JP2001200278A - 都市ガスの脱硫方法 - Google Patents

都市ガスの脱硫方法

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JP2001200278A
JP2001200278A JP2000355811A JP2000355811A JP2001200278A JP 2001200278 A JP2001200278 A JP 2001200278A JP 2000355811 A JP2000355811 A JP 2000355811A JP 2000355811 A JP2000355811 A JP 2000355811A JP 2001200278 A JP2001200278 A JP 2001200278A
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gas
hydrogen
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zinc
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JP2000355811A
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Masataka Masuda
正孝 増田
Osamu Okada
治 岡田
Takeshi Tabata
健 田畑
Susumu Takami
晋 高見
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素ガスを含有しない都市ガスの脱硫方法で
あって、硫黄含有量を高度に低下することができる方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の脱硫方法は、水素ガスを含有し
ない都市ガスに水素を添加し、共沈法により調製された
銅−亜鉛系脱硫剤を用いて脱硫することからなる。本発
明によれば、脱硫性能が極めて優れた銅−亜鉛系脱硫剤
が用いられているとともに共存する水素の効果により、
少量の脱硫剤で、高度に脱硫された都市ガスを長時間安
定して容易に得ることができるという効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ガスの脱硫方法
に関し、より詳細には、水素ガスを含まない都市ガス中
の硫黄含有量を長時間安定して高度に低下させ得る脱硫
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ガス中には、多くの場合、硫黄濃度
として約5ppm以上の硫黄化合物が付臭剤として含ま
れている。付臭剤としては、その目的から、ジメチルサ
ルファイド等、物理化学的に安定で、容易に吸着されな
い硫黄化合物が採用されている。これらの硫黄化合物
は、触媒等を用いて都市ガスを改質・燃焼する場合に
は、それらの触媒に悪影響を与える原因となるので、脱
硫剤を用いた脱硫工程に付され、硫黄分を除去したのち
使用される。このような安定な硫黄化合物を除去する方
法としては、化学プロセスで石油留分等の脱硫に使われ
ている水添脱硫法、活性炭等による吸着脱硫等が考えら
れる。しかし、前者においては、到達可能な脱硫レベル
は0.1ppm程度であるので、触媒の被毒を完全に防
止することができない。また、後者においては、活性炭
は都市ガス中に数千ppmのオーダーで含まれる炭素数
3〜6以上の炭化水素も同時に吸着してしまうため、本
来、硫黄化合物が吸着すべきサイトのほとんどが利用で
きず、十分な硫黄吸着量を確保しようとすると、必要活
性炭量が膨大になるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平2−3
02496号公報に開示されているように、銅系脱硫剤
を用いて都市ガスを脱硫する方法がある。この方法では
都市ガス中の硫黄含有量を0.1ppb以下に脱硫する
ことが可能であり、かつ活性炭と比較して十分なライフ
