li(COOH)・H2O、Sr(COOH)2、(NH4CH2COOH)3H2SO4、(ND4CD2COOD)3D2SO4、(NH4CH2COOH)3H2BeF、(NH4)2C2O4・H2O、C4H3N3O4、C4H9NO3、C6H4(NO2)2、C6H4NO2Br、C6H4NO2Cl、C6H4NO2NH2、C6H4(NH4)OH、C6H4(CO2)2HCs、C6H4(CO2)2HRb、C6H3NO2CH3NH2、C6H3CH3(NH2)2、C6H12O5・H2OKH(C8H4O4)、C10H11N3O6、[CH2・CF2]nも使用可能である。
【0180】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るプローブは、光透過性を有する基板と、上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなる突起部とを備え、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0181】
本発明に係るプローブの製造方法は、光透過性を有する第1の基板と、中間層をパターニングし、パターニングして露呈した高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0182】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、中間層をパターニングし、パターニングして露呈したGaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0183】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0184】
本発明を適用した他のプローブの製造方法は、n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈したn型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0185】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0186】
本発明に係るプローブアレイは、基板上に形成され、基板よりも屈折率が高い材料からなり、先端位置が揃った錐状の複数の突起部とを備えるので、高効率且つ高分解能の光を出射することができる。
【0187】
本発明に係るプローブアレイの製造方法は、中間層をパターニングし、パターニングして露呈した高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さが中間層で一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0188】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さが中間層で一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0189】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さがパターニング用材料で一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0190】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈したn型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さがパターニング用材料の高さで一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0191】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さがパターニング用材料の高さで一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明を適用したプローブアレイの平面図を示し、(b)は本発明を適用したプローブアレイの断面図を示す。
【図2】本発明を適用したプローブアレイに備えられるSi突起部を示す断面図である。
【図3】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに用意するSOI基板の断面図である。
【図4】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOI基板とガラス基板とを陽極接続することを説明するための断面図である。
【図5】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SiO2層に対してパターニングを行うことを説明するための断面図である。
【図6】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハに対してエッチングを行ってSi突起部及びバンク部を作製することを説明するための断面図である。
【図7】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハに対してエッチングを行ってSi突起部が形成されるときの作製過程を示す側面図であり、(a)はエッチング開始から180sec経過後の活性層の形状、(b)はエッチング開始から360sec経過後の活性層の形状、(c)はエッチング開始から540sec経過後の活性層の形状、(d)はエッチング開始から750sec経過後の活性層の形状を示す。
【図8】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハ及びガラス基板上に金属層を形成することを説明するための断面図である。
【図9】本発明を適用したプローブアレイの断面図である。
【図10】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハに対してエッチングを行って複数の傾斜を有するSi突起部を形成するときの側面図であり、(a)はエッチング開始から60sec経過後の活性層の形状、(b)はエッチング開始から150sec経過後の活性層の形状、(c)はエッチング開始から405sec経過後の活性層の形状、(d)はエッチング開始から483sec経過後の活性層の形状を示す。
【図11】(a)は光ファイバプローブのコア径と等価屈折率との関係を示し、(b)は光ファイバプローブのコア径とスポット径との関係を示す図である。
【図12】光ファイバプローブの検出位置と電界強度との関係を示す図である。
【図13】光ファイバプローブのコア径と、電界強度及びスポット径との関係を示す図である。
【図14】本発明を適用したプローブアレイ又は単一プローブを作製するときの他の一例を示す工程図である。
【図15】(a)は本発明を適用したプローブアレイの光効率を測定するための測定装置を示す図であり、(b)は光ファイバプローブの光効率を測定するための測定装置を示す図である。
【図16】光ファイバプローブで発生させる近接場光の検出位置と光強度との関係を実線Aで示し、本発明を適用したプローブアレイで検出した光の検出位置と光強度との関係を点線B示す図である。
【図17】GaPを用いたプローブアレイの作製方法を示す図であり、(a)は単結晶Siウェハに単結晶GaPウェハを接合することを示す図であり、(b)はガラス基板と単結晶GaPウェハとを接合することを示す図であり、(c)は単結晶Siウェハを除去することを示す図であり、(d)はSiO2パターンを単結晶GaPウェハ上に形成することを示す図であり、(e)はGaP突起部を形成することを示す図であり、(f)はSiO2パターンを除去することを示す図であり、(g)は金属層を形成することを示す図である。
【図18】SOI基板以外のSiウェハを用いたプローブアレイの製造方法を示す図であり、(a)はp型Si層にn型Si層が形成されている基板を示す図であり、(b)はガラス基板とn型Si層の表面とが接するように陽極接合することを示す図であり、(c)はp型Si層を除去した後にエッチングを行うことを示す図であり、(d)はn型Si層の表面にパターン形成層を形成することを示す図であり、(e)はn型Si層上にパターンを形成することを示す図であり、(f)はエッチングしてSi突起部することを示す図であり、(g)はSi突起部上に残存したパターンを除去することを示す図であり、(h)はガラス基板上に金属層を形成することを示す図である。
【図19】電気化学エッチングを実現するためのエッチング装置を示す図である。
【図20】本発明を適用したプローブアレイを製造するときの更に他の一例について説明するための図であり、(a)は高濃度Si層に低濃度Si層が形成されている基板を示す図であり、(b)はガラス基板と低濃度Si層の表面とが接するように陽極接合することを示す図であり、(c)は高濃度Si層を除去した後エッチングを施すことを示す図であり、(d)は低濃度Si層の表面にパターン形成層を形成することを示す図であり、(e)は低濃度Si層上にパターンを形成することを示す図であり、(f)はエッチングをしてSi突起部を形成することを示す図であり、(g)はパターンを除去することを示す図であり、(h)は金属層を形成することを示す図である。
【図21】本発明を適用したプローブアレイを製造するときの更に他の一例について説明するための図であり、(a)はn型Si層に高濃度p型Si層が形成されている基板を示す図であり、(b)はガラス基板と高濃度p型Si層の表面とが接するように陽極接合することを示す図であり、(c)はn型Si層を除去した後、エッチングをすることを示す図であり、(d)は高濃度p型Si層の表面にパターン形成層を形成することを示す図であり、(e)は高濃度p型Si層上にパターンを形成することを示す図であり、(f)はSi突起部を形成することを示す図であり、(g)はパターンを除去することを示す図であり、(h)は金属層を形成することを示す図である。
【図22】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図23】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す側面図である。
【図24】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図25】図24に示すプローブアレイにより光ディスクに記録をしたときのマーク長と、再生したときのCN比との関係を示す図である。
【図26】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図27】プローブアレイの跳躍量を測定する跳躍量測定装置を示すブロック図である。
【図28】図24及び図25に示した本発明を適用したプローブアレイの跳躍量を示す図である。
【図29】従来のプローブアレイを製造するときに用いる凹部アレイの断面図である。
【図30】従来のプローブアレイを製造するときに用いる凹部アレイの断面図である。
【符号の説明】
1 プローブアレイ、2 ガラス基板、3 Si突起部、10 SOI基板、11 SOIウエハ、12 SiO2層、13 Si支持基板、14 ガラス基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射された光を集光して例えば被測定試料及び記録媒体に光を照射するのに用いて好適なプローブ及びプローブの製造方法、プローブアレイ及びプローブアレイの製造方法に関し、詳しくは、入射された光を集光して近接場光や伝搬光を発生させることができるプローブ及びプローブの製造方法、プローブアレイ及びプローブアレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば近接場光学顕微鏡及び近接場光記録用光ヘッドに備えられる複数の突起型プローブを作製するには、これまでに複数の凹部アレイの転写による作製方法が提案されていた。
【0003】
この近接場光学顕微鏡及び近接場光記録用光ヘッドは、各突起部と試料との距離を、試料の測定を行うときに用いる光の波長よりも小さくするように突起型プローブアレイを配設する。これにより、近接場光学顕微鏡は、各突起部と、試料との間に近接場光を発生させて試料の物性測定を行うことが多い。
【0004】
上記突起型プローブアレイを製造するときには、先ず、例えば面方位が(100)面のSi基板に対して異方性エッチングを行うことでSi基板に複数の凹部からなる凹部アレイを作製する。次いで、作製した凹部アレイを用いて他の材料(例えば金属材料や誘電体材料)に凹部を転写する。このとき凹部アレイの表面を例えば金属や誘電体等のSiとは異なる他の材料で覆い、その後他の材料からSi基板を除去する。これにより、金属材料や誘電体材料からなる突起部を複数備えた突起型プローブアレイを作製する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した近接場光学顕微鏡に備えられる突起型プローブアレイは、光の波長以下の距離で各突起部と試料とを近接して使用されるので、各突起部の高さを制御することが重要となる。
【0006】
ここで、上述したように、凹部アレイを用いて金属材料等を転写して突起型プローブアレイを作製する場合、各突起部の高さHは、図29に示すように、凹部アレイ1000の凹部1001の深さにより決定される。各凹部1001の深さは、凹部1001がSi(111)面によって囲まれることにより、凹部1001の幅W=2H/tan54.74゜≒1.414Hによって決定される。
【0007】
しかし、凹部1001の幅は、電子ビーム露光装置を用いたとしても、機械的な精度に揺らぎが発生するために、各凹部1001で約10nm程度の誤差が発生してしまう。したがって、凹部アレイ1000を用いて作製される突起型プローブアレイの各突起部の高さを均一にすることが不可能であった。
【0008】
また、プローブアレイでなく、単一の突起型プローブを作製する場合は、単一の突起を作製するので、複数の突起の高さを均一にすることは考慮することはない。しかし、次のような問題がある。
【0009】
先ず、各突起の先端は完全に先鋭化されている訳ではなく、実際には、突起先端部が平面に仕上げられていて、突起は錐台形状になっている。従来技術により錐台形の突起を作製する場合、図30(a)に示すように、先ず、錐台状の凹部2001を作製する。これを転写して突起を作製するわけであるが、このときの突起先端の平面度は前記凹部の平面度に反映される。底面2002を持つ凹部2001を作製する場合は、凹部2001を構成する面が全て(111)面になる(底面が無くなる)前に、異方性エッチングの時間を管理して、エッチングを停止して作製する。この場合、底面2002の平面度は、ヒロック等の発生により、その平面度は非常に悪いことが多い。
【0010】
突起型プローブの先端としては、例えば出射する光の波長をλとすると、λ/8以下の平面度が必要であるが、従来技術で作製した凹部2001の底面2002の平面度はこれに遠く及ばない。したがって、従来技術で突起型プローブを作製することはできない。
【0011】
次に、図30(b)に示すように、エッチストップ層2003を凹部2001の底面2002に予め作製しておいて時間管理をせずに底面2002を作製する場合もある。この場合、エッチストップ層2003の充分な平面度を得ることができるので、平面度の点では要求を満たす突起を作製することが可能となる。
【0012】
しかし、この場合は、凹部2001の開口幅Wと凹部2001の深さHとから作製する突起の開口径Dが定まり、深さHは局所的な平面度という点では上述したように充分な精度を有しているが、一枚のウェハ内あるいはウェハ間の揺らぎは数百nm程度と非常に大きいことが多い。
【0013】
従って、一定の開口幅Wで凹部2001を作製すると、底面2002の径(すなわち突起先端の開口径D)は深さHの揺らぎに応じて変動する。
【0014】
このことに対応するには、開口幅Wを深さHの揺らぎに合わせて変化させることが挙げられるが、深さHを正確に測定することは不可能である。また、実際はフォトマスクの寸法を変化させることは不可能である。
【0015】
以上より、従来技術には、複数の突起の高さを均一にすることを考慮する必要のない、単一の突起型プローブを作製する場合にも、寸法精度上の大きな問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、寸法精度を飛躍的に向上させたプローブ及びプローブの製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、高効率かつ高分解能であって、プローブアレイに設けられる各突起部の高さが一定に制御されたプローブアレイを提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、プローブアレイを製造するときに、高効率かつ高分解能であって、各突起部の高さを一定に制御することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプローブは、上述の課題を解決するために、光透過性を有する基板と、上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなる突起部とを備える。このプローブにおいて、上記突起部は、上記基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、或いは伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。
【0020】
