JP2001201665A - 変換コネクタ用プラスチック割りスリーブおよび精密スリーブ - Google Patents

変換コネクタ用プラスチック割りスリーブおよび精密スリーブ

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JP2001201665A JP2000342693A JP2000342693A JP2001201665A JP 2001201665 A JP2001201665 A JP 2001201665A JP 2000342693 A JP2000342693 A JP 2000342693A JP 2000342693 A JP2000342693 A JP 2000342693A JP 2001201665 A JP2001201665 A JP 2001201665A
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真 住田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シングルモード光ファイバが内装された、外
径の互いに異なるフェルールを含む光ファイバコード同
士を、直接的に把持して接続する変換コネクタ用プラス
チック割りスリーブおよび精密スリーブを提供する。 【解決手段】 外径の互いに異なるフェルールを左右両
端から挿入させることにより、光ファイバを光学的に接
続する変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ52で
あって、変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ52
を非晶質熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂、もしくは
樹脂組成物から形成し、変換コネクタ用プラスチック割
りスリーブ52の基本形状が左右で内径と厚さの異なる
厚肉中空円筒形とし、中間に左右の寸法の異なる厚肉中
空円筒を結合する結合部53を有し、左右の厚肉中空円
筒部と結合部53にわたって、スリット54を入れた構
成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シングルモード光
ファイバが内装された、外径の互いに異なるフェルール
を含む光ファイバコード同士を、直接的に把持して接続
する変換コネクタ用プラスチック割りスリーブおよび精
密スリーブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信技術の進展により、各家庭にまで
光ファイバを導入して多彩な通信サービスを提供するこ
とが可能となりつつある。こうした光加入者系通信網の
実現には、経済的な光コネクタが必要とされている。
【0003】従来、光通信に使用する光ファイバを接続
するためには、図1で示したように、光ファイバが挿入
された二本のフェルール01A,01Bをスリーブ02
中で整列接合させることにより行われている。なお、図
中符号03A,03Bは光ファイバコードを示す。
【0004】フェルール01A,01Bを整列接合させ
るスリーブ02としては、図2に示すように、厚肉中空
円筒形状の円筒スリーブに円筒の中心軸に平行に切り欠
いたスリット04を設けた割りスリーブ05が多く使用
されている。このような割りスリーブ05は、リン青銅
のような金属材料やジルコニア等のセラミックスで構成
されており、貫通穴06の内径を、光ファイバを固定し
ているフェルール01A,01Bの外径よりも小さく形
成してあるため、割りスリーブ05にフェルール01
A,01Bを挿入した時に、フェルール01A,01B
と貫通穴06との間に隙間が生じにくい構造となってい
る。
【0005】一方、光コネクタに用いられるフェルール
では、内挿した光ファイバを高精度に接続するために、
セラミックスを素材として、高精度な研磨を施すことで
所定の寸法精度を実現している。従来から広く使われて
きていたSC形フェルールの外径寸法は2.499mm
であるが、より高密度、経済化のためには、外径寸法を
従来の半分の、1.249mmとしたMU形フェルール
に代表される細径フェルールも合わせて使用されてい
る。
【0006】このような情勢の中で、上記二種の、外径
寸法の異なるフェルール同士を接続するために変換コネ
クタが使用されている。この変換コネクタの中では、図
3で示したように、光ファイバが挿入された、互いに外
径の異なる二本のフェルール07A,07Bをスリーブ
08中で整列接合させることにより、光ファイバの接続
が行われている。なお、図中符号09A,09Bは光フ
ァイバコードを示す。
【0007】フェルール07A,07Bを整列接合させ
るスリーブ08としては、図4に示すように、左右で内
径の異なる、厚肉中空円筒形状の円筒スリーブ10A,
10Bに円筒の中心軸に平行に切り欠いたスリット11
を設けた割りスリーブ12が使用されている。この割り
スリーブ12では、中間に左右の寸法の異なる円筒スリ
ーブ10A,10Bを結合する結合部13を有し、左右
の円筒スリーブと結合部13にわたって、スリット11
を入れた構造をとっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示す割りスリーブ12は、左右で寸法の異なる、非常に
複雑な形状を有しているため、図2の割りスリーブ05
を作製する手法では作ることができず、リン青銅のよう
な金属材料を高精度に切削加工することで作られてい
る。このため、非常に価格が高くなり、変換コネクタの
経済化を妨げていた。また、この割りスリーブ12にフ
ェルールを挿入した場合には、スリット11近傍が大き
く変形して異径フェルールの軸ずれが起き易く、寸法設
計が難しいという難点があった。
【0009】この発明は上記のことに鑑み提案されたも
ので、その目的とするところは、シングルモード光ファ
イバが内装された、外径の互いに異なるフェルールを含
む光ファイバコード同士を、直接的に把持して接続する
変換コネクタ用プラスチック割りスリーブおよび精密ス
リーブを提供することにあり、より詳細には高い寸法精
度、機械的強度、接続信頼性、経済性等に優れた変換コ
ネクタ用プラスチック割りスリーブおよび精密スリーブ
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、光ファイバが内装された光ファイバコー
ド同士を接続するアダプタ内に設けられ、前記各光ファ
イバコードの先端に取り付けられた、互いに外径の異な
るフェルールを左右両端から挿入させることにより前記
光ファイバを光学的に接続する変換コネクタ用プラスチ
ック割りスリーブ52であって、該変換コネクタ用プラ
スチック割りスリーブ52が非晶質熱可塑性樹脂もしく
は熱硬化性樹脂、もしくは樹脂組成物から形成されてお
り、変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ52の基
本形状が左右で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形であ
り、中間に左右の寸法の異なる厚肉中空円筒を結合する
結合部53を有し、左右の厚肉中空円筒部と結合部53
にわたって、スリット54を入れたことを特徴としてい
る。
【0011】また、前記変換コネクタ用プラスチック割
りスリーブの、片側の厚肉中空円筒部の内径が概ね1.
