JP2001207533A - 鉄骨構造物の柱・梁接合構造 - Google Patents

鉄骨構造物の柱・梁接合構造

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JP2001207533A
JP2001207533A JP2000016149A JP2000016149A JP2001207533A JP 2001207533 A JP2001207533 A JP 2001207533A JP 2000016149 A JP2000016149 A JP 2000016149A JP 2000016149 A JP2000016149 A JP 2000016149A JP 2001207533 A JP2001207533 A JP 2001207533A
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Motoaki Ito
源昭 伊藤
Itaru Nishida
致 西多
Toshio Fujioka
敏雄 藤岡
Satoshi Miyaki
聡 宮木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄骨構造物の梁に延性を与え、かつ梁の耐力
を有効に利用できるようにする。 【解決手段】 柱5に、梁1としてH形鋼(梁母材2)
を接合した鉄骨構造物の柱・梁接合構造において、梁母
材2の柱5に接合する端部のフランジ2a,2aに、補
強板3,3,3,3を設ける。この補強板3,3,3,
3は、H形鋼の長手方向に長尺に形成され、かつ該H形鋼
のフランジの表面に長手方向に沿って接合する。また、
補強板3,3,3,3の縁部には、切欠部4,4,4,
4を前記柱側の端部から略等しい距離に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨構造物の柱・
梁接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材の柱に鋼材の梁を接合して構成され
た鉄骨構造物は、地震等による外力が加わると、図5に
示すように、柱と梁との接合部に最大のモーメントがか
かり、接合部から遠ざかるに連れてかかるモーメントも
小さくなっていく。しかしながら、この最大モーメント
の生じる梁端部は柱に溶接接合されることが多く、応力
集中が生じやすい部位となっている。鉄骨構造物は、こ
の柱と梁との接合部が大きな外力を受けると延性破断や
脆性破壊を起こし、破壊してしまう恐れがある。このた
め、鉄骨構造物では接合部での損傷を防止するため、梁
端部近傍で梁のフランジをカットして小さくすることに
より、梁端部から離れた部分で塑性ヒンジが先行して生
じるようにする「ドックボーンタイプ」が提案されてい
る。
【0003】鉄骨構造物の柱及び梁は、主に角形鋼管の
柱あるいはH形鋼の柱に、H形鋼の梁を接合したもので
ある。従来、この梁に延性を持たせるために、例えば特
開平10−159176号公報に示すように、H形鋼の
フランジの柱からある一定の位置を一部切り欠き、これ
により、その切り欠き部分で梁フランジが延び、接合部
にかかる力を吸収するようにしてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような梁
の構造では、接合部の脆性破壊を防止することはできる
が、梁の母材であるH形鋼のフランジをカットしている
ため、H形鋼の耐力を有効に利用することができない。
【0005】本発明の課題は、梁に延性を与え、かつ梁
の耐力を有効に利用できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、例えば図1に示すように、柱
(5)に、梁(1)としてH形鋼(梁母材2)を接合し
た鉄骨構造物の柱・梁接合構造であって、前記H形鋼
(2)の前記柱に接合する端部のフランジ(2a)に
は、補強板(3)が設けられており、この補強板(3)
の縁部には、切欠部(4)が形成されていることを特徴
としている。
【0007】ここで、補強板は鋼板により形成するのが
望ましい。また、補強板は請求項2記載の発明のよう
に、フランジの縁部に接合しても良いし、請求項4記載
の発明のようにフランジの表面に接合しても良い。
【0008】以上のように、請求項1記載の発明によれ
ば、H形鋼で形成された梁の、柱に接合する端部のフラ
ンジに補強板を設けることにより、梁の断面積を容易に
調整できる、つまり、梁全体を太くせずに、大きなモー
メントがかかる柱と梁との接合部分のみの断面積を大き
くすることができ、接合部を補強することができる。ま
た、この補強板の縁部に切欠部を設けたことにより、梁
に延性を持たせることができると共に、梁を切欠かない
ので本来の梁の耐力を保持することができる。
【0009】請求項2記載の発明は、例えば図1に示す
ように、請求項1記載の鉄骨構造物の柱・梁接合構造で
あって、前記補強板(3)は、前記H形鋼(2)の長手
方向に長尺に形成され、かつ該H形鋼(2)のフランジ
