JP2001204376A - パン生地の改良方法 - Google Patents

パン生地の改良方法

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JP2001204376A JP2000020449A JP2000020449A JP2001204376A JP 2001204376 A JP2001204376 A JP 2001204376A JP 2000020449 A JP2000020449 A JP 2000020449A JP 2000020449 A JP2000020449 A JP 2000020449A JP 2001204376 A JP2001204376 A JP 2001204376A
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Atsushi Nakajima
淳 中島
Eiji Izumimoto
英次 泉本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パン類の製造の際に、パン生地のボリューム
を増大させ、パン類の外観、内相および風味に優れた高
品質のパン類を得るためのパン生地の改良方法の提供。 【解決手段】 小麦粉を主成分とし、パン酵母を含む/
または含まない生地中で、酢酸を産生する能力を有する
乳酸菌、酢酸菌などのバクテリアやイースト、あるいは
それらの発酵物を生地中に存在せしめて生地熟成を進め
ることにより、ボリュームが大きく、外観、内相および
風味に優れた高品質のパン類の製造が可能となる。さら
には、生地物性の改善の他にも発酵(熟成)時間が短縮
でき、製パンにおける工程時間を短縮することも可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パン生地の改良方
法に関する。さらに詳しくは、パン類の製造の際に使用
され、パン生地のボリュームを増大させ、パン類の外
観、内相および風味に優れた高品質のパン類を得るため
のパン生地の改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パン類は、小麦粉、パン酵母、食塩、砂
糖、油脂、イーストフードなどを原料として混捏し、発
酵させた後、分割、成型などの機械的操作を経て製造さ
れるが、パン酵母の炭酸ガス生成能と共に、生地の物性
がパン類の品質に大きな影響を与えることが知られてい
る。特に生地物性は、発酵過程で生成する炭酸ガスを生
地中に保持すると共に、焼成過程において十分なオーブ
ンスプリングを達成するように、適度な粘弾性を有する
ことが重要である。伸展性と強度に欠けた生地では、い
くらパン酵母の炭酸ガス生成量が多くても、ボリューム
の大きい高品質なパン類は得られない。
【0003】したがって、生地物性を改善することによ
ってパン類の品質を向上させるという方法が数多く検討
されてきた。すなわち、カルシウムステアリルラクチレ
ート、モノグリセライドなどの乳化剤、L−アスコルビ
ン酸などの酸化還元剤、L−システイン又はプロテアー
ゼ、アミラーゼ、リバーゼなどの酵素剤を生地改質剤と
して生地の調製過程で添加する方法であるが、未だ満足
されるべき効果は得られていない。
【0004】これに対し、酢酸や乳酸などの有機酸をパ
ン生地に直接添加する方法(特開平8−256670)
や、有機酸エステルや氷酢酸に予め接触させた小麦粉を
用いて製パンする方法(特開昭63−116637、特
開平7−135886)などが知られている。しかしな
がら、中種法などパン類の製法によっては改善効果が認
められず、いかなる製法においても効果を有するもので
はない。さらに、酢酸を添加することでこのような効果
を得るためには、生地を調整する過程で対小麦粉0.0
5〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重
量%程度の酢酸の添加が必要となる。この場合、ボリュ
ームのあるパンが得られる反面、パンの風味が損なわれ
たり、酢酸の添加によりメイラード反応が促進されパン
