JP2004039041A - 平面型プローブ、その製造方法及び光ピックアップ装置 - Google Patents

平面型プローブ、その製造方法及び光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光記録媒体に対する記録再生に平面型プローブを用いる際に、近接場光を発生させるための突起を光記録媒体に近接させた場合にも、その損傷を極力回避する。
【解決手段】透光性を有する基板2と、この基板2と同じ材料によって形成されて当該基板2の表面側から突出する透光性を有する先細の突起3と、を備える平面型プローブ1Aの突起3に関して、根元側で頂角が大きくなるように突起途中で頂角が変化して突起根元側が太くなる多段形状、例えば、その頂角が、根元側で大きく先端側で小さくなる形状(α<β)とすることで、単純な円錐形状や円錐台形状などの場合に比較して突起根元部をより一層太いものとしてその機械的強度が増し、突起3の損傷を極力回避できるようにした。また、光ピックアップに適用する場合、突起根元部への集光も容易となる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面型プローブ、その製造方法及び光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等に代表される光記録媒体に対してレーザ光を照射することにより、光記録媒体にデータを記録したり、光記録媒体に記録されたデータを再生したりするようにしたデータの記録再生方法が知られている。
【0003】
近年、光記録媒体の記録密度の超高密度化が進んでいるため、超高密度記録されたデータを上述した記録再生方法を用いて記録再生するために、例えば、使用する光の短波長化や使用するレンズの高NA化等を図ることによって、光記録媒体の記録面上に照射される光のスポットサイズの微小化が図られている。
【0004】
しかしながら、光記録媒体の記録面上に照射されるレーザ光のスポットサイズは、レーザ光の短波長化や使用するレンズの高NA化だけでは、光の回折限界によりレーザ光の波長程度の大きさでしか得られない。このため、超高密度化記録に際して記録ビットを微小化することができない、また、超高密度化記録されたデータの再生に際してクロストークが発生してしまう、等の不都合が発生する。
【0005】
このような光の回折限界による記録、再生の限界に対する解決策の一つとして、「近接場光」を用いる光方式が提案されている。即ち、屈折率の異なる2つの媒体の一方から全反射条件以上で光を入射すると、光が入射される一方の媒体を伝播する光はもう一方の媒体との境界面で全反射されるが、一部境界面を越えて非伝播の電場成分のみが染み出す領域(近接場)が形成される。このように非伝播の電場成分のみが染み出す領域を「近接場」という。このような領域は、例えば、近接場光顕微鏡の光ファイバプローブのように、導入される光の波長よりも微細な開口を有する光ファイバによって形成することができる。このような微小開口による近接場は、開口寸法とほぼ同じ位しか横方向の広がりを持たず、開口から離れるに従って指数関数的に強度が減少し、開口と同程度以上には染み出さない。
【0006】
このような近接場領域に微小な散乱体を挿入すると、近接場が散乱されて伝播光の近接場光として変換される。近接場で発生する近接場光は、開口と同程度以上に染み出さないため、このような近接場光を用いることで、光の回折限界を超えた解像度を得ることができ、光記録媒体に対する超高密度記録や、超高密度記録された光記録媒体の再生を良好に行なうことが期待できる。
【0007】
しかしながら、近接場光を用いることで光の回折限界を超えた解像度を得ることができるが、近接場光は、一般の伝播光に比べて非常に強度が弱い。このため、例えば、先端を非常に細く形成したプローブを光ディスク等の光記録媒体に対して近接して配設する等、効果的に近接場光を発生及び検出させる方法が模索されている。
【0008】
また、近年、高密度記録と同様に、記録再生の高速化も検討されている。その一つとして、碁盤目状に複数の開口を持つアレイ状構成とした平面型プローブが提案されている。このような平面型プローブを用いることで、(目標とする記録・再生の走査速度)/(開口数)を走査速度とすることができるので、実際の走査速度が低速であっても、目標とする記録・再生の走査速度の高速化を図ることが可能である。
【0009】
このような平面型プローブとしては、例えば、特開2001−208672公報に開示されているように、SOI基板のシリコン結晶面を利用して異方性エッチングを施すことによって先端に開口を有する突起と、この突起の周辺に立設するバンク部とをSOI基板の一面側に形成するようにしたものがある。また、例えば、特開2000−182264公報に開示されているように、電子ビームを用いて、板状のプローブ材の一面側に感光性の樹脂によって形成される円錐状の突起パターンを設け、この突起パターンをドライエッチングしてプローブ材に転写することによって、プローブ材の一面側に円錐状の突起を形成するようにした技術がある。
【0010】
このような平面型プローブから発生される近接場光も、上述と同様に、一般の伝播光に比べて非常に強度が弱いため、光記録媒体に近接して配置される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように、平面型プローブの突起の先端は、非常に細く形成されている上に、光記録媒体に近接させて設置されるため、例えば、記録再生に際して光記録媒体が高速で回転されると、この光記録媒体に付着している異物が接触することによって破壊されてしまうことがある。
【0012】
また、特開2001−208672公報に開示された技術では、製造される突起の形状やバンクの方向が結晶の方位に依存するため、四角錘形状の突起しか製造することができず、平面型プローブの形状が制限されてしまう。
【0013】
さらに、特開2000−182264公報に開示された技術でも、突起の形状がドライエッチングの能力に依存し、突起の外周面の基板に対する角度のコントロールが困難である。このため、任意の形状の突起を製造することが困難である。また、該公報に開示された技術では、突起が露出しているため、光記録媒体に付着している異物に接触することによる破壊が懸念される。
【0014】
本発明の目的は、光記録媒体に対する記録再生に平面型プローブを用いる際に、近接場光を発生させるための突起を光記録媒体に近接させた場合にも、その損傷を極力回避することである。
【0015】
本発明の目的は、上記目的を実現する上で、さらに、高速回転される光記録媒体に付着する異物が突起に接触することによる突起の破損を防止することである。
【0016】
本発明の目的は、上記目的を実現する上で、さらに、突起と光記録媒体とをより近接させて近接場光を効率的に発生させるとともに機械的耐久性の向上を図ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の平面型プローブは、透光性を有する基板と、この基板と同じ材料によって形成されて当該基板の表面側から突出する透光性を有する先細の突起と、を備え、前記突起は、根元側で頂角が大きくなるように突起途中で頂角が変化して突起根元側が太くなる多段形状に形成されている。
【0018】
従って、根元側で頂角が大きくなるように突起途中で頂角が変化して突起根元側が太くなる多段形状の突起を形成することで、単純な円錐形状や円錐台形状などの場合に比較して突起根元部をより一層太いものとしてその機械的強度を増すことができ、その損傷が極力回避される。また、突起根元部への集光も容易となる。さらには、突起を突起途中で頂角が変化させた多段形状に形成することで、透過効率の向上等、形状の最適化を図ることができる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の平面型プローブにおいて、前記突起は、その頂角が、根元側で大きく先端側で小さくなる多段形状に形成されている。
【0020】
従って、請求項1記載の平面型プローブを実現する上で、基本となる2段構成の典型例を提供できる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の平面型プローブにおいて、前記突起は、その頂角が、根元側で大きく、中間部で小さく、先端側で大きくなる多段形状に形成されている。
【0022】
従って、請求項1記載の平面型プローブを実現する上で、透過率を向上させ得る構成例を提供できる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の平面型プローブにおいて、前記突起は、その頂角が、根元側で大きく、根元側中間部で小さく、先端側中間部で大きく、先端側で小さくなる多段形状に形成されている。
【0024】
従って、請求項1記載の平面型プローブを実現する上で、透過率の向上及び開口径の縮小化を図れる構成例を提供できる。
【0025】
