JP2750042B2 - 柱梁接合部の補強構造 - Google Patents

柱梁接合部の補強構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柱梁接合部の梁端溶接部
の割れによる破壊を防ぐことを目的とする補強構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物の骨組を構成する柱や梁、あるい
は基礎に用いられる杭等において、大きな曲げモーメン
トを受ける部分にスティフナーあるいは補強リブを設け
て補剛したり、部材として座屈を生じる恐れがある場合
に、剛性を上げるための補強リブ等を設けることは一般
に行われている。このような従来の補強リブによる座屈
補剛においては、補強リブを所要間隔で設け、実質的な
座屈長さを短くすることにより、座屈に対する強度向
、すなわち座屈荷重を大きくすることを図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耐震設計上、梁は大き
な繰り返し塑性変形を受けることが考えられ、圧縮側フ
ランジの局部座屈と変形能力が問題となる以外に、柱梁
接合部が溶接である場合、引張側フランジの梁端溶接部
の割れが重大な問題となる。
【0004】これに対し、従来の座屈補剛を目的として
設けられているスティフナーは、梁端溶接部の応力低減
には寄与しないため、梁の局部座屈に先行して梁端溶接
部が破壊する可能性がある。
【0005】本発明は従来の溶接による柱梁接合部につ
いて、上述のような問題点の解決を図ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の補強構造では、
柱梁接合部の梁端溶接部の引張りによる割れを防ぐ目的
で、梁の材端部に梁フランジに近接させて引張抵抗材を
設ける。
【0007】引張抵抗材は、例えば梁の材端近傍の上下
フランジ間に固定した板状の定着部材と柱とを連結する
ボルトであり、繰り返し力を想定して、上下フランジ側
にそれぞれ平行に設けるか、場合によってはいずれか一
方でもよい。また、柱の両側に梁がある場合には、梁の
材端から所定間隔をおいた位置の上下フランジ間に板状
定着部材を固定し、柱を貫通する長尺の引張抵抗材に
より、両側の梁の定着部材どうしを連結してもよい。
【0008】さらに、別の態様としては、梁端に近い部
分に縦スティフナー等の形で上下フランジ間に板状の
着部材を固定して並べ、この間を上下あるいは上下いず
れか一方に、フランジと平行に配したボルト等の引張抵
抗材で連結することで、梁端溶接部の割れを防止するこ
とができる。この区間では、梁のフランジと平行に引張
抵抗材を設けたことで、曲げの中立軸が引張側に近づ
き、曲げによる引張ひずみが圧縮ひずみに比べ小さくな
る。この影響は、梁端溶接部にも及び、割れが生じ難く
なる。なお、この場合の引張抵抗材を配した区間と梁端
接合部までの距離は、小さいほど効果的であり、ある程
度離すこともできるが、その距離は梁のフランジ幅程
が望ましい。
【0009】以上の各態様において、引張抵抗材として
ボルトを用い、ボルトをナットで締め付けることによ
り、定着部材と柱、あるいは定着部材どうしを連結する
形式では、ボルトは引張力のみに抵抗し、圧縮力には抵
抗しない。また、連結区間について、ナットの締め込み
等により、プレストレスを与えることもできるが、プレ
ストレスは導入しなくてもよい。
【0010】定着部材としては、上下フランジ間に設け
た板状の縦スティフナー等を用いることができる。ある
いは、フランジ近傍に設けたリブプレート等でもよく、
特に限定されない。
【0011】また、引張抵抗材については、ボルトに限
定されず、例えば平板棒鋼等を用いることもできる。本
発明における引張抵抗材は、圧縮側の力を分担する目的
でないため、平板棒鋼の両端が定着部材と固定される場
合には、梁のウェブとは接合しない形としたり、板厚を
薄くする等して座屈を早期に生じさせるようにすること
で、曲げの中立軸を引張側に近づけた状態とすることが
できる。
【0012】なお、梁端部で大きく塑性に入ってから
も、引張ひずみを抑える目的で、これらボルト、平板棒
