JP2001206072A - 車輌用振動騒音制御装置 - Google Patents

車輌用振動騒音制御装置

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JP2001206072A
JP2001206072A JP2000349650A JP2000349650A JP2001206072A JP 2001206072 A JP2001206072 A JP 2001206072A JP 2000349650 A JP2000349650 A JP 2000349650A JP 2000349650 A JP2000349650 A JP 2000349650A JP 2001206072 A JP2001206072 A JP 2001206072A
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利夫 横山
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英隆 小沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌における振動騒音源から発生する周期的
又は擬似周期的な振動騒音に対し、収束速度を向上させ
てより適切かつ高精度な適応制御を行うことができるよ
うにした。 【解決手段】 パルス信号の発生間隔に応じてWフィル
タ48のタップ長を変化させると共に、Cフィルタ50
では、前記変化したタップ長に応じて該Cフィルタ50
のフィルタ係数の擬似周期列を作成する。そして、パル
ス信号がWフィルタ48及びCフィルタ50に供給され
ると、Cフィルタ50により伝達特性の補正された制御
信号X′が、タップ長の可変とされたWフィルタ48か
ら出力され、振動騒音が適応制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輌用振動騒音制御装
置、より詳しくは車輌の走行等により発生する振動騒音
を能動的に制御し、これら振動騒音の低減化を図る車輌
用振動騒音制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、適応デジタルフィルタ(Adaptive
Digital Filter:以下、「ADF」という)を使用して
振動騒音源から発生する振動騒音を減衰させ、該振動騒
音の低減化を図る能動的振動騒音制御装置の開発が各方
面で盛んに行なわれている。
【0003】図18は、この種の振動騒音制御装置を自
動車等の車輌に適用した場合のブロック構成図である。
【0004】該振動騒音制御装置においては、振動騒音
センサ101により検出された振動騒音はA/Dコンバ
ータ102によってサンプリングされ、デジタルデータ
の入力信号xとして適応制御回路103に入力される。
次いで、該適応制御回路103から出力されたデジタル
信号はD/Aコンバータ104でアナログ信号に変換さ
れ、振動伝達経路中に配設されたエンジンマウント10
5及び車体106を経て車体の床などに設けられた加速
度センサ等の加算器107に相殺信号yとして入力され
る。
【0005】一方、前記加算器107には、エンジン等
の振動騒音源108から振動騒音信号dが入力されてお
り、前記該加算器107からは振動騒音信号dと相殺信
号yとの誤差信号εが出力され、適応制御回路103に
フィードバックされる。すなわち、誤差信号εは、振動
騒音信号dと相殺信号yとの相殺誤差を示すものであ
り、上記能動振動制御装置においては前記誤差信号εが
最小値となるように相殺信号の逆位相の伝達特性を変更
することにより騒音の低減が図られている。
【0006】また、適応制御回路103は、一般的には
図19に示すフィルタードX−LMSアルゴリズムと呼
称されるアルゴリズム構成が採用される。すなわち、該
適応制御回路103は、有限長インパルス応答(Finite
Impulse Response:以下「FIR」という)形のADF
としてのウィーナーフィルタ(以下、「Wフィルタ」と
いう)と、アルゴリズム(計算法)としての最小2乗平
均法(Least Mean Square Method:以下「LMS法」とい
う)を利用して最適相殺信号(伝達特性)を生成する適
応アルゴリズム(LMS)処理部110と、振動騒音伝
達経路中におけるWフィルタ109からの振動騒音伝達
特性の位相変化を補正する補正デジタルフィルタ(以
下、「Cフィルタ」という)111とを備えている。
【0007】上記適応制御回路103を備えた振動騒音
制御装置においては、Cフィルタ111により振動騒音
伝達経路中に配設されたエンジンマウント105等によ
る伝達特性の位相変化の影響を回避することができ、所
望の相殺信号yを加算器107に入力することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の振
動騒音制御装置においては、入力信号xが時系列的波形
でもってWフィルタ109及びCフィルタ111に入力
されるため、Wフィルタ109及びCフィルタ111に
おいて、夫々のタップ毎に入力信号xとの間で積和演算
を実行しなければならず、演算処理に時間を要するとい
う問題点があった。すなわち、自動車等の車輌における
振動騒音のように複雑な系の振動騒音を制御するために
はフィルタのタップ長を長くする必要がある一方、フィ
ルタのタップ長が長くなると、それだけ積和演算に時間
を要することとなり、振動騒音を低減するための収束速
度が低下するという問題点があった。
【0009】また、車輌の振動騒音は、エンジンの回転
及び燃焼状態等エンジンの各運転状態が複雑に絡み合っ
て生じ、しかもこれらのエンジンの運転状態に応じて夫
々固有の振動波形、固有の周波数等を有するため、これ
ら全ての運転状態を一括して単一の信号により処理して
も誤差信号εを所望値にまで低減することが困難であ
り、高精度の振動騒音制御を行うことができないという
問題点があった。
【0010】さらに、上記従来の振動騒音制御装置にお
いては、振動騒音がA/Dコンバータ102により一定
のサンプリング周期でサンプリングされているため、自
動車などの車輌のようにエンジンの回転変動等により振
動騒音伝達特性が大きく変化する系に対しては、適切な
振動騒音制御を行うことができないという問題点があっ
た。
【0011】本発明は、このような問題点に鑑みなされ
たものであって、車輌における振動騒音源から発生する
周期的又は擬似周期的な振動騒音に対し、収束速度を向
上させてより適切かつ高精度な適応制御を行うことがで
きる車輌用振動騒音制御装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る車輛用振動騒音制御装置は、第1の態様
として、少なくとも車輌駆動用パワープラントを含む振
動騒音源に起因して車体又は車室内の少なくとも1つ以
上の所定領域において発生する周期的または擬似周期的
な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリングす
ることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間の伝
達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィルタ
手段と、前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号
により振動騒音を制御する電気機械変換手段と、該電気
機械変換手段からの出力により、ベクトル的な総和によ
