JP2001199823A - ホタテ貝の貝殻を用いた抗菌剤および抗菌砂 - Google Patents

ホタテ貝の貝殻を用いた抗菌剤および抗菌砂

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潤郎 伊藤
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CHOKEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた抗菌作用が長期にわたって持続し、安全
性にも優れた抗菌剤を提供すること。 【解決手段】ホタテ貝の貝殻粉末を含有する抗菌剤とす
る。たとえば、ホタテ貝の貝殻粉末とトルマリン等を焼
結した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腸菌等の細菌類
に対し抗菌性を示す抗菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、犬、ネコの糞尿による砂場の汚染
により、幼児への細菌、回虫感染が問題になっている。
これらを防ぐため、薬剤による砂の殺菌消毒、高熱殺
菌、抗菌砂の混合などの方法が考えられるが、薬剤によ
る殺菌消毒、高熱殺菌は、薬剤の毒性、有効期間が比較
的短いなどの問題があり、特に高熱殺菌に関しては、実
用的な処理装置が開発されていないというのが現状であ
る。そこで、長期間抗菌性を保ち、簡単に抗菌処理が行
える方法として、抗菌剤を使用することにより砂場に抗
菌性を付与することが行われている。抗菌剤としては銀
イオンの殺菌作用を利用したものが最も広く利用されて
おり(特開平7−165521号公報、特開平8−30
09号公報)、他にゼオライトから放出されるイオンや
塩素イオンを利用したもの等がある。しかしながらこれ
らの抗菌剤は、体内に摂取されると毒性を示す危険性が
あった。また、屋外の砂場に適用した場合、雨で有効成
分が溶出し、抗菌作用が長期間持続しない場合もあっ
た。さらに、銀イオンの殺菌作用を利用した抗菌剤にお
いては、砂場の砂で子供達が遊んでいるうちに銀コーテ
ィング層が剥離し、有効成分である銀が破砕漏出するこ
ともあった。
【0003】砂に抗菌性を付与する他の例として、ペッ
ト用トイレ砂がある。ペット動物、特にネコは、室内に
設置された特定のトイレで排尿するように飼育されてい
る。ところが、このペット用トイレには、食中毒の原因
となるサルモネラ菌、O-157など深刻な被害を及ぼす大
腸菌、食品・衣類・家具に生えるカビや、皮膚病・気管
支炎等のさまざまな病気を引き起こす真菌など、種々の
細菌類が繁殖する。そこで、衛生上の観点から、ペット
用トイレの砂に抗菌剤を配合することが行われている。
抗菌剤としては、たとえば金属ゼオライト等が用いられ
ている(特開平3−290126号公報等)。
【0004】しかしゼオライト等の抗菌剤は、抗菌作用
が長期間持続しにくく、また、ペットや幼児が口にして
体内に摂取されると毒性を示す危険性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、優れた抗菌作用が長期にわた
って持続し、安全性にも優れた抗菌剤を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によれば、ホタテ貝の貝殻粉末を含有してなることを
特徴とする抗菌剤が提供される。
【0007】また本発明によれば、ホタテ貝の貝殻粉末
とホタテ貝の貝殻を除く無機物とを焼結してなることを
特徴とする抗菌剤が提供される。
【0008】また本発明によれば、上記抗菌剤を含むこ
とを特徴とする抗菌砂が提供される。
【0009】上記抗菌剤は、腸管出血性大腸菌O−15
7用の抗菌剤として用いた場合、一層有効である。また
上記抗菌剤は、砂に混合して使用することにより、特に
優れた抗菌作用が発揮され、抗菌作用の持続性もより向
上する等の効果が得られる。上記発明において、ホタテ
貝として陸奥湾産ホタテ貝を用いれば、抗菌作用が一層
強力となり、また、抗菌作用がより長期にわたって持続
するようになる。
【0010】なお、本発明における抗菌剤とは、細菌の
繁殖を防止するためのものであり、細菌に対し殺菌作用
を有するものも含む。
【0011】従来、貝殻が抗菌作用を有することは広く
知られており、これを紙に添加して抗菌紙としたり(特
