JP2001207466A - 貯槽の基礎 - Google Patents

貯槽の基礎

Info

Publication number
JP2001207466A
JP2001207466A JP2000024814A JP2000024814A JP2001207466A JP 2001207466 A JP2001207466 A JP 2001207466A JP 2000024814 A JP2000024814 A JP 2000024814A JP 2000024814 A JP2000024814 A JP 2000024814A JP 2001207466 A JP2001207466 A JP 2001207466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support layer
foundation
storage tank
bottom plate
lower support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000024814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4482191B2 (ja
Inventor
Koji Ishii
宏治 石井
Takashi Mochizuki
隆 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishii Iron Works Co Ltd
Original Assignee
Ishii Iron Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishii Iron Works Co Ltd filed Critical Ishii Iron Works Co Ltd
Priority to JP2000024814A priority Critical patent/JP4482191B2/ja
Publication of JP2001207466A publication Critical patent/JP2001207466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4482191B2 publication Critical patent/JP4482191B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use

Landscapes

  • Foundations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基礎の弾力性を維持し、底板裏面の耐食性
が得られ、耐久性を向上した貯槽の基礎とする。 【解決手段】 貯槽を支持する基礎は、最下部の水平
版状の底基版と、該底基版の外周を囲む側基版と、該側
基版に囲まれた内側の底基版上に設けた下部支持層と、
該下部支持層の上部に設け、周縁を上記側基版の内壁面
に固定した防水性を有する可撓膜体と、該可撓膜体の上
部に設けた、腐食成分を含有しない弾力性を有する上部
支持層とで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水泳用プール、
貯水槽、石油タンク等、各種液体を貯留する貯槽を支持
する基礎に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種液体を貯留する貯槽のうち、水を貯
留する水泳用プールを例にして、その基礎の従来技術に
ついて、図4に基づいて説明する。
【0003】図4に示すように、水泳用のプール21本
体は、プール水22を貯留するように底板23と側板2
4とから液密箱形に形成され、側板24の上端縁周囲に
は溢流溝25及びプールデッキ26などが設けられてい
る。
【0004】上記の底板23及び側板24は、例えば、
鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材料、或い
は繊維強化プラスチックスなどの合成樹脂材料等からな
る薄い平板材を用いて、溶接や溶着などによって一体に
接合されている。
【0005】側板24の下部を支える側基版28は、コ
ンクリートなどで剛構造の厚い立て壁状に形成されてお
り、側板24はこの側基版28上面に垂直に立設固定さ
れ、その側板24の外周はアングル材やチャンネル材な
どの形鋼材からなる側支持材27によって支えられてい
る。
【0006】底板23下部の基礎31は、上記側基版2
8に外周を囲まれた内側に設けられており、コンクリー
トで水平な床板に形成するか、或いは割り石を並べ砂利