を持っているが、実際のプロセスに組み込み長時間安定
して使用するには、更に長時間のライフを持つことが要
求されている。本発明は、上記従来技術の問題点を解消
するために創案されたもので、本発明者等が種々研究を
重ねた結果、水素ガスを含有しない都市ガスを、共沈法
により調製された銅−亜鉛系脱硫剤を用いて脱硫する際
に、ジメチルサルファイドなど吸着脱硫では除去しにく
い硫黄化合物の脱硫に、徴量の水素が重要な役割をして
おり、都市ガスに少量の水素を添加して脱硫することに
より、都市ガス中の硫黄化合物を長時間安定して、著し
く低減できることを見出して完成したもので、本発明は
都市ガスを高度に且つ長時間安定して脱硫できる脱硫方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
なされた、本発明の都市ガスの脱硫方法は、水素ガスを
含有しない都市ガスに水素を添加し、共沈法により調製
された銅−亜鉛系脱硫剤を用いて脱硫することからな
る。特に、都市ガスに、約0.01%(容量%、以下同
機)以上の水素を添加することによって行われるが、水
素添加量をむやみに多くしても脱硫効果に変わりはな
く、その場合にはむしろ経済的に不利になる。従って、
0.01〜10%程度の水素、好ましくは0.1〜7%
程度の水素、より好ましくは1〜5%程度の水素を添加
しながら、都市ガスを脱硫する方法が好適である。本発
明の方法によれば、脱硫後の都市ガス中の硫黄含有量を
確実に5ppb(硫黄分として、以下同様)以下、通常
の条件では1ppb以下、好ましい条件では0.1pp
b以下に低減することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、水素ガスを含有
しない都市ガスには、例えば、13Aなどのガス事業法
で定められた分類名称で呼ばれるガスや、パイプライン
又はボンベで供給されるLPGなどが包含され、より具
体的には、C1〜C5の炭化水素を主成分とするガス、例
えば、天然ガス、液化天然ガス、液化石油ガス、石油精
製オフガス、及びこれらの混合ガスが包含される。本発
明の脱硫方法は、脱硫剤として、共沈法により調製され
た銅−亜鉛系脱硫剤を用い、都市ガスに水素を添加しな
がら当該脱硫剤に接触させることにより行われる。銅−
亜鉛系脱硫剤としては、少なくとも銅及び酸化亜鉛を含
有し、共沈法により調製された脱硫剤であれば特に限定
されるものではないが、好ましくは下記に示すような方
法により調製されたCu−Zn系脱硫剤、Cu−Zn−
A1系脱硫剤などが好適に使用される。
【0006】(1)Cu−Zn系脱硫剤 銅化合物(例えば、硝酸銅、酢酸銅等)及び亜鉛化合物
(例えば、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等)を含む水溶液とアル
カリ物質(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)
の水溶液を混合して沈殿を生じさせる(共沈法)。生成
した沈殿は十分に水で洗浄した後、濾過し、乾燥する。
次にこれを約270〜400℃で焼成し、一旦水でスラ
リ−とした後、濾過・乾燥し、酸化銅−酸化亜鉛の焼結
体を得る。酸化銅及び酸化亜鉛の配合比は、原子比で通
常、銅:亜鉛=1:約0.3〜10、好ましくは1:約
0.5〜3、より好ましくは1:約1〜2.3程度とす
ることが好ましい。亜鉛量が少なすぎる場合には、銅の
シンタリングを効果的に防止することができず、一方亜
鉛量が多すぎる場合には、銅系脱硫剤としての十分な脱
硫性能を発揮しない。次いで、かくして得られた混合酸
化物を水素還元する。水素還元は、好ましくは、水素含
有量6%以下、より好ましくは0.5〜4容量%程度と
なるように、反応に関与しないガス(例えば、窒素ガ
ス、アルゴンガス、メタンガス等)により希釈された水
素ガスの存在下に、150〜350℃程度で上記混合物
を還元処理することにより行われる。このようにして得
られるCu−Zn系脱硫剤は、他の担体成分としてある
種の金属化合物、例えば、酸化クロムなどを含有してい
てもよい。また、上記の工程において、沈殿物を焼成す