り減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域において
検出する誤差信号検出手段と、前記電気機械変換手段と
前記誤差信号検出手段との間に形成される振動騒音伝達
経路の伝達特性を表現する第2のフィルタ手段と、前記
誤差信号検出手段の検出結果と前記第2のフィルタ手段
から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段のフ
ィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小値と
なるように前記フィルタ係数を更新する制御信号更新手
段とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、前記振
動騒音源の駆動周期に同期して発生するパルス信号を検
出するパルス信号検出手段と、該パルス信号検出手段に
より検出されたパルス信号の発生間隔に応じて第1のフ
ィルタ手段のタップ長を変化させる変化手段とを備え、
前記第2のフィルタ手段が、前記変化手段により変化し
た前記タップ長に応じて前記第2のフィルタ手段のフィ
ルタ係数の擬似周期列を作成する擬似周期列作成手段を
有していることを特徴としている。
【0013】また、本発明に係る車輛用振動騒音制御装
置は、第2の態様として、少なくとも車輌駆動用パワー
プラントを含む振動騒音源に起因して車体又は車室内の
少なくとも1つ以上の所定領域において発生する周期的
または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力信号を
フィルタリングすることにより前記振動騒音源から前記
所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を出力す
る第1のフィルタ手段と、前記制御信号を駆動信号に変
換して該駆動信号により振動騒音を制御する電気機械変
換手段と、該電気機械変換手段からの出力によりベクト
ル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所
定領域において検出する誤差信号検出手段と、前記電気
機械変換手段と前記誤差信号検出手段との間に形成され
る振動騒音伝達経路の伝達特性を表現する第2のフィル
タ手段と、前記誤差信号検出手段の検出結果と前記第2
のフィルタ手段から出力される参照信号と前記第1のフ
ィルタ手段のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差
信号が最小値となるように前記フィルタ係数を更新する
制御信号更新手段とを備えた車輌用振動騒音制御装置に
おいて、前記振動騒音源からの駆動周期を所定微小角度
毎にパルス信号として検出する駆動周期信号検出手段
と、該駆動周期信号検出手段により検出されるパルス信
号の検出タイミングに応じてサンプリング周期を決定す
るサンプリング周期決定手段とを備え、前記第2のフィ
ルタ手段が、前記サンプリング周期決定手段により決定
されたサンプリング周期に応じて第2のフィルタ手段の
伝達特性を補正する伝達特性補正手段を有し、前記サン
プリング周期決定手段により決定されたサンプリング周
期で前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数の出力及び
更新を行う一連の動作を支配することを特徴としてい
る。
【0014】また、上記第1及び第2の態様において、
前記第1のフィルタ手段及び第2のフィルタ手段は、各
々適応型デジタルフィルタを具備していることを特徴と
している。
【0015】
【作用】上記第1の態様によれば、パルス信号の発生間
隔に応じて第1のフィルタ手段(適応型デジタルフィル
タ)のタップ長が変化し、さらにタップ長の長さの変化
に応じて第2のフィルタ手段のフィルタ係数の擬似周期
列が作成される。そして、所定の入力信号が第1のフィ
ルタ手段に入力されてパルス信号の発生間隔に応じた制
御信号が第1のフィルタ手段から出力されるので、固定
サンプリング方式で振動騒音制御を行うことが可能とな
る。
【0016】また、上記第2の態様によれば、パルス信
号の検出タイミングに応じてサンプリング周期が決定さ
れ、該決定されたサンプリング周期で第1のフィルタ手
段のフィルタ係数の出力及び更新を行う一連の動作が支
配されるので、可変サンプリング方式での振動騒音制御
を行うことが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説す
る。
【0018】図1は本発明に係る車輌用振動騒音制御装
置の一実施例を示した全体構成図である。
【0019】図中、1は例えば6気筒を有する車輌駆動
用パワープラントの4サイクルエンジン(以下、単に
「エンジン」という)であって、該エンジン1の吸気管
2の途中にはスロットルボディ3が設けられ、その内部
にはスロットル弁3′が配されている。また、スロット
ル弁3′にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連
結されており、スロットル弁3′の開度に応じた電気信
号を出力して電子コントロールユニット(以下「EC
U」という)5に供給する。
【0020】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3′との間且つ吸気管2の図示しない燃料ポンプに接続
されるとともにECU5に電気的に接続され、当該EC
U5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御され
る。
【0021】また、吸気管2のスロットル弁3′の下流
側には分岐管7が設けられ、該分岐管7の先端には絶対
圧(PBA)センサ8が取付けられている。該PBAセ
ンサ8はECU5に電気的に接続されており、吸気管2
内の絶対圧PBAは前記PBAセンサ8により電気信号
に変換されてECU5に供給される。
【0022】また、エンジン1のクランク軸周囲の所定
位置にはTDCセンサ9が取付けられている。
【0023】TDCセンサ9は、エンジン1のクランク
軸の120°回転毎に所定のクランク角度位置で信号パ
ルス(以下、「TDC信号パルス」という)を出力し、
該TDC信号パルスをECU5に供給する。
【0024】すなわち、TDC信号パルスは、各気筒の
基準クランク角度位置を表わすものであって、具体的に
は、各気筒(#1〜#6CYL)の圧縮行程終了時のT
DC(上死点)前の所定クランク角度位置(例えば、1
0°BTDC)で発生する。そして、ECU5はTDC
信号パルスの発生間隔を計測してエンジン回転数NEの
逆数であるME値を算出する。
【0025】また、エンジン1のシリンダヘッド上部に
は、各シリンダ毎に1対の排気弁と吸気弁とを備えた動
弁系10が設けられ、該動弁系10のカム軸周囲にはカ
ム軸センサ11及び基準信号検出センサ12が取り付け
られている。
【0026】カム軸センサ11は、クランク軸が2回転
する間に等間隔で例えば24個(例えば、クランク角3
0°同期)の基礎パルス信号を出力し、該基礎パルス信
号をECU5に供給する。
【0027】また、基準信号検出センサ12は、クラン
ク軸2回転毎に特定の気筒の所定のクランク角度位置で
基準信号を出力し、該基準信号をECU5に供給する。
すなわち、該基準信号は、所定クランク角度位置で前記
基礎パルス信号と同期して発生する。
【0028】エンジン1の各気筒の点火プラグ13は、
ECU5に電気的に接続され、ECU5により点火時期
が制御される。
【0029】また、エンジン1の前部及び後部には電気
機械変換手段としての1対の自己伸縮型エンジンマウン
ト14a,14bが配設されている。具体的には、前記
