JP2001199061A - 音響プリンタ及び音響プリンタ用のプリントヘッド - Google Patents

音響プリンタ及び音響プリンタ用のプリントヘッド

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JP2001199061A
JP2001199061A JP2000011956A JP2000011956A JP2001199061A JP 2001199061 A JP2001199061 A JP 2001199061A JP 2000011956 A JP2000011956 A JP 2000011956A JP 2000011956 A JP2000011956 A JP 2000011956A JP 2001199061 A JP2001199061 A JP 2001199061A
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ejector
abnormal
print head
ejectors
ink
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Application number
JP2000011956A
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English (en)
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Yoshinao Kondo
義尚 近藤
Kunihiro Takahashi
邦廣 高橋
Naoki Morita
直己 森田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に異常イジェクタを検出し、異常イジェ
クタが検出されても良好な画像を得る。 【解決手段】 プリントヘッド内で診断のためのイジェ
クタ10を選択し、選択されたイジェクタ10に、駆動
回路121から反射波検出用のためでかつオンキ液滴が
飛翔しない程度のパワーの信号を第1電極101と第2
電極102を含む圧電素子ATへ与える。このとき切り
換えスイッチ111は駆動回路121と第2電極102
を接続する。これにより、超音波が発生し、インクの境
界面で反射され、再度圧電素子ATへ戻される。このと
き検出回路122とイジェクタの第2電極102とを接
続させ検出回路122では反射波の有無を検出する。超
音波を発生させたのに反射波が検出できないときは、こ
のイジェクタを異常イジェクタと診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響プリンタ及び
音響プリンタ用のプリントヘッドにかかり、特に、イン
ク液滴を吐出するイジェクタの正常/異常を診断した結
果から画像を形成する音響プリンタ及び音響プリンタに
利用可能な音響プリンタ用のプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】音響プリンタに用いられる音響インクジ
ェット記録方式によるインクを吐出する部分であるイジ
ェクタは、原理上インク液滴を規定するノズルを必要と
しない。このため、他の記録方式、例えば、熱的に生成
されるバブルの圧力でインクを吐出するサーマルインク
ジェット記録方式や、圧電素子からなるインク室の体積
変化でインクを吐出するピエゾインクジェット記録方式
で生じるノズルにおけるインク詰まりの問題はない。ま
た、音響インクジェット記録方式のイジェクタによれ
ば、容易かつ低コストでプリントヘッドへの配置を2次
元配列にすることができる。
【0003】しかしながら、イジェクタ数を増加してプ
リント速度を高速にする場合、イジェクタ数に比例し
て、圧電素子の偶発的な故障や寿命による故障等による
故障発生確率が増加したり、インク室中の気泡等による
吐出不良確率が増加したりする。このため、特に中高速
の記録装置ではプリントヘッドの故障を知らせたり、画
像欠陥の補完記録等の故障処理モードに移行したりする
ことが必要である。
【0004】この問題を解消するための一例として、特
開平6−79956号公報には、異常イジェクタを光学
的に検出する技術が開示されている。この技術では、異
常検出の専用紙の予め定めた領域へプリントヘッドの吐
出状況をチェックするテスト画像を形成し、このテスト
画像を光学的な異常検出装置で読み取って、その読取デ
ータと駆動データとを比較して、一致しない画素に対応
するイジェクタを異常イジェクタとして検出する。そし
て、画像欠陥の補完記録に関しては、異常イジェクタが
発生しても画像欠陥のない所望の画像を得ている。すな
わち、異常イジェクタを検出し、その結果に基づき、異
常イジェクタに加えるべき画像データを移動して他の正
常イジェクタの画像データに重畳し、異なる走査時に記
録を補完させている。
【0005】しかしながら、この技術では、異常検出用
のために独立した領域を確保しなければならず、装置が
大型化したり、独立部品が必要であるために部品点数の
増加や処理の複雑化が生じたりして、装置のコスト増加
が発生する。また、画像欠陥のための補完記録をするた
めには、プリントヘッドを記録媒体上の同一領域に対し
て複数回走査する必要があり、プリント速度の低下を招
く。
【0006】また、プリントヘッドの状態を検出するた
めに、音響インクジェット記録方式のイジェクタに含ま
れている超音波を発生する圧電素子をセンサとして用い
る技術が提案されている。一例として、特開平7−13
7250号公報には、複数個の圧電素子からなるイジェ
クタと、インクに関する量を測定するセンサとを備えた
音響インクジェット記録装置が開示されている。この技
術において、インクに関する量は、インクの液面高さ、
インクの液温、インクの粘度、インクの比重、インクの
濃度、インク内を伝搬する超音波の音速、インク内を伝
搬する超音波の減衰率、からなる群の中から選択された
少なくともひとつを採用でき、インクに関する量を測定
するセンサは、イジェクタ内の圧電素子と兼用すること
ができる。
【0007】しかしながら、この技術は、圧電素子をセ
ンサとして利用するもので、異常イジェクタを検出する
ものではない。また、この技術では、ひとつのインク液
滴を得るために、複数の圧電素子から放射される集束超
音波が必要であり、異常イジェクタを検出するために
は、イジェクタを構成する複数の圧電素子すべてが故障
している必要がある。従って、圧電素子の偶発的な故障
や寿命等の故障確率を大きく上回るので、異常イジェク
タの検出は事実上不可能であり、プリントヘッドの故障
を知らせることはできない。
【0008】また、インク吐出不良の原因であるインク
室内の気泡を検出する一例として、特開昭62−108
061号公報にはインク吐出後にインク室内の反響音波
を圧電素子で検出する技術が提案されており、特開昭6
3−122549号公報にはインク室の振動を圧電素子
で検出する技術が開示されている。
【0009】しかしながら、この技術では、いずれもイ
ジェクタごとに独立したインク室が必要であるので、イ
ジェクタごとにインク室が独立していない音響インクジ
ェット記録装置には適用することができない。
【0010】また、画像欠陥の補完記録について、イン
ク液滴の飛翔方向を偏向させる技術が提案されている。
音響インクジェット記録装置の偏向方法の一例として、
特開平8−332724号公報には、インク吐出口付近
に電極を設け、該電極に電界を印加する静電偏向技術が
開示されている。
【0011】しかしながら、この技術では、静電偏向用
の高圧電源が必要とするので、コスト高になると共に、
高圧電源の使用状の安全を考慮しなければならない。
【0012】また、他例として、特聞平10−1140
62号公報には、圧電素子に印加するRF信号の長さに
よるインクの吐出方向の制御技術が開示されている。し
かしながら、この技術では、集束超音波の音軸とインク
表面とが直交する、すなわち本来正常に構成される場合
には効果がない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮して、容易に異常イジェクタを検出することができ
る音響プリンタ及び音響プリンタ用のプリントヘッドを
得ることが目的である。
【0014】また、上記目的に加え、異常イジェクタが
検出されても、良好な画像を得ることができる音響プリ
ンタ及び音響プリンタに利用可能な音響プリンタ用のプ
リントヘッドを得ることが他の目的である。
【0015】また、インク吐出口の配列ピッチを上回る
解像度で記録することを可能とする音響プリンタ用のプ
リントヘッドを提供することがその他の目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の音響プリンタは、圧電素子を含み該圧電素子
により発生する超音波で、貯留されたインクを吐出する
イジェクタを複数備えたプリントヘッドを、記録媒体に
対して相対的に移動して、前記記録媒体上に画像を形成
する音響プリンタにおいて、前記イジェクタの異常を診
断するための超音波が放射されるように、前記圧電素子
を駆動する駆動手段と、前記圧電素子により前記放射さ
れた超音波について前記貯留されたインクと外部との境
界面による反射波を検出する検出手段と、前記反射波と
基づいて前記イジェクタを診断する診断手段と、を備え
ている。
【0017】音響プリンタは、圧電素子により発生する
超音波で、貯留されたインクを吐出するイジェクタを複
数備えたプリントヘッドを有しており、このプリントヘ
ッドを記録媒体に対して相対的に移動し記録媒体上に画
像を形成する。駆動手段は、イジェクタの異常を診断す
るための超音波が放射されるように、圧電素子を駆動す
る。すなわち、プリントヘッドに備えられたイジェクタ
は圧電素子の駆動により超音波を発生してインクを吐出
するが、このインクの吐出に至らない程度に圧電素子を
駆動する。これにより、超音波は発生するが、インクの
吐出には至らない。この超音波は貯留されたインクを伝
播して貯留されたインクと外部との境界面で反射する。
この反射波を検出手段により検出する。診断手段は、超
音波と反射波とに基づいてイジェクタを診断する。この
診断は、超音波を発生させたのに反射波が得られない場
合、発生された超音波に対して得られるべき反射波のパ
ワ−と異なる(例えば低パワーの)場合等があり、これ
らの場合に、イジェクタが他のイジェクタと異なる状態
であると異常イジェクタであると診断することができ
る。従って、イジェクタのみによりイジェクタを診断す
ることができるので、独立スペースを設けることなく、
異常イジェクタを検出することができる。
【0018】前記音響プリンタでは、圧電素子は、超音
波を放射するためと、その放射された超音波の反射波を
検出するためとの双方に共用することができる。この共
用のために、圧電素子の作動に対して駆動手段と検出手
段とを切り換える切換手段を備えることができる。この
場合、診断手段では、超音波の放射と反射波の検出とを
切り換えるために切換手段を切換制御してもよく、また
切換手段自体で自動的に切り替わるようにしてもよい。
【0019】前記診断手段では、超音波に対応する反射
波、すなわち貯留されたインクと外部との境界面による
反射波が非検出のイジェクタを、異常イジェクタとして
検出することができる。異常イジェクタにはインク吐出
不能なイジェクタや不完全なイジェクタがある。また、
反射波を検出できないイジェクタは、例えインクを吐出
