JP6802748B2 - 補強および定着方法および補強および定着構造体 - Google Patents
補強および定着方法および補強および定着構造体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6802748B2 JP6802748B2 JP2017074639A JP2017074639A JP6802748B2 JP 6802748 B2 JP6802748 B2 JP 6802748B2 JP 2017074639 A JP2017074639 A JP 2017074639A JP 2017074639 A JP2017074639 A JP 2017074639A JP 6802748 B2 JP6802748 B2 JP 6802748B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fixing
- metal
- existing structure
- formwork
- reinforcing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
本発明は、水中または湿潤環境に存する既設構造物の入隅部を補強し、さらに補強体を定着させる、補強および定着方法であって、
前記入隅部に複合繊維グリッドを設置するグリッド設置工程と、
前記既設構造物にアンカーボルトを設置するアンカーボルト設置工程と、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、前記複合繊維グリッドを外側から覆うことができるように成形されている金属製型枠を設置する型枠設置工程と、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、円弧状曲面を有する定着金物を、前記金属製型枠の外側に設置する定着金物設置工程と、
前記金属製型枠の端部において、前記金属製型枠と前記既設構造物との間を塞ぐシール材を設置する端部シール設置工程と、
前記アンカーボルトにナットを螺合し、前記金属製型枠および前記定着金物を固定する固定工程と、
前記既設構造物の表面と前記金属製型枠の内面との間の部分に水中硬化型樹脂を充填し、この部分の水を排除しつつ、この部分における前記複合繊維グリッド以外の部分を水中硬化型樹脂によって満たし、その後これを硬化させる樹脂層形成工程と、
を備える補強および定着方法である。
このような補強および定着方法を、以下では「本発明の方法」ともいう。
前記入隅部に設置される複合繊維グリッドと、
前記既設構造物に設置されるアンカーボルトと、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、前記複合繊維グリッドを外側から覆うことができるように成形されている金属製型枠と、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、円弧状曲面を有し、前記金属製型枠の外側に設置される定着金物と、
前記金属製型枠の端部において、前記金属製型枠と前記既設構造物との間を塞ぐシール材と、
前記アンカーボルトに螺合され、前記金属製型枠および前記定着金物を固定するナットと、
前記既設構造物の表面と前記金属製型枠の内面との間であって前記複合繊維グリッド以外の部分を埋めている樹脂層と、
を有する補強および定着構造体である。
このような補強および定着構造体を、以下では「本発明の構造体」ともいう。
ここで水中とは、例えば海、港湾、河川、湖沼の中が挙げられる。
また、湿潤環境とは、干満帯、飛沫帯、漏水部等が例示される。
干満帯とは、潮汐により海中没水と大気露出が繰り返される環境である。
飛沫帯とは、干満帯の直上にあたる大気部で海水飛沫が作用して湿潤となる環境である。例えば護岸コンクリート、桟橋が挙げられる。
漏水部とは、護岸コンクリート、トンネル内面のような背面から水が漏れて湿潤となる環境が挙げられる。
ここで、入隅部とは、壁と壁、壁と柱などが角度をもって交わった際にできる構造物の窪んだ隅の部分のことを意味する。
これに対して、図2に示すように、補強対象コンクリートの入隅部以外の部分を補強する場合、補強範囲の両端(図2では補強範囲の上下端)に必要な定着長を確保できる。この場合、補強効果が発揮される。このような場合、本発明を適用しなくてよい。
図3は、柱または壁状構造物の基部の概略斜視図である。図3の場合、図1に示した態様と同様に、補強対象である柱または壁状構造物の入隅部を補強しようとすると、隣接する部材が障害となり、必要な下側定着長を確保することができない。この場合、補強効果が発揮されない。このような場合、本発明を好ましく適用することができる。
図4は、ボックスカルバートの基部および天井部を示す概略斜視図である。図4の場合、図1に示した態様と同様に、補強対象の入隅部を補強しようとすると、隣接する部材が障害となり、必要な上側定着長および下側定着長を確保することができない。この場合、補強効果が発揮されない。このような場合、本発明を好ましく適用することができる。
図5は、梁と梁など水平方向の交点が入隅部を構成していることを示す概略斜視図である。図5と類似する態様として、柱または壁と梁または桁との鉛直方向の交点が入隅部を構成している態様が挙げられる。図5の場合、図1に示した態様と同様に、梁の入隅部を補強しようとすると、隣接する別の梁が障害となり、必要な定着長を確保することができない。この場合、補強効果が発揮されない。このような場合、本発明を好ましく適用することができる。
