JPH0789157A - 記録装置および該装置を備えた情報処理システム - Google Patents

記録装置および該装置を備えた情報処理システム

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JPH0789157A
JPH0789157A JP23753793A JP23753793A JPH0789157A JP H0789157 A JPH0789157 A JP H0789157A JP 23753793 A JP23753793 A JP 23753793A JP 23753793 A JP23753793 A JP 23753793A JP H0789157 A JPH0789157 A JP H0789157A
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Yoshihiko Takahashi
美彦 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサー感度のばらつきや記録紙の反射光量
のばらつき等によって生ずる記録紙識別の信頼性低下を
防ぎ、識別間違いによる画像不良や、ジャムなどの不具
合が起こることなく、複数の材質に対応しうる記録動作
およびその制御を実現可能にする記録装置および該装置
を出力手段とした情報処理システムを提供することを目
的とする。 【構成】 本発明にもとづく記録装置は、検知レベルの
異なる複数の光学センサーと、該複数の光学センサーを
構成する各センサーの検知結果をもとにして被記録媒体
の有無および種類を判定し、かつ判定にもとづいて被記
録媒体に適した記録動作がなされるように記録部および
搬送手段を制御する制御部とが設けれたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数種の被記録媒体を
記録部に搬送し、被記録媒体の種類に応じた記録動作の
制御を行うことが可能な記録装置および該装置を出力手
段として備えた情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シート等の被記録媒体(以下単に記録紙ともい
う)に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方
式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方
式、インクジェット方式による記録ヘッドをを搭載可能
な形態として提案されている。
【0003】しかし、そのような記録装置のなかで、低
騒音なノンイパクト記録として、記録素子上に配置した
吐出口(ノズル)からインクを吐出させて記録紙上に記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを具備した記
録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であること
から、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、フ
ァクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワ
ークステーション等の出力端末としてのプリンタ、ある
いはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光
ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまた
はポータブルプリンタとして利用され、かつ商品化され
ている。この場合、インクジェット記録装置は、これら
装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。一
般にインクジェット記録装置は、記録手段(記録ヘッ
ド)およびインクタンクと搭載するキャリッジと、記録
紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御
手段とを具備する。そして、複数の吐出口からインク滴
を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方
向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャン
させ、一方で非記録時に記録紙を記録幅に等しい量で間
欠搬送するものである。この記録方法は、記録信号に応
じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うもので
あり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として
広く用いられている。また、インクを吐出する多数のノ
ズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用
いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を一回走査す
ることでノズル数に対応した幅の記録がなされる。その
ため、記録動作の高速化を達成することが可能である。
【0004】上記記録素子、すなわちインクを吐出する
ためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段として
は、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レ
ーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱によ
る作用で液滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を
有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるものな
どがある。
【0005】その中でも熱エネルギーを利用して液体を
吐出させる方式(いわゆるバルブジェット方式)の記録
ヘッドは、上記液体吐出口を高密度に配列することがで
きるために高解像度の記録をすることが可能である。そ
の中でも電気熱変換素子をエネルギー発生手段として用
いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、かつ最
近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著
しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用
でき、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なこと
から有利である。
【0006】さらに、カラー対応のインクジェット記録
装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるイン
ク液滴の重ね合わせることによりカラー画像を形成す
る。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色またはこれ
ら3原色にブラック(B)を含めた4色に対応する4種
類の記録ヘッドおよびインクカートリッジが必要とされ
る。昨今ではこのような3〜4色の記録ヘッドを搭載
し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されて
いる。
【0007】上記インクジェット記録装置は比較的容易
にA1等の大判記録が可能な構成を取ることができるの
で、画像を読み取るリーダーを接続し原稿を複写するA
1版カラー記録対応の記録装置、例えばCAD出力用プ
リンター等のプロッターも製品化されている。また、一
方で多様な使い方が要求されるようになり、会議、講義
等におけるプレゼンテーション用に投影可能なOHPフ
ィルムへの記録の需要が高まっている。したがって、イ
ンクの吸収特性が異なる被記録媒体を必要に応じて選択
した際に、被記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が
可能な記録装置の需要が高まっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
ト用の記録紙とOHPフィルムではインクの吸収特性が
大きく異なるため、インクの打ち込み(吐出)量を変え
る必要が有り、また表面の摩擦係数や紙の腰が違うため
搬送量もそれぞれに応じた制御を行う必要が有る。
【0009】そのため、記録装置内で記録紙の種類を識
別することが必要となる。この識別手段としては、従来
から反射型光学センサーで反射光量を測定し識別するこ
とが実施されている。しかし、センサー感度のばらつき
や記録紙の反射光量のばらつき等により、その識別の信
頼性は全体的に低く、識別間違いによって画像不良や、
ジャムなどの不具合がおきるという欠点が有った。
【0010】図12は従来のセンサー1個で記録紙の有
無と種類、例えばコート紙およびOHPフィルムの識別
を行う場合を示している。図中、縦軸は検知レベル電圧
(V)を示しており、一方横軸は記録紙の種類を示して
いる。この例では、コート紙によって反射される光はセ
ンサーによって検知され、そのときの検知レベル電圧は
3.5V(A+B)となり、一方OHPフィルムの場合
2.8V(A)となる。したがって、記録紙の識別のダ
イナミックレンジ(図中、Bの範囲)は約0.7V程度
である。そこで、検知レベル1を1.4Vに設定するこ
とで記録紙の有無を識別し、3.15Vの検知レベル2
を設定することで記録紙の種類を識別することが可能で
ある。しかし、上記ダイナミックレンジの幅が狭いた
め、センサー出力のばらつきや記録紙からの反射光のば
らつきによりその識別は不安定なものであった。
【0011】したがって、本発明の目的は、上記問題点
を解決し、センサー感度のばらつきや記録紙の反射光量
のばらつき等によって生ずる記録紙識別の信頼性低下を
防ぎ、識別間違いによる画像不良や、ジャムなどの不具
合が起こることなく、複数の材質に対応しうる記録動作
およびその制御を実現可能にする記録装置および該装置
を出力手段として備えた情報処理システムを提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明にもとづく記録装置は、被記録媒体に入力画像
情報を記録するための記録部と、該記録部へ複数種の被
記録媒体を搬送することが可能な搬送手段とを有する記
録装置において、検知レベルの異なる複数の光学センサ
ーと、該複数の光学センサーを構成する各センサーの検
知結果をもとにして被記録媒体の有無および種類を判定
し、かつ判定にもとづいて被記録媒体に適した記録動作
がなされるように記録部および搬送手段を制御する制御
部とが設けれたことを特徴とする。好ましくは、上記複
数の光学センサーは、被記録媒体の面上で反射される光
の正反射角と異なる受光角を有するように配置された反
射型光学センサーを少なくとも一つ含むもので、より好
ましくは被記録媒体の端部の位置を検知するための光学
センサーを少なくとも一つ含む。好ましくは、被記録媒
体は、OHPフィルムである。上記記録部は、好ましく
は被記録媒体上にインク滴を吐出するための複数のノズ
ルが形成されたインクジェット記録ヘッドと該記録ヘッ
ドへインクを供給するインクタンクとを搭載するキャリ
ッジと、該キャリッジの駆動手段を有する。また、好ま
しくは上記記録ヘッドは、インク滴を吐出するためのエ
ネルギーを発生する手段として、インクに膜沸騰を生じ
させる電気熱変換体を有する。
【0013】つぎに、本発明にもとづく情報処理システ
ムは、記録装置を、出力手段として具備したことを特徴
とする。
【0014】
【作用】複数の光学センサーを構成する各センサーの検
知結果をもとにして被記録媒体の有無および種類を判定
