JP2004151128A - 光フェルールとその製造方法およびこれを用いた光ファイバコネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸方向に光ファイバ11を収納するための細孔2aを有する略円筒状の光フェルール10において、内部には心線ガイド孔1cとそれにつながるテーパ孔1fと外部にはフランジ部1dを有する樹脂製のキャピラリ支持体1に、細孔2aを有するセラミックス製のキャピラリ2が固定され、しかも上記キャピラリ支持体1の外周部1bには外周パイプ3を備える。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等に使用される、光ファイバを相互に接続する光ファイバコネクタおよびこれに用いる光ファイバ固定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信システムにおける装置の切替え、送受信ポートの取り外し、装置の調整、測定などの脱着自在な光接続が必要な箇所には、光ファイバを保持した一対の光ファイバ固定具のフェルール先端同士を当接させて連結保持することにより、光ファイバ同士を光学的に接続する光ファイバコネクタが使用されている。
【0003】
この光ファイバコネクタに使用される、従来最も一般的に多用されている光フェルールは、図4に示す様に細孔2aを有したジルコニア、アルミナ等のセラミックス製のキャピラリ2をステンレスなどの略円筒形状のキャピラリ支持体4に圧入、はめ込み、接着などをして組立てた光フェルール10を使用することが一般的であった。
【0004】
また、特許文献1において、図5に示す様に、光ファイバを固定するための細孔1aを有し、接続に関わる外周部1bと、光ファイバ心線部を保持固定するための心線ガイド孔1c等が一体に形成されている光フェルール10において、前記光フェルール10の材質が、少なくともサーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルと前記サーモトロピック液晶性全芳香族ポリエステルの配向性を低減させる添加物とを含み、かつこの樹脂組成物を射出成形した場合の樹脂の流動方向とその垂直方向の物性値の比で表した樹脂の異方性の比が2〜5の樹脂組成物を含んでいる。
【0005】
更には、特許文献2において、図6に示す様に、軸方向に光ファイバを収納するためのキャピラリ2と、該キャピラリ2を嵌合する樹脂製のキャピラリ支持体1とからなる光フェルール10において、キャピラリ2は細孔2aを有する略円筒状であり、光フェルール10の先端部に飛び出して配置し、かつ樹脂製のキャピラリ支持体1の軸線方向に形成された心線ガイド孔1cはテーパ孔1fを介して、キャピラリ2の細孔2aにつながっている。
【0006】
前記キャピラリ2の材質はアルミナ、ジルコニア等のセラミックス、又はほう珪酸ガラス、結晶化ガラス等のガラス製を用いることが出来、また、前記キャピラリ支持体1の材質としては、ポリエーテルイミド(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルホン(PPS)、ポリアミド(PA)、等のエンジニアリングプラスチック、または、それらを主成分としたアロイ樹脂を用いている。
【0007】
更には、特許文献3において、図7に示す様に軸心に細孔1aを設けた樹脂製の光フェルール10の本体と、光フェルール10の本体の中間部外周から突出形成された樹脂製のフランジ部1dと、先端側から少なくともフランジ部1dの形成位置までの外周部1bに被着した硬質材製の外周パイプ3を備える構成としている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−293232号公報(段落0014)
【特許文献2】
特開平2001−51157号公報(段落0006)
【特許文献3】
特開平2001−96570号公報(段落0013〜0017)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一般的に多用されてきた図4に示す光フェルール10では、光ファイバを接着固定した後の先端面2bを光ファイバと共に研磨仕上げを行った後の、光ファイバコネクタとしての特性は良好でしかも、環境試験等においても非常に安定した性能を示している。しかしながら、キャピラリ2をセラミックス製としているために、安価にならず、低価格化を要求されている光ファイバコネクタの中での低価格化を阻害する大きな要因となっている。
【0010】