自己伸縮型エンジンマウント14a,14bは、その上
端が弾性ゴム15a,15bを介して、エンジン1に接
続されると共に、下端は車体クレーム16に支持されて
いる。
【0030】そして、前記自己伸縮型エンジンマウント
14a,14bにはボイスコイルモータ(VCM)17
a,17bが内有され、エンジンの振動に応じてECU
5からの信号によりエンジンの振動を制御する。すなわ
ち、自己伸縮型エンジンマウント14a,14bは、液
体が充填された液室(図示せず)を内有し、振動源(エ
ンジン1)側に固定された弾性ゴム15a,15bを介
して振動源の振動が車体に伝達されるのを防止する。
【0031】また、ECU5には、振動騒音制御系18
が電気的に接続され、該振動騒音制御系18は、ECU
5からの指令により制御信号を作成し、該制御信号は自
己伸縮型エンジンマウント14a、14bに供給されて
振動騒音を制御する。さらに、クランク軸に一体的に嵌
合されたフライホイール近傍には、エンコーダ19が配
設され、該エンコーダ19により検出されたフライホイ
ールの回転信号は前記振動騒音制御系18に供給され
る。
【0032】しかして、ECU5は、上述の各種センサ
からの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベル
に修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する
等の機能を有する入力回路5aと、中央演算処理回路
(以下「CPU」という)5bと、該CPU5bで実行
される各種演算プログラムや演算結果等を記憶するRO
M及びRAMからなる記憶手段5cと、前記燃料噴射弁
6、点火プラグ13、自己伸縮型エンジンマウント14
a、14b及び振動騒音制御系18に出力信号を供給す
る出力回路5dとを備えている。
【0033】また、ECU5(CPU5b)は、エンジ
ン運転状態に応じ、数式(1)に基づき、前記TDC信
号パルスに同期して燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOU
Tを演算する。
【0034】 TOUT=TiM×K1+K2 …(1) ここで、TiMはエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧
PBAとに応じて設定される基本燃料噴射時間であっ
て、記憶手段5c(ROM)にはこのTiM値を決定す
るためのTiMマップが予め記憶されている。
【0035】また、K1及びK2は夫々各種エンジンパ
ラメータ信号に応じて演算される補正係数及び補正変数
であって、各気筒毎にエンジンの運転状態に応じた燃費
特性や加速特性等の諸特性の最適化が図られるような所
定値に設定される。
【0036】動弁系10は、具体的には図2に示すよう
に、エンジン1のシリンダヘッド20の上方に固設され
たシリンダヘッドカバー21内に配設され、吸気弁(又
は排気弁)22と、バルブスプリング23と、支軸24
を中心にシーソー運動を行うロッカーアーム25と、該
ロッカーアーム25に当接されるカム26と、該カム2
6が外嵌されたカム軸27とを主要部として構成されて
いる。
【0037】また、吸気弁(又は排気弁)22は、その
棒状ステム28がバルブガイド29に挿通摺接されると
共に、その後部に設けられたばね受け30と、該ばね受
け30に当接するバルブスプリング23とで閉弁方向に
弾性支持され、さらに、その先端はシリンダヘッド20
の燃焼室31と吸気孔(又は排気孔)32とが連通・遮
断可能となるようにその開口部33に当接可能とされて
いる。
【0038】上記動弁系10においては、カム軸27と
一体的に回転するカム26と当接しているロッカーアー
ム25がバルブスプリング23の弾発付勢力に抗して周
期的なシーソー運動を繰り返し、吸気弁(又は排気弁)
22を上下運動させている。
【0039】また、カム軸27の一端には、図3に示す
ように、カム軸用プーリ34が該カム軸27と一体的に
嵌合され、タイミングベルト35を介してクランク軸3
6の一端に該クランク軸36と一体的に嵌合されたクラ
ンク軸用プーリ37と連動可能とされ、かつ前記クラン
ク軸用プーリ37の他端には多数のリングギアが外周に
形成されたフライホイール38が固着されている。
【0040】図4は、本発明における振動騒音制御系1
8の一実施例を模式的に示したシステム構成図であって
(第1の実施例)、ECU5を駆動させるためのクロッ
ク信号の周波数、すなわち駆動周波数(例えば、10M
Hz)をサンプリング周波数Fsとして所定の適応制御
を行う所謂固定サンプリング方式の場合を示しており、
本実施例ではカム軸センサ11により検出される検出信
号を基礎パルス信号として使用した場合を示している。
【0041】該振動騒音制御系18は、ECU5から供
給される基礎パルス信号(カム軸センサ11により検出
される)を分周して複数種のタイミングパルス信号X
(入力信号)を生成する分周回路39と、前記基礎パル
ス信号を逓倍して所望のサンプリング周波数Fs(サン
プリング周期τ(=1/Fs))を作成する逓倍回路4
0と、基礎パルス信号と夫々のタイミングパルス信号X
との同期を監視する同期監視回路411〜414と、前記
逓倍回路40で作成されたサンプリング周波数Fsに基
づき前記分周回路39により作成された夫々のタイミン
グパルス信号Xが入力されて適応制御を行う高速演算可
能なDSP(Digital Signal Processor)42と、該DS
P42から出力される制御信号(デジタル信号)をアナ
ログ信号に変換するD/Aコンバータ43と、該D/A
コンバータ43により出力されたアナログ信号を増幅す
る増幅器44と、車体45の床などに配置された加速度
センサ等の加算器46とを主要部として構成されてい
る。
【0042】しかして、前記逓倍回路40としては、例
えば以下に示す周知のものが使用される。すなわち、 (1) 周知の論理逓倍回路を利用して、前記基礎パルス信
号をK(Kは実数)逓倍する方法 (2) 前記基礎パルス信号の発生間隔の間に発生するEC
U5のクロック(例えば、10MHz)のクロックパル
ス数PECUを計測し、(PECU/2K)の周期で
「0」出力と「1」出力を交互に出力することによりK
逓倍する方法 (3) 前記基礎パルス信号を(1/2)分周した後、積分
し、次いで正弦波化し、この正弦波をK逓倍し、方形化
するアナログ的手法がある。
【0043】また、前記分周回路39は、振動騒音源で
あるエンジンの各構成部位(動弁系10、クランク軸3
6周囲、燃焼室31等)に特有の振動騒音特性に応じて
基礎パルス信号を分周し、複数種のタイミングパルス信
号Xを生成する。6気筒を有する本実施例の場合におい
ては、4種類のタイミングパルス信号Xが生成される。
すなわち、車両駆動用パワープラントが4サイクルエン
ジンの場合、4サイクルエンジンの振動騒音の発生原因
となる振動(加振力)は次の3種類に分類される。
【0044】(1) クランク軸の回転等ピストン系往復質
量による加振力 これに属する加振力としては慣性力、慣性偶力、慣性ト
ルク等がある。
【0045】(2) カム軸等動弁系(吸気弁、排気弁)往
復質量による加振力 これに属する加振力としては慣性力やモーメント等があ
る。
【0046】(3) 気筒内の爆発圧による加振力 これに属する加振力としては燃焼状態の変動に起因する
トルク変動等がある。そして、本実施例ではエンジンの
回転に同期して規則的な振動騒音特性が生じるピストン
系等の振動次数(振動成分)と燃焼状態に応じて不規則
な振動騒音特性が生じる爆発圧(加振力)による振動次
数(振動成分)とに区分すべく4種類のタイミングパル