開平11−222796号公報)、プラスチックに添加
して抗菌プラスチックとする技術が知られていた。
【0012】しかし、これら抗菌紙や抗菌プラスチック
は日用品の衛生度を高める等の目的で用いられるもので
あり、砂場やペット用トイレのような細菌が大量に生育
している環境に抗菌剤を適用する場合とは要求される抗
菌性の程度が大きく相違する。砂場やペット用トイレに
用いる抗菌剤においては、高い水準の抗菌性が要求さ
れ、適用環境中に存在する細菌の繁殖を抑えるのみなら
ず、砂場で遊ぶ子供やペット用トイレの設置された室内
で生活する人間に対し害を及ぼさない程度までに殺菌
し、上記細菌を消滅させることが望まれる。
【0013】このような高い抗菌性が要求される分野に
おいて貝殻を抗菌剤として適用する検討は、これまであ
まり行われていなかった。本発明は、このような検討を
行ったところ、貝殻のなかでも特にホタテ貝の貝殻を選
択して抗菌剤として用いることにより優れた菌処理効果
が発現することを見出し、本発明の完成に至ったもので
ある。抗菌性に対する要求水準が比較的低い場合におい
ては、ホタテ貝と他の貝類の抗菌作用の差異は認識され
にくい。ところが、砂場やペット用トイレのような抗菌
性に対する要求水準が高い場合においては、両者の差異
は顕著となる。ホタテ貝による抗菌作用が他の貝類に比
べて顕著である理由は明らかでないが、貝殻の結晶構造
やカルシウム以外の微量成分の存在比の差異により、抗
菌作用の差が生じているものと考えられる。一般に、貝
殻による抗菌作用はカルシウムイオンが有効成分となっ
て発現すると考えられているが、カルシウムイオンの溶
出量、溶出速度は、貝殻の結晶構造やカルシウム以外の
成分等、多くの因子によって決定される。また、細菌に
対する殺菌作用は、カルシウムイオン単独の作用だけで
なく、カルシウムイオンと他の微量成分の相乗作用によ
っても発現すると考えられる。したがって、優れた抗菌
作用を長期間にわたって持続的に発揮させるためには、
貝殻の結晶構造や他の微小成分の組成が好適な形態とな
っていることが重要となる。ホタテ貝、特に陸奥湾産の
ホタテ貝はこのような条件を満たしているため、長期に
わたる優れた抗菌性が得られるものと推察される。
【0014】一方、ホタテ貝は産業廃棄物として大量に
発生するものであり、本発明は、その再利用を図る途を
提供する点でも重要な意義を有するものである。我国に
おいて、ホタテ貝は毎年大量に水揚げされ食用に供され
ているが、その残滓としての貝殻も大量に発生する。こ
の大量に発生するホタテ貝の貝殻を如何に再利用するか
はホタテ貝事業の存続にとって最大の関心事であると共
に、地域の環境保全の立場からも重要な意味を有するも
のである。従来、ホタテ貝の再利用方法について種々の
検討が行われてきたが、有効な再利用方法は未だ見い出
されていないのが現状であった。本発明によれば、かか
る産業廃棄物としてのホタテ貝を有効利用することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、「抗菌」とは、
細菌の繁殖を防止するほか、これらの細菌類を殺菌する
作用を含むものである。本発明の抗菌剤が抗菌作用を示
す細菌の種類は多様であるが、大腸菌等が挙げられる。
このうち腸管出血性大腸菌に対しては一層有効な抗菌作
用を示す。腸管出血性大腸菌としては、これまでにO−
157、O−111、O−26等が知られているが、こ
のうち、特に腸管出血性大腸菌O−157に対し顕著な
殺菌作用を示す。
【0016】本発明の抗菌剤はホタテ貝の貝殻を含有し
てなるものである。ホタテ貝の貝殻粉末をそのまま用い
ても良いが、ホタテ貝の貝殻粉末以外に他の無機粒子を
混合してなるものとしても良い。貝殻粉末は焼成したも
のが好ましく用いられる。
【0017】また、本発明の抗菌剤は、ホタテ貝の貝殻
粉末と他の無機物とを焼結してなるものとすることもで
きる。この場合、粒子内にホタテ貝の貝殻と他の無機物
とを含む形態となる。このような構成とした場合、抗菌
剤に種々の機能を複合でき、また、容易に任意の大きさ
に調節できるという利点も得られる。無機物としては粒
子状のものが好ましく用いられる。上記のような焼結体
は、ホタテ貝の貝殻粉末と他の無機物の混合物を所定の
温度で焼成することによって製造できる。焼結体の形状
は、球状となる。このため、砂等との混合性が良好とな