243mmから1.248mmの範囲で、厚さが概ね
0.2mmから0.7mmの範囲にあり、他方の厚肉中
空円筒部の内径が概ね2.475mmから2.497m
mの範囲で、厚さが概ね0.4mmから0.8mmの範
囲にあることを特徴としている。
【0012】さらに、前記結合部の形状が、径の小さな
厚肉中空円筒部より見上げた仰角が30度から75度の
範囲にある中空円錐形の一部を切り取ったような形状を
とり、その厚さが概ね0.2mmから0.7mmの範囲
にあることを特徴としている。
【0013】さらにまた、前記非晶質熱可塑性樹脂もし
くは樹脂組成物が、少なくともポリエーテルサルホン、
ポリサルホン、ポリエーテルイミドのいずれか1種の樹
脂、あるいはこれらの1種の樹脂と、無機フィラーもし
くは炭素繊維とを含む樹脂組成物であり、前記熱硬化性
樹脂もしくは樹脂組成物が、エポキシ樹脂、あるいは石
英微粉末を含むエポキシ樹脂組成物であることを特徴と
している。
【0014】さらにまた、光ファイバが内装された光フ
ァイバコード同士を接続するアダプタ内に設けられ、前
記各光ファイバコードの先端に取り付けられた、互いに
外径の異なるフェルールを左右両端から挿入させること
により前記光ファイバを光学的に接続する変換コネクタ
用プラスチック精密スリーブ72であって、該変換コネ
クタ用プラスチック精密スリーブ72は非晶質熱可塑性
樹脂もしくは熱硬化性樹脂、もしくは樹脂組成物から形
成され、変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ72
の基本形状は左右で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形
をなし、かつ中間に左右の寸法の異なる厚肉中空円筒部
を結合する結合部73を有し、左右の厚肉中空円筒部に
おいて、その内面形状は外面形状と同じ円筒形もしくは
直線で囲まれた多角柱形状をとり、その内面側に少なく
ともフェルールに接する3つの平面76を有した構造を
とり、フェルールに接する箇所を結ぶ仮想円柱77の直
径dが挿入されるフェルール外径よりも小さいことを特
徴としている。
【0015】さらにまた、前記変換コネクタ用プラスチ
ック精密スリーブの、片側の厚肉中空円筒部のフェルー
ルに接する箇所を結ぶ仮想円柱77の直径dが概ね1.
246mmから1.248mmの範囲で、最も薄い部分
の厚さが概ね0.2mmから0.3mmの範囲にあり、
他方の厚肉中空円筒部のフェルールに接する箇所を結ぶ
仮想円柱77の直径dが概ね2.490mmから2.4
98mmの範囲で、最も薄い部分の厚さが概ね0.3m
mから0.8mmの範囲にあることを特徴としている。
【0016】さらにまた、前記結合部の形状が、径の小
さな厚肉中空円筒部より見上げた仰角が30度から75
度の範囲にある中空円錐形の一部を切り取ったような形
状をとり、その最も薄い部分の厚さが概ね0.2mmか
ら0.3mmの範囲にあることを特徴としている。
【0017】さらにまた、前記非晶質熱可塑性樹脂もし
くは樹脂組成物が、少なくともポリエーテルサルホン、
ポリサルホン、ポリエーテルイミドのいずれか1種の樹
脂、あるいはこれらの1種の樹脂と、無機フィラーもし
くは炭素繊維とを含む樹脂組成物であり、前記熱硬化性
樹脂もしくは樹脂組成物が、エポキシ樹脂、あるいは石
英微粉末を含むエポキシ樹脂組成物であることを特徴と
している。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明者らは従来方法とその問題
点を詳細に検討した結果、以下の経緯により本発明を完
成するに至ったものである。
【0019】(1)成形材料の選定:成形技術において
成形材料の選定は最も重要な課題である。
【0020】金属やセラミックス材料に替わり得るプラ
スチック材料は、通常、エンジニアリングプラスチック
(略称:エンプラ)と呼ばれ、最近に至るまで各種のも
のが開発されてきた。各種のエンプラを検討した結果、
本発明が要求する機械的強度、耐クリープ性、温度・湿
度に対する寸法安定性、精密成形性を満足する樹脂もし
くは樹脂組成物を得るためには、非晶質な樹脂を基本組
成として使用することが重要であり、具体的にはポリエ
ーテルサルホン(PES)、ポリサルホン(PS)、ポ
リエーテルイミド(PEI)を使用することが適当であ
ることを見出した。これは、結晶性樹脂の場合では、成
形後の変形や、長期間にわたる応力緩和が無視できない
程度であるという問題点が認められたことによる。
【0021】上述の樹脂は所謂熱可塑性樹脂に分類され
るもので、室温で固体の樹脂をその溶融温度以上に加熱
すると液状になり、この状態で金型中に流し込んで固化
させることで成形品を作製するものである。
【0022】これに対して、熱硬化性樹脂と呼ばれる樹
脂があり、これは加熱した状態では重合することがな
く、完全な液状にある。これを金型中に流し込んで一定
時間加熱すると、樹脂が架橋反応を起こして成形品が形
成される。こうした熱硬化性樹脂の中で、本発明が要求
する機械的強度、耐クリープ性、温度・湿度に対する寸
法安定性、精密成形性を満足する樹脂もしくは樹脂組成
物を得るためには、エポキシ樹脂を使用することが適当
であることを見出した。
【0023】本発明では樹脂の添加物として、無機フィ
ラーとしてのガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカ
ー、酸化亜鉛、ガラスビーズ等が一般的に知られてお
り、また、炭素繊維、グラファイト、テフロン(登録商
標)ビーズや、石英微粉末、チタン酸バリウム等の各種
無機添加物も知られている。本発明者らは、こうした各
種の添加物の中で、上述の熱可塑性樹脂には少なくとも
チタン酸カリウムウィスカーや酸化亜鉛等の無機フィラ
ーもしくは炭素繊維を、上述の熱硬化性樹脂には少なく
とも石英微粉末を添加することが、本発明を完成するた
めには必須であることを見出した。
【0024】添加量は樹脂の精密成形性を低下させない
範囲で決められ、20%から70%、より好ましくは3
0%から60%の範囲で適宜選択できる。
【0025】また、必要に応じて添加物の表面処理剤、
着色剤等を添加することができる。
【0026】(2)割りスリーブの内径値と厚さの選定 本発明の異径フェルールを整列接合させる変換コネクタ
用プラスチック割りスリーブでは、左右で内径と厚さの
異なる厚肉中空円筒形状の円筒スリーブを、中央の結合
部で結合させた構造をとっている。
【0027】図5は本発明の変換コネクタ用プラスチッ
ク割りスリーブの外観形状、図6は内部構造を示す。こ
の割りスリーブ52は、小径であって厚肉中空円筒部か
らなるMU形フェルール用円筒スリーブ51Aとそれよ
り径が大であって厚肉中空円筒部からなるSC形フェル
ール用円筒スリーブ51Bとが結合部53を介し一体化
されている。また、これら左右の厚肉中空円筒部と結合
部53にわたって割り、すなわちスリット(割り)54
を入れた構造となっている。
【0028】外径寸法2.499mmのSC形フェルー
ルの許容ゲージ保持力が0.2〜0.6kgfの範囲に
あるのに対し、外径寸法1.249mmのMU形細径フ
ェルールの許容ゲージ保持力は0.1〜0.25kgf
の範囲にあり、SC形フェルールよりも小さい。
【0029】割りスリーブのゲージ保持力は内径値と厚
さで決まる。このため、変換コネクタ内の割りスリーブ
で高信頼性を維持するためには、各フェルールを挿入す
る円筒スリーブの内径値と厚さを適正な値に制御して、
各フェルールに要求される適正なゲージ保持力を実現さ
せることが必要である。
【0030】プラスチック割りスリーブにフェルールを
挿入すると、割りスリーブが弾性変形してスリーブ内部
に応力を生じる。この応力に材料の摩擦係数を掛けると
ゲージ保持力を計算することができる。
【0031】まず、種々の内径値をもったプラスチック
割りスリーブに、外径寸法2.49mmのSC形フェル
ールを挿入する場合を考える。
【0032】発生するゲージ保持力と、プラスチック割
りスリーブの厚さの関係を図7に示す。SC形フェルー
ルの許容ゲージ保持力は0.2〜0.6kgfの範囲に
ある。図7より、この条件を満足するプラスチック割り
スリーブの内径値は概ね2.475mmから2.497
mmの範囲にあれば良く、厚さは概ね0.4mmから
0.8mmの範囲にあれば良いことがわかる。
【0033】次に、種々の内径値を持ったプラスチック
割りスリーブに、外径寸法1.249mmのMU形フェ
ルールを挿入する場合を考える。
【0034】発生するゲージ保持力と、プラスチック割
りスリーブの厚さの関係を図8に示す。MU形フェルー
ルの許容ゲージ保持力は0.1〜0.25kgfの範囲
にある。図8より、この条件を満足するプラスチック割
りスリーブの内径値は概ね1.243mmから1.24
8mmの範囲にあれば良く、厚さは概ね0.2mmから
0.7mmの範囲にあれば良いことがわかる。
【0035】本発明の異径フェルールを整列接合させる
変換コネクタ用プラスチック割りスリーブでは、上で記
述した内径値と厚さの適性範囲内の値を選択して、左右
で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形状の円筒スリーブ
51A,51Bの組み合わせを構成する。
【0036】この際に、左右のスリット54の入った円
筒スリーブ51A,51Bの中心軸は同一であることを
前提とするが、材料の変形量の違い等を鑑み、左右の円
筒スリーブ51A,51Bで故意に中心軸をずらせるこ
とも可能である。
【0037】(3)結合部の構造 本発明の変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ52
の中間に位置し、左右の寸法の異なる厚肉中空円筒形ス
リーブ51A,51Bを結合する結合部53の構造は、
異径フェルールの良好な接続を得る上で非常に重要であ
る。
【0038】左右で内径と厚さの異なる円筒スリーブ5
1A,51Bを結合する結合部53では、図6の左側の
径の小さな円筒スリーブ51Aの終端から傾斜のついた
結合部が始まり、所定の距離進んだところで傾斜部が終
わり、図6の右側の径の大きな円筒スリーブ51Bと結
合する構造をとっている。結合部53の厚さは小径の円
筒スリーブ51Aと同じであり、概ね0.2mmから
0.7mmの範囲の値をとる。
【0039】結合部53の傾斜の大きさは、異径フェル
ールを挿入して接続した際に、プラスチック割りスリー
ブ52に発生する応力の大きさと関係がある。
【0040】変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ
52の内部では、内径の大きな円筒スリーブ51Bの終