ス信号Xが生成される。具体的には、規則的なピストン
系等の振動次数を示すものとして3種類(1次、1.5
次、2次)のタイミングパルス信号Xが生成され、爆発
圧による振動次数を示すものとして1種類(3次)のタ
イミングパルス信号Xが生成される。ここで、振動次数
が「1次」とは、図5に示すように、クランク軸が1回
転(12パルス)する毎にタイミングパルス信号Xが1
回発生する場合をいう。また、振動次数が1.5次の場
合とは、クランク軸が2/3回転(8パルス)する間に
1パルス発生する場合をいい、振動次数が2次の場合と
はクランク軸の0.5回転(6パルス)毎に1パルス発
生する場合をいい、さらに振動次数が3次の場合とは、
クランク軸が1/3回転(4パルス)する毎に1パルス
発生する場合をいう。
【0047】このように、4種類のタイミングパルス信
号Xを生成することにより振動騒音特性に応じた適応制
御が可能となる。すなわち、低次数(1次、1.5次、
2次)の振動次数はクランク軸の回転等規則的に発生す
る振動成分に関するものであり、かかる低次数の振動成
分を個別に後述する適応制御を行うことにより、エンジ
ンの回転等慣性力に起因して発生する振動騒音を効率よ
く低減することができる。
【0048】一方、クランク軸が2回転する間に1気筒
当たり1回爆発行程が実行されるため、6気筒エンジン
の場合、クランク軸が2回転する間に6回の爆発行程が
あり、したがって振動次数が3次とは爆発圧に関する振
動成分を示していることとなる。したがって、不規則な
振動騒音特性を有する爆発圧に関する振動次数(3次)
を規則的な振動騒音特性を有する振動次数と区分して適
応制御を行うことにより、振動騒音をより効果的に低減
することができる。
【0049】また、同期回路411〜414は、前記基準
信号と前記第2のパルス信号との同期を検出する同期検
出手段を有し、該同期検出手段により前記タイミングパ
ルス信号Xと前記基準信号との同期が検出されなかった
ときは、次回に検出される基準信号と前記タイミングパ
ルス信号Xとを同期させている。
【0050】すなわち、[作用]の項で述べた理由から
タイミングパルス信号Xはいずれの振動次数の場合にお
いても少なくともクランク軸2回転当たり1回の割合で
発生する。しかるに、基礎パルス信号が図6に示すよう
に、何らかの外部要因により検出に失敗してタイミング
パルス信号Xの作成に失敗するとDSP42からは所望
の伝達特性を有する制御信号が出力されず、しかもこれ
らの位相誤差は将来に亘って蓄積されるため、所望の振
動騒音制御を行うことができないこととなる。そこで、
本実施例では上述したように、前記同期検出手段と前記
同期手段とを有する同期回路411〜414を備えること
により、上記位相誤差の発生を回避せんとしている。
【0051】具体的には、同期回路411〜414は、前
記基準信号(基準信号検出センサ12により検出され
る)をモニタすると共に、AND回路(論理積回路)が
内蔵され、基準信号とタイミングパルス信号Xとが同期
して入力されているときは共に「1」信号が入力されて
該AND回路からは「1」信号が出力される。一方、基
準信号とタイミングパルス信号Xとが同期していないと
きは、タイミングパルス信号Xの入力信号が「0」信号
となり、両者の同期に失敗したと判断し、分周回路39
はタイミングパルス信号Xの発生を一旦中止し、次回基
準信号の発生と同期して再びタイミングパルス信号Xの
発生が開始される。
【0052】しかして、DSP42(図4)は、夫々の
各振動次数(1次、1.5次、2次、3次)が別個に入
力可能となるように4種類の適応制御回路471〜474
が内蔵され、さらに該適応制御回路471〜474は、タ
イミングパルス信号Xの発生間隔に対応してそのタップ
長が変化するADFとしてのWフィルタ481〜48
4(第1のフィルタ手段)と、Wフィルタ481〜484
のフィルタ係数を更新するための演算処理を行う適応ア
ルゴリズムとしてのLMS処理部491〜494(更新手
段)と、振動騒音伝達経路中に配設された自己伸縮型エ
ンジンマウント14a(14b)及び車体45等の振動
騒音伝達経路の伝達関数に起因して生じる制御信号X′
の位相振幅等の伝達特性の変化を補正するCフィルタ5
1〜504(第2のフィルタ手段)とを備えている。
【0053】このように構成された車輌用振動騒音制御
装置においては、分周回路39により作成されたタイミ
ングパルス信号Xは、夫々の適応制御回路471〜474
に入力される。次いで、該適応制御回路471〜474
ら出力された制御信号X′(デジタル信号)はD/Aコ
ンバータ43でアナログ信号に変換され、増幅器44で
増幅され、振動伝達経路中に配設された自己伸縮型エン
ジンマウント14a(14b)に入力され、制御された
振動騒音は車体45を経て駆動信号Yとして加算器46
に入力される。
【0054】一方、前記加算器46にはエンジン1から
の振動騒音信号Dが入力されており、前記加算器46か
らは振動騒音信号Dと駆動信号Yとの誤差信号εが出力
され、前記適応制御回路471〜474にフィードバック
される。
【0055】しかして、図7は適応制御回路47の内部
構成を示すブロック回路図である。
【0056】すなわち、同期回路411〜414からの所
定の振動次数のタイミングパルス信号XはWフィルタ4
8に入力され、サンプリング周期τ(=1/Fs)毎に
Wフイルタ48のフィルタ係数が更新される。そして、
該Wフィルタ48からはタイミングパルス信号Xの発生
間隔に応じた振動騒音信号と逆位相を有する所定の伝達
特性を有する制御信号X′が出力される。
【0057】一方、前記第1の加算器46から出力され
た誤差信号εは第1の乗算器51に入力される一方、該
第1の乗算器57には毎回の更新補正量の大きさを制御
するステップサイズパラメータμがパラメータ制御手段
52から入力される。尚、前記ステップサイズパラメー
タμは、系に応じて収束速度及び収束してからの効果量
が最適となるような値に設定される。
【0058】次に、第1の乗算器51で誤差信号εとス
テップサイズパラメータμとが積和演算されて生成され
た出力信号Uは第2の乗算器53に入力される一方、該
第2の乗算器53にはCフィルタ50からの参照信号R
がフィルタ用レジスタ50′(記憶手段)を介して入力
される。該Cフィルタ50は、振動伝達遅れを補正する
ためのフィルタであって、前述したように自己伸縮型エ
ンジンマウント40及び車体45等の振動騒音伝達経路
の伝達関数に起因して生じる制御信号X′の位相振幅等
の伝達特性の変化を補正する。
【0059】すなわち、Cフィルタ50は、所定サンプ
リング周波数Fs(逓倍回路40で作成される)毎にタ
イミングパルス信号Xが入力され、Wフィルタ48の場
合と同様、積和演算を要することなく前記振動騒音伝達
経路の伝達関数に対応するフィルタ係数に基づいた所定
の伝達特性を有する参照信号RがCフィルタ用レジスタ
50′に出力され、その後第2の乗算器53に入力され
る。
【0060】次に、第2の乗算器53で参照信号Rと前
記出力信号Uとが乗算されて負値に変換された出力信号
Vが第2の加算器54に入力される。
【0061】次いで、第2の加算器54からの出力信号
が遅延器55に記憶され、該遅延器55からの出力信号
がサンプリング周期毎に出力され、Wフィルタ48のフ
ィルタ係数更新が行なわれる。
【0062】このようにサンプリング周期毎にWフィル
タ48のフィルタ係数更新を行なうことにより、上述し
た周期性又は擬似周期性を有する振動騒音の低減化を図
ることができる。
【0063】しかして、Cフィルタ50は、タイミング
パルス信号Xの発生間隔に応じてタップ長が変化するW