又、特許文献1での図5に示す光フェルール10では、光ファイバを接着固定した後の先端面1eを光ファイバと共に研磨仕上げを行った後、光ファイバの研磨量と樹脂材料の研磨量が異なるために、先端面1eと光ファイバの先端の高さの差が50nmを超えることとなり、光ファイバコネクタとして2個の光フェルールを接続させた際に光ファイバ間に隙間が生じて反射損失が増大するという問題を生じている。また、研磨時に外周部1bを研磨治具に固定して研磨加工を行うが、光フェルール10の本体自体が樹脂より形成されており、樹脂の剛性は高くないのでしっかりと研磨治具に固定されないために、研磨後先端面1eの略凸球面の曲率中心が軸心からずれる中心ずれが大きくなり、これも光ファイバコネクタとしての重要な特性である反射損失を増大させる原因となっていた。
【0011】
この、特許文献1の改善策として特許文献2が提案されたが、仕上げ研磨としては、先端面2bがセラミックス製のキャピラリ2であるために、光ファイバの研磨量と樹脂材料の研磨量が異なるために、先端面2bと光ファイバの先端の高さの差を50nm以下におさえることができたが、外周部1bが樹脂製のために、しっかりと研磨治具に固定されないために、研磨後先端面2bの略凸球面の曲率中心が軸心からずれるという中心ずれが大きくなり、これも光ファイバコネクタとしての重要な特性である反射損失を増大させる原因となっていた。
【0012】
また、同じく特許文献1の改善策として特許文献3が提案されたが、外周部1bに高硬度の外周パイプ3を設置しているために、剛性の高い高硬度の外周パイプ3は研磨治具にしっかりと固定されるために、研磨後先端面1eの略凸球面の曲率中心が軸心からのずれが小さく、IEC規格等での基準値である50μm以内に十分に収めることが出来、中心ずれを小さくすることができるが、先端面1eが樹脂製のために光ファイバを接着固定した後の先端面1eを光ファイバと共に研磨仕上げを行った後、光ファイバの研磨量と樹脂材料の研磨量が異なるために、先端面1eと光ファイバの先端の高さの差が50nmを超えることとなり、やはり反射損失が増大する原因となっていた。
【0013】
即ち、樹脂製の光フェルール10として低価格化をうたい文句に脚光をあびて提案されてきたが、一般的に多用されている図4に示す光フェルール10の特性に及ぶものがなく、結果としては、樹脂を使った光フェルール10は市場に投入されていなかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑みて本発明は、軸方向に光ファイバを収納するための細孔を有する略円筒状の光フェルールにおいて、内部には芯線ガイド孔とそれにつながるテーパ孔を有し外部にはフランジ部を有する樹脂製のキャピラリ支持体に、上記細孔を有するセラミックス製のキャピラリを固定し、かつ上記キャピラリ支持体の外周部には外周パイプを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、上記外周パイプは、外周部の算術平均表面粗さがRa0.0005〜0.01μmであり、かつ内周部の算術平均表面粗さがRa0.1〜5.0μmであることを特徴とする。
【0016】
さらに、上記芯線ガイド孔はテーパ孔を介して上記キャピラリの細孔につながるとともに、光フェルールの先端面からキャピラリ支持体のテーパ孔の開始端までの長さが4mm以上であることを特徴とする。
【0017】
また、上記キャピラリの細孔と外周パイプの外周との同心度が10μm以下であることを特徴とする。
【0018】
さらに、細孔を有する略円筒状のキャピラリを、上記細孔を中心に合わせて金型内に固定し、外周パイプを外周部にあわせて同じ金型に固定し、該金型中に樹脂を注入し射出成型法により上記キャピラリと外周パイプとともにキャピラリ支持体を一体に形成して上記光フェルールを製造することを特徴とする。
【0019】
また、上記キャピラリの細孔の両端をそれぞれピンで支持して金型の中心に固定することを特徴とする。
【0020】
さらに、上記光フェルールに光ファイバを接着固定し先端面を研磨仕上げした光ファイバ固定具と、他の光ファイバ固定具との先端同士を当接させて光ファイバ同士を接続するようにして光ファイバコネクタを構成したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図1(a)は本発明の実施形態を示す光フェルールの断面図である。
【0023】
軸方向に光ファイバを収納するための細孔2aを有する略円筒状の光フェルール10において、内部には芯線ガイド孔1cとそれにつながるテーパ孔1fと外部にはフランジ部1dを有する樹脂製のキャピラリ支持体1と、該キャピラリ支持体1には細孔2aを有するセラミックス製のキャピラリ2が固定され、しかも上記キャピラリ支持体1の外周部1bには外周パイプ3を備えている。
【0024】
図1(b)は上記図1(a)の光フェルール10に光ファイバ11を接着剤12を用いて接着固定した光ファイバ固定具20を示しており、光ファイバ11を接着固定後は先端面2bを光ファイバ11の先端と共に略面一に仕上げ研磨加工を行っている。これにより光ファイバコネクタとして割スリーブ内で一対の光ファイバ固定具20同士が接続した際に、光が損失少なく伝送される。