し、かつ判定にもとづいて被記録媒体に適した記録動作
がなされるように記録部および搬送手段を制御すること
により、センサー感度のばらつきや記録紙の反射光量の
ばらつき等によって生ずる記録紙識別の信頼性低下を防
ぎ、識別間違いによる画像不良や、ジャムなどの不具合
が起こることなく、複数の材質に対応しうる記録動作お
よびその制御を実現可能にする。
【0015】
【実施例】以下に、本発明にもとづく記録装置の一例と
して、BJ方式の記録手段を搭載したプリンターについ
て説明する。
【0016】図1は本実施例の装置を斜め後方から観た
斜視図、図2はその記録部の斜視図である。
【0017】図1および図2において画像信号は、制御
部(後述)により必要な画像処理が加えられた後、画像
形成部の記録ヘッド8に送られる。記録ヘッド8は25
6個のノズル(吐出口)を16個/mm(400dp
i)の密度で設けた記録ヘッドであり、各ノズルにはこ
れに連通する流路に吐出エネルギーを発生するヒーター
(発熱体)を備えている。ヒーターは印加される電気パ
ルスに応じて熱を発生し、これによりインク中に膜沸騰
を生じさせ、この膜沸騰による気泡(バルブ)の成長に
伴って上記ノズルからインクが吐出される。
【0018】記録ヘッド8はフルカラー画像を形成する
ため、単色の記録ヘッド8Bk(ブラック対応),8C
(シアン対応),8M(マゼンタ対応),8Y(イエロ
ー対応)から成っている。ロール紙トレイ1より供給さ
れる紙、OHPフィルム等のA1短手幅の記録が可能な
被記録媒体(以下、記録紙とする)2は搬送ローラー対
3およびテンションローラー対4に挟持され、矢印14
の方向(副走査方向)に搬送される。参照符号16はそ
の長手方向が搬送ローラー対3と並行を成すプラテンで
あり、記録紙2の浮きやシワを防止するため、不図示の
吸引手段によって記録紙を吸引している。
【0019】図2の記録部に於いてキャリッジ7上に移
動方向に4個の記録ヘッド8Bk,8M,8C,8Yが
配設されている。4個の各記録ヘッドは400dpiの
密度で記録材に相対して、キャリッジの移動方向と直角
方向に配列されたノズルを有しており、画像処理装置1
3から送られてきた画像信号に基づいて、各記録ヘッド
でブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色の画像
形成を行う。
【0020】図3は上記装置の制御回路構成を表わすブ
ロック図である。
【0021】まず、制御部13について説明する。同図
において、36は主制御をなすコントローラであり、1
01はプリンタでの情報処理手順を実行する例えばマイ
クロコンピュータ形態のCPU、102は上記処理にお
ける作業用の領域などを設けたRAM、103は上記処
理手順に対応したプログラムを格納したROMである。
その他CPU101の実行サイクルを作り出したプリン
タ部104による記録動作の際の必要なタイミングを作
り出したりするタイマ(図示せず)等が設けられてい
る。105は制御部103からの信号とプリンタ部10
4および入力部106とを結ぶインターフェイス部であ
る。なお、S1 (30)およびS2 (31)は記録紙の
有無を検知する光学センサーである。
【0022】インターフェイス部105から送られてく
る信号はドライバ106,107を介してプリンタ部1
04の駆動手段32,32,9や記録ヘッド8に送られ
る。
【0023】次に画像形成を行うプロセスを図2および
図3に従って説明する。記録が開始されると、ロール紙
トレイ1にセットされたロール状の用紙、OHPフィル
ム等の記録紙2は搬送ローラー対3およびテンションロ
ーラー対4に挟持され、矢印14の方向(副走査方向)
へ搬送される。先端がテンションローラー対4のニップ
を約5mm越えた状態で搬送を停止される。記録紙2は
テンションローラー対4によりプラテン16に押しつけ
られた状態になり、不図示の吸引手段によってプラテン
16に吸着される。このプラテン16には、記録紙の有
無を検知する光学センサーS1 (30)とS2 (31)
が配置されている。
【0024】記録ヘッド8を搭載したキャリッジ7は、
はじめ図の左側の印字開始場所にあり、インクタンクキ
ャリッジモータ33およびヘッドタンクキャリッジモー
タ32によって、摺動可能に系合する2本のガイド軸1
7に案内されながら、矢印20方向に走査され、記録ヘ
ッド8からインクを吐出する。そして、記録紙2の端か
ら端まで走査し、記録ヘッド8に並んだインクノズルの
幅(記録幅)で1行分記録を行う。この場合、キャリッ
ジの進行方向から見ると記録ヘッド8はシアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックの順に配されており、記録紙に
対する画像形成もこの順番で行われる。なお、参照符号
18はインクタンク34から記録ヘッド8にインクを供
給するインク供給チューブである。
【0025】つぎに記録紙の種類の識別について説明す
る。
【0026】図4は、記録紙2の種類を検知するための
プロセスを説明するフローチャートである。ここでは、
検知レベルの異なる2つの光学センサー(S1 およびS
2 )を用いた場合について説明する。
【0027】記録が開始されると給紙搬送モーター9に
より伝達手段10を介して搬送ローラー対3およびテン
ションローラー対4が駆動され、記録紙2はプラテン1
6に搬送される(ステップ1)。そこでまず検知レベル
を所定の電圧に設定してある第一センサー(S1 )によ
り記録紙2の有無を検知する(ステップ2)。S1 で記
録紙2の先端の通過を検知した後、所定時間後に給紙搬
送モーター9の回転を止めテンションローラー対4に記
録紙2がくわえ込まれた状態とする(ステップ3)。こ
こで検知レベルをS1 よりも若干高い電圧に設定してあ
る第二センサー(S2 )により記録紙2の有無を検知す
る(ステップ4)。センサー出力がONまたはOFFと
なることによって、記録紙の種類を識別できる(ステッ
