JP2001208125A - 液体封入式マウント - Google Patents

液体封入式マウント

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JP2001208125A
JP2001208125A JP2000021481A JP2000021481A JP2001208125A JP 2001208125 A JP2001208125 A JP 2001208125A JP 2000021481 A JP2000021481 A JP 2000021481A JP 2000021481 A JP2000021481 A JP 2000021481A JP 2001208125 A JP2001208125 A JP 2001208125A
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orifice
liquid
bag
mounting member
peripheral side
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JP2000021481A
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Nobuhiko Narita
信彦 成田
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Nok Vibracoustic Co Ltd
Original Assignee
Nok Vibracoustic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品全体の形状や構造を変えることなく、異
なる性能を設定することができる液体封入式マウントを
提供する。 【解決手段】 内周側取付部材10とその外周に上下相
対変位可能に配置された外周側取付部材20が、左右へ
延びるゴム状弾性材料からなる支持ばね31,32を介
して互いに連結されている。支持ばね31,32の上下
両側に形成された空間S1,S2には、ゴム状弾性材料
からなる一対の袋状ダイアフラム40,50が配置され
ている。内周側取付部材10にはオリフィスケース60
が固定され、各袋状ダイアフラム40,50内の液室4
0A,50Aが、オリフィスケース60内に形成された
オリフィス60Aを介して互いに連通し、各液室40
A,50A及びオリフィス60Aからなる密閉空間内に
作動液Lが充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のエ
ンジン等に対する防振支持手段として用いられるもので
あって、内部に封入された作動液の挙動によって振動吸
収及び緩衝を行う液体封入式マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による典型的な液体封入式マウ
ントは、内周側取付部材と、その外周に配置された筒状
の外周側取付部材との間が、ゴム状弾性材料からなる支
持ばねを介して弾性的に連結され、前記支持ばね及びこ
れに連続形成されたダイアフラムによって主振動の入力
方向両側(上下)に画成された一対の液室が、前記内周
側取付部材又は外周側取付部材に形成されたオリフィス
を介して互いに連通され、かつ内周側取付部材と外周側
取付部材の相対変位による液室内の液圧変化を吸収する
サブダイアフラムが設けられた構造を有する。
【0003】この種の液体封入式マウントは、例えば内
周側取付部材及び外周側取付部材のうち一方が車体フレ
ーム側に、他方がエンジンのブラケット側に固定される
ことによって、車体にエンジンを支持するものである。
そして、車体のバウンド等によるショックが入力された
ような場合には、内周側取付部材と外周側取付部材が上
下に相対変位されることによる支持ばねの変形に伴っ
て、容積が変化する上側液室と下側液室の間でオリフィ
スを介して作動液が反復移動され、このオリフィス内の
流動抵抗による顕著な減衰力を得て、エンジンへのショ
ック入力を緩和すると共に、このショックによる振動を
速やかに収束する。また、エンジンのアイドル振動等に
よる継続的な振動の入力においては、振動入力による液
