JP4513383B2 - 新規パン酵母 - Google Patents

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Description

本発明は新規なパン酵母、このパン酵母を含有するパン生地、ならびにこのパン酵母を使用するパンの製造方法に関する。
パンは小麦粉、水、食塩、パン酵母、乳製品、糖類、油脂などをミキシングし一定時間の発酵を取った後焼成される。発酵の過程では、パン酵母は小麦粉中に含まれるマルトースなどの糖分や原料として添加される砂糖などを発酵して大部分は炭酸ガスとエタノールへと変換するが、この他にもエタノール以外のアルコールや、有機酸、エステルなども生成しこれらがパンの風味に寄与している。焼成は通常200℃前後のオーブン内で行われるために、外側の表皮部温度は160℃位に、そして内相中心部も100℃弱位まで上昇し、焼成時間のうち10分間はこの温度に維持されている。
カビは一般に耐熱性が低いため、青カビの胞子は82℃10分で、赤カビの胞子では70℃10分程度で死滅することが知られているので、上記のような焼成条件では、オーブンを出た直後のパンは表皮、内相ともに無菌状態にある。
しかし、オーブンを出たパンは中心温度40℃を目標に数十分間かけて搬送コンベヤー上で冷却されるため、空気中のカビ胞子との接触は不可避である。さらには製造作業員の手によるパンへの接触やスライス、包装などによってもカビ胞子の付着が起こり、これらもパンのカビ発生の原因となる(非特許文献1)。
このためパンの製造現場においては冷却工程、包装工程、出荷場の塵やパンくずの清掃とカビ防止剤の噴霧が行なわれ、カビ胞子の数を低下させることで、カビ発生を抑える一定の効果は得られるが、完全に無菌状態とすることは非常に困難である。
この対策としてパン製造ではプロピオン酸や酢酸が保存料として添加され、1日〜2日間ほどカビ発生を遅らせているが、添加量が多くなるとパン酵母の発酵を抑制する結果、パン容積が低下したり、内相のすだちが劣化するなどの問題がみられ、更には保存料の酸臭が生じるなどパンの品質への影響が問題となる。
また、上記のように発酵の過程で生じた有機酸の内、とりわけ酢酸は強い抗菌力を持つことが経験的に古くから知られており、寿司、酢漬け、マヨネーズなどの食品の保存にその抗菌力が利用されている。
有機酸の抗菌作用は微生物の細胞膜を透過して細胞内に移行して初めて発現するが、非解離型分子の方が解離型分子よりも細胞膜通過性が高いため抗菌活性は高い。解離定数の低い酢酸はコハク酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸と比べて解離しにくいために、非解離型分子の割合は多くなり、結果的に強い抗菌活性を示すことが知られている。
また有機酸の解離はpHの低下によって抑制されるために、低pHほど非解離型分子の濃度が高まり、強い抗菌作用が発揮できる(非特許文献2)。例えば酢酸と乳酸を同時に大腸菌に作用させる場合、pH5〜6で一定に保つよりも、pHコントロールせずに乳酸によるpH低下とそれによる酢酸の非解離分子濃度の増大をもたらせた方が大腸菌への阻害作用が高まることが報告されている(非特許文献3)。実際に、醤油もろみ中においては乳酸と酢酸が共存することで、乳酸のpH低下による酢酸の非解離型濃度上昇で抗菌活性が増強する現象が知られている(非特許文献4)。
最近、自然志向の高まりで合成化合物を製パンに使用することは敬遠され、天然物の利用や保存料不使用が商品性を高める傾向にある。ところが、発酵過程において充分な抗菌性を発現する量の酢酸を生成し、且つクラムのpHを下げるパン酵母はこれまでになかった。
光琳、「製パンの科学(1)製パンプロセスの科学」、1991年、263頁−271頁 技報堂出版、「食品微生物学ハンドブック」、1995年、522頁 J.Appl.Bacteriol.、1983年、54巻、383頁 醸協、1981年、76巻、701頁
本発明では、保存料を添加することなく、カビの発生を抑制し、且つパンの品質(パンの膨化、内相のすだち、風味など)を損なわないパン製造を可能とすることを目的とする。
即ち、本発明の第1は、サッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母の交雑株から、食パン中種法で作製したパンのクラムのpHを5.2以下に低下させ、且つクラム中の酢酸濃度を300ppm以上とすることを指標に選択して得られるサッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母に関する。好ましい実施態様としては、パン酵母が、サッカロミセス・セレビシエに属するKSY290株(寄託番号:FERM P−18863)であることを特徴とする上記記載のパン酵母に関する。本発明の第2は、上記記載のパン酵母を使用して食パン中種法で作製することで、得られる食パンのカビの発生を抑制する方法に関する。本発明の第3は、上記記載のパン酵母を含有するパン生地に関する。本発明の第4は、上記記載のパン酵母を使用するパンの製造方法に関する。
