JP2001206997A - プロピレン系梨地フィルムの製造方法 - Google Patents
プロピレン系梨地フィルムの製造方法Info
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Abstract
厚いフィルムと同様に連続して押出成形により製造し得
る、プロピレン系梨地フィルムの製造方法の提供。 【構成】 アイソタクチックポリプロピレン樹脂及びシ
ンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合物を主成分
とする樹脂組成物をフィルム状に押出成形し、シリコン
ロールを使用して梨地エンボスを施すことからなる、プ
ロピレン系梨地フィルムの製造方法であり、特に、アイ
ソタクチックポリプロピレン樹脂及びシンジオタクチッ
クポリプロピレン樹脂の混合比率が、95:5〜5:9
5である樹脂組成物を用いた製造方法である。
Description
レット、価格表、マニュアル、見積書、図面等の事務書
類収録用あるいはカバーなどのクリヤーホルダー等に使
用されるプロピレン系梨地フィルムの製造方法に関す
る。
ー、あるいは書類カバーなどに梨地エンボス成形された
ポリプロピレンフィルムが使用されてきている。この種
のフィルムは薄くて、透明性がよく、表面が梨地エンボ
ス成形されているため光の反射を防ぎ、目に優しいもの
であり、またベタつかず書類の出し入れがスムースに行
なえる特徴を有することから、クリヤーホルダーのみな
らず、各種の事務用品に使用されてきている。
形して梨地フィルムを成形する場合には、これまでロー
ル表面に梨地エンボスを施した金属ロールを使用してい
たが、0.25mm以下の薄いフィルムを成形する場合
には、押出成形時にフィルムに微細な孔が発生し、また
金属ロール同士がぶつかってロール表面に傷が付いてし
まうことが生じていた。
て、金属ロールと、金属ロールの表面にシリコンゴム層
を成形したシリコンロールの組み合わせで、梨地エンボ
スを施し、プロピレン系梨地フィルムを製造することが
行われている。しかしながら、この金属ロールとシリコ
ンロールの組み合わせによる製造にあっても、0.25
mm以下の薄い梨地フィルムを製造する場合には、フィ
ルムがシリコンロールに巻き付くことが多々あり、その
度毎に機械を止めて清掃をしなくてはならず、生産性が
悪くなり、したがって生産できるフィルムの厚さが限定
されていた。
点を解決した、0.25mm以下の薄い梨地フィルムで
あっても、0.25mmより厚いフィルムと同様に連続
して押出成形により製造し得る、プロピレン系梨地フィ
ルムの製造方法を提供することを課題とする。
めに、本発明に係わる請求項1に記載の方法は、アイソ
タクチックポリプロピレン樹脂及びシンジオタクチック
ポリプロピレン樹脂の混合物を主成分とする樹脂組成物
をフィルム状に押出成形し、シリコンロールを使用して
梨地エンボスを施すことからなる、プロピレン系梨地フ
ィルムの製造方法である。
多層積層フィルムについても、梨地エンボス加工を施し
たフィルムの製造方法を提供するものであり、その請求
項2に記載の方法は、アイソタクチックポリプロピレン
樹脂及びシンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合
物を主成分とする樹脂組成物と、該樹脂組成物とは異な
るオレフィン系樹脂組成物を多層フィルム状に共押出成
形し、シリコンロールを使用して梨地エンボスを施すこ
とからなる、プロピレン系梨地フィルムの製造方法であ
る。
アイソタクチックポリプロピレン樹脂及びシンジオタク
チックポリプロピレン樹脂の混合物を主成分とする樹脂
組成物からなる層を、少なくと梨地エンボスを施す層と
して、他のオレフィン系樹脂の層と、所望の多層構造と
して積層させればよい。
よれば、ポリプロピレン系樹脂組成として、アイソタク
チックポリプロピレン樹脂及びシンジオタクチックポリ
プロピレン樹脂を混合した樹脂組成を主成分として使用
することにより、押出成形における梨地エンボス加工用
ロールとしてシリコンロールを使用した場合には、厚さ
0.25mm以下の薄いフィルムであっても、0.25
mmより厚いフィルムの場合と同様に、効率よく、連続
製造し得ることを新規に見出した。
ン樹脂とシンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合
比率は、95:5〜5:95である樹脂組成物を用いる
のが良いことが判明した。
比率が5未満であると、成形されたフィルムがロールに
巻き付きやすくなる傾向があり、また、シンジオタクチ
ックポリプロピレンの比率が95を超えると、樹脂の結
晶化速度が遅くなるため、生産性が悪くなる傾向があ
る。
ピレン系梨地フィルムの製造方法において、より好まし
い態様としては、アイソタクチックポリプロピレン樹脂
及びシンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合比
が、95:5〜5:95である樹脂組成物を主成分とし
て使用し、シリコンロールを使用して押出成形すること
からなる、プロピレン系梨地フィルムの製造方法であ
る。
は、押出成形における金属ロールのロール表面に、所望
厚を有するシリコンゴム層を形成したものをいう。
系樹脂組成物としては、その組成物中の約80%以上
が、アイソタクチックポリプロピレン樹脂及びシンジオ
タクチックポリプロピレン樹脂を上記の混合比率で混合
された樹脂とすることが好ましい。
レン系樹脂組成物には、その他の樹脂成分を混合し使用
することもでき、そのような樹脂成分としては、線状低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン;ランダ
