JP2005025860A - 光プローブ及び光ピックアップ装置 - Google Patents

光プローブ及び光ピックアップ装置

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JP2005025860A
JP2005025860A JP2003190065A JP2003190065A JP2005025860A JP 2005025860 A JP2005025860 A JP 2005025860A JP 2003190065 A JP2003190065 A JP 2003190065A JP 2003190065 A JP2003190065 A JP 2003190065A JP 2005025860 A JP2005025860 A JP 2005025860A
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JP2003190065A
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English (en)
Inventor
Junichi Takahashi
淳一 高橋
Genichi Otsu
元一 大津
Motonobu Korogi
元伸 興梠
Takashi Yatsui
崇 八井
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Kanagawa Academy of Science and Technology
Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、位置合わせ精度の低い露光機を用いても、光利用効率が低下せずに済み、トラッキングエラー検出とアクチュエーション、あるいは高速記録・再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。
【解決手段】本発明の光プローブは、光透過性材料により構成された透光性基板と、透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し頂点部が長方形である突起部を有している。そして、突起部の頂点部の長辺方向に走査させながら入射する光を突起部の頂点部上に集光するための対物レンズが透過性基板に形成されている。更に、この対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光プローブ及び光ピックアップ装置に関し、特に記録媒体に近接して配設され光を照射する光プローブと、当該光プローブを用いて記録媒体に記録させた信号を再生する光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−171380号公報
近接場における光プローブを用い、記録媒体に記録された信号の記録再生装置では、光プローブの全面に光を照射して光プローブの光出射開口からの光を記録媒体上のピット毎に照射していた。このような従来の近接場における光プローブが従来よりいくつか提案されている。その一つとして、上記特許文献1には、長方形状の開口となされた光入射開口と、光入射開口から入射された光を集光して出射する光出射開口と、光入射開口と直交する面の断面が次第に小となるように形成されたガイド壁とを有し、光出射開口は一次的であって長方形状の開口に複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状となした光プローブが提案されている。
【0003】
また、本出願人が先に提案している従来の近接場光プローブ・スライダの構成について、当該従来の近接場光プローブ・スライダの一例の構成を示す図40を用いて説明する。なお、同図の(a)は従来の近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は従来の近接場光プローブ・スライダの底面図である。同図の(b)に示すように、突起部4002は、ガラス基板4003をエッチング等で加工して形成する。よって、突起部4002は、ガラス基板4003と同じ材料である。この突起部4002は、底面をガラス基板側に形成した例えば四角錐形状となってガラス基板上に形成される。突起部4002に入射光を集光させるシリンドリカルマイクロレンズ4005がガラス基板4003上に作製されている。この突起部4002は、先端部分に近接場光を発生させるように設計され、先端部分を光の波長程度あるいは波長以下に形成させることで先端部分に近接場光でない伝搬光を発生させるように設計される。更に、この突起部4002の側面は、光が突起部4002の底面側から入射されたとき、先端部分で光強度が大きくなるように設計されている。ここで、従来の近接場光プローブ・スライダでは、図40の(c)に示す如く、突起部4002は、その頂点部が長方形とされている。突起部4002の頂点部を長方形とすることで、モード間干渉により発生する略楕円状のビームスポットの、長軸方向、すなわち入射光の偏光方向と平行な方向に対しても小スポット化を実現することができる。金属遮光膜4004は、例えばAl・Au等の遮光性材料からなり、例えば蒸着法等の薄膜形成技術により、光を透過させない程度の膜厚に形成される。この金属遮光膜4004は、例えばAl材料を用いた場合、約30nm程度、あるいはそれ以上の膜厚で形成される。この金属遮光膜4004は、ガラス基板4003及び突起部4002の側面に形成される。
【0004】
このような構成の従来の近接場光プローブ・スライダは、ガラス基板側から光が入射されると、金属遮光膜4004で光を散乱させて突起部4002の頂点での光強度が大きくなるように集光し、突起部4002と試料との間に近接陽光を発生させる。また、金属遮光膜4004を形成することで、突起部4002の先端から発生する光以外の光を遮断することができ、読取信号のS/Nを向上させることができる。
【0005】
ここで、図41に従来の近接場光プローブ・スライダの斜視図を、図42に従来の近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図を、それぞれ示す。なお、図42に示す光ピックアップ装置は、従来の近接場光プローブ・スライダとEOモデュレータを組み合わせてトラッキングを行う例である。図42に示すように、レーザダイオード(以下LDと略す)4211から出射したレーザ光はコリメートレンズ4212で平行光になり、ビームスプリッタ(以下BSと略す)4213で直角に反射され、EOモデュレータ4214により偏向され、走査される。EOモデュレータ4214には偏向方向を制御する交流電圧源4220が接続されている。トラッキングエラー検出のためにビームをウォブリングするには、交流電圧源4220の電圧を、必要な振れ幅に対応する振幅を持つ交流電圧とする。これによりトラッキングエラーを検出し、この値から交流電圧のバイアス値を、フィードバック回路4221を介して、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるようにEOモデュレータ4214を制御する。
【0006】
なお、従来例の構成の第2の使用方法としては、高速記録・再生を目的とするものがある。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。また、従来例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。EOモデュレータ4114としてはTi:LiNbO、LiTaO等を用いることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、図40に示したように、ガラス基板上に円形のレンズを設けている。このレンズの焦点は突起部の頂点部上になければならない。そうでないと光利用効率が著しく減少するからである。図40の近接場光プローブ・スライダ4001を作製する方法において、シリンドリカルマイクロレンズ4005と突起部4002の頂点部の位置合わせは後に述べるように、フォトリソ工程における露光の位置合わせ、いわゆるアライメントの精度に依る。突起部の頂点部の長方形短辺の寸法は数十nmであるために、これよりも高い精度で位置合わせをする必要があるが、これだけの精度のある露光機の価格は数億円以上と非常に高価である。よって、一般的な露光機(アライナー)ではマイクロレンズの焦点位置合わせが大きな問題となる。
【0008】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、位置合わせ精度の低い露光機を用いても、光利用効率が低下せずに済み、トラッキングエラー検出とアクチュエーション、あるいは高速記録・再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる光プローブ及び光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明の光プローブは、透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有している。更に、この対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことに特徴がある。よって、位置合わせ精度の低い露光機を用いても、光利用効率が低下せずに済み、トラッキングエラー検出とアクチュエーション、あるいは高速記録・再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。
【0010】
また、別の発明の光プローブは、透過性基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有している。更に、この対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことに特徴がある。よって、入射光の偏光方向と平行な方向についての更なる小スポット化と、更なる高効率化を実現できる。
【0011】
更に、別の発明の光プローブは、高屈折率材料により構成された基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている高屈折率材料基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、高屈折率材料に形成された対物レンズとを有している。更に、この対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことに特徴がある。よって、小さい光スポットを実現し、記録密度を向上でき、更にガラス−シリコン界面での反射による光利用効率の低下を防ぎ、更なる光利用効率の向上を実現できる。
【0012】
また、突起部の頂点部には、複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状になされていることにより、高速な入出力ビットレートを実現できる。
【0013】
更に、入射された光の偏光を、突起部の頂点部の短辺方向に、平行な直線偏光とすると共に、突起部分の屈折率をnとし、入射された光の真空中での波長をλとし、突起部の頂点部の短辺の長さをaとし、突起部の頂点部の長辺の長さをbとしたときに、a≧λ/2nかつb<λ/2nの条件を満たすことが好ましい。
【0014】
また、別の発明としての光ピックアップ装置は、透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブと、突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、突起部は透過性基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。そして、本発明の光ピックアップ装置では、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。よって、精度の高いトラッキング制御ができる光ピックアップ装置を提供できる。
【0015】
更に、別の発明としての光ピックアップ装置は、透過性基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブと、突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、突起部は透過性基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。そして、本発明の光ピックアップ装置では、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。よって、入射光の偏光方向と平行な方向についての更なる小スポット化と、更なる高効率化を実現できると共に、精度の高いトラッキング制御ができる光ピックアップ装置を提供できる。