ちなみに、光ファイバーを用いたプローブでは,光の透過効率向上及び開口径の微小化に種々の工夫がなされており、例えば文献「『Tailoring a high−transmission fiber probe for photon scanning tunneling microscope』 T.saiki et.al  Appl.phys.lett.68(19),6 may 1996」においては、根元頂角を小さくし、先端部頂角を大きくすることにより透過率を向上させたファイバープローブが提示され、また、特開平10−82791号公報によれば、プローブ頂角を中間で大きく根元と先端とで小さくすることにより光の透過効率を充分に確保しながら開口径の微小化が図れるファイバープローブが提示されているが、これらの光ファイバー型プローブでは近接場光学顕微鏡への適用を想定し、使い捨てとなっており、分解能と感度の向上を意図したものであり、請求項1ないし4記載の本発明のような突起の破損対策、即ち、突起の機械的強度を強くするという技術的思想はないものである。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記基板は、石英又は光学ガラスによって形成されている。
【0027】
従って、基板、即ち突起を石英又は光学ガラスによって形成することにより、優れた屈折率、透過率を有する平面型プローブを提供することができる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記基板は、その裏面側に設けられて透光性を有する支持材料により裏打ちされている。
【0029】
従って、例えば、単体では板状に成形することが困難である材料や、透過率が低いために薄くする必要があるにも拘わらず薄くすることにより強度や取り扱い性が低下してしまうような材料を基板に使用することが可能となり、屈折率、透過率、使用波長の選択性が増す。
【0030】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記突起は、その先端が平面とされている。
【0031】
従って、突起の先端が平面であるため、例えば、本発明の平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、光記録媒体に対して近接場光をより効率的に発生させることができる。
【0032】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記突起の斜面部分を被覆する遮光膜を備える。
【0033】
従って、例えば、本発明の平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、突起先端以外の部分から近接場光が発生することを遮光膜によって防止することができる。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記基板の表面側において前記突起の周囲に形成された保護壁を備える。
【0035】
従って、周囲から加えられる衝撃に対して、保護壁によって突起を保護することができる。
【0036】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の平面型プローブにおいて、前記保護壁の前記基板表面からの高さは、前記突起の前記基板表面からの高さと略同一に設定されている。
【0037】
従って、例えば、本発明の平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、保護壁が障害となることなく、突起先端を光記録媒体に近接させることができる。
【0038】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の平面型プローブにおいて、前記保護壁は、一部の開口を除いて前記突起の周囲を壁状に連続して囲むように形成されている。
【0039】
従って、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも下流側に保護壁の開口が位置するように本発明の平面型プローブを配置することで、突起と保護壁との間にある異物を気流を利用して開口から排除することができる。
【0040】
請求項12記載の発明は、請求項9又は10記載の平面型プローブにおいて、前記保護壁は、前記突起から離間する方向へ尖る尖角部を外周の一部に有するとともに前記突起の周囲を壁状に連続して囲むように形成されている。
【0041】
従って、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも上流側に尖角部が位置するように本発明の平面型プローブを配置することで、保護壁の上流側にある異物を尖角部と気流とを利用して排除することができる。
【0042】
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記基板又は前記支持材料の裏面側に形成されて、裏面側から入射する光を前記突起の根元部に集光させる集光機能部を備える。
【0043】
従って、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、裏面側から入射する光を突起の根元部に集光させる集光機能部を備える本発明の平面型プローブを用いることで、別個に集光レンズを用いる必要がなくなる。
【0044】
請求項14記載の発明は、請求項1ないし13の何れか一記載の平面型プローブにおいて、前記突起は、前記基板の表面側において複数個がアレイ状に配列形成されている。
【0045】
従って、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、その高速化を図るのに有効な突起のアレイ状配列構成においても、その機械的強度の増加により、その損傷が極力回避される。
【0046】
請求項15記載の発明の平面型プローブの製造方法は、透光性を有する基板上に円錐形パターンを形成する工程と、前記円錐形パターンをドライエッチングにより前記基板に転写する際に、ドライエッチング条件をエッチング中に変更して目的とする透光性の突起の頂角を突起途中で変更する工程と、を含む。
【0047】
従って、突起の角度、高さ、先端開口等を任意形状に形成でき、例えば請求項1ないし14記載の発明のような平面型プローブを形成するのに有効な製造方法を提供できる。
【0048】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の平面型プローブの製造方法において、変更するドライエッチング条件として、エッチングのガス種を変えるようにした。
【0049】
従って、請求項15記載の発明を実現する上で、ドライエッチング条件の変更方法が提供される。
【0050】
請求項17記載の発明は、請求項15記載の平面型プローブの製造方法において、変更するドライエッチング条件として、エッチングパワーを変えるようにした。
【0051】
従って、請求項15記載の発明を実現する上で、ドライエッチング条件の変更方法が提供される。
【0052】
請求項18記載の発明は、請求項15記載の平面型プローブの製造方法において、前記基板上に感光性樹脂層を形成する工程と、少なくともリング形状パターンを有するフォトマスクと露光手段とを用いて、前記基板上に感光性樹脂により前記円錐形パターンを形成する工程と、を含む。
【0053】
従って、請求項15記載の発明を実現する上で、円錐形パターンを形成する方法が提供される。
【0054】
請求項19記載の発明の平面型プローブの製造方法は、透光性を有する基板上に透光性材料による柱状構造を形成する工程と、前記柱状構造の周辺に当該柱の材料と同一のエッチング液又はエッチングガスでエッチングされかつ前記柱状構造の材料よりエッチングレートの速い充填材を充填する工程と、前記柱状構造と前記充填材とを等方性エッチングでエッチングする際に、エッチング条件をエッチング中に変更して目的とする透光性の突起の頂角を突起途中で変更する工程と、を含む。
【0055】
従って、突起の角度、高さ、先端開口等を任意形状に形成でき、例えば請求項1ないし14記載の発明のような平面型プローブを形成するのに有効な製造方法を提供できる。
【0056】
請求項20記載の発明の光ピックアップ装置は、光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、前記光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設される請求項1ないし10又は14の何れか一記載の平面型プローブと、前記光源から出射された光を前記突起の根元部に集光させる集光手段と、を備える。
【0057】
従って、請求項1ないし10又は14の何れか一記載の平面型プローブを備えるので、光記録媒体に対する記録再生に平面型プローブを用いる際に、近接場光を発生させるための突起を光記録媒体に近接させた場合にも、その損傷を極力回避することができ、結果的に、突起と光記録媒体とをより近接させて近接場光を効率的に発生させるとともに機械的耐久性の向上を図ることができる。
