JP2627513B2 - パン類の製造法及び風味の強化されたパン類 - Google Patents

パン類の製造法及び風味の強化されたパン類

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、パン類の製造法及び風味の強化されたパン
類に関する。更に詳しくは、小麦粉を主成分とするイー
ストを含む生地中で、小麦粉由来のリンゴ酸を代謝して
乳酸の蓄積を増大させる能力を有する乳酸菌を選択し、
かかる乳酸菌を、生地中に存在せしめて生地の熟成を進
めることを特徴とする製パン法、及びかかる能力を有す
る乳酸菌の選択方法に係るものである。
(従来の技術と問題点) パン類の風味、即ち香り(フレーバー)と味は、パン
類の品質上、極めて重要な品質であり、風味生成の機作
に関する学術的な研究や、実用的な風味改善法の検討な
ど、多くの試みがなされている。現在の一般的な考えで
は、パン類の風味は、イースト(例えばパン酵母)を用
いる生地の発酵過程で生地中に生成・蓄積するアルコー
ル類、有機酸類、エステル類、アミノ酸類など代謝産
物、及びこれら代謝産物が焼成過程で小麦粉成分と反応
して生成する物質が風味に寄与しているものとされてい
る。しかし、詳細な機作については、まだ解明されてい
ない現状である。
風味の判断が人間の官能評価に頼っていることから、
揮発成分を集めて分析し、科学的な基礎づけをしようと
いう試みもなされているが、まだ風味成分を確定するに
は到っていない。
風味を改善又は特徴づける方法としては、イーストの
菌株を自然界から選択する方法、低温長時間発酵など発
酵条件の工夫などがされている。また、乳酸菌の持つ風
味を積極的に利用するサワー・ドーの技術は古くから研
究され利用されている。
以上のように、パン類の品質における風味の重要性か
ら、種々の試みがなされているが、夫々の方法には限界
があり、効果的な方法の発見が望まれている現状であ
る。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者らは、イーストを用いるパン類の生地の発酵
過程について詳細な研究を行ない、生地物性の変化、及
び製品の品質との関連について検討を加える過程で、特
定の乳酸菌の存在によって生地中の代謝物の蓄積が大き
く変化し、その場合に風味のすぐれたパン類ができるこ
とを発見した。
即ち、生地中に、乳酸菌の一種を共存させ発酵させる
と、小麦粉由来のリンゴ酸が代謝され、それと同時に乳
酸の蓄積量が顕著に増大する現象を発見した。通常、イ
ースト製品や小麦粉に含まれる乳酸菌、或いは一般の乳
酸菌を共存させても、乳酸の生地中への蓄積には限界が
あり、例えば中種法食パン生地で、50mg%以下であり、
この場合には生地中のリンゴ酸は殆んど変化しないか、
やゝ増加の傾向を示す。
ところが、本発明者らが見出した乳酸菌を生地中に添
加すると、70mg%以上の乳酸の蓄積が進み、この場合、
リンゴ酸が代謝、消費されるという興味ある現象を示す
ことを見出した。しかも、このような発酵を経て、得た
パン類の生地が通常より機械耐性等の面ですぐれてお
り、特に風味がすぐれているということを見出し、本発
明を完成した。
本発明の機作については、その詳細は明らかでない
が、乳酸菌或いは乳酸菌とイーストとの共同作用によっ
てリンゴ酸がマレート・デヒドロゲナーゼ(malate deh
ydrogenase)によって脱炭酸され、ピルビン酸を生成
し、ピルビン酸よりラクテート・デヒドロナーゼ(Lact
ate dehydrogenase)によって乳酸を生成する経路が考
えられる。また、ワインの熟成などで知られているリン
ゴ酸から“malo−lactic酵素”による乳酸への変換の機
作も考えられる。しかし、リンゴ酸の代謝量にくらべて
乳酸の生成量が多いという点から、別の代謝系、又は代
謝機構も考える必要がある。
従来、乳酸菌をパン類の風味改善等の目的で使用する
ことは公知であるが、本発明のように、特異な機能を有
する乳酸菌を選択し、パン類の生地に使用する方法は知
られていない。
乳酸菌を用いるパン類の製法の一つとして知られてい
るサワー・ドゥ製法の中で、生地中のクエン酸及びリン
ゴ酸の変動に注目し、クエン酸又はリンゴ酸から乳酸が
生成する代謝系の存在を示唆する報告があるが、サワー
・ドゥのスターター中の微生物は10種以上の乳酸菌を含
むバクテリア群及び5種以上のイースト菌など、複雑な
菌叢(ミクロフローラ)を形成しており、使用する小麦
粉の種類、吸水率、温度、熟成期間などの微小な変化が
ミクロフローラの変化、サワー生地の特性に劇的な変化
を与えるため、製造には可成りの熟練が必要とされてお
り、特定の微生物と、上述したサワー・ドゥ発酵の現象
との関係は解明されるに至っていない。
本発明のように、特有の性質を持つ乳酸菌と、生地熟
