JP2002196187A - 光コネクタ用部品とその金型構造および製造方法 - Google Patents

光コネクタ用部品とその金型構造および製造方法

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JP2002196187A
JP2002196187A JP2001315290A JP2001315290A JP2002196187A JP 2002196187 A JP2002196187 A JP 2002196187A JP 2001315290 A JP2001315290 A JP 2001315290A JP 2001315290 A JP2001315290 A JP 2001315290A JP 2002196187 A JP2002196187 A JP 2002196187A
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optical connector
hole
connector component
component
ferrule
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Yoshimasa Hiruma
義昌 比留間
Akira Kato
彰 加藤
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KYOSEI SYSTEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で精度よく容易に製造でき、経時変化や
摩耗による抜け力の減少が改善されたスリーブ、フェル
ール、変換スリーブおよび光コネクタ用複合部品の光コ
ネクタ用部品を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなり光学部品を装着す
るための貫通孔が備えられた光コネクタ用部品であっ
て、その光コネクタ用部品の外表面または内表面に、n
本(nは2以上の整数)の溝が、貫通孔の中心を軸とす
るn回回転対称位置に、貫通孔と平行に配設された光コ
ネクタ用部品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、光コネク
タ用部品とその金型構造および製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、この出願の発明は、安価で精度
よく容易に製造でき、形状の経時変化や摩耗による抜け
力の減少が改善されたスリーブ、フェルール、変換スリ
ーブおよび光コネクタ用複合部品の光コネクタ用部品に
関するものである。また、その光コネクタ用部品を射出
成形により製造するための金型構造および製造方法をも
提供する。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年になって各種の通信需要
が大幅に増加してきているが、とりわけ光通信の分野で
は、一般家庭にまで光ファイバを接続するFTTH計画
が進められている。このように広範囲で細部に渡る光ネ
ットワークを経済的に構築するためには、各種の光部品
を安価に生産することが求められ、既に多くの光部品の
プラスチック化が進められている。光ネットワークにお
いて大量に使用されている光コネクタ部品のスリーブお
よびフェルールについても、その低コスト化が期待され
ている。
【0003】光コネクタは、光ファイバ同士を着脱自在
に接続するための部品であり、光ファイバを保持固定し
たフェルールを、円筒状のスリーブ内で対向させて、同
軸度の許容誤差1μm以下という高い精度で接続するよ
うにしている。この光コネクタ用スリーブは、一般的に
は、ジルコニアセラミックス、ステンレススチール、燐
青銅等のバネ材を、光コネクタ用フェルールは、ジルコ
ニアセラミックス、ガラスあるいは貴石を材料として製
造しているが、これらは材料費自体が高く、また上記の
ような精密加工を施すには製造コストがかかりすぎてい
た。そのため、従来より、光コネクタ用スリーブおよび
光コネクタ用フェルールを安価なプラスチックで製造す
ることが試みられてきた。
【0004】しかしながら、プラスチック製の光コネク
タ用スリーブおよび光コネクタ用フェルールは、着脱回
数および使用年数が増えるにつれて寸法変化や摩耗等が
生じ、抜け力が低下してしまうといった問題があった。
【0005】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、安価で精度よく容易に製造でき、経時変化や摩
耗による抜け力の減少が改善されたスリーブ、フェルー