本発明に係るプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高い高屈折率層、上記高屈折率層上に積層された中間層、上記中間層上に積層された支持層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高屈折率層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上に高屈折率層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0021】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、支持層、上記支持層上に形成された中間層、上記中間層上に形成されGaP層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記GaP層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上にGaP層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0022】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高く所定量の不純物が混入した低濃度層、前記所定量の不純物よりも多い不純物が混入した高濃度層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記低濃度層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる高濃度層を除去し、上記高濃度層を除去して露呈した上記低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に低濃度層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0023】
本発明を適用した他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高いn型Si層とp型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記n型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるp型Si層を除去し、上記p型Si層を除去して露呈した上記n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記n型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上にn型Si層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0024】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si層とn型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高濃度p型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるn型Si層を除去し、上記n型Si層を除去して露呈した上記高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に上記高濃度p型Si層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製する。
【0025】
本発明に係るプローブアレイは、上述の課題を解決するために、光透過性を有する基板と、上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなり、先端位置が揃った錐状の複数の突起部とを備え、上記各突起部は、上記基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、或いは伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。
【0026】
本発明に係るプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高い高屈折率層、上記高屈折率層上に積層された中間層、上記中間層上に積層された支持層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高屈折率層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上に高屈折率層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0027】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、支持層、上記支持層上に形成された中間層、上記中間層上に形成されGaP層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記GaP層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上にGaP層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0028】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高く所定量の不純物が混入した低濃度層、前記所定量の不純物よりも多い不純物が混入した高濃度層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記低濃度層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれる高濃度層を除去し、上記高濃度層を除去して露呈した上記低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に低濃度層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0029】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高いn型Si層とp型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記n型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるp型Si層を除去し、上記p型Si層を除去して露呈した上記n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記n型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上にn型Si層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0030】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、上述の課題を解決するために、光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si層とn型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高濃度p型Si層とを接触させて接合し、上記第2の基板に含まれるn型Si層を除去し、上記n型Si層を除去して露呈した上記高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に上記高濃度p型Si層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
本発明は、入射された光を集光する単一プローブ、例えば図1に示すような複数の単一プローブを有するプローブアレイ1に適用される。
【0033】
このプローブアレイ1は、近接場光学顕微鏡の光ヘッドや、記録媒体に近接場光を照射するための光ヘッドとして用いられる。例えばプローブアレイ1を近接場光学顕微鏡の光ヘッドとして使用した場合、プローブアレイ1は、被測定試料との距離が、被測定試料に照射する光の波長以下の位置に配設される。このような状態において、プローブアレイ1は、被測定試料との間で近接場光を発生させる。
【0034】
このプローブアレイ1は、図1に示すように構成される。プローブアレイ1は、図1(b)に示すように、ガラス基板2と、ガラス基板2上に形成された複数のSi突起部3と、Si突起部3の周囲に設けられたバンク部4と、Si突起部3及びバンク部4上に形成された金属層5とからなる。このプローブアレイ1において、ガラス基板2と、Si突起部3及びバンク部4とは、陽極接合等の手法を用いて接続されている。なお、上記陽極接合については、プローブアレイ1の製造方法の説明で詳述する。本実施の形態において、プローブアレイ1を構成するSi突起部3は、上記単一プローブに相当する。
【0035】
ガラス基板2は、図1(a)に示すように例えば縦寸法t1が約3mm、横寸法t2が約4mmであって、図1(b)に示すように厚さ寸法t3が約1mmに成形されている。
【0036】
Si突起部3は、ガラス基板2よりも屈折率が非常に高い高屈折率材料からなる。この実施の形態では、例えばSi材料からなる。このSi突起部3は、図1(a)に示すように、バンク部4に囲まれて、縦方向及び横方向の2次元に配列されて形成されている。各Si突起部3は、底面をガラス基板2側に形成した四角錐形状となってガラス基板2上に形成される。各Si突起部3は、図1(b)に示すように、高さ寸法t4が約5〜10μmで形成されている。
【0037】
また、各Si突起部3は、図2に示すように、底面の一辺の長さt7が約10μm、高さ寸法t4が約10μmとなっているとき、先端部分(頂点)のなす角度θが約90度とされて形成される。このSi突起部3の側面は、光が四角錐の底面側から入射されたとき、先端部分で光強度が大きくなるように設計されている。
【0038】
更に、Si突起部3は、後述するが、側面が2段階に変化されたときには、高さ寸法t4が約3μm、底面の一辺の長さが約2μm、先端部分(頂点)のなす角度が約30度とされて形成される。また、このSi突起部3は、先端部分の開口径が100nm程度に形成されることで先端部分に近接場光を発生させるように設計され、先端部分の開口径が光の波長程度に形成させることで先端部分に近接場光でない伝搬光を発生させるように設計される。
【0039】
バンク部4は、Si突起部3と同じくSi材料からなる。このバンク部4は、縦寸法t5及び横寸法t6が約100μmの正方形状に形成され、高さ寸法がSi突起部3と同じく5〜10μmで形成される。
【0040】
このバンク部4は、縦方向及び横方向の2次元に配列されて2上に形成される。このバンク部4が2次元方向に配列されることで、各Si突起部3は、ガラス基板2上に2次元方向に配列される。
【0041】
金属層5は、例えばAl等の遮光性材料からなり、例えば蒸着法等の薄膜形成技術により、光を透過させない程度の膜厚に形成される。この金属膜5は、例えばAl材料を用いた場合、約30nm程度の膜厚で形成される。この金属層5は、ガラス基板2及びSi突起部3の側面に形成される。
【0042】
このようなプローブアレイ1では、上記近接場光学顕微鏡に備えられ、試料との距離が光の波長以下の位置に配設される。このプローブアレイ1は、ガラス基板2側から光が入射されると、金属層5で光を散乱させてSi突起部3の頂点での光強度が大きくなるように集光し、各Si突起部3と試料との間に近接場光を発生させる。
【0043】
つぎに、上述のプローブアレイ1の製造方法について説明する。なお、以下に説明するプローブアレイ1の製造方法は、単一のプローブ、すなわち、単一のSi突起部3を製造するときにも適用することができる。
【0044】
プローブアレイ1を製造するとき、先ず、図3に示すようにSOI(SiliconOn Insulator)基板10を用意する。このSOI基板10は、Siからなる活性層11と、活性層11上に形成された中間層であるSiO2層12と、SiO2層12上に形成されたSi支持基板13とからなる。ここで、活性層11は、膜厚が約10μm程度であり、波長が約800nm程度の光に対する屈折率が約4程度である。ここで、活性層11は、Si突起部3及びバンク部4が形成される面では表面が均一であることが必要である。
【0045】
次に、図4に示すように、SOI基板10とガラス基板14とを陽極接合する。ガラス基板14としては、コーニング社の#7740や#7070、或いは岩城硝子のSW−3等を用いる。ここで、ガラス基板14はNa+イオンを含有している。そして、SOI基板10の活性層11とガラス基板14とを接触させ、真空中或いはN2、Ar2等の不活性ガス中で、350℃〜450℃に加熱したまま、Si支持基板13側を陽極としてSi支持基板13とガラス基板14との間に200V〜1000Vの電位差を与える。ガラス基板14の融点以下の温度でも正のNa+イオンはガラス基板14の中で動きやすくなるので、負電界に引かれてガラス基板14表面に到達する。ガラス基板14中に残った多量の負イオンが活性層11(Si)との接着面に空間電荷層を形成して、Si−ガラス間に吸引力を生じ、化学結合させる。
【0046】
次に、SOI基板10からSi支持基板13をKOH水溶液やテトラメティルアンモニュウムハイドロオキサイド(TMAH)、弗酸・硝酸混合液等などによるエッチング、或いは機械的研磨、或いは化学機械研磨(CMP)により除去する。これにより、SiO2層12の表面が露呈することになる。
【0047】
次に、図5に示すように、Si支持基板13を除去したことにより露呈したSiO2層12の表面に対してリソグラフィによりパターニングする。パターニングするときには、例えば図1で示したように、Si突起部3及びバンク部4の先端部分を配設する位置にSiO2層12を残すように行う。これにより、SiO2層12からなるパターンを活性層11上に形成する。ここで、各Si突起部3を形成するための各先端部分に対応するパターンとしては、一辺が約10〜15μmの四角形状又は同等の大きさを有する丸形状のものが使用可能である。
【0048】
次に、図6に示すように、SiO2層12のパターンが形成された面に対して、例えばKOH水溶液、NaOH水溶液、ヒドラジン−水和物、エティレンジアミン−パイロカテコール−水の混合液(EPW)、TMAH等のエッチャントを用いて異方性エッチングを行う。これにより、SiO2層12のパターンが形成されていない部分にのみ異方性エッチングを施す。
【0049】
例えばエッチング溶液としてKOH溶液(34wt%、80℃)にイソプロピルアルコール(IPA)を混ぜた溶液を用いた場合、活性層11の側面の傾斜が一段階のプローブアレイ1を作製することができる。このとき、各SiO2層12により形成されるパターンの形状は丸形状でも四角形状であっても変化はしない。
【0050】
更に具体的には、SiO2層12を10μm角の正方形状とし、エッチャントとしてKOH(40g、85%)、水(60g)、IPA(40cc)を混ぜ、80℃でエッチングをしたとき、開始から180sec、360sec、540sec、750secの時間エッチングをしたときの活性層11の変化は、それぞれ図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)に示すようになる。これにより、図6に示すように、四角錐形状のSi突起部3となる活性層11aを形成するとともに、バンク部4となる活性層11bをガラス基板14上に形成する。
【0051】
次に、図8に示すように、活性層11a及び活性層11b上に残存するSiO2層12を除去し、活性層11a及び活性層11bの側面、及び、活性層11a及び活性層11bが残存していないガラス基板14上に金属層15を形成する。
【0052】
また、図9に示すように、活性層11b及びガラス基板14の活性層形成面、或いは上記活性層11bのみに金属層15からなる遮光膜を形成する。このように製造されたプローブアレイ1では、Si突起部3の先端から発生する光以外の光を遮断することができ、読みとり信号のS/Nを向上させることができる。
【0053】
ここで、金属層15の厚さは、材料としてAlを使用するときには約30〜50nm程度とし、材料としてAuを使用するときには約100nm程度に形成する。すなわち、金属層15は、ガラス基板2からSi突起部3に入射して光を発生させることができるスキンデプス程度の厚さに形成される。
【0054】
したがって、上述した図4〜図8、及び図9で説明した工程を行うことにより、図1に示すような、ガラス基板2上にSi突起部3を複数備えるプローブアレイ1又は単一のSi突起部3からなる単一プローブを製造することができる。
【0055】
このプローブアレイ1によれば、Siからなる活性層11をガラス基板14に接合・転写することにより、各Si突起部3の先端の高さを均一にし、Si突起部3の先端の平面度を向上させて、先端に発生させる近接場光及び伝搬光を高効率、高分解能で出射することができ、さらには、開口径制御を容易にする。
【0056】
また、プローブアレイでなく、単一の突起型プローブを作製する場合には、特に錐台状突起型プローブの先端面の平面度をλ/8以下の、非常に高いものにすることができる。また、突起先端の開口径Dは突起を作製するエッチング時間により容易に制御できる。
【0057】
このようなプローブアレイ1は、SOI基板10を用いて製造することができるので、各Si突起部3の先端部分の高さの誤差がSOI基板10の膜厚精度により決定される。ここで、結晶成長技術により作製されたSOI基板10の膜厚精度は、原子レベル程度の誤差しかないので、各Si突起部3の先端部分の高さの誤差も原子レベル程度と推定される。したがって、このプローブアレイ1の製造方法によれば、従来の転写を用いた製造技術と比較しても、高精度で高さの制御をすることができ、先端位置が均一に制御されたSi突起部3を製造することができる。