【0058】
請求項21記載の発明の光ピックアップ装置は、光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、前記光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設され、前記光源から出射された光を集光機能部により前記突起の根元部に集光させる請求項13記載の平面型プローブと、を備える。
【0059】
従って、請求項20記載の発明の作用・効果に加えて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、裏面側から入射する光を突起の根元部に集光させる集光機能部を備える請求項13記載の平面型プローブを備えることで、別個に集光レンズを用いる必要がなくなり、かつ、光源と集光機能部との光軸合わせで済み、組立て性も向上する。
【0060】
請求項22記載の発明の光ピックアップ装置は、光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、前記保護壁の前記開口部分が回転される前記光記録媒体の回転方向下流側に位置するように位置付けられて、光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設される請求項11記載の平面型プローブと、前記光源から出射された光を前記突起の根元部に集光させる集光手段と、を備える。
【0061】
従って、請求項20記載の発明の作用・効果に加えて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも下流側に保護壁の開口が位置するように配置させた請求項11記載の平面型プローブを備えることで、突起と保護壁との間にある異物を気流を利用して開口から排除することができる。
【0062】
請求項23記載の発明の光ピックアップ装置は、光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、前記保護壁の前記尖角部が回転される前記光記録媒体の回転方向上流側に位置するように位置付けられて、光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設される請求項12記載の平面型プローブと、前記光源から出射された光を前記突起の根元部に集光させる集光手段と、を備える。
【0063】
従って、請求項20記載の発明の作用・効果に加えて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも上流側に尖角部が位置するように配置させた請求項12記載の平面型プローブを備えることで、保護壁の上流側にある異物を尖角部と気流とを利用して排除することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図15に基づいて説明する。
【0065】
本実施の形態は、平面型プローブの構成例に関するものである。まず、図1は、本実施の形態の第1の平面型プローブ1Aを示し、(a)は中央端面図、(b)はその突起部分を拡大して示す中央端面図である。この平面型プローブ1Aは、図1に示すように、透光性を有する基板2の表面側(図1中、上側)から突出する先細形状の突起3を有する構成とされている。基板2、突起3は、同じ材料によって一体に形成されている。なお、基板2としては、例えば、石英、光学ガラス等を用いることができる。基板2として石英、光学ガラスを用いることによって、優れた屈折率、透過率を有する平面型プローブ1Aを提供することができる。
【0066】
ここに、突起3は先端に平面4を有する円錐台形状を基本としているが、突起途中で頂角が変化し、根元側で大きく先端側で小さくなり、その根元側が太くなる2段形状に形成されている。即ち、その先端側頂角をα、根元側頂角をβとしたとき、図1(b)に示すように、β>αなる関係に形成されており、単純な円錐台形状の場合よりも突起3の根元部が先端側に比べて極端に太くて強度的に強い形状とされている。
【0067】
図2は、本実施の形態の第2の平面型プローブ1Bを示し、(a)は中央端面図、(b)はその突起部分を拡大して示す中央端面図である。この平面型プローブ1Bは、図2に示すように、透光性を有する基板2の表面側(図1中、上側)から突出する先細形状の突起3を有する構成とされている。なお、基板2としては、例えば、石英、光学ガラス等を用いることができる。基板2として、石英、光学ガラスを用いることによって、優れた屈折率、透過率を有する平面型プローブ1Bを提供することができる。
【0068】
ここに、突起3は先端に平面4を有する円錐台形状を基本としているが、突起途中で頂角が変化し、根元側で大きく、中間部で小さく、先端側で大きくなり、全体としてはその根元側が太くなる3段形状に形成されている。即ち、その先端側頂角をα、中間部頂角をβ、根元側頂角をγとしたとき、図2(b)に示すように、α>β、γ>βなる関係に形成されている。
【0069】
図3及び図4は、本実施の形態の第3の平面型プローブ1Cを示し、図3(a)は中央端面図、図3(b)はその突起部分を拡大して示す中央端面図、図4は各段の根元径の関係を示す中央端面図である。この平面型プローブ1Cは、図3に示すように、透光性を有する基板2の表面側(図1中、上側)から突出する先細形状の突起3を有する構成とされている。なお、基板2としては、例えば、石英、光学ガラス等を用いることができる。基板2として、石英、光学ガラスを用いることによって、優れた屈折率、透過率を有する平面型プローブ1Cを提供することができる。
【0070】
ここに、突起3は先端に平面4を有する円錐台形状を基本としているが、突起途中で頂角が変化し、根元側で大きく、根元側中間部で小さく、先端側中間部で大きく、先端側で小さくなり、全体としてはその根元側が太くなる4段形状に形成されている。即ち、その先端側頂角をα、先端側中間部頂角をβ、根元側中間部頂角をγ、根元側頂角をδとしたとき、図3(b)に示すように、α<β、γ<β、α<δ、γ<δなる関係に形成されている。また、各々の段の根元部の径を根元側から順にd1,d2,d3,d4としたとき、図4に示すようにd1>d2>d3>d4なる関係に形成されている。
【0071】
このような構成例に示す平面型プローブ1A,1B又は1Cによれば、何れも根元側の頂角が大きく設定され、基本的に、突起3の根元部が単純な円錐形状の場合に比して太くなっているので、その機械的強度を増すことができ、後述するように光ピックアップ装置等に用いた場合に、光記録媒体に接近させて使用してもその損傷を極力回避することが可能となる。また、根元部が太いので、突起根元部への集光も容易となる。特に、平面型プローブ1Aの場合には、2段構成の最も単純な構成を提供でき、平面型プローブ1Bの場合には、先端側で頂角が大きくなっている3段構成であるので、透過率を向上させることができ、さらに、平面型プローブ1Cの場合には、先端側中間部で頂角が大きく、先端側で頂角が小さくなる4段構成とされているので、透過率の向上及び開口径の縮小化を図ることができる。
【0072】
なお、これらの平面型プローブ1A,1B,1Cに関して、図5に示すように、基板2の表面側において突起3の周囲近傍に保護壁5を備えるようにしてもよい(図5は、平面型プローブ1Aの例で示す)。この保護壁5も基板2、突起3と同じ材料により一体に形成され、その基板表面からの高さも突起3と同一高さとされている。保護壁5の高さを突起3と同一高さとすることにより、例えば、後述するように、平面型プローブ1A,1B,1Cを光ピックアップ装置に適用して光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、保護壁5が障害となることなく、突起3の先端を光記録媒体に近接させることができる。
【0073】
ここに、保護壁5の平面的形状としては、適宜形状を採り得るもので、突起3を囲む形で円環形状、四角枠形状、三角枠形状、楕円形状等が可能である。もっとも、光ピックアップ装置に適用する場合には、図6や図7に示す形状がより好適である。
【0074】
図6は、保護壁5の形状を工夫した平面型プローブ1D(1A,1B,1Cの何れのタイプでもよく、突起3自体は簡略化して示す)を示す平面図である。図6に示す保護壁5の平面的形状は、略コの字形状を有しており、一部の開口5aを除いて突起3の周囲を連続して囲むように立設されている。ここに、開口5aは回転駆動される光記録媒体の回転方向(矢印参照)に対して下流側位置となるように平面型プローブ1Dはその配置位置・方向が位置付けられる。
【0075】
これによって、記録再生装置における記録再生に際して、光記録媒体の回転によって突起の周辺に気流が発生する。平面型プローブ1Dは、光記録媒体の回転によって発生する気流に対して、突起3よりも下流側に保護壁5の開口5aが位置するように配置されているため、突起3と保護壁5との間にある異物を気流を利用して開口5aから排除することができ、保護壁5と突起3との間における異物の集積を抑制することができる。