【0025】
上記本発明の構成とすることにより、光ファイバを接着後の仕上げ研磨において、先端面2bがセラミックス製のキャピラリ2であるために、光ファイバ11の研磨量とセラミックスの研磨量がほぼ同一のために、先端面2bと光ファイバ11の先端の高さの差を50nm以下におさえることができる。
【0026】
しかも、外周部1bに高硬度の外周パイプ3を設置しているために、剛性の高い高硬度の外周パイプ3は研磨治具にしっかりと固定されるために、研磨後先端面2eの略凸球面の曲率中心が軸心からのずれが小さく、IEC規格等での基準値である50μm以内に十分に収めることが出来、中心ずれを小さくすることができる。
【0027】
更には、キャピラリ支持体1が安価な樹脂製であり、しかもインサート射出成形にて成形するので、本発明の光フェルール10は安価でしかもセラミックス製と同等の性能を有する樹脂を主体としたものである。
【0028】
ここで、上記外周パイプ3の外周部3aの算術平均表面粗さがRa0.0005〜0.01μmであり、かつ内周部の算術平均表面粗さがRa0.1〜5.0μmであることが望ましい。これは外周部3aの算術平均表面粗さがRa0.0005μm未満は製造上及び測定上の下限であることと、Ra0.01μmを超えると光フェルール10の外周部としては割スリーブとの磨耗や接続損失に影響を与えることとなるのでこの範囲が望ましい。
【0029】
更に、内周部の算術平均表面粗さがRa0.1μm未満であると表面が滑らか過ぎるために、キャピラリ支持体1の外周部1bとのZ接合性が悪く、光フェルール10割スリーブへ繰り返し挿入の際に、外周パイプ3の内周部とキャピラリ支持体1の外周部1bとの間に剥離が生じる可能性があるからである。また、Ra5.0μmを超えると内周部の凹凸面が大きすぎるので、一体成形を行う際に樹脂がスムーズに流れ込まなくなる原因となり細孔2aの外周部3bに対する同芯度悪化するからこの範囲とした。
【0030】
外周パイプ3は外周部3aを最終研磨仕上げすることによりRa0.0005〜0.01μmの面を得ることができる。また、内周部は旋盤等を用いて切削することによりRa0.1〜5.0μmの面を得ることが出来る。
【0031】
次に、光フェルール10の先端面2bから細孔2aのテーパ孔1fの開始端1gまでの長さLが4mm以上であることが望ましい。
【0032】
これは、光ファイバ11が接着固定された本発明の光フェルール10は、温度変化の著しい環境下で長期間使用すると、光ファイバ11の被覆部が収縮し、内部の光ファイバ11を引っ張る。この時、キャピラリ2の細孔2aとキャピラリ支持体1の心線ガイド孔1cにて光ファイバ11を保持しているが、保持される光ファイバ11の被覆を除去した素線の長さが短い場合は光ファイバ11を保持する力が弱く、光ファイバ11は被覆部に引っ張られて、初期の位置から動いてしまう。逆に保持される光ファイバ11の素線の長さが長い場合は光ファイバ11を保持する力は強くなり、光ファイバ11の被覆部の収縮によっても光ファイバ11の素線は動かなくなる。
【0033】
保持される光ファイバ11の素線の長さ、即ち光フェルール10の先端面2bからテーパ孔1fの開始端1gまでの長さLは、種々の実験の結果、4mm以上であれば良いことを見出した。
【0034】
光フェルール10の先端面2bからテーパ孔1fの開始端1gまでの長さLが4mm未満では、先端面2bで接着固定される光ファイバ11の素線の長さが4mm未満となり、光ファイバ11の素線に上記の収縮方向の力が加わったときに、光ファイバ11を保持することが出来ず、位置ずれを起こしてしまうのである。その結果、光ファイバ11を保持した一対の光ファイバ固定具20の先端同士を当接させて連結保持することにより、光ファイバ11同士を光学的に接続する光ファイバコネクタにおいて、その光ファイバ11同士の好ましい光学的接続が損なわれるのである。
【0035】
前記キャピラリ2の材質はアルミナ、ジルコニア等のセラミックス、又はほう珪酸ガラス、結晶化ガラス等のガラス製を用いることができる。
【0036】
また、前記キャピラリ支持体1の材質としては、ポリエーテルイミド(PES)、ポリフェニレンサルホン(PPS)、ポリイミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチック、または、それらを主成分としたアロイ樹脂を用いることが出来る。
【0037】
また、外周パイプ3はステンレス、ニッケル合金等の金属や、アルミナ、ジルコニア等セラミックスや、ほう珪酸ガラス、結晶化ガラス等のガラス、更には高剛性の樹脂等様々な材料を用いることができるが、中でも腐食、強度、価格、入手のしやすさの点からは、ステンレス製のパイプを用いることが望ましい。
【0038】