【0058】
更に、このプローブアレイ1によれば、各Si突起部3の高さが一定であるので、記録媒体に対して記録再生を行うに際して、記録媒体と各Si突起部3の先端との距離を各Si突起部3について一定とすることができ、全Si突起部3を近接場光を発生させるのに必要な位置とすることができる。すなわち、このプローブアレイ1によれば、各Si突起部3ごとに近接場光が発生しなかったり、発生したりするようなことがない。
【0059】
また、このプローブアレイ1は、SOI基板10とガラス基板14とを陽極接合して製造されるので、SOI基板10のみを用いて製造された場合と比較して強度が向上されている。
【0060】
更に、例えばガラス基板14に代えてSiからなる基板を用いたときには、充分な機械的強度を得るために数百μmの厚みは必要なので、Siが可視光に対して伝搬損失があるため、Si突起部3に光を入射することが不可能となる。これに対し、プローブアレイ1では、Si突起部3がガラス基板14上に形成されていて、Si突起部3の高さも5〜10μmである。5〜10μm厚のSiは780〜830nm程度の波長では数10%の透過率を有しているので、各Si突起部3に入射する光量を多くして、先端部分で発生する近接場光の光強度を高めることができる。
【0061】
したがって、このプローブアレイ1によれば、Si突起部3がSiからなり、各Si突起部3の先端位置が均一であるので、各Si突起部3の効率が均一となり、これまで両立が困難であった高効率性と高分解能性を兼ね備えるものであると言える。すなわち、このプローブアレイ1によれば、Si突起部3がSiのような高屈折率材料を用いることで、Si突起部3での伝搬光の波長が実効的に短くなることにより、Si突起部3から外部にしみ出す光を抑制して光利用効率を向上させるとともに、光スポット径を小さくすることができる。
【0062】
また、Si突起部3の間でそれらの高さが均一であるため、各Si突起部3について、その先端で近接場光が存在する範囲内に記録媒体が接近できる。従って、全てのSi突起部3の高効率性と高分解能性を同時に達成できる。
【0063】
また、このプローブアレイ1によれば、Si突起部3の高さと同じ高さを有し、Si突起部3の周囲を囲む位置に配されたバンク部4を備えているので、記録媒体への記録再生時に際して、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に対向したときに、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に接触したときでも、Si突起部3に加わる圧力を減らし、Si突起部3の損傷を低減することができる。
【0064】
また、このプローブアレイ1によれば、作製時において、Si突起部3及びバンク部4と同じ材料にして同時にエッチングすることで同じ高さとすることができるので、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に対向したときに、Si突起部3及びバンク部4が記録媒体に接触したときでも、Si突起部3に加わる圧力を減らし、Si突起部3の損傷を低減することができる。
【0065】
ここで、図6及び図7を用いて説明したように、エッチングを行ってSi突起部3及びバンク部4を製造するときには、図5を用いて説明したときの、SiO2層12をエッチングするときのパターンを変化させることで、ガラス基板14に対する傾斜角度が複数となされたSi突起部3を形成することができる。
【0066】
すなわち、活性層11の側面の傾斜角を複数とするときには、SiO2層12からなるマスクの形状を丸形状とすることが望ましい。更に、エッチングを行うときのエッチング液をKOH溶液(34wt%、80℃)や、NaOH、EPW、TMAHとして作製する。
【0067】
更に具体的には、SiO2層12を10μm角の正方形状のパターンとし、エッチャントとしてKOH(34wt%、80℃)を用いたとき、開始から60sec、150sec、405sec、483secの時間エッチングをしたときの活性層11の変化がそれぞれ図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)に示すようになり、活性層11aをガラス基板14上に形成する。これにより、図10(d)に示すように、活性層11aの外壁を、傾斜角(テーパ角度)が異なる複数の傾斜面11c、11dとすることができる。
【0068】
このように、活性層11aの外壁に複数の傾斜面11c、11dを設けたSi突起部3では、傾斜面11dを有した第1の錐状領域では先鋭角を大きくし、傾斜面11cを有した第2の錐状領域では、先鋭角を小さくするように構成されている。したがって、このように作製されるSi突起部3では、上記第1の錐状領域では光の損失を小さくして高効率で光を伝搬し、第2の錐状領域では、第2の錐状領域からの光を絞って先端部分から小さいスポットの光を出射する。したがって、このようなSi突起部3によれば、高効率、且つ光分解能の光を取捨することができる。
【0069】
上述したSi突起部3では、光ファイバを先鋭化した光ファイバプローブのコア径の最適化手法を適用してその開口径を決定することができる。ここで光ファイバプローブのコア材料は、屈折率が1.53のガラス材料からなる。
【0070】
すなわち、光ファイバプローブの最適化において、コア内部での電界分布解析方法を用いる。この電界分布解析方法によれば、クラッドを光の漏洩のない理想金属と仮定し、コア内部に存在する光のモードをTE1nモード(n=1〜6)と、TM1nモード(n=1〜6)のみとしたときに、図11に示すようなコア径と、コアの中心における電界強度との関係を得る。図11によれば、光ファイバプローブのコア内においては、図11(a)に示すように複数のモードが存在し、図11(b)に示すようにそれぞれのモードの重ね合わせによって電界分布が形成されていることが分かる。
【0071】
図11(a)は、コア径を変化させたときの、各モードの電界強度及び等価屈折率を示す。図11(a)によれば、等価屈折率が0に集束するコア径を示すカットオフ径において、各モードの電界強度(振幅比)が最大となる。
【0072】
図11(b)は、コア径を変化させたときの、各モードの電界強度の和と、各コア径におけるスポット径を示し、但し、複数のピークが存在する場合にはコア中心におけるピークのスポット径を示している。この図11(b)によれば、各モードのカットオフ径において、電界強度が極大値を有するのみならず(図11(a))、小さいスポット径のピークが得られることが分かる。
【0073】
これらの各モードのカットオフ径において、TE11モードの光を伝達するためのカットオフ径においては、より開口径が小さい、すなわち、伝搬距離が長いために損失が大きくなる。また、TE13モードのカットオフ径においては、情報再生に適用した場合、得られるピークの数が多くなるので(5つのピーク)、その影響によって余分な情報まで検出してしまうことになる。そこで、伝搬距離、ピーク数を勘案すると、TE12モードのカットオフ径の光ファイバプローブとすることが望ましい。
【0074】
このような解析結果に基づいて、光ファイバプローブのコア内に伝搬するモードをTE12モードとなるようなカットオフ径のコア径(900〜920nm、光の波長λ=830nm)としたときの実験結果を図12に示す。
【0075】
図12(実線:実験結果)によれば、スポット径が約150nmとなるとともに、ピーク中心における電界強度が1[a.u]となっており、図11での解析結果(点線)によるスポット径(175nm)、電界強度(1[a.u])となり、コア径をTE12モードのカットオフ径としたときにおいて電界強度の極大と、微小スポットが得られることが分かる。また、スポット形状については、実験結果と解析結果とで非常に良い一致が得られている。
【0076】
このような光ファイバプローブを用いた解析結果、実験結果を本例のSi突起部3の材料である高屈折率媒質であるSiをコアの材料にして計算した結果を図13に示す。
【0077】
図13によれば、コア材料をSiとした場合、SiからなるコアをTE12モードのカットオフ径(0.4μm)に一致させることにより、微小スポット径(約75nm)を形成するとともに、電界強度の極大を得ることができる。
【0078】
したがって、Si突起部3の開口径をTE12モードのカットオフ径とすることにより、光ファイバプローブと同様に、微小スポット径を形成するとともに、電界強度の極大を得られるプローブアレイ1又は単一プローブを作製することができる。また、プローブアレイ1又は単一プローブでは、損失が小さく、ピーク数が小さい、情報記録再生に最適なものとすることができる。
【0079】
また、金属層15を形成するに際して、図1に示すように、活性層11bの傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成しても良い。
【0080】
Si突起部3の傾斜面のみに金属層5を形成したプローブアレイ1を作製するときには、SiO2層12からなるマスクの形状を、図14に示すように、作製するSi突起部3の先端位置上のSiO2層12の中央部分12aを所定の厚さとし、Si突起部3の先端位置上以外のSiO2層12の周辺部分12bを所定の厚さ以下の厚さとする。例えば、中央部分12aの厚さを少なくとも200nm程度とし、周辺部分12bの厚さを中央部分12aの厚さの1/5〜1/10程度の厚さとする。
【0081】
このような形状のSiO2層12及び活性層11をエッチャントを用いて図14(a)、図14(b)、図14(c)に示すようにエッチングし、図14(d)に示すように最終的には活性層11aの先端部分のみに中央部分12aを残存させる。そして、残存した中央部分12aをキャップとして金属層15を形成し、図14(e)に示すように、中央部分12aをウェットエッチングにより除去することにより、活性層11aの先端部分に金属層15が形成されないものを作製することができ、活性層11aの傾斜面だけに金属層15を形成することができる。
【0082】
このように製造されたプローブアレイ1では、Si突起部3の先端から発生する光以外の光を遮断することができるので、図9に示した場合と比較しても、更に発生させる光強度を向上させる。
【0083】
つぎに、上述したように製造されたプローブアレイ1での光効率について説明する。プローブアレイ1の光効率を測定するときの測定装置を図15(a)に示す。この測定装置は、レーザダイオード21から波長が830nmのレーザ光を出射し、コア22、クラッド23、金属被膜層24からなり先端が先鋭化された光ファイバプローブの先鋭部25(開口径=100nm)に近接場光を発生させる。そして、プローブアレイ1では、光ファイバプローブの先鋭部25に発生した近接場光を検出し、Si突起部3、ガラス基板2を通過した光をフォトディテクタ26で検出するように構成されている。ここで、光ファイバープローブの先鋭部25の開口径は100nmである。このような測定装置では、光ファイバプローブからレーザ光を入射したときに、Si突起部3の先端部分で発生する近接場光の光強度を測定することができ、これにより、近接場領域におけるプローブアレイのスループットを求めることができる。また、プローブアレイ1のスループットと分解能を評価するために、ファイバプローブとして高スループット(10%)・高分解能(150nm)の特性を持つ内部集光プローブ(開口径D=920nm)も併せて測定した(図15(b))。
【0084】
このような測定装置を用いて、フォトディテクタ27で検出した光の強度[a.u.]と光の検出位置[μm]との関係を図16に示す。この図16において、特性A(実線)は上述した工程で作製したプローブアレイ1についての測定結果であり、特性B(点線)は内部集光型プローブの測定結果である。特性Aと特性Bとを比較すると、プローブアレイ1は10%の効率を持ち、内部集光型プローブよりもスループットが大きく(約15%)、75nmの分解能を有することがわかる。
【0085】
したがって、上述したような製造方法で製造されたプローブアレイ1によれば、高効率で光を集光し、Si突起部3の先端部分に光強度の高い近接場光を発生させることができると同時に高分解能で試料測定を行うことができる。
【0086】
また、このプローブアレイ1によれば、例えば記録媒体への光照射を行って記録媒体に信号を記録及び/又は再生を高記録密度かつ、高S/Nで実現することができる。
【0087】
つぎに、プローブアレイ1又は単一プローブを製造する他の一例について説明する。なお、上述のプローブアレイ1又は単一プローブの製造方法で説明した手法は、以下に示すプローブアレイ1又は単一プローブを製造する場合に適用することもできる。
【0088】
上述したプローブアレイ1の製造方法では、ガラス基板14上に作製する突起部の材料はSiに限られることなく、ガラス基板14よりも屈折率の高い材料であればよい。Siよりも短波長側に光透過領域があり、かつ、屈折率の高い材料としては、GaPやTiO2(通称ルチル)等がある。GaPは530nm〜16μmに光透過域があり、当該光透過域での屈折率が3.35となっている。また、TiO2は450nm〜6μmに光透過域があり、当該光透過域での屈折率が2.61〜2.90である。
【0089】
図17にGaPを用いたプローブアレイ又は単一プローブの作製方法を示す。なお、上述のプローブアレイ1又は単一プローブの製造方法で説明した手法は、以下に示すプローブアレイ1又は単一プローブを製造する場合に適用することもできる。
【0090】
先ず、図17(a)に示すように、中間層として酸化膜42が付された単結晶Siウェハ41に直接接合又は常温接合により単結晶GaPウェハ43を接合する。単結晶GaPウェハ43の厚さをエッチングやCMPにより5〜10μmにした基板を用意する。
【0091】
次に、図17(b)に示すように、ガラス基板44と単結晶GaPウェハ43とを陽極接合或いは直接接合或いは常温接合により接合する。
【0092】
次に、図17(c)に示すように、単結晶Siウェハ41を除去する。
【0093】
次に、図17(d)に示すように、SiO2層からなるSiO2パターン42Aを単結晶GaPウェハ43上に形成する。ここで、各SiO2パターン42Aは、後の工程でGaPからなる突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0094】
次に、図17(e)に示すように、パターン42Aをエッチングマスクとして単結晶GaPウェハ43をRIEや液体のエッチャントにより、GaP突起部43Aを形成する。ここで、SiO2層をエッチングマスクとせずにフォトリソのみをエッチングマスクとしてGaP突起部43Aを作製しても良い。
【0095】
次に、図17(f)に示すように、GaP突起部43A上に残ったSiO2パターン42Aを希弗酸等で除去する。
【0096】
次に、図17(g)に示すように、GaP突起部43Aの側面及びGaP突起部43Aの無いガラス基板44面に金属層45を形成する。
【0097】
これにより、GaPからなる突起部を複数有する突起型のプローブアレイを作製することができる。なお、GaPのみならず、TiO2等の他の材料を用いた場合でもほぼ同様な工程により突起部を備えたプローブアレイを作製することができる。
【0098】
GaPやTiO2からなる突起部を複数備えたプローブアレイは、Siからなるプローブアレイよりも、短波長側に高い光透過域があるので、短波長域での光吸収が少なく、より高い光利用効率を得ることができる。また、Siの場合よりも短波長の光を用いることができるので、より小さい光スポットを形成することができ、例えば記録媒体に記録するときの記録密度を向上させることができる。
【0099】
つぎに、SOI基板以外のSiウェハを用いてプローブアレイを製造するときの一例について図18を参照して説明する。なお、上述のプローブアレイ1又は単一プローブの製造方法で説明した手法は、以下に示すプローブアレイ1又は単一プローブを製造する場合に適用することもできる。
【0100】
先ず、図18(a)に示すように、数百μmの厚さを有するp型Si層51に、5〜10μmの厚さを有するn型Si層52が形成されている基板を用意する。ここで、n型Si層52は、p型Si層51上にエピタキシャル成長させて形成しても良く、固層拡散、イオン注入等によりp型Si層51表面にn型の不純物を拡散して形成しても良い。また、p型Si層51とn型Si層52とを張り合わせることにより作製しても良い。
【0101】
次に、図18(b)に示すように、ガラス基板53を用意し、ガラス基板53と、p型Si層51及びn型Si層52からなる基板のn型Si層52の表面とが接するように陽極接合する。ここで、ガラス基板53のn型Si層52と接しない面及びp型Si層51のn型Si層52と接しない面に電極54を形成し、または電極板を乗せ、各電極54間に電位差Vbを与える電源55を設けて陽極接合する。このとき、陽極接合とは異なる直接接合や常温接合を用いてガラス基板53とn型Si層52とを接合しても良い。
【0102】
次に、図18(c)に示すように、p型Si層51を機械的研磨或いは化学機械研磨(CMP)により概ね除去した後、ヒドラジン(N2H4・H2O)、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP(Ethylenediamine Pyrocatechol(water))、TMAH(Tetramethyl Ammoniumhydroxide、(CH3)4NOH)、等のアルカリエッテャントによるエッチングを行う。但し、このとき、n型Si層52とエッチャントの中におかれた参照電極56の間に電圧を電圧Veceを印加する電源57を設けてエッチングを行う。