を敷き固め、その上に捨てコンクリートを施工するかし
て設けた最下部の底基版29と、この底基版29の上部
に設けた支持層30とから形成されている。
【0007】上記基礎31に設ける支持層30には、一
般に、貯槽本体を弾力的に支えるのに必要な厚さであ
る、例えば、厚さ10センチメートルから60センチメ
ートル程度の厚い層の基礎砂が用いられており、プール
水22などの荷重変動を受けたとしても、たわみや変形
などを生じる底板23と良くなじんで追従するととも
に、基礎砂の粒子間の空隙の変動によって弾力性が得ら
れるように形成されている。この支持層30に使用され
る基礎砂は、一般的には安価で入手し易い山砂、川砂な
どが用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図4に示すような従来
の基礎31では、その支持層30に使用されている一般
的な基礎砂は、粉体のように極めて細かい土や粘土、或
いは微く細かい粒子の砂を多く含む場合があるため、長
期間使用していると圧密され固まって弾力性が低下し
た。そのため、支持層30は、プール水22などの荷重
変動によって変形する底板23に追従し難くなってい
た。
【0009】また、基礎砂中には、例えば、塩素イオン
や硫酸イオンなどの腐食を助長する成分が多く含まれて
いたり、土や有機物などの不純物や水分などが多く含ま
れている場合があり、プール21本体を、鉄、アルミニ
ウム、ステンレス鋼などの金属材料で形成した場合に
は、上記基礎砂と接触している底板23の裏面に腐食が
進行するおそれがあった。殊に、ステンレス鋼材を使用
した場合には、底板23の溶接部裏面の溶接熱影響部
は、溶接による高い熱によって、クロムなどの耐食性を
有する含有成分が結晶粒子間に析出してしまうために、
均一な耐食性能が低下し、この溶接部近傍に局部的な腐
食が進行する傾向があった。そして、腐食によって底板
23に孔が明いてプール水22が漏洩した場合には、こ
の漏洩したプール水22は支持層30内に滞留し、底板
23の腐食をさらに助長した。そのため、屋内プールな
どのように、プール21の下部や周囲に構築物がある場
合には、浸水による被害を及ぼす心配もあった。
【0010】上記のように、圧密され固まって弾力性が
低下した基礎31、或いは金属製材料よりなる底板23
の裏面に腐食が進行して孔が明いた既設のプール21
は、基礎31の改修、或いは底板23の補修や取替えが
必要となった。
【0011】そして、既設のプール21の基礎31を改
修する際には、大量で大重量の支持層30の基礎砂を搬
出し、古く汚れた基礎砂を産業廃棄物として処分する必
要が生じ、この大量の産業廃棄物処理は自然環境保護の
面からも問題があった。また、清浄堅硬、耐久的で、土
や有機物などの不純物が含まれない新規の、大量で大重
量の基礎砂等を搬入して敷設するためには、多くの手間
と経費がかかった。
【0012】この発明の目的は、上述のような従来技術
が有する問題点に鑑みてなされたもので、基礎の弾力性
を維持し、底板裏面の耐食性が得られ、耐久性を向上し
た貯槽の基礎とするものである。また、既設の貯槽の基
礎においては、既設の基礎全体を取り替えることなく、
上層の一部のみを簡単容易に取り替えて、耐久性に優れ
た基礎に改修するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る貯槽を支
持する基礎は、最下部の水平版状の底基版と、該底基版
の外周を囲む側基版と、該側基版に囲まれた内側の底基
版上に設けた下部支持層と、該下部支持層の上部に設
け、周縁を上記側基版の内壁面に固定した防水性を有す
る可撓膜体と、該可撓膜体の上部に設けた、腐食成分を
含有しない弾力性を有する上部支持層とで形成したもの
である。
【0014】また、上記上部支持層は、堅硬、耐久的
で、不純物を含まず、粒子間の空隙で弾力性を有する通
称7号砕石などの上部支持材で形成したものである。
【0015】また、上記下部支持層は、軽量、耐久的
で、弾力性を有する合成樹脂発泡材などの下部支持材で
形成したものである。
【0016】また、上記可撓膜体は、自然勾配をもたせ
て設置し、その最も低い箇所に排液口を設けたものであ
る。
【0017】また、既設の基礎の一部を改修して上記貯
槽の基礎に形成したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明に係る貯槽の基礎につい
て、水を貯留する水泳用プールの基礎を事例として、図
1乃至図3に基づいて説明する。
【0019】図1は、水泳用プールの基礎の実施形態例
を示す側断面説明図で、図2は、図1の一部を拡大した
ものである。
【0020】プール1本体の底板3と側板4は、例え