フィルタ48に対処すべく、フィルタ係数(C∧)の擬
似周期列(C〜)を作成する擬似周期列作成手段を有し
ており、次に擬似周期列の作成方法について説明する。
【0064】図8は、エンジン1から発する周期性を有
する振動騒音成分波形と、サンプリング周期τに対する
振動騒音周期T(タイミングパルス信号Xの発生間隔に
よって決まるWフィルタ48のタップ長に相当する)の
比を示すポイント数Nとの関係を示している。
【0065】すなわち、図8(a)は、周期性を有する
振動騒音波形を示し、図8(b)は該振動騒音の周期に
同期してWフィルタ48及びCフィルタ50に入力され
るタイミングパルス信号Xを示し、図8(c)はECU
5から発生するサンプリングクロックを示している。
【0066】図8(a),(b)から明らかなように、
タイミングパルス信号Xの発生間隔を計測して周期Tが
検出されるため、該周期Tをサンプリング周期τで除算
することによりポイント数N(=T/τ)が算出され
る。
【0067】図9は、擬似周期列の作成手法を示した説
明図であって、ポイント数NをWフィルタ48のタップ
長Iと一致させると共に、図9(a)に示すように、C
フィルタ50のフィルタ係数(C∧)のタップ長Jとポ
イント数Nとを比較し、前記フィルタ係数(C∧)のタ
ップ長Jがポイント数Nよりも大きいときは、数式
(2)による演算を行って、図9(b)に示すように前
記フィルタ係数(C∧)をポイント数Nの周期で順次加
算してゆき、前記フィルタ係数(C∧)の擬似周期列
(C〜)を作成する。
【0068】
【数1】
【0069】(n=0,1,2,…,n−1) (a=0,1,2,…,J div N) (但し、(C〜)は擬似周期列、(C∧)はCフィルタ
50のフィルタ係数、JはCフィルタ50のタップ長、
Nはポイント数、(J div N)は(J/N)の切捨て整
数) また、前記フィルタ係数(C∧)のタップ長Jがポイン
ト数Nよりも小さいときは数式(3)による演算を行
い、図9(c)に示すように(N−J)個分だけ「0」
を付加し前記フィルタ係数(C∧)の擬似周期列(C
〜)を作成する。
【0070】
【数2】
【0071】(但し、(0,…,0)の個数は(N−
J)個) このように、伝達関数に対応するフィルタ係数(C∧)
のタップ長Jとポイント数Nとを比較し、その比較結果
に応じて適宜数式(2)又は数式(3)を使用してCフ
ィルタ50の擬似周期列(C〜)を算出することができ
る。
【0072】そして、擬似周期列(C〜)は、Cフィル
タ用レジスタ50′に記憶され、該擬似周期列(C〜)
は参照信号Rとして上述した第2の乗算器53に入力さ
れる。
【0073】図10は、擬似周期列作成ルーチンを示す
フローチャートであって、本プログラムはタイミングパ
ルスXのCフィルタ50への入力に同期して実行され
る。
【0074】まず、ステップS1ではポイント数Nを算
出する。すなわち、振動騒音の周期Tをサンプリング周
期τで除算してポイント数N(=T/τ)を算出する。
【0075】これは、同じタイミングパルス信号XがW
フィルタ48に入力されるため、Wフィルタのタップ長
Iに一致する。次いで、ポイント数NがCフィルタ50
に予め記憶された伝達関数に対応するフィルタ係数のタ
ップ長Jより小さいか否かを判別する(ステップS
2)。
【0076】そして、その答が肯定(YES)、すなわ
ちN<Jが成立するときは数式(2)に基づき(ステッ
プS3)、またその答が否定(NO)、すなわちN≧J
が成立するときは前記数式(3)に基づき、夫々Cフィ
ルタ50のフィルタ係数(C∧)から擬似周期列(C
〜)を算出する(ステップS4)。
【0077】次に、上述の如く作成された擬似周期列
(C〜)の2周期分を記憶手段50′に記憶させた後
(ステップS5)、タイミングパルスXの入力時からそ
のクロック数をカウントしているカウンタ(図示せず)
のカウント値kを「0」にリセットして本プログラムを
終了する。
【0078】すなわち、カウント値kがリセットされた
時点からカウンタはカウントを開始し、適応制御回路4
7は該カウント値kに基づいて作動する。
【0079】このようにCフィルタ用レジスタ50′に
記憶させた擬似周期列(C〜)に基づき、図11に示す
ように、その2周期の範囲の中から1周期分の読出範囲
をシフトさせて参照信号Rを出力する。すなわち、タイ
ミングパルスXの入力時(k=0)を基準にしてサンプ
リングクロックが計数される毎に逐次参照信号Rをシフ
トさせ、k番目のサンプリングクロックの入力によりC
フィルタ用レジスタ50′から参照信号Rを出力し、該
参照信号Rが第2の乗算器53に入力される。
【0080】尚、図示は省略するが、カウンタのカウン
ト値kをインクリメントする毎に参照信号Rをシフトさ
せながら上述の如く参照信号Rを出力するのではなく、
参照信号をサンプリング周期毎にシフトさせることによ
り擬似周期列(C〜)に応じた参照信号Rを逐次出力す
るように構成してもよい。
【0081】図12は本発明の第2の実施例を示す振動
騒音制御系18のシステム構成図であって、本第2の実
施例は、エンジン1の運転状態に応じてサンプリング周
波数Fsを可変とした所謂可変サンプリング方式の場合
を示している。
【0082】該振動騒音制御系18は、クランク軸36
に固着されたフライホイール38(図3参照)の近傍に
回転検出手段としてのエンコーダ19を配設し、該エン
コーダ19によりフライホイール38のリングギアをカ
ウントし、パルス信号が発生するように構成されてい
る。すなわち、該振動騒音制御系18においては、フラ
イホイール19のリングギアを計数することにより検出
される回転信号から直接サンプリング周波数Fsを作成
する一方、該パルス信号を基礎パルス信号として使用
し、分周回路39にて該基礎パルス信号を所定の振動次
数成分に分周してタイミングパルス信号Xを作成する
(例えば、1次、1.5次、2次、3次)。これによ
り、Wフィルタ48のタップ長は、基礎パルス信号に対
するタイミングパルス信号Xの分周比となり、斯かる分
周比は前記振動次数成分に対応して決定されることとな
る。そして該タイミングパルス信号Xは、上記第1の実
施例と同様、DSP42内の互いに異なる適応制御回路
471〜474に夫々入力され、これら適応制御回路47
1〜474からはタイミングパルス信号Xの入力間隔に応
じた出力間隔でもって制御信号X′が出力され、所望の
適応制御が行なわれる。この場合は、基礎パルス信号の
発生間隔に応じてサンプリング周波数Fsを可変にして
いるので、タイミングパルス信号Xの入力間隔に対して
Wフィルタ481〜484のタップ長を変化させることな
くエンジン1の運転状態に追随させることができる。
【0083】ところで、上記振動騒音制御系18におい
ては、サンプリング周波数Fsをタイミングパルス信号
Xの発生間隔に応じて追従するように変化させているの
で、Cフィルタ50から出力される伝達補正特性を従来
のように系によって予め同定してしまうとサンプリング
周波数Fsの変化に応じた参照信号Rを得ることができ
ず、所望の駆動信号Yを得ることができない虞がある。
【0084】そこで、本第2の実施例ではCフィルタ5
0に予め複数のフィルタ係数C(Fs)(n=1,2,
…,m)を記憶しておき、エンジンの回転数NEに応じ
て周波数帯域を複数の周波数領域Fn(n=1,2,
…,m)に区分しておく。そして、これら各周波数領域
Fnに応じて所望のフィルタ係数C(Fn)を選択する
ことにより、サンプリング周波数Fsが変化しても所望
の参照信号Rが得られるように構成されている。
【0085】図13は、Cフィルタのフイルタ係数の選
択手順を示すフローチャートであって、本プログラムは