ル、変換スリーブおよび光コネクタ用複合部品の光コネ
クタ用部品を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0007】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、熱可塑性樹脂からなり光ファイバ等の光学部品を装
着するための貫通孔が備えられた光コネクタ用部品であ
って、その光コネクタ用部品の外表面または外表面に、
n本(nは2以上の整数)の溝が、貫通孔の中心を軸と
するn回回転対称位置に、貫通孔と平行に配設されてい
ることを特徴とする光コネクタ用部品を提供する。
【0008】そして、この出願の発明は、上記第1の発
明について、第2には、光コネクタ用部品が、光部品を
保持固定するためのフェルールであることを特徴とする
光コネクタ用部品を、第3には、光コネクタ用部品が、
フェルールを接合保持するためのスリーブであることを
特徴とする光コネクタ用部品を、第4には、光コネクタ
用部品が、異径のフェルールを接合保持するため、2つ
の異径の貫通孔を同軸上に備えた変換スリーブであるこ
とを特徴とする光コネクタ用部品を、第5には、光コネ
クタ用部品が、フェルールとスリーブを同軸上に接合保
持したフェルール・スリーブ複合体であることを特徴と
する光コネクタ用部品を提供する。
【0009】そして、この出願の発明は、上記の発明に
ついて、第6には、溝は、幅が0.1〜0.8mmで、
フェルール溝部の壁厚が0.1〜0.5mmとなる深さ
であることを特徴とする光コネクタ用部品を、第7に
は、溝は、幅が0.1〜0.8mmで、スリーブ溝部の
壁厚が0.01〜0.5mmとなる深さであることを特
徴とする光コネクタ用部品を、第8には、接合保持する
光学部品またはフェルールの接合位置に相当する管壁
に、空気抜き貫通穴が配設されていることを特徴とする
光コネクタ用部品を、第9には、その空気抜き貫通穴
は、1つがあるいは対向する位置に2つが配設されてい
ることを特徴とする光コネクタ用部品を、第10には、
空気抜き貫通穴が、0.8mm以下であることを特徴と
する光コネクタ用部品を提供する。
【0010】さらに、この出願の発明は、第11には、
上記いずれかに記載の光コネクタ用部品を射出成形によ
り製造するため金型構造であって、光コネクタ用部品の
外形形成用のキャビティと中子としての貫通孔形成用ピ
ンを1組以上備え、キャビティの内面あるいは貫通孔形
成用ピンの外面には、製造される光コネクタ用部品の中
心を軸とするn回回転対称位置に、n本(nは2以上の
整数)の溝形成用凸部が、軸と平行に具備されているこ
とを特徴とする光コネクタ用部品の金型構造を、第12
には、光コネクタ用部品の外形形成用のキャビティと貫
通孔形成用ピンと空気抜き貫通穴用ピンを1組以上備
え、空気抜き貫通穴用ピンに符合するピン孔が金型外部
からキャビティに通じて形成されていて、空気抜き貫通
穴用ピンは、コイルバネ及び止め具によりピン孔におい
て先端がキャビティ内部空間に突出される状態で金型に
固定され、コイルバネによる一定の圧力でキャビティ内
部に配設された貫通孔形成用ピンに接触されることを特
徴とする光コネクタ用部品の金型構造を、第13には、
金型に設けられるゲートの断面形状がリング状とされ、
その中心はキャビティおよび貫通孔形成用ピンの中心に
一致され、その内径は貫通孔形成用ピンの直径よりも大
きく、外径はキャビティあるいはキャビティの内面に具
備された溝形成用凸部の頂部よりも小さいことを特徴と
する光コネクタ用部品の金型構造を提供する。
【0011】加えて、第14には、この出願の発明は、
上記に記載の構造を有する金型を用いて射出成形するこ
とを特徴とする光コネクタ用部品の製造方法をも提供す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通りの
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0013】まず、この出願の発明が提供する光コネク
タ用部品は、熱可塑性樹脂からなり、光学部品を装着す
るための貫通孔が備えられた光コネクタ用部品であっ
て、その光コネクタ用部品の外表面または内表面に、n
本(nは2以上の整数)の溝が、貫通孔の中心を軸とす
るn回回転対称位置に、貫通孔と平行に配設されている
ことを特徴としている。このような光コネクタ用部品と
しては、たとえば、フェルール、スリーブ、変換スリー
ブおよびフェルール・スリーブ複合体等の、光学部品を
装着するための貫通孔が備えられた様々なものを考慮す
ることができる。