の焼き色が濃くなるなどの問題が発生する。また、パン
生地の酢酸臭が強いことから作業環境が悪化するなど、
実施上の課題も多い。
【0005】また、サワー種として乳酸菌や酢酸菌をパ
ン酵母に添加して用いる公知の方法(特開平1−256
337など)があるが、これらはパン類の風味の改善を
目的としたものであり、本発明とは目的を異にするもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、パン
類の製造において、パン生地のボリュームを増大させ、
パン類の外観、内相および風味に優れた高品質のパン類
を得るためのパン生地の改良方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パン酵母
を用いるパン類の生地の発酵過程について詳細な研究を
行ない、生地物性の変化および製品の品質との関連につ
いて検討を加える過程で、パン生地中に酢酸を産生する
乳酸菌や酢酸菌などのバクテリアやイーストを添加する
ことによって、如何なる製法においてもボリュームが大
きく、外観、内相および風味に優れた高品質のパン類の
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、小麦粉を主成分とし、パン酵母を含
む/又は含まない生地中で、酢酸を産生する能力を有す
る乳酸菌、酢酸菌などのバクテリアやイースト、あるい
はそれらの発酵物を生地中に存在せしめることを特徴と
するパン生地の改良方法に関する。好ましい実施態様と
しては、小麦粉を主成分としパン酵母を含む/又は含ま
ない生地中で、酢酸を産生する能力を有する酢酸菌がア
セトバクター属、グルコノバクター属であることを特徴
とする上記記載のパン生地の改良方法に関する。
【0008】別の好ましい実施態様としては、小麦粉を
主成分としパン酵母を含む/又は含まない生地中で、酢
酸を産生する能力を有する乳酸菌がラクトバチルス属、
ロイコノストック属、ストレプトコッカス属、ペデイオ
コッカス属であることを特徴とする上記記載のパン生地
の改良方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳述する。以
下の説明において、「%」及び「部」は特に断らない限
り「重量%」及び「重量部」を意味する。
【0010】本発明において、パン類とは食パン、菓子
パン、テーブルロール、フランスパン、イーストドーナ
ッツ、デニッシュペストリー、中華饅など、膨張剤とし
てパン酵母を用いる小麦粉製品をいう。パン酵母以外の
酵母をもちいてもよい。
【0011】また、本発明におけるパン類の製法とは、
中種法、ストレート法、冷凍生地法、冷蔵生地法などを
いう。
【0012】本発明に用いる乳酸菌としては、ラクトバ
シルス・ブレビス(Lactobacillus br
evis IFO13110)、ラクトバシルス・ブル
ガリカス(Lactobacillus bulgar
icus)、ラクトバシルス・サケ(Lactobac
illus sake)、ラクトバシルス・サンフラン
シスコ(Lactobacillus sanfran
cisco)、ロイコノストック・オイアノス(Leu
conostoc oenos)、ストレプトコッカス
・サーモフィラス(Streptococcus th
ermophilus)、ペディオコッカス・ペントサ
シウス(Pediococcus pentosace
us)などが例示される。
【0013】また、本発明において用いられる酢酸菌と
しては、アセトバクター・アセチ(Acetobact
er aceti IFO3281)アセトバクター・
パストリアヌス(Acetobacter paste
urianus)、グルコノバクター・オキシダンス
(Gluconobacter oxydans)等が
例示される。
【0014】まず様々なバクテリアやイーストを用いて
予め液発酵や生地発酵を行い、それぞれの有機酸分析を
行い、酢酸を良好に産生するバクテリアやイーストなど
の微生物を選定する。ここで、液発酵における培地組成
としては例えばアトキン培地などが使用できるが、これ