鋼等の引張抵抗材を高張力鋼とすることは有効である。
【0013】一方、本発明の補強構造では、曲げ中立軸
が引張側フランジに近づき、引張ひずみが小さくなるの
に比べ、圧縮ひずみは大きい。この点に関しては、材端
部で塑性化しやすいこの区間について、圧縮フランジの
局部座屈に伴う梁の変形性能を、補強ないしは補剛の形
で改善することが考えられる。
【0014】その手段の一つとしては、この区間に縦ス
ティフナーを狭い間隔で配し、圧縮フランジの耐力劣化
を抑える方法がある。なお、縦スティフナーの代わりに
梁のフランジ、ウェブ間の隅角部にリブプレートを配し
てもよい。また、他の手段としては、梁のウェブを補強
ないし補剛して、耐力劣化し難い良好な塑性ヒンジを形
成するようにする方法がある。
【0015】
【実施例】以下、図示した実施例について説明する。
【0016】図1(a) ,(b) は本発明の補強構造の一実
施例を示したもので、柱梁接合部において、梁2の材端
溶接部の割れを防ぐ目的で、梁2に設けた定着部材とし
ての縦スティフナー3と、柱1のフランジ1bとを、梁
2の上下フランジ2b,2cに近接させた引張抵抗材と
してのボルト4で連結し、ナット5で止め付けている。
【0017】地震等の繰り返し力が作用した場合、梁2
の曲げにより、上下フランジ2b,2cに近接したボル
ト4には、引張力と圧縮力が交互に生じるが、ボルト4
は引張に対してのみ抵抗し、圧縮に対しては実質的に抵
抗しない。従って、この部分で梁2の中立軸は引張側に
近づき、単に断面が増した以上に、引張側のフランジ2
b(または2c)における引張応力が低減され、従って
引張ひずみを小さく抑えることができる。
【0018】なお、本実施例は柱1、梁2ともH形鋼の
場合であり、ボルト4は梁2のウェブ2aの両側のそれ
ぞれ上下に配している。柱1については、角形鋼管柱等
の場合にも適用でき、その場合は、梁2の縦スティフナ
ー3と角形鋼管柱の管壁をボルト4で連結すればよい。
図中、6は梁2の端部に設けた溶接用の開先である。
【0019】図2(a) ,(b) は本発明の補強構造の他の
実施例を示したもので、角形鋼管柱1の両側に溶接した
梁2の端部所定位置に、定着部材としての縦スティフナ
ー3を設け、これらを柱1を貫通する長尺ボルト7で連
結したものである。
【0020】図3(a) ,(b) は本発明のさらに他の実施
例を示したもので、梁2の材端近傍に所定間隔をおいて
並立する縦スティフナー3a,3bを設け、梁2の上下
フランジ2b,2cと平行にボルト4を配している。図
1(a) ,(b) 、図2(a) ,(b) の実施例の場合と同様、
圧縮側のボルトは軸力を負担しないため、この部分にお
いて梁2の中立軸が引張側に移動し、引張側のひずみを
小さく保つ。従って、図に示すように、梁端部とボルト
4を配した部分とが十分近ければ、梁端接合部にも影響
し、引張による溶接部の割れを防ぐことができる。
【0021】図4(a) ,(b) はボルトに代え、平板棒鋼
を配した例を示したものである(ただし、異なる実施例
を図の左側と右側に分けて、同じ図で示している)。図
の左側は引張抵抗材としての平板棒鋼8を梁2のウェブ
2aとは縁を切って配し、ある程度以上で圧縮座屈する
ようにして、圧縮応力の負担を意図的に小さくしたもの
である。また、右側は引張抵抗材としての平板棒鋼9を
ウェブ2aと縁を切らず、横スティフナーの形で配した
ものであるが、同様の理由から板厚を薄くすることで、
圧縮座屈するようにし、圧縮応力の負担を小さくしたも
のである。これらの平板棒鋼8,9については、高張力
鋼を使えばより効果的である。
【0022】以上述べた本発明の実施例においては、ボ
ルトや平板棒鋼からなる引張抵抗材を配したことで、引
張ひずみは小さくなるものの、代わりに圧縮ひずみは大
きくなる。この点に関しては、早く塑性化する領域が引
張抵抗材を配した近傍であるため、この部分について、
塑性変形性能を改善するよう工夫することができる。
【0023】図5(a) ,(b) はその一例を示したもの
で、図3(a) ,(b) の実施例に対応する補強構造におい
て、ボルト4配設区間に縦スティフナー10を小間隔で
設けることで、梁2を補強し、この部分の変形性能を改