するに十分であるように圧電素子により超音波を発生さ
せようとしても、超音波は発生しない。従って、このイ
ジェクタによりインクの吐出はないので、インク吐出不
能な異常イジェクタと診断できる。
【0020】前記音響プリンタは、異常イジェクタが検
出されたとき、前記プリントヘッドの故障を報知する報
知手段をさらに備えることができる。異常イジェクタが
検出された場合、操作しているオペレータ等に認知され
ることが好ましい場合がある。そこで、異常イジェクタ
が検出されたときに、ブザーや表示装置等の報知手段に
よりプリントヘッドの故障を報知すれば、迅速にプリン
トヘドの故障を認知させることができる。
【0021】この報知手段は、複数のイジェクタのうち
異常イジェクタを検出したとき及び全イジェクタの診断
が終了したときの少なくとも一方でプリントヘッドの故
障を報知することができる。プリントヘッドは複数のイ
ジェクタを有しているので、プリントヘッドに含まれる
イジェクタのうち異常イジェクタを検出した時点で故障
を報知すれば、早期に故障を報知することができる。ま
た、全イジェクタの診断が終了したとき故障を報知すれ
ば、プリントヘッドに含まれている異常イジェクタ全て
について報知することができる。そして、異常イジェク
タを検出したとき及び全イジェクタの診断が終了したと
きの双方で故障を報知すれば、早期に故障報知が可能で
ありかつ全異常イジェクタの故障を報知することができ
る。
【0022】前記音響プリンタは、前記異常イジェクタ
を検出したとき、前記プリントヘッドをメンテナンスす
る処理手段をさらに備えることができる。反射波を検出
できない異常イジェクタが生じる理由として、インクが
足りなかったりインク液滴が飛翔する部位がよごれてい
たりするものがある。この場合、インク充填やイジェク
タ表面清浄等の構造的処理を施すことで回避できる場合
がある。そこで、異常イジェクタを検出したときにプリ
ントヘッドを処理手段により前記構造的処理であるメン
テナンスをすることで、異常イジェクタを正常イジェク
タに転換することができる。これにより、異常イジェク
タが検出されても、正常イジェクタに転換することがで
きるので、記録媒体上に良好な画像を形成できる。
【0023】なお、前記診断手段は、電源投入時、画像
形成までの間、画像形成の実行中、前記プリントヘッド
が画像形成のための移動範囲以外(所謂メインテナンス
区画)に移動するとき、画像形成の完了後、プリント待
機中の任意の時期、診断要求を受理したとき、の少なく
とも1つ以上に該当するときに診断することが好まし
い。
【0024】前記音響プリンタは、前記診断手段の診断
結果を記憶するための記憶手段をさらに備えることがで
きる。この場合、診断手段が診断結果を前記記憶手段に
記憶させる。これによって、記憶手段には、診断結果す
なわちプリントヘッドに含まれるイジェクタの各々が異
常イジェクタであるか否かを表す情報が記憶される。
【0025】この場合、前記音響プリンタは、前記記憶
した診断結果に基づいて画像形成時の記録モードを最後
の診断結果に異常イジェクタが含まれるときに前記異常
イジェクタを含んで画像形成する故障時記録モードに設
定すると共にそれ以外のときに前記全てのイジェクタに
より画像形成する通常モードに設定する設定手段を含
み、前記設定手段の設定結果に基づいて前記記録媒体上
に画像を形成する形成手段を含むことができる。故障時
記録モードは、異常イジェクタによる画像形成に代えて
他の正常イジェクタで補完して画像形成するモードであ
り、通常モードは全て正常なイジェクタとして通常の処
理として画像形成するモードである。
【0026】また、前記診断手段は、直前の診断結果が
異常イジェクタであるイジェクタをそのまま異常イジェ
クタと診断することができる。メインテナンスした後に
異常と診断されたイジェクタを再度診断しても、異常と
診断される確度が高い。このため、記憶手段に記憶され
ている直前の診断結果が異常イジェクタであるとき、診
断をスキップし、異常イジェクタであると診断すれば、
診断時間に要する時間を短縮化することができる。
【0027】前記音響プリンタは、前記記憶した診断結
果に基づいて、画像形成のために各イジェクタを駆動す
る駆動データを、前記異常イジェクタ以外のイジェクタ
のみ駆動するように変換する変換手段を含むことができ
る。異常イジェクタを検出した場合に、そのままプリン
トヘッドを駆動すると、異常イジェクタに対しても駆動
させようとするため、消費電力増加や短絡故障を誘発す
る虞がある。このため、変換手段により異常イジェクタ
以外のイジェクタのみ駆動するように変換すれば、異常
イジェクタは駆動のための作動がなされずに異常イジェ
クタに起因する他の故障を誘発することはない。
【0028】前記形成手段は、前記故障時記録モード時
に、異常イジェクタに隣接した異常イジェクタ以外の少
なくとも1つの正常イジェクタに対して前記超音波の周
波数を調整してインク吐出量を調整する調整手段を含む
ことができる。異常イジェクタでは画像形成(画素形
成)が困難であるが、隣接する正常イジェクタで補完で
きる。例えば、異常イジェクタの四方や八方に隣接する
正常イジェクタのインク吐出量を、本来画素形成すべく
定めた量より多くすることで、異常イジェクタ周辺に分
散され、異常イジェクタにより形成すべき画素を補完し
て形成することができる。
【0029】異常イジェクタにより記録すべき位置に画
素を形成するための補完は、複数の領域に分割された圧
電素子を含む正常イジェクタにより可能である。すなわ
ち、前記イジェクタは複数の領域に分割されかつ各々独
立して超音波を発生可能な圧電素子を含み、前記形成手
段は、前記故障処理モード時に、異常イジェクタに隣接
した異常イジェクタ以外の少なくとも1つの正常イジェ
クタの圧電素子について前記複数領域に分割された少な
くとも1つの領域にのみ超音波を発生させる領域設定手
段を備え、正常イジェクタから吐出するインクの吐出方
向を、異常イジェクタが記録すべき位置の方向に偏向さ
せる偏向手段を含むことにより可能である。これによっ
て、正常イジェクタは、複数領域に分割された圧電素子
の各々または組み合わせにより作動する領域を選択する
ことができ、この選択により、インク液滴の飛翔方向を
偏向させることができる。このため、異常イジェクタに
隣接する正常イジェクタを偏向させてインク液滴を飛翔
させれば、異常イジェクタにより形成されるべき位置に
正常イジェクタによりインクを飛翔させる補完を実施で
きる。
【0030】ところで、プリンタに備えられているプリ
ントヘッドは、イジェクタを縦横に2次元的に配置して
構成するものがある。この場合、異常イジェクタが含ま
れていると、形成画素が得られないことがあるので、異
常イジェクタに対する何らかの対処が必要である。そこ
で、まず、判定手段によって、イジェクタが正常である
か異常であるかを判定する。この判定結果に異常イジェ
クタが含まれる場合には、記録媒体上に画像を記録する
記録手段において、プリントヘッドの相対移動方向の延
長線上に存在する複数個の正常イジェクタに画素形成を
分散させて複数回重畳させることにより異常イジェクタ
が形成すべき記録媒体上の1画素を形成させる。すなわ
ち、イジェクタを2次元配列したプリントヘッドでは、
縦方向及び横方向の全イジェクタが異常でなければ、異
常イジェクタの縦横に正常イジェクタが存在する。そこ
で、プリントヘッドの移動方向の延長線上に存在する複
数個の正常イジェクタにインク吐出を分散させて複数回
のインク吐出を重畳させれば、正常イジェクタによって
記録媒体上の1画素を形成できる。
【0031】また、イジェクタを2次元配列したプリン
トヘッドを備えたプリンタでは、異常イジェクタを含ま
ない正常イジェクタが1または複数ある場合がある。こ
の正常イジェクタのみにより画像形成が可能である。そ
こで、正常イジェクタのみで構成した最大領域を論理的
プリントヘッドとして定め、定めた論理的プリントヘッ
ドで画像を形成することができる。複数のイジェクタか
らなるプリントヘッドにおいて異常イジェクタを含んで
いる場合、正常イジェクタのみから構成されるイジェク
タ群による論理的プリントヘッドと定めることで、正常
イジェクタのみによる画素形成が可能となり、異常イジ
ェクタを含まないプリントヘッドとして画像形成が可能
となる。この場合、イジェクタを2次元配列した形状に
相似した領域例えば長方形領域となるイジェクタ群を定
めることが好ましい。
【0032】また、イジェクタを2次元配列したプリン
トヘッドを備えたプリンタでは、異常イジェクタを含ま
ない正常イジェクタが1または複数ある場合がある。こ
の正常イジェクタのみにより画像形成が可能である。そ
こで、異常イジェクタが存在する場合に、プリントヘッ
ドの移動方向の延長線上に存在する少なくとも1つの正
常イジェクタを代替イジェクタとして異常イジェクタの
駆動データにより駆動させる。ところが、異常イジェク
タの駆動データにより代替イジェクタを駆動させようと
したとき、他の正常イジェクタが作動したのでは余分な
画素形成がなされることになる。このため、異常イジェ
クタが記録すべき位置に代替イジェクタが到達すると
き、他のイジェクタを駆動させずに画像を形成する。す
なわち、他の正常イジェクタを代替イジェクタとして用
いるとき、代替イジェクタ以外の正常イジェクタを作動
させると不要な画像が形成されることになる。このた
め、異常イジェクタが記録すべき位置に代替イジェクタ
が到達するとき、他のイジェクタを駆動させずに画像を
形成すれば、異常イジェクタのみを補完することができ
る。
【0033】前記正常イジェクタに画素形成を分散させ
て、異常イジェクタにより記録すべき位置に画素を形成
する補完は、音響プリンタに用いて好適である。すなわ
ち、前記音響プリンタにおいて、前記プリントヘッドは
少なくとも複数のイジェクタが2次元配置され、前記形
成手段は、前記故障時記録モード時に、記憶された前記
診断結果に基づいて、異常イジェクタが存在する場合
に、前記プリントヘッドの移動方向の延長線上に存在す
る複数個の正常イジェクタにインク吐出を分散させて複
数回のインク吐出の重畳により記録媒体上の1画素を形
成することができる。
【0034】前記正常イジェクタのみによる論理プリン
トヘッドでの画素形成による補完は、音響プリンタに用
いて好適である。すなわち、前記音響プリンタにおい
て、前記プリントヘッドは少なくとも複数のイジェクタ
が2次元配置され、前記形成手段は、前記故障時記録モ
ード時に、記憶された前記診断結果に基づいて、正常イ
ジェクタのみで構成した最大領域を論理的プリントヘッ
ドとして定め、定めた論理的プリントヘッドで画像を形
成することができる。
【0035】前記正常イジェクタを代替イジェクタとし
て機能させて画素形成する補完は、音響プリンタに用い
て好適である。すなわち、前記プリントヘッドは少なく
とも複数のイジェクタが2次元配置され、前記形成手段
は、前記故障時記録モード時に、記憶された前記診断結
果に基づいて、異常イジェクタが存在する場合に、プリ
ントヘッドの移動方向の延長線上に存在する少なくとも
1つの正常イジェクタを代替イジェクタとして異常イジ
ェクタの駆動データにより駆動させ、かつ異常イジェク
タが記録すべき位置に代替イジェクタが到達するとき、
他のイジェクタを駆動させずに画像を形成することがで
きる。
【0036】通常、音響プリンタは、プリントヘッドを
備えている。このプリントヘッドは、圧電素子を含み該
圧電素子により発生する超音波を音響レンズで収束させ