ば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材料、
或いは繊維強化プラスチックスなどの合成樹脂材料等か
らなる薄い平板材を用いて、溶接や溶着などによって一
体に接合して液密箱形に形成する。なお、5はプール水
2の溢流溝、6はプールデッキである。
【0021】側板4の下部を支える側基版8は、コンク
リート体などからなる剛構造で厚い壁状に形成し、側板
4は、その側基版8の上面に載置して立設し、その側板
4の外周は、アングル材やチャンネル材などの形鋼材な
どからなる側支持材7によって垂直に支えている。
【0022】底板3を支持する基礎10は、上記側基版
8に外周を囲まれた内側に設けられており、最下部の水
平版上の底基版9と、この底基版9上に設けた下部支持
層11と、この下部支持層11の上部に設け、周縁を上
記側基版8の内壁面に固定した防水性を有する可撓膜体
12と、この可撓膜体12の上部に設けた、腐食成分と
含有しない弾力性を有する上部支持層13とで形成す
る。
【0023】基礎10の最下部に設ける底基版9は、建
築物内部の屋内プール等の場合などでは、鉄筋コンクリ
ート等の水平版状の床体に形成し、或いは地面設置の屋
外プール等の場合などでは、割り石を並べ砂利を敷き固
めてその上に捨てコンクリートを打設して水平版状の剛
構造体に形成する。
【0024】上記底基版9の上部に設ける下部支持層1
1は、例えば、一般に安価で入手し易い山砂や川砂など
の基礎砂を使用する。このような基礎砂を使用した下部
支持層11は、弾力性を有するとともに引き締まった支
持層となる。また、下部支持層11として、例えば、J
IS A5001「道路用砕石」に規定されている単粒
度砕石のうち、粒度2.5ミリメートル乃至5ミリメー
トル程度の呼び名S−5(7号)の単粒度砕石、つま
り、通称7号砕石を使用するか、或いは、JISA50
05「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定されている
砕砂、つまり、粒度5ミリメートル以下の砕砂などを使
用した場合には、堅硬、耐久的で、薄い石片、細長い石
片、或いは、ごみ、泥、有機物などの不純物を含有して
いないので、上記一般的な基礎砂よりも粒子間の空隙が
多く弾力性も向上する。
【0025】また、下部支持層11として、合成樹脂を
発泡して形成した下部支持材、例えばポリスチレンフォ
ームのボード材などの下部支持材を使用した場合には、
軽量で、耐久性があり、均質化と高い空隙率、弾力性の
向上、基礎の軽量化などが図られる。このように、下部
支持層11を軽量化した場合には、その下部を支える底
基版9にかかる重量負担が軽減され、底基版9となる支
持床の強度を低減することができるので、建築物の屋内
や屋上などに設けるプール1の基礎10に適した構造と
なる。この場合、可撓膜体12の上下に設ける支持層1
1,13に弾力性があっても、可撓膜体12は柔軟に対
応できるので、底板3に無理な荷重や拘束力がかからず
優しく対応することができる。
【0026】上記下部支持層11上面に展設する可撓膜
体12は、水を通過させない防水性を有する材料、例え
ばエチレン・プロピレンゴムやブチルゴムなどの合成ゴ
ム系の材料、塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂
などの合成樹脂系の材料、或いは布地等の基布の上下面
に防水加工した材料などで、厚さ0.5ミリメートルか
ら数ミリメートル程度、幅は数十センチメートルから数
メートル程度の定尺で、長さは数十メートル程度に連続
する可撓性を有するシート体を使用する。
【0027】上記シート体よりなる可撓膜体12を下部
支持層11の上面に展設し、シート体同士の周縁は数セ
ンチメートルから数十センチメートル程度重ね合わせ
る。そしてこの重ね合わせ箇所は、例えばブチルゴム
系、クロロプレンゴム系、或いはアクリル樹脂系などの
接着剤の中から、上記シート体の材質に適応して接着性
能に優れる接着剤を選択して液密に接合する。
【0028】可撓膜体12の周縁部は、例えば図2に示
すように、折り曲げて側板4直下の側基版8の内壁面に
沿って延長し、垂直上方向に立ち上げる。そして、例え
ばステンレス鋼板等の金物などの薄い平板、つまり、複
数のアンカー取付孔を設けてなる帯状の押え板14を、
上記立ち上げ部に当てて密接させ、例えばホールインア
ンカー等の取付部材15を側基版8の内壁面に埋め込
み、この先端のナットを締め付けて固定する。或いは、
図示はしないが、可撓膜体12の周縁部を側基版8の上
表面まで延長して折り込み、その上に底板3を載置する
ように形成すると、可撓膜体12の周縁部の固定がやり