次に、本発明の光フェルール10の他の実施形態について説明する。
【0039】
図2(a)はキャピラリ支持体1のテーパ孔1fの開始端1gがキャピラリ2の端面にあるのではなく、キャピラリ支持体2に細孔2aと略同一内径の細孔1hを設けたものであり、これにより、キャピラリ2の長さを短くすることにより、高価なセラミックスの部材コストを低減したものである。
【0040】
また、図2(b)は細孔1hを細孔2aより若干内径を大きくしたものであり、これにより光ファイバ11の素線の長さを保つと共に、成形金型のピンの外径を太くすることができるので、光フェルール10の安定した寸法精度を得ることができる。
【0041】
更に、図2(c)では外周パイプ3の長さがキャピラリ1の外周部1bの一部までしかない場合で、研磨用治具および光アダプタの割スリーブの内径は外周部1bの全長に接触しないので、必要最低限のみ外周パイプ3を用いたものである。
これにより、更に製造コストを低減することが出来る。
【0042】
また、図2(d)は外周パイプ3がフランジ部1gの内部まで入り込んだ形状であり、こうすることにより光フェルール10を更に高強度なものとすることが可能になる。
【0043】
尚、細孔1hは螺旋状溝、リング状溝、若しくは表面荒れ部を有する形状であっても良い。こうすることにより光ファイバ11の接着保持性を高めることができる。
【0044】
また、キャピラリ2はキャピラリ支持体1から飛び出した形状をしているが、フェルール支持体2と面一もしくは引き込んだ形状でも同様の効果を奏することができる。
【0045】
次に本発明の光ファイバ固定具の製造方法を説明する。図3は本発明の成形金型の基本構造を示す断面図である。樹脂成形金型30は、鋼板31、鋼板32、鋼板33、鋼板34の4枚からなり、その中に、キャピラリ2の細孔2aの先端部2bを支持するためのピン35とキャピラリ2の細孔2aの後端部2cを支持し、しかも光ファイバの被覆を保持するための心線ガイド孔1c、該心線ガイド孔1cにつながるテーパ孔1fを成型するためのピン36とからなる。
【0046】
また、鋼板32は外周パイプ3を保持しており、しかも溶融樹脂を流し込むための導入孔(不図示)を有する。また、ピン35,36はそれぞれ、先端がテーパ状であり移動可動な構造で、金型の中心に備えられている。この金型であると、ピン35がキャピラリ2の細孔2aを塞ぐように挿入され、さらに軸方向対面よりピン36が同じくキャピラリ2の細孔2aに挿入し、キャピラリ2を支持する。この時、鋼板31、32、33、34は密着し、溶融樹脂が流れ込んでも他へ流出しない状態となる。
【0047】
成型方法は、射出成形が望ましいが、同様の金型構造を用いればプレス成形、トランスファー成型等の方法でもかまわない。
【0048】
【実施例】
ここで、以下に示す方法で実験を行った。
実験1
本発明の実施例として図1に示す光フェルール10を図3に示す金型を用いて試作した。細孔2aをφ0.126mmで製作したキャピラリ2を用い、樹脂製のキャピラリ支持体1を液晶ポリマ(LCP)で外径φ2.4995mm、キャピラリ1の長さを6mmとした。
【0049】
比較例として、図4に示す従来の光フェルール10をジルコニア製のキャピラリ2をステンレス製のキャピラリ支持体4に圧入した。また、図5に示す樹脂一体型の光フェルール10、また図6に示す先端にキャピラリ1を一体成形した光フェルール10、さらに図7に示す外周部1bにステンレス製の外周パイプ3を取り付けた光フェルール10をそれぞれ試作した。
【0050】
全てのサンプルは細孔2aをφ0.126mm外径φ2.4995mmとし、キャピラリ2の材質をジルコニア、使用した樹脂材料を液晶ポリマ(LCP)とした。
【0051】
これらの光フェルール10に光ファイバを接着固定し、先端面を仕上げ研磨した光ファイバ固定具20を各11個作成し、それぞれの先端面2bの頂点ずれを測定し、また光学特性として最重要な反射損失を測定した。また試作にかかったコストを求めた。それらの結果を表1に示す。
【0052】
なお、表中のデータは各測定値の平均値で表した。
【0053】
【表1】
【0054】
以上の結果より、従来例では図5、図6の光フェルールでは頂点ずれが50μmを超える結果となり、反射損失では図5、図7が50dB以下という結果となった。図4の従来例と図1での本発明の光フェルールは共に頂点ずれ、反射損失共に基準値を超えることが出来た。次にコストであるが図4に示す一般的に広く採用されている従来の光フェルールを100として比較で算出したが、本発明の光フェルールでは82%とコストを低減することができた。
【0055】
これより、本発明では安価でしかもセラミックス製と同等の性能を有する樹脂を主体とした光フェルール10を得ることができた。
【0056】
実験2
