JP2001204859A

JP2001204859A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2001204859A
Application number: JP2000017510A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Toyoda; 昌幸豊田; Kenichi Sato; 健一佐藤
Original assignee: KASCO CORP
Current assignee: KASCO CORP
Priority date: 2000-01-26
Filing date: 2000-01-26
Publication date: 2001-07-31
Also published as: US6494790B1

Abstract

(57)【要約】【課題】ショット時におけるヘッドの返りを容易とし、
打球の方向性および飛距離に優れたゴルフクラブヘッド
を提供する。【解決手段】フェース部２２の高さＨを２４〜３２ｍ
ｍ、フェース部２２の長さＬを８０〜１００ｍｍに設定
し、ソール部１４の幅Ｗとフェース部２２の高さＨとの
比Ｗ／Ｈを１．５〜２．２に設定し、ホーゼル部３２の
中心軸を通る直線３４からヒール２０側端部までの距離
Ｙを１１〜１５ｍｍに設定することにより、ヘッドの返
り易いゴルフクラブヘッド１０が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内部が中空状に形
成されたゴルフクラブヘッドに関し、特に、フェアウェ
イウッドまたはロングアイアンとして用いられるゴルフ
クラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ドライバー等のウッドクラブのヘ
ッドとして、内部が中空状に形成された金属製ヘッドが
主流になっている。この金属製ヘッドを用いたウッドク
ラブには、ボールをより遠くまで、且つ、より正確な方
向にショットできるという利点がある。中空の金属製ヘ
ッドの場合、ヘッド本体のクラウン部やサイド部等を薄
肉にして、ソール部の少なくとも一部分に多くの重量を
配分することができ、しかも、ヘッドの全体重量を増加
させることなく、重心位置を低くしたり、重心をフェー
ス部から離れた後方部分に配置することが可能である。
ヘッドの低重心化および後方重心化によって、バックス
ピン量が過剰になることによるボールの吹き上がりが抑
えられ、理想的な弾道となり、十分な飛距離を得ること
ができる。また、中空構造であるので、ヘッドの慣性モ
ーメントが比較的大きく、従って、良好な打球の方向性
を得ることができる。

【０００３】ところで、低重心化を容易に実現するた
め、フェース部の高さを低く設定したウッドクラブヘッ
ドがある。例えば、フェアウェイショット等を行う場
合、スイートポイントにボールを当てることのできる低
重心のヘッドが理想であるため、フェアウェイウッドク
ラブヘッドにおいては、フェース部の高さを低く設定し
たものが多い。この場合、フェース部の高さが低いヘッ
ドでは、ヘッドの重心からフェース面に引いた垂線の足
であるスイートポイントをフェース面の中心付近に位置
させることにより、低重心化することができる。フェー
ス部の高さが高いヘッドの場合には、低重心に設定しよ
うとすると、スイートポイントがフェース面の下方側に
大きく偏ってしまい、ヘッドの上下方向のバランスが悪
くなってしまう。

【０００４】一方、従来のウッドクラブのヘッドにおい
ては、飛距離および方向性が良好であるとともに、ショ
ットする際のソール部の接地面積が少なく、クラブの振
り抜き特性の良好なものが好まれている。特に、フェア
ウェイウッドは、主にティーショットを行う際に使用さ
れるドライバーに対し、フェアウェイやラフからショッ
トする場合に使用されることがほとんどであるため、接
地面積の少ないソール部形状が重要視される。従って、
ソール部を傾斜面や曲面等の形状とすることがよく行わ
れている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た金属製のウッドクラブヘッド、特に、フェアウェイウ
ッドのヘッドでは、低重心化によって優れた飛距離が得
られたり、ソール部の形状を変更することでクラブの振
り抜き特性を良好にすることができるが、打球の方向性
については改善の余地があり、より一層の安定性が望ま
れている。

【０００６】打球の方向性は、ヘッドの慣性モーメント
が大きいほど良好になるが、ショットの際にヘッドが返
り難いと、打球の方向が大きく狂ってしまう。従来のフ
ェアウェイウッドクラブ等の場合、ショット時における
ボールに対するフェース面が開いた状態になり易く、ヘ
ッドの返りが必ずしも良好なものではなかった。

【０００７】本発明は、前記の不具合を解消するために
なされたものであって、内部が中空状に形成されたゴル
フクラブヘッドにおいて、ショット時におけるヘッドの
返りを容易とし、打球の方向性および飛距離に優れたゴ
ルフクラブヘッドを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、内部が中空状
に形成されたゴルフクラブヘッドにおいて、フェース部
の高さＨを２４〜３２ｍｍ、前記フェース部から後方に
至るソール部の幅Ｗと前記フェース部の高さＨとの比Ｗ
／Ｈを１．５〜２．２に設定し、ホーゼル部の中心軸を
通る直線からヒール側端部までの距離Ｙを１１〜１５ｍ
ｍに設定することを特徴とする。