端部で異径フェルール同志が接続する。プラスチック割
りスリーブ52に発生する応力は、内径の大きな円筒ス
リーブ51Bの、スリット54と反対側の場所で大き
く、特に終端部の接続点近傍で最大値を示す。プラスチ
ック割りスリーブ52に発生する最大応力と、径の小さ
な円筒スリーブ51Aより見上げた仰角との関係を図9
に示す。
【0041】図9より、最大応力は仰角が小さくなるに
つれて、小さくなることがわかる。余り大きな応力を印
加し続けることは、クリープ等の観点から好ましくな
い。また、余りに小さな仰角を設定すると、結合部53
の長さが長くなり、変換コネクタの寸法を大きくするの
で好ましくない。このため、結合部53の、径の小さな
円筒スリーブ51Aより見上げた仰角としては、30度
から75度の範囲、好ましくは45度から60度の範囲
にあれば良いことがわかる。
【0042】以上述べた構造をとることで、結合部53
で十分な厚さを得ることができ、本発明で要求される機
械的強度、耐クリープ性を保証することができる。
【0043】以下、本発明の効果を示す好適な実施例を
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】(実施例1)まず、以下の組成の樹脂組成
物を調合した。 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 100重量部 フェルールノボラック型硬化剤 100重量部 石英微粉末(平均粒径10μm) 500重量部 この樹脂組成物の曲げ弾性率は、ASTM規格で210
0kg/mm2であった。樹脂の異方性を成形収縮率の
樹脂流動方向と直角方向の比で評価したところ1.0で
あり、非常に異方性が低いことが確認できた。こうして
得た樹脂組成物を使用して、図5、図6の形状で表1の
寸法の変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ52を
射出成形により製造した。
【0045】
【表1】
【0046】なお、射出条件は表2の通りであった。得
られた成形品の内径誤差、肉厚誤差、真円度は、全て1
μm以内であり、内面の平面荒さは±0.1μm以内で
あった。
【0047】
【表2】
【0048】SC形フェルールとMU形フェルールに対
する割りスリーブのゲージ保持力の測定値は、それぞれ
0.31kgf、0.12kgfであった。こうして作
製した変換コネクタ用プラスチック割りスリーブ52を
用いて変換コネクタを組み立て、ジルコニア製SC形フ
ェルールとMU形フェルールとを挿入して、接続損失と
反射減衰量を測定した。各々のフェルール断面の研磨条
件はAdPC研磨とした。結果を図10,11に示す
が、シングルモードファイバの接続として充分な特性が
得られた。
【0049】図12には変換コネクタのMU側とSC側
から、各々ジルコニアフェルールを繰返し着脱した試験
結果を図示している。図12の黒丸はSC側の着脱を、
白丸はMU側の着脱を示している。500回の試験中、
損失の変化は2回以内であり、現用のSC形アダプタ、
MU形アダプタと同等の性能が得られた。
【0050】図13には変換コネクタの振動試験の結果
を図示している。試験条件は以下の通りである。 ・掃引周波数範囲:10〜55Hz ・サイン波の振幅:0.75mm ・掃引時間:2分/サイクル 60サイクルの試験時間中にX,Y,Zの各方向での損
失変化は0.5dB程度であり、変換コネクタとしての
目標特性を満足する結果が得られた。また、反射減衰量
の変化は認められなかった。
【0051】図14には変換コネクタの衝撃試験の結果
を図示している。試験条件は以下の通りである。 ・衝撃ピーク値:100G ・サイン半波の印加時間:6ms ・試験回数:10回 10回の試験回数の中で、X,Y,Zの各方向での損失
変化は全く見られず、変換コネクタとしての目標特性を
満足する結果が得られた。また、反射減衰量の変化も認
められなかった。
【0052】図15には変換コネクタの温湿度サイクル
試験の結果を図示している。試験条件は以下の通りであ
る。 ・温度:−10℃〜25℃〜65℃ ・相対湿度:93% ・繰返し時間:24時間/サイクル ・サイクル数:20サイクル 図15には初期の5サイクルと最後の5サイクルの結果
を示している。20サイクルの試験時間中に損失変化は
0.1dB程度であり、反射減衰量の変化はほとんど無
く、変換コネクタとしての目標特性を満足する結果が得
られた。
【0053】図16には変換コネクタの温度サイクル試
験の結果を図示している。試験条件は以下の通りであ
る。 ・温度:−25℃〜25℃〜70℃ ・繰返し時間:3.5時間/サイクル ・サイクル数:100サイクル 図16には初期の5サイクルと最後の5サイクルの結果
を示している。100サイクルの試験時間中に損失変化
は0.05dB程度と小さく、反射減衰量の変化もわず
かであり、変換コネクタとしての目標特性を満足する結
果が得られた。
【0054】また、図17と図18には、変換コネクタ
の高温(85℃)放置、および低温(−25℃)放置試
験の結果を図示している。いずれの温度においても、1
000時間程度放置した場合の損失変化は0.05dB
であり、変換コネクタとしての目標特性を満足する結果
が得られた。
【0055】以上の、各種の機械的特性、信頼性試験結
果を、表3にまとめて示す。いずれの試験条件下でも変
