JPH11988A - 記録装置及び記録制御方法 - Google Patents

記録装置及び記録制御方法

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JPH11988A
JPH11988A JP15551297A JP15551297A JPH11988A JP H11988 A JPH11988 A JP H11988A JP 15551297 A JP15551297 A JP 15551297A JP 15551297 A JP15551297 A JP 15551297A JP H11988 A JPH11988 A JP H11988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドの記録素子に異常が生じた場合で
も、簡単な制御により高品位な画像を記録することがで
きる記録制御方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 例えば、8個のノズルを有した記録ヘッ
ドを用いて記録媒体に記録を行う際、第1、3、6、8
ノズルを通常の記録動作に用いるノズルとして選択し、
第2、4、5、7ノズルを通常の記録動作には用いない
冗長のノズルとして選択設定し、入力された同一の記録
データを、実際の記録動作に用いるノズルと冗長のノズ
ルとに割当てるが、一方で、これらのノズルが正常に記
録動作をするかどうかを検査し、例えば、第8ノズルが
動作不良である場合には、4ノズル分の記録幅に相当す
る長さという記録用紙の搬送量は変化しないように、第
4ノズルが記録動作に用いるノズルとして選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録装置及び記録制
御方法に関し、特に、インク等の液体を吐出する記録ヘ
ッドを用い、例えば、紙や布、不繊布、OHP用シート
等の記録媒体に対して所定の記録を行う記録装置及び記
録制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット方式に従っ
て、記録媒体にインク滴を吐出することにより画像を形
成する記録装置や、例えばアルコールなどを溶媒とした
特殊なインクを吐出してガラス基板上に所定のパターン
を描画するなどのカラーフィルタ製造装置がある。イン
クジェット方式に従う記録装置(以下、記録装置とい
う)は、記録媒体上にインク滴を吐出して画像を形成す
るので、電子写真方式に従う画像形成等とは異なり、画
像が形成されるまでの中間的なプロセスが少ないので、
意図した画像が容易にかつ安定して得られるという特徴
を持つ。
【0003】一般に液体のインクを吐出する記録ヘッド
は極めて繊細な構成であるため、インクの溶質である染
料や顔料が記録ヘッドのインク吐出口などに固着した
り、或は、塵などの異物がそのインク吐出口に付着して
吐出不良が生じ、その結果、記録装置に記録不良が生じ
てしまうことがあった。さて、最近の記録装置には高品
位、高解像度の記録が望まれているので、より繊細なノ
ズルを多数、高密度に備えた記録ヘッドを用いて画像の
記録を行っている。一方、このような記録ヘッドを用い
るため、上述のような問題が発生しやすく、記録画像の
品質が低下する原因となっていた。従って、このような
問題の発生を防止するために、適当な間隔で吸引器や加
圧器等を用いて記録ヘッドのインク吐出ノズルからイン
クを強制的に排出したり、ブレードを用いてインク吐出
口の周辺に固着したインクの固形物を除去したり、或
は、インク吐出口の周辺に対して気体あるいは液体を吐
出してその周辺を清掃したりしている。
【0004】また、記録画像の劣化の原因には他にも、
インクの吐出方向が不安定となり記録媒体上におけるイ
ンク滴の付着位置が微妙に異なることや、例えば、温度
変化や経年変化によって粘性が増したインクがインク吐
出ノズル内で詰ってしまいインク滴が吐出されないこと
や、或は、記録ヘッドに実装されたインクを加熱するた
めのヒータへの電気配線が断線すること等がある。
【0005】このような原因により、記録ヘッドの特定
のインク吐出口からインク滴が吐出されないまま記録動
作が行なわれると、例えば、記録ヘッドを往復走査しな
がら記録を行うシリアルプリンタでは、その記録ヘッド
の走査方向に沿って記録が行われないラインが発生し、
記録画像中にこれは白スジとして現れ、記録画像の品質
を大きく劣化させていた。
【0006】特に、この様な問題は、記録速度の高速化
を図ろうして記録ヘッドのインク吐出口の数を数百、数
千と増やすに比例して、吐出不良が発生するインク吐出
ノズルの数も増加するので、インク吐出口の数が多い記
録ヘッドを用いた場合に大きくなる。
【0007】また、記録ヘッド製造の観点から検討する
と、上述のようにインク吐出ノズル数を増やした場合、
製造された記録ヘッド中にインク吐出不良を起こす欠陥
のあるインク吐出ノズルが発生する確率もインク吐出ノ
ズル数に比例して増加するため、従来のようにインク吐
出ノズルすべてが正常に動作する記録ヘッド(無欠陥の
記録ヘッド)の製造を要求すると、製造歩留りが低下し
てしまい製造コストが上昇し、それが商品価格に反映さ
れ、市場価格を低下させることができない原因にもなっ
た。
【0008】さらに、たとえ無欠陥の記録ヘッドが出荷
され記録に用いられることになっても、これが記録に使
用されていく中で、1本のインク吐出ノズルに故障が発
生すると、品質の悪い画像を記録することになる。従っ
て、そのような故障が発生すると記録装置の記録動作を
停止させ、故障した記録ヘッドを交換しなければならな
った。これは、記録装置の稼動率の低下のみならず、記
録ヘッドの交換という運用コストの増大という問題の原
因ともなった。
【0009】また、インクジェット方式に従う記録ヘッ
ドや記録装置以外の、例えば、熱転写記録方式や感熱方
式など他の方式に従う記録ヘッドや記録装置の場合で
も、記録ヘッドの記録素子に欠陥があったり損傷が発生
して記録不能となると、記録画像を構成するドットの一
部が記録されないので、やはり記録動作を停止させて、
記録ヘッドを交換するなどの同様の問題が生じていた。
【0010】このような問題を解決するために、例え
ば、特開平8−27500号によれば、記録ヘッドの往
復運動の往路と復路の両方で記録を行うことが可能な記
録装置では、吐出不良ノズルを記録動作に先立ち検出
し、記録ヘッドの往路移動における記録動作(往路記
録)おいて、そのノズルに対応するデータをあらかじめ
除去して記録動作を行って白すじを意図的に発生させる
一方、記録ヘッドの復路移動における記録動作(復路記
録)に先立ち発生させた白すじの位置と吐出不良ノズル
による記録位置とが重ならないように記録媒体を若干量
だけ搬送して、正常なノズルに先程の記録ヘッドの往路
移動において除去したデータを逆順に入力して、記録ヘ
ッドの復路移動時に白すじ部を補完するように記録して
いる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、往路記録で駆動されるインク吐出ノズルの数と
復路記録で駆動されるインク吐出ノズルの数の差が大き
く、これがインク吐出ノズルに内蔵されたヒータからの
総発熱量の差となってあらわれ、往路記録と復路記録と
では記録ヘッドに温度差が生じ、記録濃度に影響が出る
という問題があった。
【0011】また、記録媒体の搬送量が往路記録の開始
時と復路記録の開始時とでは必ずしも一致しないため、
往路記録で意図的に発生させた白すじの部分を復路記録
で正しく補完記録を行うための記録媒体の搬送制御が難
しくなるという問題もあった。さらに、その搬送量が長
い方で記録動作待ちの休止時間が入るため、トータルな
記録速度を低下させることにもなった。
【0012】さらにまた、吐出不良ノズルが増えた場
合、どのノズルを用いて補間記録を行ない、その時の記
