JP2001207013A - プロピレン・α−オレフィン系共重合体樹脂分散物 - Google Patents
プロピレン・α−オレフィン系共重合体樹脂分散物Info
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Abstract
散物を提供する。 【解決手段】 プロピレン成分が60〜88モル%であ
るプロピレン・α−オレフィン系共重合体に不飽和カル
ボン酸またはその無水物をグラフト重合して得られる変
性樹脂が、有機溶剤に固体状態で分散してなる樹脂分散
物。
Description
の多くの用途に用いることのできる樹脂分散物とその製
造方法に関する。
り、ポリプロピレンを不飽和カルボン酸またはその無水
物でグラフト変性した変性ポリプロピレンを、炭化水素
系溶剤に固体状態で分散してなる樹脂分散物が知られて
いる(特公平6-78496号)。また、低温ヒートシール性
が改良された樹脂分散物として、プロピレン成分が90
〜99モル%のプロピレン・α−オレフィン共重合体を
変性して使用した樹脂分散物が知られている(特開平3-
91514号)。これらの樹脂分散物は、塗料、接着剤など
の多くの用途において有用である。しかし、上記の樹脂
分散物においては、変性樹脂の融解温度が高いため、低
温におけるヒートシール性が充分に改良されているとは
言えない。
ル性に優れた樹脂分散物を提供することにある。
した結果、プロピレン成分が60〜88モル%であるプ
ロピレン・α−オレフィン系共重合体をグラフト変性し
た変性樹脂は融解温度が低いので、この変性樹脂を用い
た樹脂分散物が低温におけるヒートシール性に優れてい
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
樹脂分散物およびその製造方法を提供するものである。 項1. プロピレン成分が60〜88モル%であるプロ
ピレン・α−オレフィン系共重合体に不飽和カルボン酸
またはその無水物をグラフト重合して得られる変性樹脂
が、有機溶剤に固体状態で分散してなる樹脂分散物。 項2. 変性樹脂が下記(a)〜(d)の性状を有する
項1に記載の樹脂分散物。 (a)180℃における溶融粘度が1〜200Pa・秒で
ある。 (b)不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト重
合量が0.1〜10重量%である。 (c)示差走査熱量測定における融解温度が80〜14
0℃である。 (d)X線回折法により測定した結晶化度が30〜45
%である。 項3. プロピレン成分が60〜88モル%であるプロ
ピレン・α−オレフィン系共重合体に不飽和カルボン酸
またはその無水物をグラフト重合して得られる変性樹脂
を、加熱下に有機溶剤に溶解した後、冷却して樹脂分散
物を製造する方法であって、5℃以下の温度において樹
脂分散物を攪拌する工程を有する樹脂分散物の製造方
法。 項4. 変性樹脂が下記(a)〜(d)の性状を有する
項3に記載の樹脂分散物の製造方法。 (a)180℃における溶融粘度が1〜200Pa・秒で
ある。 (b)不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト重
合量が0.1〜10重量%である。 (c)示差走査熱量測定における融解温度が80〜14
0℃である。 (d)X線回折法により測定した結晶化度が30〜45
%である。
〜88モル%であるプロピレン・α−オレフィン系共重
合体に不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重
合して得られる変性樹脂が、有機溶剤に固体状態(粒子
状態)で分散してなる樹脂分散物に関する。
プロピレン・α−オレフィン系共重合体は、プロピレン
を主成分として60〜88モル%、好ましくは70〜8
5モル%、より好ましくは75〜80モル%含有し、こ
れとプロピレン以外のα−オレフィンとが共重合したも
のである。α−オレフィンとしては、例えば、エチレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オ
クテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。プロピレン・
α−オレフィン系共重合体としては、プロピレンとα−
オレフィン1種類とを共重合した2元共重合体、プロピ
レンとα−オレフィン2種類以上とを共重合した多元共
重合体が挙げられる。2元共重合体としては、例えば、
プロピレンと1−ブテンとからなる共重合体が挙げられ
る。3元共重合体としては、例えば、プロピレンとエチ
レンと1−ブテンとからなる共重合体が挙げられる。共
重合体におけるプロピレン成分の含有量が60モル%未
満の場合は、樹脂分散物の保存安定性が悪く、また、ポ
リオレフィン素材などに対する接着性に劣る。一方、プ