圧変化をサブダイアフラム等で吸収することによって動
ばね定数が低下し、伝達振動を有効に絶縁する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、支持ばね、ダイアフラム、オリフィ
ス等の各要素が互いに一体的に構成されているため、目
的とする防振性能の異なる製品バリエーションを設定す
るには、製品毎に部品全体の形状や構造を変える必要が
ある。したがって、製造に際しては、製品毎に異なる成
形用金型や治工具を用意する必要があり、製造コストの
低減が困難であるといった問題が指摘される。
【0005】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その主な技術的課題とするところは、製品
全体の形状や構造を変えることなく、異なる性能を設定
することができる液体封入式マウントを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係る液体封入式マウントは、内周側取付部材と
その外周に相対変位可能に配置された外周側取付部材
が、支持荷重の入力方向に対して交差する方向へ延びる
ゴム状弾性材料からなる支持ばねを介して互いに連結さ
れ、前記支持ばねの両側に形成された空間に、ゴム状弾
性材料からなる一対の袋状ダイアフラムが配置され、前
記内周側取付部材及び外周側取付部材のうちいずれか一
方にオリフィスケースが固定され、前記各袋状ダイアフ
ラムの内部に形成された液室が前記オリフィスケース内
に形成されたオリフィスを介して連通され、前記各袋状
ダイアフラム及びオリフィス内に作動液が充填されたも
のである。したがって、支持ばねによる支持部と、液体
封入部とを互いに独立的に仕様変更可能なサブユニット
として構成することができる。
【0007】本発明の構成において一層好ましくは、一
方の袋状ダイアフラムの内部が複数の液室に画成され、
前記複数の液室がそれぞれオリフィスケースに形成され
た複数のオリフィスを介して他方の袋状ダイアフラム内
の液室と連通され、前記複数のオリフィスにおける液柱
共振周波数が互いに異なるものとする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る液体封入式
マウントの好適な一実施形態を示すもので、(A)は軸
心を通る平面で切断した縦断面図、(B)は(A)にお
けるB−B’位置で軸心と直交する平面で切断した断面
図である。この図において、参照符号10は金属製の中
空軸状の内周側取付部材、参照符号20は前記内周側取
付部材10の外周側を包囲するように配置された円筒状
を呈する金属製の外周側取付部材で、この外周側取付部
材20と内周側取付部材10との間には、ゴム状弾性材
料で成形された弾性部材30が、加硫接着により一体的
に設けられている。
【0009】弾性部材30は、図1(B)の断面におけ
る内周側取付部材10の左右両側から外周側取付部材2
0の内周面にかけて斜め下方へ延びる一対の支持ばね3
1,32を有し、この支持ばね31,32の上下両側に
は、軸方向へ開放されたダイアフラム保持空間S1,S
2が形成されている。前記各ダイアフラム保持空間S
1,S2には、前記内周側取付部材10の上下両側に位
置して、ゴム状弾性材料からなる袋状ダイアフラム4
0,50が、上下を弾性部材30に接した状態で配置さ
れており、この袋状ダイアフラム40,50内が、それ
ぞれ液室40A,50Aとなっている。
【0010】内周側取付部材10の軸方向一端には、鍔
状のオリフィスケース60が嵌着されている。このオリ
フィスケース60は、外周部をカシメによって互いに結
合された外側ケース部材61と内側ケース部材62から
なり、内部には、前記外側ケース部材61における内側
ケース部材62との密接衝合面に形成された溝61aに
よって、円周方向へ略C字形の有端形状に延びるオリフ
ィス60Aが設けられている。
【0011】袋状ダイアフラム40,50の開口フラン
ジ部41,51は、それぞれ、オリフィス60Aの両端
位置でオリフィスケース60の内側ケース部材62に開
設された開口部62a,62bに挿入され、外側ケース
部材61との間に密接固定されている。これによって、