貯留されたインクを吐出するイジェクタを備えた音響プ
リンタ用のプリントヘッドであり、前記イジェクタを、
複数の領域に分割されかつ各々独立して超音波を発生可
能な圧電素子を含んで構成することができる。これによ
って、複数の分割した領域から、飛翔方向を定めること
ができ、所望の方向へ偏向することが可能なプリントヘ
ッドを得ることができる。
【0037】この場合、前記分割された圧電素子、前記
音響レンズの中心軸に対して対称形状に構成することが
できる。このようにすれば、音響レンズの中心軸に対し
て対称にインク液滴を飛翔させることができ、偏向方向
の特定が容易となる。
【0038】また、前記圧電素子は、少なくとも第1電
極及び第2電極を含んで構成し、前記第1電極及び第2
電極の少なくとも一方の電極形状を分割して構成するこ
とができる。これによって、第1電極及び第2電極の各
々で独立した形状で複数の領域を構成して、飛翔方向を
定めることができる。また、第1電極及び第2電極で定
める領域の組み合わせで飛翔方向を定めることもでき
る。
【0039】この場合、分割された圧電素子に対し、少
なくとも1つ以上の領域を超音波非発生領域に設定する
ことができる。すなわち、1つのイジェクタに対し、適
切な電極形状によって圧電素子は複数の領域に分割され
る該電極の一部が選択されることによって、圧電素子の
少なくともひとつ以上の領域は超音波非発生領域とな
る。このとき、超音波発生領域の中心軸は音響レンズの
中心軸からずれるから、イジェクタから吐出するインク
は偏向される。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は音響
インクジェット記録装置のイジェクタ診断に本発明の音
響プリンタを適用したものである。
【0041】図1及び図2は、本発明の実施の形態にか
かる音響インクジェット記録装置に備えられたプリント
ヘッドのイジェクタを診断するときの超音波発生時及び
反射波検出時の周辺概念図を示した。イジェクタ10
は、基板103の一方の面に装着された圧電素子AT
と、基板103のもう一方の面に装着された音響レンズ
104と、インク室105と、インク吐出口GTを備え
た液面制御板106と、から構成されている。1つの圧
電素子ATは、基板103の一方の面に装着された第1
電極101を備えており、この第1電極101と第2電
極102との間に圧電体100が挟まれて構成されてい
る。これらの圧電素子AT、音響レンズ104、及びイ
ンク吐出口GTの各々の中心は一直線上に配置される。
液面制御板106は、インク液面107の位置が音響レ
ンズ104の焦点に合致する位置に設置される。インク
室105は、負圧が加えられることにより、インク室1
05内にインクが保持され、インク吐出口GTからのイ
ンク液漏れが防止される。1つのプリントヘッドは、所
定の位置に配置された複数個のイジェクタ10を備えて
いる。
【0042】圧電素子ATの第1電極101は、イジェ
クタを選択するためのスイッチとして機能する外部制御
可能な選択スイッチ112(以下、選択スイッチ)を介
して接地されており、選択スイッチ112がオンするこ
とにより第1電極101が接地されてイジェクタ10が
選択される。圧電素子ATの第2電極102は、外部制
御可能な切換スイッチ111(以下、切換スイッチ)の
コモン側に接続されている。切換スイッチ111は、本
発明の切換手段に対応する。切換スイッチ111の一方
の端子側には駆動回路121が接続され、他方の端子側
には検出回路122が接続されている。この切換スイッ
チ111は、コモン側の入力により駆動回路121また
は検出回路122の何れか一方と接続する。本実施の形
態では、コモン側へ切換信号として、ハイレベル(以
下、Hレベル)の信号を入力することにより、圧電素子
ATの第2電極102と検出回路122とが接続され、
ローレベル(以下、Lレベル)の信号を入力することに
より、圧電素子ATの第2電極102と駆動回路121
とが接続される。
【0043】なお、駆動回路121は、本発明の駆動手
段に対応し、検出回路122は、本発明の検出手段に対
応する。
【0044】ここで、イジェクタ10を診断は、反射波
の検出により可能である。すなわち、圧電素子ATの駆
動信号を送出する送出モードと、その駆動信号による反
射波を検出する検出モードによりなされる。図1に示す
ように、診断時の送出モードでは、選択スイッチ112
を介して第1電極101を接地して所望のイジェクタ1
0が選択され、切換スイッチ111により駆動回路12
1と第2電極102とが接続される。駆動回路121か
ら送信された検出用信号に対し、圧電素子ATで発生し
た超音波は音響レンズ104を介してインク室105中
を集束、減衰しながら伝播し、インク液面107に到達
する。
【0045】図2に示すように、インク液面107に到
達した超音波はこのインク液面107で反射して反射波
となり、インク室105中を拡散、減衰しながら伝播
し、音響レンズ104を介して圧電素子ATに到達す
る。この圧電素子ATで発生した超音波が反射波となっ
て圧電素子ATに戻るまでの間に、例えば駆動回路12
1から検出用信号が送信され次第、切換スイッチ111
を制御して、第2電極102と検出回路122とを接続
させる。これにより、圧電素子ATに到達した反射波は
電圧信号に変換され、検出回路122に入力される。
【0046】図3は、本実施の形態の音響インクジェッ
ト記録装置の主要なシステム構成である。コンピュータ
250から転送される画像データは、メインコントロー
ラ200を経由してフレームメモリ210に格納され
る。メインコントローラ200は、画像データを駆動/
検出コントローラ201に転送すると共に、モータ駆動
回路221、222を介してモータ231、232を制
御する。メインコントローラ200から転送された画像
データは、駆動/検出コントローラ201において、プ
リントヘッド240で出力可能な駆動データに変換さ
れ、駆動データメモリ211に格納される。メインコン
トローラ200からの出力要求に対して、駆動/検出コ
ントローラ201は、選択スイッチ112を制御して所
定のプリントヘッドにおける所定のイジェクタを選択
し、切換スイッチ111を制御して駆動回路121と所
定のイジェクタとを接続し、このイジェクタの駆動デー
タを駆動回路121に転送する。メインコントローラ2
00と駆動/検出コントローラ201とは互いに連携を
取りながら、所定のタイミングで各機能ブロックを制御
することにより、記録媒体上に所望の画像が形成され
る。
【0047】メインコントローラ200からの診断要求
に対して、駆動/検出コントローラ201は、必要であ
れば診断結果を記憶した診断データメモリ212から情
報を事前に読み取り、選択スイッチ112を制御して所
定のプリントヘッドにおける所定のイジェクタを選択す
ると共に、所定のタイミングで切換スイッチ111を制
御して、このイジェクタを駆動回路121または検出回
路122に接続する。検出回路122による診断結果
は、反射波の有無からなる論理信号であり、駆動/検出
コントローラ201を経由して診断データメモリ212
に格納される。
【0048】なお、診断データメモリ212は、本発明
の記憶手段に相当する。また、少なくとも駆動/検出コ
ントローラ201は本発明の診断手段に対応し、コンピ
ュータ250、メインコントローラ200、及び駆動/
検出コントローラ201が本発明の診断手段に対応する
場合もある。
【0049】図4は、駆動回路121の詳細構成であ
る。駆動回路121は、パルス発生部301、RF信号
発生部302、混合部303、及び増幅部304から構
成されており、パルス発生部301、RF信号発生部3
02、及び増幅部304は、混合部303に接続されて
いる。RF信号発生部302で生成された所定の周波数
FからなるRF信号312と、パルス発生部301で生
成された所定のパルス幅Wからなるパルス311とは、
混合部303において、RF周波数Fで長さWのバース
ト波313となり、増幅部304において増幅される。
【0050】なお、図4に示した駆動回路121に代え
て、本出願人がすでに提案している駆動回路(特願平1
1−72211号公報)を用いることができる。この技
術では、圧電素子にインダクタンスを並列に接続させて
共振回路を構成し、圧電素子に上記交流信号又は共振回
路に基づくエネルギを交互に供給して、インクの射出を
開始するので、インクを射出させるために交流信号を常
に供給する必要がなく、消費電力を削減することができ
る。すなわち、駆動回路の出力端はTANK回路のスイ
ッチであるので、図1および図2に示したイジェクタ1
0を駆動しないとき、駆動回路121と第2電極102
とは常に開放状態にある。さらに、駆動回路121と検
出回路122とは互いに重ならないタイミンクで動作す
るので、第2電極102と検出回路122との間のスイ
ッチは選択スイッチ112でよく、制御が簡単になる。
【0051】図5には、イジェクタヘの投入エネルギー
とバースト波長さとの関係を示した。なお、記録媒体上
に画像を形成する際の駆動波形と、イジェクタを診断す
る際の検出用信号波形とは、RF周波数Fおよび信号振
幅ともに等しいとする。図5の特性曲線Sから理解され
るように、イジェクタに投入されるエネルギーEとバー
スト波の長さWとは比例する。このため、バースト波の
長さWが変化すると、所定のバースト波の長さを境にイ
ンクの吐出、不吐出が得られる。すなわちインクの吐出
及び不吐出の境界の投入エネルギーExに至る長さw0
のバースト波が境界になる。これにより、記録媒体上に
画像を形成する際の駆動波形は、バースト波の長さがW
1(>w0)となるよう選択される。イジェクタを診断
する際の検出用信号波形は、インクが吐出しない範囲
で、かつ超音波の伝播時間よりも短くなる範囲、すなわ
ちバースト波の長さがW2(<w0)となるよう選択さ
れる。もちろん、RF周波数Fの1周期分の長さとして
もよい。
【0052】ここで、図1および図2に示した音響レン
ズ104とインク液面107との距離、例えば液面高さ
が500μmでかつインク室105に水性インクが充填
された場合を想定する。超音波の伝播速度は水性インク
中と水中とで等しい場合を仮定すると、超音波の水中伝
播速度は室温で約1500m/sであるから、伝播時間
は約670nsとなる。従って、検出用のバースト波の
長さがこの値に等しくなると、送信信号と受信信号とは
互いに分離、識別できなくなる。
【0053】次に、音響インクジェット記録装置におけ
る本発明の実施の形態にかかるイジェクタの診断処理を
説明する。
【0054】図6には、選択されたイジェクタ10の診
断処理の流れを示した。診断が開始されると、図6の処
理ルーチンが実行され、ステップ400において反射波
検出用信号を送信し、次のステップ402において直ち
に検出回路122とイジェクタの第2電極102とを接
続させ、イジェクタを受信待機状態へ移行させる。この
受信待機中には、ステップ404において反射波の有無
を検出すると共に、検出結果を保持する。次に、検出回
路122とイジェクタの第2電極102とを開放させ、
受信待機状態を解除させた後、保持した診断データを診
断データメモリ212(図3参照)に書き込む。
【0055】図7には、選択されたイジェクタ診断にお
けるタイミング波形を示した。検出用信号は、図5の条
件で生成される。切換信号がHレベルのとき、検出回路
122は圧電素子ATの第2電極102に接続された受
信待機状態になる。この受信待機状態は、超音波の伝播