【0014】具体的には、フェルールは、光ファイバを
保持固定するものであり、たとえば、その中心に光ファ
イバと符合する径の貫通孔を有し、その貫通孔に光ファ
イバを挿入して接着剤等で固定した後その先端部を研磨
するなどして用いる。この貫通孔としては、径が一定の
ものや、光ファイバの装着を容易にするために挿入部の
径が大きくなっているものなどを考慮することができ
る。
【0015】また、スリーブは、光ファイバを保持した
フェルールを同軸上に保持することで光ファイバ同士の
光結合を実現するものであり、その中心にフェルールと
符合する径の貫通孔を有し、その貫通孔の両端から2つ
のフェルールをそれぞれ挿入して接合し、フェルールが
移動しないように固定するようにしている。
【0016】これらのフェルールおよびスリーブには、
相互の脱着を容易に行なうことができ、かつ高い接合精
度を確保する必要がある。そのため、SC(Single Coup
ling)型、MU(Miniature Unit coupling)型等の様々
なタイプのものがある。
【0017】変換スリーブは、光ファイバをそれぞれ保
持した2つの異径のフェルールを同軸上に保持すること
で異径の光ファイバ同士の光結合を実現するものであ
り、それぞれのフェルールと符合する2つの径の貫通孔
を同軸上に備えている。2つの異径の貫通孔の接合部
は、30°以上の傾斜面(頂角が60°以上の円錐状の
斜面)で繋がれている。
【0018】以上のフェルール、スリーブおよび変換ス
リーブは、従来より光コネクタ用部品として広く一般に
使用されているものであるが、フェルール・スリーブ複
合体については、この出願の発明においてはじめて実現
されるものである。
【0019】図1に、この出願の発明のフェルール・ス
リーブ複合体の概念図を示した。すなわち、この出願の
発明が提供するフェルール・スリーブ複合体は、フェル
ールの一端にスリーブを同軸に接合した形態を有するも
のであり、このフェルール・スリーブ複合体の軸部にあ
る貫通孔にフェルール側から光ファイバを挿入して保持
固定させ、他端のスリーブ側から、予め光ファイバを保
持固定しているフェルールを装着することで、光ファイ
バの光接合を実現するものである。
【0020】この出願の発明における以上の光コネクタ
用部品については、その外表面または内表面に、n本
(nは2以上の整数)の溝が設けられている。ここで、
内表面とは、貫通孔の表面のことである。
【0021】溝は、光コネクタ用部品の一端から他端ま
で、あるいはその一部分に、貫通孔の中心を軸とするn
回回転対称位置に、貫通孔と平行に配設されている。こ
のn回回転対称とは、たとえばある図形を、軸を中心と
して360/n°ずつ回転させると常に元の図形と一致
する対称性である。そして、n回回転対称位置とは、あ
る点を中心にしてn回回転対称となる対称性を有する点
群のことであって、具体的には、正n角形の頂点と一致
している。
【0022】溝の形状としては、略コ字型、U字型等の
溝が考慮でき、その幅は、0.1〜0.8mmの範囲で
設定することができる。深さについては、光コネクタ用
部品がフェルールまたはフェルール・スリーブ複合体の
フェルール部の場合には、溝部の壁厚が0.1〜0.5
mmとなるように、光コネクタ用部品がスリーブ、変換
スリーブまたはフェルール・スリーブ複合体のスリーブ
部の場合には、溝部の壁厚が0.01〜0.5mmとな
るように設定することができる。
【0023】なお、ここでいう溝部の壁厚とは、例えば
図2に例示した内表面に溝(D)を有する変換スリーブ
を例にすると、溝を設けた部分の厚さ:tのことであ
る。
【0024】この溝は、たとえば金属製のスリーブにお
ける割溝のように光コネクタ用部品にバネ性を付与する
ものであって、光コネクタ用部品が他の光学部品を固着
あるいは固定している際に加わる過剰な応力により発生
するベンディングロス(歪ロス)を緩和する機能を担う
ものである。熱可塑性樹脂からなる光コネクタ用部品に
ついては、このようなベンディングロスを緩和する機能
を持つものは今まで知られておらず、この出願の発明に
よって初めて実現される。溝の形成は、特に、スリーブ
部において重要であり、上記のように0.01〜0.5
mmの範囲という極薄い壁厚を設定している。
【0025】このような溝が設けられることで、この出
願の発明の光コネクタ部品は、局部的な力が加わっても
バランスよく、柔軟に変形することができ、互いの着脱
が容易となる。また、この出願の発明の光コネクタ部品
は、このような溝を備えることによって、熱可塑性樹脂
製の光学部品の問題点である寸法変化や摩耗等を防ぐこ
とができ、着脱回数および使用年数が増えた場合でも抜