【0076】
図7は、保護壁5の形状を工夫した平面型プローブ1E(1A,1B,1Cの何れのタイプでもよく、突起3自体は簡略化して示す)を示す平面図である。平面型プローブ1Eの保護壁5の平面的形状は、一部の開口5aを除いて突起3の周囲を連続して囲むような形状であるとともに、突起3を間にして開口5aと対称となる位置に突起3から離間する方向へ向けて尖角する尖角部5bが設けられている。ここに、尖角部5bは回転駆動される光記録媒体の回転方向(矢印参照)に対して上流側位置となるように平面型プローブ1Dはその配置位置・方向が位置付けられる。
【0077】
これによって、光記録媒体の回転によって発生する気流は、保護壁5の位置で尖角部5bによって左右方向に分流されるので、この気流を利用することにより、異物が保護壁5の周囲に堆積することを防止することができ、保護壁5の内周側及び外周側において、異物が堆積してしまうことを回避することができる。
【0078】
また、これらの平面型プローブ1A〜1Eに関して、図8に示すように、基板2の表面側において突起3先端の平面4を除く部分、即ち、突起3の斜面部分や保護壁5の斜面部分や基板2底面部などをAl等の金属膜による遮光膜6で被覆した平面型プローブ1Fとして構成してもよい(図8は、平面型プローブ1Eをベースとする例で示す)。
【0079】
このような平面型プローブ1Eによれば、後述するように光ピックアップ装置に利用して光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、突起3先端以外の部分から近接場光が発生することを遮光膜6によって防止することができる。
【0080】
さらに、これらの平面型プローブ1A〜1Fに関して、図9に示すように、突起3を1個だけでなく、複数個アレイ状(1次元アレイ状或いは2次元アレイ状)に配列形成してなるアレイ状タイプの平面型プローブ1Gとして構成してもよい(図9は、平面型プローブ1Fをベースとする例で示す)。
【0081】
このような平面型プローブ1Gによれば、光ピックアップ装置に利用して光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、光記録媒体の回転速度を遅めにしてもその記録再生速度の高速化を図ることができる。また、このような突起3のアレイ状配列構成においても、その機械的強度の増加により、その損傷を極力回避することができる。
【0082】
つづいて、このような平面型プローブ1A〜1Gの製造方法について、図10ないし図16を参照して説明する。ここでは、平面型プローブ1Aを例にとり、説明する。
【0083】
まず、本実施の形態の製造方法では、図10に示すようなフォトマスク11を用いる。このフォトマスク11は、例えば、透光性の石英基板12上に例えばCrにより形成された少なくともリング形状を有する突起形成用パターン13を持つ。保護壁5が必要な場合には、その形状に応じた保護壁5用のパターンを含ませればよい。また、アレイ状構成の場合には、突起形成用パターン13を複数個配列させて形成したフォトマスクとすればよい。
【0084】
一方、図11(a)に示すように、基板2の表面側に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層14を形成する。感光性樹脂としては、例えば、市販のフォトレジスト等を用いることができる。
【0085】
次に、フォトマスク11を用いて、感光性樹脂層14を露光する。露光に際しては、拡散光成分を有する光を発生させる露光手段(図示せず)を用いて露光する。拡散光成分を有する光を発生させる露光手段としては、拡散光成分を有する光を直接発生させる露光装置を用いてもよいし、平行光のみを発生させる露光装置を用いて、この露光装置から発生される光路中に拡散板等の拡散光成分を発生させる手段を挿入することにより拡散光成分を有する光を照射するようにしても良い。
【0086】
このような露光後、感光性樹脂層14を現像することにより、図11(b)に示すように、円錐形状の感光性樹脂パターン15が得られる。破線は、感光性樹脂層14の現像前の層厚を示している。この時、形成される円錐形状の感光性樹脂パターン15は、リング状パターンの形状、感光性樹脂層14の厚さ、露光手段、現像条件等を変化させることにより形状制御が可能である。なお、円錐形状の感光性樹脂パターン15は初期の感光性樹脂層14の厚さより低くなる。
【0087】
一例として、図10に示すフォトマスク11として、突起形成用パターン13の最外径を3μmのものを用い、塗布後の感光性樹脂層14の膜厚5μmの条件で試験したところ、直径2μm、高さ1.5μmの円錐形状の感光性樹脂パターン15が得られた。
【0088】
続いて、感光性樹脂パターン15が形成された基板2を異方性ドライエッチングする。この時、用いる異方性ドライエッチング法としては、ECRエッチング、NLDエッチング等の公知の方法を用いることができる。この時のドライエッチングは図12(a)(b)に示すように感光性樹脂(感光性樹脂パターン15)と基板2との双方に作用し、感光性樹脂パターン15が基板2に転写される。図12(b)において、15aは感光性樹脂パターン15の初期形状を示し、15bはエッチング後の形状を示す。また、16は基板2において感光性樹脂形状が縦方向に転写された部分を示し、dHは基板2のエッチング量を示す。
【0089】
この時、ドライエッチングの条件により、感光性樹脂(感光性樹脂パターン15)と基板2とのエッチングレート比を変化させることにより、感光性樹脂パターン15の形状を、縦方向(高さ方向)に拡大又は縮小して転写することが可能であり、突起形状をコントロールすることができる。即ち、図13に示したようにエッチング途中でエッチング条件を変更することにより、突起3の頂角を根元側(基板側)と先端側とで変更することができる。図13(a)は図12(b)に対応するもので、例えばエッチング選択比;感光性樹脂/基板=1/1なるエッチング条件での1段目のエッチング後の状態を示している。図13(b)は1段目のエッチング後に、例えばエッチング選択比;感光性樹脂/基板=1/2なるエッチング条件に変更して2段目のエッチングを行った後の状態を示している(図13(b)中の破線は1段目エッチング後の形状を示している)。さらにエッチング条件を変更することにより、平面型プローブ1B,1Cのように3段以上の突起を形成することが可能である。
【0090】
具体的にエッチングレート比を変化させるエッチング条件として、NLDエッチングを用い、石英基板と感光性樹脂(レジスト)とをエッチングした場合を示すと、第1に、エッチングガス種を変える方法がある。図14に示すように、エッチングガスにC/O混合ガスを用い、Oガス混合比を変化させることにより石英/レジストのエッチング選択比を変化させることができる。
【0091】
第2に、エッチングパワーを変える方法がある。図15に示すように、エッチングガスにCFガスを用い、エッチングパワーを変化させることにより石英/レジストのエッチング選択比を変化させることができる。
【0092】
このような製造方法により、平面型プローブ1A〜1Gの突起3形状を形成することができる。
【0093】
なお、円錐形状の感光性樹脂パターン15を残した状態でエッチングを終了すると図1に示したように、突起3の先端に、近接場光出射用の平面4を形成することができる。この平面4は基板2の表面であり、光学的平滑度を保つことが容易である。
【0094】
また、この時の基板2材料としては,入手の容易さ、加工の容易さ及び光透過率の点で,前述したように、石英又は光学ガラスが適している。
【0095】
なお、本実施の形態の製造方法において、フォトマスク11に保護壁パターンを形成しておけば、保護壁5を有する平面型プローブ1D,1Eを形成することができる。感光性樹脂15を一部残した状態でエッチングを終了すればこの保護壁5は自動的に突起3と同一高さになる。このような平面型プローブ1D,1Eは、近接場光の特徴により光記録媒体と近接させて設置する必要がある。このため、保護壁5は、突起3の破損防止及び異物集積防止に有効となる。
【0096】
また、遮光膜6は突起3、保護壁5等を形成した後、スパッタリング法、蒸着法等により全面に遮光膜を形成した後、突起3先端部分や保護壁5の先端部分等の遮光膜をFIB法等により除去すればよい。
【0097】
本発明の第二の実施の形態を図16ないし図18に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0098】
本実施の形態は、平面型プローブ1A〜1Gに関して第一の実施の形態の場合とは異なる製造方法に関する。ここでは、平面型プローブ1Aを例にとり、説明する。
【0099】
まず、図16(a)に示すように基板2に柱状構造21を形成する。柱状構造21を形成するには、公知技術を用いれば良い。具体的には以下のような方法がある。