易く液密性も向上する。なお、これらの可撓膜体12周
縁の固定部には、例えば合成ゴム系プライマー、合成ゴ
ム系接着剤、モルタルや合成樹脂系充填剤、ゴム系やシ
リコーン系のシーリング材などを施工すると、より接着
性と液密性が向上する。
【0029】上記のように形成した可撓膜体12は、上
下支持層11,13間を液密に保ち、水分などが上下方
向に移動するのを遮断する。また、可撓膜体12の可撓
性能などによって自由に伸縮しかつ上下動して、プール
水2の出入りなどによる荷重変動に伴う底板3のたわみ
や繰返し変形、上下支持層11,13の動きなどに対し
て自在に追従するため、破れたり老化などすることなく
耐久性及び液密性を維持する。
【0030】上記可撓膜体12の上部に設ける上部支持
層13は、例えば、前記詳述した通称7号砕石や砕砂な
ど、堅硬、耐久的で、薄い石片や細長い石片、或いは、
ごみ、泥、有機物などの不純物を含まない、均一な材質
で粗い粒子状の上部支持材を用いる。このような7号砕
石など粗い粒子状の上部支持材は、粒子の表面が鋭角な
凹凸状となっており粒子間には空隙が多く、荷重が増加
すると複雑に噛み合ってその空隙を徐々に埋めるように
体積変化し、また荷重が減少すると体積が復元する。よ
って、このような上部支持材を用いた上部支持層13
は、プール水2などの荷重の増減によって変形する底板
3によく追従し、弾力的に変位を吸収するため、長期間
にわたって耐久性を維持することができる。また、上記
7号砕石などの上部支持材を用いて形成した上部支持層
13には、塩素イオンや硫酸イオン、水分、土や有機物
など、腐食を助長する成分や不純物が殆ど含まれていな
いので、上面に施工する金属製の底板3裏面の腐食防止
が図られる。
【0031】なお、7号砕石などの上部支持材を用いた
上部支持層13は、その上面に底板3を施工する際に、
下部の可撓膜体12に溶接熱を伝達することなく保護
し、可撓膜体12を焼いたり損傷することがない。ま
た、空隙の多い上部支持層13は、溶着熱を吸収分散し
て溶接部近傍の高温による劣化を防止する役割をも併有
する。
【0032】図3は、水が自然に流れる傾斜角度を備え
た勾配、つまり自然勾配を得るように、可撓膜体12を
下部支持層11の上面に展設し、プール底部の排水溝1
6の近傍など、最も低い箇所の可撓膜体12の上部に、
排液口17,17を設けたものである。この排液口17
は、例えば集水孔を多数設けた配管材、或いは半割りの
パイプ材などを用いて、その配管材などの終端部を延出
して形成し、この排液口17から水を外部へと排出す
る。
【0033】このように排液口17を設けたものにあっ
ては、万一、底板3からプール水2が上部支持層13内
に漏洩した場合に、その漏洩の発見が早く、漏洩水を滞
留させることなく早急に外部へと排出することができ
る。また、可撓膜体12に遮蔽された上部の上部支持層
13内の通気性及び排液性が良くなり、上部支持層13
内をよく乾燥した状態に維持することが可能となる。よ
って、構築物の屋内や屋上等にプール1を設ける場合に
は、上記排液口17を設けることによって、下方の階へ
結露水や漏洩水が浸透する心配もなくなる。
【0034】既設プールの基礎を改修する場合につい
て、次に詳述する。一般に、既設の基礎は、厚さ10セ
ンチメートル乃至60センチメートル程度の基礎砂の支
持層が施工されている。長期間使用され、圧密硬化し弾
力性が低下した既設の基礎、或いは底板裏面の腐食が進
行した既設の基礎は、古い基礎砂の支持層を搬出して、
前記詳述したように、上下支持層11,13、及びその
間に可撓膜体12などを設けた、新規の基礎10に改修
し、新規の底板3を施工する。
【0035】或いは、既設の基礎の全部を取り替えるこ
となく、既設支持層の表層の一部分、つまり底板3を優
しく支持できる程度の厚さ、必要最小限の厚さの層を取
り替え改修する。この場合には、例えば、厚さ2センチ
メートル乃至10センチメートル程度だけ表層を薄く掻
き取り、残余の既設支持層の上面に可撓膜体12を展設
し、その上部に前記した7号砕石などの上部支持材を施
工し新規の上部支持層13とする。
【0036】このように、既設の厚い基礎砂の支持層を
全量交換することなく、表層の一部分だけ取り替え改修
する場合には、大量で大重量の古い基礎砂を搬出する必
要がなく、また大量で大重量の新規の上部支持層13を
搬入施工することもない。また、古く汚れた基礎砂の産
業廃棄物処理などが少なくなり、自然環境の保護の観点
からも優れている。そして、基礎を改修する工期が短縮
化され、経済性も向上する。
【0037】上記改修した基礎は、可撓膜体12によっ
て、既設の支持層に含まれる腐食性成分を含有する基礎
砂と遮断され、塩素イオンや硫酸イオン、水分など腐食