成の特徴との関係をつかみ、積極的に菌叢をコントロー
ルする視点がなかった点が、従来の製法の変動や品質管
理の難しさの原因の一つになっていたものと考えられ
る。
また、通常の食パンの風味と小麦粉又はイースト由来
の乳酸菌との関連が示唆されているが、明確な差異を検
出し、風味の特徴づけに生かすという工業的な方法は確
立されていない。例えば市販の各社の食パン中の有機酸
の分析を行った研究で、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ
酸などの含量に大きさ差異があることが報告されている
が、本発明のように特有の乳酸菌との係わりがある現象
としてとらえ、制御できる技術として確立し、工業的に
利用するには至っていない。
即ち、本発明法の効果として発揮される特徴ある生地
発酵パターンは、主副原料又は環境から偶然に混入した
乳酸菌によって、従来の製パン法の中でも現象としては
起っていたことが推定されるが、その現象の基本要因を
明確にできなかった為に、変動が大きく、工業的な技術
として広く応用できる段階に至らなかったものと考えら
れる。
本発明によって、選択された乳酸菌をパン類の生地に
用いることにより、従来の製造法の中で、生地熟成をコ
ントロールし、生地物性及び風味等、より巾広く調整可
能となる点で顕著な効果を発揮することができる。
以下、本発明を更に詳細説明する。
まず、本発明の乳酸菌の選択方法について述べる。乳
酸菌の菌株を栄養培地で増殖させる。次いで小麦粉に
水、及びイーストを配合した生地を調製する。小麦粉に
対する水の量は限定しないが、通常、小麦粉に対し55〜
65%の範囲である。イーストは、例えば市販パン酵母
(圧搾酵母)で0.5〜3%の範囲である。この生地に対
し、乳酸菌が106〜108個/g程度になるように添加し、生
地を混捏し、25〜35℃で2〜5時間発酵させる。発酵開
始時及び発酵終了後の、生地中の有機酸の含有量をガス
クロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー等
で測定し、リンゴ酸が減少し、乳酸が増加した乳酸菌を
選び出す。リンゴ酸は、パン類の生地の主原料である小
麦粉に80〜100mg%含まれているが、通常の生地発酵で
は殆んど変化しないか、やや増加する。従って、リンゴ
酸の変動を追跡することによって、本発明の特異的な乳
酸菌の識別が可能である。
本発明に適合する乳酸菌としては、ラクトバチルス
属、ロイコノストック属、ストレプトコッカス属、ペデ
ィオコッカス属に属する乳酸菌があげられる。代表的な
例として、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus
brevis)IFO−13110,ラクトバチルス・,ヒルガルデ
ィ(Lactobacillus hilgardii)ATCC−8290、ラクトバ
チルス・カゼイ(Lactobacillus casei)6B1、ラクト
バチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricu
c)1および2ロイコノストック・オイアノス(Leucono
stoc oenos)ATCC−23279があげられる。公的保存機関
の保存株、又は乳酸品、醸造品、穀物、果物、市販パン
酵母などから分離した菌株の中から選択することもでき
る。これらの乳酸菌を2種以上組み合せて用いることも
できる。
本発明に採用する乳酸菌が、生地中では分類学上は同
一種に属する通常の菌株と異った発酵特性を示す機作に
ついては、その詳細は明らかでないが、イーストを含む
生地中でリンゴ酸を消費し、著量の乳酸を蓄積できると
いう特異的な生化学的機作が存在するものと推定され
る。
乳酸菌を増殖させる栄養培地としては、グルコース、
異性化糖、糖蜜など糖類のほかに脱脂粉乳、ホエーなど
乳製品、酵母エキス、ペプトン、肉エキスなど有機窒素
源、無機塩、など通常の乳酸菌培養用の栄養源を用いる
ことができる。
栄養培地で増殖させた乳酸菌をイーストを用いるパン
類の生地調製に用いる。乳酸菌の添加量は限定しない
が、通常、105〜109個/g(生地)、好ましくは106〜108
個/gの範囲である。
乳酸菌の添加方法としては、生地調製において用いる
副原料と共に混捏する方法があげられる。
また、予めイーストに混合する方法があげられる。即
ち、イースト懸濁液に乳酸菌の培養液を添加し、イース
ト菌体を過する。乳酸菌はイースト・ケーキの中に捕
捉され、液には殆んど流出しないので、本発明法の乳
酸菌を含んだ菌体の調製が可能である。乳酸菌の量は、
圧搾酵母1g当り、106個以上が好ましい。このイースト
を用いて乾燥酵母を調製することも可能である。
更に、小麦粉懸濁液(例えば10〜40%)にイーストエ