る際又は焼結体を水素還元する際に、必要に応じて助剤
を加えた後、タブレットや押出成形物などの形状に成形
するのが好ましい。
【0007】(2)Cu−Zn−A1系脱硫剤 銅化合物(例えば、硝酸銅、酢酸銅等)及び亜鉛化合物
(例えば、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等)及びアルミニウム化
合物(例えば、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウム等)を含む水溶液とアルカリ
物質(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)の水
溶液を混合して、沈殿を生じさせる(共沈法)。この
時、アルミニウム化合物はアルカリ物質の溶液に加えて
おいて、この溶液と銅化合物及び亜鉛化合物を含む水溶
液を混合して沈殿を生成してもよい。次いで、生成した
沈殿は十分に水で洗浄した後、濾過し、乾燥する。次に
これを約270〜400℃で焼成し、一旦水でスラリー
とした後、濾過、乾燥し、酸化銅−酸化亜鉛−酸化アル
ミニウムの焼結体を得る。酸化銅、酸化亜鉛及び酸化ア
ルミニウムの配合比は、原子比で通常、銅:亜鉛:アル
ミニウム=1:約0.3〜10:約0.05〜2、より
好ましくは1:約0.6〜3:約0.3〜1程度とする
ことが好ましい。亜鉛量が少なすぎる場合には、銅のシ
ンタリングを効果的に防止することができず、一方亜鉛
量が多すぎる場合には、銅系脱硫剤としての十分な脱硫
性能を発揮しない。また、アルミニウム量が少なすぎる
場合には、Cu−ZnO構造を安定化することができ
ず、一方アルミニウム量が多すぎる場合には、脱硫性能
が低下する。次いで、かくして得られた混合酸化物を水
素還元する。水素還元は、好ましくは、水素含有量6%
以下、より好ましくは0.5〜4容量%程度となるよう
に、反応に関与しないガス(例えば、窒素ガス、アルゴ
ンガス、メタンガス等)により希釈された水素ガスの存
在下に、150〜350℃程度で上記混合物を還元処理
することにより行われる。このようにして得られるCu
−Zn−A1系脱硫剤は、他の担体成分としてある種の
金属化合物、例えば、酸化クロムなどを含有していても
よい。また、上記の工程において、沈殿物を焼成する際
又は焼結体を水素還元する際に、必要に応じて助剤を加
えた後、タブレットや押出成形物などの形状に成形する
のが好ましい。
【0008】上記(1)及び(2)における混合酸化物
の水素還元に関し、銅は融点が低いため、熱により粒径
が増大し、表面積が減少しやすく、また、過度の熱によ
り細孔構造が微妙に変化して、その結果、脱硫剤として
の特性が大きく変化する。更に、酸化銅の水素還元は発
熱反応である。従って、混合酸化物の水素還元に際して
は、混合酸化物の水素還元を温和な条件下に進行させる
のが好ましく、前記のように水素含有量6%以下、より
好ましくは0.5〜4容量%程度となるように、反応に
関与しないガスにより希釈された水素ガスの存在下に、
150〜350℃程度の温度に維持しつつ還元処理する
方法が好適である。反応に関与しないガスとしては、窒
素ガス等の不活性ガスが好適に使用される。
【0009】上記の方法で得られる銅−亜鉛系脱硫剤
は、微粒子の凝集体からなる緻密な構造をしており、非
常に小さい銅微粒子が、酸化亜鉛粒子表面に均一に分散
しているとともに、酸化亜鉛との化学的な相互作用によ
り高活性状態になっている。また、Cu−Zn−A1系
脱硫剤においては、酸化アルミニウムは全体に分布し、
熱による銅粒子、酸化亜鉛粒子のシンタリングを防いで
高活性な状態を保持している。従って、これらの脱硫剤
を使用する場合には、都市ガス中の硫黄含有量を確実に
5ppb以下、通常の条件では1ppb以下、更に適当
な条件では容易に0.1ppb以下とすることができ
る。特にCu−Zn−A1系脱硫剤にあっては、酸化ア
ルミニウムの作用により、耐熱性に優れ、高温での強度
低下及び硫黄吸着力の低下を著しく減少させることがで
きるという利点が得られるため、使用温度城の制約が緩