性成分等の上昇が阻止され、また下部の基礎砂と混合す
ることもないため、金属製の底板3の裏面腐食が防止さ
れる。そして、可撓膜体12を介して新規の上部支持層
13が設けられているため、底板3のたわみや変形に追
従し、弾力性及び耐久性に優れたプールの基礎となる。
【0038】なお、上記詳述した金属製のプール1の他
に、繊維強化プラスチックスなどの合成樹脂材料等から
なる薄い平板を用いて、溶着などで一体に接合して底板
3を形成したプール1などの場合には、底板3の裏面腐
食の心配はないが、基礎が圧密硬化して上部の底板3と
の接触性が低下するなどの支障が生じる場合などには、
上記のように、既設の基礎の上部に可撓膜体12及び上
部支持層13を設けることによって、弾力性、耐久性に
優れた基礎10に改修することができる。
【0039】また、上記実施形態例は、水を貯留する水
泳用プールの基礎について詳述したが、水や石油などの
液体を貯留する貯槽など、液荷重の変化や温度変化など
を受けて、たわんで繰返し変形する薄い平板状の底板を
有し、基礎砂などを用いて形成される可撓性を有する基
礎についても、同様に適用することができることは言う
までもない。
【0040】
【発明の効果】上述の説明で明らかなように、この発明
に係る貯槽の基礎は、最下部の水平版状の底基版と、該
底基版の外周を囲む側基版と、該側基版に囲まれた内側
の底基版上に設けた下部支持層と、該下部支持層の上部
に設け、周縁を上記側基版の内壁面に固定した防水性を
有する可撓膜体と、該可撓膜体の上部に設けた、腐食成
分を含有しない弾力性を有する上部支持層とで形成した
ので、可撓膜体は下部支持層及び上部支持層の変形に容
易に追従するとともに、水分及び腐食性成分の通過を遮
断し、上部支持層は弾力性を有し、腐食性成分を含有し
ないため、底板にかかる荷重を弾力的に支持し、かつ底
板裏面の耐食性が得られ、耐久性に優れた基礎とするこ
とができる。
【0041】また、上記上部支持層を、堅硬、耐久的
で、不純物を含まず、粒子間の空隙で弾力性を有する通
称7号砕石などの上部支持材で形成した基礎にあって
は、上部支持材には空隙効果による弾力性があり、また
腐食性成分が含まれることなく底板裏面の耐食性が得ら
れるため、一層耐久性に優れた基礎となる。
【0042】また、上記下部支持層を、軽量、耐久的
で、弾力性を有する合成樹脂発泡材などの下部支持材で
形成した基礎にあっては、下部支持材は軽量であるた
め、建築物の屋内や屋上等に設けるプールの基礎に適す
る。また、上部支持層に設けた上部支持材の弾力性と相
まって柔軟性が向上し、より優しく底板を支え、軽量で
耐久性のある構造体となる。
【0043】また、上記可撓膜体に自然勾配をもたせて
設置し、その最も低い箇所に排液口を設けた基礎にあっ
ては、万一、上部支持層内に貯留液などが侵入した場合
には、その発見が早く、可撓膜体に遮蔽された上部の上
部支持層内の排液性が良いため、下部支持層及びその下
方に貯留液が浸透することもない。
【0044】さらにまた、既設の基礎の一部を改修して
形成した基礎では、既設の基礎砂支持層を全量交換する
必要がなく、大量で大重量の古い基礎砂の搬出、大量の
新規上部支持層の搬入施工、産業廃棄物処理量が少なく
なり、自然環境保護の観点からも優れており、工期も短
縮化され、経済性が向上する。そして、展設した可撓膜
体によって、腐食性成分や水分等を含有する下部の既設
支持層の基礎砂と遮断され、上部の新規支持層への腐食
性成分等の上昇と混合が阻止されるため、底板裏面の腐
食が防止される。また、改修した基礎は、弾力性、耐食
性を有し、耐久性に優れた貯槽の基礎となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る貯槽の基礎の実施形態例で、
水を貯留する水泳用プールの基礎の場合を示す垂直断面
説明図である。
【図2】 図1の一部を拡大して示す説明図である。
【図3】 この発明に係る貯槽の基礎の他の実施形態例
で、水を貯留する水泳用プールの基礎について、自然勾
配をもたせて展設した可撓膜体の上部に、排液口を設け
た場合を示す一部を断面とした斜視説明図である。
【図4】 従来の貯槽の基礎として、水を貯留する水泳
用プールの基礎の場合を示す一部を断面とした斜視説明
図である。
【符号の説明】
1 プール 2 プール水 3 底板 4 側板 5 溢流溝 6 プールデッキ 7 側支持材 8 側基版 9 底基版 10 基礎 11 下部支持層 12 可撓膜体 13 上部支持層 14 押え材 15 取付部材 16 排水溝 17 排液口 21 プール 22 プール水 23 底板 24 側板 25 溢流溝 26 プールデッ
キ 27 側支持材 28 側基版 29 底基版 30 支持層 31 基礎