袋状ダイアフラム40,50内の液室40A,50A
は、オリフィス60Aを介して互いに連通しており、こ
れら液室40A,50A及びオリフィス60Aからなる
密閉空間には、シリコンオイル等、適当な粘性を有する
作動液Lが充填されている。
【0012】オリフィス60A内を作動液Lが反復的に
移動する時の液柱共振周波数は、このオリフィス60A
の流路断面積及び流路長さと、袋状ダイアフラム40,
50の硬さ(弾性)等によって、低減対象の振動周波数
(例えばショック入力による周波数あるいはアイドル振
動の周波数)の帯域に設定される。
【0013】また、振動の入力による内周側取付部材1
0と外周側取付部材20の上下相対変位によって、液室
40A,40Bが交互に圧縮を受けた時に、これによる
袋状ダイアフラム40,50の拡張変形を許容するため
に、弾性部材30に形成されたダイアフラム保持空間S
1,S2は、袋状ダイアフラム40,50の挿入位置か
ら左右に拡張された形状となっている。
【0014】なお、オリフィスケース60の外周部は、
通常の支持状態では、弾性部材30の一部であるゴム膜
33で覆われた外周側取付部材20の内周面と非接触状
態にあり、これによって、内周側取付部材10と外周側
取付部材20の自在な上下相対変位が許容されている。
【0015】以上の構成を備える液体封入式マウントに
おいて、内周側取付部材10は、支持対象の振動体であ
るエンジン側、及び支持体である車体フレーム側のうち
の一方に、また、外周側取付部材20は、前記エンジン
側及び車体フレーム側のうちの他方に連結される。した
がって、エンジン側あるいは車体側から振動が入力され
ると、内周側取付部材10及び外周側取付部材20は、
弾性部材30における支持ばね31,32の変形を伴い
ながら、図1における上下方向へ相対的に反復変位さ
れ、内周側取付部材10及び支持ばね31,32の上下
両側のダイアフラム保持空間S1,S2の大きさが、交
互に拡大・縮小される。このため、前記ダイアフラム保
持空間S1,S2に配置された袋状ダイアフラム40,
50は、入力振動の半周期毎に交互に拡張と圧縮を受け
る。
【0016】ここで、入力された振動が、例えば走行中
における車体のバウンドによるショック振動等、設定さ
れた液柱共振周波数付近の周波数である場合は、オリフ
ィス60A内の作動液Lに液柱共振を生じることによっ
て、上側の袋状ダイアフラム40内の液室40Aと、下
側の袋状ダイアフラム50内の液室50Aとの間を、オ
リフィス60Aを通じて、容積が縮小する側から容積が
拡大する側へ向けて作動液Lが反復移動する。このた
め、液室40A,50Aの液圧変化が抑えられて動ばね
定数が低下し、しかも、支持ばね31,32の反復変形
に伴う内部摩擦による減衰力のほか、オリフィス60A
内での作動液Lの流動抵抗によって、大きな減衰を発生
するので、前記バウンド等によるショックを有効に緩和
し、その振幅を短時間で収束させる。
【0017】入力された振動が、例えばエンジンの機関
振動等による中・高周波数帯域の継続的な小振幅の振動
変位である場合は、オリフィス60Aにおける液柱慣性
が大きくなるので、作動液Lがこのオリフィス60A内
を殆ど反復移動しない。そしてこの場合は、ゴム状弾性
材料からなる袋状ダイアフラム40,50の拡張・収縮
変形によって、入力された振動による液室40A,50
Aの液圧変化が吸収され、動ばね定数が低く抑えられ
て、内周側取付部材10と外周側取付部材20との間で
の振動伝達を有効に絶縁する。
【0018】図2に示されるように、内周側取付部材1
0と、外周側取付部材20と、その間に一体的に加硫接
着された弾性部材30によって、弾性支持部である第一
のサブユニット1が構成されており、オリフィスケース
60と、これに密封的に結合された二つの袋状ダイアフ
ラム40,50によって、互いに連通した液室40A,
50A及びオリフィス60Aからなる密閉空間に作動液
Lを充填した、液体封入部である第二のサブユニット2
を構成している。すなわち、この実施形態による液体封
入式マウントは、予め第一及び第二のサブユニット1,
2を製作し、第二のサブユニット2における袋状ダイア
フラム40,50を、第一のサブユニット1におけるダ