例えばタイミングパルス信号Xの発生と同期してDSP
42内で実行される。
【0086】まず、エンジン1の始動直後においては、
系の伝達特性は全く未知であるため、n=1に設定して
(ステップS11)未知のサンプリング周波数Fsを有
するパルス、すなわちデフォルト値を入力する(ステッ
プS12)。次いで、駆動周波数Fc(例えば、10M
Hz)で駆動するECU5のクロックパルスの個数間隔
Eをカウンタで計測する(ステップS13)。
【0087】次に、ステップS14では数式(4)に基
づきサンプリング周波数Fsを算出する。すなわち、エ
ンジン1の始動直後は系の伝達特性は不明であるため、
デフォルト値としてのサンプリング周波数Fsを入力
し、該サンプリング周波数FsでのECU5のクロック
パルスの個数間隔Eを計数し、駆動周波数Fcと個数間
隔Eに基づいてサンプリング周波数Fsを更新する。
【0088】Fs=Fc/E …(4) 次いで、ステップS15では、サンプリング周波数Fs
が所定周波数Fn(この場合はn=1)より小さいか否
かを判別する。しかるに所定周波数F1はエンジン回転
数が極めて低いときに適合する周波数であるため、通常
はステップS15の答は否定(NO)となり、nを
「1」だけインクリメントして(ステップS16)、次
にサンプリング周波数Fsが所定周波数F2より小さい
か否かを判別する。以下、サンプリング周波数Fsが所
定周波数Fnより小さくなるまでステップS5の判別を
繰り返し、ステップS15の答が肯定(YES)となる
とステップS7に進んで、そのときの周波数Fnがサン
プリング周波数Fsに最も近いと判断して該周波数Fn
に対応する伝達特性C(Fn)を伝達補正特性に選択し
て本プログラムを終了する。
【0089】このようにエンジン始動直後においては、
低周波数とサンプリング周波数とを比較することにより
最適フィルタ係数を得ることができる。
【0090】また、エンジン回転数NEが或る程度の回
転数に到達した後は、図14に示すフローチャートにし
たがってフィルタ係数C(Fn)が選択される。
【0091】すなわち、n=p、つまりFnをF1から
Fmまでの中間周波数に設定した後(ステップS2
1)、図13と同様サンプリング周波数Fsを有するパ
ルスを入力し(ステップS22)、次いでクロックパル
ス(駆動周波数Fc)の個数間隔Eをカウンタで計測し
て(ステップS23)前記数式(4)に基づきサンプリ
ング周波数Fsを算出し(ステップS24)、該サンプ
リング周波数Fsが周波数Fn(この場合はFp)より
小さいか否かを判別する(ステップS25)。そして、
その答が肯定(YES)のときは、n=pであるからス
テップS26の答は肯定(YES)となり、サンプリン
グ周波数FsがFpより1区分低い所定周波数Fn-1
り小さいか否かを判別する(ステップS27)。すなわ
ち、ステップS25及びステップS26の答が共に肯定
(YES)のときは、エンジン減速時にある場合であ
り、サンプリング周波数Fsが1区分低い所定周波数F
n-1より大きいか否かを判別する。そして、ステップS
27の答が肯定(YES)のときはそのときの周波数F
sに対応するフィルタ係数C(Fn)を選択して本プロ
グラムを終了する。
【0092】また、ステップS27の答が否定(NO)
のときは、nを「1」だけデクリメントして(ステップ
S29)さらに低い所定周波数Fn-1とサンプリング周
波数Fsとの比較を行い、ステップS27の答が肯定
(YES)となったときはそのときの周波数Fnに対応
するフィルタ係数C(Fn)を選択して(ステップS2
8)本プログラムを終了する。
【0093】また、ステップS25の答が否定(NO)
のときは、ステップS25の答が肯定(YES)となる
までnを「1」ずつインクリメントしてサンプリング周
波数Fsと周波数Fnとを比較し、ステップS25の答
が肯定(YES)となったときはステップS26の答が
否定(NO)となるためそのままステップS28に進
み、そのときの周波数Fnに対応する伝達補正特性C
(Fn)を選択して本プログラムを終了する。
【0094】また、上記実施例ではCフィルタ50に予
め記憶された複数のフィルタ係数からエンジン回転数N
Eに応じた最適フィルタ係数を選択することにより最終
的にCフィルタ50を同定しているが、本発明は上記実
施例に限定されるものではなく、例えば、図15に示す
ように、エンジン回転数の上限回転数(例えば、600
0rpm)に相当する周波数よりも適数倍、例えば数十
倍を有する高周波数Frを分周してCフィルタ50の伝
達補正特性を同定するように構成してもよい。
【0095】すなわち、高周波のサンプリング周波数F
r(例えば、数10KHz)で同定された高次伝達特性
を有する高周波フィルタCrを予めCフィルタ50に記
憶しておく。ここで、高周波フィルタCrはM個のタッ
プを有し、かつ該高周波フィルタCrのサンプリング周
期(1/Fr)には駆動周波数Fc(例えば、10MH
z)で駆動するECU5の駆動パルス数がL個発生する
(この「L」はカウンタによりカウントされる)。
【0096】また、可変のサンプリング周波数Fs(例
えば、数百Hz)で同定されるフィルタCsにおいて
は、上記ECU5の駆動パルス数がそのサンプリング周
期(1/Fs)にS個(S>L)発生している場合(こ
の場合伝達特性Csは所定サンプリング周波数で同定さ
れているため、Sは既知数である)、そのタップ数Kは
数式(5)に基づいて算出される。
【0097】
【数3】
【0098】ここで、intは小数点以下を切り捨てた切
り捨て整数を示し、例えば、M×(L/S)=4.63
のときはM×(L/S)int=4となる。
【0099】そして、本実施例では図中矢印に示すよう
に、フィルタCsの各フィルタ係数Cs(j)は、これ
らのフィルタ係数Cs(j)に最も近い高周波フィルタ
Cr中の右隣りに位置するフィルタ係数Cr(m)を選
択してCフィルタ50の伝達特性を同定している。
【0100】図16は上記フィルタCsの各フィルタ係
数Cs(j)の算出手順を示すフローチャートである。
【0101】まず、ステップS31ではフィルタCsの
発生パルスQ及び、高周波フィルタCrの発生パルスL
を夫々「0」に設定し、次いでフィルタCsの最初のフ
ィルタ係数Ts(0)と高周波フィルタCrの最初のフ
ィルタ係数Cr(0)とを等置して(ステップS32)
フィルタCsの最初のフィルタ係数Cs(0)を決定す
る。
【0102】次いで、フィルタCsの発生パルス数Qを
「1」だけインクリメントすると共に、高周波フィルタ
Crの発生パルス数LをL(最初のループでは「0」)
に設定し(ステップS33)、次いでフィルタCsのサ
ンプリング周期(1/Fs)中における駆動周波数Fc
のクロックパルスの個数Sが高周波フィルタCrのサン
プリング周期(1/Fr)中に発生するECU5のクロ
ックパルス数FcがL以下であるか否かを判別する(ス
テップS34)。そして、その答が否定(NO)のとき
は発生パルス数Lを「1」だけインクリメントしてステ
ップS33に戻る一方、その答が肯定(YES)のとき
はCs(1)=Cr(1)に設定し(ステップS3
5)、次いで前記数式(5)が成立するか否かを判別す
る(ステップS36)。そして、その答が肯定(YE
S)のときはそのまま本プログラムを終了する一方、そ
の答が否定(NO)のときはステップS37に進み、フ
ィルタCsのタップ位置を「1」だけインクリメントす
ると共に、高周波フィルタCrの発生パルス数を2Lに
設定し、次いでサンプリング周期(1/2Fs)間に発
生したパルス数2SがECU5の駆動周波数Fcによる
パルス2Lより小さいか否かを判別する(ステップS3
8)。