録媒体の搬送量をどう変更するのかという制御や、使用
中の記録ヘッドが交換時期にきているか否かの判断も難
しかった。
【0013】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、記録ヘッドの記録素子に異常が生じた場合でも、簡
単な制御により高品位な画像を記録することができる記
録制御方法及びその装置を提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の記録制御方法は、以下のような工程からな
る。
【0015】即ち、一列に配列されたn個の記録素子を
有した記録ヘッドを用いた記録媒体への記録における記
録制御方法であって、前記n個の記録素子が正常に記録
動作をするかどうかを検査する検査工程と、(n/m)
個の記録素子を通常の記録動作に用いる第1の記録素子
として選択し、{n(m−1)/m}個の記録素子を通
常の記録動作には用いない第2の記録素子として選択設
定する設定工程と、記録データを外部から入力する入力
工程と、前記入力工程において入力された同一の記録デ
ータを、前記実際の記録動作に用いる第1の記録素子と
前記第2の記録素子とに割当てるデータ割当て工程と、
前記検査工程における検査結果に基づき、前記設定工程
において選択設定された通常の記録動作に用いる第1の
記録素子が動作不良であると判別された場合には、前記
データ割当て工程において同一の記録データが割当てら
れている前記第2の記録素子を記録動作に用いる代替素
子として選択する変更工程と、前記記録ヘッドを往復走
査する走査工程と、前記記録ヘッドの走査方向に垂直に
前記記録媒体を搬送する搬送工程とを有し、前記設定工
程では、前記第2の記録素子が記録動作に用いる代替素
子として選択されても前記搬送工程における前記記録媒
体の搬送量が変化しないように前記選択設定を行うこと
を特徴とする記録制御方法を備える。
【0016】また他の発明によれば、一列に配列された
n個の記録素子を有した記録ヘッドを用いて記録媒体に
記録を行う記録装置であって、記録データを外部から入
力する入力手段と、前記記録ヘッドを往復走査する走査
手段と、前記記録ヘッドの走査方向に垂直に前記記録媒
体を搬送する搬送手段と、前記n個の記録素子が正常に
記録動作をするかどうかを検査する検査手段と、(n/
m)個の記録素子を通常の記録動作に用いる第1の記録
素子として選択し、{n(m−1)/m}個の記録素子
を通常の記録動作には用いない第2の記録素子として選
択設定する設定手段と、前記入力手段によって入力され
た同一の記録データを、前記実際の記録動作に用いる第
1の記録素子と前記第2の記録素子とに割当てるデータ
割当て手段と、前記検査手段による検査結果に基づき、
前記設定手段によって選択設定された通常の記録動作に
用いる第1の記録素子が動作不良であると判別された場
合には、前記データ割当て手段によって同一の記録デー
タが割当てられている前記第2の記録素子を記録動作に
用いる代替素子として選択する変更手段とを有し、前記
設定手段は、前記第2の記録素子が記録動作に用いる代
替素子として選択されても前記搬送手段による前記記録
媒体の搬送量が変化しないように前記選択設定を行うこ
とを特徴とする記録装置を備える。
【0017】以上の構成により本発明は、一列に配列さ
れたn個の記録素子を有した記録ヘッドを用いて記録媒
体に記録を行う際、(n/m)個の記録素子を通常の記
録動作に用いる第1の記録素子として選択し、{n(m
−1)/m}個の記録素子を通常の記録動作には用いな
い第2の記録素子として選択設定し、入力された同一の
記録データを、実際の記録動作に用いる第1の記録素子
と第2の記録素子とに割当てるが、一方で、n個の記録
素子が正常に記録動作をするかどうかを検査し、その検
査結果に基づき、選択設定された通常の記録動作に用い
る第1の記録素子が動作不良であると判別された場合に
は、第2の記録素子が記録動作に用いる代替素子として
選択されても搬送手段による記録媒体の搬送量が変化し
ないように、同一の記録データが割当てられている第2
の記録素子を記録動作に用いる代替素子として選択す
る。
【0018】ここで、記録ヘッドの往路走査と復路走査
の両方向において、その記録ヘッドを駆動して記録を行
うよう制御しても良く、その際、往路走査の記録と復路
走査の記録において駆動される記録素子の数が同じとな
るように制御することが好ましい。
【0019】また、同一のデータは(n/m)個の第1
の記録素子毎に繰り返してm個の記録素子に割当て、さ
らに、走査手段による走査により記録ヘッドの1走査に
よる記録動作が終了する度ごとに、前回割当てた記録デ
ータを(n/m)個分だけ割当てた記録要素をシフトさ
せて、記録データの再割当てを行うように制御する。
【0020】上記の搬送手段は、記録動作中には常に、
(n/m)個の第1の記録素子の記録幅に相当する長さ
分だけ記録媒体を搬送する。
【0021】なお、記録ヘッドは、インクを吐出して記
録を行うインクジェット記録ヘッドでも良いし、さら
に、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッ
ドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するた
めの熱エネルギー変換体を備えていても良い。
【0022】さて、上記の検査手段には、ビーム光を発
光する発光手段と、発光手段からのビーム光を受光する
受光手段と、そのビーム光の光軸を遮るように記録ヘッ
ドの記録要素から順次インクを試験的に吐出するよう制
御する試験吐出制御手段と、受光手段によって受光する
ビーム光の強度に基づいて、記録ヘッドの記録要素が正
常に動作しているかどうかを判別する判別手段とを含む
ことが望ましく、さらに、その光軸がn個の記録要素の
配列方向に斜交するように、発光手段の発光部と受光手
段の受光面とが設けられることが好ましい。
【0023】さらに、記録媒体の同じ位置にm回づつ通
常の記録動作に用いる第1の記録素子と第2の記録素子
とを用いて記録を行うよう制御しても良い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
好適な実施形態について詳細に説明する。
【0025】図1は本発明の代表的な実施形態であるイ
ンクジェット方式に従ってカラー記録を行うプリンタ装
置の構成を示す図である。このプリンタ装置はキャリッ
ジに搭載した記録ヘッドを往復走査することによって記
録を行うことができ、特に、キャリッジの往路走査時に
も復路走査時にも記録ヘッドからインクを吐出して記録
を行うことができる。
【0026】図1に示されるように、キャリッジ1はシ
アン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック
(K)のインクを夫々、記録媒体6に吐出して記録を行
う記録ヘッド2a、2b、2c、2dを搭載しており、
ガイドシャフト3はキャリッジ1を移動可能に案内支持
している。また、エンドレスベルト4は、その一部がキ
ャリッジ1に接続されている。なお、以降の説明で記録
ヘッド全体対して、或は、記録ヘッド2a、2b、2
c、2dの区別なく言及するときは記録ヘッド2として
言及する。
【0027】キャリッジ1は、モータドライバ23によ
って駆動されるパルスモータである駆動モータ5により
エンドレスベルト4を介してガイドシャフト3上を紙、
OHPフィルム、布等の記録媒体(以下、プリント用紙
と言う)6の記録面Pに沿って矢印D、E方向に往復移
動するように制御される。キャリッジ1の矢印D方向か
ら矢印E方向への移動方向の切り換えは、キャリッジセ
ンサ101がキャリッジ1の位置を検知したタイミング
で行う。一方、プリント用紙6は、搬送モータ9によっ
て駆動される搬送ローラ7、案内ローラ8A、8Bによ