け力が低下することはほとんどない。
【0026】また、この出願の発明の光コネクタ部品
は、接合保持する光学部品またはフェルールの接合位置
に相当する管壁に、空気抜き貫通穴が貫通孔軸と垂直に
配設されたものを考慮することができる。たとえば、光
コネクタ部品が外表面に溝を有するスリーブであると、
スリーブの内表面とフェルールの外表面が極めて密着し
て保持されることになる。したがって、スリーブの両端
からフェルールが挿入されるとスリーブ内に空気が封じ
込められ、フェルールの接合部に形成される圧縮空気の
層によって接続損失が発生してしまう。そこでフェルー
ルの接合部に相当する光コネクタ部品の管壁に空気抜き
貫通穴を設けることで、空気の層が形成されることがな
く、フェルールの高精度な接合を実現することができる
ようになる。
【0027】この空気抜き貫通穴は、光コネクタ部品の
管壁で、光学部品またはフェルールの接合位置に相当す
る円周上の1点に1つを設けるだけでも良いし、その円
周上の対向する位置に2つを設けても良い。この空気抜
き貫通穴は2つで十分であり、3つ以上も受けること
は、強度および精度保持の面で好ましとはいえない。ま
た同様の理由から、空気抜き貫通穴は、直径を0.8m
m以下とすることが好ましい。
【0028】以上の光コネクタ用部品において、フェル
ールの外径と、スリーブ、変換スリーブあるいはフェル
ール・スリーブ複合体の内径とは、−1/100〜0m
m程度の逆クリアランス設計が可能となり、予め設定さ
れた抜け力によって分離できる。そのため、スリーブ、
変換スリーブあるいはフェルール・スリーブ複合体とフ
ェルールとは、相互の脱着を容易に行なうことができ、
かつ高い接合精度を確保することができる。
【0029】また、光コネクタ用部品自体の形状、とく
にフェルール、変換スリーブおよびフェルール・スリー
ブ複合体の形状は、表面に突起などの凹凸を有するなど
して複雑形状となる場合が多い。このような場合には、
溝は1本が連続している必要はなく、何本かに分割され
ていてもよい。たとえば、図3に、外表面に4本の溝
(D)を設けた変換スリーブの上面図、側面図およびA
−A断面図を例示した。この例における変換スリーブ
は、φ2.5mmおよびφ1.25mmのフェルールを
接合するための変換スリーブであって、壁厚が0.65
mmで、内径が2.499mmおよび内径1.249m
mの2つの円筒が、45°の傾斜面(頂角が90°の円
錐状の斜面)で滑らかに接合された形状である。そし
て、その外表面には、たとえば、幅が0.6mmで、深
さが0.2mmの溝が、中心軸に対して360/4=9
0°ごとに設けられている。この図に示したように、一
本の溝は連続している必要はなく、たとえば斜面部など
には溝を設けなくてもよい。
【0030】また、図4に、外表面に3本の溝(D)を
設けたフェルールの側面図および縦断面図を例示した。
この例におけるフェルールは貫通孔の径が一定ではな
く、光ファイバを保持固定するために貫通孔が微細な部
分と、光ファイバの装着を容易にするために貫通孔が大
きい部分とからなっている。このような場合、フェルー
ルに有効にバネ性を付与するためには、たとえば貫通孔
が微細な部分の外表面に溝を設ければよい。さらには、
溝の幅および深さ等を制御することで、図示したよう
に、貫通孔が微細な部分の一部に相当する外表面にのみ
溝を設けること、すなわち溝の長さを短くすることも可
能である。もちろん、フェルールの一端から他端にまで
溝を設けてもよいことは言うまでもない。
【0031】この出願の発明の光コネクタ部品は、材料
として熱可塑性樹脂を使用することで、材料費の低コス
ト化を図ることができる。熱可塑性樹脂としては、成形
時にガスが発生することがなく、配向特性が良いために
精度よく加工できる、各種の液晶ポリマーを用いること
が好ましい。液晶ポリマーとしては、大きく分けて溶液
状態で液晶性を示す溶液型液晶(リオトロピック液晶)
と溶融状態で液晶性を示す溶融型液晶(サーモトロピッ
ク液晶)があり、この出願の発明においては、サーモト
ロピック液晶ポリマーの、液晶性ポリエステル、液晶性
ポリエステルイミド等を用いることが好ましく、具体的
には、(全)芳香族ポリエステル、ポリエステルアミ
ド、ポリエステルカーボネート等が挙げられる。好まし
くは液晶性ポリエステルであり、分子内にエステル結合
を複数個含む限りポリエステルに含むものとする。好ま
しいポリエステルは、芳香族ポリエステルである。
【0032】以上のようなこの出願の発明の光コネクタ
用部品の製造方法としては、射出成型法、コンプレッシ
ョン法あるいは流し込み法等が利用できるが、なかで