り、砂中に均一分散することが一層容易となる。
【0018】本発明の抗菌剤を上記のような焼結体とす
る場合、無機物としては天然の鉱石やホタテ貝以外の貝
類の貝殻等を用いることができ、たとえば、麦飯石、ト
ルマリン、ゼオライト、シリカ、アルミナ、酸化マグネ
シウム等が例示できる。無機物は一種類を単独で用いて
も二種類以上を併用してもよい。
【0019】上記焼結体の抗菌剤におけるホタテ貝の貝
殻の含有率は、抗菌剤全体に対して、好ましくは20質
量%以上、より好ましくは40質量%以上とする。ホタ
テ貝の貝殻が少なすぎると、充分な抗菌性が得られない
場合がある。
【0020】本発明の抗菌剤は、ホタテ貝を脱殻後、必
要に応じて加熱乾燥し、その後クラッシャー等を用いて
粉砕して貝殻粉末(粒状物)とすることに得ることがで
きる。貝殻粉末の平均粒子径は、用途に応じて適宜な値
が選択される。
【0021】焼結体の形態の抗菌剤を製造する場合は、
上記のようにして得た貝殻粉末を他の無機粒子とともに
焼成する。焼成温度は、好ましくは800℃以上、より
好ましくは900℃以上とする。上限については、好ま
しくは1200℃以下、より好ましくは1100℃以下
とする。焼成は、空気中で行っても良いし窒素等の不活
性ガス雰囲気下で焼成してもよい。焼成時間は、焼成温
度等によって適宜に設定されるが、通常、雰囲気温度が
所定の焼成温度に到達した後、10〜120分、好まし
くは15〜90分程度とする。このような焼成により、
不要な有機物が熱分解して除去され、貝殻粉末と他の無
機粒子とからなる焼結体が得られる。その後、必要に応
じて粉砕を行い、所望の大きさとすることもできる。
【0022】焼結体の粒子径は用途に応じて適宜な値が
選択される。通常は1〜20mm程度とすることが好ま
しい。また、たとえば砂場に混合して用いる場合は、平
均粒子径(数平均)を、好ましくは1〜10mm、より
好ましくは2〜6mmとする。このようにすれば砂との
混合性がより向上し、砂場中に本発明の抗菌剤を一層均
一に分散できる。ペットのトイレ用に用いる場合は、平
均粒子径(数平均)を、好ましくは3〜20mm、より
好ましくは5〜15mmとする。このような粒径とすれ
ばネコの体に抗菌剤が付着して部屋の中を汚すことを防
止することができる。
【0023】本発明の抗菌剤は、ホタテ貝の中でも、陸
奥湾産のホタテ貝を用いた場合、抗菌効果の持続性がよ
り向上する。前述したように、抗菌作用の程度および持
続性は、貝殻の組成や結晶構造によって相違すると考え
られる。一口にホタテ貝といっても、産地によって貝殻
の組成や結晶構造が相違するため、上記のようにホタテ
貝の産地によって抗菌性の差異が生じるものと推察され
る。
【0024】本発明の抗菌剤は、砂に混合して用いた場
合、特に有効である。このようにした場合、貝殻粒子が
そのままの形態で存在するため砂中の水分と直接接触し
て貝殻中の抗菌成分が溶出しやすい。このため、抗菌プ
ラスチック等のように貝殻粉末が母材樹脂に練り込まれ
た形態で用いる場合に比べ、ホタテ貝殻の持つ抗菌作用
が一層効果的に発揮される。
【0025】本発明の抗菌剤を砂に混合して用いる例と
して、公園や学校の砂場に適用する例、ペット用トイレ
砂に適用する例が挙げられる。また、海岸の砂浜に散布
することも有効である。これらの用途に用いた場合、本
発明の効果はより顕著に発揮される。以下、これらの実
施形態についてさらに説明する。
【0026】(砂場への適用例)本発明の抗菌剤を砂場
に混合する方法は特に制限されないが、たとえば次のよ
うな方法を用いることができる。 (i)本発明の抗菌剤を砂場の表面に満遍なく振りまいた
後、砂を均一に混ぜる。 (ii)あらかじめ砂とホタテ貝の貝殻粉末を混合してなる
抗菌砂を用意する。砂場の砂の一部を除去した後、用意
しておいた抗菌砂を砂場に均一に混合する。
【0027】砂に対する本発明の抗菌剤の配合量は、適
宜設定することができるが、砂100質量%に対し、通
常、1〜30質量%とする。
【0028】本発明の抗菌剤を砂場に適用した場合、以
下の効果が得られる。
【0029】第一の効果は、砂場の安全性を確保できる
ことである。砂場は子供達の遊び場であり、人体に対す
る安全性を確保することは特に重要である。本発明の抗
菌剤は天然に存在するホタテ貝の貝殻を利用したもので
あり、人体に対して無害であり、安全性の高い砂場を提
供することができる。