【0103】
このようなエッチング方法(電気化学エッチング)を実現するためのエッチング装置の概略を図19に示す。このエッチング装置では、上記参照電極56に相当するPt電極61、上記電源57に相当する電源62、電流計63、上記n型Si層52とガラス基板53からなる基板に相当するエッチング材料64が直列に接続されて、Pt電極61及びエッチング材料64がエッチャント65中に配置された構造となっている。このエッチング装置では、エッチャント65がスターラ66により攪拌され、ヒータ67により90℃に保たれている。
【0104】
このようなエッチング装置を用いることにより、例えばアルカリエッチャントはp型Si層51以外にSiO2(ガラス基板53の主成分)もエッチングするが、ガラス基板53は非常に厚いので、全てエッチングされることはない。また、n型Si層52とガラス基板53とは非常に強固に接合されているので、両者間にエッチャントが侵入することはなく、n型Si層52がエッチングされることはない。したがって、p型Si層51及びのみがエッチングされる。前記の弗酸硝酸エッチャントでは、n型Si層52が露出すると、それ以上ほとんどエッチングが進まなくなるので、p型Si層51がエッチングされきったところでエッチングを止めることができる。
【0105】
次に、図18(d)に示すように、n型Si層52の表面に、プラズマCVD法或いは熱CVD法等によりSiO2或いはSi3N4等のアルカリエッチャントにエッチングされ難いパターン形成層58を形成する。
【0106】
次に、図18(e)に示すように、パターン形成層58を所定の形状とすることで、n型Si層52上にパターン形成層58からなるパターン58Aを形成する。ここで、パターン形成層58は、各Si突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0107】
次に、図18(f)に示すように、ヒドラジン、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP、TMAH等のアルカリエッチャントを用いて、Si突起部52Aを形成する。ここで、パターン58Aをエッチングマスクとせずに、フォトリソのみをエッチングマスクとしてRIEでSi突起部52Aを作製しても良い。
【0108】
次に、図18(g)に示すように、Si突起部52A上に残存したパターン58Aを希弗酸等で除去する。
【0109】
次に、図18(h)に示すように、Si突起部52Aの側面及びSi突起部52Aが形成されていないガラス基板53上に金属層59を形成する。
【0110】
これにより、SOI基板を用いることなく、突起部がSiからなる突起型のプローブアレイ又は単一プローブを作製することができる。
【0111】
つぎに、プローブアレイ又は単一プローブを製造するときの更に他の一例について図20を参照して説明する。
【0112】
先ず、図20(a)に示すように、数百μmの厚さを有する高濃度p型又はn型Si材料からなる高濃度Si層71に、5〜10μmの厚さを有する低濃度p型又はn型Si材料からなる低濃度Si層72が形成されている基板を用意する。ここで、低濃度Si層72は、高濃度Si層71上にエピタキシャル成長させて形成しても良く、固層拡散、イオン注入等により高濃度Si層71表面にこれと反対の型の不純物を拡散させて、補償効果により実効的に不純物濃度を低濃度にしても良い。また、高濃度Si層71と低濃度Si層72とを張り合わせることにより作製しても良い。
【0113】
ここで、高濃度Si層71と低濃度Si層72とは、不純物濃度が高い、低いが重要であり、p型、n型の組み合わせは任意である。但し、低濃度Si層72側と高濃度Si層71側とが異なる伝導型を有する場合は、低濃度Si層72側がn型Si材料であることが望ましい。これは、陽極接合の電圧印加時にpn接合が順バイアスされた方が接合されやすいからである。高濃度のSi基板の不純物濃度は約1017/cm3より多くする。逆に低濃度のときのSi基板の不純物濃度は約1017/cm3以下とする。
【0114】
次に、図20(b)に示すように、ガラス基板73を用意し、ガラス基板73と、低濃度Si層72の表面とが接するように陽極接合する。ここで、ガラス基板73の低濃度Si層72と接しない面及び高濃度Si層71の低濃度Si層72と接しない面に電極74を形成し、または電極板を乗せ、各電極74間に電位差Vbを与える電源75を設けて陽極接合する。このとき、陽極接合とは異なる直接接合や常温接合を用いてガラス基板73と低濃度Si層72とを接合しても良い。
【0115】
次に、図20(c)に示すように、高濃度Si層71を機械的研磨或いは化学機械研磨(CMP)により概ね除去した後、弗酸硝酸のエッテャントに漬ける。エッチャントの組成は、HF:HNO3:CH3COOH=1:3:8(体積比)とする。このエッチャントは不純物が約1017/cm3より少なくなると、それより多い場合よりもエッチング速度が1/150となる。このエッチャントは、Si以外にSiO2(ガラスの主成分)もエッチングするが、ガラス基板73は非常に厚いので、全てエッチングされることはない。また、低濃度Si層72とガラス基板53とは非常に強固に接合されているので、両者間にエッチャントが侵入することはなく、低濃度Si層72がエッチングされることはない。したがって、高濃度Si層71及び低濃度Si層72のみがエッチングされる。HF:HNO3:CH3COOH=1:3:8(体積比)をエッチャントとして用いたエッチングでは、高濃度Si層71を先にエッチングし低濃度Si層72が露出すると、それ以上ほとんどエッチングが進まなくなるので、高濃度Si層71をエッチングしきったところでエッチングを止めることができる。
【0116】
次に、図20(d)に示すように、低濃度Si層72の表面に、プラズマCVD法或いは熱CVD法等によりSiO2或いはSi3N4等のアルカリエッチャントにエッチングされ難いパターン形成層8を形成する。
【0117】
次に、図20(e)に示すように、パターン形成層78を所定の形状とすることで、低濃度Si層72上にパターン形成層78からなるパターン78Aを形成する。ここで、パターン形成層78は、単一突起部又は各Si突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0118】
次に、図20(f)に示すように、ヒドラジン、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP、TMAH等のアルカリエッチャントを用いて、Si突起部72Aを形成する。ここで、パターン78Aをエッチングマスクとせずに、フォトリソのみをエッチングマスクとしてRIEでSi突起部72Aを作製しても良い。
【0119】
次に、図20(g)に示すように、Si突起部72A上に残存したパターン78Aを希弗酸やドライエッチング等で除去する。
【0120】
次に、図20(h)に示すように、Si突起部72Aの側面及びSi突起部72Aが形成されていないガラス基板73上に金属層79を形成する。
【0121】
これにより、SOI基板を用いることなく、突起部がSiからなる突起型のプローブアレイ又は単一プローブを作製することができる。
【0122】
つぎに、プローブアレイ又は単一プローブを製造するときの更に他の一例について図21を参照して説明する。
【0123】
先ず、図21(a)に示すように、数百μmの厚さを有するn型Si材料からなるn型Si層81に、5〜10μmの厚さを有しn型Si層81より不純物濃度が高い高濃度p型Si材料からなる高濃度p型Si層82が形成されている基板を用意する。ここで、高濃度p型Si層82の濃度はn型Si層81のエッチングにKOHを用いる場合は約1020/cm3より多くする。また、EDPを用いる場合には約1019/cm3より多くする。高濃度p型Si層82は、n型Si層81上にエピタキシャル成長させて形成しても良く、固層拡散、イオン注入等により高濃度Si層71表面にこれとp型の不純物を拡散させて形成しても良い。また、n型Si層81と高濃度p型Si層82とを張り合わせることにより作製しても良い。
【0124】
次に、図21(b)に示すように、ガラス基板83を用意し、ガラス基板83と、高濃度p型Si層82の表面とが接するように陽極接合する。ここで、ガラス基板83の高濃度p型Si層82と接しない面に図20(b)と同様に電極板を乗せる。或いはより確実には、電極84aを形成するとともに、高濃度p型Si層82に電圧が印加されるようにn型Si層81の一部を除去して電極84bを形成し、各電極84a、84b間に電位差Vbを与える電源85を設けて陽極接合する。このとき、陽極接合とは異なる直接接合や常温接合を用いてガラス基板83と高濃度p型Si層82とを接合しても良い。
【0125】
次に、電極84a、84bを除去した後、図21(c)に示すように、n型Si層81を機械的研磨或いは化学機械研磨(CMP)により概ね除去した後、アルカリエッチャントによりエッチングする。エッチャントとしては、ヒドラジン、KOH水溶液、NaOH水溶液、CaOH水溶液、EDP、TMAHなどのアルカリエッチャントを用いる。このエッチャントは、Si以外にSiO2(ガラスの主成分)もエッチングするが、ガラス基板73は非常に厚いので、全てエッチングされることはない。また、高濃度p型Si層82とガラス基板83とは非常に強固に接合されているので、両者間にエッチャントが侵入することはなく、高濃度p型Si層82がエッチングされることはない。したがって、n型Si層81のみがエッチングされる。高濃度p型Si層82が露出すると、それ以上ほとんどエッチングが進まなくなるので、n型Si層81がエッチングされきったところでエッチングを止めることができる。
【0126】
次に、図21(d)に示すように、高濃度p型Si層82の表面に、プラズマCVD法或いは熱CVD法等によりSiO2或いはSi3N4等のアルカリエッチャントにエッチングされ難いパターン形成層88を形成する。
【0127】
次に、図21(e)に示すように、パターン形成層88を所定の形状とすることで、高濃度p型Si層82上にパターン形成層88からなるパターン88Aを形成する。ここで、パターン形成層88は、単一突起部又は各Si突起部を形成するために適切なパターン、寸法とする。
【0128】
次に、図21(f)に示すように、RIEでSi突起部82Aを形成する。ここで、パターン88Aをエッチングマスクとせずに、フォトリソで作製したレジストパターンのみをエッチングマスクとしてRIEでSi突起部82Aを作製しても良い。
【0129】
次に、図21(g)に示すように、Si突起部82A上に残存したパターン88Aを希弗酸やドライエッチング等で除去する。
【0130】
次に、図21(h)に示すように、Si突起部82Aの側面及びSi突起部82Aが形成されていないガラス基板83上に金属層89を形成する。
【0131】
これにより、SOI基板を用いることなく、突起部がSiからなる突起型のプローブアレイ又は単一プローブを作製することができる。
【0132】
つぎに、本発明を適用した他のプローブアレイについて説明する。なお、以下に説明するプローブアレイでは、上述したプローブアレイで説明した構成を適用しても良く、更には単一プローブであっても良い。
【0133】
平面図を図22(a)に示すプローブアレイ100は、図22(b)に示すように情報を記録する回転型記録媒体(光ディスクD)に突起部101の形成側が対向して配設され、回転する光ディスクDに対して光を照射して情報の記録再生を行う。
【0134】
このプローブアレイ100は、光ディスクDが回転することで、一方端100aが媒体進入端とされ、他方端100bが媒体退出端とされる。このプローブアレイ100は、光ディスクDが回転することで、光ディスクDから発生する空気流を受けて光ディスクDに接触して光ディスクDに光を照射してコンタクト型の記録再生をする。なお、本実施の形態に係るプローブアレイ100では、光ディスクD上を一定の浮上量で浮上する浮上型にも適用することができる。
【0135】
このプローブアレイ100では、突起部101の周囲を囲む位置に配され、光ディスクDが回転することで発生する空気流の流出側が開口部102aとされたバンク部102を備える。
【0136】
このようなプローブアレイ100では、一方端100aから流入した空気流をバンク部102の開口部他方端100bに向かって空気流が流れ、開口部102aを介して他方端100b側に流出させる。
【0137】
これにより、このプローブアレイ100において、バンク部102として、空気流発生方向(媒体回転方向)と直交したバンク102cが突起部101の一方端100a側に設けられることにより、一方端100aから他方端100bに向かって流入する塵等が突起部101に流入するのを止めることができる。
【0138】
また、プローブアレイ100では、装置内に存在する塵やゴミが空気流とともにバンク部102内部に流入しても、開口部102aから流出するので、突起部101の近傍に塵等が堆積することが無い。
【0139】
更に、このプローブアレイ100では、他方端100b側にバンク部102を設けないので、突起部101を他方端100b側に形成させることができる。これにより、プローブアレイ100では、突起部101の先端部分を光ディスクDに近づけて突起部101と光ディスクDとの距離を小さくすることができ、光ディスクDに照射する光のスポット径を小さくし、光ディスクDへの記録密度を高くすることができる。
【0140】
更にまた、このプローブアレイ100において、バンク部102は、他方端100bの端部102bに、一方端100aから他方端100bに向かって傾斜したテーパ部102bを有する。このテーパ部102bの頂点部分は、ガラス基板の短軸方向において、突起部101の先端と一直線上となっている。これにより、プローブアレイ100では、記録再生時において、テーパ部102bの頂点部分が光ディスクDと接触しても、バンク部102の頂点部分の圧力を拡散して破損を抑制することができる。
【0141】
更にまた、このプローブアレイ100において、バンク102cの一方端100a側が一方端100a側から他方端100b側に向かって傾斜したテーパ部102dとなされている。これにより、プローブアレイ100では、光ディスクDが進入して光ディスクDバンク102cと接触しても、光ディスクDとの衝撃を吸収して、光ディスクDの破損を抑制することができる。
【0142】
更にまた、このプローブアレイ100において、バンク部102として、空気流発生方向(媒体回転方向)と略平行であって、光ディスクDの径方向と直交したバンク102e、102fを有し、光ディスクDの径方向において傾斜したテーパ部102g、102hを備える。これにより、プローブアレイ100では、光ディスクDへの記録再生時において、径方向に移動したときにバンク102e、102fが光ディスクDと接触しても、光ディスクDとの衝撃を吸収して、光ディスクDの破損を抑制することができる。
【0143】
更にまた、このプローブアレイ100は、他方端100b側にガラス基板が突出してなる突出部103を備える。この突出部103は、突起部101から他方端100bに向かって長さt8だけ突出してなる。この突出部103の長さt8は、記録再生時において、光源から出射された光を最も他方端100b側の突起部101に入射することができるように設定されている。すなわち、突出部103の長さt8は、ガラス基板の厚さ、ガラス基板の屈折率、突起部101に光を入射する光学素子(対物レンズ)104の開口数に基づいて、決定される。これにより、プローブアレイ100は、決定した長さt8を最適な長さとし、突起部101を他方端100b側に配置して、光ディスクDとの距離を小さくすることができ、光ディスクDに小さいスポット径の光を集光する。
【0144】
更にまた、プローブアレイ100は、図23に示すように、突出部103のバンク102f及びバンク102eが多段階となされていても良い。このようなプローブアレイ100によれば、他方端100bから一方端100aに向かってテーパ部102b、テーパ部102iが形成され、短軸方向においてテーパ部102iの頂点位置と突起部101の先端が一直線上となっている。
【0145】
このようなプローブアレイ100によれば、光ディスクDと接触しても、テーパ部102b及びテーパ部102iの頂点部分が光ディスクDと接触し、一点が光ディスクDと接触する場合と比較して光ディスクDに与える力を分散し、突起部101の損傷を抑制するとともに、光ディスクDの損傷を軽減することができる。
【0146】
また、このようなプローブアレイ100によれば、バンク部102が多段階とされており、光ディスクDと接触して記録再生をするときにおいて、テーパ部102b及びテーパ部102iが接触することで、記録再生時の全体の傾きを防止することができる。
【0147】
更に、このようなプローブアレイ100によれば、バンク部102が多段階とすることにより、光ディスクDとの接触面積を小さくすることで静止摩擦係数を小さくして、バンク部102の摩耗量を抑制することができる。
【0148】
また、プローブアレイ100と記録媒体が、空気流発生方向に対して2点で接触しているので、この方向にばたつく、いわゆるピッチングが生じにくくなる。
【0149】
つぎに、本発明を適用した更に他のプローブアレイについて説明する。なお、以下に説明するプローブアレイでは、上述したプローブアレイで説明した構成を適用しても良く、更には単一プローブであっても良い。
【0150】
平面図を図24(a)に示すプローブアレイ110は、図24(b)に示すように情報を記録する回転型記録媒体(光ディスクD)に突起部111の形成側が対向して配設され、回転する光ディスクDに対して光を照射して情報の記録再生を行う。
【0151】