イアフラム保持空間S1,S2に挿入すると共に、この
第一のサブユニット1における内周側取付部材10の一
端外周に、第二のサブユニット2におけるオリフィスケ
ース60の内周孔60aを嵌着・固定することによって
組み立てられる。
【0019】このため、弾性部材30における支持ばね
31,32のばね定数と、第二のサブユニット2におけ
るオリフィス60Aの寸法及び袋状ダイアフラム40,
50の弾性によって決まる作動液Lの液柱共振周波数な
どを、それぞれ独立して設定することができる。そし
て、支持ばね31,32のばね定数の異なる複数種類の
第一のサブユニット1と、液柱共振周波数や損失係数の
異なる複数種類の第二のサブユニット2を選択的に組み
合わせることによって、液体封入式マウントとしての製
品全体の形状を変えることなく、性能のバリエーション
を設定することができる。
【0020】また、性能に対する特殊な市場要求があっ
た場合、弾性部材30、袋状ダイアフラム40,50及
びオリフィスケース60といった部品のうち、必要な部
品のみを新規に設計して製作し、他の部品は既成のもの
を共用して組み立てることができる。このため、特殊な
要求性能を満足する製品を、低価格で提供することがで
きる。
【0021】次に図3は、本発明に係る液体封入式マウ
ントの好適な他の実施形態を示すもので、(A)は軸心
を通る平面で切断した縦断面図、(B)は(A)におけ
るB−B’位置で軸心と直交する平面で切断した断面図
である。この実施形態において、先の図1に示されるも
のと異なるところは、袋状ダイアフラム40,50のう
ち、内周側取付部材10の上側に位置する袋状ダイアフ
ラム40が、内部に二つの液室40B,40Cを有し、
オリフィスケース60に二つのオリフィス60B,60
Cを有する点にある。
【0022】詳しくは、上側の袋状ダイアフラム40
は、その内部の液室40B,40C間を仕切る隔壁部4
2と、一方の液室40Bを包囲する弾性膜部43と、他
方の液室40Cを包囲する弾性膜部44からなる。隔壁
部42は、両液室40B,40Cの間を空間的に隔絶す
るばかりでなく、圧力的にも隔絶するものであることか
ら、ある程度厚肉の直壁状に形成されており、また、液
室40B側の弾性膜部43は、液室40C側の弾性膜部
44よりも相対的に薄肉に形成されている。
【0023】また、外周部をカシメによって互いに結合
された外側ケース部材61と内側ケース部材62からな
るオリフィスケース60の内部に、外側ケース部材61
における内側ケース部材62との密接衝合面に形成され
た溝61b,61cによって形成されたオリフィス60
B,60Cは、円周方向へ略C字形の有端形状に、かつ
互いに同心的に延びるものである。このうち、断面積が
相対的に小さくかつ流路が相対的に長い外周側のショッ
クオリフィス60Bは、その上部開口に上側の袋状ダイ
アフラム40における一方の液室40Bの開口フランジ
部が接続されており、断面積が相対的に大きくかつ流路
が相対的に短い内周側のアイドルオリフィス60Cは、
その上部開口に前記袋状ダイアフラム40における他方
の液室40Cの開口フランジ部が接続されている。ま
た、前記両オリフィス60B,60Cの下部開口には、
下側の袋状ダイアフラム50における液室50Aの開口
フランジ部が接続されている。
【0024】すなわち、上側の袋状ダイアフラム40内
の液室40B,40Cは、それぞれオリフィス60B,
60Cを介して袋状ダイアフラム50内の液室50Aと
互いに連通しており、これら液室40B,40C,50
A及びオリフィス60B,60Cからなる密閉空間に
は、シリコンオイル等、適当な粘性を有する作動液Lが
充填されている。
【0025】ショックオリフィス60B内を作動液Lが
反復的に移動する時の液柱共振周波数は、このショック
オリフィス60Bの流路断面積及び流路長さと、袋状ダ
イアフラム40における液室40B側の相対的に薄肉の
弾性膜部43の拡張弾性等によって、例えば車体のバウ
ンド等によるショック振動の周波数帯域に設定される。
また、アイドルオリフィス60C内を作動液Lが反復的
に移動する時の液柱共振周波数は、このアイドルオリフ
ィス60Cの流路断面積及び流路長さと、袋状ダイアフ
ラム40における液室40C側の相対的に厚肉の弾性膜