時間に安全マージンを加えた時間まで継続される。受信
待機期間中、イジェクタが正常であれば、超音波の伝播
時間後に反射波が検出され、検出回路122の出力信号
は直ちにHレベルに変化し、保持される。
【0056】しかしながら、イジェクタに偶発的または
寿命等による不可逆的な異常が発生した場合や、インク
室中の気泡等の存在によりインクが吐出できない場合に
は、受信待機中には何も検出されないので、検出回路1
22の出力信号はLレベルのまま変化しない。不可逆的
な異常としては、圧電体100に至る配線の短絡や断
線、圧電体100の結線破壊等がある。検出回路122
の出力信号のレベルは、クリア信号が与えられるまで保
持され、その期間内(Hレベルの期間)に診断データメ
モリ212に書き込まれる。
【0057】例えば、液面高さが500μmの場合、イ
ジェクタあたりの診断時間は10μs以内とすることが
可能である。従って、4096個のイジェクタからなる
プリントヘッドが4個搭載された音響インクジェット記
録装置においても、診断時間は1秒以内とすることが可
能である。
【0058】図8には、複数のイジェクタからなるプリ
ントヘッド240について各イジェクタの診断過程(反
射波のない異常イジェクタが検出された時点)で故障を
報知する診断手順を示した。プリントヘッドの診断が開
始されると、ステップ410において駆動データメモリ
211に検出用データをセットし、次のステップ412
においてイジェクタを選択すべく選択スイッチ112を
接続し、次のステップ414で駆動回路121とイジェ
クタの第2電極102とを接続させた後に、ステップ4
16においてイジェクタを診断(図6参照)する。次の
ステップ418では反射波を検出したか否かを判断し、
肯定判断の場合にはステップ422へ進み、否定判断の
場合にはステップ420においてプリントヘッド240
の故障を報知した後にステップ422へ進む。ステップ
422では、全てのイジェクタの診断が終了したか否か
を判断し、否定判断の場合にはステップ412へ戻り、
肯定判断の場合には本ルーチンを終了する。すなわち、
全イジェクタを診断するまで以上の手順をくり返す。な
お、各イジェクタは、予め定められた順序で選択される
ので、診断データメモリ212に格納された診断結果の
アドレスは、各イジェクタの位置情報となる。
【0059】なお、故障を報知するものとしては、ブザ
ー装置等の発生装置や、表示装置、故障のイジェクタを
含むことを表す情報信号を出力する出力装置がある。こ
れらの装置は、本発明の報知手段に相当する。
【0060】図9には、複数のイジェクタからなるプリ
ントヘッド240について各イジェクタの診断過程で故
障を報知する診断手順を示した。なお、図9の処理は、
図8の処理と同様であるが、故障を報知するタイミング
のみ異なるものである。すなわち、プリントヘッドの診
断が開始されると、駆動データメモリ211に検出用デ
ータをセットし(ステップ410)、イジェクタを選択
すべく選択スイッチ112を接続して(ステップ41
2)、駆動回路121とイジェクタの第2電極102と
を接続させた後に(ステップ414)、イジェクタを診
断する(ステップ416)。次に、ステップ424で
は、全てのイジェクタを各々選択して診断が終了したか
否かを判断し、否定判断の場合にはステップ412へ戻
り上記処理を繰り返し、肯定判断の場合にはステップ4
26へ進む。イジェクタの各々の診断結果は、ステップ
416(図6)の処理で診断データとして診断データメ
モリ212に保持されている。そこで、次のステップ4
26では、診断データメモリ212に保持された診断結
果を読み込み、次のステップ428において反射波を検
出したか否かを判断し、肯定判断の場合にはそのまま本
ルーチンを終了し、否定判断の場合にはステップ430
においてプリントヘッド240の故障を報知した後に本
ルーチンを終了する。
【0061】このように、プリントヘッド240の故障
を知らせるタイミングは、各イジェクタの診断過程で反
射波のない異常イジェクタが検出された時点(図8参
照)、及び全てのイジェクタの診断終了後に診断データ
メモリ212から読み込まれる診断データに基づいて、
反射波のない異常イジェクタが検出された時点(図9参
照)、の何れでもよい。
【0062】なお、上記では、診断のタイミングの一例
を示したが、他例として次のものがある。 電源投入時に自動的に診断する。 プリント要求を受けてからプリント開始されるまでの
間に自動的に診断する。 プリント実行中、プリントヘッドがメンテナンス区画
に移動するごとに自動的に診断する。 プリント完了後に自動的に診断する。 プリント待機中の任意の時期に、ユーザの診断要求を
受けた後に診断する。
【0063】これらの各々の診断を独立して実行しても
よく、また複数を組み合わせて実行してもよい。
【0064】次に、プリントヘッド240の簡易診断に
ついて説明する。簡易診断とは、診断データメモリ21
2に格納された前回の診断結果に基づき、新しく発生し
た異常イジェクタのみを検出する診断である。すなわ
ち、上記で説明した図8及び図9の処理に、予め診断デ
ータメモリ212から読み込まれた各イジェクタに対す
る前回の診断データが、反射波のない異常イジェクタを
示すときにそのイジェクタを診断せずに、つぎのイジェ
クタに処理を移行する。この簡易診断は、上記処理と略
同様であるため、同一部部には同一符号を付して詳細な
説明を省略し、以下、異なる部分を説明する。
【0065】図10には、複数のイジェクタからなるプ
リントヘッド240について各イジェクタの診断過程
(反射波のない異常イジェクタが検出された時点)で故
障を報知する簡易診断手順を示した。
【0066】プリントヘッドの簡易診断が開始される
と、図10の処理ルーチンが実行され、駆動データメモ
リ211に検出用データをセットし(ステップ41
0)、次のステップ440において、前回の診断時に診
断データメモリ212に格納された診断結果を読み込
む。次に、診断するイジェクタを選択すべく選択スイッ
チ112を接続し(ステップ412)、ステップ442
へ進む。ステップ442では、上記ステップ412で接
続したイジェクタについて上記ステップ440で読み取
った診断結果に反射波があるか否かを判断する。すなわ
ち、前回異常イジェクタとして診断されたか否かを判断
する。ステップ442で否定判断の場合には、前回異常
イジェクタとして診断されているので、ステップ412
へ戻り、次のイジェクタを選択する。一方、ステップ4
42で肯定されたときは、上記と同様にして、駆動回路
121とイジェクタの第2電極102とを接続させてイ
ジェクタを診断し、反射波が未検出の場合にプリントヘ
ッド240の故障を報知する処理(ステップ414〜4
20)を全てのイジェクタについて実行し、全ての診断
が終了した場合(ステップ422で肯定判断)に本ルー
チンを終了する。
【0067】図11には、複数のイジェクタからなるプ
リントヘッド240について各イジェクタの診断過程で
故障を報知する簡易診断手順を示した。プリントヘッド
の診断が開始されると、図11の処理ルーチンが実行さ
れ、駆動データメモリ211に検出用データをセットし
(ステップ410)、イジェクタを選択すべく選択スイ
ッチ112を接続し(ステップ412)、前回の診断時
に診断データメモリ212に格納された診断結果を読み
込み(ステップ440)、診断するイジェクタを選択す
べく選択スイッチ112を接続し(ステップ412)、
前回異常イジェクタとして診断されたか否かを判断する
(ステップ442)。前回異常イジェクタとして診断さ
れた場合(ステップ442で否定判断)、ステップ41
2へ戻り、次のイジェクタを選択する。一方、ステップ
442で肯定されたときは、上記と同様にして、駆動回
路121とイジェクタの第2電極102とを接続させて
イジェクタを診断し、その診断結果をメモリに書き込む
処理(ステップ414〜424)を全てのイジェクタに
ついて実行し、全ての診断が終了した場合(ステップ4
24で肯定判断)、プリントヘッド240の故障を報知
する処理(ステップ428〜430)をした後に本ルー
チンを終了する。
【0068】次に、プリントヘッド240による画像記
録時の処理を説明する。図12には、イジェクタの異常
に応じてプリントヘッド240の記録モードを選択する
処理の流れを示した。記録モードとは、画像記録時の記
録方法をいい、本実施の形態では故障処理モードと通常
モードからなる。故障処理モードは、異常イジェクタが
存在したままで処理するモードであり、通常モードは、
異常イジェクタが存在しない状態で処理するモードであ
る。すなわち、本実施の形態のプリントヘッド240に
よる画像記録時には、図12に示す処理ルーチンが実行
される。この図12の処理は、本発明の設定手段の処理
に相当する。また、故障処理モードは、本発明の故障時
記録モードに相当する。
【0069】図12のステップ500では上記説明した
プリントヘッド240の診断処理(図8〜図11の何れ
かの処理)が実行され、次のステップ502において異
常イジェクタの有無を判断する。異常イジェクタがない
ときはステップ502で否定され、ステップ514へ進
み、プリントヘッド240の全てのイジェクタを使用し
た通常の画像記録処理である通常モードで画像記録が実
行される。
【0070】一方、異常イジェクタが有りと診断された
ときはステップ502で否定され、ステップ504へ進
み、プリントヘッド240がメンテナンスされる。本実
施の形態では、メンテナンスとして、インク充填及びイ
ジェクタ表面清浄の少なくとも一方を採用する。このメ
インテナンスは、本発明の処理手段に対応し、本発明で
メインテナンスするとは、インク充填及びイジェクタ表
面清浄の少なくとも一方を実施することをいう。このメ
ンテナンスの後には、ステップ506へ進み、再度、上
記ステップ500と同様のプリントヘッド240の診断
処理がなされる。次のステップ508では、メンテナン
ス後に異常イジェクタがなくなったか否かを判断し、肯
定されると、ステップ514へ進む。
【0071】メンテナンス後に異常イジェクタが残存す
る場合にはステップ508で否定され、ステップ510
において予め定めたメインテナンス規定回数だけメイン
テナンスを実施したか否かを判断する。メインテナンス
規定回数未満の場合には、ステップ510で否定され、
ステップ504へ戻り、再度上記処理を実行する。一
方、メインテナンス規定回数のメインテナンスを実施し
た場合には、ステップ510で肯定され、ステップ51
2へ進み、残存する異常イジェクタを補完して画像記録
する故障処理モードで画像記録を行う(詳細は後述)。
【0072】このようにして、ステップ504でメイン
テナンスが終了した後には、インク室内の気泡等に起因
した異常イジェクタ(イジェクタを構成する素子自体の
異常に起因しない異常イジェクタ)の少なくとも1つ以
上は、再診断により正常イジェクタに転換される。メン
テナンスと診断とが、少なくとも1回以上の規定回数分
くり返されることにより、圧電素子故障による不可逆な
異常イジェクタのみが検出される。
【0073】次に、故障処理モードの処理(ステップ5
12)の詳細を説明する。図13には、故障処理モード
における処理の流れを示した。
【0074】まず、詳細は後述するが、駆動検出コント
ローラ201は、診断データメモリ212から診断デー
タを読み込んで前処理を行い(ステップ520)、次に
駆動データの修正処理を行う(ステップ522)。次
に、メインコントローラ200は、駆動検出コントロー