このプローブアレイ110は、突起部111と同じ高屈折率材料(例えばSi)からなり、各突起部111の周囲を囲む位置に配されたバンク部112と、突起部111と同じ材料からなるパッド部113と光ディスクDと対向する面に備えている。
【0152】
このようなプローブアレイ110は、上述したように、突起部111、バンク部112及びパッド部113を作製するときに、単一の高屈折率層上にパターンエッチングがなされるエッチング層(例えばSiO2)が形成され、突起部111、バンク部112及びパッド部113に対応したパターニングがされて、同時にエッチングされて作製される。
【0153】
このようなプローブアレイ110は、突起部111、バンク部112及びパッド部113が光ディスクDと接して、突起部111からの光を光ディスクDに照射し、光ディスクDに情報の記録再生をする。
【0154】
このように作製されるプローブアレイ110は、同一材料で同時にエッチングをするので、突起部111、バンク部112及びパッド部113を同一の高さとすることができ、記録再生時において、スライディングの安定性を向上させることができ、突起部111の破損を抑制することができる。
【0155】
このようなプローブアレイ110において、突起部111を100個配置し、各突起部111に波長が830nmの光を入射して先端で近接場光を発生させて、相変化型の光ディスクDを0.43m/sの線速度で回転させたときのマーク長[μm]とCN比[dB]との関係を図25に示す。図25によれば、プローブアレイ110により記録したときのマーク長は最小で110nmとなり、再生したときのCN比は約10dBとなる。この結果によれば、各突起部111では、伝搬光では不可能であった回折限界以下の記録マークを記録するとともに再生することができる。
【0156】
これに対し、開口数が0.4の対物レンズにより伝搬光を光ディスクDに照射して記録をしたときの最小マーク長は515nmであり、再生したときのCN比は約10dBとなる。
【0157】
このような結果より、プローブアレイ110によれば、100個の突起部111により並列して記録再生することにより、記録再生速度を1Gbpsの超高速として記録再生を行うことができるとともに、マーク長を小さくして、超高密度の記録再生をすることができる。
【0158】
つぎに、本発明を適用した更に他のプローブアレイについて説明する。なお、以下に説明するプローブアレイでは、上述したプローブアレイで説明した構成を適用しても良く、更には単一プローブであっても良い。
【0159】
平面図を図26(a)に示すプローブアレイ120は、図26(b)に示すように情報を記録する回転型記録媒体(光ディスクD)に突起部121の形成側が対向して配設され、回転する光ディスクDに対して光を照射して情報の記録再生を行う。
【0160】
このプローブアレイ120は、突起部121と同じ高屈折率材料(例えばSi)からなり、各突起部111の周囲を囲む位置に配されたバンク部112と、突起部121と同じ材料からなるパッド部123と光ディスクDと対向する面に備えている。プローブアレイ120は、バンク部122、パッド部123が光ディスクDと接して、情報の記録再生をする。
【0161】
パッド部123は、プローブアレイ120の一方端120aと他方端120bとの間の中心位置における中心線上、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置にその中心位置が配されるように形成される。すなわち、パッド部123は、プローブアレイ120を光ディスクDに接するように押圧する押圧部材124とプローブアレイ120が接し、押圧部材124の押圧方向(プローブアレイ120の厚さ方向)の直下に配設される。これにより、パッド部123は、押圧部材124の押圧力を光ディスクDに伝達し、プローブアレイ120を光ディスクDに押圧させる。これにより、プローブアレイ120は、更にスライディングの安定性を向上させることができる。また、このパッド部123は、中心位置が上記所定の位置に形成される場合のみならず重心位置を所定の位置に形成しても良い。
【0162】
すなわち、プローブアレイ120によれば、上述のプローブアレイ110と比較して光ディスクDに対して記録再生をしているときの跳躍量を抑制する。以下に、パッド部を媒体進入側に設けたプローブアレイ110と、パッド部を中心位置に設けたプローブアレイ120との跳躍量の比較をする。
【0163】
比較に際して、図27に示すような跳躍量測定装置130を用いた。この跳躍量測定装置130は、FFT(fast Fourier transform)測定器131、ドップラー振動計132、光ディスクDを回転するモータ133を備え、プローブアレイを光ディスクD上に配置してプローブアレイの振動を測定するものである。
【0164】
この跳躍量測定装置130によれば、モータ133により光ディスクDをCLV方式(線速度=0.43m/s)で回転させるとともにプローブアレイを光ディスクD上に配置させた状態で、光源141からレーザ光をビームスプリッタ142、光ファイバケーブル143を介してプローブアレイに照射し、その反射レーザ光を光ファイバケーブル143、ビームスプリッタ142、AOM144、ビームスプリッタ145を介して光検出器146で検出する。また、この跳躍量測定装置130は、光源141から出射したレーザ光をビームスプリッタ142、147、光ファイバケーブル148を介して光ディスクDの表面の記録層に照射し、その反射レーザ光を光ファイバケーブル148、ビームスプリッタ147、ミラー149、ビームスプリッタ145を介して光検出器146に入射する。ここで、ビームスプリッタ145に入射されたプローブアレイからの反射レーザ光と、光ディスクDからの反射レーザ光とは、合成されて光検出器146に入射される。FFT測定器131には、プローブアレイの跳躍に基づく検出信号にフーリエ変換処理をしてプローブアレイ1の跳躍量を求める。
【0165】
このような跳躍量測定装置130により求めた跳躍量の結果を図28に示す。図28は、プローブアレイ110、120の跳躍量を縦軸に示し、測定時間を横軸に示し、上段にプローブアレイ110の跳躍の様子、下段にプローブアレイ120の跳躍の様子を示す。
【0166】
図28によれば、跳躍量の標準偏差をσとしたとき、プローブアレイ110については2σ=約1.0nmとなるのに対し、プローブアレイ120については2σ=0.6nmとなる。
【0167】
したがって、プローブアレイ120によれば、パッド部122を中心位置に配置することにより、プローブアレイ110と比較して跳躍量を低減させ、安定したスライディングを実現できる。
【0168】
上述した実施の形態では、本発明を特に近接場光を発生させるプローブアレイ1又は単一プローブについて説明したが、本発明は、伝搬光(近接場光でない光)を出射するプローブアレイ又は単一プローブにも適用することができる。このプローブアレイ又は単一プローブは、先端の開口の大きさを記録媒体にエネルギーを供給する手段によって変化させる。このプローブアレイ又は単一プローブでは、例えば本願出願人が先に特開平11−271339号公報で提案したようなファイバープローブのように主として通常の光(伝搬光)の形態でエネルギーを供給する場合には、先端の開口の大きさを、出射する光の波長程度又はそれ以上とする。また、プローブアレイ又は単一プローブでは、エバネッセント光(近接場光)の形態でエネルギーを供給する場合には、先端の開口の大きさを、出射する光の波長より小さく形成させておく。これにより、内部集光型プローブであっても、本発明を適用することができる。
【0169】
本発明は上述した近接場光、伝搬光を発生させるもののどちらの形態であっても適用可能である。また、近接場光と伝搬光の両方の光が同時に突起部の先端から発するものであっても良い。
【0170】
また、上述の実施の形態でプローブアレイ1又は単一プローブを作製するときには、結晶成長により作製されたSOI基板10を用いる一例について説明したが、直接接合等による単結晶シリコンウェハのはりあわせの後に活性層11側のシリコンを研磨して所望の厚みに仕上げる張り合わせ法や、酸素イオンのイオン注入により酸化膜を基板表面下に形成するSIMOX法等を用いて作製したものでも良い。これらの場合でも原子レベルの活性層11膜厚の均一性は得られている。
【0171】
更に、透光性を有するガラス基板14として、コーニング社の#7740や岩城硝子のSW−3を挙げたが他の基板を用いても良い。具体的には、上述の常温の直接接合を用いる場合は、石英基板や、透光性の樹脂を用いることもできる。特に石英を用いた場合は、高温の直接接合により透光性の基板とSi層を接合することができる。この方法は、基板の表面を充分に洗浄して、表面のゴミや汚れを除去して乾燥させ、正常な雰囲気中で面同士を接触させる。この後、900℃以上の熱処理を窒素中で行うことにより、基板が接合される。
【0172】
更に、上述の実施の形態では、SOI基板10の活性層11とガラス基板14とを接合する方法として、陽極接合による一例を説明したが、他の接合方法であっても良い。すなわち、活性層11とガラス基板14とを接合する手法として、常温の直接接合(常温接合)を用いても良い。上記常温接合は、鏡面研磨したシリコンウェハやガラス基板、金属基板をいわゆるRCA洗浄した後、10-9Torr雰囲気中の真空チャンバ内でArのFAB(Fast Atomic Beam)を2枚の基板にそれぞれに300sec程度、同時に照射した後、10MPaの圧力で圧着する。これにより、大気中に戻した後の接合強度は、12MPa以上となる。活性層11と石英基板であるガラス基板14とを上記常温接合することにより本発明を適用したプローブアレイを作製することもできる。また、上記の接合の例においては、活性層11と透光性を有するガラス基板14との接合以外にも、上述したGaPやTiO2層、n型Si層52、低濃度Si層72、高濃度p型Si層82と透光性基板の接合により本発明を適用したプローブアレイを作製することができる。上記RCA洗浄とは、RCA社が提案した過酸化水素水をベースとした洗浄方法である。
【0173】
更にまた、低融点硝子(フリットガラス)を用いた硝子接合によりSi層と透光性のガラス基板14とを接合することもできる。
【0174】
更にまた、接着剤により開口を作製した層と透光性のガラス基板14の接合を行うこともできる。この場合、ガラス基板を用い、ガラスと屈折率が等しくなるように作製された光学用接着剤(例えば駿河精機製V40−J91)を用いることができる。
【0175】
更にまた、上述の実施の形態では、Si突起部3を作製するためにKOH等の異方性エッチングを用いたが、リアクティブイオンエッチング(RIE)等のドライエッチングを用いても良い。
【0176】
更にまた、上述した実施の形態では、突起部となる高屈折率材料をガラス基板上に接合により形成していたが、蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法、熱CVD法、光CVD法等の薄膜形成技術により高屈折率材料からなる薄膜を形成しても良い。
【0177】
更にまた、本発明を適用した実施の形態では、ガラス基板2上に複数のSi突起部3が搭載されるプローブアレイを示したが、ガラス基板2上に一つのSi突起部3が搭載された場合でも、本発明の効果を発揮することができ、本発明に含まれる。
【0178】
更にまた、本発明を適用した実施の形態では、Si突起部3の形状が四角錐形状である場合についてのみ述べたが、これに限られず、円錐形状や円錐台形状であっても良い。
【0179】
更にまた、本発明を適用した実施の形態では、突起部を形成する高屈折率材料として、主としてSiを用いた一例について説明したが、これに限られず、C(ダイヤモンド)、アモルファスSi、マイクロクリスタル(微小結晶)Si、多結晶Si、SixNy(x、yは任意)、TiO2、TeO2、Al2O3、Y2O3、La2O2S、LiGaO2、BaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、KNbO3、K(Ta,Nb)O3(KTN)、LiNbO3、LiTaO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、(Pb,La)(Zr,Ti)O2、(Pb,La)(Hf,Ti)O3、PbGeO3、Li2GeO3、MgAl2O4、CoFe2O4、(Sr,Ba)Nb2O6、La2Ti2O7、Nd2Ti2O7、Ba2TiSi12O8、Pb5Ge3O11、Bi4Ge3O12、Bi4Si3O12、Y3Al5O12、Gd3Fe5O12、(Gd,Bi)3Fe5O12、Ba2NaNbO15、Bi12GeO20、Bi12SiO20、Ca12Al14O33、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、AgCl、TlCl、CuCl、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、AgBr、TlBr、LiI、NaI、KI、CsI、Tl(Br,I)、Tl(Cl、Br)、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、PbF2、Hg2Cl2、FeF3、CsPbCl3、BaMgF4、BaZnF4、Na2SbF5、LiClO4・3H2O、CdHg(SCN)4、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、α−HgS、PbS、PbSe、EuS、EuSe、GaSe、LiInS2、AgGaS2、AgGaSe2、TlInS2、TlInSe2、TlGaSe2、TlGaS2、As2S3、As2Se3、Ag3AsS3、Ag3SbS3、CdGa2S4、CdCr2S4、Tl3TaS4、Tl3TaSe4、Tl3VS4、Tl3AsS4、Tl3PSe4、GaP、GaAs、GaN、(Ga,Al)As、Ga(As,P)、(InGa)P、(InGa)As、(Ga,Al)Sb、Ga(AsSb)、(InGa)(AsP)、(GaAl)(AsSb)、ZnGeP2、CaCO3、NaNO3、α−HIO3、α−LiIO3、KIO2F2、FeBO3、Fe3BO6、KB5O8・4H2O、BeSO4・2H2O、CuSO4・5H2O、Li2SO4・H2O、KH2PO4、KD2PO4、NH4H2PO4、KH2AsO4、KD2AsO4、CsH2AsO4、CsD2AsO4、KTiOPO4、RbTiOPO4、(K,Rb)TiOPO4、PbMoO4、β−Gd2(MoO4)3、β−Tb2(MoO4)3、Pb2MoO5、Bi2WO6、K2MoOS3・KCl、YVO4、Ca3(VO4)2、Pb5(GeO4)(VO4)2、CO(NH2)2、Li(COOH)・H2O、Sr(COOH)2、(NH4CH2COOH)3H2SO4、(ND4CD2COOD)3D2SO4、(NH4CH2COOH)3H2BeF、(NH4)2C2O4・H2O、C4H3N3O4、C4H9NO3、C6H4(NO2)2、C6H4NO2Br、C6H4NO2Cl、C6H4NO2NH2、C6H4(NH4)OH、C6H4(CO2)2HCs、C6H4(CO2)2HRb、C6H3NO2CH3NH2、C6H3CH3(NH2)2、C6H12O5・H2OKH(C8H4O4)、C10H11N3O6、[CH2・CF2]nも使用可能である。
【0180】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るプローブは、光透過性を有する基板と、上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなる突起部とを備え、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0181】
本発明に係るプローブの製造方法は、光透過性を有する第1の基板と、中間層をパターニングし、パターニングして露呈した高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0182】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、中間層をパターニングし、パターニングして露呈したGaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0183】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0184】
本発明を適用した他のプローブの製造方法は、n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈したn型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0185】
本発明に係る他のプローブの製造方法は、高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成するので、突起部先端の寸法精度を飛躍的に向上させることができる。
【0186】
本発明に係るプローブアレイは、基板上に形成され、基板よりも屈折率が高い材料からなり、先端位置が揃った錐状の複数の突起部とを備えるので、高効率且つ高分解能の光を出射することができる。
【0187】