(2a)の両縁部に長手方向に沿って接合されており、
前記補強板(3)を含む梁(1)の幅が、前記切欠部
(4)を除いて前記柱(5)から離間するに従って漸次
小さくなっていることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明によれば、補強板をH
形鋼の長手方向に長尺に形成して、H形鋼のフランジの
両縁部に長手方向に沿って接合したことにより、切欠部
の設置位置を自由に設定することができる、つまり、降
伏ヒンジ位置を梁上で容易に調整することができるの
で、設計の自由度を増すことができる。また、この補強
板を含む梁の幅を切欠部を除いて柱から離間するに従っ
て、次第に小さくしていくことにより、切欠部以外で梁
の幅が急激に変化するところがないので、応力の流れが
スムーズとなり、切欠部のみに応力を集中させることが
できる。
【0011】請求項3記載の発明は、例えば図2に示す
ように、請求項1または2記載の鉄骨構造物の柱・梁接
合構造であって、前記補強板(3)の縁部には、補強材
(6)が該補強板(3)に対して略直角に接合されてい
ることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明によれば、補強板の縁
部に、補強板に対して略直角に補強材を接合したことに
より、梁の断面積を容易に調整可能となる。また、前記
補強材は、梁の側面側からの補強であるため、補強既存
建物の耐震補強をより有利に行うことができる。
【0013】請求項4記載の発明は、例えば図3に示す
ように、請求項1記載の鉄骨構造物の柱・梁接合構造で
あって、前記補強板(7)は、前記H形鋼(2)の長手
方向に長尺に形成され、かつ該H形鋼(2)のフランジ
(2a)の表面に長手方向に沿って接合されていること
を特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明によれば、補強板をH
方鋼の方向に長尺に形成し、H形鋼のフランジの表面に
長手方向に沿って接合することにより、切欠部の設置位
置を自由に設定することができる、つまり、降伏ヒンジ
位置を梁上で容易に調整することができるので、設計の
自由度を増すことができる。また、補強板をフランジの
表面に接合するので、フランジの両縁部に補強板を接合
する場合に比べ、補強板の接合を容易に行うことができ
る。
【0015】請求項5記載の発明は、例えば図1および
図2に示すように、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄
骨構造物の柱・梁接合構造であって、前記補強板(3)
の両縁部にそれぞれ切欠部(4)が、前記柱(5)側の
端部から略等しい距離に形成されていることを特徴とす
る。
【0016】請求項5記載の発明によれば、切欠部を補
強板の両縁部にそれぞれ柱側の端部から略等しい距離に
形成することにより、切欠部で梁の断面積を効率的に小
さくして、梁に括れを形成することができる、つまり、
降伏ヒンジを確実に形成することができる。
【0017】請求項6記載の発明は、例えば図4に示す
ように、請求項5記載の鉄骨構造物の柱・梁接合構造で
あって、前記切欠部(10)には、補強板(9)の先端
側に向かうにしたがって漸次内側に傾斜する傾斜部(1
1)が形成されていることを特徴とすることを特徴とす
る。
【0018】請求項6記載の発明によれば、切欠部に、
補強板の先端に向かうにしたがって漸次内側に傾斜する
傾斜部を形成することにより、降伏範囲を広く設定する
ことができ、塑性履歴によるエネルギー吸収力を良くす
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、図を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。 <第一の実施の形態例>まず、構成を説明する。図1
(a)〜(e)に示すように、梁1はH形鋼で形成され
た梁母材2の柱5側の端部のフランジ2a,2aの両端
部に、鋼板で形成された補強板3,3,3,3が溶接さ
れて構成されている。この補強板3,3,3,3は、H
形鋼の長手方向に長尺に形成され、かつ該H形鋼のフラ
ンジの両縁部に長手方向に沿って接合されており、柱5
側から略等しい距離に切欠部4,4,4,4が設けられ
ている。ここで、切欠部4,4,4,4は柱5から離間
して設けられている。また、補強板3,3,3,3は、
切欠部4,4,4,4部分を除いて、柱5側から離間す
るに連れて、徐々に幅が狭くなっている。補強板3,
3,3,3の梁母材2への溶接が、工場内で行なわれ、
梁1の柱5への溶接が、現場で行なわれることで鉄骨構
造物が構成されている。
【0020】次に前記鉄骨構造物に外力が加わった際の
作用について説明する。柱及び梁によって構成された鉄
骨構造物に外力が加わると、梁には図5に示すように、
柱との接合部に最大のモーメントがかかり、柱から遠ざ
かっていくに連れ、かかるモーメントが小さくなる。こ
の梁にかかるモーメントが、柱と梁の接合部の強度より
大きくなると、該接合部に延性破断や脆性破壊が生じ