ロピレン成分の含有量が88モル%を超える場合は、融
解温度が高くなり、140℃以下の温度でヒートシール
する場合に、充分に接着できず、接着強度が低くなる。
酸またはその無水物としては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シト
ラコン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水エンドメチレン
テトラヒドロフタル酸などの不飽和カルボン酸無水物な
どが挙げられ、無水マレイン酸、無水エンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸が好ましく、無水マレイン酸が特に
好ましい。また、これらの2成分以上の混合成分を同時
にグラフト変性に使用しても差し支えない。
グラフト重合の方法としては周知の方法を採用できる。
例えば、プロピレン・α−オレフィン系共重合体と不飽
和カルボン酸またはその無水物を、溶媒の存在下または
不存在下、ラジカル開始剤を添加して、または添加せず
に、高温に加熱することによって行われる。これらの方
法を具体的に記すと、(1)プロピレン・α−オレフィ
ン系共重合体の融解温度よりも高温で、二軸押出機、ニ
ーダーなどを用いて、プロピレン・α−オレフィン系共
重合体と不飽和カルボン酸などとラジカル開始剤とを混
練する方法、(2)オートクレーブを用いて、プロピレ
ン・α−オレフィン系共重合体をトルエンなどの芳香族
有機溶媒に溶解し、攪拌しながら所定温度で不飽和カル
ボン酸などとラジカル開始剤を滴下して反応させる方法
などが挙げられる。上記ラジカル開始剤としては、ベン
ゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−
tert−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、クメンヒドロキシパーオキサイド、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
る変性樹脂としては、180℃における溶融粘度が1〜
200Pa・秒であるのが好ましく、3〜120Pa・秒であ
るのがより好ましい。180℃における溶融粘度が1Pa
・秒未満であると、変性樹脂の凝集力が不足して接着力
が劣る傾向があり、一方、180℃における溶融粘度が
200Pa・秒を超えると、コーティング後に熱を与えて
乾燥させた場合に、流動性が乏しいために平滑な接着層
が得られにくくなる傾向がある。
またはその無水物のグラフト重合量は、プロピレン・α
−オレフィン系共重合体に対して、好ましくは0.1〜
10重量%であり、より好ましくは0.3〜5重量%で
ある。0.1重量%未満では、金属表面に存在するカル
ボニル基などの極性基との化学結合力が弱く、接着性が
劣る傾向があり、一方、10重量%を超えると、極性が
高すぎることにより疎水性であるポリオレフィン類との
接着性が乏しくなる傾向がある。
定における融解温度が80〜140℃であるのが好まし
く、85〜130℃であるのがより好ましい。融解温度
が80℃未満の場合は、接着剤としての耐熱性が悪くな
る傾向がある。一方、融解温度が140℃を超える場合
は、140℃以下の温度でヒートシールする場合に、充
分に接着できず、接着強度が低くなる傾向がある。これ
は、ヒートシールの圧力や時間などの条件にもよるが、
ヒートシールは、通常、変性樹脂の融解温度よりも20
℃以上高い温度で行うことが好ましいからである。
より測定した結晶化度が30〜45%であるのが好まし
く、35〜45%であるのがより好ましい。結晶化度が
30%未満であると、有機溶剤により変性樹脂の分散粒
子が膨潤し易く、固体状態で分散することが困難になる
傾向があり、一方、結晶化度が45%を超えると、低温
でのヒートシール性が乏しくなる傾向がある。
機溶剤中に固体状態(粒子状態)で分散してなるもので
ある。
の溶解性が乏しいものの、高温では溶解できるものが好
ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、市販の芳香族系石油混合溶剤などの芳香
族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族系炭化水素、ヘ
キサン、ヘプタン、ミネラルスピリットなどの脂肪族系
炭化水素などが挙げられる。なお、変性樹脂を高温でも
溶解できないような溶剤であっても、本発明の効果を妨
げないような範囲の量であれば、前記有機溶剤に混合し
て使用してもよい。このような溶剤としては、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エタノー
ル、2−プロパノールなどのアルコール類、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙
げられる。
5μmが好ましく、2〜18μmがより好ましい。平均
粒径が1μm未満では樹脂分散物の粘度が高くなって作
業性が悪くなる傾向があり、一方、25μmを超えると
コーティング後の平滑な接着層が得られにくい傾向があ
る。
度)は、5〜40重量%であるのが好ましく、10〜3
0重量%であるのがより好ましい。
じて、本発明の効果を妨げないような範囲で、顔料、安
定剤、その他の添加剤が含まれていてもよい。
ず、前記変性樹脂を、樹脂濃度が前記の範囲になるよう
に、高温で溶解できる有機溶剤と混合し、通常110〜
150℃程度の温度で完全に溶解させる。次いで、溶液
を冷却して、変性樹脂を粒子状態で析出させる。この
際、110〜60℃の温度範囲における冷却速度を3〜
20℃/時間の範囲に調節する。この温度範囲におい
て、冷却速度が3℃/時間未満であると生産効率上好ま
しくなく、20℃/時間を超えると目的とする保存安定
性の良好な樹脂分散物が得られず、短期間でゲル化状態
になる傾向がある。また、110〜60℃の温度範囲に
おける冷却速度を3〜20℃/時間の範囲に調節するこ
とにより、変性樹脂の分散粒子の平均粒径を前記好まし
い範囲とすることができる。さらに、60℃以下におい
ても冷却を続け、5℃以下、好ましくは−10℃〜5
℃、の温度において樹脂分散物を攪拌しながら保持する
工程が必要である。この工程を有しないと、目的とする
保存安定性の良好な樹脂分散物が得られず、短期間でゲ
ル化状態になる傾向がある。これは、本発明における変
性樹脂のX線回折法による結晶化度が、50%未満、好
ましくは30〜45%で非晶部分の割合が高く、有機溶
剤により変性樹脂の分散粒子が膨潤し易いことによる。
本発明においては、5℃以下の温度において樹脂分散物
を攪拌しながら冷却・保持することにより、変性樹脂の
分子運動を急激に遅くするかまたは完全に凍結して分散
粒子同士の凝集を防いでいる。5℃以下の温度に保持す
る時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2
〜18時間である。なお、−10℃より低い温度に保持
すると、粘度が高くなり、均一に攪拌することが困難と
なる傾向がある。この冷却保持工程の後に常温まで温度
を上げると、ゲル化状態にならない保存安定性の良好な
樹脂分散物が得られる。
士、金属同士、ポリオレフィンと金属、ポリオレフィン
とポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンなど様々な
プラスチック素材との接着剤、ヒートシール剤、金属や
プラスチック素材(ポリオレフィンなど)に対するコー
ティング材、塗料などに用いた場合に、接着強度、ヒー
トシール強度、塗膜物性(密着性など)に優れる。特
に、低温におけるヒートシール性に優れた効果を発揮す
る。例えば、錠剤収納用の凹部を有するポリオレフィン
シートに金属箔でその上面を覆ってヒートシールする錠
剤包装(いわゆるPTP、プレススルーパック)用の接
着剤として優れている。具体的には、ポリオレフィンシ
ートを錠剤の形に成形し、そのポットに錠剤を充填し、
その上に本発明の樹脂分散物を塗布したアルミニウム箔
をヒートシールするような包装仕様用接着剤として有効
に使用される。また、家電製品の外板に使用されるよう
な、プラスチックフィルムを鋼板にラミネートしたラミ
ネート鋼板用の接着剤としても有効に使用される。
るヒートシール性に優れた効果を奏するものであり、8
0〜160℃のヒートシール温度で使用できるので、ヒ
ートシールしようとする対象基材に熱損傷を与えること
がなく、しかも充分な接着強度を発揮する。好ましいヒ
ートシール温度は90〜150℃であり、より好ましい
ヒートシール温度は100〜140℃である。
脂分散物は、保存安定性が良好であり、有機溶剤で希釈
することにより粒子が沈降しても、粒子同士が凝集しに
くいため、軽く攪拌するだけで容易に均一な分散物にす
ることができる。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
75モル%、1−ブテン成分25モル%、重量平均分子
量250000)100重量部、トルエン200重量部
および無水マレイン酸15重量部をオートクレーブに仕
込み、窒素置換を行い、系の温度を145℃に保持しな
がら、ジクミルパーオキサイド2重量部を3時間かけて
添加した。添加終了後、3時間攪拌を続け、110℃ま
で冷却した後に、1000重量部の常温のアセトン中に
加えて樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別し、さら
に500重量部のアセトンで洗浄して未反応の無水マレ
イン酸や副反応物などを除去した後に、乾燥して変性樹
脂を得た。この変性樹脂の180℃における溶融粘度は
12Pa・秒、無水マレイン酸のグラフト共重合量は3.