ム重合ポリプロピレン、ブロック重合ポリプロピレン等
のポリプロピレン;エチレン−酢酸ビニル、エチレン−
アクリル酸、エチレン−アクリル酸エステル、エチレン
−メタクリル酸、エチレン−メタクリル酸エステル等の
エチレン系共重合体等のオレフィン系樹脂をあげること
ができる。
ン系樹脂組成物としては、アイソタクチックポリプロピ
レン樹脂とシンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混
合物のみを使用するのがよい。
脂組成物には、添加剤として、帯電防止剤、滑剤または
粘着防止剤、酸化防止剤を添加するのがよい。
アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪
酸エステル等の非イオン系界面活性剤;アルキルスルホ
ネート、アルキルベンゼンスルホネート等のアニオン系
界面活性剤、第4級アンモニウムクロライド、第4級ア
ンモニウムサルフェート等のカチオン系界面活性剤;ア
ルキルベタイン型、あるいはアルキルアラニン型の両性
系界面活性剤、あるいはポリビニルベンジル型カチオ
ン、ポリアクリル酸型カチオン等の導電性樹脂をあげる
ことができる。
ン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑
剤;ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑
剤;ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエス
テル系滑剤;バリウムイソデシルホスフェート、カルシ
ウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属塩系
滑剤;ポリエチレンワックス;流動パラフィン等が挙げ
られる。そのなかでも特に、ステアリン酸アミド、メチ
レンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド
等の脂肪酸アミド系滑剤を使用するのがよい。
は2種以上組み合わせて使用することができる。
いるフェノール系、チオジプロピオン酸エステル系、脂
肪酸サルファイト系等の酸化防止剤があげられ、これら
の1種または2種以上を用いることができる。
組成物には、所望により、他の添加剤として顔料、紫外
線吸収剤、熱安定化剤、光安定化剤等の一般的に添加さ
れる成分を添加してもよい。
ン、チタンブラック、モリブテン赤、モリブテンホワイ
ト等の無機顔料、各種アゾ顔料、フタロシアニンブルー
等の有機顔料をあげることができる。
ているサリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、
ヒドロキシベンゾフェノン系、アクリロニトリル系やこ
れらの置換体等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤
は、単独または2種以上を混合して使用することができ
る。
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾ
フェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベン
ゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル−5’
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン
ビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾー
ル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール類。
ノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’
−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等の
ベンゾエート類;2−エトキシ−4’−ドデシルオキザ
ニリド等のオキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,
β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3
−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート
等のシアノアクリレート類が挙げられる。
の一般的に使用されている光安定化剤を1種または2種
以上用いることができる。
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルス
テアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−
[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブ
チル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメ
チレンジアミン。テトラ(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキ
シカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチ
ル}−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,