る。上述したように、H形鋼で構成された梁母材2のフ
ランジ2a,2aの柱5側端部に、補強板3,3,3,
3を設けると、大きなモーメントがかかる柱5と梁1と
の接合部の梁1の断面係数を大きくすることができる。
また、この補強板3,3,3,3に切欠部4,4,4,
4を設けると、この切欠部4,4,4,4部分で梁1の
断面係数が小さくなる。従って梁1の断面係数は図6に
示すようになり、梁1は図6における点Pで示す部分に
塑性変形位置が発生する、つまり梁1の切欠部4,4,
4,4で延性を示すようになる。このような梁1と柱5
により構成された鉄骨構造物が、外力を受けた場合、切
欠部4,4,4,4は降伏ヒンジとなり、変形して構造
物に作用する地震エネルギーを吸収する。
【0021】従って、梁母材2のフランジ2a,2a
に、補強板3,3,3,3を設けたことにより、梁1の
断面積を容易に調整できる、つまり、梁母材2全体を太
くすることなく、大きなモーメントがかかる部分のみを
太くして断面係数を大きくすることができるので、梁1
を経済的な設計で梁1の損傷を防止することができる。
また、この補強板3,3,3,3の柱5から略等しい距
離置換した位置に、切欠部4,4,4,4を設けて、断
面係数が小さい部分を設けたことにより、この切欠部
4,4,4,4が降伏ヒンジとなって鉄骨構造物の外力
による歪を吸収し、柱5と梁1との接合部の脆性破壊を
防止することができるとともに、梁母材2を切欠かない
ので、梁母材1の耐力も有効に利用することが可能とな
る。また、補強板3,3,3,3の幅を柱5から離間す
るに連れて徐々に狭くすることにより、切欠部4,4,
4,4以外で断面係数が急激に変化することがないの
で、応力の流れがスムーズとなり、確実に切欠部4,
4,4,4に応力を集中させることができる。また、補
強板3,3,3,3に切欠部4,4,4,4を設けるよ
うにしたことにより、降伏ヒンジをの設定位置を自由に
設定することが可能である。
【0022】また、図1(a)に破線で示すように、梁
に略円形の孔12,12を設けると降伏ヒンジを形成し
やすくなる。この孔12,12は、梁母材2の耐力をほ
とんど低下させない小さいもので良い。
【0023】<第二の実施の形態例>まず、構成を説明
する。上述した第一の実施の形態例と略同様に、図2
(a)〜(e)に示すように、梁1においては、H形鋼
で形成された梁母材2の柱5側の端部のフランジ2a,
2aの両端部に鋼板製の補強板3,3,3,3を溶接し
ており、補強板3,3,3,3はH形鋼の長手方向に長
尺に形成され、柱5側から略等しい距離に切欠部4,
4,4,4が設けられている。ここでも、切欠部4,
4,4,4は柱5から離間して設けられており、補強板
3,3,3,3は、切欠部4,4,4,4部分を除い
て、柱5側から離間するに連れて、徐々に幅が狭くなっ
ている。補強板3,3,3,3の縁部には補強材6が、
補強板3,3,3,3に対して略直角に設けられてい
る。
【0024】上述したように構成された梁1は、第一の
実施の形態例と同様に、大きなモーメントがかかる柱5
と梁1との接合部の梁1の断面係数が大きくなり、切欠
部4,4,4,4では断面係数が小さくなるので、切欠
部4,4,4,4は降伏ヒンジとなる。
【0025】従って、第一の実施の形態例と同様の効果
を得られる。また、補助板6を設けたことにより、さら
に梁1の断面積を調整し安くなり、かつ、鉄骨構造物の
耐震補強をより有効に行うことができる。
【0026】<第三の実施の形態例>まず、構成を説明
する。図3(a)〜(e)に示すように、梁1において
は、H形鋼で形成された梁母材2の柱5側の端部のフラ
ンジ2a,2aの表面に鋼板製の補強板7,7が溶接さ
れている。この補強板7,7は、H形鋼の長手方向に長
尺に形成され、かつ該H形鋼のフランジに長手方向に沿
って接合されており、柱5側から略等しい距離に切欠部
8,8,8,8が設けられている。ここで、切欠部8,
8,8,8は柱5から離間して設けられている。補強板
7,7の柱5との接合部側の幅は、梁母材2よりも広
く、コの字型となっており、フランジ2a,2aを覆う
ように溶接されている。ここで、切欠部8,8,8,8
は柱5から離間して設けられている。補強板7,7の梁
母材2への溶接が、工場内で行なわれ、梁1の柱5への
溶接が、現場で行なわれることで鉄骨構造物が構成され
ている。
【0027】上述したように、H形鋼で構成された梁母
材2のフランジ2a,2aの柱5側端部表面に、補強板
7,7を設けると、第一の実施の形態例と同様に大きな
モーメントがかかる柱5と梁1との接合部の梁1の断面
係数を大きくすることができ、切欠部8,8,8,8で
断面係数が小さくなる。したがって第一の実施の形態例
と同様に、梁1と柱5により構成された鉄骨構造物が外
力を受けた場合、切欠部8,8,8,8は降伏ヒンジと
なる。
【0028】従って、上述した第三の実施の形態例の梁
1によっても、第一の実施の形態例と同様の効果を得る
ことができる。
【0029】また、図3(a)に破線で示すように、梁
に小さな切欠部13,13を設けると降伏荷重を更にコ