【0016】
また、別の発明としての光ピックアップ装置は、高屈折率材料により構成された基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている高屈折率材料基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、高屈折率材料に形成された対物レンズとを有する光プローブと、突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、突起部は高屈折率材料基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。そして、本発明の光ピックアップ装置では、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。よって、小さい光スポットを実現し、記録密度を向上でき、更にガラス−シリコン界面での反射による光利用効率の低下を防ぎ、更なる光利用効率の向上を実現できると共に、精度の高いトラッキング制御ができる光ピックアップ装置を提供できる。
【0017】
更に、突起部の頂点部には、複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状になされている。よって、高速な入出力ビットレートを実現できる。
【0018】
また、入射された光の偏光を、突起部の頂点部の短辺方向に、平行な直線偏光とすると共に、突起部分の屈折率をnとし、入射された光の真空中での波長をλとし、突起部の頂点部の短辺の長さをaとし、突起部の頂点部の長辺の長さをbとしたときに、a≧λ/2nかつb<λ/2nの条件を満たすことが、光ピックアップ装置においても好ましい。
【0019】
更に、光走査手段として、振動鏡、回転多面鏡、音響光学偏向器又は電気光学偏向器を用いることが好ましい。
【0020】
また、上記電気光学偏向器が立方体の電気光学結晶で構成され、光が透過する方向と平行な電気光学結晶の面に電極が形成され、電極の幅が、光が透過する方向に関して変化する形状に形成されていることにより、簡単な構造で記録・再生速度を向上できる。
【0021】
更に、電気光学偏向器がドメイン反転型の電気光学結晶であることにより、簡単な構造で記録・再生速度を向上できる。
【0022】
また、上記電気光学結晶としてLN(LiNbO)結晶を用い、LN結晶の光学軸に平行にLN結晶に電界がかかるように電極と結晶の形状を定めると共に、光を光学軸と平行な方向の直線偏光としたことにより、電気光学偏向器の動作を効率良く、つまり電源の電圧、消費電力をより一層低くすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の光プローブは、光透過性材料により構成された透光性基板と、透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し頂点部が長方形である突起部を有している。そして、突起部の頂点部の長辺方向に走査させながら入射する光を突起部の頂点部上に集光するための対物レンズが透過性基板に形成されている。更に、この対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。
【0024】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図において、LD11から出射したレーザ光は、コリメートレンズ12で平行光になり、BS13で直角に反射され、ガルバノミラー14でさらに反射される。ガルバノミラー14は振動することによりレーザ光を反射させる方向を変える。反射された光は近接場光プローブ・スライダ15のガラス基板上の紙面左右方向のみに曲率を持つシリンドリカルマイクロレンズ16を通り、この方向のみ集光される。しかし、紙面垂直方向に関しては、シリンドリカルマイクロレンズ16は曲率を持たないので、シリンドリカルマイクロレンズ16による集光は起こらない。そして、反射された光はシリンドリカルマイクロレンズ16により集光され、突起頂点部に向かう。突起頂点部の長辺の寸法はレーザ光の波長以上であり、短辺寸法は数十nmでレーザ光波長以下となっている。このようにして、入射した光がプローブ頂点の長辺方向に走査される。
【0025】
また、本実施例の構成の第1の使用方法として、トラッキングエラー検出とトラッキングアクチュエーションが挙げられる。記録メディア上には各トラックにトラックを案内する案内溝としてのランドグルーブが存在する。書き込みができないROMタイプの場合はこの限りではない。図1のガルバノミラー14によりトラック幅より小さい幅で出射光の位置が振れるように、いわゆるビームウォブリング動作をさせる。ランド(あるいはグルーブ)に出射光が当たるタイミングと、その時の、図1のPD19で検出する反射光の強度からウォブリングする出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置とのずれを検出できる。いわゆるトラックエラー検出を行うことができる。この値からPD19からガルバノミラー14への制御回路(図示せず)により、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるようにガルバノミラーを制御することができる。
【0026】
更に、本実施例の構成の第2の使用方法としては、高速記録・再生を目的とするものがある。本実施例の近接場光プローブ・スライダは記録メディアとスライダ底面間のギャップを小さくするために接触スライディングをさせる場合がある。この場合、摩擦・摩耗の観点からすると記録メディアの回転速度は低い方がよい。ところがこれだと記録・再生速度が遅くなってしまう。そこで、ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。
【0027】
図2は図1の近接場光プローブ・スライダを記録媒体上で使用する際の様子を示す図である。同図において、サスペンション24を介して、近接場光プローブ・スライダ15は記録媒体上に位置決めされる。突起部の頂点部の長辺は複数トラックの長さを持っているので、上記のような動作を行うことができる。特にトラッキング動作をする場合はせいぜい2トラック分の長辺方向の寸法があればよい。
【0028】
図3は本発明の近接場光プローブ・スライダの一例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、透光性材料であるガラス基板32の上に、同じガラス材料で構成された突起部31がある。突起部31は、四角錐形状である。シリコンは波長750nm〜850nmの間で1.5程度の屈折率nを持つ。突起部31と反対の面にシリンドリカルマイクロレンズ16が設けられている。このシリンドリカルマイクロレンズ16は突起部頂点の長方形の長辺方向にのみ曲率を有していて、この方向のみ入射光を集光する。これと垂直な方向、つまり突起部頂点の長方形の短辺方向には集光効果を持たない。逆に言うと、図3(a)のB方向に関しては、シリンドリカルマイクロレンズ16の焦点位置というものがないので、B方向に関しては突起部頂点の長方形とシリンドリカルマイクロレンズ間の高精度な位置合わせは必要ない。また、A方向に関しても、突起部頂点の長方形の長辺方向のどこかで、集光していればいいので、A方向に関しても、突起部頂点の長方形とシリンドリカルマイクロレンズ間の高精度な位置合わせは必要ない。したがって、高価な露光器を用いる必要がなく、製造コストも下がる。また、突起部31は、先端部分に近接場光を発生させるように設計され、先端部分を光の波長程度あるいは波長以下に形成させることで先端部分に近接場光でない伝搬光を発生させるように設計される。更に、この突起部31の側面は、光が突起部の底面側から入射されたとき、先端部分で光強度が大きくなるように設計されている。
【0029】
ここで、本発明の近接場光プローブ・スライダでは、突起部の頂点部の形状が、長方形をしている。具体的には後述するが、突起部の頂点部をいわゆる長方形とすることで、モード間干渉により発生する略楕円状のビームスポットの、長軸方向、すなわち入射光の偏光方向と平行な方向に対しても小スポット化を実現することができる。図3の(b)に示すように、金属遮光膜33は、例えばAl、Au等の遮光性材料からなり、例えば蒸着法等の薄膜形成技術により、光を透過させない程度の膜厚に形成される。この金属遮光膜33は、例えばAl材料を用いた場合、約30nm程度、あるいはそれ以上の膜厚で形成される。この金属遮光膜33は、ガラス基板32及び突起部31の側面に形成される。このような近接場光プローブ・スライダは、シリンドリカルマイクロレンズ16側から光が入射されると、金属遮光膜33で光を散乱させて突起部31の頂点での光強度が大きくなるように集光し、突起部31と試料との間に近接陽光を発生させる。また、金属遮光膜33を形成することで、突起部31の先端から発生する光以外の光を遮断することができ、読取信号のS/Nを向上させることができる。
【0030】
更に、上述したように、このような近接場光プローブ・スライダでは、モード間干渉効果を利用することで、小スポット化と高効率化とが同時に達成されている。しかしながら、上述したように、突起部の頂点部の形状が、正方形形状又は円形状、あるいはそれに類する形状であるような場合、本出願人が提案した特許第3,053,380号でのモード間干渉により発生するビームスポットの形状は楕円形状となってしまう。すなわち、入射光の偏光方向と垂直な方向に対しては、ビームスポット径が小さくなり、回折限界を超えた高分解能化が達成可能であるが、入射光の偏光方向と平行な方向に対しては、ピームスポット径が半波長程度までにしか小さくならず、高分解能化が困難であった。
【0031】
そこで、本実施例では、突起部の頂点部の形状を、入射光の偏光方向と平行な方向が短辺となり、入射光の偏光方向と垂直な方向が長辺となるような長方形としている。突起部の頂点部の形状を長方形とすることで、小スポット化が困難であった入射光の偏光方向と平行な方向、すなわち頂点部の短辺方向に対しては、頂点部形状によって光が閉じ込められることになる。また、頂点部の短辺に対して平行に入射する光に対してはカットオフが存在しない。これにより、入射光の偏光方向と平行な方向に対してもピームスポットの小スポット化を実現し、一層の高分解化と高効率化とを実現することができる。
【0032】
このような頂点部の形状として具体的には、長辺の長さaが、a≧λ/2nの範囲、すなわち、長辺の長さaは、最低次モードのカットオフ径(λ/2n)以上であることが必要である。また、短辺の長さbは、a>bを満たすことが必要である。具体的には、ガラス(屈折率n=1.5)からなる突起部において、波長λを780nmとした場合、a>260nmとなる。なお、最低次モードのカットオフ径(λ/2n)以上となるように長辺の長さaを設定すれば、bはいくらでも小さくしても構わない。また、小さい光スポット径を得るための他の方法として高NAのシリンドリカルマイクロレンズを対物レンズに用いることができる。例えば、真空での波長を780nmの光を用い、シリンドリカルマイクロレンズの開口率NAを1、ガラスの屈折率nを1.5とすると、入射してくる波面等の条件にもよるが、実際に得られる波面の条件で考えると、突起先端にシリンドリカルマイクロレンズにより、このレンズの曲率がある方向のみ集光される。この方向に関して、ピーク値の1/eになるビーム幅は約420nm、ピーク値の半値になるビーム幅は約250nmになる。さらに、突起の短辺を数十nm、例えば50nmにすることによりスポットの大きさは短辺長により制限されるので、これにより、記録密度はさらに向上する。また、シリンドリカルマイクロレンズと突起部との間に、かつ繋ぎ目がないので、境界面における反射が無く、光利用効率が高くなる。
【0033】