部44の拡張弾性等によって、例えばエンジンのアイド
ル振動による周波数帯域に設定される。
【0026】以上の構成を備える液体封入式マウント
も、図1のものと同様に、内周側取付部材10は、支持
対象の振動体であるエンジン側及び支持体である車体フ
レーム側のうちの一方に、また、外周側取付部材20
は、前記エンジン側及び車体フレーム側のうちの他方に
連結される。したがって、エンジン側あるいは車体側か
ら振動が入力されると、内周側取付部材10と外周側取
付部材20は、弾性部材30における支持ばね31,3
2の変形を伴いながら、図1における上下方向へ相対的
に反復変位され、内周側取付部材10及び支持ばね3
1,32の上下両側のダイアフラム保持空間S1,S2
の大きさが交互に拡大・縮小され、袋状ダイアフラム4
0,50は、入力振動の半周期毎に交互に拡張と圧縮を
受ける。
【0027】ここで、入力された振動が、例えば走行中
における車体のバウンドによる低周波・大振幅のショッ
ク振動である場合は、上側の袋状ダイアフラム40内の
液室40B,40Cと、下側の袋状ダイアフラム50内
の液室50Aとの間を、オリフィス60B,60Cを通
じて、容積が縮小する側から容積が拡大する側へ向けて
作動液Lが反復移動する。そしてこの場合、ショックオ
リフィス60B内の作動液Lには液柱共振を生じるた
め、液室40B,40C,50Aの液圧変化が抑えられ
て、動ばね定数が低下し、しかも、支持ばね31,32
の反復変形に伴う内部摩擦による減衰力のほか、細く長
いショックオリフィス60B内での作動液Lの流動抵抗
によって、大きな減衰を発生するので、前記バウンド等
によるショックを有効に緩和し、その振幅を短時間で収
束させる。
【0028】入力された振動が、ショック振動よりも周
波数の高い、例えばエンジンのアイドル振動による継続
的な振動変位である場合は、ショックオリフィス60B
における液柱慣性が大きくなるので、作動液Lは、この
ショックオリフィス60B内では殆ど反復移動しない
が、アイドルオリフィス60C内では液柱共振によって
反復移動する。このため、液室40C,50A間を、ア
イドルオリフィス60Cを通じて作動液Lが反復移動し
て液圧変化が抑えられ、相対的に太く短いアイドルオリ
フィス60C内での作動液Lの流動抵抗も小さく、しか
もこのとき、ショックオリフィス6B内での作動液Lの
移動が停止されることによる液室40B内の圧力変動
は、この液室40Bにおける薄肉の弾性膜部43が容易
に変形することによって吸収されるので、振動伝達の一
要素である拡張弾性率が大きくならない。したがって、
動ばね定数が顕著に低下し、エンジンから車体側へのア
イドル振動の伝達を有効に吸収することができる。
【0029】すなわち、この実施形態による液体封入式
マウントは、オリフィス60B,60Cに互いに異なる
周波数域で液柱共振を起こさせることによって、ショッ
ク入力による低周波数域及びそれより周波数の高いアイ
ドル周波数域でそれぞれ特性のピークが現れるようにな
っている。このため、ショック入力に対しては作動液L
の移動による高減衰を発揮し、アイドル振動入力に対し
ては、動バネ定数が低く抑えられて振動伝達を効果的に
絶縁するので、静粛性が向上し、このような防振効果
が、外部からの制御を行うことなく実現される。
【0030】また、この実施形態においても、基本的に
は図2と同様に、内周側取付部材10と、外周側取付部
材20と、その間に一体的に加硫接着された弾性部材3
0による第一のサブユニットが構成され、オリフィスケ
ース60と、これに密封的に結合された二つの袋状ダイ
アフラム40,50によって、液体封入部である第二の
サブユニットが構成される。したがって、図1の実施形
態と同様、支持ばね31,32のばね定数の異なる複数
種類の第一のサブユニットと、液柱共振周波数や損失係
数の異なる複数種類の第二のサブユニットを選択的に組
み合わせることによって、液体封入式マウントとしての
製品全体の形状を変えることなく、性能のバリエーショ
ンを設定することができ、性能に対する特殊な市場要求
があった場合、弾性部材30、袋状ダイアフラム40,
50及びオリフィスケース60といった部品のうち、必
要な部品のみを新規に設計して製作し、他の部品は既成