換コネクタとしての目標特性を満足していることがわか
る。
【0056】
【表3】
【0057】(実施例2)以下の組成の樹脂組成物を調
合した。 ポリエーテルサルホン 100重量部 無機フィラー 30重量部 この樹脂組成物の曲げ弾性率は、ASTM規格で800
kg/mm2であった。こうして得た樹脂組成物を使用
して、図5、図6の形状で表4の寸法の変換コネクタ用
プラスチック割りスリーブ52を射出成形により製造し
た。
【0058】
【表4】
【0059】なお、射出条件は表5の通りであった。得
られた成形品の内径誤差、肉厚誤差、真円度は、全て1
μm以内であり、内面の平面荒さは±0.5μm以内で
あった。
【0060】
【表5】
【0061】SC形フェルールとMU形フェルールに対
する割りスリーブのゲージ保持力の測定値はそれぞれ
0.2kgf、0.10kgfであった。こうして作製
した変換コネクタ用プラスチック割りスリーブを用いて
変換コネクタを組み立て、ジルコニア製SC形フェルー
ルとMU形フェルールを挿入して、接続損失と反射減衰
量を測定した。表6に示すように、シングルモード光フ
ァイバの接続特性は平均値で0.2dB以内にあり、反
射減衰量も50dBを上回る値が得られた。これらの結
果は、シングルモードファイバの接続として充分な特性
であった。
【0062】さらに、表6に各種の機械的特性、信頼性
試験の結果を示すが、実施例1と同様に、変換コネクタ
としての目標特性を満足する結果であった。
【0063】
【表6】
【0064】(実施例3〜5)表7に示した樹脂もしく
は樹脂組成物を使用して、実施例1および2と同様にプ
ラスチック割りスリーブを製造した。内径と肉厚、長さ
は実施例2と同様とした。SC形フェルールとMU形フ
ェルールに対する変換コネクタ用プラスチック割りスリ
ーブのゲージ保持力は、いずれも許容範囲内にあった。
また、表6に示すように、シングルモード光ファイバの
接続特性はいずれも実施例1および2と同レベルにあ
り、各種の機械的特性、信頼性試験についても、いずれ
も変換コネクタとしての必要な特性を満たしていた。
【0065】
【表7】
【0066】(比較例1〜5)実施例1の樹脂を用い
て、SC形フェルール用円筒形スリーブとMU形細径フ
ェルール用円筒スリーブの内径と厚さを変化させ、表8
のように適正範囲をはずれた変換コネクタ用プラスチッ
ク割りスリーブを作製した。こうして作製した変換コネ
クタ用プラスチック割りスリーブを用いて交換コネクタ
を組み立て、接続損失と反射減衰量、および各種の機械
的特性、信頼性試験における接続損失変動と反射減衰量
を測定した。結果を表8に示すが、何れのサンプルも、
接続損失や反射減衰量、もしくは信頼性試験における損
失変動が目標値を上回り、実施例1〜5のような、優れ
た特性を実現することはできなかった。
【0067】
【表8】
【0068】(4)精密スリーブの内径値と厚さの選定 本発明の異径フェルールを整列接合させる精密スリーブ
では、左右で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形状の円
筒スリーブを、中央の結合部で結合させた構造をとって
いる。図19は本発明の変換コネクタ用プラスチック精
密スリーブ72の外観形状を示す。この精密スリーブ7
2は、小径であって厚肉中空円筒部からなるMU形フェ
ルール用円筒スリーブ71Aとそれより径が大であって
厚肉中空円筒部からなるSC形フェルール用円筒スリー
ブ71Bとが結合部73を介し一体化されている。
【0069】外径寸法2.499mmのSC形フェルー
ルの許容ゲージ保持力が0.2〜0.6kgfの範囲に
あるのに対し、外径寸法1.249mmのMU形細径フ
ェルールの許容ゲージ保持力は0.1〜0.25kgf
の範囲にあり、SC形フェルールよりも小さい。
【0070】プラスチック精密スリーブのゲージ保持力
は内径値と厚さで決まる。このため、変換コネクタ内の
プラスチック精密スリーブで高信頼性を維持するために
は、各フェルールを挿入する円筒スリーブの内径値と厚
さを適正な値に設定して、各フェルールに要求される適
正なゲージ保持力を実現させることが必要である。
【0071】プラスチック精密スリーブにフェルールを
挿入すると、プラスチック精密スリーブが弾性変形して
スリーブ内部に応力を生じる。この応力に材料の摩擦係
数を掛けるとゲージ保持力を計算することができる。
【0072】まず、種々の内径値をもったプラスチック
精密スリーブに、外径寸法2.499mmのSC形フェ
ルールを挿入する場合を考える。
【0073】発生するゲージ保持力と、プラスチック精
密スリーブの厚さの関係を図20に示す。SC形フェル
ールの許容ゲージ保持力は0.2〜0.6kgfの範囲
にある。図20より、この条件を満足するプラスチック
精密スリーブの内径値は概ね2.490mmから2.4
98mmの範囲にあれば良く、厚さは概ね0.3mmか
ら0.8mmの範囲にあれば良いことがわかる。
【0074】次に、種々の内径値を持ったプラスチック
精密スリーブに、外径寸法1.249mmのMU形フェ
ルールを挿入する場合を考える。
【0075】発生するゲージ保持力と、プラスチック精
密スリーブの厚さの関係を図21に示す。MU形フェル
ールの許容ゲージ保持力は0.1〜0.25kgfの範
囲にある。図21より、この条件を満足するプラスチッ
ク精密スリーブの内径値は概ね1.246mmから1.