キス,ペプトン,脱粉,ホエーなど栄養源を補強し、15
〜40℃で静置培養した乳酸菌を液種として生地に添加す
ることも可能である。この場合、乳酸菌のほかに、イー
ストを0.1〜1.0%(対小麦粉)共存させて培養すること
もできる。
得られた液種を凍結乾燥又は噴霧乾燥によって粉末化
して用いることもできる。
また、発酵が終った生地を冷蔵保存し、新らしい生地
に混捏する、いわゆる老麺法を採用することも可能であ
る。
リンゴ酸は小麦粉中に80〜100mg%程度含有されてい
るので、通常は添加の必要はないが、小麦粉に対し、1
〜100mg%のリンゴ酸、又はリンゴ酸に転換される可能
性のあるフマール酸,アスパラギン酸又はその塩などを
添加してもよい。
イーストとしては市販のパン酵母を用いることができ
るが、乳酸菌を選択する場合に用いるイースト菌株とし
ては、ビール酵母、酒酵母、ワイン酵母などを、1部又
は全部おきかえて使用することができる。
パン類としては、食パン、フランスパン、菓子パンの
ほかに、クラッカーなどイーストを用いる菓子類の生地
の熟成に用いることもできる。
パン類の製造法としては通常と変らない。即ち、本発
明の乳酸菌及びイーストを小麦粉に混捏して得た生地を
発酵させた後、ガス抜き、モルダーによる成型、ホイロ
発酵後、焼成する。クラッカーの場合、発酵した生地を
展延し、ラミネーターによる折りたゝみ、ローラーによ
る圧延を行ない、カッティング、成型し、焼成を行な
う。
風味,食感の改善のほかに、生地物性(例えば機械耐
性)の改善が可能である。発酵(熟成)時間の短縮も可
能である。
通常のパン類の製品中のリンゴ酸及び乳酸の含有量
は、それぞれ30〜50mg%、10〜40mg%(乾燥重量換算)
の範囲であるが、本発明法を利用する場合、リンゴ酸、
乳酸含有量は、それぞれ25mg%以下、50mg%以上(乾燥
重量換算)となることが特徴である。これら有機酸の含
量及び比率は、採用する乳酸菌の種類、添加量及び熟成
時間、製パン法(例えば、ストレート法,中種法,低温
長時間法)によって異り、生地中の有機酸分析及び製品
の風味,特性、生地状態を評価することによって最適の
条件を選ぶことができる。
(実施例) 以下実施例によって詳しく説明する。
実施例1 乳酸菌として、次の6株について、パン生地発酵にお
ける有機酸の挙動への影響を調べた。
1. Lactobacillus bulgaricus ……1 2. 同上 ……2 3. Lactobacillus fermentum 4. Lactobacillus casei 5. Lactobacillus brevis IFO−13110 6. Leuconostoc oenos ATCC−23279 (但し、No.1〜4はチーズ及び果物より分離した菌株) これらの乳酸菌を次の栄養培地に植菌し、30〜38℃、
48時間静置培養後、遠心分離によって集菌した。
(乳酸菌用栄養培地) グルコース 10 g ペプトン 10 g 酵母エキス 5 g ツィーン80 1 g L−シスチン塩酸塩 0.1g 水 1 pH 6.8〜7.0 得られた乳酸菌を、次に示す配合の生地(中種法食パ
ンの中種生地配合)に106個/gの濃度で添加し、30〜38
℃で4時間発酵を行なった。イーストは市販パン酵母
(サッカロミセス・セレビシエ)を用いた。
(生地配合) 小麦粉(強力粉) 70 g イースト(市販パン酵母) 2.2g イースト・フード 0.1g 水 40 ml イースト及び乳酸菌液の水の1部にとかして、小麦
粉、イースト・フードを混合したものに加え、残りの水
でイースト及び乳酸菌の液を生地に洗い込んで、ホバー
ト・ミキサー(Hobart Mixer)で、低速4分、中速1
分間混捏を行なった。得られた生地を、シリンダーに入
れ、30℃で発酵を行なった。
発酵開始時及び発酵終了後の生地10gをとり、水30ml
を加え、ホモゲナイザーでミキシングを行ない、10000
回転、10分間遠心した上清について、高速液体クロマト
グラフィー(島津製作所製、LC−6A型)で分析を行っ
た。得られた結果を表1に示す。
表1に示したように、乳酸菌を添加しない対照の場
合、乳酸及びコハク酸の増加がみられ、リンゴ酸は殆ん
ど変化がみられない。これに対し、ラクトバチルス・ブ
ルガリカスNo.1、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチ
ルス・ブレビスIFO−13110、ロイコノストック・オイア
ノスの添加の場合、乳酸の蓄積が、対照に比較し、3〜
7倍量(70〜150mg%)と極めて高い値を示している。
この場合、特徴的なことは、リンゴ酸が代謝され、顕著
に減少していることである。即ち、リンゴ酸の消長と乳
酸の増大に密接な関係があることを示唆している。
注目すべき点は、同じクトバチルス・ブルガリカスに