ラ201における駆動データの修正結果(ステップ52
2)に基づき、プリントヘッド240の主走査方向移動
単位の修正処理を行う(ステップ524)。このとき、
修正された主走査方向移動単位は、フレームメモリ21
0の所定のアドレスに書き込まれる。
【0075】そして、プリントヘッド240の2次元配
置されたイジェクタの各々を駆動し(ステップ52
6)、複数イジェクタにより定まる領域の画像形成を行
い、修正された主走査方向移動単位でプリントヘッド2
40を移動し(ステップ528)、主走査すなわち主走
査方向の画像形成が終了する(ステップ530で肯定さ
れる)までプリントヘッド240を移動する。主走査が
終了すると、プリントヘッド240を副走査方向に移動
し(ステップ532)、形成すべき画像の副走査が終了
する(ステップ534で肯定される)まで、上記主走査
方向の画像形成を繰り返す。このようにして、主走査及
び副走査による画像形成を行う。
【0076】なお、ステップ526乃至ステップ534
の処理は、通常モード(図12のステップ514)の記
録動作に同一である。すなわち、駆動データを修正する
ことなく、予め定めた駆動データによりプリントヘッド
240が駆動されながら、主走査及び副走査による画像
形成がなされる。また、修正される駆動データは、イン
ク吐出/不吐出、インク吐出重畳回数、RF周波数、バ
ースト波制御パルス幅、からなる群のうち、少なくとも
1つに該当する。図13のステップ526乃至ステップ
534の処理は、本発明の形成手段の処理に相当する。
【0077】図14には、プリントヘッド240を構成
するイジェクタの2次元配置の一例を示した。本実施の
形態では、8×4で2次元的に配置された32個のイジ
ェクタによってプリントヘッド240が構成されてい
る。なお、以下の説明を簡単にするため、行方向には1
〜8の識別子を付与し、列方向にはA〜Dの識別子を付
与して、各イジェクタを、A1〜D8の識別番号で識別
して説明する。
【0078】図15には、プリントヘッド240と記録
媒体Pとの関係を示した。本実施の形態では、シアン、
マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色の異なるイン
クを吐出するために、プリントヘッド240が4個存在
する場合を説明する。なお、記録媒体P内には画像形成
のための記録領域が定められている。また、各プリント
ヘッド240は、図14に示す2次元的に配置された複
数イジェクタから構成される。記録領域内の1画素は、
1つのイジェクタで形成され、全て(本実施の形態で
は、8×4=32個)のイジェクタの駆動が完了する
と、プリントヘッド240が移動し、この作業を繰り返
しながら、記録媒体P上に画像が形成される。
【0079】この場合、各走査方向に対して、プリント
ヘッドの移動単位は、プリントヘッド240に配置され
たイジェクタの各走査方向に対する数量に等しい値を標
準値としている。例えば、図14のイジェクタ配置例で
は、主走査方向の移動単位はイジェクタ4個分であり、
副走査方向に対してはイジェクタ8個分である。すなわ
ち、図15に示すように、1走査目で全イジェクタの駆
動完了毎にプリントヘッド240が主走査方向に移動さ
れ、主走査が終了した後に副走査方向にプリントヘッド
240が移動され、2走査目が開始される。これを記録
領域内について繰り返し、画像が形成される。なお、各
プリントヘッドの相対位置は、記録領域上の画素位置が
ずれないよう、予め画像形成過程のプリントヘッド24
0の移動単位に基づいて、決定されている。
【0080】ところで、プリントヘッド240内に異常
イジェクタが存在する場合、記録媒体P上の異常イジェ
クタが形成すべき画素位置には、常に画像が形成されな
い。すなわち、白抜け現象とよばれる画像欠陥が発生す
る。本実施の形態では、故障処理モードの処理におい
て、プリントヘッド240の移動単位を、主走査方向に
対して標準値から修正することにより(図13)、主走
査方向について異常イジェクタを補完することが可能で
ある。ところが、プリントヘッド240は副走査方向に
断続的に移動するため、副走査方向に対する補完は実施
できず、駆動データは修正することができない。
【0081】そこで、本実施の形態では、診断データを
前処理して、駆動データを修正している。この診断デー
タの前処理(図13のステップ520)について説明す
る。
【0082】図16には、診断データの前処理の流れを
示した。まず、駆動/検出コントローラ201は、診断
データメモリ212から診断データを読み込む(ステッ
プ540)。次に、副走査方向に対する正常イジェクタ
の連続性を調査するため、プリントヘッド240におい
て主走査方向の同一ライン(以下、主走査ラインとい
う)に属するイジェクタ全てに対して、対応する診断デ
ータの論理和を計算する(ステップ542)。例えば、
図14の例では、プリントヘッド240において主走査
ラインは8ラインであり、各主走査ラインに対して、主
走査ラインに属する4個のイジェクタに対応する診断デ
ータの論理和を計算する。
【0083】次のステップ544では、論理和がゼロと
なる主走査ラインが存在するか否かを判別することによ
り、主走査ラインに属する全てのイジェクタが異常であ
るか否かを判断する。論理和がゼロとなる主走査ライン
が存在した場合(ステップ544で肯定)、その主走査
ラインの画素が形成されないので、副走査方向に対する
正常イジェクタの連続性が確保されない。このため、故
障処理モードを継続することができない。この場合、駆
動/検出コントローラ201は、メインコントローラ2
00に処理続行不能を報告し、この報告に基づきメイン
コントローラ200は、コンピュータ250に処理続行
不能を報告し、直ちに処理を中断する(ステップ54
6)。
【0084】一方、ステップ544で否定された場合、
論理和をメモリに書き込、全主走査ラインについて上記
処理が終了する(ステップ550で肯定される)まで繰
り返す。このようにすることで、副走査方向に対する正
常イジェクタの連続性が確保される場合にのみ、故障処
理モードを継続することができる。
【0085】上記診断データを前処理した後には、駆動
データを修正する。この駆動データの修正、すなわち、
図13のステップ522の処理は、本発明の変換手段の
処理に対応する。特に後述する第1の修正処理が好まし
く適用可能である。この駆動データの修正処理(図13
のステップ522)について説明する。この駆動データ
の修正処理は複数の処理が考えられる。以下、複数ある
駆動データの修正処理を順に説明する。
【0086】<駆動データの修正処理(1)>図17に
は、駆動データを修正する第1の修正処理の流れを示し
た。この第1の修正処理は、インク吐出/不吐出情報を
修正するものである。駆動/検出コントローラ201で
は、図17の処理が実行され、ステップ560において
駆動データメモリ211から各イジェクタの駆動データ
を読み込み、次のステップ562において診断データメ
モリ212からイジェクタの診断データを読み込み、次
のステップ564において上記駆動データ及び診断デー
タの論理積を計算する。計算した論理積は、駆動データ
の修正値として、次のステップ566において駆動デー
タメモリ211に上書きする。次のステップ568で
は、全てのイジェクタについて上記処理が終了したか否
かを判断し、否定されたときステップ564へ戻り、肯
定されたとき本ルーチンを終了する。
【0087】これにより、異常イジェクタに本来付与さ
れるべき駆動データは、常にインクを吐出しないデータ
に変換される。すなわち、駆動データにかからわず異常
イジェクタの駆動が抑制(非駆動に)される。このよう
に、本第1の修正処理では、異常イジェクタの駆動によ
り発生する2次障害を抑制することができる。この2次
障害としては、異常イジェクタの短絡故障に伴なう消費
電力の増加や、異常イジェクタ周囲への故障拡大等が挙
げられる。
【0088】また、本第1の修正処理では異常イジェク
タによる2次障害防止をするので、プリントヘッドの主
走査方向移動単位は標準値のまま修正する必要がない。
【0089】<駆動データの修正処理(2)>図18
は、駆動データを修正する第2の修正処理の流れを示し
た。第2の修正処理は、インク吐出/不吐出情報および
RF周波数情報を修正するものである。駆動/検出コン
トローラ201では、図18の処理が実行され、駆動デ
ータメモリ211から各イジェクタの駆動データを読み
込みかつ診断データメモリ212から該イジェクタの診
断データを読み込む(ステップ560、562)。次
に、ステップ570において、プリンタヘッド240の
各イジェクタについて異常イジェクタであるか否かを順
次判断する。異常イジェクタであるときは(ステップ5
70で肯定)、図17の処理と同様に、駆動データ及び
診断データの論理積を計算し(ステップ564)、計算
した論理積を駆動データの修正値として駆動データメモ
リ211に上書きする(ステップ566)。全イジェク
タの処理が終了する(ステップ568で否定される)ま
で繰り返し処理する。
【0090】一方、ステップ570で否定された場合、
そのイジェクタは正常イジェクタであり、ステップ57
2へ進み、隣接するイジェクタに異常イジェクタが存在
するか否かを判断する。ステップ572で否定された場
合にはそのままステップ568へ進み、肯定された場合
にはステップ574へ進む。ステップ574では、この
正常イジェクタの駆動データがインク吐出を表している
か否かを判断し、否定された場合にはそのままステップ
568へ進み、肯定された場合にはステップ576にお
いてイジェクタのRF周波数を修正して修正したRF周
波数を次のステップ578で駆動データの修正値として
駆動データメモリ211に上書きする。すなわち、正常
なイジェクタが異常イジェクタに隣接しかつインクを吐
出する駆動データを有するときに、そのイジェクタのR
F周波数を修正し、そのRF周波数を駆動データの修正
値として駆動データメモリ211に上書きする(詳細は
後述)。なお、異常イジェクタに隣接する全てのイジェ
クタが何れもインクを吐出しない場合、画像欠陥は改善
されないことがある。
【0091】具体例としては、図14のプリンタヘッド
240において異常イジェクタをイジェクタC4とする
と、隣接イジェクタは、イジェクタB4、C3、C5、
D4、の4個である。ベタ記録の場合、イジェクタB
4、C3、C5、D4、の4個の隣接イジェクタに対す
る駆動データは、何れも修正されたRF周波数を用いて
インクを吐出する情報に修正される。しかしながら、5
個のイジェクタB4、C3、C4、C5、D4のうち、
イジェクタC4の駆動データだけがインクを吐出する情
報を有する場合、修正すべき隣接イジェクタは存在せ
ず、単にイジェクタC4の駆動データがインクを吐出し
ない情報に修正されるのみである。この場合、記録媒体
上に形成される画像は故障処理モードを用いない場合に
等しくなり、画像欠陥は改善されない。
【0092】このように、本第2の修正処理は補完記録
を目的とするので、プリントヘッドの主走査方向移動単
位は標準値のまま修正する必要はない。
【0093】図19には、RF周波数Fとインク吐出量
との関係を示した。各イジェクタのRF周波数の標準値
は、所定のインク吐出量V1を満足する周波数F1であ
る。例えば、ベタ記録で、かつ記録媒体上の1画素と着
弾したインク液滴の大きさとが等しい場合、1画素の白
抜けを補完するには、着弾したインク液滴の大きさを標