【0030】第二の効果は、抗菌性を長期にわたって持
続できることである。砂場は通常屋外にあり、風雨に曝
される環境下にある。このため、従来の抗菌剤を用いた
場合、雨水等によって有効成分が流出するため、抗菌作
用が長期間持続せず、抗菌剤の追加・交換を頻繁に行わ
なければならない場合が多かった。この点、本発明の抗
菌剤は水によって流出することはなく抗菌作用が長期に
わたって持続する。ホタテ貝中の抗菌成分は水に溶出す
ると考えられるが、このような成分は貝殻中に大量に含
まれており、水により少しずつ溶解していくため、抗菌
作用が持続するのである。
【0031】第三の効果は、容易に現場施工を行うこと
ができることである。本発明の抗菌剤は、砂中に容易に
均一混合することができるため、現場施工が容易とな
る。
【0032】第四の効果は、長期間使用しても抗菌剤の
偏析や分離が生じにくいことである。抗菌剤を砂場に適
用する場合、砂場全体に対して均一に分散する必要があ
る。抗菌剤が均一に分散しないと抗菌剤量が不足する領
域で細菌が発生・繁殖するため、抗菌剤の添加が無意味
となるからである。この点、本発明の抗菌剤は砂に対す
る混合性が良好であることから、砂場全体に対して抗菌
剤を均一分散できる上、長期間使用しても抗菌剤の偏析
や分離が生じにくい。
【0033】第五の効果は、銀や銅等を用いた抗菌砂等
に比べ、低コストで施工可能なことである。砂場に抗菌
剤を混合する場合、比較的大量に添加することが必要と
なることから、低コストであることが重要となる。この
点、本発明の抗菌剤は産業廃棄物であるホタテ貝を利用
するものであるため、比較的低コストで施工可能であ
り、砂場の施工に好適に用いられる。
【0034】(ペット用トイレへの適用例)本発明の抗
菌剤をペット用トイレの砂に混合することにより、優れ
た抗菌作用が得られる。ペット用トイレの砂としては、
市販のものを用いることができ、たとえば、ベントナイ
ト、ゼオライト、紙製ネコ砂、木製ネコ砂、おから等が
挙げられる。本発明の抗菌剤の配合量は特に制限がない
が、ペット用トイレの砂全体に対し、通常、1〜40質
量%とする。また、ゼオライト等の消臭剤を併用するこ
ともできる。
【0035】本発明の抗菌剤をペット用トイレに適用し
た場合、優れた抗菌作用が長期間持続する上、ペットや
幼児が口にして体内に摂取されても安全である。
【0036】以上、本発明に係る抗菌剤の好ましい実施
形態について説明したが、これ以外の用途として、たと
えば濾過材としての適用が挙げられる。本発明の抗菌剤
を濾過材として用いた場合、濾液に優れた抗菌性を付与
でき、特に腸管出血性大腸菌O−157に対する顕著な
抗菌性を付与することができる。
【0037】
【実施例】実施例1 (抗菌砂の調製)陸奥湾で採取された天然ホタテの貝殻
を、粉砕した後、200メッシュパスし、ホタテ貝殻粉
末を得た。このホタテ貝殻粉末を、200メッシュパス
した麦飯石およびトルマリンとともに約1100℃で焼
成し、焼結体の形態の抗菌砂を調製した。混合比は、ホ
タテ貝殻粉末60質量%、麦飯石30質量%、トルマリ
ン10質量%とした。
【0038】(菌液の調製)普通ブイヨン(栄研化学株
式会社製)を培地として用い、35℃、16〜24時間
増菌培養した菌体(大腸菌:Escherichia coli O-157 A
TTC 25922)を滅菌生理食塩水(0.85質量%)に均一
分散させ、1ml中の菌数が2.0×107〜2.0×
108になるように調整した。このようにして調整した
液を精製水200mlに加え、菌液とした。
【0039】(試験液の調製) 菌液(a) 上記手順により得られた菌液を菌液(a)とし、対象菌
液とした。
【0040】菌液(b) 上記手順により得られた菌液200mlに対し、上述の
抗菌砂20gを添加し、これを菌液(b)とした。
【0041】(試験方法)試験液を25℃で保存し、保
存24時間後および48時間後に、試験液の菌数(生
菌)を、標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35
℃、2日間)により測定した。なお、大腸菌数の測定
は、財団法人 北陸公衆衛生研究所によって行われた。
【0042】
【表1】 実施例2 下記表に示す各試料について、抗菌性を評価した。
【0043】