5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2
−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニル
オキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキシサ
スピロ[5,5]ウンデカン。1,5,8,12−テト
ラキス{4,6−ビス[N−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ]−1,3,5
−トリアジン−2−イル}−1,5,8,12−テトラ
アザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハ
ク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−
4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合化合物等の
ヒンダートアミン系光安定剤等が挙げられる。
ムは、ロールを用いた押出成形により製造され、特に、
少なくとも一方の引き取り装置のロールとして、シリコ
ンロールを使用する点に特徴があり、ロール表面に成形
したシリコンゴム層の押圧により、プロピレン系フィル
ムの少なくとも片面は、梨地エンボス加工が施されるの
である。
を施す場合には、引き取り装置のロールの片方をシリコ
ンロールとし、もう片方に表面平滑な金属ロールまたは
テフロンロールを使用すればよい。また、フィルム両面
に梨地エンボス加工を施したプロピレン系梨地フィルム
を製造する場合には、引き取り装置のロールの片方をシ
リコンロールとし、もう片方にシリコンロールや金属梨
地ロール、テフロン梨地ロールを使用すればよい。
ロールは、一般に、ロール内に水等を通してロールを冷
却することができる、押出し成形用の金属ロールを使用
するのがよい。
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
示す樹脂組成(重量部)による樹脂混合組成物を、押出
シリンダー温度220℃、ダイス温度230℃にて、金
属梨地ロールとシリコンロールの引取装置を用いて、
0.2mm厚のフィルムを成形し、4時間のロングラン
テストを行なった。
住友ノーブレン FM321B(住友化学社製) *2:シンジオタクチックポリプロピレン;チアロ S
PH0453E(三井化学社製) *3;線状低密度ポリエチレン;スミカセン F200
(住友化学社製)
表中に示した。その結果、実施例1〜実施例4の場合に
は、0.2mm厚のプロピレン系梨地フィルムを連続し
て成形することができた。また、フィルム成形中にフィ
ルムのロールへの粘着も認められず、品質の良好なプロ
ピレン系梨地フィルムを得ることができた。
チックポリプロピレン樹脂のみ)の場合には、シリコン
ロールへのフィルムの粘着が度々発生し、成形中にフィ
ルムの切断が生じ、最終的にはフィルムの成形をするこ
とができなかった。
タクチックポリプロピレン樹脂及びシンジオタクチック
ポリプロピレン樹脂の混合物である特異的樹脂組成物を
使用することにより、これまでシリコンロールを使用し
て製造し得なかった0.25mm以下の薄いプロピレン
系梨地フィルムであっても、0.25mmより厚いフィ
ルムと同様に連続して製造し得る利点を有する。
ンロールへの巻き付きが無く、生産性ならびに作業性を
改善し、プロピレン系梨地フィルムの生産性向上に著し
く寄与するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 アイソタクチックポリプロピレン樹脂及
びシンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合物を主
成分とする樹脂組成物をフィルム状に押出成形し、シリ
コンロールを使用して梨地エンボスを施すことからな
る、プロピレン系梨地フィルムの製造方法。 - 【請求項2】アイソタクチックポリプロピレン樹脂及び
シンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合物を主成
分とする樹脂組成物と、該樹脂組成物とは異なるオレフ
ィン系樹脂組成物を多層フィルム状に共押出成形し、シ
リコンロールを使用して梨地エンボスを施すことからな
る、プロピレン系梨地フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 アイソタクチックポリプロピレン樹脂及
びシンジオタクチックポリプロピレン樹脂の混合比率
が、95:5〜5:95である樹脂組成物を用いた請求
項1または2に記載のプロピレン系梨地フィルムの製造
方法。
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JP2000019996A JP4790889B2 (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | プロピレン系梨地フィルムの製造方法 |
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-
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- 2000-01-28 JP JP2000019996A patent/JP4790889B2/ja not_active Expired - Fee Related
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