って矢印F方向に搬送される。
【0028】また、記録ヘッド2a、2b、2c、2d
夫々には、プリント用紙6に向けてインク滴を吐出させ
る液路10が設けられており、液路10に対して、記録
ヘッド2a、2b、2c、2d夫々に対応したインクタ
ンク11a、11b、11c、11dからチューブ12
a、12b、12c、12dを介してインクが供給され
る。液路10内部に設けられ、インクを吐出するために
利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体(不図
示)に対しては、記録ヘッド2a、2b、2c、2d夫
々に対応したヘッドドライバ24a、24b、24c、
24dよりフレキシブルケーブル13A、13B、13
C、13Dを介してインク吐出信号が選択的に供給され
る。なお、以降の説明でインクタンク全体対して、或
は、インクタンク11a、11b、11c、11dの区
別なく言及するときはインクタンク11として言及す
る。
【0029】さらに、記録ヘッド2a、2b、2c、2
dには夫々、ヘッドヒータ14a、14b、14c、1
4d(図1には14b、14c、14dは図示されてい
ない)と温度検知センサ15a、15b、15c、15
d(図1には15b、15c、15dは図示されていな
い)が設けられている。温度検知センサ15a、15
b、15c、15dからの検知信号は、CPUを内蔵し
た制御回路16に入力される。制御回路16は、この信
号に基づいて、ドライバ17および電源部18を介し
て、ヘッドヒータ14a、14b、14c、14dを用
いた加熱を制御する。
【0030】ヘッドキャップ20は、記録動作を行なわ
ない時には、記録ヘッド2a、2b、2c、2dのイン
ク吐出口面に当接される。即ち、記録動作が行なわれな
い時には、記録ヘッド2a、2b、2c、2dが、ヘッ
ドキャップ20と対向する位置へ移動する。この時、ヘ
ッドキャップ20はキャップドライバ25によって記録
ヘッドの方向に移動され、ヘッドキャップ20前面に設
けられた弾性部材44をインク吐出口面に圧接させて、
そのインク吐出口面をキャッピングする。また、弾性部
材44の前面にはインクを保持するプラスチック焼結体
45等を備えている。このようなキャッピングは次のよ
うな理由のために行なわれる。即ち、記録ヘッドを空気
中に長時間報知するとノズル内にあるインクの揮発成分
が蒸発して、インクの粘性が増し、インク吐出が正常に
おこわなわれにくくなる。このような状態を防ぐため、
記録ヘッドが記録動作を行なわない時には、記録ヘッド
のノズルと外気とを遮断して密閉(キャッピング)し
て、インクの揮発成分の蒸発を防ぐのである。なお、ヘ
ッドキャップ20の内部にはインクで湿潤状態に保たれ
た吸液材が備えられており、ヘッドキャップ20の内部
を高湿度に維持してインクの粘性の増加を最小限に抑え
ている。従って、ヘッドキャップ20の内部を高湿度に
維持するため、その内部に水分を送り込む水吐出用電磁
弁61がヘッドキャップ20には備えられている。
【0031】また、記録ヘッドをキャッピング状態にし
て長期間放置した場合には、インクを加圧するという回
復動作を実行する。なぜなら、長時間放置の場合には、
たとえ記録ヘッドのインク吐出口面をキャッピングして
いてもノズル内のインクは緩慢ではあるがその揮発成分
が蒸発して粘性が増加するからである。さらに別の理由
して、ノズル内部に気泡が残留して安定したインク吐出
を妨げることもあることがある。このため、記録ヘッド
を長時間放置した後の記録動作開始時には、インクタン
クに設けられたポンプを駆動してインク内圧を高め、ノ
ズル内部になる粘性の高いインクや残留気泡をインク吐
出口の外に排出する。このような回復動作により、吐出
口面にゴミや羽毛が付着したり、ノズル内にゴミ等が侵
入していても、それらを洗い流して安定したインク吐出
を保つ効果もある。或は、エアーポンプドライバ62に
よってヘッドキャップ20内を吸引し、キャッピングさ
れた記録ヘッドから強制的にインクを吸い出すこともあ
る。
【0032】インク受け部31はヘッドキャップ20と
プリント開始位置との間に配置され、記録ヘッド2a、
2b、2c、2dが予備吐出動作によって吐出したイン
クを受ける容器を備えている。インク受け部31は、記
録ヘッド2a、2b、2c、2dと対面した位置に設け
られ、予備吐出されたインクを吸収するスポンジ状多孔
質部材32等を備えている。
【0033】なお、予備吐出は実際のプリントを目的と
しないで行なわれ、インクを吐出したりノズル内の残留
気泡を排出するので、この動作によってインク吐出ノズ
ル内に備えられた電気熱変換体が加熱され、記録ヘッド
内で局所的に温度が低下した領域の温度補償や、ノズル
内の残留物の排除がなされる。また、予備吐出には温度
補償や残留物排除といった目的の他にも、実際の記録動
作開始前に所定の駆動パルスを与え、全インク吐出口か
らヘッドキャップ等に向かってインク吐出を行わせるこ
と(エージング動作)も含まれる。このエージング動作
は、インク吐出口の周辺の湿潤状態を高めるために、ヘ
ッドキャップ20が記録ヘッドのインク吐出口面をキャ
ップしたまま行うこともある。
【0034】さて、クリーナ50には吸引ポンプドライ
バ52が連結され、また洗浄液噴出口53には洗浄用電
磁弁51が連結され、それぞれ制御回路16による制御
の下に洗浄液噴出口53から洗浄液を噴出したり、クリ
ーナ50からその洗浄液を吸引したりする。
【0035】また、実際の記録データはホスト(不図
示)からホストインタフェース1000を介して制御回
路16に転送される。このプリント装置の動作状態は入
力・表示部100に備えられた例えば、LCDなどに表
示され、利用者は入力・表示部100に備えられた例え
ば、種々のキーを用いてプリンタ装置に指示入力でき
る。
【0036】図2は記録ヘッド2の構成を示す図であ
る。
【0037】図2において、22は記録ヘッドのインク
吐出面、101Bは複数のインク流路を鉛直方向に並列
に配置し、その内部に電気熱変換体を備えたノズル部、
101Cは各流路に共通にインクを供給するインク液室
である。インク液室101Cは、インク供給管103お
よび104を介してインクタンク11を接続している。
そして、インク供給管104にはギアポンプ105を設
けている。ギアポンプ105は、供給路中やノズル部1
01B等に混入した気泡や塵埃の除去処理、粘性の増し
たインクの除去処理等の回復処理に際して、記録ヘッド
2へのインク流路やインク液室にインクを圧送し、イン
ク吐出口よりインクを排出させる処理を行うために、あ
るいは、インク供給管103、104、インク液室10
1Cでインクを循環させてインクをリフレッシュする処
理(以下、加圧循環処理という)を行うために用いられ
る。
【0038】図3および図4はクリーナ50の構成を示
す断面図である。
【0039】ここに、図3はクリーナ50を記録ヘッド
2の主走査方向(矢印D、Eの方向)に垂直な面を破断
面とする断面図であり、図4は主走査方向(矢印D、E
の方向)に平行な面を破断面とし、特に、記録ヘッド2
を上方から見た断面図である。
【0040】図3〜図4において、70は記録ヘッド2
のインク吐出面22を払拭する清掃部材であり、可撓性
を持つ多孔質体で構成される。その清掃部材の材質とし
ては、高分子多孔質体が使用可能であり、高分子多孔質
体を用いる場合、高分子発泡体のように、インクミスト
の吸収による体積変化が顕著なものではなく、インクを
吸収しても体積の変化しない種類のものが好ましく、例
えば、発泡ホルマール樹脂タイプのものを好適なものと
して挙げることができる。
【0041】また、インク吸収体として作用する清掃部
材70として、熱焼結タイプの高分子多孔質体も利用す
ることができ、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、高分子量ポリエチレン、複合ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート、ポ