即ち、本発明の第1は、食パン中種法で作製したパンのクラムのpHを5.2以下に低下させることを特徴とするパン酵母に関する。好ましい実施態様としては、クラム中の酢酸濃度を250ppm以上生成することを特徴とする上記記載のパン酵母に関し、より好ましくは、パン酵母が、サッカロミセス・セレビシエに属するKSY290株(寄託番号:FERM P−18863)であることを特徴とする上記記載のパン酵母に関する。本発明の第2は、上記記載のパン酵母を含有するパン生地に関する。本発明の第3は、上記記載のパン酵母を使用するパンの製造方法に関する。
本発明のパン酵母を用いてパンを製造すると従来のパン酵母で製造したパンと比べて低pH、高酢酸濃度となり、この結果、抗菌活性が高められる。従来のパン酵母では保存料などの添加による方法でカビ抑制を図っているが、本発明のパン酵母では発酵単独によるカビ抑制が可能となり、保存料使用によるパン品質への影響が回避できる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本明細書において使用される用語は、以下に特に説明する場合を除いて、当該分野で通常に使用される用語の意味と同一である。
本明細書において、砂糖、食塩、その他の製パン副材料の割合(%)は、小麦粉に対する重量割合をいう。例えば、砂糖分6%とは、パン生地において小麦粉100gに対して砂糖6gを使用することをいう。本明細書において「その他の製パン副材料」とは、小麦粉、食塩および水以外の製パンに使用される材料をいい、例えば、砂糖、異性化糖、乳製品、油脂などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明のパン酵母は、これを用いて作製したパンのカビ発生が従来のパン酵母を用いて作製したパンのカビ発生よりも遅い、即ち本発明のパン酵母を用いて作製したパンは、そのカビ発生が抑制されることを特徴とする。ここで、パンのカビ発生のしにくさを防かび性と言う。
食パン中種法とは、一般的な食パン製造法であり、次のような工程である。パン製造に使用する小麦粉全量のうちの70%にイースト、水を混合して中種生地を作り、27℃で約4時間発酵させた後、ミキサーへ戻し、中種生地に残りの小麦粉、砂糖、油脂、乳製品および適量の水を加えて本捏しさらに発酵をとり最後に焼成を行なう方法である。
パンのクラムのpH、及び酢酸濃度は以下の方法で測定した。冷却後のパンのクラム部分20gを蒸留水80mlと混合し、ホモジナイザーにて12000rpmで5分間破砕し、破砕液を得た。破砕液のpHをpHメータで測定し、クラムpHとした。破砕液50mlを重力加速度17000×gで10分間遠心分離し、上清4.5mlを分取し10%過塩素酸0.5mlを加え十分混合した後、重力加速度17000×gで10分間遠心分離し、上清を孔径0.45μmのシリンジフィルターでろ過を行い試料溶液とした。試料溶液は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でパンクラム中の酢酸濃度の測定を行なった。HPLCによる分析条件は次の通りである。
HPLC :SHIMAZU LC10A
カラム :SCR101H
カラム温度 :60℃
検出器 :SPD10A(475nm)
流速 :1ml/min
移動相 :過塩素酸溶液(pH2.2)
本発明のパン酵母を用いて中種法で作製した食パンのクラムのpHは、5.2以下の範囲が好ましく、この範囲にあれば膨化を損なうこと無く、カビの発生を抑制した食パンが作製できる。上記食パンのクラムのpHは、4.0〜5.2であることがより好ましく、更に好ましくは4.5〜5.2である。食パンのクラムのpHが、4.0未満になるとパンの膨化が低下したり、風味が損なわれる場合がある。
本発明のパン酵母を用いて作製した、クラムのpHが5.2以下である上記の食パンは、クラム中の酢酸濃度が250ppm以上であることが好ましい。更には、クラム中の酢酸濃度が250〜4000ppmであることが好ましい。より好ましくは300〜4000ppmであることが好ましい。食パンクラム中の酢酸濃度が250ppm以上であると、充分な防かび性が得られる。また4000ppmを超えると酢酸特有のにおいが感じられパンの商品価値を損なう。
本発明における防かび性の評価法は次の通りである。まず作製した食パンを、空気中で1日放置させた後ナイロン袋で密封し25℃で10日間放置させてカビを十分に生育させたパンを0.3g秤量し、滅菌水10mlに懸濁して始発濃度とする。更にこの始発濃度の懸濁液を別の滅菌水にて10倍ずつ100000倍まで希釈した懸濁液を作製した。