善している。
【0024】図6(a) ,(b) はもう一つの例を示したも
ので、図1(a) ,(b) の実施例に対応する補強構造にお
いて、ボルト4配設区間のウェブ2aをプレート11で
補強したものである。この場合、プレート11はウェブ
2aに溶接してもよいが、例えばルーズホールに通した
ボルトでウェブ2aに止め付け、ウェブ2aの面外方向
の変形を拘束し、この部分での梁2の塑性変形能力を向
上させることも可能である。
【0025】
【発明の効果】 本発明の補強構造によれば、溶接による柱梁接合部
において、曲げによる梁の局部座屈に先行して、梁端溶
接部が破壊するのを効果的に抑制することができる。
【0026】 上記に関連して、梁の塑性変形能力
を向上させることができ、また塑性変形を考慮した設計
が可能となる。
【0027】 補強部材は全てあるいは一部を予め梁
に取り付けておくことができ、現場での作業性やコスト
に与える影響も少なく、合理的かつ経済的な補強構造で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示したもので、(a) は正面
図、(b) は水平断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示したもので、(a) は鉛
直断面図、(b) は水平断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例を示したもので、
(a) は正面図、(b) は水平断面図である。
【図4】引張抵抗材として平板棒鋼を用いた実施例を示
したもので、(a) は正面図、(b) は水平断面図である。
【図5】圧縮側のひずみ増加に対処する手段の一例を示
したもので、(a) は正面図、(b) はそのA−A断面図で
ある。
【図6】圧縮側のひずみ増加に対処する手段の他の例を
示したもので、(a) は正面図、(b) はそのB−B断面図
である。
【符号の説明】
1…柱、2…梁、3…スティフナー、4…ボルト、5…
ナット、6…開先、7…長尺ボルト、8,9…平板棒
鋼、10…スティフナー、11…プレート

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱に対し、ウェブの上下にフランジを有
    する梁の端部を溶接により接合してなる柱梁接合部にお
    いて、前記梁の材端から所定間隔をおいた位置の上下フ
    ランジ間に固定した板状の定着部材前記柱とを、前記
    梁のフランジに近接して長手方向に延びる引張抵抗材で
    連結したことを特徴とする柱梁接合部の補強構造。
  2. 【請求項2】 前記引張抵抗材は前記柱を構成する板要
    素及び前記定着部材を貫通するボルトである請求項1記
    載の柱梁接合部の補強構造。
  3. 【請求項3】 柱に対し、ウェブの上下にフランジを有
    する梁の端部を溶接により接合してなる柱梁接合部にお
    いて、前記梁の材端部の上下フランジ間に該梁の長手方
    向に互いに所定間隔をおいて固定した板状の定着部材ど
    うしを、前記梁のフランジに近接して長手方向に延びる
    引張抵抗材で連結したことを特徴とする柱梁接合部の補
    強構造。
  4. 【請求項4】 柱に対し、ウェブの上下にフランジを有
    する梁の端部を溶接により接合してなる柱梁接合部にお
    いて、前記柱を挟んで両側に位置するそれぞれの梁の材
    端から所定間隔をおいた位置の上下フランジ間に固定し
    た板状の定着部材どうしを、前記柱を貫通し、前記梁の
    フランジに近接して長手方向に延びる引張抵抗材で連結
    したことを特徴とする柱梁接合部の補強構造。
  5. 【請求項5】 前記引張抵抗材は前記定着部材を貫通す
    るボルトである請求項3または4記載の柱梁接合部の補
    強構造。
  6. 【請求項6】 前記引張抵抗材を設けた区間には、前記
    梁のウェブに対し、補剛プレートを添接してある請求項
    1、2、3、4または5記載の柱梁接合部の補強構造。
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