も、長く繊細な貫通孔や、この出願の発明の特徴である
溝、さらには複雑な形状の光コネクタ用部品を精密かつ
高効率で製造するには、射出成型法を利用することが好
ましい。
【0033】射出成形によりこの光コネクタ用部品を製
造するための金型構造としては、光コネクタ用部品の外
形形成用のキャビティと中子としての貫通孔形成用ピン
を1組以上備え、キャビティの内面あるいは貫通孔形成
用ピンの外面には、製造される光コネクタ用部品の中心
を軸とするn回回転対称位置に、n本(nは2以上の整
数)の溝形成用凸部が、軸と平行に具備されている光コ
ネクタ用部品の金型構造を考慮することができる。この
金型に特徴的な溝形成用凸部の断面形状としては、略コ
字型、U字型等の溝を形成するために、四角型、アーチ
型等の凸部が考慮でき、その幅は、0.1〜0.8mm
の範囲とすることが好ましい。また、高さについても、
溝形成用凸部の頂部と中子としての貫通孔形成用ピンと
の距離、すなわち製造される光コネクタ用部品の後部の
壁厚が、0.01〜0.5mmとなるように設計するこ
とが好ましい。このようなこの出願の発明の金型構造
は、たとえば、1段スプルー金型であっても良いし、一
度に多数の光コネクタ部品を製造するのに好的な2段ス
プルー金型とするなどしても良い。また、従来の金型設
計技術を利用して、光コネクタ用部品の形状や溝の数お
よび位置等によって金型をいくつかのブロックからなる
分割型としたり、アンダーカット技術を利用するなども
可能である。
【0034】また、光コネクタ用部品に空気抜き貫通穴
を設ける場合には、この出願の発明の金型構造を利用す
ることが好適な例として示される。たとえば図5に、こ
の出願の発明の金型構造の要部断面図の一例を例示し
た。この金型(1)は、上記の光コネクタ用部品の外形
形成用のキャビティ(2)と貫通孔形成用ピン(3)に
加えて空気抜き貫通穴用ピン(4)を1組以上備えてお
り、空気抜き貫通穴用ピン(4)に符合するピン孔
(5)が金型外部からキャビティ(2)に通じて形成さ
れていて、空気抜き貫通穴用ピン(4)は、コイルバネ
(6)及びネジ等の止め具(7)によりピン孔(5)に
おいて先端がキャビティ(2)内部空間に突出される状
態で金型(1)に固定され、コイルバネ(6)による一
定の圧力でキャビティ(2)内部に配設された貫通孔形
成用ピン(3)に接触されている。コイルバネ(6)の
圧縮力は、2〜3kg程度とすることが適当である。こ
のようにすることで、貫通孔形成用ピン(3)にする空
気抜き貫通穴用ピン(4)の突き当て強度の調整を容易
なものとし、強く突き当てて貫通孔形成用ピン(3)や
空気抜き貫通穴用ピン(4)に損傷を与えることをぐこ
とができる。
【0035】また、金型には、樹脂流入通路のスプル
ー、ランナー、ゲートが設けられるが、この出願の発明
が提供する金型構造のゲート部における横断面形状の一
例を図6に例示した。
【0036】この出願の発明においては、金型(1)に
設けられるゲート(8)の断面形状がリング状とされ、
その中心はキャビティ(2)および貫通孔形成用ピン
(3)の中心に一致され、その内径は貫通孔形成用ピン
(3)の直径よりも大きく、外径はキャビティ(2)あ
るいはキャビティ(2)の内面に具備された溝形成用凸
部(10)の頂部よりも小さくされていることが好まし
い。すなわち、この図6のように、たとえば、製造され
る光コネクタ用部品(9)の外周部に溝(11)が設け
られている場合には、ゲート(8)は、断面として光コ
ネクタ用部品(9)の壁厚に収まるように設けるように
する。このようにゲート(8)の形状を管状とすること
で、強度の低下を引起こす致命的な欠陥となるウェルド
ラインの発生を防ぐことができ、高品質な成形品として
の光コネクタ部品(9)を得ることができる。
【0037】以上のこの出願の発明の金型構造を利用し
た射出成形によって、経時変化や摩耗による抜け力の減
少が改善されたスリーブ、フェルール、変換スリーブお
よび光コネクタ用複合部品の光コネクタ用部品を安価で
精度よくまた簡便に製造することができる。
【0038】以下に実施例を示し、この発明の実施の形
態についてさらに詳しく説明する。
【0039】
【実施例】(実施例1)液晶ポリマーを使用し、射出成
型法によって、この出願の発明の光コネクタ用部品であ
る変換スリーブを製造した。図3に得られた変換スリー
ブの概略図を示した。この変換スリーブは、同軸上に内
径2.499mmの微細孔と内径1.249mm微細孔
を設け、その微細孔の接合部は傾斜で滑らかに接続され
た形状を有している。変換スリーブの外表面には、幅
0.6mm,深さ0.2mmの溝(D)を軸と平行に4
本配設している。