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯槽を支持する基礎は、最下部の水平版
    状の底基版と、該底基版の外周を囲む側基版と、該側基
    版に囲まれた内側の底基版上に設けた下部支持層と、該
    下部支持層の上部に設け、周縁を上記側基版の内壁面に
    固定した防水性を有する可撓膜体と、該可撓膜体の上部
    に設けた、腐食成分を含有しない弾力性を有する上部支
    持層とで形成したことを特徴とする貯槽の基礎。
  2. 【請求項2】 上記上部支持層は、堅硬、耐久的で、不
    純物を含まず、粒子間の空隙で弾力性を有する通称7号
    砕石などの上部支持材で形成したことを特徴とする請求
    項1記載の貯槽の基礎。
  3. 【請求項3】 上記下部支持層は、軽量、耐久的で、弾
    力性を有する合成樹脂発泡材などの下部支持材で形成し
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の貯槽の基礎。
  4. 【請求項4】 上記可撓膜体は、自然勾配をもたせて設
    置し、その最も低い箇所に排液口を設けたことを特徴と
    する請求項1乃至3記載の貯槽の基礎。
  5. 【請求項5】 既設の基礎の一部を改修して上記貯槽の
    基礎に形成したものであることを特徴とする請求項1乃
    至4記載の貯槽の基礎。
JP2000024814A 2000-01-28 2000-01-28 貯槽の基礎 Expired - Lifetime JP4482191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024814A JP4482191B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 貯槽の基礎