【表2】 貝殻粉末A:ホタテ貝の貝殻(陸奥湾産) 貝殻粉末B:ホタテ貝の貝殻(輸入品) 貝殻粉末C:カキの貝殻(広島県産) 貝殻粉末A〜Cは、乾燥・粉砕した後、100メッシュ
パスしたものを用いた。砂は、幼稚園の砂場で採取した
ものをそのまま用いた。各試料の量はそれぞれ500g
程度とした。
【0044】各試料の抗菌性は、実験開始時の試料1の
1gあたりの大腸菌群数を100%とし、所定時間経過
後の各試料中の1gあたりの大腸菌群数の割合を求め、
以下の基準で評価した。 10%未満 :評価A 10%以上30%未満 :評価B 30%以上90%未満 :評価C 90%以上 :評価D 2日後および14日後の各試料中の大腸菌群数を測定
し、上記基準で評価した結果を以下に示す。
【0045】
【表3】 実施例3 実施例2で使用した試料1〜4を撹拌しながら水を45
00mm/cm2流した後(約3年分の降雨量)、実施
例2と同様にして抗菌性の評価を行った。実験開始2日
後の抗菌性評価結果を表4に示す。
【0046】
【表4】 実施例4 陸奥湾で採取された天然ホタテの貝殻を、粉砕した後、
200メッシュパスし、ホタテ貝殻粉末を得た。このホ
タテ貝殻粉末を、200メッシュパスした麦飯石および
トルマリンとともに約1100℃で焼成し、焼結体の形
態の抗菌砂を調製した。混合比は、ホタテ貝殻粉末60
質量%、麦飯石30質量%、トルマリン10質量%とし
た。
【0047】この抗菌砂を、市販のネコトイレ用砂に混
合した。混合比は、混合砂全体に対し、抗菌砂25質量
%、市販のネコトイレ用砂を75質量%とした。
【0048】この混合砂を加熱滅菌処理した後、図1に
示すフローで試料A〜Dを得た。混合砂に対し大腸菌を
添加したものについて添加直後(試料A)および48時
間放置後(試料B)の大腸菌数を測定した。また、混合
砂に対しネコの尿を添加したものについて添加直後(試
料C)および48時間放置後(試料D)の大腸菌数を測
定した。試料A〜Dの大腸菌数を表5に示す。なお、大
腸菌数の測定は、財団法人 北陸公衆衛生研究所によっ
て行われた。
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の抗菌剤は、
ホタテ貝の貝殻を含むため、優れた抗菌作用が長期にわ
たって持続し、安全性にも優れる。
【0051】また本発明に係る抗菌砂は、公園等の砂場
やペット用トイレに適用した場合、これらに要求される
安全性を確保しつつ、高水準の抗菌作用を長期間持続さ
せることができ、取り扱い性や現場施工性も良好とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で評価した試料の調製方法を説明する
ための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500024595 株式会社長慶 青森県弘前市大字高田3丁目6番7号 (71)出願人 500024609 有限会社荻原設備 東京都足立区小台1丁目7番17号 (72)発明者 伊藤 潤郎 愛知県西加茂郡藤岡町大字白川字石田590 番地 Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BB23 BC20 DC11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホタテ貝の貝殻粉末を含有してなること
    を特徴とする抗菌剤。
  2. 【請求項2】 ホタテ貝の貝殻粉末とホタテ貝の貝殻を
    除く他の無機物とを焼結してなることを特徴とする抗菌
    剤。
  3. 【請求項3】 腸管出血性大腸菌O−157用の抗菌剤
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌
    剤。
  4. 【請求項4】 前記ホタテ貝が陸奥湾産ホタテ貝である
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の抗菌
    剤。
  5. 【請求項5】 砂に混合して使用されることを特徴とす
    る請求項1乃至4いずれかに記載の抗菌剤。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の抗菌剤と砂を含むこと
    を特徴とする抗菌砂。
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