属する菌株でも、対照と殆んど変らない菌株と、リンゴ
酸、乳酸の消長に特徴を示す菌株があるということであ
る。即ち、リンゴ酸と乳酸の消長に関連する代謝能を有
する菌株は、例えば属や種に特有な性質ではなく、特定
の菌株に個有な性質であることが示唆される。
このような菌株を選択する方法としては、以上述べた
実施例に基き、生地中におけるリンゴ酸及び乳酸の消長
を追跡することによって容易に識別し、選択することが
できる。
実施例2 実施例1で選択した乳酸菌のうち、Lactobacillus b
revis(IFO−13110)について、ストレート法食パンで
製パン試験を試みた。乳酸菌用栄養培地で30℃、1日間
培養し、遠心分離によって集菌、濃縮し、次に示す生地
中、約106個/g(生地)となるように添加した。
(生地配合) 材料名 配合% 小麦粉(強力一等粉) 100 砂糖 5 食塩 2 ショートニング 5 イースト 2.5 イーストフード 0.1 脱脂粉乳 2 水 67 乳酸菌濃縮液 2 (操作) ショートニングを除く生地材料と乳酸菌濃縮液を混合
し、低速2分、中速1分、高速5分間混捏し、ショート
ニングを加え、さらに低速1分、中速1分、高速5分間
混捏し、28℃に捏上げ、30℃で1時間発酵し、パンチ
後、さらに30分発酵を続けた。続いて、分割、丸目、ね
かし、成形を行い、39±1℃、湿度80%以上でホイロを
行った。ホイロ後、ワンローフは230℃で25分間、食パ
ンは210℃で35分間、焼込んだ。
製パン結果と食パンの有機酸分析結果を表2及び表3
に示す。
表2に示したように、本発明法では、対照にくらべ、
ホイロ時間がやゝ短く、比容積もやゝ高いパンが得られ
ている。生地状態も良好であり、特に内相、風味の面で
も良好であった。
食パン中の有機酸含量の分析を行ったところ(表
3)、リンゴ酸が減少し、乳酸含量が高いことがわか
る。通常の市販の食パンについて分析を試みたところ、
リンゴ酸30〜50mg%、乳酸8〜40mg%であり、対照区の
分析値に近い値を示した。
実施例3 実施例1で調製した、Lactobacillus brevis(IFO−
13110)の培養液を遠心分離によって菌体を濃縮し、パ
ン酵母の懸濁液(圧搾酵母濃度約65%)に、圧搾酵母1g
に対し、約108個の乳酸菌を含むように添加した。撹拌
後、ヌッチェ過器で真空過を行なった。得られたイ
ースト湿菌体(水分約70%)を用いて、実施例2にもと
づき、ストーレート法による食パンの製パン試験を試み
た。
対照区(乳酸菌を添加しないイースト湿菌体を使用)
と、本発明のホイロ時間及び比容積(ワンローフ)は、
夫々、51分、4.90;49分、5.15であり、生地状態、外
観、内相、風味の官能評価など、表2と同様な効果が認
められた。
(発明の効果) 当該発明の方法によって製造したパン生地は、弾力が
あり、なめらかで、これを焼いたパン類は、外観、内
相、風味にすぐれている。
当該発明の方法によって選択した乳酸菌は、この効果
を得るに適している。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦粉を主成分とし、イーストを含む生地
    中で、リンゴ酸を代謝し、乳酸の蓄積を増大させる能力
    を有する乳酸菌を、生地中に105個/g(生地)以上、存
    在せしめて生地熟成を進めることを特徴とするパン類の
    製造法。
  2. 【請求項2】イーストが、パン酵母、酒酵母、ビール酵
    母、ワイン酵母などサッカロミセス・セレビシエに属す
    る酵母である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】乳酸菌が、ラクトバチルス属、ロイコノス
    トック属に属する菌株から選択された1種又は2種以上
    の組み合せである特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】パン類生地中で、リンゴ酸を代謝し、乳酸
    を蓄積する能力を有する乳酸菌を、製パン用酵母に106
    個/g(圧搾酵母)以上含有させたイースト製品を使用す
    る特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  5. 【請求項5】パン類生地中で、リンゴ酸を代謝し、乳酸
    を蓄積する能力を有する乳酸菌を、製パン用酵母に106
    個/g(圧搾酵母当り)以上含有せしめたイースト製品。
  6. 【請求項6】パン類の製品中のリンゴ酸、及び乳酸の含
    有量が、各々25mg%以下、50mg%以上であることを特徴
    とするパン類。
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