本発明に係るプローブアレイの製造方法は、中間層をパターニングし、パターニングして露呈した高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さが中間層で一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0188】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、中間層をパターニングし、パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さが中間層で一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0189】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さがパターニング用材料で一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0190】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈したn型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さがパターニング用材料の高さで一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【0191】
本発明に係る他のプローブアレイの製造方法は、高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成するので、各突起部の高さがパターニング用材料の高さで一定に制御されたプローブアレイを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明を適用したプローブアレイの平面図を示し、(b)は本発明を適用したプローブアレイの断面図を示す。
【図2】本発明を適用したプローブアレイに備えられるSi突起部を示す断面図である。
【図3】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに用意するSOI基板の断面図である。
【図4】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOI基板とガラス基板とを陽極接続することを説明するための断面図である。
【図5】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SiO2層に対してパターニングを行うことを説明するための断面図である。
【図6】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハに対してエッチングを行ってSi突起部及びバンク部を作製することを説明するための断面図である。
【図7】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハに対してエッチングを行ってSi突起部が形成されるときの作製過程を示す側面図であり、(a)はエッチング開始から180sec経過後の活性層の形状、(b)はエッチング開始から360sec経過後の活性層の形状、(c)はエッチング開始から540sec経過後の活性層の形状、(d)はエッチング開始から750sec経過後の活性層の形状を示す。
【図8】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハ及びガラス基板上に金属層を形成することを説明するための断面図である。
【図9】本発明を適用したプローブアレイの断面図である。
【図10】本発明を適用したプローブアレイを製造するときに、SOIウエハに対してエッチングを行って複数の傾斜を有するSi突起部を形成するときの側面図であり、(a)はエッチング開始から60sec経過後の活性層の形状、(b)はエッチング開始から150sec経過後の活性層の形状、(c)はエッチング開始から405sec経過後の活性層の形状、(d)はエッチング開始から483sec経過後の活性層の形状を示す。
【図11】(a)は光ファイバプローブのコア径と等価屈折率との関係を示し、(b)は光ファイバプローブのコア径とスポット径との関係を示す図である。
【図12】光ファイバプローブの検出位置と電界強度との関係を示す図である。
【図13】光ファイバプローブのコア径と、電界強度及びスポット径との関係を示す図である。
【図14】本発明を適用したプローブアレイ又は単一プローブを作製するときの他の一例を示す工程図である。
【図15】(a)は本発明を適用したプローブアレイの光効率を測定するための測定装置を示す図であり、(b)は光ファイバプローブの光効率を測定するための測定装置を示す図である。
【図16】光ファイバプローブで発生させる近接場光の検出位置と光強度との関係を実線Aで示し、本発明を適用したプローブアレイで検出した光の検出位置と光強度との関係を点線B示す図である。
【図17】GaPを用いたプローブアレイの作製方法を示す図であり、(a)は単結晶Siウェハに単結晶GaPウェハを接合することを示す図であり、(b)はガラス基板と単結晶GaPウェハとを接合することを示す図であり、(c)は単結晶Siウェハを除去することを示す図であり、(d)はSiO2パターンを単結晶GaPウェハ上に形成することを示す図であり、(e)はGaP突起部を形成することを示す図であり、(f)はSiO2パターンを除去することを示す図であり、(g)は金属層を形成することを示す図である。
【図18】SOI基板以外のSiウェハを用いたプローブアレイの製造方法を示す図であり、(a)はp型Si層にn型Si層が形成されている基板を示す図であり、(b)はガラス基板とn型Si層の表面とが接するように陽極接合することを示す図であり、(c)はp型Si層を除去した後にエッチングを行うことを示す図であり、(d)はn型Si層の表面にパターン形成層を形成することを示す図であり、(e)はn型Si層上にパターンを形成することを示す図であり、(f)はエッチングしてSi突起部することを示す図であり、(g)はSi突起部上に残存したパターンを除去することを示す図であり、(h)はガラス基板上に金属層を形成することを示す図である。
【図19】電気化学エッチングを実現するためのエッチング装置を示す図である。
【図20】本発明を適用したプローブアレイを製造するときの更に他の一例について説明するための図であり、(a)は高濃度Si層に低濃度Si層が形成されている基板を示す図であり、(b)はガラス基板と低濃度Si層の表面とが接するように陽極接合することを示す図であり、(c)は高濃度Si層を除去した後エッチングを施すことを示す図であり、(d)は低濃度Si層の表面にパターン形成層を形成することを示す図であり、(e)は低濃度Si層上にパターンを形成することを示す図であり、(f)はエッチングをしてSi突起部を形成することを示す図であり、(g)はパターンを除去することを示す図であり、(h)は金属層を形成することを示す図である。
【図21】本発明を適用したプローブアレイを製造するときの更に他の一例について説明するための図であり、(a)はn型Si層に高濃度p型Si層が形成されている基板を示す図であり、(b)はガラス基板と高濃度p型Si層の表面とが接するように陽極接合することを示す図であり、(c)はn型Si層を除去した後、エッチングをすることを示す図であり、(d)は高濃度p型Si層の表面にパターン形成層を形成することを示す図であり、(e)は高濃度p型Si層上にパターンを形成することを示す図であり、(f)はSi突起部を形成することを示す図であり、(g)はパターンを除去することを示す図であり、(h)は金属層を形成することを示す図である。
【図22】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図23】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す側面図である。
【図24】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図25】図24に示すプローブアレイにより光ディスクに記録をしたときのマーク長と、再生したときのCN比との関係を示す図である。
【図26】本発明を適用したプローブアレイ他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図27】プローブアレイの跳躍量を測定する跳躍量測定装置を示すブロック図である。
【図28】図24及び図25に示した本発明を適用したプローブアレイの跳躍量を示す図である。
【図29】従来のプローブアレイを製造するときに用いる凹部アレイの断面図である。
【図30】従来のプローブアレイを製造するときに用いる凹部アレイの断面図である。
【符号の説明】
1 プローブアレイ、2 ガラス基板、3 Si突起部、10 SOI基板、11 SOIウエハ、12 SiO2層、13 Si支持基板、14 ガラス基板
Claims (188)
- 光透過性を有する基板と、
上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなる突起部とを備え、
上記突起部は、上記基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、或いは伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させることを特徴とするプローブ。 - 上記突起部は、上記基板よりも屈折率が高い単結晶材料からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部は、上記基板よりも屈折率が高い単結晶Si(硅素)からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部は、GaP層からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部は、上記基板よりも屈折率が高い材料に所定量の不純物が混入した材料からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部は、上記基板よりも屈折率の高いn型Si材料からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部は、上記基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si材料からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部は、その外壁に複数のテーパ角度を有することを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部の高さと同じ高さを有し、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブであって、
上記突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ。 - 上記突起部は、その先端と上記バンク部の回転型記録媒体退出側の端部とが、回転型記録媒体進入方向と直交する方向において一致する位置又は回転型記録媒体進入側の位置に設けられることを特徴とする請求項11記載のプローブ。
- 上記バンク部は、回転型記録媒体退出側の端部に、上記基板の回転型記録媒体進入側から上記基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有することを特徴とする請求項11記載のプローブ。
- 上記バンク部は、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記基板の回転型記録媒体進入側から上記基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有することを特徴とする請求項11記載のプローブ。
- 上記バンク部は、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有することを特徴とする請求項11記載のプローブ。
- 上記基板の回転型記録媒体退出側の端部と上記突起部の先端との長さは、その厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて決定されることを特徴とする請求項11記載のプローブ。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブであって、
上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部と同じ高さであり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、
上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部と同じ高さであり、回転型記録媒体対向面と接するパッド部とを更に備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ。 - 上記パッド部は、上記基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に形成されることを特徴とする請求項17記載のプローブ。
- 上記突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記突起部のみに遮光膜を形成したことを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 上記突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成したことを特徴とする請求項1記載のプローブ。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高い高屈折率層、上記高屈折率層上に積層された中間層、上記中間層上に積層された支持層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高屈折率層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、
上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、
パターニングして露呈した上記高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、
上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上に高屈折率層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製することを特徴とするプローブの製造方法。 - 上記第2の基板は、上記高屈折率層がSiであって、上記中間層がSiO2であることを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記第2の基板は、上記高屈折率層がGaP層であって、上記中間層がSiO2であることを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記第2の基板は、上記高屈折率層が単結晶材料であって、上記中間層がSiO2であって、上記支持基板がSiであることを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記第2の基板は、上記高屈折率層が単結晶Siであって、上記中間層がSiO2であって、上記支持層がSiであることを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように突起部を形成することを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、突起部の高さと同じ高さを有し、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 同一の高屈折率層にエッチングを行って、上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項29記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項29記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項29記載のプローブの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて上記基板の回転型記録媒体退出側の端部と上記突起部の先端との長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項29記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
同一の高屈折率層にエッチングを行って、上記突起部と、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体と接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項34記載のプローブの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項21載のプローブの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 上記中間層をパターニングするに際して、作製する突起部の先端位置上の中間層を所定の厚さとし、突起部の先端位置上以外の中間層を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項21記載のプローブの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、支持層、上記支持層上に形成された中間層、上記中間層上に形成されGaP層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記GaP層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、