式:L'e=k×1.479×(Eg×tg)0.5/f'c 0.095
L'e:定着長(mm)
k:安全率(長期3、短期1.5)
Eg:グリッドの弾性率(グリッドを構成する繊維の種類によって100,000N/mm2や165,000N/mm2などが利用される。)
tg:グリッドの換算公称厚さ(mm)=層数×公称断面積/格子間隔
補強規模によって使用する使用するグリッドの品番と層数が変化する。
概ね、公称断面積:5〜200mm2
格子間隔:50〜200mm
層数:1〜5層
図6(a)は本発明の構造体の好ましい態様の一部を示す斜視図であり、図6(b)は本発明の構造体の好ましい態様の一部を示す断面図である。
図6において本発明の構造体10は、本発明の構造体の好適態様であり、本発明は、図6に示す態様に限定されない。
また、金属製型枠および定着金物には、ボルトが通過する穴を予めあけておき、これらを設置するときに、その穴にボルトを通過させることが好ましい。そして、定着金物を設置した後にナットを螺合して締め付けることで、定着金物を固定することができる。
また、充填する水中硬化型樹脂は昇温装置を用いて温度管理することで流動性を適正範囲に保ちつつ充填することが好ましい。
水中硬化型樹脂を充填した後は、金属製型枠14の上端部を、水中硬化型パテ(例えば水中硬化型エポキシ樹脂パテ)を用いてシーリングすることが好ましい。
2a 支持部の側面
4 コンクリート基礎
4a コンクリート基礎の上面
10 本発明の構造体
12 複合繊維グリッド
14 金属製型枠
16 シール材
18 定着金物
20 リブプレート
22 ボルト
24 ナット
26 樹脂層
Claims (2)
- 水中または湿潤環境に存する既設構造物の入隅部を補強し、さらに補強体を定着させる、補強および定着方法であって、
前記入隅部に複合繊維グリッドを設置するグリッド設置工程と、
前記既設構造物にアンカーボルトを設置するアンカーボルト設置工程と、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、前記複合繊維グリッドを外側から覆うことができるように成形されている金属製型枠を設置する型枠設置工程と、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、円弧状曲面を有する定着金物を、前記金属製型枠の外側に設置する定着金物設置工程と、
前記金属製型枠の端部において、前記金属製型枠と前記既設構造物との間を塞ぐシール材を設置する端部シール設置工程と、
前記アンカーボルトにナットを螺合し、前記金属製型枠および前記定着金物を固定する固定工程と、
前記既設構造物の表面と前記金属製型枠の内面との間の部分に水中硬化型樹脂を充填し、この部分の水を排除しつつ、この部分における前記複合繊維グリッド以外の部分を水中硬化型樹脂によって満たし、その後これを硬化させる樹脂層形成工程と、
を備える補強および定着方法。 - 水中または湿潤環境に存する既設構造物の入隅部を補強し、さらに補強体を定着させる補強および定着構造体であって、
前記入隅部に設置される複合繊維グリッドと、
前記既設構造物に設置されるアンカーボルトと、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、前記複合繊維グリッドを外側から覆うことができるように成形されている金属製型枠と、
前記アンカーボルトを挿通させる孔が形成されており、かつ、円弧状曲面を有し、前記金属製型枠の外側に設置される定着金物と、
前記金属製型枠の端部において、前記金属製型枠と前記既設構造物との間を塞ぐシール材と、
前記アンカーボルトに螺合され、前記金属製型枠および前記定着金物を固定するナットと、
前記既設構造物の表面と前記金属製型枠の内面との間であって前記複合繊維グリッド以外の部分を埋めている樹脂層と、
を有する補強および定着構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017074639A JP6802748B2 (ja) | 2017-04-04 | 2017-04-04 | 補強および定着方法および補強および定着構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017074639A JP6802748B2 (ja) | 2017-04-04 | 2017-04-04 | 補強および定着方法および補強および定着構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018178396A JP2018178396A (ja) | 2018-11-15 |
JP6802748B2 true JP6802748B2 (ja) | 2020-12-16 |
Family
ID=64281360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017074639A Active JP6802748B2 (ja) | 2017-04-04 | 2017-04-04 | 補強および定着方法および補強および定着構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6802748B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109629432B (zh) * | 2018-12-28 | 2020-09-04 | 江苏镇江路桥工程有限公司 | 箱梁顶板预留孔洞封锚结构的施工方法 |