リスチレン、アクリロニトリル系共重合体、エチレン酢
酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱
焼結体を挙げることができ、中でもインクミストの吸収
性および耐インク性から、低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン
を用いたものが好ましい。
【0042】また、清掃部材70はホルダ71によって
固定板72との間に取付ネジ73を用いて挟持されて固
定される。ホルダ71には清掃部材70と当接する面7
1Aに開口71Bが設けてあり、導通路71Cを介し吸
引チューブ74と接続しており、清掃部材70に含浸さ
れる洗浄液やインクを吸引ポンプ82により矢印A方向
へ排出する構成としている。吸引ポンプ82は、多孔質
部材や繊維状部材を清掃部材70に連接し、廃液路を形
成し、清掃部材70より洗浄液を排出するような構成で
もよい。
【0043】この洗浄液の吸引による洗浄後、清掃部材
70に残る洗浄液の量を適度に減少させることでインク
や異物等の吸引能力を回復させ、記録ヘッド2のインク
吐出面22の清掃効果を高めることが可能である。ま
た、清掃部材70の先端部70Aは記録ヘッド2の吐出
面22と長さ“L”だけオーバラップしているので、記
録ヘッド2の走査時に、このオーバラップ分で記録ヘッ
ド2のインク吐出面22を払拭できる。
【0044】一方、洗浄液供給ノズル75は、電磁弁7
9の開閉により洗浄液供給タンク80から洗浄液供給チ
ューブ76を介して矢印B方向に供給された洗浄液81
を、洗浄液供給ノズル75の吐出部75Aから下方に向
かって清掃部材70の方向に噴射し、記録ヘッド2のイ
ンク吐出面22を洗浄する。
【0045】洗浄液供給ノズル75から洗浄液が供給さ
れると、清掃部材70に吸引されずに滴下した洗浄液や
清掃部材70に付着していたインクや異物等は洗浄水と
共に落下し、清掃部材70の下方に配置された受け皿7
7に収容される。そして、受け皿77に受けた洗浄液は
排出チューブ78を介して矢印C方向に排出され排出部
(不図示)に至る。
【0046】図5は、ヘッドキャップ20とインク受け
部31とクリーナ50との取り付け位置をその上面より
見た図である。
【0047】図5において、22a、22b、22c、
及び、22dは、記録ヘッド2a、2b、2c、及び、
2dにそれぞれ対応したインク吐出面である。
【0048】記録ヘッドの走査方向(矢印DとE)に沿
って設けられたプリント開始位置検知センサ34とキャ
ッピング位置検知センサ36は夫々、記録ヘッド2a、
2b、2c、2d各々が記録開始位置(P0)にあるこ
と、所定のキャッピング位置にあることを検知する。ま
た、予備吐出位置検知センサ35は、記録ヘッド2a、
2b、2c、2dが走査方向に移動しながら行う予備吐
出動作の基準位置を検知する。
【0049】なお、図5において、P1は記録終了位置
であり、PLが記録ヘッドの走査方向の最大記録長であ
る。
【0050】図6はインク受け部31とクリーナ50と
の間に設けられた吐出不良ノズルを検出するための検出
回路の構成を示す拡大斜視図である。なお、ここでは説
明を簡単にするために記録ヘッド2aにのみ注目して説
明する。記録ヘッド2b〜2dについても同様にして吐
出不良ノズルが検出される。図6において、Pはプリン
ト用紙6に記録された領域を、P′はこれから記録がな
される領域を示している。
【0051】図6に示すように、キャリッジ1の移動方
向(矢印D、E)に平行にリニアエンコーダ41が設け
られ、一方、記録ヘッド2aを搭載するキャリッジ1に
はリニアエンコーダ41の目盛りを読み取るセンサ40
が設けられている。センサ40とリニアエンコーダ41
とによってキャリッジ1の位置を正確に検出することが
できる。
【0052】また、インク受け部31とクリーナ50と
の間には、キャリッジ1の移動方向(矢印D、E)に光
軸99が斜交するようにLEDを備えた発光素子42が
設けられ、また、記録ヘッド2aの記録幅より少し長い
距離を隔てて発光素子42に対向するようにフォトトラ
ンジスタを備えた受光素子43が設けられている。さら
に、記録ヘッド2aのインク吐出面22aに対向するよ
うに、かつ、光軸99を遮らないようにインク吐出面2
2aから少しの距離を隔ててインク受け部材92が設け
られている。発光素子42からは一定の強度でビーム光
(或は赤外光)91aが光軸99に沿って受光素子43
の受光面に対して射出される。
【0053】さて、制御回路16に備えられたCPU
は、記録動作に先立ち、或は、その後に、或は、所定の
時間間隔で記録ヘッド2aが有する全てのノズル部10
1Bに関し試験的にインク吐出を行なわせ、吐出不良が
発生していないかどうかを調べる処理を実行する。
【0054】即ち、記録ヘッド2aを光軸99付近に移
動させ、記録ヘッド2aから吐出されるインク液滴90
が光軸99を横切るように記録ヘッド2aを駆動する。
このとき、CPUは、記録ヘッド2aは矢印D或はE方
向に速度vでゆっくりと移動するよう、かつ、記録ヘッ
ド2aに備えられたノズル1つ1つから順次、一定時間
間隔(T)でインク液滴が吐出するように制御する。そ
して、発光素子からはビーム光91aを照射させるとと
もに、受光素子43はインク液滴90によって減衰した
ビーム光91bを受光する。
【0055】図7は、速度vで移動する記録ヘッド2a
からインク液滴を吐出してビーム光91aを遮る様子を
示す図である。
【0056】図7において、θは光軸99と記録ヘッド
2aのノズル配列方向との間の角度である。ここで、ノ
ズル間隔をd(mm)、隣接ノズル間のインク吐出間隔
をT(ms)、記録ヘッド2aの移動速度をv(mm/
ms)とすると、以下のような関係式が成り立つ。
【0057】v・T=d・tanθ 以上のような構成において、記録ヘッド2aの全てのノ
ズルについて吐出不良を調べるとき、正常に動作するノ
ズルからはインク液滴が吐出されるので、そのインク液
滴がビーム光91aを遮断する。従って、受光素子43
で受光するビーム光91bの強度は、ビーム光91aと
比較してかなり減衰する。これに対して、吐出不良とな
ったノズルからはインク液滴が吐出されないか、或は、
非常に小さな液滴しか吐出されないので、受光素子43
で受光するビーム光91bの強度は、ビーム光91aと
はそれほど変化しない。
【0058】従って、受光素子43で受光されるビーム
光91bを変換して得られる電気信号の振幅をモニタし
ていれば、各ノズルが吐出不良であるかどうかを知るこ
とができる。
【0059】図8は、受光素子43で得られる電気信号
の信号処理回路の構成を示すブロック図である。この信
号処理回路から出力される信号(DFDATA)が吐出
不良検出信号としてCPUに送られる。
【0060】まず、受光素子43のフォトトランジスタ
から出力される電気信号(DF)は、不要なノイズ成分
を含んだ信号であるので、バンドパスフィルタ(BP
F)93によってノイズ成分を除去し、フィルタ信号
(FDF)となって増幅器(AMP)94に出力され
る。フィルタ信号(FDF)は依然として電圧レベルが
低いので、増幅器(AMP)94によって増幅され、増
幅された信号(AFDF)となってA/Dコンバータ9
5に入力され、デジタル信号(DAFDF)に変換され
る。
【0061】そのデジタル信号(DAFDF)はインバ
ータによって信号特性が逆転され、同期回路96に入力
される。また、同期回路96には記録ヘッド2aの各ノ
ズル部101Bを駆動動作との同期信号(SYNC)が
入力され、デジタル信号(DAFDF)と各ノズルの記
録動作タイミングとの同期がとられ、各ノズルの吐出不
良検出結果を示す信号(HDT)をレジスタ98のクロ