▲1▼ フライス盤,放電加工等の機械加工による。
▲2▼ 基板上に柱形レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして異方性エッチングを行う。
▲3▼ 基板上に犠牲層を形成し、この犠牲層に通常の写真製版−エッチング工程により貫通孔を形成し、貫通孔に柱状材料をCVD、スパッタ等の方法で埋め込み、犠牲層を除去する。
【0100】
ついで、図16(b)に示すように、柱状構造21の周辺を充填材22で埋め込む。充填材22の高さは、図16(b)に示すように柱状構造21と同一であってもよいし、図16(c)に示すように柱状構造21を覆う高さとしてもよい。なお、充填材22は、柱状構造21の材料と同一のエッチング液又はエッチングガスでエッチングでき、かつ、柱状構造21の材料よりエッチングレートの速い材料を用いる。
【0101】
具体的な充填材料としては、フォトレジストが適している。また、液状であって、焼成することによりガラスとなる材料を用いることも可能である。これらの材料はディッピング、スピンコート等の方法で形成することができる。また、充填材料としてはさらに鍍金で形成した金属、CVD、スパッタ等の方法で形成した各種材料を用いることが可能である。
【0102】
ついで、図16(d)に示すように、等方性エッチングにより1段目のエッチングを行う。この時、充填材22の材料のエッチングレートが柱状構造21の材料よりも速いため、エッチングの進行に伴い、柱状構造21が残される。詳細には、図17に拡大して示すように、柱状構造21の材料は、縦方向V、横方向Hからエッチングを受け、充填材22がエッチングにより消失するに従い、錐状構造21aを取るようになる。図16(d)、図17中、dHは充填材22のエッチング量を示している。
【0103】
この錐状構造21aの角度(頂角)は、充填材22の材料のエッチングレートと柱状構造21の材料のエッチングレートとの比で決定される。即ち、(充填材22の材料のエッチングレート/柱状構造21の材料のエッチングレート)の値が大きいほど先端の尖った錐状構造21aとなる。図16(d)、図17に示す1段目のエッチングでは、例えば、エッチング選択比;柱状構造21の材料/充填材22の材料=1:5とした。
【0104】
なお、本実施の形態の製造方法により平面型プローブを作製する場合、柱状構造21の大きさ(径)により突起3の根元部の太さを制御でき、充填材22の材料のエッチングレートと柱状構造21の材料のエッチングレートとの比で角度(頂角)を制御でき、突起3形状の制御が可能となる。
【0105】
ついで、図18に示すように2段目のエッチングを行う。1段目と2段目で充填材22の材料のエッチングレートと柱状構造21の材料のエッチングレートとの比を変更することにより頂角の異なる多段プローブを形成できる。図18に示す2段目のエッチングでは、例えば、エッチング選択比;柱状構造21の材料/充填材22の材料=1:1とした。図18中、V、Hは2段目のエッチングによる縦方向、横方向のエッチング量を示し、dHは充填材22の2段目のエッチング量を示している。
【0106】
さらにエッチング条件を変更することにより3段以上に亘って頂角が変化する突起3を形成することが可能である。
【0107】
このような製造方法により、平面型プローブ1A〜1Gの突起3形状を形成することができる。
【0108】
なお、エッチングを適度な状態で中止することにより、図1に示したように、突起3の先端に、近接場光出射用の平面4を形成することができる。
【0109】
また、この時の基板2材料としては,入手の容易さ、加工の容易さ及び光透過率の点で,前述したように、石英又は光学ガラスが適している。
【0110】
なお、本実施の形態の製造方法において、柱状構造21の形成時に保護壁用の柱状構造も併せて形成しておけば、保護壁5を有する平面型プローブ1D,1Eを形成することができる。そして、エッチングを適度な状態で終了すればこの保護壁5は自動的に突起3と同一高さになる。このような平面型プローブ1D,1Eは、近接場光の特徴により光記録媒体と近接させて設置する必要がある。このため、保護壁5は、突起3の破損防止及び異物集積防止に有効となる。
【0111】
また、遮光膜6は突起3、保護壁5等を形成した後、スパッタリング法、蒸着法等により全面に遮光膜を形成した後、突起3先端部分や保護壁5の先端部分等の遮光膜をFIB法等により除去すればよい。
【0112】
本実施の形態の製造方法の具体例を具体例1として以下に説明する。
【0113】
[具体例1]
石英基板に、プライマー(東京応化製、OAP)塗布後、感光性樹脂(東京応化製、OFPR800)を5μmの厚さに塗布した後,写真製版により2μmφの感光性樹脂パターンを形成した。続いて、Cガスを用いたECRエッチングを行い、石英を5μmエッチングし,感光性樹脂を除去することにより図16(a)に示した柱状構造21を得た。
【0114】
この表面に東京応化製OCDを塗布した(OCDは焼成温度によりフッ酸によるエッチングレートが変化する。高温で焼成するほどフッ酸でのエッチングレートが小さくなり、石英のエッチングレートに近くなる。従って,エッチングを中断して焼成を行うことにより,石英とOCDのエッチング比を変更することができる)。この後、600℃で焼成することにより、図16(b)に示した構造を得た。これをフッ酸でエッチングすることにより図16(d)に示す構造を得た。この後,800℃で焼成し,さらにフッ酸でエッチングすることにより図1に示すような突起3の底辺2μm、高さ2μm、先端の平面4の直径0.7μmφの2段平面型プローブ1Aを得た。
【0115】
本発明の第三の実施の形態を図19に基づいて説明する。本実施の形態は、平面型プローブ1A〜1Gを構成する上で、屈折率、透過率、使用波長等の要求により、プローブ材料として基板に成形できない、或いは成形が困難な材料、或いは透過率が低く、薄くして用いることが必要な材料を基板として用いる必要が生じた場合等を考慮したものである。このため、本実施の形態の平面型プローブ1Hでは、基板31の裏面側に透光性を有する支持材料を裏打ち材32として備える構成とされている(図19では、平面型プローブ1Bをベースとした構成例を示している)。
【0116】
具体的には、
▲1▼ 突起3の材料を、透光性の基板31上にCVD・スパッタリング等の方法で積層する。
例えば、石英基板上にダイヤモンドをCVDで積層する。
▲2▼ 突起3の材料を、透光性の基板31に貼り合わせる。
例えば、ガラス基板上にSiを陽極接合する。
等の方法を用いることができる。このような方法で準備した貼合せ基板に対し、第一又は第二の実施の形態で説明したような製造方法を用いることにより、裏打ち材32により裏打ちされた平面型プローブ1A〜1Gを作製することができる。
【0117】
裏打ち材32を形成する材料としては、例えば、石英やガラス等の透光性を有する材料を用いることができる。
【0118】
基板31、即ち、突起3を形成する材料としては、例えば、ダイヤモンド、Si、Si等を用いることが可能になる。ダイヤモンド、Si、Si等は、スパッタまたはCVD(Chemical Vapor Deposition)によって支持材料21の表面に成膜して、ダイヤモンド膜、Si膜、Si膜として用いる。
【0119】
基板31、即ち、突起3を形成する材料としては、他に、単結晶Si、SiO、Ge、ガラス、結晶石英、C(ダイヤモンド)、アモルファスSi、マイクロクリスタル(微小結晶)Si、多結晶Si、Si(x、yは任意)、TiO、ZnO、TeO、Al、Y、LaS、LiGaO、BaTiO、SrTiO、PbTiO、 KNbO、K(Ta,Nb)O(KTN)、LiNbO、LiTaO、Pb(Mg1/3Nb2/3)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Hf,Ti)O、PbGeO、LiGeO、MgAl、CoFe、(Sr,Ba)Nb、LaTi、NdTi、BaTiSi12、PbGe11、BiGe12、BiSi12、YAl12、GdFe12、(Gd,Bi)Fe12、BaNaNbO15、Bi12GeOO、Bi12SiO、Ca12Al1433、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、AgCl、TlCl、CuCl、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、AgBr、TlBr、LiI、NaI、KI、CsI、Tl(Br,I)、Tl(Cl,Br)、MgF、CaF、SrF、BaF、PbF、HgCI、FeF、CsPbCl、BaMgF、BaZnF、NaSbF、LiClO・3HO、CdHg(SCN)、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、α−HgS、PbS、PbSe、EuS、EuSe、GaSe、LiInS、AgGaS、AgGaSe、TiInS、TiInSe、TlGaSe、TlGaS、As、AsSe、AgAsS、AgSbS、CdGa、CdCr、TlTa、TlTaSe、TlVS、TlAsS、TlPSe、GaP、GaAs、GaN、(Ga,Al)As、Ga(As,P)、(InGa)P、(InGa)As、(Ga,AI)Sb、Ga(AsSb)、(lnGa)(AsP)、(GaAI)(AsSb)、ZnGeP、CaCO、NaNO、α−HIO、α−LiIO、KIO、FeBO、FeBO、KB・4HO、BeSO・2HO、CuSO・5HO、LiSO・HO、KHPO,KDPO、NHPO、KHAsO、KDAsOCSHAsO、CsDAsO、KTiOPO,RbTiOPO、(K,Rb)TiOPO、PbMoO、β−Gd(MoO、β−Tb(MoO、PbMoO、BiWO、KMoOS・KCl、YVOCa(VO、Pb(GeO)(VO、CO(NH,Li(COOH)・HO、Sr(COOH)、(NHCHCOOH)SO、(NDCDCOOD)SO、(NHCHCOOH)BeF、(NH・HO、C、CNO、C(NO)、CNOBr、CNOCI、CNONH、C(NH)OH、C(COHCs、C(COHRb、CNOCHNH、CCH(NH、C12・HOKH(C)、ClOH11、[CH・CF]n等を用いることが可能である。