【0103】そして、その答が否定(NO)のときは、
ステップS37に戻る一方、その答が肯定(YES)の
ときはCs(2)=Cr(2)に設定して(ステップS
39)、第2のタップ係数Cs(2)を決定し、次いで
再び数式(5)が成立しているか否かを判別し、その答
が肯定(YES)のときはそのままプログラムを終了す
る一方、その答が否定(NO)のときは次のステップ
(図示省略)に進む。そして、以後数式(5)が成立す
るまでCs(3),Cs(4),…を順次算出してゆ
き、数式(5)の成立により、全てのフィルタ係数Cs
(m)を決定し、数式(5)が不成立になったところで
本プログラムを終了する。
【0104】このように、高周波サンプリング周波数F
rで同定されたフィルタCrを「間引き」することによ
り最適伝達特性を有するCフィルタの同定を行うことが
できる。
【0105】これにより、サンプリング周波数が変化し
てもその変化に追随して伝達特性を補正することがで
き、したがって高精度な適応制御を行うことができ、所
望の振動騒音低減化を図ることができる。
【0106】尚、前述した第1の実施例では、例えばカ
ム軸センサ11に基づいてECU5から基礎パルス信号
を出力する場合、カム軸の回転はカム軸用プーリ34と
クランク軸用プーリ37とを連動させているタイミング
ベルト35の伸び等により微小ながら回転変動が生じる
(図3参照)。またCRKセンサに基づいてECU5か
ら基礎パルス信号を出力する場合においてもクランク軸
36の捩り振動等により回転変動を生じる。つまり、逓
倍回路40における逓倍比が大きい程かかる回転変動に
起因して所望のサンプリング周波数Fsに対して大きな
設定誤差が生じる虞があるのに対し、本第2の実施例の
ようにクランク軸36に固着されているフライホイール
38に基づいて基礎パルス信号を出力する場合は、クラ
ンク軸36に固着されているフライホイール38は慣性
モーメントが大きく、回転変動が少ないため、高精度で
所望のサンプリング周波数Fsを作成することができ
る。
【0107】尚、上記第1の実施例及び第2の実施例で
は、爆発圧に係る振動次数成分を一括して適応制御して
いるが、例えば、図17に示すように、各気筒毎に異な
る適応制御回路4741〜4746を設け、該適応制御回路
4741〜4746に夫々所定のタイミングパルス信号Xを
入力し、夫々の気筒に適応した制御を行なうのも好まし
い。
【0108】すなわち、ECU5からの基礎パルス信号
を分周して作成されたタイミングパルス信号Xは、第1
のスイッチング回路56aに入力される。該第1のスイ
ッチング回路56aはタイミングパルス信号Xが入力さ
れる毎に「1」ずつインクリメントされるカウンタから
なり、該カウンタがカウントアップされる毎にタイミン
グパルスが順次Wフィルタ4841,Wフィルタ4842
…,Wフィルタ4846に入力され、Wフィルタ4841
4846からの出力が、上述した所定の振動騒音伝達経路
を経て第1の加算器46に入力される。次いで振動騒音
信号Dとの誤差信号εが前記第1の加算器46から出力
され、第1のスイッチング回路56aと同期してカウン
トアップする第2のスイッチング回路56bに入力され
る。次いで、夫々の適応制御回路4741〜4746にフィ
ードバックされ、LMS処理部4941〜4946で気筒の
物理的配置に応じた最適駆動信号が生成され、所望の適
応制御が行なわれる。つまり、各振動次数成分の振動に
対し、その振動が慣性力に支配される場合は、同一成分
の合力として表わされるため、各気筒配置による差異は
微小であるが、シリンダ内での燃焼によって壁面が加振
されて生じる振動は、気筒の物理的な配置により、その
振動は異なる。
【0109】そこで、本発明では各気筒毎に異なるWフ
ィルタ4841〜4846を設け、第1及び第2のスイッチ
ング回路56a,56bを介して、順次フィルタ係数の
更新を行うことにより、各気筒間の寄与の差による偏差
が補正され、収束の精度が向上する。
【0110】尚、上記実施例では、カム軸27の回転に
同期して発生するパルス信号を基礎パルス信号として使
用したが、エンジンの回転に同期して発生するパルス信
号であればよく、例えばクランク軸周囲にクランク角セ
ンサ(CRKセンサ)を設け、該CRKセンサの出力信
号を基礎パルス信号として使用してもよく、また、トル
ク変動(燃焼状態の変動)を示すファクタとして、例え
ば点火パルスを選択し、該点火パルスを基礎パルス信号
として使用してもよい。さらに、ECU5を駆動させる
ためのクロックパルスを基礎パルス信号として使用して
もよいのはいうまでもない。
【0111】尚、本発明は上記実施例に限定されること
がないのはいうまでもない。例えば、上記第2の実施例
においてはフライホイール38の回転信号をパルスエン
コーダで検出しているが、カム軸27又はクランク軸3
6の近傍に回転信号検出手段19としてのロータリエン
コーダを配設し、該ロータリエンコーダにより検出され
た回転信号を分周してサンプリング周波数Fsやタイミ
ングパルス信号Xを生成してもよく、また本発明は6気
筒以外の多気筒エンジン、例えば4気筒、8気筒エンジ
ンにも適用できるのはいうまでもない。
【0112】また、複数の振動騒音伝達経路のうちの1
個の振動騒音伝達経路のみに電気機械変換手段(自己伸
縮型エンジンマウント等)を配設し、該電気機械変換手
段を有さない振動騒音伝達経路からの振動騒音とのベク
トル的な総和に基づき第1の加算器46で誤差信号εを
検出するように構成してもよい。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の発明
によれば、第1のフィルタ手段のタップ長がパルス信号
の発生間隔、すなわちパワープラント等の振動騒音源の
駆動周期に応じて変化するので、第1のフィルタ手段か
らは第2のフィルタ手段により振動騒音伝達経路の伝達
犠牲が補正された所望の制御信号が出力され、複雑な積
和演算を要することもなく、適応の追従速度の速い高精
度な振動騒音制御を行うことができる。
【0114】また、請求項2記載の発明によれば、エン
ジン回転の変動によりパルス信号の周波数が変化して
も、サンプリング周波数がそれにつれて変化し、常に同
じタップに相当する信号を出力するため、適応の追従速
度が早く、高精度な適応制御を行うことができ、また所
謂割り込みや打ち切り制御が少ない構成であるため、構
成が単純で、制御の安定性・信頼性の優れたものとな
る。
【0115】このように本発明によれば、振動騒音制御
の精度を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輌用振動騒音制御装置の一実施
例を示す全体構成図である。
【図2】動弁系の要部断面図である。
【図3】カム軸とクランク軸の関係を示す図である。
【図4】振動騒音制御系の一実施例(第1の実施例)を
示すシステム構成図である。
【図5】振動次数を説明するためのタイムチャートであ
る。
【図6】第1のパルス信号(基礎パルス信号)の検出が
欠落したときの状況を説明するタイムチャートである。
【図7】適応制御回路のブロック回路図である。
【図8】振動騒音波形とポイント数Nの関係を示す図で
ある。
【図9】擬似周期列作成手段の作成手法を説明する説明
図である。
【図10】擬似周期列作成ルーチンのフローチャートで
ある。
【図11】参照信号の生成方法を説明するための説明図
である。
【図12】振動騒音制御系の第2の実施例を示すシステ
ム構成図である。
【図13】伝達補正特性選択ルーチンの一実施例を示す
フローチャートである。
【図14】伝達補正特性選択ルーチンの他の実施例を示
すフローチャートである。
【図15】伝達補正特性の算出方法を示すタイムチャー