2重量%、示差走査熱量測定における融解温度は89
℃、X線回折法により測定した結晶化度は37%であっ
た。
外は製造例1と同様にして変性樹脂を得た。この変性樹
脂の180℃における溶融粘度は110Pa・秒、無水マ
レイン酸のグラフト共重合量は0.55重量%、示差走
査熱量測定における融解温度は98℃、X線回折法によ
り測定した結晶化度は42%であった。
ドロフタル酸を15重量部仕込んだ以外は製造例1と同
様にして変性樹脂を得た。この変性樹脂の180℃にお
ける溶融粘度は30Pa・秒、無水エンドメチレンテトラ
ヒドロフタル酸のグラフト共重合量は1.1重量%、示
差走査熱量測定における融解温度は95℃、X線回折法
により測定した結晶化度は39%であった。
76モル%、1−ブテン成分24モル%、重量平均分子
量35000のものに変更した以外は製造例1と同様に
して変性樹脂を得た。この変性樹脂の180℃における
溶融粘度は3.5Pa・秒、無水マレイン酸のグラフト共
重合量は4.8重量%、示差走査熱量測定における融解
温度は106℃、X線回折法により測定した結晶化度は
41%であった。
80モル%、エチレン成分3モル%、1−ブテン成分1
7モル%、重量平均分子量230000のものに変更し
た以外は製造例1と同様にして変性樹脂を得た。この変
性樹脂の180℃における溶融粘度は9.5Pa・秒、無
水マレイン酸のグラフト共重合量は2.8重量%、示差
走査熱量測定における融解温度は130℃、X線回折法
により測定した結晶化度は38%であった。
94モル%、エチレン成分3モル%、1−ブテン成分3
モル%、重量平均分子量200000のものに変更した
以外は製造例1と同様にして変性樹脂を得た。この変性
樹脂の180℃における溶融粘度は40Pa・秒、無水マ
レイン酸のグラフト共重合量は1.2重量%、示差走査
熱量測定における融解温度は144℃、X線回折法によ
り測定した結晶化度は55%であった。
重量部をオートクレーブに入れ、140℃に加熱して樹
脂を完全に溶解した後、攪拌しながら30℃/時間の冷
却速度で110℃まで降温し、10℃/時間の冷却速度
で60℃まで徐冷した。続いて25℃/時間の冷却速度
で5℃まで冷却し、5℃〜−10℃で2時間攪拌を続
け、常温(25℃)まで昇温することにより、淡黄色半
透明の均一な樹脂分散物を得た。この樹脂分散物の分散
粒子の平均粒径をレーザー回折式粒度分布測定装置によ
り測定したところ、8μmであった。
は実施例1と同様にして樹脂分散物を得たところ、分散
粒子の平均粒径は17μmであった。
は実施例1と同様にして樹脂分散物を得たところ、分散
粒子の平均粒径は15μmであった。
は実施例1と同様にして樹脂分散物を得たところ、分散
粒子の平均粒径は2μmであった。
は実施例1と同様にして樹脂分散物を得たところ、分散
粒子の平均粒径は11μmであった。
ンを使用する以外は実施例1と同様にして樹脂分散物を
得たところ、分散粒子の平均粒径は10μmであった。
は実施例1と同様にして樹脂分散物を得たところ、分散
粒子の平均粒径は18μmであった。
脂分散物の保存安定性、ヒートシール性および樹脂分散
物から得られた塗膜の物性の試験を行った。その結果を
表1に示す。なお、試験は以下の方法で行った。
質のサンプル瓶に樹脂分散物を60ml秤取り、25℃
の恒温槽中に静置し、24時間後と30日後の状態を観
察した。判定基準を以下に示す。 ○:30日後も良好、△:24時間〜30日でゲル化、
×:24時間後にゲル化状態。
使用して乾燥時の膜厚が3μmになるように25μm厚
のアルミ箔に塗布・風乾した後、180℃の温風乾燥機
中で10秒間加熱したところ、均一な被膜外観の塗工箔
が得られた。この塗工箔と250μm厚のポリプロピレ
ンシートを、140℃で1秒間、0.3Mpaの圧力を