図4は図3の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。先ず、図4の(a)に示すように、厚み数100μmのガラス41を用いる。石英基板でも良い。図4の(b)に示すように、プローブを作製する場所にフォトレジストなどで突起形状樹脂42を形成する。図4の(c)に示すように、これをマスクにし、突起形状をガラス材料に形成し、ガラス突起43を形成する。更に、図4の(d)に示すように、突起側に遮光膜44を堆積する。そして、図4の(e)に示すように、突起先端部分の遮光膜44をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。図4の(f)に示すように、突起が形成されている面と反対の面に、感光性材料(レジスト)45を塗布する。塗布する感光性材料45の厚さは、ガラス基板41に形成する対物レンズの高さと、後に感光性材料45をレジストしてエッチングを行う材料(Si)のエッチング速度とレジストのエッチング速度との比(選択比)により設定する。例えば、両者のエッチング速度が等しい場合(選択比1)には、レジストの高さは形成する対物レンズの高さと等しくする。また、Siのエッチング速度がレジストのエッチング速度より2倍大きい場合(選択比2)には、レジストの高さは対物レンズの高さの1/2でよい。また、ガラス基板41上に塗布する感光性材料45としては、通常の半導体製造に用いられるフォトレジストあるいは感光性ドライフィルムを使用する。具体的には、OFPR−800(ポジ型レジスト)、OMR−85(ネガ型レジスト)などを用いればよい。ポジ型あるいはネガ型の選択によりレジストに形状を転写する工程(フォトリソ工程)に用いる写真マスクの形状が変化するが、基本的な形成手順は変わらない。なお、この実施の形態ではポジ型レジストを用いる場合について説明する。次に、図4の(g)に示すように、ガラス基板41上に形成したレジスト上に対物レンズ径と同等のパターンを形成したマスク(フォトマスク)を介して光を照射し、感光性材料を感光させる。これにより、光照射後に現像するとガラス基板上に対物レンズ径と同等のパターン樹脂が残る。続いて、上記残存したパターン樹脂に対し、熱および(あるいは)圧力を加え、重力および表面張力の効果によりレジスト表面を凸レンズ形状に形成する。なお、作用させる温度と圧力はレジスト形状により異なるが、温度においては200〜400度、圧力は1〜10気圧の範囲で選べばよい。更に、このようにして形成した凸レンズ形状の樹脂をマスクとしてガラス基板をガラス面に垂直な方向にエッチング(異方性エッチング)する。このエッチングの手段としては、半導体製造プロセスで通常用いられるドライエッチングが可能である。具体的には反応性イオンエッチング法(RIE)や電子サイクロトロン共鳴エッチング法(ECR)などである。ドライエッチングに用いるガスは基板材料により選択する。例えば基板材料がガラスや石英の場合は、Cなどを用いる。また、エッチング速度や選択性の調整のために上記のエッチッグガスに、N、O、Arなどのガスを混入してもよい。すなわち、上記工程により、ガラス基板41上にシリンドリカルマイクロレンズ46が形成される。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。このシリンドリカルマイクロレンズ形状のフォトレジストパターンを形成する方法としては、ここで挙げたリフローの方式の他に、図15のような、いわゆる中間調マスクパターンのフォトマスクを使っても良い。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては図18の種々のシリンドリカルマイクロレンズを用いることができる。特にワーキングディスタンスを短くして、NAを高くするためには図18の(c)のシリンドリカルマイクロレンズを用いると良い。
【0034】
図5は本発明の第2の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スラダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光走査方法としてポリゴンミラー51を使っている以外は図1の第1の実施例の構成と同じである。図5において、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるには、図5中の「トラッキングアクチュエーション方向」にポリゴンミラー51を動かすことで可能となる。本実施例の構成の使用方法としては、高速記録・再生を目的とするものがある。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。
【0035】
図6は本発明の第3の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光走査方法としてAOモデュレータ61を使っている以外は図1の第1の実施例の構成と同じである。AOモデュレータ61には、偏向方向を制御する交流電圧源(図示せず)が接続されている。トラッキングエラー検出のためにビームをウォブリングするには、この交流電圧源の電圧を、必要な振れ幅に対応する周波数変動を持つ交流電圧とする。これによりトラッキングエラーを検出し、この値から交流電圧周波数変動の中心周波数を制御することにより、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるようにAOモデュレータ61を制御することができる。本実施例の構成の使用方法としては、高速記録・再生を目的とするものがある。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。なお、AOモデュレータ61としてはTi:LiNbO、LiNbO、ZnO、等を用いることができる。
【0036】
図7は本発明の第4の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光走査方法としてEOモデュレータ71を使っている以外は図1の第1の実施例の構成と同じである。EOモデュレータ71には、偏向方向を制御する交流電圧源(図示せず)が接続されている。トラッキングエラー検出のためにビームをウォブリングするには、交流電圧源の電圧を、必要な振れ幅に対応する振幅を持つ交流電圧とする。これによりトラッキングエラーを検出し、この値から上記交流電圧のバイアス値を制御することにより、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるようにEOモデュレータ71を制御することができる。本実施例の構成の使用方法としては、高速記録・再生を目的とするものがある。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。なお、EOモデュレータ71としてはTi:LiNbO、LiTaO等を用いることができる。
【0037】
図8は本発明の第5の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光ピックアップ装置において、LD11から出射したレーザ光はコリメートレンズ12で平行光になり、BS13で直角に反射され、ガルバノミラー14でさらに反射される。ガルバノミラー14は振動することによりレーザ光を反射させる方向を変える。反射された光は近接場光プローブ・スライダのガラス基板上の紙面左右方向のみに曲率を持つシリンドリカルマイクロレンズ16を通り、この方向のみ集光される。しかし、紙面垂直方向に関しては、シリンドリカルマイクロレンズ16は曲率を持たないので、このレンズによる集光は起こらない。反射された光はシリンドリカルマイクロレンズ16により集光され、突起頂点部に向かう。突起頂点部の長辺の寸法はレーザ光の波長以上であり、短辺寸法は数十nmの波長以下となっている。このようにして、入射した光がプローブ頂点の長辺方向に走査される。ここで、図9の(a)に近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す断面図、図9の(b)に近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、図9の(c)に近接場光プローブ・スライダの底面図、図9の(d)に近接場光プローブ・スライダの側面図をそれぞれ示す。この近接場光プローブ・スライダ15は、複数の遮光材が、頂点部の長辺方向において複数個配設された光出射開口18を形成する。この光出射開口18は、A方向において一次元方向に約50nm程度の間隔Lで複数個配列されて構成されている。この間隔Lは頂点部に形成するレジストパターンで決まる。よって、その寸法精度が非常に高い。そして、シリンドリカルマイクロレンズ16は突起部頂点の長方形の長辺方向にのみ曲率を有していて、この方向のみ入射光を集光する。これと垂直な方向、つまり突起部頂点の長方形の短辺方向には集光効果を持たない。逆に言うと、図9の(a)のB方向に関しては、シリンドリカルマイクロレンズ16の焦点位置というものがないので、B方向に関しては突起部頂点の長方形とシリンドリカルマイクロレンズ間の高精度な位置合わせは必要ない。また、A方向に関しても、突起部頂点の長方形における長辺方向のどこかで、集光していればいいので、A方向に関しても、突起部頂点の長方形とシリンドリカルマイクロレンズ間の高精度な位置合わせは必要ない。よって、高価な露光器を用いる必要がなく、製造コストも下がる。また、小さい光スポット径を得るための他の方法として高NAのシリンドリカルマイクロレンズ16を対物レンズに用いることができる。例えば、真空での波長を780nmの光を用い、シリンドリカルマイクロレンズ16の開口率NAを1、ガラスの屈折率nを1.5とすると、入射してくる波面等の条件にもよるが、実際に得られる波面の条件で考えると、突起先端にシリンドリカルマイクロレンズ16により、このレンズの曲率がある方向のみ集光される。この方向に関して、ピーク値の1/eになるビーム幅は約420nm、ピーク値の半値になるビーム幅は約250nmになる。ガルバノミラーで反射された光は近接場光プローブ・スライダ15のシリンドリカルマイクロレンズ16を通り、突起頂点部に向かい、各光出射開口18から光を出射させる。この結果、近接場光プローブ・スライダ15からは、ガルバノミラーで1次元のA方向において方向が変化されたことに応じて各光出射開口から順次光を記録メディアに出射する。これにより高速記録・再生を実現できる。この近接場光プローブ・スライダ15は記録メディアとスライダ底面間のギャップを小さくするために接触スライディングをさせる場合がある。この場合、摩擦・摩耗の観点からすると記録メディアの回転速度は低い方がよい。ところが、これだと記録・再生速度が遅くなってしまう。そこで、ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。
【0038】
図10は図9の近接場光プローブ・スライダを記録媒体上で使用する際の様子を示す図である。同図において、サスペンション101を介して、スライダは記録媒体上に位置決めされる。出射開口の間隔は底面側のフォトリソ・エッチングで決まるので、その間隔をトラックピッチとほぼ同じにすることができる。したがって、トラック102との角度θを小さくして記録メディアに形成されるトラック列に対して配設することができる。
【0039】
図11は図9の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。先ず、図11の(a),(b)に示すように、ガラス基板111上に突起形状樹脂112を形成する際に、後に短冊状の遮光膜を形成する場所の樹脂膜厚を少々薄くする。なお、ガラス基板111は石英基板でも良い。そして、突起形状樹脂112はポジレジストを使った場合、この場所だけ露光量を増やして、フォトマスクを介して露光することにより実現できる。続いて、図11の(c)に示すように、突起形状樹脂112をマスクにし、図4と同様に、ガラス材料を突起形状に形成してガラス突起113を形成する。この際、短冊状に樹脂膜厚を薄くしたところのガラス材料には溝ができる。そして、図11の(d)に示すように、突起側に遮光膜114を堆積する。短冊状の溝部分にも遮光膜114が堆積する。図11の(e)に示すように、突起先端部分の遮光膜114をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。先の溝部分の遮光膜114は除去されないで残るので、短冊状に遮光膜114が残る。その後は、図4の(f),(g)と同様にしてシリンドリカルマイクロレンズ116を形成する。なお、シリンドリカルマイクロレンズ116としては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。このシリンドリカルマイクロレンズ116の形状のフォトレジストパターンを形成する方法としては、ここで挙げたリフローの方式の他に、図15のような、いわゆる中間調マスクパターンのフォトマスクを使っても良い。