ック入力端子に出力する。ここで、ノズルが吐出動作を
正常に行なった場合には、HDTは“L(ローレベ
ル)”となり、そのノズルが吐出不良であった場合に
は、HDTは“H(ハイレベル)”となる。
【0062】一方、カウンタ97には記録ヘッド2aの
各ノズル部101Bを駆動させるための基本クロック
(DCLK)が入力され、そのパルス数をカウントす
る。そのカウント数(NCNT)は、レジスタ97のデ
ータ入力端子に出力される。この基本クロックは、記録
ヘッド2aの1つのノズルを駆動させる度ごとに1パル
スづつ入力される。
【0063】以上のような構成から、レジスタ97には
HDTが“H(ハイレベル)”であったときのカウント
数(NCNT)がセットされる。一方、記録ヘッド2a
のノズルチェックのための試験的なインク吐出動作は、
そのノズル列の一方の端から他端まで順次1つ1つ行な
われるので、カウント数(NCNT)の値が1つ1つの
ノズルを特定している。
【0064】従って、レジスタ98から読み出される値
(DFDATA)が吐出不良のノズルを特定する情報と
なる。
【0065】なお、カウンタ97や、レジスタ98の値
はCPUから転送されるリセット信号(RST1、RS
T2)によってクリアされる。
【0066】次に、以上の構成のプリンタ装置の動作に
ついて、図9に示すフローチャートと、図10〜図11
の往復記録の1画素ごとの記録制御の様子を示す図を参
照して説明する。
【0067】まず、プリンタ装置に電源が投入されて記
録動作の待機中には、記録ヘッド2のインク吐出面22
はヘッドキャップ20によりキャッピングされている。
【0068】このような状態で制御回路16に記録信号
が入力すると、ステップS1では記録ヘッド2とインク
タンク11との間でインクの加圧循環処理が開始され
る。次に、ステップS2ではヘッドキャップ20が開放
する。
【0069】一方、インクの加圧循環処理と同時にステ
ップS3では清掃部材70の洗浄が行われ、清掃部材7
0に付着した粘性の増したインクや異物等が洗浄液と共
に洗い流される。次にステップS4では、その洗浄液が
吸引ポンプ82によって吸引される。
【0070】これにより、清掃部材70に残る洗浄液の
量が適度に減少し、インクや異物等の捕集能力が向上
し、清掃部材70の清掃効果を高めることができる。ま
た、洗浄液が吸引されることで、清掃部材70である多
孔質体内部に毛細管現象による負圧が発生する。この負
圧を記録ヘッドのインク吐出ノズルにかかる負圧よりも
大にすることで、清掃時にノズルからインクが引き出さ
れる状態となり、洗浄液が記録ヘッド2のインク液室1
01C内へ混入することが防止される。さらに、インク
吐出ノズル内部からインクを吸引する能力も発生するの
で、同時に、インク吐出ノズル内に存在する粘性の増し
たインクの除去が行われるという効果もある。
【0071】次に、ステップS5では、モータドライバ
23から駆動信号によって駆動モータ5の回転がエンド
レスベルト4を介してキャリッジ1に伝えられ、キャリ
ッジ1が往復移動する。これによって、キャリッジ1が
クリーナ50の前面を通過する際に清掃部材70がイン
ク吐出面22と接触し、その面を順次ワイピングし、イ
ンク吐出面22上の洗浄液やインクや異物等をぬぐい去
る。
【0072】このようにして、インク吐出面22のワイ
ピングが終了すると、処理はステップS6において、プ
リント開始検知センサ34で記録開始検知位置(P0)
を検知すると、記録ヘッド2を矢印D方向に移動させな
がらインク滴を吐出し、記録用紙6に記録ヘッドの記録
幅分の画像を記録し、さらに微小量だけ記録用紙6を矢
印F方向に搬送し、その後、キャリッジ1の移動方向を
反転させ、記録ヘッドを矢印E方向に移動させながら画
像を記録する。この記録動作については、後で詳しく説
明する。そして、記録ヘッド2がインク受け部31の前
面に達したときに、必要であれば、ステップS9におい
てインク受け部31に対して予備吐出動作を行う。
【0073】この後、記録用紙6は所定量だけ矢印F方
向に搬送される。
【0074】さて、ステップS6の処理が実行中に、ス
テップS7において、清掃部材70の洗浄が行われ、次
にステップS8では洗浄液の吸引が行われ、清掃部材7
0の清掃能力の回復が行われる。
【0075】次に、ステップS10では、画像記録動作
が続くかどうかを調べ、記録動作続行の場合には処理は
ステップS11に進み、記録動作終了の場合には処理は
ステップS12に進む。ステップS12では、記録動作
終了のため、記録ヘッド2のインク吐出面をヘッドキャ
ップ20によりキャッピングし、全ての処理を終了す
る。
【0076】これに対して、ステップS11では、前回
のインクの加圧循環処理の後、記録動作によるキャリッ
ジ往復回数(RN)がn回に達したかどうかを調べる。
ここで、RN≧nであれば処理はステップS13に進ん
で、記録ヘッド2のインク吐出面をヘッドキャップ20
によりキャッピングし、さらに処理はステップS1に戻
ってインクの加圧循環処理を実行する。これに対して、
RN<nであれば、処理はステップS5に戻って、清掃
部材70がインク吐出面22をワイピングし、インク吐
出面22上の洗浄液やインクや異物等をぬぐい去る。
【0077】次に、ステップS6における記録ヘッド2
の1往復走査による記録動作の制御について、図10〜
図11を参照して説明する。
【0078】図10は、記録ヘッドの往路/復路走査夫
々によって記録される画素を示す図である。なお、ここ
では説明を簡単にするために、記録ヘッドが備えるイン
ク吐出ノズルの数は“8”する。従って、これらインク
吐出ノズル夫々には、図10に示すように、“1”、
“2”、……、“8”と番号を付し、それぞれを第1ノ
ズル、第2ノズル、……、第8ノズルと呼ぶ。また、記
録動作によって記録される記録画像の画素について、主
走査方向(図1の矢印D、E方向)について1ラインず
つの画素群をaライン、bライン、……、pラインと呼
ぶ。
【0079】この実施形態では記録ヘッドの往路走査終
了時に、その記録ヘッドの記録幅の半分に相当する長さ
(ここでは4画素分)だけ記録用紙を搬送し、その復路
走査終了時にさらにその記録ヘッドの記録幅の半分に相
当する長さだけ記録用紙を搬送する。
【0080】また、往路記録において記録ヘッドの第1
〜4ノズルに対応づけられた記録データは、その復路記
録では第5〜8ノズルにも同様に対応づけられて記録動
作が実行される。このようにすることで、同一の記録デ
ータが、第1と第4ノズルに、第2と第5ノズルに、第
3と第7ノズルに、第4と第8ノズルに夫々、割当てら
れる。
【0081】さて、記録用紙に対する記録動作の最初の
往路記録では、記録ヘッドの第5〜8ノズルに対しての
み記録データが与えられる。ここで、第6、及び、第8
ノズルからインクを吐出するように制御され、図10
(a)に示すように、往路記録(記録ヘッドが矢印Aの
方向に移動するときの記録)がなされ、fラインとhラ
インにインクが吐出される。
【0082】次に、記録ヘッドの移動方向が反転して
A' 方向に移動して復路記録を行うときには、B方向
に記録用紙を4ライン分だけ搬送する。このとき、先の
往路記録において記録ヘッドの第5〜8ノズルに対応づ
けられた記録データが第1〜4ノズルに対応づけられ
る。さらに、第5〜8ノズルに対しては新たな記録デー
タが対応づけられる。そして、その復路記録では第1、
3、6、及び、8ノズルからインクを吐出するように制
御され、図10(b)に示すように、eライン、gライ
ン、jライン、lラインにインクが吐出される。
【0083】このような往復記録によって、e〜hライ
ン全てには記録がなされたことになる。
【0084】次に再び、記録ヘッドの移動方向が反転し
てA方向に移動して往路記録を行うときには、B方向に
記録用紙をさらに4ライン分だけ搬送する。このとき、
先の復路記録において記録ヘッドの第1〜4ノズルに対