上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、
パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、
上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上にGaP層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製することを特徴とするプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように突起部を形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、突起部の高さと同じ高さを有し、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。
- 同一のGaP層にエッチングを行って、上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項43記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項43記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項43記載のプローブの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて上記基板の回転型記録媒体退出側の端部と上記突起部の先端との長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項43記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
同一のGaP層にエッチングを行って、上記突起部と、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体と接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項48記載のプローブの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。
- 上記中間層をパターニングするに際して、作製する突起部の先端位置上の上記中間層を所定の厚さとし、突起部の先端位置上以外の上記中間層を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項39記載のプローブの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高く所定量の不純物が混入した低濃度層、前記所定量の不純物よりも多い不純物が混入した高濃度層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記低濃度層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれる高濃度層を除去し、
上記高濃度層を除去して露呈した上記低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、
上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に低濃度層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製することを特徴とするプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように突起部を形成することを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、突起部の高さと同じ高さを有し、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。
- 同一の低濃度層にエッチングを行って、上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項57記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項57記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項57記載のプローブの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて上記基板の回転型記録媒体退出側の端部と上記突起部の先端との長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項57記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
同一の低濃度層にエッチングを行って、上記突起部と、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体と接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項53載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項62記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を形成するに際して、作製する突起部の先端位置上を所定の厚さとし、突起部の先端位置上以外を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項53記載のプローブの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高いn型Si層とp型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記n型Si層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれるp型Si層を除去し、
上記p型Si層を除去して露呈した上記n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、
パターニングして露呈した上記n型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、
上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上にn型Si層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製することを特徴とするプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように突起部を形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、上記突起部の高さと同じ高さを有し、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。
- 同一のn型Si層にエッチングを行って、上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項71記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項71記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項71記載のプローブの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて上記基板の回転型記録媒体退出側の端部と上記突起部の先端との長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項71記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
同一のn型Si層にエッチングを行って、上記突起部と、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体と接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項76記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記突起部の傾斜面及び上記第1の基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を形成するに際して、作製する突起部の先端位置上を所定の厚さとし、突起部の先端位置上以外を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項67記載のプローブの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si層とn型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高濃度p型Si層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれるn型Si層を除去し、
上記n型Si層を除去して露呈した上記高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、
パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を形成し、
上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に上記高濃度p型Si層からなる錐状の突起部を備えるプローブを作製することを特徴とするプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように突起部を形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、突起部の高さと同じ高さを有し、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。
- 同一の高濃度p型Si層にエッチングを行って、上記突起部と同じ材料からなり、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項85記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項85記載のプローブの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項85記載のプローブの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて、回転型記録媒体進行方向における長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項85記載のプローブの製造方法。
- 上記突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブの製造方法であって、
同一の高濃度p型Si層にエッチングを行って、上記突起部と、上記突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体と接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項90記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。
- 上記パターニング用材料を形成するに際して、作製する突起部の先端位置上を所定の厚さとし、突起部の先端位置上以外を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項81記載のプローブの製造方法。
- 光透過性を有する基板と、
上記基板上に形成され、上記基板よりも屈折率が高い材料からなり、先端位置が揃った錐状の複数の突起部とを備え、
上記各突起部は、上記基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、或いは伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させることを特徴とするプローブアレイ。 - 上記各突起部は、上記基板よりも屈折率が高い単結晶材料からなることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部は、上記基板よりも屈折率が高い単結晶Si(硅素)からなることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部は、GaP層からなることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部は、上記基板よりも屈折率が高い材料に所定量の不純物が混入した材料からなることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部は、上記基板よりも屈折率の高いn型Si材料からなることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部は、上記基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si材料からなることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部は、その外壁に複数のテーパ角度を有することを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部の高さと同じ高さを有し、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に備えることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に備えることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイであって、
上記各突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に備えることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。 - 上記各突起部は、その先端と上記バンク部の回転型記録媒体退出側の端部とが、回転型記録媒体進入方向と直交する方向において一致する位置又は回転型記録媒体進入側の位置に設けられることを特徴とする請求項105記載のプローブアレイ。
- 上記バンク部は、回転型記録媒体退出側の端部に、上記基板の回転型記録媒体進入側から上記基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有することを特徴とする請求項105記載のプローブアレイ。
- 上記バンク部は、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記基板の回転型記録媒体進入側から上記基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有することを特徴とする請求項105記載のプローブアレイ。
- 上記バンク部は、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有することを特徴とする請求項105記載のプローブアレイ。
- 上記基板の回転型記録媒体退出側の端部と上記各突起部の先端との長さは、上記基板の厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて決定されることを特徴とする請求項105記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイであって、
上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、
上記各突起部と同じ材料からなり、回転型記録媒体と接するパッド部とを更に備えることを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。 - 上記パッド部は、上記基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に形成されることを特徴とする請求項111記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部のみに遮光膜を形成したことを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 上記各突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成したことを特徴とする請求項95記載のプローブアレイ。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高い高屈折率層、上記高屈折率層上に積層された中間層、上記中間層上に積層された支持層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高屈折率層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、
上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、
パターニングして露呈した上記高屈折率層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、