【0040】
図12は本発明の第6の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スラダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光走査方法としてポリゴンミラー51を使っている以外は図8の第5の実施例の構成と同じである。図12において、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるには、図5中の「トラッキングアクチュエーション方向」にポリゴンミラー51を動かすことで可能となる。本実施例の構成で、高速記録・再生を実現できる。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。
【0041】
図13は本発明の第7の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光走査方法としてAOモデュレータ61を使っている以外は図8の第5の実施例の構成と同じである。AOモデュレータ61には、偏向方向を制御する交流電圧源(図示せず)が接続されている。ビームを走査するためには、交流電圧源の電圧を、必要な振れ幅に対応する周波数変動を持つ交流電圧とする。本実施例の構成で、高速記録・再生を実現できる。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。なお、AOモデュレータ61としてはTi:LiNbO、LiNbO、ZnO、等を用いることができる。
【0042】
図14は本発明の第8の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。同図に示す光走査方法としてEOモデュレータ71を使っている以外は図8の第5の実施例の構成と同じである。EOモデュレータ71には、偏向方向を制御する交流電圧源(図示せず)が接続されている。ビームを走査するためには、交流電圧源の電圧を、必要な振れ幅に対応する振幅を持つ交流電圧とする。本実施例の構成で、高速記録・再生を実現できる。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。なお、EOモデュレータ71としてはTi:LiNbO、LiTaO等を用いることができる。
【0043】
図16は本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、突起部151はガラス基板152よりも屈折率が非常に高い高屈折率材料からなる。この例では、例えばSi材料からなる。この突起部151は、底面をガラス基板152側に形成した例えば四角錐形状となってガラス基板152上に形成される。ガラス基板152上にはシリンドリカルレンズ16が設けられている。このシリンドリカルレンズ16は光出射開口の長辺方向にのみ曲率を有していて、この方向のみ入射光を集光する。これと垂直な方向、つまり出射光の短辺方向には集光効果を持たない。この突起部151は、先端部分に近接場光を発生させるように設計され、先端部分を光の波長程度あるいは波長以下に形成させることで先端部分に近接場光でない伝搬光を発生させるように設計される。さらに、この突起部151の側面は、光が突起部の底面側から入射されたとき、先端部分で光強度が大きくなるように設計されている。ここで、本例の近接場光プローブ・スライダ15では、突起部151の頂点部の形状が、例えば長円形状、長方形状等のいわゆる細長形状をしている。図15に示す例では、突起部151は、その頂点部が長方形状とされている。具体的には後述するが、突起部151の頂点部をいわゆる細長形状とすることで、モード間干渉により発生する略楕円状のビームスポットの、長軸方向、すなわち入射光の偏光方向と平行な方向に対しても小スポット化を実現することができる。また、傾斜部分には金属遮光膜153があり伝搬光が漏れないようになっている。金属遮光膜153は、例えばAl・Au等の遮光性材料からなり、例えば蒸着法等の薄膜形成技術により、光を透過させない程度の膜厚に形成される。この金属遮光膜153は、例えばAl材料を用いた場合、約30nm程度、あるいはそれ以上の膜厚で形成される。更に、この金属遮光膜153は、ガラス基板152及び突起部151の側面に形成される。このような近接場光プローブ・スライダ15は、ガラス基板側から光が入射されると、金属遮光膜153で光を散乱させて突起部151の頂点での光強度が大きくなるように集光し、突起部151と試料との間に近接陽光を発生させる。また、金属遮光膜153を形成することで、突起部151の先端から発生する光以外の光を遮断することができ、読み取り信号のS/Nを向上させることができる。更に、上述したように、このような近接場光プローブ・スライダでは、モード間干渉効果を利用することで、小スポット化と高効率化とが同時に達成されている。このような突起部151の頂点部形状として具体的には、長辺の長さaが、a≧λ/2nの範囲、すなわち長辺の長さaは、最低次モードのカットオフ径(λ/2n)以上であることが必要である。また、短辺の長さbは、a>bを満たすことが必要である。具体的には、シリコン(屈折率n=3.7)からなる突起部151において、波長λを780nmとした場合、a>105nmとなる。なお、最低次モードのカットオフ径(λ/2n)以上となるように長辺の長さaを設定すれば、bはいくらでも小さくしても構わない。突起部151がシリコンのような、高屈折率材料で構成されると、突起部内での光の波長がガラスの場合よりも短くなる。具体的にはnglass/nSi=1.5/3.7=0.405倍になる。よって、頂点部で生じる光スポットの大きさも0.405倍になるので、記録密度は約2.5倍になる。
【0044】
図17は図16の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。先ず、図17の(a)に示すように、厚み数100μmの単結晶Si(シリコン)基板171上に約1μmのSiO(酸化シリコン)層172と約5〜10μmの単結晶Si層173が積層されている。所謂SOI基板を用いる。そして、図17の(b)に示すように、ガラス基板174を単結晶Si層173の上に乗せ、単結晶Si基板171とガラス基板174に電極175,176を圧接させる。このガラス基板174としては例えば米国コーニング社製#7740を用いる。その厚みは0.1mmから3mmぐらいである。窒素ガス中あるいは真空中で350℃に加熱した状態で、単結晶Si基板側に正の300V程度の電圧を10分程度印加する。このような方法により図17の(c)に示すようにガラス基板174は単結晶Si層173に接合される。シリコン基板とシリコン層の間には絶縁層であるSiOがあるが、温度が高く、電圧も高いので、電流が突き抜けたり、漏れていたり、接合に必要な電流が流れる。この接合方法を陽極接合という。図17の(d)〜(g)に示すように、ガラス基板174上に樹脂のレジスト177を積層してからパターン樹脂を形成し、凸レンズ形状樹脂178を形成することにより対物シリンドリカルレンズ179を作製する。そして、図17の(h)に示すように、単結晶Si基板171を強アルカリエッチングなどで、SiO層172をフッ酸などで除去する。この後、図17の(i)に示すように、プローブを作製する場所にパターン樹脂のレジスト180を形成する。そして、図17の(j),(k)に示すように、このレジスト180をマスクにし、先の対物シリンドルカルレンズ179を作製したときと同様に、突起形状を高屈折率材料に形成する。このときの高屈折率材料としてはシリコンとなる。シリコンの屈折率は、波長λ=780nmにおいて屈折率n=3.7と非常に高い。また5μm程度の厚みだと40%程度の透過率を示す。更に、図17の(l)に示すように、突起側に遮光膜181を堆積する。最後に、図17の(m)に示すように、突起先端部分の遮光膜181をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。
【0045】
また、小さい光スポット径を得るための他の方法として高NAのシリンドリカルマイクロレンズを対物レンズに用いることができる。例えば、真空での波長を780nmの光を用い、シリンドリカルマイクロレンズの開口率NAを1、ガラスの屈折率nを1.5とすると、入射してくる波面等の条件にもよるが、実際に得られる波面の条件で考えると、突起先端にシリンドリカルマイクロレンズにより、このレンズの曲率がある方向のみ集光される。この方向に関して、ピーク値の1/eになるビーム幅は約420nm、ピーク値の半値になるビーム幅は約50nmになる。さらに、突起の短辺を数十nm、例えば50nmにすることによりスポットの大きさは短辺長により制限されるので、これにより、記録密度はさらに向上する。図16に示す実施例では突起部が高屈折率なSiでできている。よって、突起部内での光の波長は従来のガラスの場合よりも短くなる。具体的にはガラスの屈折率nは約1.5であるので、ガラスの場合の0.4倍になる。例えば真空中で波長780nmの光はSi内では約210nmになる。上記のモード間干渉あるいは高NAレンズを用いる場合でも、Siで構成される突起内ではガラスの場合よりも波長が上記のように短くなるので、スポットの大きさは全て従来例の0.4倍になるので、従来よりも高密度な記録が実現する。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては、高屈折率材料181で形成された図18の(a)に示すマイクロレンズ、高屈折率材料182の屈折率n1より大きい屈折率n2を有する高屈折率材料183が高屈折率材料182の基板に設けられた凹円筒部に形成された図18の(b)に示すマイクロレンズ、図18の(b)に示すマイクロレンズでレンズ部を対向させて形成された図18の(c)に示すマイクロレンズ、図18の(a)に示すマイクロレンズでレンズ部を対向させて形成された図18の(d)に示すマイクロレンズなどの種々のマイクロレンズを用いることができる。特に、ワーキングディスタンスを短くして、NAを高くするためには図18の(c)のマイクロレンズを用いると良い。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。
【0046】
図19は本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、図16に示す近接場光プローブ・スライダとほとんど同じであるが、複数の遮光材が、頂点部の長径方向において複数個配設された光出射開口を形成する。光出射開口は、A方向において一次元方向に約50nm程度の間隔Lで複数個配列されてなる。この間隔は頂点部に短冊状に形成するレジストパターンで決まる。よって、その寸法精度が非常に高い。
【0047】
図20は図19の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。本プロセス工程は図17に示すプロセス工程とほとんど同じである。異なる工程として、図20の(e)で突起形状樹脂を形成する際に、後に短冊状の遮光膜を形成する場所の樹脂膜厚を少々薄くする。これはこの場所だけ露光量を減らして、フォトマスクを介して露光することにより実現できる。図20の(j)に示すように、これをマスクにし、上述した対物シリンドリカルレンズを作製したときと同様に、突起形状を高屈折率材料に形成する。このときの高屈折率材料としてはシリコンとなる。シリコンの屈折率は、波長λ=780nmにおいて屈折率n=3.7と非常に高い。また、5μm程度の厚みだと40%程度の透過率を示す。短冊状に樹脂膜厚を薄くしたところの高屈折率材料には、溝208ができる。更に、図20の(i)に示すように、突起側に遮光膜211を堆積する。短冊状の溝部分にも遮光膜が堆積する。最後に、図19の(h)に示すように、突起先端部分の遮光膜211をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。上述の溝部分の遮光膜は除去されないで残るので、短冊状に遮光膜211が残る。また、マイクロレンズとしては図18の種々のマイクロレンズを用いることができる。特にワーキングディスタンスを短くして、NAを高くするためには図18の(c)のマイクロレンズを用いると良い。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。
【0048】
図21は本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、図16に示す近接場光プローブ・スライダとほとんど同じであるが、ここではガラス基板ではなく薄いシリコン基板2104の上にシリコンでできた、四角錐形状の突起が形成されている。シリコンは屈折率が非常に高い高屈折率材料であり、波長750nm〜850nmの間で3.7程度の大きい屈折率nを持つ。突起の下のシリコンは薄いので、上記波長でも、入射光に対して、数十%程度は透過する。突起部の形状、寸法も図16に示すものと同様に決定される。また、突起部2101の底面側にはシリンドリカルマイクロレンズ16が形成されている。本実施例ではシリンドリカルマイクロレンズ16と突起部2101がともに高屈折率なSiでできている。よって、シリンドリカルマイクロレンズ及び突起部内での光の波長は従来のガラスの場合よりも短くなる。具体的にはガラスの屈折率nは約1.5であるので、ガラスの場合の0.4倍になる。例えば真空中で波長780nmの光はSi内では約210nmになる。上記のモード間干渉あるいは高NAレンズを用いる場合でも、Si内ではガラス内の場合よりも波長が上記のように短くなるので、スポットの大きさは全て従来例の0.4倍になるので、従来よりも高密度な記録が実現する。また、シリンドリカルマイクロレンズと突起部との間に、かつ繋ぎ目がないので、境界面における反射が無く、光利用効率が高くなる。
【0049】
図22は図21の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。先ず、図22の(a)に示すように、厚み数百μmの単結晶Si(シリコン)基板2201上に約1μmのSiO(酸化シリコン)層2202と約5〜10μmの単結晶Si層2203が積層されている。所謂SOI基板を用いる。次に、図36の(b)に示すように、光プローブを作製する場所にフォトレジストなどで突起形状樹脂2204を形成する。続いて、図22の(c)に示すように、これをマスクにし、突起形状を高屈折率材料で突起2205を形成(樹脂パターンの転写)する。このときの高屈折率材料として、一例として、Si(シリコン)を用いる。シリコンの屈折率nは、波長λ=780nmにおいて屈折率n=3.7と非常に高い。また、5μm程度の厚みだと40%程度の透過率を示す。次に、図22の(d)に示すように、突起側に遮光膜2206を堆積する。そして、図22の(e)に示すように、突起先端部分の遮光膜2206をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。引き続いて、図22の(f)に示すように、単結晶Si基板2201の突起が形成されている部分を除去する。さらに、同じ場所のSiO層2202を除去する。そして、図22の(g)に示すように、露出した単結晶Si層2203上に、感光性材料(レジスト)2207を塗布する。塗布する感光性材料の厚さは、単結晶Si層2203上に形成する対物レンズの高さと、後に感光性材料をレジストしてエッチングを行う材料(Si)のエッチング速度とレジストのエッチング速度との比(選択比)により設定する。例えば、両者のエッチング速度が等しい場合(選択比1)には、レジストの高さは形成する対物レンズの高さと等しくする。また、単結晶Si層2203のエッチング速度がレジストのエッチング速度より2倍大きい場合(選択比2)には、レジストの高さは対物レンズの高さの1/2でよい。また、単結晶Si層2203上に塗布する感光性材料としては、通常の半導体製造に用いられるフォトレジストあるいは感光性ドライフィルムを使用する。具体的には、OFPR−800(ポジ型レジスト)、OMR−85(ネガ型レジスト)などを用いればよい。ポジ型あるいはネガ型の選択によりレジストに形状を転写する工程(フォトリソ工程)に用いる写真マスクの形状が変化するが、基本的な形成手順は変わらない。なお、この実施の形態ではポジ型レジストを用いる場合について説明する。次に、図22の(h)に示すように、単結晶Si層2203上に形成したレジスト2207上にシリンドリカルマイクロレンズと同等のパターンを形成したマスク(フォトマスク)を介して光を照射し、感光性材料を感光させる。これにより、光照射後に現像すると単結晶Si層2203上にシリンドリカルマイクロレンズと同等のパターン樹脂が残る。続いて、残存したパターン樹脂に対し、熱および(あるいは)圧力を加え、重力および表面張力の効果によりレジスト表面を凸レンズ形状に形成する。なお、作用させる温度と圧力はレジスト形状により異なるが、温度においては200〜400度、圧力は1〜10気圧の範囲で選べばよい。更に、このようにして形成した凸レンズ形状の樹脂をマスクとして単結晶Si層2203を垂直な方向にエッチング(異方性エッチング)する。このエッチングの手段としては、半導体製造プロセスで通常用いられるドライエッチングが可能である。具体的には反応性イオンエッチング法(RIE)や電子サイクロトロン共鳴エッチング法(ECR)などである。ドライエッチングに用いるガスは基板材料により選択する。例えば基板材料がSiの場合は、CF、CHF、SFなどを用いる。また、エッチング速度や選択性の調整のために上記のエッチッグガスに、N、O、Arなどのガスを混入してもよい。すなわち、上記工程により、単結晶Si層2203上にシリンドリカルマイクロレンズ2208が形成される。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。このマイクロレンズ形状のフォトレジストパターンを形成する方法としては、ここで挙げたリフローの方式の他に、図15のような、いわゆる中間調マスクパターンのフォトマスクを使っても良い。
【0050】
図23は本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、図121に示す近接場光プローブ・スライダとほとんど同じであるが、突起部と薄いシリコン基板を支えるガラス基板2301を設けている。これにより近接場光スライダ・プローブの剛性が向上する。更に、シリンドリカルマイクロレンズを作製するフォトリソが容易になる。
【0051】
図24は図22の近接場光プローブ・スライダを作製するプロセス例を示す工程断面図である。先ず、図24の(a)に示すように、厚み数百μmの単結晶Si(シリコン)基板2401上に約1μmのSiO(酸化シリコン)層2402と約5〜10μmの単結晶Si層2403が積層されている。所謂SOI基板を用いる。次に、図24の(b)に示すように、単結晶Si層2403上に、感光性材料(レジスト)2404を塗布し、マイクロレンズ形状のレジストパターンを形成する。この時、後にガラスを接合する面をマイクロレンズ周辺に残しておくようにレジストパターンを形成する。更に、図24の(c)に示すように、このようにして形成した凸レンズ形状の樹脂をマスクとしてSiを垂直な方向にエッチング(異方性エッチング)する。この時レンズ周辺にガラス接合面も残す。エッチングの方法は図22と同様である。そして、図24の(d)に示すように、ガラス2406を単結晶Si層の上に乗せ、Siとガラスに電極2407,2408を圧接させる。このガラスとしては例えば米国コーニング社製#7740を用いる。その厚みは0.1mmから3mmぐらいである。窒素ガス中あるいは真空中で350℃に加熱した状態で、単結晶Si基板側に正の300V程度の電圧を10分程度印加する。このような方法により、図24の(e)に示すようにガラス2406は単結晶シリコン層に接合される。シリコン基板とシリコン層の間には絶縁層であるSiOがあるが、温度が高く、電圧も高いので、電流が突き抜けたり、漏れていたり、接合に必要な電流が流れる。この接合方法を陽極接合という。このようにして、ガラス2402と単結晶Si層2403が接合される。次に、図24の(f)に示すように、単結晶Si基板2401を除去する。更に、SiO(酸化シリコン)層2402も除去する。そして、図24の(g)に示すように、プローブを作製する場所にフォトレジストなどで突起形状樹脂2409を形成する。次に、図24の(h)に示すように、これをマスクにし、突起2410を単結晶Si層2403に形成(樹脂パターンの転写)する。更に、図24の(i)に示すように、突起側に遮光膜2411を堆積する。最後に、図24の(j)に示すように、突起先端部分の遮光膜2411をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。また、フォトレジストを塗布する場合に、段差がないので、均一にフォトレジストが塗布できるので、凸レンズ形状樹脂のパターンを精度良く形成できる。突起部先端での出射光スポットを小さくする方法としては、モード間干渉を使う方法とマイクロレンズの高いNAを利用する方法のどちらを使っても良い。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。このマイクロレンズ形状のフォトレジストパターンを形成する方法としては、ここで挙げたリフローの方式の他に、図15のようないわゆる中間調マスクパターンのフォトマスクを使っても良い。
【0052】
なお、このような近接場光プローブを使って突起部頂点での近接場光を走査する方法は図1、図5〜図7に示した実施例で述べた方法で可能である。また、小さい光スポット径を得るための他の方法として高NAのシリンドリカルマイクロレンズを対物レンズに用いることができる。例えば、真空での波長を780nmの光を用い、マイクロレンズ(SIL)の開口率NAを1、Siの屈折率nを3.7とすると入射してくる波面等の条件にもよるが、実際に得られる波面の条件で考えると、突起先端にシリンドリカルマイクロレンズによりこのレンズの曲率がある方向のみ集光される。この方向に関して、ピーク値の1/eになるビーム幅は約170nm、ピーク値の半値になるビーム幅は約100nmになる。更に、突起の短辺を数十nm、例えば50nmにすることによりスポットの大きさは短辺長により制限されるので、これにより記録密度は更に向上する。実施例では対物レンズと突起部が共に高屈折率なSiでできている。よって、レンズ及び突起部内での光の波長は従来のガラスの場合よりも短くなる。具体的にはガラスの屈折率nは約1.5であるので、ガラスの場合の0.4倍になる。例えば真空中で波長780nmの光はSi内では約210nmになる。上記のモード間干渉あるいは高NAレンズを用いる場合でも、Si内ではガラス内の場合よりも波長が上記のように短くなるので、スポットの大きさは全て従来例の0.4倍になるので従来よりも高密度な記録が実現する。
【0053】
図25は本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、図121に示す近接場光プローブ・スライダとほとんど同じであるが、複数の遮光材が、頂点部の長辺方向において複数個配設された光出射開口を形成する。光出射開口は、A方向において一次元方向に約50nm程度の間隔Lで複数個配列されてなる。この間隔Lは頂点部に形成するレジストパターンで決まる。よって、その寸法精度が非常に高い。
【0054】
図26は図25の近接場光プローブ・スライダを作製するプロセス例を示す工程断面図である。図22とほとんど同じであるが、図26の(b)に示すように、突起形状樹脂2604を形成する際に、後に短冊状の遮光膜を形成する場所の樹脂膜厚を少々薄くする。これはポジレジストを使った場合、この場所だけ露光量を増やして、フォトマスクを介して露光することにより実現できる。次に、図26の(c)に示すように、これをマスクにし、先の対物レンズを作製したときと同様に、突起2605を高屈折率材料に形成(樹脂パターンの転写)する。このときの高屈折率材料としてはシリコンとなる。シリコンの屈折率nは、波長λ=780nmにおいて屈折率n=3.7と非常に高い。また、5μm程度の厚みだと40%程度の透過率を示す。短冊状に樹脂膜厚を薄くしたところの高屈折率材料には、溝ができる。更に、図26の(d)に示すように、突起側に遮光膜2606を堆積する。短冊状の溝部分にも遮光膜2606が堆積する。そして、図26の(e)に示すように、突起先端部分の遮光膜2606をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。先の溝部分の遮光膜2606は除去されないで残るので、短冊状に遮光膜2606が残る。以下のプロセスは図22の(f)以降と同じである。このような近接場光プローブを使って突起部頂点での近接場光を走査する方法は図1、図5〜図7の実施例で述べた方法で可能である。光の走査と遮光膜による効果などは第1の実施例と同様である。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。このマイクロレンズ形状のフォトレジストパターンを形成する方法としては、ここで挙げたリフローの方式の他に、図15のようないわゆる中間調マスクパターンのフォトマスクを使っても良い。突起部先端での出射光スポットを小さくする方法としては、モード間干渉を使う方法とマイクロレンズの高いNAを利用する方法のどちらを使っても良い。