カビ発生試験には目的サンプルのパンを2cmの厚さでスライスし、作製した希釈倍率100倍、1000倍、10000倍、及び100000倍の4水準のカビ懸濁液30μlをn数=4でクラム部分へ塗布したのち、ナイロン袋で密封し25℃で4日間放置させて、クラムの表面にカビが発生し始めるカビ懸濁液の希釈倍率の差やその後のカビの生育の差からから防カビ性を判定した。
本発明は食パン中種製パンでの実施例を示しているが、食パン以外の配合や製法で作製されたパンでも、本発明のパン酵母による防かび効果は奏する。
本発明において、食パン中種法で製造したパンのクラムのpHを5.2以下にするためには、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属するパン酵母を選択することが好ましく、それらから得られる交雑株の内、KSY290株が更に好ましい。
このKSY290株はサッカロミセス・セレビシエと同定され、本菌株は2002年5月17日にFERM P−18863として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地中央第6)に寄託されている。
以下に本発明の実施例を記載するがこれらは本発明を例示的に記載するのみで本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に使用した材料について、小麦粉は「カメリア」(日清製粉(株)社製)を使用し、イーストフードは「イーストフードC」(鐘淵化学工業(株)社製)、ショートニングは「スノーライト」(鐘淵化学工業(株)社製)を使用した。また乳化剤は「パンマック200B」(理研ビタミン(株)社製)を使用した。その他の製パン材料および製パン副原料は、一般小売店から入手可能なものを使用した。また、対照菌株として、市販されているパン酵母2株(従来パン酵母A(品名:REDイースト、鐘淵化学工業(株)製),従来パン酵母B(品名:GAイースト、鐘淵化学工業(株)製))を用いた。
<製パン試験における比容積評価法>
実施例、比較例に基づいて作製したパンは菜種置換法にて容積(ml)を測量し、この値を重量(g)で除して、その値を比容積とし比較を行った。
<カビの発生評価法>
スライスした食パンの上部から順に希釈率100倍、1000倍、10000倍、100000倍のカビ懸濁液を4点塗布し、横方向は同一のカビ懸濁液を塗布した試料を4点並べて、25℃で4日間培養後、カビが発生したカビ懸濁液の希釈率を目視で評価した。
<カビの生育状態評価法>
スライスした食パンの上部から順に希釈率100倍、1000倍、10000倍、100000倍のカビ懸濁液を4点塗布し、横方向は同一のカビ懸濁液を塗布した試料を4点並べて、25℃で3或いは4日間培養した後のカビの生育状態を目視で評価した。その際の評価基準は以下の通りである。○:従来パン酵母Aよりも生育が悪い、×:従来パン酵母Aの生育状態と同等。
<防かび性の判定方法>
上記に記載したような「カビの発生評価法」及び「カビの生育状態評価法」において、4日間放置後のクラムの表面にカビが発生し始めるカビ懸濁液希釈倍率(カビの発生評価)、及びカビの生育の差(カビの生育状態評価)から防カビ性を総合判定した。その際の評価基準は以下の通りである。○:カビ塗布後4日間で、もっともカビ発生が遅くみられる部分の希釈倍率が10000倍以下であること。また、同一の希釈倍率でのカビの濃さを目視で比較すると、従来のパン酵母よりカビの濃さが薄く、カビの広がりも狭いこと。その際の評価基準は以下の通りである。×:カビ塗布後4日間で、もっともカビ発生が遅くみられる部分の希釈倍率が100000倍以上であること。また、同一の希釈倍率でのカビの濃さや広がりが、目視で従来のパン酵母と同程度であること。
(実施例1) パン酵母菌体の作製
本出願人が保有するサッカロミセス・セレビシエ保存菌株を以下の方法で培養した。
・バッチ培養
表1組成の培地を5ml/大型試験管、50ml/500ml坂口フラスコに分注し、オートクレーブ殺菌した後、培養に使用した。
交雑育種株1白金耳を大型試験管に全量植菌し、30℃、1日間振とう培養後、500ml坂口フラスコに継植、さらに30℃、1日管振とう培養により作製したバッチ培養菌体を以下の5Lジャーの種母培養に供した。
・5Lジャー種母培養
5Lジャーに表2組成の培地2Lを入れて、オートクレーブ殺菌後、500ml坂口フラスコ5本分の菌体を植菌し表3の条件で種母培養を行った。
・5Lジャー本培養
始発液量を表4の培地組成で、5Lジャーで培養した種母菌体を湿菌体として50g添加し、表5の条件で本培養を行った。
13時間培養を行い、糖は12時間培養の間に分割添加した。5Lジャー培養菌体は培養終了後直ちに遠心分離し、ヌッチェにより吸引脱水し湿菌体を作製、以下の実施例に使用した。実験に使用する際には、湿菌体の水分含量を測定し、使用量は65%水分に換算した。
上記の培養菌体を用いて食パン中種法で製パンし、クラムのpH、酢酸濃度を指標に選択し、本発明のKSY290株を取得した。