プ4)。その後、記録紙の種類に応じた記録、搬送が行
われる(ステップ5)。
【0028】<実施例1>上記センサーの具体的配置を
図5および図6に示す。
【0029】図5は反射型フォトインタラプタS1 と記
録紙の配置を紙送り方向横からの断面で示したもので、
LEDから光を発し、記録紙からの反射光をフォトトラ
ンジスタで検出することにより記録紙の有無を識別す
る。図6も同様のフォトインタラプタS2 の断面図であ
る。ここでS1 は記録紙に対するLEDの照射角とフォ
トインタラプタへの入射角がほぼ等しくなるように記録
紙からの距離が約3mmに配置されており、S2 は上記
角度が約10度異なるようにS1 と比べ記録紙からの距
離を遠ざけて約4mmに配置されている。
【0030】図7は、S1 からの出力を示しており、コ
ート紙は3.5V、OHPは透明なので出力がやや落ち
るが全反射成分を拾って約2.8Vの出力が得られてい
る。図9はS2 からの出力を示しており、記録紙からや
や遠ざけてあるのでコート紙は3.0V、OHPは透明
で全反射成分をあまり拾わない位置にあるため約0.7
Vの出力が得られている。
【0031】次に図4および図12に従って検知プロセ
スを説明する。
【0032】まず、記録紙2をプラテン16に搬送する
(ステップ1)。そこでは検知レベルを1.4Vに設定
してあるS1 により記録紙2の有無が検知される(ステ
ップ2)。図8に示すようにコート紙、OHP共にS1
を通過する際は約2.8Vのダイナミックレンジでその
有無を検知することができる。S1 で記録紙2の先端の
通過を検知した後、所定時間後に給紙搬送モーター9の
回転を止めテンションローラー対4に記録紙2がくわえ
込まれた状態とする(ステップ3)。ここで検知レベル
を1.85Vに設定してあるS2 により記録紙2の有無
を検知する(ステップ4)。図8に示すように、記録紙
がコート紙の場合はセンサー出力はON、OHPの場合
はOFFとなるように約2.3Vのダイナミックレンジ
でその種類を識別できる(ステップ4)。その後、記録
紙の種類に応じた記録、搬送が行われる(ステップ
5)。以上により、S1 ,S2 の組み合わせでセンサー
のダイナミックレンジを広くとった状態で記録紙の有無
と種類の識別を行うことができる。
【0033】<実施例2>実施例1ではS2 を記録紙2
から遠ざけるよう配置したが、センサーを傾けて配置す
ることでさらに安定した検知を行うことができる。
【0034】図9は反射型フォトインタラプタS1と記
録紙2の配置を紙送り方向横からの断面で示したもの
で、LEDから光を発し、記録紙からの反射光をフォト
トランジスタで検出することにより記録紙の有無を識別
する。図10も同様のフォトインタラプタS2 の断面図
である。ここでS1 は記録紙に対するLEDの照射角と
フォトインタラプタへの入射角がほぼ等しくなるように
記録紙からの距離が約3mmに配置されており、S2
上記角度が約30度異なるようにS1 と比べ記録紙に対
しセンサーを約15度傾けて配置されている。図8はS
1からの出力を示しており、コート紙は3.5V、OH
Pは透明なので出力がやや落ちるが全反射成分を拾って
約2.8Vの出力が得られている。S2 からの出力はコ
ート紙の場合約2.8V、OHPは透明で全反射成分を
殆ど拾わない位置にあるため約0Vの出力が得られてい
る。つまりS2 の検知のダイナミックレンジが2.3V
から2.8Vにさらに向上するわけである。
【0035】また、実施例はインクジェット記録による
カラープリンタの場合について説明してきたが、電子写
真等の他の記録方式を用いる場合、あるいは白黒記録を
行う場合においても本発明は同様な効果を発揮するもの
である。
【0036】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、熱エネル
ギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッ
ド、記録装置において優れた効果をもたらすものであ
る。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達
成できるからである。
【0037】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0038】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0039】さらに、記録装置が記録できる被記録媒体
の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記
録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよ
うな記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによ
ってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0040】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0041】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0042】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0043】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0044】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0045】そして、上記分野に限定されることなく、
本発明のインクジェット記録装置は、綿、絹、レーヨ
ン、アセテート、ナイロン、ポリエステル繊維等からな
る布帛およびこれらの混紡布帛を捺染するための装置と