【0120】
本実施の形態の具体例を具体例2として以下に説明する。
【0121】
[具体例2]
ガラス基板にSiウエハを陽極接合し、Siウエハを研磨し、Si5μmの厚さに成形した。この後、プライマー(東京応化製、OAP)塗布後、感光性樹脂(東京応化製、OFPR800)を5μmの厚さに塗布した。図10に示したような突起形成用パターン13の最外径3μmのフォトマスク11を用い、密着型露光装置を用い露光を行った。この後、現像液(東京応化製、NMD−W)により現像を行って、円錐形状感光性樹脂パターン、直径2μm、高さ1.5μmのものがSi上に得られた。続いて、SF+Oを1:1の混合比とした混合ガスを用いたECRエッチング(感光性樹脂と石英基板のエッチング比;およそ1:1)を行い、その後、SFガスを用いたECRエッチング(感光性樹脂とSiのエッチング比;およそ1:2)を行い、続いて、SF+Oを1:1の混合比とした混合ガスを用いたECRエッチング(感光性樹脂と石英基板のエッチング比;およそ1:1)を行い、エッチングを樹脂パターンの一部が残った状態で終了することにより、図19に示したような構造のガラス上に、プローブ材料のSi2μmが全面を覆い、その上に突起の底辺2μm、高さ2μm、先端平面約0.7μmφの3段平面型プローブを得た。
【0122】
本発明の第四の実施の形態を図20に基づいて説明する。本実施の形態は、前述したような平面型プローブ1A〜1Hを備える光ピックアップ装置への適用例を示す。ここでは、平面型プローブ1Fを用いた例で示す。図20は、平面型プローブ1Fを用いて光記録媒体Dに対して記録又は再生を行なう記録再生装置中の光ピックアップ装置部分を示す概略側面図である。
【0123】
この光ピックアップ装置は、突起3側を光記録媒体D側として接近配置される平面型プローブ1Fとともに、レーザ光を出射する光源としての半導体レーザ41、半導体レーザ41から出射されたレーザ光を平行光化するコリメートレンズ42、平行光化されたレーザ光を平面型プローブ1Fの突起3側に向けて偏向させるビームスプリッタ43、偏向されたレーザ光を平面型プローブ1Fの基板裏面側から突起3の根元部に集光させる集光手段としての対物レンズ44とを備えた構成とされ、、対物レンズ44より根元部に集光されたレーザ光を突起3部分を通すことによりこの突起3の先端側から光の回折限界以下のスポット径の近接場光45を出射させることにより、突起3の先端に近接対向する光記録媒体Dに対して記録パターン46が記録される。なお、ビームスプリッタ43の戻り光側には受光光学系47が設けられる。また、光記録媒体Dは図示しないスピンドルモータ等により回転駆動される。
【0124】
このような構成において、半導体レーザ41からレーザ光を出射すると、対物レンズ44を介して集光状態で基板2側から突起3の根元部に集光状態で入射されたレーザ光が、突起3中を伝播して空気との境界面(平面4)で反射される。このとき、突起3に入射されたレーザ光が一部境界面(平面4)を越え、平面4より光記録媒体D側に非伝播の電場成分のみが染み出した領域(近接場)が形成される。この近接場光45は、その特性から、開口となる平面4の寸法とほぼ同じ位しか横方向の広がりを持たない。この開口となる平面4の寸法は、使用するレーザ光の波長よりも微細な寸法に設定されており、突起3と光記録媒体Dとの距離が突起3の平面4の直径と同程度に設定されているため、近接場に染み出した非伝播の電場成分である近接場光45を光記録媒体Dの記録面に照射することができる。これによって、光の回析限界を超えた解像度を得ることができる。
【0125】
このような動作において、本実施の形態の平面型プローブ1F(1A〜1E,1G,1Hでも同様)は、何れも突起3の根元部が太くなる多段形状に形成されているので、その機械的強度を増すことができ、その損傷を極力回避することができる。また、対物レンズ44による突起根元部への集光も容易となる。さらには、平面型プローブ1B,1C等のように、突起3を突起途中で頂角が変化してその根元側が格段に太くなる多段形状に形成することで、透過効率の向上等、形状の最適化を図ることができる。さらに、平面型プローブ1D,1Eのような保護壁5を備えるプローブを用いれば、突起3単独の場合よりも機械的強度を増し、異物等が突起3に接触することが保護壁5によって防止されるので、近接場光45を効率的に発生させるとともに機械的耐久性の向上を図ることができる。
【0126】
また、保護壁5が突起3と同一高さに設定されているため、保護壁5が障害となることなく突起3と光記録媒体Dとを可能な限り近接させることができる。これによって、近接場光45をより有効に利用することができる。
【0127】
加えて、平面型プローブ1F(1A〜1E,1G,1Hでも同様)と光記録媒体Dとを近接して配設することにより、記録再生にかかる光学系を小型化、薄型化することができる。また、小型化、薄型化により記録再生にかかる光学系が軽量化されるので、光記録媒体Dにおける目標とするトラック位置へのシークタイムを短くして、光記録媒体Dに対するデータの記録再生速度の向上を図ることができる。
【0128】
本発明の第五の実施の形態を図21に基づいて説明する。本実施の形態の平面型プローブ1Iは、平面型プローブ1A〜1Hに関して、基板2(又は、裏打ち材32)の裏面側に、突起3の位置に対応させて裏面側から入射する光を突起3の根元部に集光させる集光機能部としての凸レンズ形状部51を一体に形成したものである。図21は平面型プローブ1Fをベースとする例を示している。
【0129】
本実施の形態の平面型プローブ1Iによれば、光ピックアップ装置を構成する上で、対物レンズ44を不要にすることができる。さらに、図20に示したような構成例では、光源41−対物レンズ44−平面型プローブ1Fの3箇所の光軸合わせが必要になるのに対し、本実施の形態の構造によれば、光源41−凸レンズ形状部51(=平面型プローブ1I)の2箇所の光軸合わせで良くなり、組立が容易になるという利点がある。
【0130】
具体的な製造方法としては、具体例1と同じ方法で図5に示した構造の平面型プローブを得た。次いで、基板2の裏面側の突起3に対応する位置に円形の感光性樹脂パターンを形成した後、160℃、1時間ベークすることにより感光性樹脂を軟化凝集させ凸レンズ状の感光性樹脂パターンを形成した。つづいて、基板2の裏面にCガスを用いたECRエッチング(感光性樹脂と石英基板のエッチング比は、およそ1:2)を行い、エッチングを樹脂パターンが完全になくなるまで行うことで、凸レンズ形状部51が一体に形成された平面型プローブ1Iが得られた。
【0131】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の平面型プローブによれば、根元側で頂角が大きくなるように突起途中で頂角が変化して突起根元側が太くなる多段形状の突起を形成したので、単純な円錐形状や円錐台形状などの場合に比較して突起根元部をより一層太いものとしてその機械的強度を増すことができ、その損傷を極力回避することができ、また、突起根元部への集光も容易となり、さらには、突起を突起途中で頂角が変化させた多段形状に形成することより、透過効率の向上等、形状の最適化を図ることができる。
【0132】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の平面型プローブを実現する上で、基本となる2段構成の典型例を提供することができる。
【0133】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の平面型プローブを実現する上で、透過率を向上させ得る構成例を提供することができる。