(実施例2) KSY290株の評価
表6に示すパン生地組成、表7に示す工程においてKSY290について中種製パン試験を行った。作製したパンのクラムpH、酢酸濃度の測定結果を表8に示す。また防かび性評価におけるカビの生育状態を図1に示す。図1において上部から順に希釈率100倍、1000倍、10000倍、100000倍のカビ懸濁液を4点塗布し、25℃で4日間培養後のカビの生育状態を示す。
(比較例1) 従来パン酵母A株の評価
パン酵母として、従来パン酵母Aを用いた以外は、実施例2と同様にして中種製パン試験、防カビ性評価を行った。作製したパンのクラムpH、酢酸濃度の測定結果を表8に示す。また防かび性評価におけるカビの生育状態を図1に示す。
(比較例2) 従来パン酵母B株の評価
パン酵母として、従来パン酵母Bを用いた以外は、実施例2と同様にして中種製パン試験、防カビ性評価を行った。作製したパンのクラムpH、酢酸濃度の測定結果を表8に示す。また防かび性評価におけるカビの生育状態を図1に示す。
KSY290を使用して製造したパンのクラムはpHが低く、酢酸濃度が高いことが特徴であった。カビの生育についてはKSY290のみ希釈倍率10000倍部分までしかみられないが、保存菌株や従来のパン酵母では100000倍部分までカビ発生が進行しており、また同一希釈倍率の塗布部分でのカビの濃さもKSY290の方が薄い。このように保存菌株や従来のパン酵母を使用して製造したパンと比べてカビ発生が抑制されていた。
(実施例3) KSY290株のカビ生育状態評価
表9に示すパン生地組成、表10に示す工程においてKSY290について中種製パン試験を行った。作製したパンのクラムpH、酢酸濃度の測定結果を表11に示す。カビを塗布後、その生育を3日、4日観察した。その結果を図2に示す。図2においてはパンの上部から順に希釈率100倍、1000倍、10000倍、100000倍のカビ懸濁液を4点塗布し、25℃で3、4日間培養後のカビの生育状態を示す。
(比較例3) 従来パン酵母A株のカビ生育状態評価
パン酵母として、従来パン酵母Aを用いた以外は、実施例3と同様にして中種製パン試験、防カビ性評価を行った。作製したパンのクラムpH、酢酸濃度の測定結果を表11に示す。また防かび性評価におけるカビの生育状態を図2に示す。
KSY290を使用して製造したパンのクラムはpHが低く酢酸濃度が高いことが特徴であった。カビの生育については、塗布3日後において従来パン酵母Aでは希釈率1000倍の塗布部分までカビ発生が進行しているが、KSY290は希釈率100倍までしかカビ発生はみられなかった。塗布4日後においては従来のパン酵母Aは希釈率100000倍の塗布部分までカビ発生が進行しているが、KSY290は希釈率10000倍までしかカビ発生はみられなかった。また同一希釈率での比較でもKSY290は従来のパン酵母Aよりもカビの濃さが薄かった。KSY290は従来のパン酵母よりも1日カビ発生の抑制がみられた。従って、KSY290の防カビ性は高いといえる。
25℃で4日間培養後のパンのカビの発生、及び生育状態を示す。左:従来パン酵母A、中:従来パン酵母B、右:KSY290。又、1つのスライスパン中、上部から順に希釈率100倍、1000倍、10000倍、100000倍のカビ懸濁液を4点塗布し、横方向は同一のカビ懸濁液を塗布した試料を4点並べたものである。 25℃で3、4日間培養後のパンのカビの発生、及び生育状態を示す。左上:KSY290−3日後、左下:KSY290−4日後、右上:従来パン酵母A−3日後、右下:従来パン酵母A−4日後。又、1つのスライスパン中、上部から順に希釈率100倍、1000倍、10000倍、100000倍のカビ懸濁液を4点塗布し、横方向は同一のカビ懸濁液を塗布した試料を4点並べたものである。

Claims (5)

  1. サッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母の交雑株から、食パン中種法で作製したパンのクラムのpHを5.2以下に低下させ、且つクラム中の酢酸濃度を300ppm以上とすることを指標に選択して得られるサッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母。
  2. パン酵母が、サッカロミセス・セレビシエに属するKSY290株(寄託番号:FERM P−18863)であることを特徴とする請求項1に記載のパン酵母。
  3. 請求項1又は2に記載のパン酵母を使用して食パン中種法で作製することで、得られる食パンのカビの発生を抑制する方法
  4. 請求項1又は2に記載のパン酵母を含有するパン生地。
  5. 請求項1又は2に記載のパン酵母を使用するパンの製造方法。
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