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024814A JP4482191B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 貯槽の基礎

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001207466A true JP2001207466A (ja) 2001-08-03
JP4482191B2 JP4482191B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=18550744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000024814A Expired - Lifetime JP4482191B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 貯槽の基礎

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4482191B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105442625A (zh) * 2015-11-04 2016-03-30 中化(舟山)兴海建设有限公司 定位筋在大型储罐承台环墙基础中的发明应用
IT201700006852A1 (it) * 2017-01-23 2018-07-23 Mapi S R L Procedimento per la realizzazione di una piscina e piscina

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51115316A (en) * 1975-04-03 1976-10-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd Correcting method of un-uniformly settled bottom plate of welded cylin drical steel tank
JPS51137113A (en) * 1975-05-21 1976-11-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd Liquid storage tank
JPS52154212A (en) * 1976-06-17 1977-12-21 Chiyoda Chem Eng Construct Co Foundation for tank
JPS55129698A (en) * 1979-03-28 1980-10-07 Daiki Netsukougiyou Kk Heat-insulating process of liquid embankment or earth floor for low-temperature liquid storage tank
JPS61146923A (ja) * 1984-12-20 1986-07-04 Jgc Corp 高温タンクの基礎構造
JPH06287965A (ja) * 1993-04-05 1994-10-11 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 軟弱地盤用基礎および軟弱地盤における基礎の構築方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51115316A (en) * 1975-04-03 1976-10-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd Correcting method of un-uniformly settled bottom plate of welded cylin drical steel tank
JPS51137113A (en) * 1975-05-21 1976-11-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd Liquid storage tank
JPS52154212A (en) * 1976-06-17 1977-12-21 Chiyoda Chem Eng Construct Co Foundation for tank
JPS55129698A (en) * 1979-03-28 1980-10-07 Daiki Netsukougiyou Kk Heat-insulating process of liquid embankment or earth floor for low-temperature liquid storage tank
JPS61146923A (ja) * 1984-12-20 1986-07-04 Jgc Corp 高温タンクの基礎構造
JPH06287965A (ja) * 1993-04-05 1994-10-11 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 軟弱地盤用基礎および軟弱地盤における基礎の構築方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105442625A (zh) * 2015-11-04 2016-03-30 中化(舟山)兴海建设有限公司 定位筋在大型储罐承台环墙基础中的发明应用
IT201700006852A1 (it) * 2017-01-23 2018-07-23 Mapi S R L Procedimento per la realizzazione di una piscina e piscina
EP3351708A1 (en) * 2017-01-23 2018-07-25 Mapi S.r.l. Method for making a swimming pool and a swimming pool

Also Published As

Publication number Publication date
JP4482191B2 (ja) 2010-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6802748B2 (ja) 補強および定着方法および補強および定着構造体
JP5815360B2 (ja) 改良地盤、およびその施工方法
US11480267B2 (en) System and method for protection of under-slab utilities from changes in soil volume
JP6695562B1 (ja) 遮水側壁構造物、底版・側壁構造物及び遮水側壁構築方法
WO1997036057A1 (en) Reinforcement frame for structures and method of constructing building structures utilizing the same reinforcement frame
JP2003201722A (ja) 雨水等の貯留及び/又は浸透施設、及びこの施設に使用する充填部材
KR100991687B1 (ko) 폐기물 매립장의 배수층 시공매트
JP2004019122A (ja) 雨水等を貯留及び/又は浸透する施設及びこの施設に使用する充填部材
JP2001207466A (ja) 貯槽の基礎
JP2010189857A (ja) コンクリート構造物の補強構造
RU2678471C2 (ru) Грунтовый модуль (варианты)
JPH11336099A (ja) 地下室の構築工法
KR20070032834A (ko) 관유닛을 이용한 조립식 빗물저장시설 및 그 시공방법
KR20070087159A (ko) 빗물 저류 구조용 부재와 이것을 사용한 빗물 저류 구조물
JP6340211B2 (ja) 用水路被覆構造体及び用水路の被覆工法
BG110904A (bg) Метод за антикорозионна защита на стоманени резервоари и стоманени резервоари, защитени от корозия
JP2001323432A (ja) 護岸の遮水構造
JP2002339383A (ja) 継手部材および構造体
JP2003020696A (ja) 貯水装置
JP5468165B1 (ja) 噴砂抑制工法
JPH03256889A (ja) 農業用水用貯水槽
KR100810523B1 (ko) 장력식 상판을 구비한 무용접 저수구조물
JP2012052349A (ja) 雨水貯留槽、雨水貯留槽充填構造
KR20070047925A (ko) 합성구조 우수토실 시공공법 및 그 구조물
JP2005002620A (ja) 地下貯留及び/又は浸透槽

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100319

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4482191

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140326

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term