【0040】この変換スリーブによって、φ2.5mm
とφ1.25mmの2つの光ファイバーの接合を試みた
ところ、0.5dB以内の接続損失であった。 (実施例2)液晶ポリマーを使用し、射出成型法によっ
て、この出願の発明の光コネクタ用部品である変換スリ
ーブを作製した。図2に得られた変換スリーブの概略図
を示した。この変換スリーブは、同軸上に内径2.49
9mmの微細孔と内径1.249mm微細孔を設け、そ
の微細孔の接合部は傾斜で滑らかに接続された形状を有
している。この変換スリーブの内表面には、幅0.6m
m,深さ0.2mmの溝(D)を軸と平行に4本配設し
ている。
【0041】この変換スリーブによって、φ2.5mm
とφ1.25mmの2つのフェルールの接合を試みたと
ころ、0.5dB以内の接続損失であった。 (実施例3)液晶ポリマーを使用し、射出成型法によっ
て、この出願の発明の光コネクタ用部品であるフェルー
ルを製造した。図7に得られたフェルールの概略図を示
した。このフェルールは内径2.499mmの貫通孔を
有し、その外表面には、幅0.8mm,深さ0.5mm
の溝(D)が軸と平行に4本配設してある。
【0042】有限要素法による理論的解析を行い、挿入
力および抜け力を加えたときのこのフェルールの形状変
化を求めた。その結果を図8に示した。図8より、この
出願の発明のフェルールは溝が設けられたことでバネ性
が付与されており、挿入力および抜け力が加わったとき
に、フェルールがスムーズに変形することが示された。 (実施例4)実施例3と同様に、この出願の発明の光コ
ネクタ用部品であるスリーブを製造した。このスリーブ
は内径2.499mmの貫通孔を有し、その外表面に
は、幅0.8mm,深さ0.5mmの溝が軸と平行に4
本配設してある。
【0043】有限要素法による理論的解析を行い、挿入
力および抜け力を加えたときのこのスリーブの形状変化
を求めた。その結果を図9に示した。図9より、この出
願の発明のスリーブは溝が設けられたことでバネ性が付
与されており、挿入力および抜け力が加わったときに、
スリーブがスムーズに変形することが示された。 (実施例5)液晶ポリマーを使用し、射出成型法によっ
て、この出願の発明の光コネクタ用部品であるフェルー
ルを製造した。このフェルールの外表面には、幅0.8
mm,深さ0.5mmの溝が5本、軸を中心として36
0/5=72°ごとに、軸と平行に配設してある。
【0044】このフェルールと実施例4で製造したスリ
ーブを2個用いて、2つの光ファイバーの接合し、光軸
のずれを測定した。その結果を図10に示した。このフ
ェルールおよびスリーブによると、約7/10,000
mmという高精度での接合が可能であった。
【0045】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、安価で精度よく容易に製造でき、経時変化や摩耗
による抜け力の減少が改善されたスリーブ、フェルー
ル、変換スリーブおよび光コネクタ用複合部品の光コネ
クタ用部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明のフェルール・スリーブ複合体
の概略を例示した図である。
【図2】実施例において作製したこの出願の発明の変換
スリーブを例示した図である。
【図3】実施例において作製したこの出願の発明の変換
スリーブを例示した図である。
【図4】この出願の発明のフェルールの概略を例示した
図である。
【図5】この出願の発明の光コネクタ用部品の金型構造
の一例を例示した要部縦断面概略図である。
【図6】この出願の発明の光コネクタ用部品の金型構造
の一例を例示した要部横断面概略図である。
【図7】実施例において作製したこの出願の発明のフェ
ルールを例示した図である。
【図8】実施例においてこの出願の発明のフェルールの
形状変化を有限要素法により解析した結果を例示した図
である。
【図9】実施例においてこの出願の発明のスリーブの形
状変化を有限要素法により解析した結果を例示した図で
ある。
【図10】実施例においてこの出願の発明のフェルール
およびスリーブを用いたときの光軸のずれを測定した結
果を例示した図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 3 貫通孔形成用ピン 4 空気抜き貫通穴用ピン 5 ピン孔 6 コイルバネ 7 止め具 8 ゲート 9 光コネクタ部品 10 溝形成用凸部 11 溝

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなり光学部品を装着す
    るための貫通孔が備えられた光コネクタ用部品であっ