準値の2倍とすればよい。このようにして、必要なイン
ク吐出量V2を満足するRF周波数F2が選択される。
【0094】上記第2の修正処理は、本発明の調整手段
に対応する。
【0095】<駆動データの修正処理(3)>駆動デー
タを修正する第3の修正処理は、インク吐出/不吐出情
報およびインク吐出重畳回数情報を修正するものであ
る。本第3の修正処理では、プリントヘッドの各イジェ
クタから吐出される複数個のインク液滴の重畳により、
記録媒体上の1画素が形成される場合を想定している。
本第3の修正処理では、各主走査ラインの全正常イジェ
クタが用いられ、かつ記録媒体上の各画素に対する必要
重畳回数は、画素上に到達する主走査ラインの全正常イ
ジェクタに対し、略等分に分散している。すなわち、該
主走査ラインに存在する各正常イジェクタに対する重畳
回数Ntは、次式により定めることができる。
【0096】Nt=Nn/Nm Nt:修正された重畳回数 Nn:各画素の必要重畳回数 Nm:画素上に到達する主走査ラインの正常イジェクタ
数 ただし、上式に剰余が発生する場合、少なくとも1つ以
上の正常イジェクタに対しては、上式で計算された値よ
りも1回分多い重畳回数をもつものが発生する。なお、
異常イジェクタの駆動データは、インクを吐出しない情
報に修正される。
【0097】このように、本第3の修正処理は補完記録
を目的としており、プリントヘッドの主走査方向移動単
位は1画素分に修正する必要がある。本第3の修正処理
は、プリント素子が2次元的に配置されたプリントヘッ
ドと、異常イジェクタの検出および記憶手段と、を備え
たインクジェット記録装置であれば、音響インクジェッ
ト方式のみに限定されず、他の方式のプリンタに対して
も適用できる。
【0098】上記第3の修正処理は、本発明の記録手
段、すなわち、判定結果に異常イジェクタが含まれると
き、前記プリントヘッドの相対移動方向の延長線上に存
在する複数個の正常イジェクタに画素形成を分散させて
複数回重畳させることにより前記異常イジェクタが形成
すべき記録媒体上の1画素を形成させて前記記録媒体上
に画像を記録する記録手段に相当する。また、ここで
は、異常イジェクタの診断は、判定手段の処理に相当す
る。
【0099】図20は、第3の修正処理に基づき、図1
4に示すプリントヘッド240を用いてベタ記録を行う
場合の記録媒体P上の画像形成過程を示した。この場
合、異常イジェクタをイジェクタC4とすると共に、1
画素の必要重畳回数を10回と仮定する。
【0100】本第3の修正処理により各イジェクタに分
散される重畳回数はつぎのとおりである。異常イジェク
タC4を有する主走査ラインの正常イジェクタはイジェ
クタA4、B4、D4の3つであり、重畳回数は暫定的
に3回に修正する。ここで、上記の式の計算結果で剰余
は1であるから、イジェクタD4のみ重畳回数を1回増
加する。他の主走査ライン、例えば、イジェクタA1、
B1、C1、D1、からなる主走査別に対して、正常イ
ジェクタ数は4であるから、各イジェクタの暫定重畳回
数は2回に修正する。このときは、剰余は2であるか
ら、イジェクタD1、C1の重畳回数を各々1回増加す
る。
【0101】プリンタヘッド240(8×4からなる3
2画素)のベタ記録は、合計7段階を必要とする。段階
1では、累計重畳回数4回に対応する画素P1dと、同
3回に対応する画素P1とからなる1ラインの画像を形
成する。段階2では、累計重畳回数6回に対応する画素
P2が新たに加わり、画素は1ライン分増加する。段階
3では、累計重畳回数8回に対応する画素P3、同7回
に対応する画素Ρ2d、が加わり、画素はさらに1ライ
ン増加する。段階4では、はじめて必要重畳回数10回
を満足する画素Ρ4からなる1ラインの画素が得られる
と共に、画素はさらに1ライン増加し、所望の画素数に
達する。以降の段階では、画素の増加はなく、所望の重
畳回数を満足する画素Ρ4からなる画像が1ラインずつ
増加し、段階7で記録が完了する。
【0102】<駆動データの修正処理(4)>駆動デー
タを修正する第4の修正処理は、インク吐出/不吐出情
報を修正するものである。なお、本第3の修正処理で
は、1辺が副走査ラインに配置されたイジェクタ数に等
しい、正常イジェクタのみで構成される長方形状のイジ
ェクタ群を論理的なプリントヘッドと呼ぶことにする。
イジェクタ駆動単位は、物理的なプリントヘッドから論
理的なプリントヘッドへと縮小される。すなわち、論理
的なプリントヘッドに属さない全イジェクタの駆動デー
タは、インクを吐出しない情報に修正する。
【0103】従って、本第3の修正処理はイジェクタ駆
動単位の縮小を目的としており、プリントヘッドの主走
査方向移動単位は、論理的なプリントヘッドにおける主
走査ラインのイジェクタ数分に修正する必要がある。
【0104】なお、本第3の修正処理では、プリント素
子が2次元的に配置されたプリントヘッドと、異常イジ
ェクタの検出および記憶手段と、を備えたインクジェッ
ト記録装置であれば、音響インクジェット方式のみに限
定されず、他の方式に対しても適用できる。
【0105】上記第4の修正処理は、本発明の記録手
段、すなわち、判定結果に異常イジェクタが含まれると
き、正常イジェクタのみで構成した最大領域を論理的プ
リントヘッドとして定め、定めた論理的プリントヘッド
で画像を記録する記録手段に相当する。また、ここで
は、異常イジェクタの診断は、判定手段の処理に相当す
る。
【0106】図21は、本第4の修正処理に基づき、図
14に示すプリントヘッド240を用いた場合の論理的
なプリントヘッドの選定方法を示した。ここでは、異常
イジェクタは、イジェクタC4であると仮定する。正常
イジェクタのみからなる長方形状のイジェクタ群は、計
4種類を得ることができる。論理的なプリントヘッド候
補としては、ケース1およびケース2が該当する。プリ
ント速度の低下の抑制には、長方形状のイジェクタ群に
属する正常イジェクタ数の多い方が好ましい。従って、
論理的なプリントヘッドは、ケース1を選定する。
【0107】<駆動データの修正処理(5)>駆動デー
タを修正する第5の修正処理は、インク吐出/不吐出情
報を修正するものである。ここでは、異常イジェクタが
存在する主走査ラインの正常イジェクタのうち、異常イ
ジェクタから最も遠い距離に位置するイジェクタを代替
イジェクタと呼ぶことにする。異常イジェクタの駆動デ
ータは、代替イジェクタに移動された後、インクを吐出
しない情報に修正する。代替イジェクタは、異常イジェ
クタが本来駆動すべき時点から、プリントヘッドの主走
査方向移動分だけ前後して駆動する。記録媒体P上に画
像を形成するにあたり、プリントヘッド240が主走査
方向に所定の距離移動したとき、記録済み領域と重なる
位置に存在する全てのイジェクタの駆動データを、予め
インクを吐出しない情報に修正している。
【0108】従って、本第5の修正処理は補完記録を目
的としており、プリントヘッドの主走査方向移動単位
は、異常イジェクタと代替イジェクタとの距離分に修正
する必要がある。
【0109】なお、本第5の修正処理は、プリント素子
が2次元的に配置されたプリントヘッドと、異常イジェ
クタの検出および記憶手段と、を備えたインクジェット
記録装置であれば、音響インクジェット方式のみに限定
されず、他の方式のプリンタに対しても適用できる。
【0110】図22は、第5の修正処理に基づき、図1
4に示すプリントヘッドを用いて代替イジェクタを選定
する方法を示した。なお、異常イジェクタは、イジェク
タC4であると仮定する。この場合、異常イジェクタC
4を有する主走査ラインの正常イジェクタは、イジェク
タA4、B4、D4、からなる。このうち、異常イジェ
クタC4から最も遠い距離に位置するのは、イジェクタ
A4である。従って、代替イジェクタは、イジェクタA
4を選定する。このとき、プリントヘッドの主走査方向
移動単位は2画素分に修正する必要がある。また、記録
媒体上の所定の画素に対しては、異常イジェクタC4の
方が先に到達する。このため、代替イジェクタA4は、
異常イジェクタC4による白抜け部分を、プリントヘッ
ドの移動後に補完すべく、駆動する。
【0111】また、図示は省略したが、異常イジェクタ
がイジェクタA4のとき、代替イジェクタはイジェクタ
D4を選定する。この場合、まず、代替イジェクタD4
が記録媒体上の異常イジェクタA4が形成すべき位置に
到達するようプリントヘッドが移動した後に、代替イジ
ェクタD4を駆動する。代替イジェクタD4と異常イジ
ェクタA4との距離は3画素分であるので、プリントヘ
ッドが主走査方向に3画素分移動した後に、残りのイジ
ェクタを駆動する。
【0112】上記第5の修正処理は、本発明の記録手
段、すなわち、判定結果に異常イジェクタが含まれると
き、プリントヘッドの移動方向の延長線上に存在する少
なくとも1つの正常イジェクタを代替イジェクタに設定
し、かつ異常イジェクタが記録すべき位置に代替イジェ
クタが到達するとき、他のイジェクタの駆動を禁止させ
て画像を記録する記録手段に相当する。また、ここで
は、異常イジェクタの診断は、判定手段の処理に相当す
る。
【0113】このように、補完記録を行う場合の駆動デ
ータの修正処理は複数存在するから、記録媒体上に形成
すべき画像データと異常イジェクタの位置情報とに基づ
き、最も適した修正処理を選択する。または複数の修正
処理を組み合わせることが望ましい。
【0114】以上説明したように、本実施の形態では、
音響インクジェット記録装置において、独立スペースを
設けることなく、低コストで異常イジェクタを検出する
プリントヘッドの診断を容易に行うことができ、異常イ
ジェクタが検出されても、記録媒体上には欠陥のほとん
どない良好な画像を得ることができる。
【0115】このように、全イジェクタに対して、各圧
電素子からインクを吐出させない程度の超音波を放射し
て、インク液面で反対する超音波を同じ圧電素子で検出
する。検出結果はメモリに保存される。メモリから読み
込まれた、超音波が非検出の異常イジェクタの位置情報
に基づいて、各イジェクタに加えるべき駆動データを修
正する。例えば、異常イジェクタに隣接しかつインクを
吐出する記録データが加えられる少なくとも1つの正常
イジェクタに対して、イジェク夕から放射される超音波
の周波数を低く調整し、インク吐出量を増加させること
により、記録媒体上に欠陥のほとんどない良好な画像を
得ることができる。
【0116】〔圧電素子の分割〕ところで、画像に欠陥
が生じる場合の補完記録は、インク液滴の飛翔方向を偏
向させることにより可能である。以下、この偏向による
補完記録について説明する。
【0117】図23は、圧電素子ATを構成する第1電
極101及び第2電極102により形成される圧電領域
Arを示したものである。すなわち、圧電素子ATは、
第1電極101と第2電極102との間に圧電体100
が挟まれて構成されており、第1電極101及び第2電
極102が通電されたときの共通領域が圧電素子として
機能する圧電領域Arとなる。
【0118】例えば、図23(A)に示すように、従来
の圧電素子ATは、略同一形状の第1電極101及び第
2電極102により圧電領域Arが形成される。本実施
の形態では、図23(B)、図23(C)に示すよう
に、第1電極101及び第2電極102を分割してい
る。図23(B)に示すように、分割例1は圧電領域A
rを4分割する場合であり、第1電極101を電極10
1Aと電極101Bに2分割しかつ第2電極102を電
極102Aと電極102Bに2分割して、分割領域Ar