応づけられた記録データが第5〜8ノズルに対応づけら
れる。さらに、第1〜4ノズルに対しては新たな記録デ
ータが対応づけられる。そして、その往路記録では第
1、3、6、及び、8ノズルからインクを吐出するよう
に制御され、図10(c)に示すように、iライン、k
ライン、nライン、pラインにインクが吐出される。
【0085】このような記録によって、i〜lライン全
てには記録がなされたことになる。
【0086】以降同様に、記録ヘッドの移動方向が反転
するたび毎に記録用紙をB方向に4ライン分づつ搬送
し、記録データとノズルとの対応関係をづらしながら、
往路記録でも復路記録でも第1、3、6、及び、8ノズ
ルからインク吐出を行うように制御しながら、記録を続
行する。
【0087】以上のように、記録データとノズルとの対
応関係に冗長性をもたせ、即ち、1つの記録データが2
つのノズルに対応するようにし、第1〜8ノズルの内、
半数のノズルを実際の記録動作に用いる。また、以上の
ような記録制御によって、往路記録でも復路記録でも駆
動されるノズルの数は一定となるので、記録ヘッドの往
路走査と復路走査での発熱量が一定となるように制御で
きる。これによって、熱的な非平衡による記録画像の品
質の低下を防ぐことができる。
【0088】次に、上述した吐出不良ノズル検出処理に
よって、記録ヘッドのノズルの1つが吐出不良ノズルで
あった場合の記録制御について、図11を参照して説明
する。ここでは、第8ノズルが吐出不良ノズルであると
する。また、記録ヘッドの構成や記録用紙の搬送制御、
記録データとノズルとの対応関係は、図10の場合と同
様とする。
【0089】この場合、CPUは吐出不良ノズルである
第8ノズルの代わりに、第4ノズルを用いて記録を行う
ように記録動作の設定を変更する。
【0090】図11は、第8ノズルが吐出不良ノズルで
ある場合の記録ヘッドの往路/復路走査夫々によって記
録される画素を示す図である。
【0091】さて、記録用紙に対する記録動作の最初の
往路記録では、記録ヘッドの第5〜8ノズルに対しての
み記録データが与えられるが、この記録では、第6ノズ
ルのみからインクを吐出するように制御され、図11
(a)に示すように、fラインにのみインクが吐出され
る。
【0092】次に、記録ヘッドの移動方向が反転して
A' 方向に移動して復路記録を行うときには、B方向
に記録用紙を4ライン分だけ搬送する。このとき、先の
往路記録において記録ヘッドの第5〜8ノズルに対応づ
けられた記録データが第1〜4ノズルに対応づけられ
る。さらに、第5〜8ノズルに対しては新たな記録デー
タが対応づけられる。そして、その復路記録では第1、
3、4、及び、6ノズルからインクを吐出するように制
御され、図11(b)に示すように、eライン、gライ
ン、hライン、jラインにインクが吐出される。
【0093】このような往復記録によって、e〜hライ
ン全てには記録がなされたことになる。
【0094】次に再び、記録ヘッドの移動方向が反転し
てA方向に移動して往路記録を行うときには、B方向に
記録用紙をさらに4ライン分だけ搬送する。このとき、
先の復路記録において記録ヘッドの第1〜4ノズルに対
応づけられた記録データが第5〜8ノズルに対応づけら
れる。さらに、第1〜4ノズルに対しては新たな記録デ
ータが対応づけられる。そして、その往路記録では第
1、3、4、及び、6ノズルからインクを吐出するよう
に制御され、図11(c)に示すように、iライン、k
ライン、lライン、nラインにインクが吐出される。こ
のような記録によって、i〜lライン全てには記録がな
されたことになる。
【0095】以降同様に、記録ヘッドの移動方向が反転
するたび毎に記録用紙をB方向に4ライン分づつ搬送
し、記録データとノズルとの対応関係をづらしながら、
往路記録でも復路記録でも第1、3、4、及び、6ノズ
ルからインク吐出を行うように制御しながら、記録を続
行する。
【0096】従って以上説明した実施形態に従えば、吐
出不良であることが検出されたノズルに対しては冗長な
ノズルを割り当てて補完記録を行うように記録制御の設
定を変更するという簡単な制御で、欠陥のない画像記録
を行うことができる。また、以上説明したように、たと
え、冗長なノズルを割り当てられたとしても、記録用紙
の搬送制御には何の変更もないので、搬送制御に係る記
録動作も待ち時間も最小限に抑えることができ、総合的
な記録速度を落とすこともないという利点がある。
【0097】また、この実施形態に従えば、記録ヘッド
の走査毎に動的に駆動ノズルを変更することはないの
で、記録ヘッド内部の熱バランスは良好に維持され、高
品位な画像記録に貢献する。
【0098】更に、吐出不良ノズル検出処理によってC
PUがどのノズルが吐出不良であるかを特定できるの
で、吐出不良ノズルについての情報をCPUが分析し、
その分析結果に基づいて記録ヘッドの交換を装置利用者
に促すような処理を行うことも容易となる。例えば、冗
長なノズルにさえも吐出不良が検出されたタイミングで
ホストに記録ヘッドの交換を促すメッセージを転送した
り、或は、そのメッセージを表示部に表示する。
【0099】なお、記録ヘッドのノズル数、冗長ノズル
の構成の仕方や配置の仕方、冗長ノズルを用いた記録制
御は、上述の実施形態に限定されるものではないことは
言うまでもない。
【0100】例えば、図12に示すように、ノズルと記
録データとの対応関係や、各走査毎に記録データとノズ
ルとの対応関係を変更するという制御は、上述の実施形
態と同様にして、同じラインに対する記録動作を、通常
の記録動作に用いるノズルと冗長なノズルの両方を用
い、2回づつ行うようにしても良い。このようにするこ
とで、たとえ、あるノズルが吐出不良であったとして
も、その冗長ノズルで補完記録を行うことができる。こ
のような制御は特に、記録画像の濃度を高くしたい場合
などに有用である。
【0101】例えば、図13或は図14に示すようなノ
ズル数が“9”で、ノズルに3倍の冗長度をもたせた構
成の記録ヘッドを用いることもできる。
【0102】図13に示す構成の記録ヘッドでは、通常
は第1、第5、第9ノズルを記録動作に用い、記録ヘッ
ドの移動方向が反転するたび毎に記録用紙をB方向に3
ライン分づつ搬送する。そして、同一の記録データが、
第1と第2と第3ノズルに、第4と第5と第6ノズル
に、第7と第8と第9ノズルに夫々、割当てられる。
【0103】さて、このような構成の記録ヘッドを用い
た記録用紙に対する記録動作の最初の往路記録では、記
録ヘッドの第7〜9ノズルに対してのみ記録データが与
えられ、図13(a)に示すように、第9ノズルのみか
らインクを吐出するように制御され、iラインにのみイ
ンクが吐出される。
【0104】次に、記録ヘッドの移動方向が反転して
A' 方向に移動して復路記録を行うときには、B方向
に記録用紙を3ライン分だけ搬送する。このとき、先の
往路記録において記録ヘッドの第7〜9ノズルに対応づ
けられた記録データが第4〜6ノズルに対応づけられ
る。さらに、第7〜9ノズルに対しては新たな記録デー
タが対応づけられる。そして、その復路記録では第5、
及び、9ノズルからインクを吐出するように制御され、
図13(b)に示すように、hライン、lラインにイン
クが吐出される。
【0105】このような往復記録によって、h、i、l
ラインに記録がなされたことになる。
【0106】次に再び、記録ヘッドの移動方向が反転し
てA方向に移動して往路記録を行うときには、B方向に
記録用紙をさらに3ライン分だけ搬送する。このとき、
先の復路記録において記録ヘッドの第4〜6ノズル及び
第7〜9に対応づけられた記録データは夫々、第1〜3
ノズル及び第4〜6ノズルに対応づけられる。さらに、
第7〜9ノズルに対しては新たな記録データが対応づけ
られる。そして、その往路記録では第1、5、及び、9
ノズルからインクを吐出するように制御され、図13