【０００９】この場合、フェース部の高さＨ、およびソ
ール部の幅Ｗとフェース部の高さＨとの比を特定すると
ともに、フェース部に対するホーゼル部の位置を特定す
ることにより、ショットの際のヘッドの返りを良好なも
のとし、打球の方向性がより一層安定したゴルフクラブ
ヘッドを得ることができる。

【００１０】また、ソール部形状を接地面積の少ない曲
面形状とすることにより、クラブの振り抜き特性を良好
なものとすることができる。

【００１１】さらに、フェース部の高さを低く形成する
ことにより、ヘッドの重心位置を低くして方向性の安定
した打球を得るとともに、十分な飛距離を得ることがで
きる。

【００１２】さらにまた、ソール部の一部を厚肉として
重量集中部を形成することにより、適正な位置に適正な
幅および重量からなる重量集中部を容易に配置すること
ができる。この結果、飛距離および方向性が一層優れた
ゴルフクラブヘッドを得ることができる。

【００１３】本発明において、フェース面に沿った方向
におけるフェース部の高さＨは、２４〜３２ｍｍに設定
する。地面上にあるボールにヘッドのフェース面のスイ
ートポイントが正しい状態で当たり、且つ、フェース面
の中心付近にスイートポイントが位置するようにした場
合、フェース部の高さＨは約３３ｍｍ以下となる。フェ
ース部の高さＨを２４ｍｍ未満とした場合には、打球に
有効なフェース面の範囲が狭くなってしまう。

【００１４】また、本発明のゴルフクラブヘッドでは、
フェース部の長さＬを８０〜１００ｍｍに設定する。長
さＬを１００ｍｍ超とした場合、ゴルファーにとって従
来の形状との間に違和感が生じるため、ミスショットを
惹起するおそれがある。一方、８０ｍｍ未満とした場合
には、慣性モーメントが小さくなり、良好な打球の方向
性が得られなくなる。

【００１５】また、本発明のゴルフクラブヘッドでは、
フェース部から後方に至るソール部の幅Ｗとフェース部
の高さＨとの比Ｗ／Ｈを１．５〜２．２、好ましくは、
１．７〜２．０とする。Ｗ／Ｈの値は、ソール部の幅Ｗ
を狭くするように比較的小さく設定するが、１．５未満
では、ヘッドの返りが不十分になり、打球の方向性が安
定しない場合がある。一方、２．２超では、ヘッドの返
りが過度になり、この場合にも打球の方向性が悪くなる
ことがある。

【００１６】さらに、本発明では、ホーゼル部の中心軸
を通る直線からヒール側端部までの距離Ｙを１１〜１５
ｍｍ、好ましくは、１２〜１５ｍｍとする。この場合、
ホーゼル部に装着されるシャフトがヘッドの重心に近づ
き、これによって打球の方向性が安定する。距離Ｙを１
１ｍｍ未満または１６ｍｍ以上とすると、打球の方向性
が不安定となる。

【００１７】また、本発明のゴルフクラブヘッドにおい
て、ヘッドの体積を１７０ｃｃ以下、ヘッドのライ角α
を５６〜６０゜に設定することが可能である。フェース
部の高さＨおよび長さＬ、ソール部の幅Ｗとフェース部
の高さＨとの関係を上述したように特定した場合、ヘッ
ドの体積は１７０ｃｃ以下が適切な値となる。ヘッドの
ライ角αを５６゜未満とした場合、通常、比較的長いシ
ャフトを装着することになるため、ショット時にヘッド
のフェース面が開き易くなることがある。一方、ライ角
αを６０゜超とした場合、通常、比較的短いシャフトを
装着することになるため、飛距離が出し難くなることが
ある。

【００１８】本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、シ
ャフト装着孔は、ソール部に開口させて形成することが
可能である。このようなシャフト装着孔の構造は、スル
ーボアと呼ばれ、ヘッドの低重心化を容易に達成できる
ことが知られている。本発明では、ヘッドのホーゼル部
をヒール側端部から比較的離間して形成するので、スル
ーボア構造とした場合、ヘッドのヒール側を重量化する
ことができ、ヘッドを一層容易に返り易くすることがで
きる。

【００１９】また、本発明において、トゥ側端部からヒ
ール側端部方向に湾曲するソール部の曲率半径Ｒを１１
０ｍｍ以下に設定するが、この方向に対して１つの曲率
半径Ｒを有する曲面とする必要はなく、部分的に異なる
曲率半径を有する曲面とすることも可能である。この曲
面の曲率半径Ｒは、好ましくは６０〜１００ｍｍ、特に
好ましくは７０〜９０ｍｍの範囲に設定する。小さい曲
率半径Ｒでは、ヘッドのサイズが小さくなり過ぎ、慣性
モーメントが小さくなって、打球の方向性が悪くなる。
一方、曲率半径Ｒを１１０ｍｍ超とした場合には、ヘッ
ドのサイズが大きくなり過ぎ、ソール部の接地面積が多
くなって、クラブの振り抜き特性が劣化する。

【００２０】また、ソール部には、後方部分に重量集中
部を設け、この重量集中部を、ソール部の前後の幅Ｗの
１／２以下、好ましくは１／５以上１／２以下の幅と
し、重量を４０〜１００ｇ、好ましくは５０〜８０ｇの
範囲となるように設定する。重量集中部をこのように設
定することにより、バランスを崩すことなく、効果的に
低重心化かつ後方重心化したゴルフクラブヘッドを得る
ことができる。重量集中部の幅Ｚをソール部の幅Ｗの１
／２超とした場合や、重量集中部の重量を４０ｇ未満と
した場合には、低重心化または後方重心化することが難
しくなる。なお、重量集中部は、最大範囲でソール部の
後方全域に設けることができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１〜図３
を参照して説明する。

【００２２】図１は、本発明を適用したゴルフクラブヘ
ッドの正面図である。図２は、図１のII−II線に沿った
断面図であり、図３は、図１のIII−III線に沿った断面
図である。このゴルフクラブヘッド１０は、図２に示す
ように、ヘッド本体１２とソール部１４とから構成さ
れ、これらの２つの部材１２、１４を溶接等により接合
して形成される。

【００２３】ヘッド本体１２は、１２．５重量％のＣ
ｒ、４．５重量％のＮｉ、５．０重量％のＭｏ、１２．
５重量％のＣｏを含むマルエージング鋼を材料とし、ソ
ール部１４は、ＳＵＳ６３０ステンレス鋼を材料とし
て、両方とも精密鋳造により形成される。

【００２４】ソール部１４は、図１および図２に示すよ
うに、外周面を曲面形状とし、ゴルフクラブヘッド１０
のトゥ１８側からヒール２０側に湾曲する曲面の曲率半
径は、１１０ｍｍ以下に設定する。実施例としては、曲
率半径を８０ｍｍに設定した。

【００２５】また、図２および図３に示すように、ソー
ル部１４には、ヘッド本体１２の前面のフェース部２２
から離間して、ゴルフクラブヘッド１０の後方に、ソー
ル部１４の一部を厚肉に形成した重量集中部２４が設け
られる。ゴルフクラブヘッド１０の前側から後側に至る
重量集中部２４の幅Ｚは、前側から後側に至るソール部
１４の幅Ｗの１／２以下とし、幅Ｚを１０〜２９ｍｍ、
幅Ｗを４０〜５８ｍｍの範囲に設定する。また、重量集
中部２４の重量は、４０〜１００ｇの範囲に設定する。

【００２６】実施例として、重量集中部２４の重量を５
０ｇ、幅Ｚを１４ｍｍ、ソール部１４の幅Ｗを５３ｍｍ
に設定した。また、別の実施例として、重量集中部２４
の重量を７０ｇ、幅Ｚを２０ｍｍ、ソール部１４の幅Ｗ
を４８ｍｍに設定した。

【００２７】なお、重量集中部２４の重量は、重量集中
部２４のソール部１４の面積、肉厚および構成材料の比
重から計算する方法等で確認することができる。この場
合、重量集中部２４の肉厚は４〜１０ｍｍ、重量集中部
２４を除いたソール部１４の肉厚は１〜６ｍｍの範囲に
設定することができる。

【００２８】図２に示すように、フェース部２２の面に
沿った方向の高さＨは、２４〜３２ｍｍに設定する。ま
た、図１に示すように、トゥ１８からヒール２０に至る
フェース部２２の長さＬは、８０〜１００ｍｍに設定す
る。実施例としては、高さＨを３０ｍｍ、長さＬを９８
ｍｍに設定した。また、他の実施例として、高さＨを２
７ｍｍ、長さＬを９０ｍｍに設定した。

【００２９】ソール部１４の幅Ｗとフェース部２２の高
さＨとの比Ｗ／Ｈは、１．５〜２．２に設定する。実施
例としては、高さＨ＝３０ｍｍおよび長さＬ＝９８ｍｍ
の場合と、高さＨ＝２７ｍｍおよび長さＬ＝９０ｍｍの
場合とのいずれに対しても、比Ｗ／Ｈを約１．８に設定
した。

【００３０】ホーゼル部３２の中心軸を通る直線３４か
らヒール２０の端部までの距離Ｙは、１１〜１５ｍｍに
設定する。実施例としては、高さＨ＝３０ｍｍおよび長
さＬ＝９８ｍｍの場合に対して距離Ｙを約１３ｍｍに設
定し、高さＨ＝２７ｍｍおよび長さＬ＝９０ｍｍの場合
に対して距離Ｙを約１２ｍｍに設定した。

【００３１】さらに、ゴルフクラブヘッド１０の体積は
１７０ｃｃ以下に設定する。実施例としては、高さＨ＝
３０ｍｍおよび長さＬ＝９８ｍｍの場合、高さＨ＝２７
ｍｍおよび長さＬ＝９０ｍｍの場合に対して、それぞれ
１３０ｃｃ、８０ｃｃに設定した。また、ゴルフクラブ
ヘッド１０のライ角αは、５６〜６０゜に設定する。実
施例としては、高さＨ＝３０ｍｍおよび長さＬ＝９８ｍ
ｍの場合に対してライ角αを５７．５゜、高さＨ＝２７
ｍｍおよび長さＬ＝９０ｍｍの場合に対してライ角αを
５９．５゜に設定した。

【００３２】さらにまた、ゴルフクラブヘッド１０の全
体の重量は１９０〜２３５ｇ、ヘッド本体１２のフェー
ス部２２の部分の肉厚は２．０〜２．５ｍｍ、ヘッド本
体１２のフェース部２２を除いたクラウン部２６の肉厚
は０．５〜１．０ｍｍの範囲に設定することができる。

【００３３】上記した各種の値のうち、本発明において
範囲を限定するもの以外については、適宜設定すること
ができる。

【００３４】なお、本実施例のゴルフクラブヘッド１０
において、シャフト装着孔２８は、図２に示すように、
ヘッド本体１２とソール部１４とをヘッド本体１２から
延在する柱状部３０によって連通し、この柱状部３０に
スルーボアと呼ばれるシャフト装着孔２８を形成した構
造としている。スルーボア構造は、ゴルフクラブヘッド
１０の低重心化に有効である。また、本実施例のゴルフ
クラブヘッド１０では、ホーゼル部３２を短く形成し、
重心が高くならないようにしている。これにより、さら
に低重心化に寄与することができる。

【００３５】

【発明の効果】本発明のゴルフクラブヘッドは、中空状
に形成されたヘッドにおいて、フェース部の高さおよび
長さを特定し、且つ、フェース部の高さとソール部の幅
との関係、さらに、ヘッドの長さ方向に対するホーゼル
部の位置を適正化することにより、ショット時のヘッド
の返り特性が向上し、打球の方向性を安定化させること
ができる。

【００３６】また、ソール部を曲面形状として設置面積
を少なく設定し、これによって、クラブの振り抜き特性
を向上させ、また、フェース部の高さを低くして重心位
置の低下を図り、これによって十分な飛距離を得ること
ができる。

【００３７】さらに、ソール部の一部を厚肉に形成して
重量集中部を一体に形成することにより、適正な重量設
定およびその配置並びに幅を容易に実現することができ
る。これにより、ヘッドの低重心化と後方重心化により
飛距離を増大させることができる。しかも、ヘッドの慣
性モーメントを大きくすることが可能で、飛球方向を安
定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態のゴルフクラブヘッドの正面図であ
る。

【図２】図１に示すゴルフクラブヘッドのII-II線断面
図である。

【図３】図１に示すゴルフクラブヘッドのIII-III線断
面図である。

【符号の説明】

１０…ゴルフクラブヘッド１２…ヘッド本体１４…ソール部１８…トゥ２０…ヒール２２…フェース部２４…重量集中部２６…クラウン部２８…シャフト装着孔３０…柱状部３２…ホーゼル部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部が中空状に形成されたゴルフクラブヘ
ッドにおいて、フェース部の高さＨを２４〜３２ｍｍ、前記フェース部
から後方に至るソール部の幅Ｗと前記フェース部の高さ
Ｈとの比Ｗ／Ｈを１．５〜２．２に設定し、ホーゼル部
の中心軸を通る直線からヒール側端部までの距離Ｙを１
１〜１５ｍｍに設定することを特徴とするゴルフクラブ
ヘッド。
【請求項２】請求項１記載のゴルフクラブヘッドにおい
て、前記フェース部の長さＬを８０〜１００ｍｍに設定する
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項３】請求項１または２記載のゴルフクラブヘッ
ドにおいて、トゥ側から前記ヒール側に至る前記ソール部の曲率半径
Ｒを１１０ｍｍ以下に設定することを特徴とするゴルフ
クラブヘッド。
【請求項４】請求項１〜３のいずれかに記載のゴルフク
ラブヘッドにおいて、前記ソール部の中、前記フェース部から離間した後方部
分に、前記ソール部の一部を厚肉に形成した重量集中部
を設け、前記フェース部側から後方に至る前記重量集中
部の幅Ｚを前記ソール部の幅Ｗの１／２以下に設定し、
前記重量集中部の重量を４０〜１００ｇに設定すること
を特徴とするゴルフクラブヘッド。