和される。
【0010】本発明の脱硫方法は、上記のようにして調
製された銅−亜鉛系脱硫剤を150〜300℃の温度範
囲で使用する。Cu−Zn−A1系脱硫剤にあっては、
150〜400℃程度の温度範囲で使用してもよい。好
ましくは、都市ガスを脱硫する前に、加熱器を用いるか
又は脱硫ガスと熱交換することにより都市ガスを予熱
し、150〜400℃程度で脱硫すればよい。脱硫温度
は硫黄化合物の分解反応速度を速くするという点では、
より高い温度で脱硫することが望ましいが、一方、あま
り温度が高いと脱硫剤の銅成分がシンタリングを起こし
脱硫剤の表面積が減少する。従って、実際には200〜
350℃、より好ましくは250〜300℃で使用する
ことが好ましい。
【0011】本発明の脱硫方法は、通常、銅−亜鉛系脱
硫剤が充填された脱硫管に都市ガスと水素を通じること
により行われる。添加する水素量は厳密には都市ガス中
に含まれている硫黄の種類、量などに応じて調整される
が、実際含まれている硫黄量はppmオーダーの量であ
るため、少なくとも0.01%以上の水素を添加するこ
とによって行われる。しかし、水素添加量をむやみに多
くしても脱硫効果に変わりはなく、その場合にはむしろ
経済的に不利になる。従って、0.01〜10%程度の
水素、好ましくは0.1〜7%程度の水素、より好まし
くは1〜5%程度の水素を添加しながら、都市ガスを脱
硫する方法が好ましい。また、水蒸気改質プロセスの前
処理の脱硫として使用する場合には、水蒸気改質反応に
よってできた水素を一部リサイクルすることによって使
用することができる。充填すべき脱硫剤の量は、都市ガ
ス中の硫黄含有量、使用条件等により適宜設定される
が、通常、GHSVが200〜4000(1/h)程
度、好ましくは300〜2000(1/h)程度となる
ように定めればよい。
【0012】また、銅−亜鉛系脱硫剤の寿命を延ばすに
は、銅−亜鉛系脱硫剤の前に酸化亜鉛系吸着脱硫剤を充
填し、酸化亜鉛で吸着され得る硫黄化合物を予め除去す
ることが望ましい。この方法によれば、都市ガス中に含
まれている硫化水素等が酸化亜鉛で除去されるので、銅
−亜鉛系脱硫剤の負荷が軽減され、結果として寿命が延
長される。また、メルカプタン系の硫黄化合物が都市ガ
スに含まれている場合にも、酸化亜鉛で吸着されるの
で、銅−亜鉛系脱硫剤の負荷が軽減され、結果として寿
命が延長される。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、脱硫性能が極めて優れ
た銅−亜鉛系脱硫剤が使用されているとともに共存する
水素の効果により、少量の脱硫剤で、高度に脱硫された
都市ガスを長時間安定して容易に得ることができるとい
う効果を奏する。従って、硫黄被毒に弱い触媒を使用し
て都市ガスを改質する場合等において、触媒の硫黄被毒
を実用上完全に防止することができるなど、硫黄による
悪影響を極めて高度なしベルまで排除することが可能で
ある。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 硝酸銅と硝酸亜鉛をモル比1:1の割合で含有する混合
水溶液と、炭酸ナトリウムの水溶液を、80℃程度に保
持した精製水に撹拌下一定の速度で同時滴下した。生成
した沈殿を熟成、洗浄、濾過、乾燥後、直径1/8イン
チ×長さ1/8インチに打錠成形し、更に約280℃で
焼成した。次いで該焼成体約150ccを充填した脱硫
管(脱硫層長さ30cm)に水素1容量%を含む窒素ガ
スを流通させ、温度200℃で還元した後、該脱硫管に
下記表1に示される組成からなる都市ガス(以下、13
Aガスという)150(1/h)と水素1.5(1/
h)を通じ(GHSV=1000h-1)、温度200
℃、圧力0.02kg/cm2・Gの条件下に脱硫し
た。脱硫ガス中の硫黄含有量をコールドトラップ法で経
時的に測定したところ、2000時間の運転にわたり、
0.1ppb以下であった。
【0015】
【表1】
【0016】比較例1 実施例1と同じ脱硫剤で、13Aガス150(1/h)
を、水素を添加しないで通じ、温度200℃、圧力0.