(c)に示すように、g、k、oラインにインクが吐出
される。このような記録によって、g〜iライン全てに
は記録がなされたことになる。
【0107】次に再び、記録ヘッドの移動方向が反転し
てA′方向に移動して復路記録を行うときには、B方向
に記録用紙をさらに3ライン分だけ搬送する。このと
き、先の往路記録において記録ヘッドの第4〜6ノズル
及び第7〜9ノズルに対応づけられた記録データは夫
々、第1〜3ノズル及び第4〜6ノズルに対応づけられ
る。さらに、第7〜9ノズルに対しては新たな記録デー
タが対応づけられる。そして、その復路記録では第1、
5、及び、9ノズルからインクを吐出するように制御さ
れ、図13(d)に示すように、j、n、rラインにイ
ンクが吐出される。このような記録によって、g〜lラ
イン全てには記録がなされたことになる。
【0108】以降同様に、記録ヘッドの移動方向が反転
するたび毎に記録用紙をB方向に3ライン分づつ搬送
し、記録データとノズルとの対応関係をづらしながら、
往路記録でも復路記録でも第1、5、及び、9ノズルか
らインク吐出を行うように制御しながら、記録を続行す
る。
【0109】このような構成の記録ヘッドで、例えば、
図14に示すように、第6及び第9ノズルが吐出不良ノ
ズルになると、冗長ノズルである第3ノズルを代替ノズ
ルとして選択して記録を行うように記録制御の設定を変
更する。このような変更をすることで、記録ヘッドの走
査が進行するにつれて、図14(a)〜(d)に示すよ
うに、図13に示したのと同様の欠陥のない画像が記録
される。
【0110】このように、ノズルの冗長度を増すこと
で、吐出不良ノズルの発生に対する対処能力を高めるこ
とができる。ここで、記録ヘッドのノズル数をpn、実
際の記録に必要なノズル数をenとすると、ノズルの冗
長度(RD)はpn/enで定義できる。例えば、実際
の記録に必要なノズル数の2倍のノズルを記録ヘッドが
備えていれば、冗長度(RD)は“2”となる。従っ
て、一般に、同一の記録データを用いて記録動作を行う
ノズルに関して、(RD−1)個の吐出不良ノズルに対
しては、冗長ノズルを用いた補完記録が可能である。
【0111】なお、図13〜図14に示した構成の記録
ヘッドにおいて、同じラインに冗長ノズルをも用いて3
回のインク吐出を行なわせるようにできることは言うま
でもない。
【0112】また、通常は冗長ノズルの設定を行なわ
ず、記録ヘッドの記録幅全てを用いた記録を行い、吐出
不良ノズル検出処理によってCPUが吐出不良ノズルを
検出したタイミングで冗長度(RD)=2のノズル構成
となるようにノズル構成を動的に変更して、補完記録を
行うことができるようにしても良い。このとき、吐出不
良ノズルの数が増加してゆくにつれ、冗長度(RD)を
増やすようにノズル構成を動的に変更するような制御を
行なっても良い。このようにすることで、吐出不良ノズ
ルの発生に対する対処能力を高めることができる。
【0113】また、以上説明した実施形態では、キャリ
ッジ移動の往路と復路の両方向で記録が可能な記録装置
を用いた例について説明したが、本発明の特徴である記
録ヘッドに冗長ノズルをもたせ、冗長ノズルによって補
完記録を行わせることは、シリアルプリンタでも可能で
あるし、更に、特開平6−79956号等において提案
されている複数の記録ヘッドによる画像記録を重ね合わ
せて画像を形成するいわゆるシリアルマルチスキャンの
記録装置でも可能である。
【0114】なお、以上の実施形態において、特にイン
クジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生す
る手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前
記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方
式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成
できる。
【0115】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0116】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0117】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0118】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0119】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0120】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0121】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0122】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0123】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0124】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。
【0125】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0126】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0127】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0128】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0129】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0130】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
列に配列されたn個の記録素子を有した記録ヘッドを用
いて記録を行う際、(n/m)個の記録素子を通常の記
録動作に用いる第1の記録素子として選択し、{n(m
−1)/m}個の記録素子を通常の記録動作には用いな
い第2の記録素子として選択設定し、入力された同一の
記録データを、実際の記録動作に用いる第1の記録素子
と第2の記録素子とに割当てるが、一方で、n個の記録
素子が正常に記録動作をするかどうかを検査し、その検
査結果に基づき、選択設定された通常の記録動作に用い
る第1の記録素子が動作不良であると判別された場合に
は、第2の記録素子が記録動作に用いる代替素子として
選択されても搬送手段による記録媒体の搬送量が変化し
ないように、同一の記録データが割当てられている第2
の記録素子を記録動作に用いる代替素子として選択する
ので、たとえ、記録素子に動作不良が発生しても、簡単
な制御により代替素子を割当てるので欠陥のない高品位
な記録画像を得ることができるという効果がある。
【0132】また、たとえ、代替素子による記録を行な
っても、記録媒体の搬送量が変化することがないので、
搬送制御も簡単でよいという利点がある。
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるインクジェッ
ト方式に従ってカラー記録を行うプリンタ装置の構成を
示す図である。
【図2】記録ヘッド2の構成を示す図である。
【図3】クリーナ50の構成を示す断面図である。
【図4】クリーナ50の構成を示す断面図である。
【図5】ヘッドキャップ20とインク受け部31とクリ
ーナ50との取り付け位置をその上面より見た図であ
る。
【図6】インク受け部31とクリーナ50との間に設け
られた吐出不良ノズルを検出するための検出回路の構成