のものを共用して組み立てることができる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明の液体封入
式マウントによると、ゴム状弾性部材からなる支持ばね
による弾性支持部と、袋状ダイアフラム及びオリフィス
からなる液体封入部とを、互いに独立したサブユニット
として構成することができる。このため、支持ばねの剛
性、オリフィスにおける液柱共振周波数や損失係数等、
目的とする防振性能の異なる種々の製品バリエーション
を、製品毎に全体の形状や構造を変えることなく、前記
サブユニットの組み合わせによって得ることができ、製
造コストの低減を図ることができる。また、袋状ダイア
フラム内の液室とオリフィスを複数設けて、異なる液柱
共振周波数を設定できるので、防振性能を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体封入式マウントの好適な一実
施形態を示すもので、(A)は軸心を通る平面で切断し
た縦断面図、(B)は(A)におけるB−B’位置で軸
心と直交する平面で切断した断面図である。
【図2】上記実施形態における第一のサブユニットと第
二のサブユニットを分離した状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る液体封入式マウントの好適な他の
実施形態を示すもので、(A)は軸心を通る平面で切断
した縦断面図、(B)は(A)におけるB−B’位置で
軸心と直交する平面で切断した断面図である。
【符号の説明】
1 第一のサブユニット 2 第二のサブユニット 10 内周側取付部材 20 外周側取付部材 30 ゴム状弾性部材 31,32 支持ばね 33 ゴム膜 40,50 袋状ダイアフラム 40A,40B,40C,50A 液室 41 継手フランジ部 42 隔壁部 43,44 弾性膜部 60 オリフィスケース 60A,60B,60C オリフィス 61 外側ケース部材 62 内側ケース部材 L 作動液 S1,S2 ダイアフラム保持空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周側取付部材(10)とその外周に相
    対変位可能に配置された外周側取付部材(20)が、支
    持荷重の入力方向に対して交差する方向へ延びるゴム状
    弾性材料からなる支持ばね(31,32)を介して互い
    に連結され、 前記支持ばね(31,32)の両側に形成された空間
    (S1,S2)に、ゴム状弾性材料からなる一対の袋状
    ダイアフラム(40,50)が配置され、 前記内周側取付部材(10)及び外周側取付部材(2
    0)のうちいずれか一方にオリフィスケース(60)が
    固定され、 前記各袋状ダイアフラム(40,50)によって形成さ
    れた各液室(40A,50A)が前記オリフィスケース
    (60)内に形成されたオリフィス(60A)を介して
    連通され、 前記各液室(40A,50A)及びオリフィス(60
    A)内に作動液(L)が充填されたことを特徴とする液
    体封入式マウント。
  2. 【請求項2】 一方の袋状ダイアフラム(40)の内部
    が複数の液室(40B,40C)に画成され、 前記複数の液室(40B,40C)がそれぞれオリフィ
    スケース(60)に形成された複数のオリフィス(60
    B,60C)を介して他方の袋状ダイアフラム(50)
    内の液室(50A)と連通され、 前記複数のオリフィス(60B,60C)における液柱
    共振周波数が互いに異なることを特徴とする請求項1に
    記載の液体封入式マウント。ことを特徴とする液体封入
    式マウント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009036757A1 (de) * 2007-09-18 2009-03-26 Zf Friedrichshafen Ag Hydrobuchse mit separaten blähkammern

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