    て、その光コネクタ用部品の外表面または内表面に、n
    本(nは2以上の整数)の溝が、貫通孔の中心を軸とす
    るn回回転対称位置に、貫通孔と平行に配設されている
    ことを特徴とする光コネクタ用部品。
  2. 【請求項2】 光コネクタ用部品が、光部品を保持固定
    するためのフェルールであることを特徴とする請求項1
    記載の光コネクタ用部品。
  3. 【請求項3】 光コネクタ用部品が、フェルールを接合
    保持するためのスリーブであることを特徴とする請求項
    1記載の光コネクタ用部品。
  4. 【請求項4】 光コネクタ用部品が、異径のフェルール
    を接合保持するため、2つの異径の貫通孔を同軸上に備
    えた変換スリーブであることを特徴とする請求項1記載
    の光コネクタ用部品。
  5. 【請求項5】 光コネクタ用部品が、フェルールとスリ
    ーブを同軸上に接合保持したフェルール・スリーブ複合
    体であることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用
    部品。
  6. 【請求項6】 溝は、幅が0.1〜0.8mmで、フェ
    ルール溝部の壁厚が0.1〜0.5mmとなる深さであ
    ることを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の
    光コネクタ用部品。
  7. 【請求項7】 溝は、幅が0.1〜0.8mmで、スリ
    ーブ溝部の壁厚が0.01〜0.5mmとなる深さであ
    ることを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の
    光コネクタ用部品。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし8いずれかに記載の光コ
    ネクタ用部品であって、接合保持する光学部品またはフ
    ェルールの接合位置に相当する管壁に、空気抜き貫通穴
    が配設されていることを特徴とする光コネクタ用部品。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の光コネクタ用部品であっ
    て、空気抜き貫通穴は、1つがあるいは対向する位置に
    2つが配設されていることを特徴とする光コネクタ用部
    品。
  10. 【請求項10】 空気抜き貫通穴が、0.8mm以下で
    あることを特徴とする請求項8または9記載の光コネク
    タ用部品。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10いずれかに記載の
    光コネクタ用部品を射出成形により製造するための金型
    構造であって、光コネクタ用部品の外形形成用のキャビ
    ティと中子としての貫通孔形成用ピンを1組以上備え、
    キャビティの内面あるいは貫通孔形成用ピンの外面に
    は、製造される光コネクタ用部品の中心を軸とするn回
    回転対称位置に、n本(nは2以上の整数)の溝形成用
    凸部が、軸と平行に具備されていることを特徴とする光
    コネクタ用部品の金型構造。
  12. 【請求項12】 光コネクタ用部品の外形形成用のキャ
    ビティと貫通孔形成用ピンと空気抜き貫通穴用ピンを1
    組以上備え、空気抜き貫通穴用ピンに符合するピン孔が
    金型外部からキャビティに通じて形成されていて、空気
    抜き貫通穴用ピンは、コイルバネ及び止め具によりピン
    孔において先端がキャビティ内部空間に突出される状態
    で金型に固定され、コイルバネによる一定の圧力でキャ
    ビティ内部に配設された貫通孔形成用ピンに接触される
    ことを特徴とする請求項11記載の光コネクタ用部品の
    金型構造。
  13. 【請求項13】 金型に設けられるゲートの断面形状が
    リング状とされ、その中心はキャビティおよび貫通孔形
    成用ピンの中心に一致され、その内径は貫通孔形成用ピ
    ンの直径よりも大きく、外径はキャビティあるいはキャ
    ビティの内面に具備された溝形成用凸部の頂部よりも小
    さいことを特徴とする請求項11または12に記載の光
    コネクタ用部品の金型構造。
  14. 【請求項14】 請求項11ないし13いずれかに記載
    の構造を有する金型を用いて射出成形することを特徴と
    する光コネクタ用部品の製造方法。
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