JP2020111913A (ja) * | 2019-01-09 | 2020-07-27 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 補強されたコンクリート構造物 |
JP2020111912A (ja) * | 2019-01-09 | 2020-07-27 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 水域コンクリート構造物 |
JP7088034B2 (ja) * | 2019-01-09 | 2022-06-21 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 海水域コンクリート構造物 |
CN110409858B (zh) * | 2019-06-28 | 2021-11-26 | 山东省建筑工程质量检验检测中心有限公司 | 一种用于砌体结构加固用结构件及施工方法 |
JP7380106B2 (ja) | 2019-11-12 | 2023-11-15 | 株式会社大林組 | 地下躯体の補強構造 |
CN111851410A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-10-30 | 信阳市水利勘测设计院 | 一种水利工程生态护坡及施工方法 |
-
2017
- 2017-04-04 JP JP2017074639A patent/JP6802748B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018178396A (ja) | 2018-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6802748B2 (ja) | 補強および定着方法および補強および定着構造体 | |
US8650831B2 (en) | Reconstruction methods for structural elements | |
JP5922870B2 (ja) | マンホール改修工法 | |
KR20110139482A (ko) | 섬유보강복합소재 관과 강관의 합성에 의한 비말대 구간의 부식방지구조를 가지는 해상 기초말뚝 및 그 시공방법 | |
US20120009018A1 (en) | Culvert liner | |
KR100822401B1 (ko) | 교각 및 강관 말뚝의 외면 보수·보강 장치 및 이에 사용되는 조성물 | |
JP2007217952A (ja) | 杭式桟橋及びその補強工法 | |
JP5264978B2 (ja) | 締切用止水壁体及びこれを用いた締切工法 | |
JP6314547B2 (ja) | 杭式構造物の改修構造および改修工法 | |
JP2010189857A (ja) | コンクリート構造物の補強構造 | |
Hollaway | Using fibre-reinforced polymer (FRP) composites to rehabilitate differing types of metallic infrastructure | |
JP4944691B2 (ja) | 仮締切止工の止水構造および止水方法 | |
JP2920851B2 (ja) | コンクリート壁面の補修方法 | |
KR20050034978A (ko) | 평면, 곡면 및 각형 구조물 방수 겸 보수보강공법 | |
JP3228524U (ja) | 防食鋼管柱 | |
JP7001218B2 (ja) | 杭支持構造物の補強構造及び補強方法 | |
KR100394781B1 (ko) | 해상 기둥 구조물 보수 공법 및 그 구조물 | |
JP6007147B2 (ja) | 防護柵における支柱下端の保全構造および保全方法 | |
Ehsani | ASCE Innovation Award Winner: Sandwich Construction Carbon FRP Pipe | |
Ehsani et al. | A Novel Solution for Restoration of Deteriorated Piles | |
KR101683216B1 (ko) | 잔교 시공 방법 | |
AU2014101641A4 (en) | A System and Method for Lining a Structure | |
KR20150031089A (ko) | 수중 설치 구조물 보강용 구조체 및 보강 방법 | |
JP7457666B2 (ja) | 既設トンネルの排水機能付き補強構造 | |
JP2008138460A (ja) | 水中に立脚する柱の補強方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201030 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201127 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6802748 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |