JPH06182004A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スィートエリアのさらなる拡大を図り、重心
を深くし、強度面での問題も生じないようにする。 【構成】 ヘッド形成材料として比強度１４０以上の材
料を１種又は多種複合して使用してヘッドを形成する。
フェース面１のヘッド最大高さＨを４８mm以上、シャフ
ト基準ヘッド長さＬを８６mm以上、ヘッド最大幅Ｗを８
５mm以上とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ソール幅がフェース
高さ以上あるゴルフクラブヘッド、所謂ウッドクラブと
呼ばれるゴルフクラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のウッドクラブのヘッドは、形成材
料としてステンレス鋼，アルミニウム合金，チタン合
金，マグネシウム合金等のメタル材料や繊維強化プラス
チック（ＦＲＰ）材料等が使用され、強度，重量，重心
位置，コスト面等の配慮から各種の大きさのものが開発
されている。

【０００３】最近は、ドライバーのヘッドの大型化が図
られ、スィートエリアを拡大し、慣性モーメントを高く
する試みがなされている。ヘッドのスィートスポットで
ボールをヒットした場合に最大飛距離が得られるが、実
際にはスポットをはずしてヒットすることが多い。アマ
チュアゴルファーはヘッドのフェースの幾何学的中心で
ボールを打とうとするが、幾何学的中心とスィートスポ
ットとが必ずしも一致していないヘッドが多く、スィー
トスポットをはずしてヒットすることとなる。スィート
スポットをはずしてヒットしても飛距離の低下を最小限
におさえるため、スィートエリアの拡大が望まれてい
る。ここで、スィートエリアとは、スィートスポットで
ヒットしたときのボールの落下点から左右に最大飛距離
の２．５％ずつ離れた点と、落下点より打撃点方向に最
大飛距離の５％戻った点から左右に最大飛距離の２．５
％ずつ離れた点とを頂点とする正方領域内にボールが落
下するクラブヘッドのフェース上の全ての集合エリアを
いう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の所謂デカヘッド
と呼ばれるものでは、ヘッド体積が２００cc前後であ
る。このようなデカヘッドよりもさらに易しく打て、オ
フセンターヒット時にも飛距離の減少を最小にとどめる
ことができるものが望まれている。そのためには、スィ
ートエリアのさらなる拡大を図り、重心位置とフェース
面との距離をさらに長くし、しかも強度面での問題も生
じない必要がある。

【０００５】そこで、この発明は、スィートエリアのさ
らなる拡大を図り、重心を深くし、強度面で問題の生じ
ないゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、ソール幅がフェース高さ以上あるゴル
フクラブヘッドであって、ヘッド形成材料として比強度
１４０以上の材料を１種又は多種複合して使用してヘッ
ドを形成し、フェース面のヘッド最大高さを４８mm以
上、シャフト基準ヘッド長さを８６mm以上、ヘッド最大
幅を８５mm以上としたものである。

【０００７】

【作用】この発明では、比強度１４０以上の材料でヘッ
ドを形成するため、強度面での問題がなく、ヘッドを大
きくすることができ、ヘッドが大きくなることによりス
ィートエリアの拡大が図れる。例えば、ヘッド体積２５
０cc以上のものであれば、スィートエリアが著しく拡大
し、重心も深くなり、ボールの左右方向の弾道安定性を
向上させる。

【０００８】

【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参
照にして説明する。

【０００９】図１は、このゴルフクラブヘッドの正面図
を示し、フェース面１のヘッド最大高さＨを４８mm以上
とし、シャフト基準ヘッド長さＬを８６mm以上としてあ
る。このシャフト基準ヘッド長さＬは、シャフト２の中
心軸を通る平面とその平面に平行でヘッドのトウ側に接
する平面との距離をいう。ヘッド形成材料としては、比
強度１４０以上の材料を１種又は多種複合して用いる。
比強度とは、引張り強度（ＭＰａ）を密度（ｇ／cm³ ）
で割った値をいう。メタル材料の比強度は、比強度の大
きい方からチタン，ステンレス，アルミニウムおよびマ
グネシウムとなる。したがって、比強度のみで材料を考
慮するとチタンが最適であるが、チタンはコスト面で問
題があった。また、ステンレスは比重の面からヘッドの
軽量化を図るには問題があった。また、アルミニウムは
マグネシウムと比較して比重の面で劣る。このようなメ
タル材料中ヘッド全体をマグネシウム合金から形成する
ことで、ヘッド重量を従来ヘッドの重量と同程度としつ
つ、より大型化し、強度面の問題も生じない。コスト面
を考慮しなければヘッド全体をチタン合金で形成するこ
とも好適である。さらには、フェース面１をチタン合金
やＦＲＰで形成し、その他の部分をマグネシウム合金や
ステンレス等で形成することもできる。

【００１０】なお、チタン合金は、チタンを９０％、ア
ルミニウムを６％、パナジウムを４％としたものが多く
使用される。このようなチタン合金は純チタンよりも硬
くかつ強度も強い。ステンレスでは、限られた重量で強
度を損ねない体積のリミットは２０５cc程度といわれて
いる。

【００１１】図２はヘッドの側面図であり、ヘッド最大
幅Ｗを８５mm以上とした。図１および図２に示すゴルフ
クラブヘッドは全体をマグネシウム合金とし、フェース
面１のヘッド最大高さＨを５１．３mm、シャフト基準ヘ
ッド長さＬを８９．５mm、ヘッド最大幅Ｗを８６mmと
し、ヘッド体積を２６０ccとした。また、ヘッドのクラ
ウン部３は厚さを１mmとし、その他の厚さを３．５mmと
した。これにより軽量化および低重心化が図れた。この
ヘッドの内部は空洞あるいは内部にウレタンフォーム等
を充填する。ヘッドのフェース面１とクラウン部３との
間には、補強のためにそれぞれ端部から１５mmの位置ま
で三角形状のリブ４を取付けた。

【００１２】このようなヘッドを有するゴルフクラブで
５０ｍ／ｓの速度でボールを３０００発ヒットしたが、
ヘッドに異常はなく強度面での問題のないことが判明し
た。

【００１３】上述したようなサイズを有するマグネシウ
ム合金から成るヘッドを有するゴルフクラブを１２名の
プロゴルファーと、６名のアシスタントプロゴルファー
と、１１名のアマチュアゴルファーに実打させたときの
評価を次表に示す。

【００１４】

【表１】

【００１５】表１から評価良いの比率が約６０〜７０
％、評価普通の比率が約２０〜３０％、評価悪いの比率
が約１０〜２０％で実打したゴルファーの大半が満足し
ていることが判明した。

【００１６】実打試験を行なったものは、マグネシウム
合金によりヘッドを形成したが、ヘッド全体を比強度１
４０以上の材料とすることで、強度面での問題は生じな
い。また、選択する材料によりヘッドを大きくしても十
分に振り切れる重さに設定することができる。ヘッド体
積は２５０cc以上〜３００cc超とすることも可能であ
る。なお、ゴルファーがスィートエリアを拡大し、使い
易いと感じるのは、スィートエリアが従来に比べて２割
以上拡大したときであることが判明している。２割以下
であると効果が実感として感じられない。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明では、ヘ
ッド形成材料として比強度１４０以上の材料を１種又は
多種複合して使用してヘッドを形成し、フェース面のヘ
ッド最大高さを４８mm以上、シャフト基準ヘッド長さを
８６mm以上、ヘッド最大幅を８５mm以上としたので、ス
ィートエリアの著しい拡大が可能となり、重心も深くな
り、スィートスポットを外してヒットしても飛距離の減
少を最小限に抑えることができ、しかもボールの左右方
向の弾道安定性を向上させることができる。また、強度
面での問題もなく、ヘッド全体を大きくすることができ
る。また、材料の選択により十分に振り切れる重量とす
ることが可能である。さらに、ヘッドの肉厚による周辺
重量配分により低重心化や慣性モーメントの向上を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のゴルフクラブヘッドの正面図。

【図２】側面図。

【符号の説明】

１ フェース面 ２ シャフト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソール幅がフェース高さ以上あるゴルフ
   クラブヘッドであって、 ヘッド形成材料として比強度１４０以上の材料を１種又
   は多種複合して使用してヘッドを形成し、 フェース面のヘッド最大高さを４８mm以上、シャフト基
   準ヘッド長さを８６mm以上、ヘッド最大幅を８５mm以上
   としたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。