【0055】
図27は本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。同図の(a)は近接場光プローブ・スライダを上面から見た図、同図の(b)は断面図、同図の(c)は近接場光プローブ・スライダの底面図、同図の(d)は近接場光プローブ・スライダの側面図である。同図の(b)に示すように、図23に示す近接場光プローブ・スライダとほとんど同じであるが、複数の遮光材が、頂点部の長辺方向において複数個配設された光出射開口を形成する。光出射開口は、A方向において一次元方向に約50nm程度の間隔Lで複数個配列されてなる。この間隔Lは頂点部に形成するレジストパターンで決まる。よって、その寸法精度が非常に高い。
【0056】
図28は図27の近接場光プローブ・スライダを作製するプロセス例を示す工程断面図である。図24とほとんど同じであるが、図28の(b)に示すように、突起形状樹脂2804を形成する際に、後に短冊状の遮光膜を形成する場所の樹脂膜厚を少々薄くする。これはポジレジストを使った場合、この場所だけ露光量を増やして、フォトマスクを介して露光することにより実現できる。次に、図26の(c)に示すように、これをマスクにし、先の対物レンズを作製したときと同様に、突起2805を高屈折率材料で形成(樹脂パターンの転写)する。このときの高屈折率材料としてはシリコンとなる。シリコンの屈折率は、波長λ=780nmにおいて屈折率n=3.7と非常に高い。5μm程度の厚みだと40%程度の透過率を示す。短冊状に樹脂膜厚を薄くしたところの高屈折率材料には、溝ができる。また、図28の(i)に示すように、突起側に遮光膜2811を堆積する。最後に、図28の(j)に示すように、突起先端部分の遮光膜2811をFIBあるいは化学機械研磨などの方法で除去する。先の溝部分の遮光膜2811は除去されないで残るので、短冊状に遮光膜2811が残る。なお、図28の(f)以前のプロセスは図24の(d),(e)と同じである。また、シリンドリカルマイクロレンズとしては必ずしも、円筒面レンズである必要はなく、非円筒面レンズや、楕円筒面レンズでも良い。このシリンドリカルマイクロレンズ形状のフォトレジストパターンを形成する方法としては、ここで挙げたリフローの方式の他に、図15ような、いわゆる中間調マスクパターンのフォトマスクを使っても良い。突起部先端での出射光スポットを小さくする方法としては、モード間干渉を使う方法とマイクロシリンドリカルマイクロレンズの高いNAを利用する方法のどちらを使っても良い。
【0057】
ここまで述べてきた実施例では凸型のレンズを用いて説明してきたが、特にこれに限定されるものではなく、シリンドリカルマイクロレンズとしては図18の種々のマイクロレンズを用いることができる。特にワーキングディスタンスを短くして、NAを高くするためには図18の(c)のマイクロレンズを用いると良い。
【0058】
図29は本発明に係る光プローブ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。基本的な構成は図7と同じであるが、EOモデュレータ71のより具体的構成が示されている。なお、図29の近接場光プローブ・スライダ15に関しては、図7の構成のものを実施例では使っているが、特にこれに限定されるものではない。EOモデュレータ71にはメディアから近接場光プローブ・スライダ15を介してPD19に入射する光をPD19にて電気信号に変換して、これをフィードバック回路2901に入力する。これと交流電圧源2902からEOモデュレータ71を制御する信号を出力する。トラッキングエラー検出のためにビームをウォブリングするには、この交流電圧を、必要な振れ幅に対応する振幅を持つ交流電圧とする。これによりトラッキングエラーを検出し、この値から交流電圧のバイアス値を制御することにより、出射光振れ幅の中心位置とトラック中心位置を一致させるようにEOモデュレータ71を制御することができる。
【0059】
本実施例の構成の使用方法としては、高速記録・再生を目的とするものがある。ビームを振らせることにより複数トラックに記録あるいは再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。本実施例では出射光の走査を行うシステムを提供できる。なお、EOモデュレータ71としてはTi:LiNbO、LiTaO、LiNbO(LN)、MgO等を用いることができる。
【0060】
図30はEOモデュレータの具体的構成を示す図である。同図において、電気光学結晶の形状は立方体で、光の透過する方向(x方向)に長く、電極が形成されている面に垂直な方向(z方向)に薄いことが好ましい。電極のy方向の長さ(幅)はx方向に関して変化するように形成されている。最も単純な形は直角三角形又は図30のように台形である。電気光学結晶は電界を印加することで屈折率nが変化する。ここでは特に、電界に比例して屈折率nが変化するポッケルス効果を利用する。図30では電極が形成されている部分のみに電界が印加されるので、電圧源により、この部分の屈折率nが他の部分のそれよりも増加又は減少する。これによりスネルの式から結晶を透過する光は結晶内で屈折して、結晶を出射した光は偏向する。出射した光を先に述べた近接場光プローブに照射すれば、その先端の近接場光は走査されることとなる。
【0061】
このように、動作を効率よく、つまり電源の電圧、消費電力がより低くて済む構成により、光を走査できる動作を説明する。一般に、ポッケルス効果における結晶の屈折率の状態を表す屈折率楕円体の式は電気光学定数テンソルと印加電界ベクトルを用いて次のように表せられる。
【0062】
【数1】
Figure 2005025860
Figure 2005025860
【0063】
本発明の実施例で使用するLN(LiNbO)結晶の場合、電気光学定数テンソルの各成分の値は、
【0064】
【数2】
Figure 2005025860
【0065】
となる。
【0066】
図31で、LN結晶の光学軸(z軸)に電界を印加し、光がx方向へ伝搬した場合を考える。ただし、光学軸とは、結晶中を伝搬する伝搬光が偏光に依存無く、常に常光線となる方向を光学軸という。式(1)〜式(3)より(ここでn、nはE=0のときのn、nを表している)、
【0067】
【数3】
Figure 2005025860
【0068】
電界を印加したことによる屈折率変化は少ないので、
【0069】
【数4】
Figure 2005025860
【0070】
この近似により、
【0071】
【数5】
Figure 2005025860
【0072】
従って、z偏光とy偏光で屈折率は、
【数6】
Figure 2005025860
【0073】
のように変化することが分かる。
【0074】
ここで、図32のように屈折率分布をもつ領域を作り、ビーム径Dの光を伝搬させるときのことを考える。図31に示すように上から見たとき、このビームの上端を通る光(以下ビームAと称す)とビームの下端を通る光(ビームBと称す)に注目すると、それぞれのビームが結晶を通り抜けるのにかかる時間は次のように表せられる。
【0075】
【数7】
Figure 2005025860
【0076】
従って、ちょうどビームAが結晶端にたどり着いたとき、ビームBはΔxだけ結晶を飛び出している。
【0077】
【数8】
Figure 2005025860
【0078】
このことから、光は位相をそろえるため角度a偏向することになる。
【数9】
Figure 2005025860
【0079】
更に、このビームがガウシアンビームのウェイストに置かれていたとした場合、無限遠での回折広がり半頂角は、
【0080】
【数10】
Figure 2005025860
【0081】
となる。ここから、集光したときに1スポット半径のN個分スポットを動かすことができる量(分解点数Nと呼ぶ)は、
【0082】
【数11】
Figure 2005025860
【0083】
で表される。
【0084】
以上のことから、LN結晶に図32の斜線で示すような形の電極を作製することで偏向器となることが分かる。
【0085】
更に、(式7)と(式13)を用いてLN結晶に入射した光の分解点数Nは
【0086】
【数12】
Figure 2005025860
【0087】
と表せる。
【0088】
LN結晶の場合、r33>r13、n≒nであるため、偏向の効果が大きい光学軸に平行な、すなわちz軸方向の偏光(z偏光)の光を入射させる。図で表すと、図33のようになる。トラッキング信号検出を可能とするためには、記録されているマークの中心からビームをその半径程度移動させる必要がある。すなわち、偏向素子に求める分解点数は1以上が必要となる。これを目標にLN結晶に図34のような電極を作製した。(式14)より、このような大きさをもつ偏向器では光学軸に平行な偏光に対して分解点数Nは、
【0089】
【数13】
Figure 2005025860
【0090】
となり、160V程度で分解点数N=1が実現できる。ここで、波長は830nm、屈折率n=2.2とした。
【0091】
図35のようにLN結晶の光学軸に平行に電界を印加し、かつ光学軸方向に平行な直線偏光の光(E//)をx軸方向に入射した場合の出射ビームの移動量(偏向量)を図36の(b)に、垂直な光(E)のそれを図36の(a)に示す。両者を比較すれば明らかなように、前者の場合の方が、移動量が大きいことが解る。すなわち、より低い電圧でビームを振ることができる。
【0092】
図37は電気光学偏向器の一例を示す図である。図中の電極に電圧源より電圧を印加すると電気光学結晶に電界が発生する。斜線で示した部分とそれ以外の部分は、同じ電界が掛かった場合に生じる屈折率の変化が異なるようになっている。それぞれは楔形をしていて、交互にスタックされている。ここで、図37の(a)のように光が入射すると、斜線の部分とそれ以外の部分の境界で屈折率差による屈折が生じる。この現象が、光が境界を通るたびに生じるので、結晶から出る光は偏向される。この偏向の度合いは結晶に印加する電圧により制御できるので、結晶を出た光を先に述べた近接場光プローブに照射すれば、その先端の近接場光は走査されることとなる。
【0093】
本実施例では、上記動作を効率よく、つまり電源の電圧、消費電力がより低くて済む構成とした。結晶の光学軸の方向、入射する光の偏光方向、印加する電界の方向などは図33に示すものと同じである。ただし、図37の斜線部分とそれ以外の部分の光学軸方向が反対になる構成とする。この構成で光を走査できる原理はドメイン反転型の電気光学結晶と同じであるが、図33で述べた理由により、効率がよい。
【0094】
また、本発明で使用される近接場光プローブ・スライダとしては、図38のように、遮光膜3803と突起3802の頂点の面が同一面になるようにしてもよい。メディアと対向させて使用する場合、頂点部に応力が集中せず破損しにくい。
【0095】