02kg/cm2・Gの条件下に脱硫した。その結果、
約1200時間で脱硫ガス中の硫黄濃度が0.1ppm
に達した。
【0017】実施例2 水酸化ナトリウム水溶液に約120℃で水酸化アルミニ
ウムを溶解し、アルミン酸塩ができるまで撹拌する。こ
のアルミン酸ナトリウム溶液を炭酸ナトリウム溶液に加
え、この溶液を約60℃に保つ。この溶液に硝酸銅及び
硝酸亜鉛をモル比1:1の割合で含有する混合水溶液を
撹拌しながら徐々に滴下し沈殿を生ずる。沈殿は十分に
水で洗浄した後、濾過し、乾燥する。次にこれを約28
0℃で焼成し、一旦水でスラリ−とした後、濾過、乾燥
し、直径1/8インチ×長さ1/8インチの大きさに成
形し、モル比で1:1:0.3の酸化銅−酸化亜鉛−酸
化アルミニウムの焼結体を得た。次いで該焼成体約15
0ccを充境した脱硫管(脱硫層長さ30cm)に水素
1容量%を含む窒素ガスを流通させ、温度200℃で還
元した後、該脱硫管に13Aガス150(1/h)と水
素1.5(1/h)を通じ(GHSV=1000
-1)、温度200℃、圧力0.02kg/cm2・G
の条件下に脱硫した。脱硫ガス中の硫黄含有量をコール
ドトラップ法で経時的に測定したところ、2400時間
の運転に亘り、0.1ppb以下であった。
【0018】実施例3 硝酸銅、硝酸亜鉛及び水酸化アルミニウムをモル比1:
1:0.3の割合で含有する混合水溶液を、約60℃に
保った炭酸ナトリウム水溶液に撹拌しながら滴下し沈殿
を生成する。沈殿は十分に水で洗浄した後、濾過し、乾
燥する。次にこれを約280℃で焼成し、一旦水でスラ
リ−とした後、濾過、乾燥し、直径1/8インチ×長さ
1/8インチの大きさに成形した。次いで該焼成体約1
50ccを充填した脱硫管(脱硫層長さ30cm)に水
素1容量%を含む窒素ガスを流通させ、温度200℃で
還元した後、該脱硫管に13Aガス150(1/h)と
水素1.5(1/h)を通じ(GHSV=1000
-1)、温度200℃、圧力0.02kg/cm2・G
の条件下に脱硫した。脱硫ガス中の硫黄含有量をコール
ドトラップ法で経時的に測定したところ、2400時間
の運転に亘り、0.1ppb以下であった。
【0019】実施例4 水素添加量を0.1%[0.15(1/h)]とする以
外は、実施例3と同様にして、13Aガスの脱硫を行っ
た。その結果、脱硫ガス中の硫黄含有量は、2400時
間の運転にわたり、0.1ppb以下に抑制されてい
た。
【0020】実施例5 炭酸ナトリウム水溶液に水酸化アルミニウムを加え、こ
の溶液を60℃に保ち、これに硝酸銅及び硝酸亜鉛をモ
ル比で1:1の割合で含有する混合水溶液を撹拌しなが
ら徐々に滴下し沈殿を生成させる。その後の処理は実施
例3と同様にして行い、モル比で1:1:0.3の酸化
銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウムの焼結体を得た。次い
で該焼成体約150ccを充填した脱硫管(脱硫層長さ
30cm)に水素1容量%を含む窒素ガスを流通させ、
温度200℃で還元した後、該脱硫管に13Aガス15
0(1/h)と水素1.5(1/h)を通じ(GHSV
=1000h-1)、温度200℃、圧力0.02kg/
cm2・Gの条件下に脱硫した。脱硫ガス中の硫黄含有
量をコールドトラップ法で経時的に測定したところ、2
400時間の運転に亘り、0.1ppb以下であった。
【0021】実施例6 実施例5と同じ脱硫剤を用い、脱硫温度を温度250℃
とする以外は実施例3と同様の条件で、13Aガスを脱
硫した。その結果、脱硫ガス中の硫黄含有量は、400
0時間の運転にわたり、0.1ppb以下に抑制されて
いた。
【0022】実施例7 実施例2と同様にして、LPG(硫黄含有量5ppm)
を150(1/h)の流量で、約1%の水素[1.5
(1/h)]を添加して脱硫を行った。その結果、脱硫
ガス中の硫黄含有量は、2000時間の運転にわたり、