ントロールしやすくなる。この場合、この切欠部13,
13は、補強板7に切欠部8,8が設けてあるため、従
来の梁に設ける切欠部よりも小さいもので良く、梁母材
2の耐性をほとんど低下させない。
【0030】<第四の実施の形態例>まず、構成を説明
する。上述した第三の実施の形態例と略同様に、図4
(a)〜(e)に示すように、梁1においては、H形鋼
で形成された梁母材2の柱5側の端部のフランジ2a,
2aの表面に鋼板製の補強板9,9を溶接しており、補
強板9,9は、H形鋼の長手方向に長尺に形成され、柱
5側から略等しい距離に切欠部10,10,10,10
が設けられている。ここでも、補強板9,9の柱5との
接合部側の幅は、梁母材2よりも広く、コの字型となっ
ており、フランジ2a,2aを覆うように溶接されてお
り、切欠部10,10,10,10は柱5から離間して
設けられている。切欠部10,10,10,10は、補
強板9,9の先端側に向かうにしたがって漸次内側に傾
斜する傾斜部11,11が形成されている
【0031】上述したように、H形鋼で構成された梁母
材2のフランジ2a,2aの柱5側端部表面に、補強板
9,9を設けると、第一の実施の形態例と同様に大きな
モーメントがかかる柱5と梁1との接合部の梁1の断面
係数が大きくなり、切欠部10,10,10,10部分
では断面係数が小さくなる。従って梁1の断面係数は図
7に示すようになり、梁1は図7における点Q〜点Rで示
す部分に塑性変形位置が分散して発生する、つまり切欠
部10の傾斜部11で延性を示すようになり、第一の実
施の形態例よりも降伏範囲が広く設定される。
【0032】従って、上述した第四の実施の形態例の梁
1は、第一の実施の形態例と同様の効果を得ることがで
き、また、傾斜部11,11を設けたことにより、降伏
範囲が広く設定されるため、塑性履歴によるエネルギー
吸収力がより優れる。
【0033】なお、以上の実施の形態例においては、第
二の実施の形態例において、補強材を、補強材と補強板
の断面視がT字状になるように、補強板に取り付けた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、断面視が
L字状になるように設けても良い。また、予め断面がT
字状またはL字状の鋼板を補強板として用いても良い。
また、第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例にお
いては切欠部を円弧状とし、第三の実施の形態例におい
ては切欠部をV字状としたが、第一の実施の形態例及び
第二の実施の形態例の切欠部をV字状とし、第三の実施
の形態例の切欠部を円弧状としても良い。また、第一の
実施の形態例及び第二の実施の形態例の切欠部を第四の
実施の形態例の切欠部と同様の形状としても良い。ま
た、梁のフランジには局部座屈を防止するため、適宜補
強リブを設けても良い。切欠部の設置位置等も任意であ
り、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更
可能であることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、梁の柱に
接合する端部のフランジに補強板を設けることにより、
梁の断面積を容易に調整できる。したがって、大きなモ
ーメントがかかる柱と梁との接合部分のみの断面積を大
きくすることができ、柱と梁との接合部を補強して破断
を防止することができる。また、この補強板に切欠部を
設けたことにより、梁に延性持たせることができる。ま
た、梁を切欠かないので本来の梁の耐力を保持し、有効
に利用することができる。
【0035】請求項2記載の発明によれば、請求項1の
発明と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
H形鋼の長手方向に長尺に形成した補強板を、フランジ
の両縁部に長手方向に沿って接合し、この補強板を含む
梁の幅を切欠部を除いて柱から離間するに従って、次第
に狭くなることにより、切欠部以外で梁の幅が急激に変
化しないので、応力の流れがスムーズとなり、切欠部の
みに応力を集中させることができる。また、切欠部の設
置位置を自由に設定でき、設計の自由度を増すことがで
きる。
【0036】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2の発明と同様の効果を得ることができるのは勿論
のこと、補強板の縁部に、補強材を補強板に対して略直
角に設けたことにより、梁の断面積を容易に調整可能と
することができ、また建物の耐震補強をより有利に行う
ことができる。
【0037】請求項4記載の発明によれば、請求項1の
発明と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
補強板を長手方向に長尺に形成し、H形鋼のフランジの
表面に長手方向に沿って接合したので、切欠部の設置位
置を自由に設定でき、設計の自由度を増すことができる
と共に、フランジの両縁部に補強板を接合する場合に比