なお、図39に示すように、シリンドリカルマイクロレンズの曲率のある方向の幅、すなわち突起部底面の長辺方向の幅つまり図39のA方向は、突起部底面の長辺方向の幅よりも長くても良い。これは上記実施例の全てに適用される。また、上記実施例において、陽極接合に用いるガラスとしては、米国コーニング社製#7740を一例として挙げたが、特にこれに限定されるわけではなく、米国コーニング社製#7070、あるいは岩城硝子のSW−3等を用いることもできる。更に、単結晶Si層とガラス基板を接合する方法として、上記各実施例では陽極接合を挙げたが、特にこれに限るわけではなく、常温の直接接合を用いても良い。常温接合は、鏡面研磨したシリコンウェファやガラス基板、金属基板をいわゆるRCA洗浄した後、10−9Torrの真空チャンバ内でArのFAB(Fast Atomic Beam)を2枚の基板にそれぞれに300sec程度、同時に照射した後、10MPaの圧力で圧着する。大気に戻した後の接合強度は12Mpa以上になる。また、透光性基板として、コーニング社の#7740を挙げたが、特にこれ限るものではなく、直接接合を用いる場合は石英基板や、透光性の樹脂を用いることもできる。特に石英を用いた場合は、高温の直接接合により透光性基板とSi層を接合することができる。この方法は、基板表面を充分に洗浄して、ゴミや汚れを除去して乾燥させ、正常な雰囲気中で面同士を接触させる。この後900℃以上の熱処理を窒素中で行うことにより基板が接合される。また、低融点ガラス(フリットガラス)を用いたガラス接合によりSi層と透光性基板を接合することもできる。更に、接着材により突起部を作製した層と透光性基板の接合を行うこともできる。この場合、ガラス基板を用い、ガラスと屈折率が等しくなるように製造された光学用接着剤、例えば駿河精機製V40−J91を用いることができる。また、突起部を形成する基板は特に単結晶Si基板を用いることはなく、数十nmから数百nmの突起部頂点寸法を実現できるのであれば化合物半導体やガラス基板(遮光膜は必須)、樹脂基板、金属基板であっても良い。更に、上記各実施例において、いわゆるシリンドリカルな凹レンズ、又は凸レンズを用いているが、特にこれに限られるものではなく、一方向のみに回折する回折格子型のレンズ、又はフレネルレンズでも良い。また、上記各実施例において、突起部及びマイクロレンズを形成する材料として、主としてSiを用いた一例について説明したが、これに限られず、以下の材料も使用可能である。
【0096】
以下プローブ材料を列記する。
単結晶Si、SiO、Ge、ガラス、結晶石英、C(ダイヤモンド)、アモルファスSi、マイクロクリスタル(微小結晶)Si、多結晶Si、Si(x、yは任意)、TiO、ZnO、TeO、Al、Y、LaS、LiGaO、BaTiO、SrTiO、PbTiO、KNbO、K(Ta,Nb)O(KTN)、LiNbO、LiTaO、Pb(Mg1/3Nb2/3)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Hf,Ti)O、PbGeO、LiGeO、MgAl、CoFe、(Sr,Ba)Nb、LaTi、NdTi、BaTiSi12、PbGe11、BiGe12、BiSi12、YAl12、GdFe12、(Gd,Bi)Fe12、BaNANbO15、Bi12GeOO、Bi12SiO、Ca12Al1433、LiF、NAF、KF、RbF、CsF、NACl、KCl、RbCl、CsCl、AgCl、TlCl、CuCl、LiBr、NABr、KBr、CsBr、AgBr、TlBr、LiI、NAI、KI、CsI、Tl(Br,I)、Tl(Cl、Br)、MgF、CaF、SrF、BaF、PbF、HgCI、FeF、CsPbCl、BaMgF、BaZnF、NASbF、LiClO・3HO、CdHg(SCN)、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、α−HgS、PbS、PbSe、EuS、EuSe、GaSe、LiInS、AgGaS、AgGaSe、TiInS、TiInSe、TlGaSe、TlGaS、As、AsSe、AgAsS、AgSbS、CdGa、CdCr、TlTa、TlTaSe、TlVS、TlAsS、TlPSe、GaP、GaAs、GaN、(Ga,Al)As、Ga(As,P)、(lnGa)P、(lnGa)As、(Ga,AI)Sb、Ga(AsSb)、(lnGa)(AsP)、(GaAI)(AsSb)、ZnGeP、CaCO、NANO、α−HIO、α−LiIO、KIO、FeBO、FeBO、KB・4HO、BeSO・2HO、CuSO・5HO、LiSO・HO、KHPO,KDPO、NHPO、KHAsO、KDAsOCSHAsO、CsDAsO、KTiOPO,RbTiOPO、(K,Rb)TiOPO、PbMoO、β−Gd(MoO、β−Tb(MoO、PbMoO、BiWO、KMoOS・KCl、YVOCa(VO、Pb(GeO)(VO、CO(NH,Li(COOH)・HO、Sr(COOH)、(NHCHCOOH)SO、(NDCDCOOD)SO、(NHCHCOOH)BeF、(NH・HO、C、CNO、C(NO)、CNOBr、CNOCI、CNONH、C(NH)OH、C(COHCs、C(COHRb、CNOCHNH、CCH(NH、C12・HOKH(C)、C1OH11N、[CH・CF]n。
【0097】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光プローブは、透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有している。更に、この対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことに特徴がある。よって、位置合わせ精度の低い露光機を用いても、光利用効率が低下せずに済み、トラッキングエラー検出とアクチュエーション、あるいは高速記録・再生を行い、実質的に記録・再生速度を向上させることができる。
【0099】
また、別の発明の光プローブは、透過性基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有している。更に、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことに特徴がある。よって、入射光の偏光方向と平行な方向についての更なる小スポット化と、更なる高効率化を実現できる。
【0100】
更に、別の発明の光プローブは、高屈折率材料により構成された基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている高屈折率材料基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、高屈折率材料に形成された対物レンズとを有している。更に、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことに特徴がある。よって、小さい光スポットを実現し、記録密度を向上でき、更にガラス−シリコン界面での反射による光利用効率の低下を防ぎ、更なる光利用効率の向上を実現できる。
【0101】
また、突起部の頂点部には、複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状になされていることにより、高速な入出力ビットレートを実現できる。
【0102】
更に、入射された光の偏光を、突起部の頂点部の短辺方向に、平行な直線偏光とすると共に、突起部分の屈折率をnとし、入射された光の真空中での波長をλとし、突起部の頂点部の短辺の長さをaとし、突起部の頂点部の長辺の長さをbとしたときに、a≧λ/2nかつb<λ/2nの条件を満たすことが好ましい。
【0103】
また、別の発明としての光ピックアップ装置は、透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブと、突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、突起部は透過性基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。そして、本発明の光ピックアップ装置では、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。よって、精度の高いトラッキング制御ができる光ピックアップ装置を提供できる。
【0104】
更に、別の発明としての光ピックアップ装置は、透過性基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている透過性基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブと、突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、突起部は透過性基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。そして、本発明の光ピックアップ装置では、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。よって、入射光の偏光方向と平行な方向についての更なる小スポット化と、更なる高効率化を実現できると共に、精度の高いトラッキング制御ができる光ピックアップ装置を提供できる。
【0105】
また、別の発明としての光ピックアップ装置は、高屈折率材料により構成された基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている高屈折率材料基板の面と反対側の面から入射する光を突起部の頂点部に集光するため、高屈折率材料に形成された対物レンズとを有する光プローブと、突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、突起部は高屈折率材料基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる。そして、本発明の光ピックアップ装置では、対物レンズを一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、この対物レンズの曲率がない方向を突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、対物レンズの曲率がない方向の長さを突起部の頂点部の短辺よりも長くした。よって、小さい光スポットを実現し、記録密度を向上でき、更にガラス−シリコン界面での反射による光利用効率の低下を防ぎ、更なる光利用効率の向上を実現できると共に、精度の高いトラッキング制御ができる光ピックアップ装置を提供できる。
【0106】
更に、突起部の頂点部には、複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状になされている。よって、高速な入出力ビットレートを実現できる光ピックアップ装置を提供できる。
【0107】
また、入射された光の偏光を、突起部の頂点部の短辺方向に、平行な直線偏光とすると共に、突起部分の屈折率をnとし、入射された光の真空中での波長をλとし、突起部の頂点部の短辺の長さをaとし、突起部の頂点部の長辺の長さをbとしたときに、a≧λ/2nかつb<λ/2nの条件を満たすことが、光ピックアップ装置においても好ましい。
【0108】
更に、光走査手段として、振動鏡、回転多面鏡、音響光学偏向器又は電気光学偏向器を用いることが好ましい。
【0109】
また、上記電気光学偏向器が立方体の電気光学結晶で構成され、光が透過する方向と平行な電気光学結晶の面に電極が形成され、電極の幅が、光が透過する方向に関して変化する形状に形成されていることにより、簡単な構造で記録・再生速度を向上できる。
【0110】
更に、電気光学偏向器がドメイン反転型の電気光学結晶であることにより、簡単な構造で記録・再生速度を向上できる。
【0111】
また、上記電気光学結晶としてLN(LiNbO)結晶を用い、LN結晶の光学軸に平行にLN結晶に電界がかかるように電極と結晶の形状を定めると共に、光を光学軸と平行な方向の直線偏光としたことにより、電気光学偏向器の動作を効率良く、つまり電源の電圧、消費電力をより一層低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1の近接場光プローブ・スライダを記録媒体上で使用する際の様子を示す図である。
【図3】本発明の近接場光プローブ・スライダの一例の構成を示す図である。
【図4】図3の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スラダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の第5の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図10】図9の近接場光プローブ・スライダを記録媒体上で使用する際の様子を示す図である。
【図11】図9の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図12】本発明の第6の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スラダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図13】本発明の第7の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図14】本発明の第8の実施例に係る光プローブを有する近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図15】中間調マスクパターンのフォトマスクを用いたフォトレジストパターンを形成する方法の中間調マスクパターンを示す図である。