に限定されるものではない。また生地発酵における生地
組成については、通常製パンに供する生地を調製し用い
てもよいし、液発酵培地に小麦粉を懸濁させたスラリー
状の培地を用いることも可能である。
【0015】バクテリアやイーストの添加方法として
は、選定されたバクテリアやイースト、あるいはこれら
の微生物の2種以上の混合物やそれらの発酵物を、生地
調製段階において用いる副原料と共に混捏する方法や予
めパン酵母に混合する方法があげられる。即ち、パン酵
母懸濁液にバクテリアやイーストの培養液を添加し、菌
体懸濁液を濾過する。バクテリアやイーストはパン酵母
ケーキの中に捕捉され、濾液には殆んど流出しないの
で、本発明法のバクテリアやイーストを含んだ菌体の調
製が可能である。このパン酵母を用いて乾燥酵母を調製
することも可能である。更に、例えば10〜40重量%
に調整した小麦粉懸濁液にイーストエキス、ペプトン、
脱脂粉乳、ホエーなど栄養源を補強し、15〜40℃で
静置培養したバクテリアやイーストを液種として生地に
添加することも可能である。得られた液種を凍結乾燥又
は噴霧乾燥によって粉末化して用いることもできる。
【0016】バクテリアの添加量は通常生地1g当たり
106〜109個、好ましくは107〜108個の範囲であ
る。バクテリアの添加量が生地1g当たり106個より
少ないと本発明の効果が現れにくく、109個より多い
とパン本来の風味が損なわれたり、焼き色が濃くなり過
ぎるなど外観においても好ましくないことがある。
【0017】イーストの添加量は、酢酸代謝イーストを
パン酵母に一部添加してもよいし、パン酵母の全量を酢
酸代謝イーストに置換することも可能である。酢酸代謝
イーストの添加量がパン酵母に対して1%より少ないと
本発明の効果を奏しにくい。その場合、バクテリアやイ
ーストの酢酸代謝能、生地の熟成時間、ならびに製パン
法(例えばストレート法、中種法、低温長時間法)によ
って異ることから、生地中の有機酸分析および製品の風
味、特性、生地状態を評価することによって最適の条件
を選ぶことができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】(製パン法及び製パン性評価)製パン法と
しては表1に示す中種製パン法(食パン生地)及び表2
に示すストレート製パン法を用いた.また、製パン性評
価は以下の様にして行なった。
【0020】ワンローフ(生地量450g)を6個、プ
ルマン(M字成型490g×3本)を1個焼成し、製パ
ン性の評価に供した。すなわち、ワンローフについては
菜種置換法にて体積を測定後、2.5cm幅にスライス
して両端を除いたパン5枚の高さの合計値を求めた。プ
ルマンについては、クラム表面の光反射率をミノルタ社
製色差計CR−200により測定し、Lab法における
L値パラメータにより明度を評価した。さらに対照品に
対する形状の良し悪しについては、ホワイトラインのシ
ャープさなどを参考に○、△、×(順に対照品より良、
同等、劣る)で経験的に評価した。また、ファーモグラ
フによりホイロ生地の炭酸ガス発生量を測定(生地量5
0g、測定温度30℃)し、2時間のガス発生量積算値
をもってホイロガス量とした。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】 (参考例1〜10)有機酸を用いて、表1に示した中種
製パン法(食パン生地)に準じて製パン試験を実施し
た。有機酸としては、パン酵母が一般に代謝する酢酸、
乳酸、コハク酸およびα−ケトグルタル酸(α−KT
G)を選び、それぞれを中種混捏時に添加した。なお、
製パン試験においては、有機酸を添加せず通常の製パン
を行ったものを対照とし、両者間での相対比較を行っ
た。
【0023】乳酸を1、3、5ml(参考例1〜3。そ
れぞれ対小麦粉0.04%、0.08%、0.12%)
添加して製パンを実施した。結果を表3に示す。乳酸を
3〜5ml添加する(参考例2、3)と、ホイロガス量
は増加するもののワンローフの体積、高さは対照より低
下した。またプルマンについても、出来が悪く、L値の
低い製パン性の劣ったパンとなった。ホイロガス量が増