0.1ppb以下に抑制されていた。
【0023】実施例8 都市ガスを原燃料とする汎用のリン酸型燃料電池発電シ
ステムの脱硫装置にCu−Zn−A1系脱硫剤を充填
し、原燃料の脱硫試験を行った。脱硫装置としては、実
施例3と同様の製法で得られたCu−Zn−A1系脱硫
剤38リットルを充填した脱硫装樽(脱硫層長さ約76
cm)を用いた。原燃料として、上記表1に示される成
分からなる都市ガス13Aガスを用い、このガス(12
Nm3/h、GHSV=320h-1)を200℃に予熱
した後、0.1Nm3の水素とともに上記脱硫装置に導
入して脱硫した。脱硫されたガスをS/C(炭化水素中
の炭素1モル当りの水蒸気のモル数)=2.0、反応温
度450℃(入口)及び665℃(出口)、反応圧力
0.1kg/cm2で水蒸気改質反応に付した。水蒸気改質
された燃料ガスは、市販の低温一酸化炭素変性触媒が充
填された熱交換反応器型一酸化炭素変成器において、変
成器出口温度190℃、反応圧力0.2kg/cm2の条件
下に変成した後、燃料電池本体の燃料極に導き、酸化極
に導入された空気中の酸素と反応させて、電気エネルギ
−を取り出した。脱硫装置出口におけるガス中の硫黄含
有量を経時的に測定したが、6200時間経過後も硫黄
含有量は0.1ppb以下であり、水蒸気改質触媒は6
200時間経過後においても触媒活性の劣化反応開始直
後と同様な活性を維持しており、燃料電池は正常に作動
した。
【0024】比較例2 銅−亜鉛系脱硫剤に代えて、銅を担持した活性炭(表面
積約700m2/g)150ccを実施例1と同様の脱硫
管に充填し、13Aガス150(1/h)を通じ、温度
25℃、圧力0.02kg/cm2・Gの条件下に脱硫
した。その結果、脱硫ガス中の硫黄含有量は、約100
時間で、0.1ppmに達した。また、水素を添加して
も脱硫効果は全く変わらなかった。
【0025】実施例9 13Aガスを139.5(1/h)とし、水素添加量を
10.5(1/h)とする以外は実施例3と同様にして
脱硫を行った。その結果、脱硫ガス中の硫黄含有量は、
2400時間の運転にわたり、0.1ppb以下に抑制
されていた。
【0026】実施例10 13Aガス135(1/h)とし、水素添加量を15
(1/h)とする以外は実施例3と同機にして脱硫を行
った。その結果、脱硫ガス中の硫黄含有量は、2400
時間の運転にわたり、0.1ppb以下に抑制されてい
た。
【0027】比較例3 混練り法によって調製された銅−亜鉛系脱硫剤(高さ1
/8インチ×直径1/8インチのペレット、銅含有量=
41重量%、銅:亜鉛(原子比)=1:0.76)を実
施例1と同様の脱硫管に充填し、水素1容量%を含む窒
素ガスを流通させ、温度200℃で還元した後、13A
ガス150(1/h)と水素1.5(1/h)を添加し
て、温度200℃、圧力0.02kg/cm2・Gの条件
下に脱硫した。その結果、運転開始から約208時間後
には脱硫ガス中の硫黄は、0.05ppmに達してい
た。このように、混練り法によって調製された脱硫剤の
脱硫効果は、共沈法により調製された脱硫剤より劣って
いた。
【0028】比較例4 市販の硝酸亜鉛(日産ガードラー社製G−72D)を粉
砕して約3mmの大きさに篩い分けし、これに硝酸銅水
溶液を含浸させ加熱濃縮する。これを乾燥しさらに約2
80℃で焼成し、酸化亜鉛−酸化銅混合物(モル比9
5:5)を得た。次いで、該焼成体約150ccを実施
例1と同様の脱硫管に充填し、水素1容量%を含む窒素
ガスを流通させ、温度200℃で還元した後、13Aガ
ス150(1/h)と水素1.5(1/h)を添加し
て、温度200℃、圧力0.02kg/cm2・Gの条
件下に脱硫した。その結果、運転開始直後から脱硫ガス
中に硫黄が検出され、さらに約1時間後には0.1pp
mに達していた。
【0029】比較例5 硝酸銅、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムをモル比1:
1:0.3の割合で含有する混合水溶液と、炭酸ナトリ
ウムの水溶液を、80℃程度に保持した精製水に撹拌下
一定の速度で同時に滴下した。この時、溶液のpHは7
〜7.5に維持しつつ沈殿生成を行う。生成した沈殿を
熟成、洗浄、濾過、乾燥後、直径1/8インチ×長さ1
/8インチに打錠成型し、更に約280℃で焼成した。
次いで該焼成体150ccを脱硫管(脱硫層長さ30c
m)に充填し、水素還元を事前に行わず、該脱硫管に1
3Aガス150(1/h)と水素0.15(1/h)を
通じ(GHSV=1000h-1)、温度200℃、圧力
0.02kg/cm2・Gの条件下に脱硫した。その結
果、運転開始直後から脱硫ガス中に硫黄が検出され、約
3時間後には0.05ppmに達していた。
【0030】比較例6 比較例5と同じ製法で得た酸化銅−酸化亜鉛−酸化アル
ミニウム焼成物150ccを脱硫管(脱硫層長さ30c
m)に充填し、水素還元を事前に行わず、該脱硫管に1
3Aガス135(1/h)と水素15(1/h)を通じ
(GHSV=1000h-1)、温度200℃、圧力0.
02kg/cm2・Gの条件下に脱硫した。その結果、
13Aガスと水素を導入した時に脱硫層の温度が500
℃を越え、さらに、200時間後には、0.03ppm
の硫黄が検出された。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、脱硫後の都市ガ
ス中の硫黄含有量を確実に5ppb(硫黄分として、以
下同様)以下、通常の条件では1ppb以下、好ましい
条件では0.1ppb以下に低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 健 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 高見 晋 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素ガスを含有しない都市ガスに水素を
    添加し、共沈法により調製された銅−亜鉛系脱硫剤を用
    いて脱硫することを特徴とする都市ガスの脱硫方法。
  2. 【請求項2】 都市ガスに水素を0.01〜10%(容
    量%)添加する請求項1記載の都市ガスの脱硫方法。
  3. 【請求項3】 銅−亜鉛系脱硫剤が、酸化銅−酸化亜鉛
    混合物又は酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウム混合物
    を水素還元して得られた脱硫剤である請求項1又は2記
    載の都市ガスの脱硫方法。
  4. 【請求項4】 都市ガス中の硫黄含有量を5ppb以下
    に脱硫する請求項1から3のいずれかに記載の都市ガス
    の脱硫方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225615A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 炭化水素系燃料用の脱硫剤の製造方法、炭化水素系燃料用の脱硫剤
JP2009504371A (ja) * 2005-08-12 2009-02-05 エスケー エナジー 株式会社 有機スルフィドを除去するための脱硫剤、その製造方法及びそれを用いた有機硫黄化合物の除去方法

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JP2009504371A (ja) * 2005-08-12 2009-02-05 エスケー エナジー 株式会社 有機スルフィドを除去するための脱硫剤、その製造方法及びそれを用いた有機硫黄化合物の除去方法

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