1,Ar2,Ar3,Ar4を得ている。また、図23
(C)に示すように、分割例2はさらに多くの領域に圧
電素子を分割する場合の一例である。この場合、第1電
極101を電極101C、電極101D、電極101E
に3分割しかつ第2電極102を電極102C、電極1
02D、電極102Eに3分割して、分割領域Ar5,
Ar6,Ar7,Ar8,Ar9を得ている。なお、分
割領域の形状は、何れも圧電素子ATの中心すなわち音
響レンズの中心軸に対して対称となるのが望ましい。
【0119】なお、上記図23の例では、第1電極10
1及び第2電極102を互いに90度回転した同一形状
としているが、圧電素子の分割方法によっては同一形状
としなくてもよい。例えば、第1電極101の形状は従
来形状を用い、第2電極102の形状は分割例2として
もよい。また、電極の分割形状は、音響レンズの中心軸
に対して対称であれば、図23に限定されず、任意の形
状でよい。さらに、円形の圧電領域に対して説明した
が、円形に限定されるものではなく、任意の多角形に適
用可能であることは勿論である。
【0120】以下、図23(C)に示した分割例2の電
極形状を用いた場合を説明する。まず、イジエクタの基
本構造は、上記図1または図2と略同様のため、詳細な
説明を省略し、異なる部分について説明する。異なる部
分は、図1の例で説明すると、選択スイッチ112の構
成と、切換スイッチ111と第2電極102の間に選択
スイッチを追加する点である。
【0121】図24には、分割された第1電極101と
第1の選択スイッチ112との関係を示した。第1の選
択スイッチ112は、3つの選択スイッチ112C,1
12D,112Eから構成されている。第1電極101
を構成する電極101Cは選択スイッチ112Cを介し
て接地可能にされ、電極101Dは選択スイッチ112
Dを介して接地可能にされ、電極101Eは選択スイッ
チ112Eを介して接地可能にされる。
【0122】図25は、切換スイッチ111と第2電極
102の間の関係を示した。すなわち分割された第2電
極102から切換スイッチ111までの関係である。切
換スイッチ111と第2電極102の間には、第2の選
択スイッチ113が設けられる。この第2の選択スイッ
チ113は、図24と同様に、3つの選択スイッチ11
3C,113D,113Eから構成されている。第2電
極102を構成する電極102Cは選択スイッチ113
Cを介して切換スイッチ111に接続可能にされ、電極
102Dは選択スイッチ113Dを介して切換スイッチ
111に接続可能にされ、電極102Eは選択スイッチ
113Eを介して切換スイッチ111に接続可能にされ
る。
【0123】図26は、インク液滴の飛翔方向が偏向す
る状態を説明するためのものである。図26(A)に示
すように、第1電極101として、電極101C、電極
101D、電極101Eの各々を作動させかつ第2電極
102として電極102C、電極102Dのみを作動さ
せることにより、分割領域Ar7,Ar8,Ar9から
なる超音波発生領域(図26(A)の斜線部の範囲)を
得ると共に分割領域Ar5,Ar6からなる超音波非発
生領域を得る。この場合、分割された第1電極101
C,101D,101Eは全て第1の選択スイッチ11
2を介して接地され、分割された第2電極102C,1
02D,102Eは第2の選択スイッチ113中で選択
スイッチ113C,113Dを介して駆動回路と接続さ
れる。
【0124】図26(B)に示すように、上記構成で
は、圧電領域Ar5,Ar6に超音波は発生しないた
め、超音波発生領域の中心は圧電素子AT(すなわち音
響レンズ104)の中心から変位δだけずれる。通常、
音響レンズ104の焦点位置は空間的に固定されるの
で、超音波発生領域から放射される超音波のインク室1
05中における音軸は、液面高さをHとすると、音響レ
ンズ104の中心軸から、次の式によって定まる偏向角
θだけ傾くことになる。
【0125】θ=tan-1(δ/H) ただし、θ:偏向角 δ:変位 H:液面高さ 従って、吐出するインクは偏向角θだけ偏向される。こ
の偏向角θだけ偏向させる処理は、本発明の偏向手段の
処理に対応する。この場合の偏向手段の構成は、分割さ
れたた圧電素子そのものである。
【0126】図27には、記録媒体P上に形成される偏
向されたインク液滴の変位を平面的に示した。偏向され
ずにインク液滴が飛翔されると、音響レンズの中心軸に
沿った記録媒体P上の位置(図中、点線の円で示され
る)に形成され、偏向されると、その位置から変位△だ
けずれた位置に形成される。変位△は、インク表面と記
録媒体との距離Gに対して、次の式で表すことができ
る。
【0127】変位△=G×(tanθ) ただし、△:変位、G:インク表面と記録媒体との距
離、θ:偏向角) すなわち、次の式で表すことができる。 変位△=δ×(G/H) ただし、δ:変位、H:液面高さ
【0128】インク表面(インク液面107)と記録媒
体Pとの距離及び液面高さは何れも固定値であるので、
記録媒体P上の変位△は、超音波発生領域の中心の変位
δで制御することができる。例えば、液面高さが500
μmで、インク表面と記録媒体Pとの距離が2mmのと
き、記録媒体P上の変位は超音波発生領域の中心の変位
の4倍に等しい。このとき、記録媒体上の変位を、60
0dpi(ドット/インチ)の半分のピッチ、すなわち
約21μmに設定するためには、超音波発生領域の中心
の変位は5.25μmとなる。従って、この値を満足す
べく電極分割形状および分割電極の選択方法を最適化す
ればよい。また、偏向方向について、図26(A)に示
す形状と同一の超音波発生領域は、互いに90度ずつ回
転した計4通りを選択できるので、対応する4方向の何
れかに偏向できる。
【0129】<駆動データの修正処理(6)>インク液
滴を飛翔させることにより補完する故障処理について説
明する。この故障処理は、上記と略同様のため、同一部
分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。故障処
理モードの処理手順は図13と同様であり、イジエクタ
の配置は図14と同様である。異なる部分は、上記イン
ク液滴を飛翔するための駆動データの修正処理である。
図28には、駆動データを修正する第6の修正処理の流
れを示した。なお、本修正処理は、図18に示す修正処
理と略同様のため、同一部分には同一符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0130】駆動データの修正処理が実行されると、図
28の処理ルーチンが実行される。第6の修正処理は、
インク吐出/不吐出情報に加え、新たに第1の選択スイ
ッチ112及び第2の選択スイッチ113の制御情報を
修正する。図18の処理と同様に、駆動/検出コントロ
ーラ201では、各イジェクタの駆動データと診断デー
タを読み込み(ステップ560、562)、各イジェク
タについて異常イジェクタであるか否かを順次判断する
(ステップ570)。異常イジェクタであるときは(ス
テップ570で肯定)、図17の処理と同様に、駆動デ
ータ及び診断データの論理積を計算して駆動データメモ
リ211に上書きする処理を全イジェクタの処理が終了
するまで繰り返し実行する(ステップ564〜56
8)。
【0131】一方、イジェクタが正常イジェクタである
ときは(ステップ570で否定)、異常イジェクタが隣
接するときに(ステップ572で肯定)、ステップ58
0へ進む。ステップ580では、この正常イジェクタの
偏向可能なインク吐出方向に異常イジェクタが属するか
否かを判断し、否定判断の場合にはこの正常イジェクタ
による補完が不可能であるためにそのままステップ56
8へ進み、肯定判断の場合にはステップ582へ進む。
ステップ582では、正常イジェクタから吐出するイン
クの吐出方向を、隣接した異常イジェクタが記録すべき
位置の方向へ偏向させる偏向方向を決定する。次のステ
ップ584では、正常イジェクタから吐出するインクの
吐出方向を、記録媒体上の異常イジェクタが記録すべき
位置の方向に偏向させるべく第1選沢スイッチおよび第
2の選沢スイッチの制御情報を修正する。
【0132】この第1選沢スイッチおよび第2の選沢ス
イッチの制御情報を修正する処理は、本発明の領域設定
手段の処理に対応する。
【0133】具体例としては、図29に、第1の選択ス
イッチおよび第2の選択スイッチの制御情報と偏向方向
との関係を示した。標準では全ての選択スイッチはON
である。すなわち、偏向方向には、記録媒体P上で変位
しないつまり偏向しない非偏向、記録媒体P上で右方向
へ変位する偏向の方向1、記録媒体P上で上方向へ変位
する偏向の方向2、記録媒体P上で左方向へ変位する偏
向の方向3、記録媒体P上で下方向へ変位する偏向の方
向4がある。
【0134】図29の関係を用いて、図14のプリンタ
ヘッド240において異常イジェクタをイジェクタC4
とすると、隣接イジェクタは、イジェクタB4、C3、
C5、D4、の4個である。ここで、イジエクタC3か
ら吐出するインクのみ、インク液滴の吐出方向を偏向さ
せる場合、イジェクタC3,C4の位置関係から、偏向
方向は図29の方向4と求まる。また、第1の選択スイ
ッチおよび第2の選択スイッチの制御情報は、図29の
方向4にもとづき、第1の選択スイッチ112の右側、
すなわち112EのみをOFFに修正する。
【0135】このように、本第6の修正処理はインク液
滴の飛翔方向を偏向して補完記録をすることを目的とす
るので、プリントヘッドの主走査方向移動単位は標準値
のまま修正する必要はない。
【0136】なお、本駆動データの修正処理は、駆動デ
ータの第2の修正処理と組み合わされるとより一層効果
的である。
【0137】従って、本補完処理によれば、音響インク
ジェット記録装置において、異常イジェクタが発生して
も、正常イジェクタから吐出するインクの吐出方向を異
常イジェクタの方向に偏向することにより、記録媒体上
には欠陥のほとんどない良好な画像を得ることができる
と共に、偏向方向を制御しながら1つのイジェクタから
複数の方向にインクを吐出することにより、インク吐出
口の配列ピッチを上回る解像度で記録することができ
る。
【0138】このように、1つのイジェクタに対し、適
切な電極形状によって圧電素子は複数の領域に分割され
る。該電極の一部が選択されることによって、圧電素子
の少なくともひとつ以上の領域は超音波非発生領域とな
る。このとき、超音波発生領域の中心軸は音響レンズの
中も軸からずれるから、イジェクタから吐出するインク
は偏向される。これによって、記録媒体上に欠陥のほと
んどない良好な画像を得ることができる。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
とくに音響プリンタにおいて、独立スペースを設けるこ
となく、低コストで異常イジェクタを検出することがで
きる、という効果がある。
【0140】また、プリントヘッドに異常イジェクタが
検出されても、これを補完することで記録媒体上には欠
陥のほとんどない良好な画像を得ることができる。
【0141】さらに、異常イジェクタが発生しても、正
常イジェクタから吐出するインクの吐出方向を異常イジ
ェクタの方向に偏向して補完することにより、記録媒体
上には欠陥のほとんどない良好な画像を得ることができ
る。
【0142】さらにまた、偏向方向を制御しながらひと
つのイジェクタから複数の方向にインクを吐出すること
により、インク吐出口の配列ピッチを上回る解像度で記