を示す拡大斜視図である。
【図7】速度vで移動する記録ヘッド2aからインク液
滴を吐出してビーム光91aを遮る様子を示す図であ
る。
【図8】受光素子43で得られる電気信号の信号処理回
路の構成を示すブロック図である。
【図9】プリントシーケンスの一例を示すフローチャー
トである。
【図10】往復記録の1画素ごとの記録制御の様子を示
す図である。
【図11】図10に示した実施形態に従う冗長ノズルを
用いた場合の往復記録の1画素ごとの記録制御の様子を
示す図である。
【図12】図10に示した実施形態の変形例に従う往復
記録の1画素ごとの記録制御の様子を示す図である。
【図13】別の実施形態に従う往復記録の1画素ごとの
記録制御の様子を示す図である。
【図14】図13に示した実施形態に従う冗長ノズルを
用いた場合の往復記録の1画素ごとの記録制御の様子を
示す図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 記録ヘッド 16 制御回路 41 ラインエンコーダ 42 発光素子 43 受光素子 90 インク液滴 91a、91b ビーム光 99 光軸

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一列に配列されたn個の記録素子を有し
    た記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置で
    あって、 記録データを外部から入力する入力手段と、 前記記録ヘッドを往復走査する走査手段と、 前記記録ヘッドの走査方向に垂直に前記記録媒体を搬送
    する搬送手段と、 前記n個の記録素子が正常に記録動作をするかどうかを
    検査する検査手段と、 (n/m)個の記録素子を通常の記録動作に用いる第1
    の記録素子として選択し、{n(m−1)/m}個の記
    録素子を通常の記録動作には用いない第2の記録素子と
    して選択設定する設定手段と、 前記入力手段によって入力された同一の記録データを、
    前記実際の記録動作に用いる第1の記録素子と前記第2
    の記録素子とに割当てるデータ割当て手段と、 前記検査手段による検査結果に基づき、前記設定手段に
    よって選択設定された通常の記録動作に用いる第1の記
    録素子が動作不良であると判別された場合には、前記デ
    ータ割当て手段によって同一の記録データが割当てられ
    ている前記第2の記録素子を記録動作に用いる代替素子
    として選択する変更手段とを有し、 前記設定手段は、前記第2の記録素子が記録動作に用い
    る代替素子として選択されても前記搬送手段による前記
    記録媒体の搬送量が変化しないように前記選択設定を行
    うことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドの往路走査と復路走査の
    両方向において、前記記録ヘッドを駆動して記録を行う
    よう制御する記録制御手段をさらに有することを特徴と
    する請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録制御手段は、前記往路走査の記
    録と前記復路走査の記録において駆動される記録素子の
    数が同じとなるように制御することを特徴とする請求項
    2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記データ割当て手段は、前記同一のデ
    ータを前記(n/m)個の第1の記録素子毎に繰り返し
    て前記m個の記録素子に割当てることを特徴とする請求
    項1に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記データ割当て手段は、前記走査手段
    による走査により前記記録ヘッドの1走査による記録動
    作が終了する度ごとに、前回割当てた記録データを前記
    (n/m)個分だけ割当てた記録要素をシフトさせて、
    記録データの再割当てを行うことを特徴とする請求項4
    に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記搬送手段は、記録動作中には常に、
    前記(n/m)個の第1の記録素子の記録幅に相当する
    長さ分だけ前記記録媒体を搬送することを特徴とする請
    求項1に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記
    録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴と
    する請求項1に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
    を備えていることを特徴とする請求項7に記載の記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記検査手段は、 ビーム光を発光する発光手段と、 前記発光手段からのビーム光を受光する受光手段と、 前記ビーム光の光軸を遮るように前記記録ヘッドの記録
    要素から順次インクを試験的に吐出するよう制御する試
    験吐出制御手段と、 前記受光手段によって受光するビーム光の強度に基づい
    て、前記記録ヘッドの記録要素が正常に動作しているか
    どうかを判別する判別手段とを含むことを特徴とする請
    求項1に記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記光軸が前記n個の記録要素の配列
    方向に斜交するように、前記発光手段の発光部と、前記
    受光手段の受光面とが設けられることを特徴とする請求
    項9に記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録制御手段は、前記記録媒体の
    同じ位置に前記m回づつ前記通常の記録動作に用いる第
    1の記録素子と前記第2の記録素子とを用いて記録を行
    うよう制御することを特徴とする請求項2に記載の記録
    装置。
  12. 【請求項12】 一列に配列されたn個の記録素子を有
    した記録ヘッドを用いた記録媒体への記録における記録
    制御方法であって、 前記n個の記録素子が正常に記録動作をするかどうかを
    検査する検査工程と、 (n/m)個の記録素子を通常の記録動作に用いる第1
    の記録素子として選択し、{n(m−1)/m}個の記
    録素子を通常の記録動作には用いない第2の記録素子と
    して選択設定する設定工程と、 記録データを外部から入力する入力工程と、 前記入力工程において入力された同一の記録データを、
    前記実際の記録動作に用いる第1の記録素子と前記第2
    の記録素子とに割当てるデータ割当て工程と、 前記検査工程における検査結果に基づき、前記設定工程
    において選択設定された通常の記録動作に用いる第1の
    記録素子が動作不良であると判別された場合には、前記
    データ割当て工程において同一の記録データが割当てら
    れている前記第2の記録素子を記録動作に用いる代替素
    子として選択する変更工程と、 前記記録ヘッドを往復走査する走査工程と、 前記記録ヘッドの走査方向に垂直に前記記録媒体を搬送
    する搬送工程とを有し、 前記設定工程では、前記第2の記録素子が記録動作に用
    いる代替素子として選択されても前記搬送工程における
    前記記録媒体の搬送量が変化しないように前記選択設定
    を行うことを特徴とする記録制御方法。
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