加するにもかかわらず、このように製パン性が低下する
理由は定かではないが、乳酸の添加によって生地物性が
劣化し、パン生地のガス保持性が低下した結果、窯伸び
が悪くボリュームも小さくなったものと思われる。従
来、有機酸を添加すると、いかなる場合においても製パ
ン性が改善されるという報告がなされているが、製パン
法や有機酸の種類によっては効果が得られないことが明
らかとなった。
【0024】コハク酸を3および5g(参考例4、5)
添加して製パンを実施した。製パン結果を表3に示す。
乳酸を添加した場合と同じく、ホイロガス量は増加する
もののワンローフの体積、高さならびにプルマンの出
来、L値は低下し、コハク酸の場合も製パン性が低下す
ることが分かった。
【0025】α−ケトグルタル酸を3および5g(参考
例6、7)添加して製パンを実施した。結果を表3に示
す。乳酸、コハク酸の場合と同じく、ホイロガス量は増
加するもののワンローフの体積、高さならびにプルマン
の出来、L値は低下し、α−ケトグルタル酸の場合も製
パン性が低下することが分かった。
【0026】酢酸を1、3および5ml(参考例8〜1
0)添加して製パンを実施した。結果を表3に示す。酢
酸添加量に比例して、ワンローフの体積および高さは増
加した。プルマンについてもホワイトラインがシャープ
で出来が良く、かつL値の高いパンが得られ、有機酸の
中で酢酸は特異的に製パン性を改善する効果のあること
が明らかとなった。
【0027】酢酸によって特異的に製パン性が改善され
る理由は明らかではないが、生地の分割、丸めなどの工
程において、対照と比較して生地が柔らかくしなやかに
なると同時に、弾性のある生地となっており、機械耐性
やガス保持性などの生地物性が改善され、結果として窯
伸びの良い良好なパンが得られたものと思われる。この
柔らかさと弾性を兼ね備えた生地の感触は、他の有機酸
では見られなかったものである。また、ホイロガス量に
ついても、他の有機酸より10ml程度ガス量が増加し
ており、製パン性を改善する方向に機能しているものと
考えられる。以上の検討の結果、酢酸は他の有機酸とは
異なり、パン類の製法によらず製パン性を改善させるこ
とが明確になった。
【0028】
【表3】 (実施例1〜4)乳酸菌Lactobacillus
brevis(IFO13110)を中種混捏時に添加
し、表1に示した中種製パン法(食パン生地)に準じて
製パン試験を実施した。
【0029】用いた乳酸菌は10%脱脂粉乳液に懸濁保
存(1010個/ml)されたものであり、生地への添加
に際しては、12000rpmで10分間遠心分離して
集菌後、蒸留水で2回洗浄を行った。生地1g当たり
4.08×107個、7.14×107個、1.02×1
8個、2.04×108個(湿潤菌体基準で中種対粉
0.2%、0.35%、0.5%、1.0%)(実施例
1〜4)を生地に添加し検討を行った。製パン結果を表
4に示す。
【0030】乳酸菌を生地1g当たり4.08×107
個以上添加することにより、いずれの場合においても、
ワンローフの体積、高さが増加し、プルマンの出来、L
値ともに向上した。また、ホイロガス量についても10
ml程度増加しているが、これは乳酸菌の代謝により生
地のpHは低下し、パン酵母の炭酸ガス生成能が活性化
されたためと考えられる。製パン過程における生地の状
態は、柔らかくしなやかな反面適度な弾性を有したもの
で、分割や成型時においても木目が細かく、良好な機械
耐性を示した。さらに、焼成されたパンは形状やL値な
どの外観が改善されたに留まらず、良好な風味、内相を
有するものとなった。
【0031】
【表4】 (比較例1)乳酸菌量を生地1g当たり8.2×105
個(湿潤菌体基準中種対粉0.004%)にして、実施
例1と同様に製パンを行った。製パン結果を表4に示
す。乳酸菌生地1g当たり8.2×105個の添加では
製パン性の改善効果は見られなかった。
【0032】(実施例5〜6)酢酸菌Acetobac
ter aceti(IFO3281)の培養菌体を中
種混捏時に添加し、表1に示した中種製パン法(食パン
生地)に準じて製パン試験を実施した。