かけてヒートシールした後、25℃における剥離強度
(180°剥離)を、引張り試験機により15mm幅、
200mm/分の引張り速度で測定した。また、ヒート
シール温度を100℃にして同様に測定した。
mm×50mm×2mm)をイソプロピルアルコールで
充分洗浄し、これに樹脂分散物をバーコーターを使用し
て乾燥時の膜厚が5μmになるように塗布し、風乾した
後に80℃で10分間温風乾燥した。次いで、そのプラ
イマー層の上からウレタン塗料(関西ペイント(株)製、
レタンPG80、主剤と硬化剤を所定量配合したもの)
を乾燥時の膜厚が40μmになるようにエアスプレーで
吹き付け、風乾した後に80℃で30分間温風乾燥する
ことにより、ウレタン塗料用試験片が得られた。得られ
た試験片を25℃で24時間養生した後に、塗膜表面に
カッターで素地に達するような切れ目を入れて1mm間
隔で100個の碁盤目を作り、その上に20mm幅のセ
ロテープ(ニチバン(株)製)を密着させて180°方向
に引き剥がし、残存する碁盤目の数を調べた。
た試験片を25℃で24時間養生した後に、40℃の温
水に10日間浸漬し、塗膜のブリスターの有無を調べ
た。また、続けて浸漬後の層間密着性を上記の方法で調
べた。判定基準を以下に示す。 良好:塗膜表面にブリスターが無く、浸漬後の層間密着
性が良好なもの。 不良:塗膜表面にブリスターがあるか、または、浸漬後
の層間密着性が不良なもの。
得られた試験片を25℃で7日間養生した後に、塗膜表
面にカッターで素地に達するクロスカット(×印)の切
れ目を入れ、20℃において出光レギュラーガソリンに
24時間浸漬し、塗膜の状態を調べた。判定基準を以下
に示す。 良好:ガソリンに24時間浸漬した後、塗膜に異常がな
いもの。 不良:ガソリンに浸漬中に塗膜が剥離したもの。
トシール強度、塗膜物性(密着性など)に優れる。特
に、低温におけるヒートシール性に優れた効果を発揮す
る。
好な樹脂分散物が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 プロピレン成分が60〜88モル%であ
るプロピレン・α−オレフィン系共重合体に不飽和カル
ボン酸またはその無水物をグラフト重合して得られる変
性樹脂が、有機溶剤に固体状態で分散してなる樹脂分散
物。 - 【請求項2】 変性樹脂が下記(a)〜(d)の性状を
有する請求項1に記載の樹脂分散物。 (a)180℃における溶融粘度が1〜200Pa・秒で
ある。 (b)不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト重
合量が0.1〜10重量%である。 (c)示差走査熱量測定における融解温度が80〜14
0℃である。 (d)X線回折法により測定した結晶化度が30〜45
%である。 - 【請求項3】 プロピレン成分が60〜88モル%であ
るプロピレン・α−オレフィン系共重合体に不飽和カル
ボン酸またはその無水物をグラフト重合して得られる変
性樹脂を、加熱下に有機溶剤に溶解した後、冷却して樹
脂分散物を製造する方法であって、5℃以下の温度にお
いて樹脂分散物を攪拌する工程を有する樹脂分散物の製
造方法。 - 【請求項4】 変性樹脂が下記(a)〜(d)の性状を
有する請求項3に記載の樹脂分散物の製造方法。 (a)180℃における溶融粘度が1〜200Pa・秒で
ある。 (b)不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト重
合量が0.1〜10重量%である。 (c)示差走査熱量測定における融解温度が80〜14
0℃である。 (d)X線回折法により測定した結晶化度が30〜45
%である。
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