して用いられる形態を採るものであってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にもとづく
記録装置は、被記録媒体に入力画像情報を記録するため
の記録部と、該記録部へ複数種の被記録媒体を搬送する
ことが可能な搬送手段とを有する記録装置において、検
知レベルの異なる複数の光学センサーと、該複数の光学
センサーを構成する各センサーの検知結果をもとにして
被記録媒体の有無および種類を判定し、かつ判定にもと
づいて被記録媒体に適した記録動作がなされるように記
録部および搬送手段を制御する制御部とが設けれたこと
を特徴とし、記録紙を識別するための出力のダイナミッ
クレンジを従来例と比べて約3〜4倍の広さとなるよう
に設定することができるので、これによってセンサー感
度のばらつきや記録紙の反射光量のばらつき等によって
生ずる記録紙識別の信頼性低下を防ぎ、識別間違いによ
る画像不良や、ジャムなどの不具合が起こることなく、
複数の材質に対応しうる記録動作およびその制御を実現
可能にする記録装置および該装置を出力手段とした情報
処理システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく記録装置の一例の概略的構成
を説明するための斜視図である。
【図2】図1に示した装置の記録部の概略的構成を説明
するための斜視図である。
【図3】図1に示した装置の制御系を説明するためのブ
ロック図である。
【図4】図1に示した装置による被記録媒体の有無およ
び種類の検知方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【図5】実施例1におけるセンサーS1 の配置を説明す
るための模式図である。
【図6】実施例1におけるセンサーS2 の配置を説明す
るための模式図である。
【図7】センサーS1 の出力を説明するための図であ
る。
【図8】センサーS2 の出力を説明するための図であ
る。
【図9】実施例2におけるセンサーS1 の配置を説明す
るための模式図である。
【図10】実施例2におけるセンサーS2 の配置を説明
するための模式図である。
【図11】センサ出力と記録紙の有無および種類の判断
との関係を説明するための図である。
【図12】従来の装置に具備されるセンサーの出力を説
明するための図である。
【符号の説明】
1 ロール紙トレイ 2 記録紙 3 副走査ローラー対 4 テンションローラー対 5 第1の印字開始場所 6 第2の印字開始場所 7 キャリッジ 8 記録ヘッド 8k ブラック 8M マゼンタ 8C シアン 8Y イエロー 9 パルスモーター 10 伝達手段 11 支持部材 12 CCDセンサ 13 画像処理装置 14 矢印(記録紙の搬送方向) 15 原稿読み取り部 16 プラテン 17 レール 18 インク供給チューブ 19 フラットケーブル 20 矢印(第1の印字開始場所からの走査方向) 21 矢印(第2の印字開始場所からの走査方向) 22 駆動手段 30 センサーS1 31 センサーS2 32 ヘッドモーター 33 インクモーター 34 インクタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/205 B65H 7/14 9037−3F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体に入力画像情報を記録するた
    めの記録部と、該記録部へ複数種の前記被記録媒体を搬
    送することが可能な搬送手段とを有する記録装置におい
    て、 検知レベルの異なる複数の光学センサーと、該複数の光
    学センサーを構成する各センサーの検知結果をもとにし
    て前記被記録媒体の有無および種類を判定し、かつ前記
    判定にもとづいて前記被記録媒体に適した記録動作がな
    されるように前記記録部および前記搬送手段を制御する
    制御部とが設けれたことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録装置において、前記
    複数の光学センサーは、前記被記録媒体の面上で反射さ
    れる光の正反射角と異なる受光角を有するように配置さ
    れた反射型光学センサーを少なくとも一つ含むことを特
    徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の記録装置におい
    て、前記複数の光学センサーは、前記被記録媒体の端部
    の位置を検知するための光学センサーを少なくとも一つ
    含むことを特徴とする記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項記載の
    記録装置において、前記被記録媒体は、OHPフィルム
    であることを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項記載の
    記録装置において、前記記録部は、前記被記録媒体上に
    インク滴を吐出するための複数のノズルが形成されたイ
    ンクジェット記録ヘッドと該記録ヘッドへインクを供給
    するインクタンクとを搭載するキャリッジと、該キャリ
    ッジの駆動手段とを有することを特徴とする記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の記録装置において、 前記記録ヘッドは、前記インク滴を吐出するためのエネ
    ルギーを発生する手段として、前記インクに膜沸騰を生
    じさせる電気熱変換体を有することを特徴とする記録装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか一項記載の
    記録装置を、出力手段として具備したことを特徴とする
    情報処理システム。
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