【0134】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の平面型プローブを実現する上で、透過率の向上及び開口径の縮小化を図れる構成例を提供することができる。
【0135】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載の平面型プローブにおいて、基板、即ち突起を石英又は光学ガラスによって形成することにより、優れた屈折率、透過率を有する平面型プローブを提供することができる。
【0136】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載の平面型プローブにおいて、基板がその裏面側に設けられて透光性を有する支持材料により裏打ちされているので、例えば、単体では板状に成形することが困難である材料や、透過率が低いために薄くする必要があるにも拘わらず薄くすることにより強度や取り扱い性が低下してしまうような材料を基板に使用することが可能となり、屈折率、透過率、使用波長の選択性を向上させることができる。
【0137】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一記載の平面型プローブにおいて、突起の先端を平面としたので、例えば、本発明の平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なわせる場合に、光記録媒体に対して近接場光をより効率的に発生させることができる。
【0138】
請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし7の何れか一記載の平面型プローブにおいて、突起の斜面部分を被覆する遮光膜を備えるので、例えば、本発明の平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なわせる場合に、突起先端以外の部分から近接場光が発生することを遮光膜によって防止することができる。
【0139】
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし8の何れか一記載の平面型プローブにおいて、基板の表面側において突起の周囲に形成された保護壁を備えるので、周囲から加えられる衝撃に対して、保護壁によって突起を保護することができる。
【0140】
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の平面型プローブにおいて、保護壁の基板表面からの高さは、突起の基板表面からの高さと略同一に設定されているので、例えば、本発明の平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なわせる場合に、保護壁が障害となることなく、突起先端を光記録媒体に近接させることができる。
【0141】
請求項11記載の発明によれば、請求項9又は10記載の平面型プローブにおいて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも下流側に保護壁の開口が位置するように本発明の平面型プローブを配置させることで、突起と保護壁との間にある異物を気流を利用して開口から排除することができる。
【0142】
請求項12記載の発明によれば、請求項9又は10記載の平面型プローブにおいて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも上流側に尖角部が位置するように本発明の平面型プローブを配置させることで、保護壁の上流側にある異物を尖角部と気流とを利用して排除することができる。
【0143】
請求項13記載の発明によれば、請求項1ないし12の何れか一記載の平面型プローブにおいて、基板又は支持材料の裏面側に形成されて、裏面側から入射する光を突起の根元部に集光させる集光機能部を備えるので、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なわせる場合に、裏面側から入射する光を突起の根元部に集光させる集光機能部を備える本発明の平面型プローブを用いることで、別個に集光レンズを用いる必要がなくなり、構成の単純化を図れる。
【0144】
請求項14記載の発明によれば、請求項1ないし13の何れか一記載の平面型プローブにおいて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なわせる場合に、その高速化を図るのに有効な突起のアレイ状配列構成においても、その機械的強度の増加により、その損傷を極力回避することができる。
【0145】
請求項15記載の発明の平面型プローブの製造方法によれば、透光性を有する基板上に円錐形パターンを形成する工程と、前記円錐形パターンをドライエッチングにより前記基板に転写する際に、ドライエッチング条件をエッチング中に変更して目的とする透光性の突起の頂角を突起途中で変更する工程と、を含むので、突起の角度、高さ、先端開口等を任意形状に形成でき、例えば請求項1ないし14記載の発明のような平面型プローブを形成するのに有効な製造方法を提供することができる。
【0146】
請求項16記載の発明によれば、請求項15記載の発明を実現する上で、ドライエッチング条件の変更方法を提供することができる。
【0147】
請求項17記載の発明によれば、請求項15記載の発明を実現する上で、ドライエッチング条件の変更方法を提供することができる。
【0148】
請求項18記載の発明によれば、請求項15記載の平面型プローブの製造方法において、前記基板上に感光性樹脂層を形成する工程と、少なくともリング形状パターンを有するフォトマスクと露光手段とを用いて、前記基板上に感光性樹脂により前記円錐形パターンを形成する工程と、を含むので、請求項15記載の発明を実現する上で、円錐形パターンを形成する方法を提供することができる。
【0149】
請求項19記載の発明の平面型プローブの製造方法によれば、透光性を有する基板上に透光性材料による柱状構造を形成する工程と、前記柱状構造の周辺に当該柱の材料と同一のエッチング液又はエッチングガスでエッチングされかつ前記柱状構造の材料よりエッチングレートの速い充填材を充填する工程と、前記柱状構造と前記充填材とを等方性エッチングでエッチングする際に、エッチング条件をエッチング中に変更して目的とする透光性の突起の頂角を突起途中で変更する工程と、を含むので、突起の角度、高さ、先端開口等を任意形状に形成することができ、例えば請求項1ないし14記載の発明のような平面型プローブを形成するのに有効な製造方法を提供することができる。
【0150】
請求項20記載の発明の光ピックアップ装置によれば、請求項1ないし10又は14の何れか一記載の平面型プローブを備えるので、光記録媒体に対する記録再生に平面型プローブを用いる際に、近接場光を発生させるための突起を光記録媒体に近接させた場合にも、その損傷を極力回避することができ、結果的に、突起と光記録媒体とをより近接させて近接場光を効率的に発生させるとともに機械的耐久性の向上を図ることができる。
【0151】
請求項21記載の発明の光ピックアップ装置によれば、請求項20記載の発明の効果に加えて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に、裏面側から入射する光を突起の根元部に集光させる集光機能部を備える請求項13記載の平面型プローブを備えるので、別個に集光レンズを用いる必要がなくなり、かつ、光源と集光機能部との光軸合わせで済み、組立て性も向上させることができる。
【0152】
請求項22記載の発明の光ピックアップ装置によれば、請求項20記載の発明の効果に加えて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも下流側に保護壁の開口が位置するように配置させた請求項11記載の平面型プローブを備えるので、突起と保護壁との間にある異物を気流を利用して開口から排除することができる。
【0153】
請求項23記載の発明の光ピックアップ装置によれば、請求項20記載の発明の効果に加えて、例えば、平面型プローブを用いて光記録媒体に対する記録再生を行なう場合に光記録媒体と平面型プローブとの相対的な移動によって発生する気流に対して、突起よりも上流側に尖角部が位置するように配置させた請求項12記載の平面型プローブを備えるので、保護壁の上流側にある異物を尖角部と気流とを利用して排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態中の第1の平面型プローブの構成例を示し、(a)は中央端面図、(b)はその突起部分を拡大した中央端面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態中の第2の平面型プローブの構成例を示し、(a)は中央端面図、(b)はその突起部分を拡大した中央端面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態中の第3の平面型プローブの構成例を示し、(a)は中央端面図、(b)はその突起部分を拡大した中央端面図である。