トである。
【図16】伝達補正特性算出ルーチンの一実施例を示す
フローチャートである。
【図17】燃焼振動次数に係る振動騒音制御系の一実施
例を示すシステム構成図である。
【図18】従来の振動騒音制御系を示すシステム構成図
である。
【図19】従来の適応制御回路(フィルタードX−アル
ゴリズム)のブロック図である。
【符号の説明】
1 内燃エンジン(パワープラント) 5 ECU(サンプリング周期決定手段) 11 カム軸センサ(パルス信号検出手段) 14a,14b 自己伸縮型エンジンマウント(電気機
械変換手段) 19 エンコーダ(駆動周期信号検出手段) 481〜484 Wフィルタ(第1のフィルタ手段) 4841〜4846 Wフィルタ(第1のフィルタ手段) 491〜494 LMS処理部(制御信号更新手段) 4941〜4946 LMS処理部(制御信号更新手段) 501〜504 Cフィルタ(第2のフィルタ手段) 5041〜5046 Cフィルタ(第2のフィルタ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 利夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 野澤 安治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小沢 英隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車輌駆動用パワープラント
    (1)を含む振動騒音源に起因して車体(45)又は車
    室内の少なくとも1つ以上の所定領域において発生する
    周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力
    信号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源か
    ら前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を
    出力する第1のフィルタ手段(48)と、 前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振
    動騒音を制御する電気機械変換手段(14)と、 該電気機械変換手段(14)からの出力により、ベクト
    ル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所
    定領域において検出する誤差信号検出手段(46)と、 前記電気機械変換手段(14)と前記誤差信号検出手段
    (46)との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特
    性を表現する第2のフィルタ手段(50)と、 前記誤差信号検出手段(46)の検出結果と前記第2の
    フィルタ手段(50)から出力される参照信号と前記第
    1のフィルタ手段(48)のフィルタ係数に基づいて前
    記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ
    係数を更新する制御信号更新手段(49)とを備えた車
    輌用振動騒音制御装置において、 前記振動騒音源の駆動周期に同期して発生するパルス信
    号を検出するパルス信号検出手段(11)と、該パルス
    信号検出手段(11)により検出されたパルス信号の発
    生間隔に応じて第1のフィルタ手段(48)のタップ長
    を変化させる変化手段(47)とを備え、 前記第2のフィルタ手段(50)が、前記変化手段(4
    7)により変化した前記タップ長に応じて前記第2のフ
    ィルタ手段(50)のフィルタ係数の擬似周期列を作成
    する擬似周期列作成手段を有していることを特徴とする
    車輌用振動騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも車輌駆動用パワープラント
    (1)を含む振動騒音源に起因して車体(45)又は車
    室内の少なくとも1つ以上の所定領域において発生する
    周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力
    信号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源か
    ら前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を
    出力する第1のフィルタ手段(48)と、 前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振
    動騒音を制御する電気機械変換手段(14)と、 該電気機械変換手段(14)からの出力により、ベクト
    ル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所
    定領域において検出する誤差信号検出手段(46)と、 前記電気機械変換手段(14)と前記誤差信号検出手段
    (46)との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特
    性を表現する第2のフィルタ手段(50)と、 前記誤差信号検出手段(46)の検出結果と前記第2の
    フィルタ手段(50)から出力される参照信号と前記第
    1のフィルタ手段(48)のフィルタ係数に基づいて前
    記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ
    係数を更新する制御信号更新手段(49)とを備えた車
    輌用振動騒音制御装置において、 前記振動騒音源からの駆動周期を所定微小角度毎にパル
    ス信号として検出する駆動周期信号検出手段(19)
    と、該駆動周期信号検出手段(19)により検出される
    パルス信号の検出タイミングに応じてサンプリング周期
    を決定するサンプリング周期決定手段(5)とを備え、 前記第2のフィルタ手段(50)が、前記サンプリング
    周期決定手段(5)により決定されたサンプリング周期
    に応じて第2のフィルタ手段(50)の伝達特性を補正
    する伝達特性補正手段を有し、 前記サンプリング周期決定手段(5)により決定された
    サンプリング周期で前記第1のフィルタ手段(48)の
    フィルタ係数の出力及び更新を行う一連の動作を支配す
    ることを特徴とする車輌用振騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のフィルタ手段(48)及び第
    2のフィルタ手段(50)は、各々適応型デジタルフィ
    ルタを具備していることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の車輌用振動騒音制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111164014A (zh) * 2017-10-16 2020-05-15 日本化药株式会社 坠落检测装置、检测飞行器坠落的方法、降落伞或滑翔伞的展开装置及安全气囊装置
CN111164014B (zh) * 2017-10-16 2023-10-31 日本化药株式会社 坠落检测装置、检测飞行器坠落的方法、降落伞或滑翔伞的展开装置及安全气囊装置

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