248mmの範囲にあれば良く、厚さは概ね0.2mm
から0.3mmの範囲にあれば良いことがわかる。
【0076】本発明の異径フェルールを整列接合させる
変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ72では、上
で記述した内径値と厚さの適正範囲内の値を選択して、
左右で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形状の円筒スリ
ーブ71A,71Bの組み合わせを構成する。この際
に、左右の円筒スリーブ71A,71Bの中心軸は同一
であり、左右の円筒スリーブ71A,71Bの中心はス
リーブ中央で一致する。
【0077】また、実用上には、変換コネクタ用プラス
チック精密スリーブ72の長手方向にわたって内面に溝
を設ける等のエア抜けを図ることが重要である。このた
めに、本発明では、変換コネクタ用プラスチック精密ス
リーブ72の基本的断面形状を例えば図23〜図25に
示すように、内側にフェルールに接する平面6を少なく
とも3つ設け、フェルールの高精度の把持と各平面同士
の間にエア抜き用の空間を設けた形状としている。
【0078】すなわち、図23に示す変換コネクタ用プ
ラスチック精密スリーブ72の断面形状は、その外周面
74が円柱の周面の形状をしており、この外周円柱の内
部に長手方向に貫通する空洞75が存在し、この空洞7
5内にフェルールが挿入される。この空洞75の内壁面
は少なくとも三つの平面76を有する。
【0079】これらの平面76の構成は、外周円柱と同
心でこれらの平面76に内接する仮想円柱77の直径d
が、挿入されるフェルールの外径よりも小さくなるよう
に設けてある。平面76同士を結ぶ面78は例えば円柱
の外周面等の簡単な形状の面で良いが、内接する仮想円
柱77の中心からの距離が仮想円柱77の半径よりも大
きくしてある。このように、本発明では高精度を要する
フェルールの把持面を平面76で構成し、これらの平面
76を結ぶ面を把持面よりも中心からの距離を大きくし
てフェルールとは接触しない構成としている。
【0080】図24に示す本発明の変換コネクタ用プラ
スチック精密スリーブ72の断面形状は、三つの平面7
6を結ぶ面78が平面である以外は図23に示した変換
コネクタ用プラスチック精密スリーブ72と同様であ
る。
【0081】また、図25に示す本発明の変換コネクタ
用プラスチック精密スリーブ72の断面形状は、図23
に示す場合と同様に平面76同士を円柱外周面78で結
んでいるが、この場合は結ぶ部分に移行部79が設けら
れている。
【0082】(5)結合部の構造 本発明の変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ72
の中間に位置し、左右の寸法の異なる厚肉中空円筒形ス
リーブを結合する結合部73の構造は、異径フェルール
の良好な接続を得る上で非常に重要である。
【0083】本発明の変換コネクタ用プラスチック精密
スリーブ72の内部を図26に示す。
【0084】左右で内径と厚さの異なる円筒スリーブ7
1A,71Bを結合する結合部73では、図26の左側
の径の小さな円筒スリーブ71Aの終端から傾斜のつい
た結合部が始まり、所定の距離進んだところで傾斜部が
終わり、図26の右側の径の大きな円筒スリーブ71B
と結合する構造をとっている。結合部73の最も薄い部
分の厚さは小径の円筒スリーブ71Aと同じであり、概
ね0.2mmから0.3mmの範囲の値をとる。
【0085】結合部73の傾斜の大きさは、異径フェル
ールを挿入して接続した際に、プラスチック精密スリー
ブ72に発生する応力の大きさと関係がある。
【0086】変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ
72の内部では、内径の大きな円筒スリーブ71Bの終
端部で異径フェルール同志が接続する。プラスチック精
密スリーブ72に発生する応力は、終端部の接続点近傍
で最大値を示す。プラスチック精密スリーブ72に発生
する最大応力と、径の小さな円筒スリーブ71Aより見
上げた仰角との関係を図22に示す。
【0087】図22より、最大応力は仰角が小さくなる
につれて、小さくなることがわかる。余り大きな応力を
印加し続けることは、クリープ等の観点から好ましくな
い。また、余りに小さな仰角を設定すると、結合部73
の長さが長くなり、変換コネクタの寸法を大きくするの
で好ましくない。このため、結合部73の、径の小さな
円筒スリーブ71Aより見上げた仰角としては、30度
から75度の範囲、好ましくは45度から60度の範囲
にあれば良いことがわかる。
【0088】以上述べた構造をとることで、結合部73
で十分な厚さを得ることができ、本発明で要求される機
械的強度、耐クリープ性を保証することができる。
【0089】以下、本発明の効果を示す好適な実施例を
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0090】(実施例6)まず、以下の組成の樹脂組成
物を調合した。 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 100重量部 フェルールノボラック型硬化剤 100重量部 石英微粉末(平均粒径10μm) 500重量部 この樹脂組成物の曲げ弾性率は、ASTM規格で210
0kg/mm2であった。樹脂の異方性を成形収縮率の
樹脂流動方向と直角方向の比で評価したところ1.0で
あり、非常に異方性が低いことが確認できた。こうして
得た樹脂組成物を使用して、図19の形状で表9の寸法
の変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ72を射出
成形により製造した。
【0091】
【表9】
【0092】なお、射出条件は表10の通りであった。
得られた成形品の内径誤差、肉厚誤差、真円度は、全て
1μm以内であり、内面の平面荒さは±0.1μm以内
であった。
【0093】
【表10】
【0094】SC形フェルールとMU形フェルールに対
する精密スリーブのゲージ保持力の測定値は、それぞれ
0.31kgf、0.12kgfであった。こうして作
製した変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ2を用
いて変換コネクタを組み立て、ジルコニア製SC形フェ
ルールとMU形フェルールとを挿入して、接続損失と反
射減衰量を測定した。各々のフェルール端面の研磨条件
はAdPC研磨とした。結果を図27、図28に示す
が、シングルモードファイバの接続として充分な特性が
得られた。
【0095】また、表11に各種の機械的特性、信頼性
試験結果を示すが、いずれも変換コネクタとしての目標