本発明の第1の実施例として、細孔2aをφ0.126mmで製作したキャピラリ2を用い、樹脂製のキャピラリ支持体1を液晶ポリマ(LCP)で外径φ2.499mmとして、キャピラリ2の長さLを1、2、4、6mmとし、図3に示す方法で光フェルール10を作製した。各々11個作製し、それぞれに光ファイバを挿入接着固定して端面研磨を施し光ファイバ固定具20を得た。接着固定される光ファイバ素線の長さは、それぞれ1、2、4、6mmとなる。これらを−40℃〜85℃の温度サイクル試験機に投入し、1000サイクル終了後、光ファイバ固定具20の先端における光ファイバ11の変動量の平均値を比較した。
【0057】
その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
以上より、接着固定される光ファイバ素線の長さが4mm以上であると、温度サイクルにより光ファイバ11の被覆部が収縮し光ファイバ11に収縮方向の力が加わっても、光ファイバ11の変動は小さくなることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、軸方向に光ファイバを収納するための細孔を有する略円筒状の光フェルールにおいて、内部には芯線ガイド孔とそれにつながるテーパ孔と外部にはフランジ部を有する樹脂製のキャピラリ支持体に、細孔を有するセラミックス製のキャピラリが固定され、しかも上記キャピラリ支持体の外周部には外周パイプを形成することにより、安価でしかもセラミックス製と同等の性能を有する樹脂を主体とした光フェルールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の光フェルールを示す断面図であり、(b)はそれを用いた光ファイバ固定具の断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の光フェルールを示す断面図である。
【図3】本発明の光フェルールの製造方法における成形金型の基本構造を示す断面図である。
【図4】従来の光フェル−ルを示す断面図である。
【図5】従来の光フェル−ルを示す断面図である。
【図6】従来の光フェル−ルを示す断面図である。
【図7】従来の光フェル−ルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 キャピラリ支持体
1a 細孔
1b 外周部
1c 芯線ガイド孔
1d フランジ部
1e 先端面
1f テーパ孔
2 キャピラリ
2a 細孔
2b 先端面
2c 後端部
3 外周パイプ
3a 外周部
4 キャピラリ支持体
10 光フェルール
11 光ファイバ
12 接着剤
20 光ファイバ固定具
30 成形金型
31 鋼板
32 鋼板
33 鋼板
34 鋼板
35 ピン
36 ピン
Claims (7)
- 軸方向に光ファイバを収納するための細孔を有する略円筒状の光フェルールにおいて、内部には芯線ガイド孔とそれにつながるテーパ孔を有し外部にはフランジ部を有する樹脂製のキャピラリ支持体に、上記細孔を有するセラミックス製のキャピラリを固定し、かつ上記キャピラリ支持体の外周部には外周パイプを備えたことを特徴とする光フェルール。
- 上記外周パイプは、外周部の算術平均表面粗さがRa0.0005〜0.01μmであり、かつ内周部の算術平均表面粗さがRa0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項1記載の光フェルール。
- 上記芯線ガイド孔はテーパ孔を介して上記キャピラリの細孔につながるとともに、光フェルールの先端面からキャピラリ支持体のテーパ孔の開始端までの長さが4mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の光フェルール。
- 上記キャピラリの細孔と外周パイプの外周との同心度が10μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光フェルール。
- 細孔を有する略円筒状のキャピラリを、上記細孔を中心に合わせて金型内に固定し、外周パイプを外周部にあわせて同じ金型に固定し、該金型中に樹脂を注入し射出成型法により上記キャピラリと外周パイプとともにキャピラリ支持体を一体に形成することを特徴とする請求項1記載の光フェルールの製造方法。
- 上記キャピラリの細孔の両端をそれぞれピンで支持して金型の中心に固定することを特徴とする請求項5記載の光フェルールの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光フェルールに光ファイバを接着固定し先端面を研磨仕上げした光ファイバ固定具と、他の光ファイバ固定具との先端同士を当接させて光ファイバ同士を接続するようにしてなる光ファイバコネクタ。
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