して、補強板の接合が容易になる。
【0038】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜
4のいずれかの発明と同様の効果を得ることができるの
は勿論のこと、それぞれの切欠部を補強板の柱側の端部
から略等しい距離に形成することにより、切欠部で梁の
断面積を効率的に小さくすることができ、降伏ヒンジを
形成することができる。
【0039】請求項6記載の発明によれば、請求項5の
発明と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
切欠部に、補強板の先端に向かうにしたがって漸次内側
に傾斜する傾斜部を形成することにより、降伏範囲を広
く設定することができ、塑性履歴によるエネルギー吸収
力を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第一の実施の形態例の梁の構
造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、
(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中の
B−B断面図、(e)は(a)中のC−C断面図であ
る。
【図2】本発明を適用した第二の実施の形態例の梁の構
造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、
(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中の
B−B断面図、(e)は(a)中のC−C断面図であ
る。
【図3】本発明を適用した第三の実施の形態例の梁の構
造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、
(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中の
B−B断面図、(e)は(a)中のC−C断面図であ
る。
【図4】本発明を適用した第四の実施の形態例の梁の構
造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、
(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中の
B−B断面図、(e)は(a)中のC−C断面図であ
る。
【図5】鉄骨構造物における梁にかかるモーメントを示
す図である。
【図6】第一の実施の形態例における梁の断面係数とモ
ーメントを示す図である。
【図7】第四の実施の形態例における梁の断面係数とモ
ーメントを示す図である。
【符号の説明】
1 梁 2 梁母材 2a フランジ 3,7,9 補強板 4,8,10 切欠部 5 柱 6 補強材 11 傾斜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 敏雄 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 宮木 聡 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱に、梁としてH形鋼を接合した鉄骨構造
    物の柱・梁接合構造であって、 前記H形鋼の前記柱に接合する端部のフランジには、補
    強板が設けられており、 この補強板の縁部には、切欠部が形成されていることを
    特徴とする鉄骨構造物の柱・梁接合構造。
  2. 【請求項2】前記補強板は、前記H形鋼の長手方向に長
    尺に形成され、かつ該H形鋼のフランジの両縁部に長手
    方向に沿って接合されており、 前記補強板を含む梁の幅が、前記切欠部を除いて前記柱
    から離間するに従って漸次小さくなっていることを特徴
    とする請求項1記載の鉄骨構造物の柱・梁接合構造。
  3. 【請求項3】前記補強板の縁部には、補強材が該補強板
    に対して略直角に接合されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の鉄骨構造物の柱・梁接合構造。
  4. 【請求項4】前記補強板は、前記H形鋼の長手方向に長
    尺に形成され、かつ該H形鋼のフランジの表面に長手方
    向に沿って接合されていることを特徴とする請求項1記
    載の鉄骨構造物の柱・梁接合構造。
  5. 【請求項5】前記補強板の両縁部にそれぞれ切欠部が、
    前記柱側の端部から略等しい距離に形成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鉄骨構造
    物の柱・梁接合構造。
  6. 【請求項6】前記切欠部には、補強板の先端側に向かう
    にしたがって漸次内側に傾斜する傾斜部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の鉄骨構造物の柱・梁
    接合構造。
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