上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上に高屈折率層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製することを特徴とするプローブアレイの製造方法。 - 上記第2の基板は、上記高屈折率層がSiであって、上記中間層がSiO2であることを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記第2の基板は、上記高屈折率層がGaP層であって、上記中間層がSiO2であることを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記第2の基板は、上記高屈折率層が単結晶材料であって、上記中間層がSiO2であって、上記支持層がSiであることを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記第2の基板は、上記高屈折率層が単結晶Siであって、上記中間層がSiO2であって、上記支持層がSiであることを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように各突起部を形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、各突起部の高さと同じ高さを有し、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 同一の高屈折率層にエッチングを行って、上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項123記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項123記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項123記載のプローブアレイの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて、回転型記録媒体進行方向における長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項123記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
同一の高屈折率層エッチングを行って、上記各突起部と、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体に接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項128記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記各突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記各突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記中間層をパターニングするに際して、作製する上記各突起部の先端位置上の中間層を所定の厚さとし、上記各突起部の先端位置上以外の中間層を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項115記載のプローブアレイの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、支持層、上記支持層上に形成された中間層、上記中間層上に形成されGaP層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記GaP層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれる支持層を除去し、
上記支持層を除去して露呈した上記中間層をパターニングし、
パターニングして露呈した上記GaP層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、
上記パターニングされた中間層を除去して、第1の基板上にGaP層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製することを特徴とするプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように上記各突起部を形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の高さと同じ高さを有し、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。
- 同一のGaP層にエッチングを行って、上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項137記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項137記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項137記載のプローブアレイの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて、回転型記録媒体進行方向における長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項137記載のプローブの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
同一のGaP層にエッチングを行って、上記各突起部と、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体に接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項142記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記各突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記中間層を除去した後、上記各突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記中間層をパターニングするに際して、作製する上記各突起部の先端位置上の上記中間層を所定の厚さとし、上記各突起部の先端位置上以外の上記中間層を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項133記載のプローブアレイの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率が高く所定量の不純物が混入した低濃度層、前記所定量の不純物よりも多い不純物が混入した高濃度層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記低濃度層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれる高濃度層を除去し、
上記高濃度層を除去して露呈した上記低濃度層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、
パターニングして露呈した上記低濃度層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、
上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に低濃度層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製することを特徴とするプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように上記各突起部を形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の高さと同じ高さを有し、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。
- 同一の低濃度層にエッチングを行って、上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項151記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項151記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項151記載のプローブアレイの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて、回転型記録媒体進行方向における長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項151記載のプローブの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
同一の低濃度層にエッチングを行って、上記各突起部と、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体に接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項156記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記各突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記各突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を形成するに際して、作製する上記各突起部の先端位置上を所定の厚さとし、上記各突起部の先端位置上以外を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項147記載のプローブアレイの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高いn型Si層とp型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記n型Si層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれるp型Si層を除去し、
上記p型Si層を除去して露呈した上記n型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、
パターニングして露呈した上記n型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、
上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上にn型Si層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製することを特徴とするプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように上記各突起部を形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の高さと同じ高さを有し、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 同一のn型Si層にエッチングを行って、上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項165記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項165記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項165記載のプローブアレイの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて、回転型記録媒体進行方向における長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項165記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、同一のn型Si層にエッチングを行って、上記各突起部と、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体に接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項170記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記各突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記各突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を形成するに際して、作製する上記各突起部の先端位置上を所定の厚さとし、上記各突起部の先端位置上以外を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項161記載のプローブアレイの製造方法。
- 光透過性を有する第1の基板と、上記第1の基板よりも屈折率の高い高濃度p型Si層とn型Si層からなる第2の基板と、を上記第1の基板と上記高濃度p型Si層とを接触させて接合し、
上記第2の基板に含まれるn型Si層を除去し、
上記n型Si層を除去して露呈した上記高濃度p型Si層の表面にパターニング用材料を形成して当該パターニング用材料をパターニングし、
パターニングして露呈した上記高濃度p型Si層をエッチングして第1の基板上に錐状の突起部を複数形成し、
上記パターニングされたパターニング用材料を除去して、第1の基板上に上記高濃度p型Si層からなる錐状の突起部を複数備えるプローブアレイを作製することを特徴とするプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、外壁に複数のテーパ角度を有するように上記各突起部を形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の高さと同じ高さを有し、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。
- 同一の高濃度p型Si層にエッチングを行って、上記各突起部と同じ材料からなり、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
上記エッチングを行うに際して、上記各突起部の周囲を囲む位置に配され、上記回転型記録媒体が回転することで発生する空気流の流出側に開口を設けたバンク部を更に形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体退出側の端部に、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項179記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入側のバンクに、上記第1の基板の回転型記録媒体進入側から上記第1の基板の回転型記録媒体退出側に向かって傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項179記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記エッチングを行うに際して、回転型記録媒体進入方向と略平行なバンクに、回転型記録媒体の径方向に傾斜したテーパ部を有するバンク部を形成することを特徴とする請求項179記載のプローブアレイの製造方法。
- 厚さ、屈折率及び光を入射する光学素子の開口数に基づいて、回転型記録媒体進行方向における長さが決定される第1の基板を用いることを特徴とする請求項179記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記各突起部の先端側に、情報を記録する回転型記録媒体が配されるプローブアレイの製造方法であって、
同一の高濃度p型Si層にエッチングを行って、上記各突起部と、上記各突起部の周囲を囲む位置に配されたバンク部と、回転型記録媒体に接するパッド部とを上記第1の基板の回転型記録媒体対向面に形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。 - 上記エッチングを行うに際して、上記第1の基板の回転型記録媒体の進入端と回転型記録媒体の退出端との間の中心位置、若しくは中心位置から全体長さを1としたときの±0.1の範囲の位置に上記パッド部を形成することを特徴とする請求項184記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記各突起部及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を除去した後、上記各突起部の傾斜面及び基板の突起部形成面、或いは上記各突起部の傾斜面のみに遮光膜を形成することを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。
- 上記パターニング用材料を形成するに際して、作製する上記各突起部の先端位置上を所定の厚さとし、上記各突起部の先端位置上以外を所定の厚さ以下の厚さとすることを特徴とする請求項175記載のプローブアレイの製造方法。
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