達成を満足する結果であった。
【0096】
【表11】
【0097】(実施例7)以下の組成の樹脂組成物を調
合した。 ポリエーテルサルホン 100重量部 無機フィラー 30重量部 この樹脂組成物の曲げ弾性率は、ASTM規格で800
kg/mm2であった。こうして得た樹脂組成物を使用
して、図19の形状で表12の寸法の変換コネクタ用プ
ラスチック精密スリーブ72を射出成形により製造し
た。
【0098】
【表12】
【0099】なお、射出条件は表13の通りであった。
得られた成形品の内径誤差、肉厚誤差、真円度は、全て
1μm以内であり、内面の平面荒さは±0.5μm以内
であった。
【0100】
【表13】
【0101】SC形フェルールとMU形フェルールに対
する精密スリーブのゲージ保持力の測定値はそれぞれ
0.48kgf、0.16kgfであった。こうして作
製した変換コネクタ用プラスチック精密スリーブを用い
て変換コネクタを組み立て、ジルコニア製SC形フェル
ールとMU形フェルールを挿入して、接続損失と反射減
衰量を測定した。
【0102】表14に示すように、シングルモード光フ
ァイバの接続特性は平均値で0.2dB以内にあり、反
射減衰量も50dBを上回る値が得られた。これらの結
果は、シングルモードファイバの接続として充分な特性
であった。
【0103】さらに表14に各種の機械的特性、信頼性
試験の結果を示すが、実施例6と同様に、変換コネクタ
としての目標特性を満足する結果であった。
【0104】
【表14】
【0105】(実施例8〜10)表15に示した樹脂も
しくは樹脂組成物を使用して、実施例6および7と同様
にプラスチック精密スリーブを製造した。内径と肉厚、
長さは実施例7と同様とした。SC形フェルールとMU
形フェルールに対する変換コネクタ用プラスチック精密
スリーブのゲージ保持力は、いずれも許容範囲内にあっ
た。また、表14に示すように、シングルモード光ファ
イバの接続特性はいずれも実施例6および7と同レベル
にあり、各種の機械的特性、信頼性試験についても、い
ずれも変換コネクタとしての必要な特性を満たしてい
た。
【0106】
【表15】
【0107】(比較例1〜5)実施例6の樹脂を用い
て、SC形フェルール用円筒スリーブとMU形細径フェ
ルール用円筒スリーブの内径と厚さを変化させ、表16
のように適正範囲をはずれた変換コネクタ用プラスチッ
ク精密スリーブを作製した。こうして作製した変換コネ
クタ用プラスチック精密スリーブを用いて変換コネクタ
を組み立て、接続損失と反射減衰量、および各種の機械
的特性、信頼性試験における接続損失変動と反射減衰量
を測定した。結果を表16に示すが、何れのサンプル
も、接続損失や反射減衰量、もしくは信頼性試験におけ
る損失変動が目標値を上回り、実施例6〜10のよう
な、優れた特性を実現することはできなかった。
【0108】
【表16】
【0109】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
シングルモード光ファイバが内装された、外径の互いに
異なるフェルールを含む光ファイバコード同士の接続に
使用できる、接続特性、信頼性、経済性等に優れた変換
コネクタ用プラスチック割りスリーブおよび精密スリー
ブが得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の割りスリーブ内のフェルールの嵌合状態
を示す図である。
【図2】従来の割りスリーブを示す斜視図である。
【図3】従来の変換コネクタ用割りスリーブ内の異径フ
ェルールの嵌合状態を示す図である。
【図4】従来の変換コネクタ用割りスリーブを示す斜視
図である。
【図5】本発明の変換コネクタ用プラスチック割りスリ
ーブを示す外観側面図である。
【図6】同上の内部構造を示す縦断面図である。
【図7】変換コネクタ用プラスチック割りスリーブにS
C形フェルールを挿入した場合のゲージ保持力とスリー
ブ内径および厚さの関係を示す図である。
【図8】変換コネクタ用プラスチック割りスリーブにM
U形フェルールを挿入した場合のゲージ保持力とスリー
ブ内径および厚さの関係を示す図である。
【図9】変換コネクタ用割りスリーブにSC形およびM
U形フェルールを挿入した場合のスリーブに発生する最
大応力と結合部の仰角の関係を示す図である。
【図10】実施例1で得られた変換コネクタ用プラスチ
ック割りスリーブの接続損失特性を示すグラフである。
【図11】実施例1で得られた変換コネクタ用プラスチ
ック割りスリーブの反射減衰特性を示すグラフである。
【図12】実施例1で得られた変換コネクタの繰返し着
脱試験結果を示すグラフである。
【図13】実施例1で得られた変換コネクタの振動試験
結果を示すグラフである。
【図14】実施例1で得られた変換コネクタの衝撃試験
結果を示すグラフである。
【図15】実施例1で得られた変換コネクタの温湿度サ
イクル試験結果を示すグラフである。
【図16】実施例1で得られた変換コネクタの温度サイ
クル試験結果を示すグラフである。
【図17】実施例1で得られた変換コネクタの高温放置
試験結果を示すグラフである。
【図18】実施例1で得られた変換コネクタの低温放置
試験結果を示すグラフである。
【図19】本発明の変換コネクタ用プラスチック精密ス
リーブを示す斜視図である。
【図20】変換コネクタ用精密割りスリーブにSC形フ
ェルールを挿入した場合のゲージ保持力とスリーブ内径
および厚さの関係を示す図である。
【図21】変換コネクタ用プラスチック精密スリーブに
MU形フェルールを挿入した場合のゲージ保持力とスリ
ーブ内径および厚さの関係を示す図である。
【図22】変換コネクタ用精密スリーブにSC形および
MU形フェルールを挿入した場合のスリーブに発生する
最大応力と結合部の仰角の関係を示す図である。
【図23】本発明の変換コネクタ用プラスチック精密ス
リーブの断面形状の一例を示す図である。
【図24】本発明の変換コネクタ用プラスチック精密ス
リーブの他の断面形状の例を示す図である。
【図25】本発明の変換コネクタ用プラスチック精密ス
リーブの更に他の断面形状の例を示す図である。
【図26】本発明の変換コネクタ用プラスチック精密ス
リーブの内部を示す図である。
【図27】実施例6で得られた変換コネクタ用プラスチ
ック精密スリーブの接続損失特性を示すグラフである。
【図28】実施例6で得られた変換コネクタ用プラスチ
ック精密スリーブの反射減衰量特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