【図4】その各段の根元径の関係を示す中央端面図である。
【図5】保護壁を備える変形例を示す平面型プローブの中央端面図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態中の第4の平面型プローブの構成例を示す概略平面図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態中の第5の平面型プローブの構成例を示す概略平面図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態中の第6の平面型プローブの構成例を示す中央端面図である。
【図9】本発明の第一の実施の形態中の第7の平面型プローブの構成例を示す中央端面図である。
【図10】製造方法に関するフォトマスクを示し、(a)は平面図、(b)はその断面図である。
【図11】感光性樹脂層の形成、露光、現像工程を示す断面図である。
【図12】1段目のドライエッチングの様子を拡大して示す説明図である。
【図13】エッチング条件を変更した2段目のドライエッチングの様子を拡大して示す説明図である。
【図14】エッチングガス種を変更する場合の酸素比率とエッチングレートとの関係を示す特性図である。
【図15】エッチングパワーを変更する場合のエッチングパワーとエッチングレートとの関係を示す特性図である。
【図16】本発明の第二の実施の形態の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図17】1段目のエッチング工程を拡大して示す説明図である。
【図18】エッチング条件を変更した2段目のドライエッチングの様子を拡大して示す説明図である。
【図19】本発明の第三の実施の形態の平面型プローブの構成例を示す中央端面図である。
【図20】本発明の第四の実施の形態の光ピックアップ装置の構成例を示す概略側面図である。
【図21】本発明の第五の実施の形態の平面型プローブの構成例を示す中央端面図である。
【符号の説明】
1A〜1I   平面型プローブ
2   基板
3   突起
4   平面
5   保護壁
5a   開口
5b   尖角部
6   遮光膜
11   フォトマスク
14   感光性樹脂層
21   柱状構造
22   充填材
32   支持材料
41   光源
44   集光手段
51   集光機能部

Claims (23)

  1. 透光性を有する基板と、
    この基板と同じ材料によって形成されて当該基板の表面側から突出する透光性を有する先細の突起と、
    を備え、
    前記突起は、根元側で頂角が大きくなるように突起途中で頂角が変化して突起根元側が太くなる多段形状に形成されている平面型プローブ。
  2. 前記突起は、その頂角が、根元側で大きく先端側で小さくなる多段形状に形成されている請求項1記載の平面型プローブ。
  3. 前記突起は、その頂角が、根元側で大きく、中間部で小さく、先端側で大きくなる多段形状に形成されている請求項1記載の平面型プローブ。
  4. 前記突起は、その頂角が、根元側で大きく、根元側中間部で小さく、先端側中間部で大きく、先端側で小さくなる多段形状に形成されている請求項1記載の平面型プローブ。
  5. 前記基板は、石英又は光学ガラスによって形成されている請求項1ないし4の何れか一記載の平面型プローブ。
  6. 前記基板は、その裏面側に設けられて透光性を有する支持材料により裏打ちされている請求項1ないし4の何れか一記載の平面型プローブ。
  7. 前記突起は、その先端が平面とされている請求項1ないし6の何れか一記載の平面型プローブ。
  8. 前記突起の斜面部分を被覆する遮光膜を備える請求項1ないし7の何れか一記載の平面型プローブ。
  9. 前記基板の表面側において前記突起の周囲に形成された保護壁を備える請求項1ないし8の何れか一記載の平面型プローブ。
  10. 前記保護壁の前記基板表面からの高さは、前記突起の前記基板表面からの高さと略同一に設定されている請求項9記載の平面型プローブ。
  11. 前記保護壁は、一部の開口を除いて前記突起の周囲を壁状に連続して囲むように形成されている請求項9又は10記載の平面型プローブ。
  12. 前記保護壁は、前記突起から離間する方向へ尖る尖角部を外周の一部に有するとともに前記突起の周囲を壁状に連続して囲むように形成されている請求項9又は10記載の平面型プローブ。
  13. 前記基板又は前記支持材料の裏面側に形成されて、裏面側から入射する光を前記突起の根元部に集光させる集光機能部を備える請求項1ないし12の何れか一記載の平面型プローブ。
  14. 前記突起は、前記基板の表面側において複数個がアレイ状に配列形成されている請求項1ないし13の何れか一記載の平面型プローブ。
  15. 透光性を有する基板上に円錐形パターンを形成する工程と、
    前記円錐形パターンをドライエッチングにより前記基板に転写する際に、ドライエッチング条件をエッチング中に変更して目的とする透光性の突起の頂角を突起途中で変更する工程と、
    を含む平面型プローブの製造方法。
  16. 変更するドライエッチング条件として、エッチングのガス種を変えるようにした請求項15記載の平面型プローブの製造方法。
  17. 変更するドライエッチング条件として、エッチングパワーを変えるようにした請求項15記載の平面型プローブの製造方法。
  18. 前記基板上に感光性樹脂層を形成する工程と、
    少なくともリング形状パターンを有するフォトマスクと露光手段とを用いて、前記基板上に感光性樹脂により前記円錐形パターンを形成する工程と、
    を含む請求項15記載の平面型プローブの製造方法。
  19. 透光性を有する基板上に透光性材料による柱状構造を形成する工程と、
    前記柱状構造の周辺に当該柱状構造の材料と同一のエッチング液又はエッチングガスでエッチングされかつ前記柱状構造の材料よりエッチングレートの速い充填材を充填する工程と、
    前記柱状構造と前記充填材とを等方性エッチングでエッチングする際に、エッチング条件をエッチング中に変更して目的とする透光性の突起の頂角を突起途中で変更する工程と、
    を含む平面型プローブの製造方法。
  20. 光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、
    前記光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設される請求項1ないし10又は14の何れか一記載の平面型プローブと、
    前記光源から出射された光を前記突起の根元部に集光させる集光手段と、
    を備える光ピックアップ装置。
  21. 光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、
    前記光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設され、前記光源から出射された光を集光機能部により前記突起の根元部に集光させる請求項13記載の平面型プローブと、
    を備える光ピックアップ装置。
  22. 光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、
    前記保護壁の前記開口部分が回転される前記光記録媒体の回転方向下流側に位置するように位置付けられて、光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設される請求項11記載の平面型プローブと、
    前記光源から出射された光を前記突起の根元部に集光させる集光手段と、
    を備える光ピックアップ装置。
  23. 光記録媒体に対して照射する光を発する光源と、
    前記保護壁の前記尖角部が回転される前記光記録媒体の回転方向上流側に位置するように位置付けられて、光記録媒体側に突起の先端が位置するように配設される請求項12記載の平面型プローブと、
    前記光源から出射された光を前記突起の根元部に集光させる集光手段と、
    を備える光ピックアップ装置。
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KR100566810B1 (ko) * 2004-04-20 2006-04-03 한국전자통신연구원 근접광 탐침의 제작 방법
US8073028B2 (en) 2008-05-29 2011-12-06 Ricoh Company, Ltd. Light emitting apparatus, optical scanning apparatus, and image forming apparatus

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