録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる音響インクジェ
ット記録装置に備えられたプリントヘッドのイジェクタ
を診断するときの超音波発生時の周辺概念図である。
【図2】 本発明の実施の形態にかかる音響インクジェ
ット記録装置に備えられたプリントヘッドのイジェクタ
を診断するときの反射波検出時の周辺概念図である。
【図3】 本発明の実施の形態にかかる音響インクジェ
ット記録装置の主要なシステム構成である。
【図4】 音響インクジェット記録装置の駆動回路の構
成を示すブロック図である。
【図5】 イジェクタヘの投入エネルギーとバースト波
長さとの関係を示す線図である。
【図6】 イジェクタの診断処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図7】 選択されたイジェクタ診断時におけるタイミ
ング波形を示す線図である。
【図8】 プリントヘッドの診断処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図9】 プリントヘッドの診断処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図10】 プリントヘッドの簡易診断処理の流れを示
すフローチャートである。
【図11】 プリントヘッドの簡易診断処理の流れを示
すフローチャートである。
【図12】 イジェクタの状態に応じてプリントヘッド
の記録モードを選択する処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図13】 故障処理モードにおける処理の流れを示す
フローチャートである。
【図14】 イジェクタの2次元配置の一例を示す線図
である。
【図15】 プリントヘッドと記録媒体との関係を説明
するための説明図である。
【図16】 診断データの前処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図17】 駆動データに対する第1の修正処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図18】 駆動データに対する第2の修正処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図19】 RF周波数Fとインク吐出量との関係を示
す線図である。
【図20】 駆動データに対する第3の修正処理によ
り、画像形成としてベタ記録する際の記録媒体上の画像
形成過程を示すイメージ図である。
【図21】 駆動データに対する第4の修正処理におい
て、論理的なプリントヘッドを選定可能なことを説明す
るための説明図である。
【図22】 駆動データに対する第5の修正処理におい
て、代替イジェクタの選定可能なことを説明するための
説明図である。
【図23】 圧電素子を分割構成するための第1電極及
び第2電極の分割の位置れいを示す線図である。
【図24】 分割された第1電極と第1の選択スイッチ
との関係を示すブロック図である。
【図25】 分割された第2電極と第2の選択スイッチ
との関係を示すブロック図である。
【図26】 インク吐出方向の偏向原理を説明するため
の説明図である。
【図27】 偏向されたインク液滴の記録媒体上の変位
を説明するためのイメージ図である。
【図28】 駆動データに対する第6の修正処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図29】 第1の選択スイッチおよび第2の選択スイ
ッチの制御情報と偏向方向との関係を示すイメージ図で
ある。
【符号の説明】
10 イジェクタ 100 圧電体 101 第1電極 102 第2電極 103 基板 104 音響レンズ 105 インク室 106 液面制御板 107 インク液面 111 切換スイッチ 112 選択スイッチ 311 パルス 312 RF信号 313 バースト波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 直己 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 2C056 EA20 EB07 EB29 EC26 EC80 FA01 2C057 AF61 AG21 AG44 AG62 AL03 AL40 AR09 BA15 2C061 AQ05 KK13 KK24 KK28 KK35

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を含み該圧電素子により発生す
    る超音波で、貯留されたインクを吐出するイジェクタを
    複数備えたプリントヘッドを、記録媒体に対して相対的
    に移動して、前記記録媒体上に画像を形成する音響プリ
    ンタにおいて、 前記イジェクタの異常を診断するための超音波が放射さ
    れるように、前記圧電素子を駆動する駆動手段と、 前記圧電素子により前記放射された超音波について前記
    貯留されたインクと外部との境界面による反射波を検出
    する検出手段と、 前記反射波に基づいて前記イジェクタを診断する診断手
    段と、 を備えたことを特徴とする音響プリンタ。
  2. 【請求項2】 前記圧電素子の作動に対して前記駆動手
    段と前記検出手段とを切り換える切換手段をさらに備
    え、前記診断手段は、前記超音波に対応する反射波が非
    検出のイジェクタを、異常イジェクタと診断することを
    特徴とする請求項1に記載の音響プリンタ。
  3. 【請求項3】 異常イジェクタが検出されたとき、前記
    プリントヘッドの故障を報知する報知手段をさらに備え
    たことを特徴とする請求項2に記載の音響プリンタ。
  4. 【請求項4】 前記異常イジェクタを検出したとき、前
    記プリントヘッドをメンテナンスする処理手段をさらに
    備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の音響
    プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記診断手段の診断結果を記憶するため
    の記憶手段をさらに備え、前記診断手段は診断結果を前
    記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4の何れか1項に記載の音響プリンタ。
  6. 【請求項6】 前記記憶した診断結果に基づいて画像形
    成時の記録モードを最後の診断結果に異常イジェクタが
    含まれるときに前記異常イジェクタを含んで画像形成す
    る故障時記録モードに設定すると共にそれ以外のときに
    前記全てのイジェクタにより画像形成する通常モードに
    設定する設定手段を含み、前記設定手段の設定結果に基
    づいて前記記録媒体上に画像を形成する形成手段を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の音響プリンタ。
  7. 【請求項7】 前記診断手段は、直前の診断結果が異常
    イジェクタであるイジェクタをそのまま異常イジェクタ
    と診断することを特徴とする請求項5または6に記載の
    音響プリンタ。
  8. 【請求項8】 前記記憶した診断結果に基づいて、画像
    形成のために各イジェクタを駆動する駆動データを、前
    記異常イジェクタ以外のイジェクタのみ駆動するように
    変換する変換手段を含むことを特徴とする請求項5乃至
    請求項7の何れか1項に記載の音響プリンタ。
  9. 【請求項9】 前記形成手段は、前記故障時記録モード
    時に、異常イジェクタに隣接した異常イジェクタ以外の
    少なくとも1つの正常イジェクタに対して前記超音波の
    周波数を調整してインク吐出量を調整する調整手段を含
    むことを特徴とする請求項6に記載の音響プリンタ。
  10. 【請求項10】 前記イジェクタは複数の領域に分割さ
    れかつ各々独立して超音波を発生可能な圧電素子を含
    み、前記形成手段は、前記故障時記録モード時に、異常
    イジェクタに隣接した異常イジェクタ以外の少なくとも
    1つの正常イジェクタの圧電素子について前記複数領域
    に分割された少なくとも1つの領域にのみ超音波を発生
    させる領域設定手段を備え、正常イジェクタから吐出す
    るインクの吐出方向を、異常イジェクタが記録すべき位
    置の方向に偏向させる偏向手段を含むことを特徴とする
    請求項6に記載の音響プリンタ。
  11. 【請求項11】 記録媒体に対して相対的に移動して画
    素を形成するための少なくとも複数のイジェクタが2次
    元配置されたプリントヘッドを備えたプリンタにおい
    て、 前記イジェクタが正常であるか異常であるかを判定する
    判定手段と、 判定結果に異常イジェクタが含まれるとき、前記プリン
    トヘッドの相対移動方向の延長線上に存在する複数個の
    正常イジェクタに画素形成を分散させて複数回重畳させ
    ることにより前記異常イジェクタが形成すべき記録媒体
    上の1画素を形成させて前記記録媒体上に画像を記録す
    る記録手段と、 を備えたことを特徴とするプリンタ。
  12. 【請求項12】 記録媒体に対して相対的に移動して画
    素を形成するための少なくとも複数のイジェクタが2次
    元配置されたプリントヘッドを備えたプリンタにおい
    て、 前記イジェクタが正常であるか異常であるかを判定する
    判定手段と、 判定結果に異常イジェクタが含まれるとき、正常イジェ
    クタのみで構成した最大領域を論理的プリントヘッドと
    して定め、定めた論理的プリントヘッドで画像を記録す
    る記録手段と、 を備えたことを特徴とするプリンタ。
  13. 【請求項13】 記録媒体に対して相対的に移動して画
    素を形成するための少なくとも複数のイジェクタが2次
    元配置されたプリントヘッドを備えたプリンタにおい
    て、 前記イジェクタが正常であるか異常であるかを判定する
    判定手段と、 判定結果に異常イジェクタが含まれるとき、プリントヘ
    ッドの移動方向の延長線上に存在する少なくとも1つの
    正常イジェクタを代替イジェクタに設定し、かつ異常イ
    ジェクタが記録すべき位置に代替イジェクタが到達する
    とき、他のイジェクタの駆動を禁止させて画像を記録す
    る記録手段と、 を備えたことを特徴とするプリンタ。
  14. 【請求項14】 圧電素子を含み該圧電素子により発生
    する超音波を音響レンズで収束させ貯留されたインクを
    吐出するイジェクタを備えた音響プリンタ用のプリント
    ヘッドにおいて、前記イジェクタを、複数の領域に分割
    されかつ各々独立して超音波を発生可能な圧電素子を含
    んで構成したことを特徴とする音響プリンタ用のプリン
    トヘッド。
  15. 【請求項15】 前記圧電素子は、少なくとも第1電極
    及び第2電極を含んで構成し、前記第1電極及び第2電
    極の少なくとも一方の電極形状を分割したことを特徴と
    する請求項15に記載の音響プリンタ用のプリントヘッ
    ド。
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