01A,01B,07A,07B フェルール 02,08, スリーブ 03A,03B,09A,09B 光ファィバコード 04,11,54 スリット 05,12,52 割りスリーブ 06 貫通穴 10A,10B 円筒スリーブ 13,53,73 結合部 51A,71A MU形フェルール用円筒スリーブ 51B,71B SC形フェルール用円筒スリーブ 72 精密スリーブ 74 外周面 75 空洞 76 平面 77 仮想円柱 78 平面同士を結ぶ面 79 移行部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩野 真一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 住田 真 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 東野 俊一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバが内装された光ファイバコー
    ド同士を接続するアダプタ内に設けられ、前記各光ファ
    イバコードの先端に取り付けられた、互いに外径の異な
    るフェルールを左右両端から挿入させることにより前記
    光ファイバを光学的に接続する変換コネクタ用プラスチ
    ック割りスリーブであって、 該変換コネクタ用プラスチック割りスリーブが非晶質熱
    可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂、もしくは樹脂組成物
    から形成されており、 変換コネクタ用プラスチック割りスリーブの基本形状が
    左右で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形であり、中間
    に左右の寸法の異なる厚肉中空円筒を結合する結合部を
    有し、左右の厚肉中空円筒部と結合部にわたって、スリ
    ットを入れたことを特徴とする変換コネクタ用プラスチ
    ック割りスリーブ。
  2. 【請求項2】 前記変換コネクタ用プラスチック割りス
    リーブの、片側の厚肉中空円筒部の内径が概ね1.24
    3mmから1.248mmの範囲で、厚さが概ね0.2
    mmから0.7mmの範囲にあり、他方の厚肉中空円筒
    部の内径が概ね2.475mmから2.497mmの範
    囲で、厚さが概ね0.4mmから0.8mmの範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1に記載の変換コネクタ用プ
    ラスチック割りスリーブ。
  3. 【請求項3】 前記変換コネクタ用プラスチック割りス
    リーブの結合部の形状が、径の小さな厚肉中空円筒部よ
    り見上げた仰角が30度から75度の範囲にある中空円
    錐形の一部を切り取ったような形状をとり、その厚さが
    概ね0.2mmから0.7mmの範囲にあることを特徴
    とする請求項1または2に記載の変換コネクタ用プラス
    チック割りスリーブ。
  4. 【請求項4】 前記非晶質熱可塑性樹脂もしくは樹脂組
    成物が、少なくともポリエーテルサルホン、ポリサルホ
    ン、ポリエーテルイミドのいずれか1種の樹脂、あるい
    はこれらの1種の樹脂と、無機フィラーもしくは炭素繊
    維とを含む樹脂組成物であり、前記熱硬化性樹脂もしく
    は樹脂組成物が、エポキシ樹脂、あるいは石英微粉末を
    含むエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の変換コネクタ用プラスチック割
    りスリーブ。
  5. 【請求項5】 光ファイバが内装された光ファイバコー
    ド同士を接続するアダプタ内に設けられ、前記各光ファ
    イバコードの先端に取り付けられた、互いに外径の異な
    るフェルールを左右両端から挿入させることにより前記
    光ファイバを光学的に接続する変換コネクタ用プラスチ
    ック精密スリーブであって、 該変換コネクタ用プラスチック精密スリーブは非晶質熱
    可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂、もしくは樹脂組成物
    から形成され、 変換コネクタ用プラスチック精密スリーブの基本形状は
    左右で内径と厚さの異なる厚肉中空円筒形をなし、かつ
    中間に左右の寸法の異なる厚肉中空円筒部を結合する結
    合部を有し、左右の厚肉中空円筒部において、その内面
    形状は外面形状と同じ円筒形もしくは直線で囲まれた多
    角柱形状をとり、その内面側に少なくともフェルールに
    接する3つの平面を有した構造をとり、フェルールに接
    する箇所を結ぶ仮想円柱の直径(d)が挿入されるフェ
    ルール外径よりも小さいことを特徴とする変換コネクタ
    用プラスチック精密スリーブ。
  6. 【請求項6】 前記変換コネクタ用プラスチック精密ス
    リーブの、片側の厚肉中空円筒部のフェルールに接する
    箇所を結ぶ仮想円柱の直径(d)が概ね1.246mm
    から1.248mmの範囲で、最も薄い部分の厚さが概
    ね0.2mmから0.3mmの範囲にあり、他方の厚肉
    中空円筒部のフェルールに接する箇所を結ぶ仮想円柱の
    直径(d)が概ね2.490mmから2.498mmの
    範囲で、最も薄い部分の厚さが概ね0.3mmから0.
    8mmの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の
    変換コネクタ用プラスチック精密スリーブ。
  7. 【請求項7】 前記変換コネクタ用プラスチック精密ス
    リーブの結合部の形状が、径の小さな厚肉中空円筒部よ
    り見上げた仰角が30度から75度の範囲にある中空円
    錐形の一部を切り取ったような形状をとり、その最も薄
    い部分の厚さが概ね0.2mmから0.3mmの範囲に
    あることを特徴とする請求項5または6に記載の変換コ
    ネクタ用プラスチック精密スリーブ。
  8. 【請求項8】 前記非晶質熱可塑性樹脂もしくは樹脂組
    成物が、少なくともポリエーテルサルホン、ポリサルホ
    ン、ポリエーテルイミドのいずれか1種の樹脂、あるい
    はこれらの1種の樹脂と、無機フィラーもしくは炭素繊
    維とを含む樹脂組成物であり、前記熱硬化性樹脂もしく
    は樹脂組成物が、エポキシ樹脂、あるいは石英微粉末を
    含むエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項
    5,6または7に記載の変換コネクタ用プラスチック精
    密スリーブ。
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