【図16】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図17】図16の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図18】シリンドリカルマイクロレンズの一例を示す概略断面図である。
【図19】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図20】図19の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図21】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図22】図21の近接場光スライダ・プローブを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図23】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図24】図22の近接場光プローブ・スライダを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図25】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図26】図25の近接場光プローブ・スライダを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図27】本発明の近接場光プローブ・スライダの他の例の構成を示す図である。
【図28】図27の近接場光プローブ・スライダを作製するプロセス例を示す工程断面図である。
【図29】本発明に係る光プローブ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【図30】EOモデュレータの具体的構成を示す図である。
【図31】LN結晶の光学軸(z軸)に電界を印加し、光がx方向へ伝搬した場合の電気光学偏向器の構造を示す図である。
【図32】EOモデュレータにおける屈折率分布領域を示す図である。
【図33】z軸方向の偏光(z偏光)の光を入射させる場合の電気光学偏向器内の光の偏向の様子を示す図である。
【図34】電極の具体例を示す図である。
【図35】LN結晶に電界を印加した際の光の偏向の様子を示す図である。
【図36】光学軸方向に平行な直線偏向光をx軸方向に入射した場合の出射ビームの移動量を示す図である。
【図37】電気光学偏向器の一例を示す図である。
【図38】本発明の近接場光プローブ・スライダの構成を示す図である。
【図39】本発明の近接場光プローブ・スライダの別の構成を示す図である。
【図40】従来の近接場光プローブ・スライダの一例の構成を示す図である。
【図41】従来の近接場光プローブ・スライダの一例の構成を示す斜視図である。
【図42】従来の近接場光プローブ・スライダ搭載の光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
11;LD、12;コリメートレンズ、13;BS、
14;ガルバノミラー、15;近接場光プローブ・スライダ、
16;シリンドリカルマイクロレンズ、17;光入射開口、18;光出射開口、
19;PD。

Claims (17)

  1. 透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている前記透過性基板の面と反対側の面から入射する光を前記突起部の頂点部に集光するため、前記透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブにおいて、
    前記対物レンズは一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、前記対物レンズの曲率がない方向を前記突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、前記対物レンズの曲率がない方向の長さを前記突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことを特徴とする光プローブ。
  2. 透過性基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている前記透過性基板の面と反対側の面から入射する光を前記突起部の頂点部に集光するため、前記透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブにおいて、
    前記対物レンズは一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、前記対物レンズの曲率がない方向を前記突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、前記対物レンズの曲率がない方向の長さを前記突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことを特徴とする光プローブ。
  3. 高屈折率材料により構成された基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている前記高屈折率材料基板の面と反対側の面から入射する光を前記突起部の頂点部に集光するため、前記高屈折率材料に形成された対物レンズとを有する光プローブにおいて、
    前記対物レンズは一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、前記対物レンズの曲率がない方向を前記突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、前記対物レンズの曲率がない方向の長さを前記突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことを特徴とする光プローブ。
  4. 前記突起部の頂点部には、複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状になされている請求項1〜3のいずれかに記載の光プローブ。
  5. 入射された光の偏光を、前記突起部の頂点部の短辺方向に、平行な直線偏光とすると共に、前記突起部分の屈折率をnとし、入射された光の真空中での波長をλとし、前記突起部の前記頂点部の短辺の長さをaとし、前記突起部の前記頂点部の長辺の長さをbとしたときに、a≧λ/2nかつb<λ/2nの条件を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の光プローブ。
  6. 透過性基板上に光透過性材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている前記透過性基板の面と反対側の面から入射する光を前記突起部の頂点部に集光するため、前記透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブと、前記突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、前記突起部は前記透過性基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる光ピックアップ装置において、前記対物レンズは一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、前記対物レンズの曲率がない方向を前記突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、前記対物レンズの曲率がない方向の長さを前記突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 透過性基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている前記透過性基板の面と反対側の面から入射する光を前記突起部の頂点部に集光するため、前記透過性基板に形成された対物レンズとを有する光プローブと、前記突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、前記突起部は前記透過性基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる光ピックアップ装置において、前記対物レンズは一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、前記対物レンズの曲率がない方向を前記突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、前記対物レンズの曲率がない方向の長さを前記突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 高屈折率材料により構成された基板上に高屈折率材料で形成されて外壁に単数又は複数のテーパ角度を有し、頂点部が長方形である突起部と、該突起部が形成されている前記高屈折率材料基板の面と反対側の面から入射する光を前記突起部の頂点部に集光するため、前記高屈折率材料に形成された対物レンズとを有する光プローブと、前記突起部の頂点部の長辺方向に入射された光を走査する光走査手段とを有し、前記突起部は前記高屈折率材料基板からの光を入射して、先端部分で近接場光、伝搬光、或いは近接場光及び伝搬光の両方を発生させる光ピックアップ装置において、
    前記対物レンズは一方向にのみ曲率があるシリンドリカルレンズとし、前記対物レンズの曲率がない方向を前記突起部の頂点部の短辺方向と平行にすると共に、前記対物レンズの曲率がない方向の長さを前記突起部の頂点部の短辺よりも長くしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 前記突起部の頂点部には、複数の遮光材を長辺方向に略等間隔で複数個配設することで複数の開口を形成してスリット状になされている請求項6〜8のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  10. 入射された光の偏光を、前記突起部の頂点部の短辺方向に、平行な直線偏光とすると共に、前記突起部分の屈折率をnとし、入射された光の真空中での波長をλとし、前記突起部の前記頂点部の短辺の長さをaとし、前記突起部の前記頂点部の長辺の長さをbとしたときに、a≧λ/2nかつb<λ/2nの条件を満たす請求項6〜9のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記光走査手段として、振動鏡を用いた請求項6〜8のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記光走査手段として、回転多面鏡を用いた請求項6〜8のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記光走査手段として、音響光学偏向器を用いた請求項6〜8のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記光走査手段として、電気光学偏向器を用いた請求項6〜8のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記電気光学偏向器が立方体の電気光学結晶で構成され、光が透過する方向と平行な前記電気光学結晶の面に電極が形成され、前記電極の幅が、光が透過する方向に関して変化する形状に形成されている請求項14記載の光ピックアップ装置。
  16. 前記電気光学偏向器がドメイン反転型の電気光学結晶である請求項14記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記電気光学結晶としてLN(LiNbO)結晶を用い、前記LN結晶の光学軸に平行に前記LN結晶に電界がかかるように前記電極と結晶の形状を定めると共に、光を前記光学軸と平行な方向の直線偏光とした請求項15又は16に記載の光ピックアップ装置。
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