【0033】酢酸菌の添加量は、生地1g当たり2.2
4×107個(湿潤菌体基準中種対粉0.1%(実施例
5))および4.05×107個(湿潤菌体基準中種対
粉0.18%(実施例6))で行った。生地への添加に
際しては、12000rpmで10分間遠心分離して集
菌後、蒸留水で2回洗浄を行った。製パン結果を表4に
示す。
【0034】いずれの添加量においても、ワンローフの
体積、高さが増加し、プルマンの出来、L値ともに向上
するなど、酢酸菌添加による製パン性改善の効果が確認
された。焼成されたパンは、乳酸菌を添加した場合と同
じく、形状やL値などの外観が改善されたに留まらず、
良好な風味、内相を有するものであった。また生地の状
態も、乳酸菌を添加した場合と同じく、柔らかくしなや
かな反面適度な弾性を有し、分割や成型時においても良
好な機械耐性を示した。
【0035】(実施例7〜8)実施例1〜4で用いた乳
酸菌Lactobacillus brevisを用い
て、表2に示したストレート製パン法(食パン生地)に
準じて製パン試験を実施した。
【0036】乳酸菌の添加量は、生地1g当たり1.0
5×108個(湿潤菌体基準対粉0.6%(実施例
7))および生地1g当たり1.75×108個(湿潤
菌体基準対粉1.0%(実施例8))を添加した。製パ
ン結果を表4に示す。
【0037】ストレート製パン法においても、乳酸菌の
添加によって製パン性は改善され、形状やL値などの外
観が改善されたに留まらず、良好な風味、内相を有する
パンが得られた。
【0038】酢酸菌などの酢酸を代謝するバクテリアや
イーストなどの微生物を用いると、酢酸を産生するバク
テリアやイーストを添加することでによって製パン性が
改善される理由は明らかではないが、生地の分割、丸め
などの工程において、対照と比較して生地が柔らかくし
なやかになると同時に、弾性のある生地となっており、
機械耐性やガス保持性などの生地物性が改善され、結果
として窯伸びの良い良好なパンが得られたものと思われ
る。酢酸菌などの酢酸を代謝するバクテリアやイースト
などの微生物を用いると生地中の酢酸濃度が低くても生
地物性が改善される。この理由は明らかではないが、酢
酸を外部から添加した場合は生地中で均一な濃度となる
が、バクテリアやイーストが代謝する場合はこれらの微
生物の近傍のみが高い酢酸濃度となり、この局所的に蓄
積された酢酸がグルテンのネットワーク構造に作用して
十分な生地物性の改善効果を表すものと考えられる。
【0039】
【発明の効果】本発明により、パン類の製造に際して、
生地発酵過程におけるパン酵母の炭酸ガス発生量を増大
させると共に、パン生地の機械耐性などの生地物性を改
良することができ、パン生地のボリュームを増大させ、
パン類の外観、内相、風味や食感に優れた高品質のパン
類が得られる。さらには、生地物性の改善の他にも発酵
(熟成)時間が短縮でき、製パンにおける工程時間を短
縮することも可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉を主成分とし、パン酵母を含む/
    又は含まない生地中で、酢酸を産生する能力を有する乳
    酸菌、酢酸菌などのバクテリアやイースト、あるいはそ
    れらの発酵物を生地中に存在せしめることを特徴とする
    パン生地の改良方法。
  2. 【請求項2】 小麦粉を主成分とし、パン酵母を含む/
    又は含まない生地中で、酢酸を産生する能力を有する酢
    酸菌がアセトバクター属、グルコノバクター属であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のパン生地の改良方法。
  3. 【請求項3】 小麦粉を主成分とし、パン酵母を含む/
    又は含まない生地中で、酢酸を産生する能力を有する乳
    酸菌がラクトバチルス属、ロイコノストック属、ストレ
    プトコッカス属、ペデイオコッカス属であることを特徴
    とする請求項1記載のパン生地の改良方法。
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