JP2001088322A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクタンクを誤装着した場合の印刷間違いを
防止し得るインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】複数のインクタンク１３ａ〜１３ｄを着脱
自在に搭載するキャリッジ１０を有し、インクを吐出し
て記録を行うインクジェット記録装置において、キャリ
ッジ１０に装着されたインクタンク１３ａ〜１３ｄの種
類を検知するインクタンク検知部９０を設けたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出して
記録を行うインクジェット記録装置に関し、特に複数の
インクタンクが着脱自在のキャリッジを備えたものに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、Ｏ
ＨＰ用シート等の被記録媒体（以下単に記録紙ともい
う）に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方
式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方
式、インクジェット方式による記録ヘッドを搭載可能な
形態として提案されている。

【０００３】そのような記録装置のなかで、低騒音なノ
ンインパクト記録として、記録素子上に配置した吐出口
（ノズル）からインクを吐出させて記録紙上に記録を行
なうインクジェット方式の記録ヘッドを具備した記録装
置（以下、インクジェット記録装置という）は、高密度
かつ高速な記録動作が可能である。

【０００４】インクジェット記録装置は、該装置が適用
されるシステム等の固有の機能、仕様形態等に対応した
構成をとる。一般にインクジェット記録装置は、記録ヘ
ッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録
紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御
手段とを具備する。

【０００５】そして、複数の吐出口からインク滴を吐出
させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向（副走査方向）と
直交する方向（主走査方向）にシリアルスキャンさせ、
一方で非記録時に記録紙を記録幅に等しい量で間欠搬送
（ピッチ送り）するものである。インクを吐出する多数
のノズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッド
を用いることにより、記録ヘッドが記録紙上を一回走査
することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。

【０００６】また、インクジェット記録装置は、ランニ
ングコストが安く、装置のコンパクト化も可能であり、
さらに多色のインクを用いてカラー画像記録に対応する
ことも容易である。中でも、記録紙の幅方向に多数の吐
出口を配列したラインタイプの記録手段を使用したライ
ン型の記録装置は、記録の一層の高速化が可能である。

【０００７】上記の理由から、インクジェット記録装置
は、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファ
クシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワー
クステーション等の出力端末としてのプリンタ、あるい
はパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光デ
ィスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたは
ポータブルプリンタとして利用され、かつ商品化されて
いる。

【０００８】上記インクジェット記録装置の記録素子、
すなわちインクを吐出するためのエネルギを発生するエ
ネルギ発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械変
換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発
熱させ、この発熱による作用で液滴を吐出させるもの、
あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液
体を加熱させるものなどがある。

【０００９】その中でも熱エネルギを利用して液体を吐
出させる方式のインクジェット記録方式の記録ヘッド
は、上記液体吐出口を高密度に配列することができるた
めに高解像度の記録をすることが可能である。その中で
も電気熱変換素子をエネルギ発生手段として用いた記録
ヘッドは、コンパクト化も容易であり、かつ最近の半導
体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいＩＣ
技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高
密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利
である。

【００１０】記録ヘッドへインクを供給するためのイン
クタンクは、インク吸収体と、このインク吸収体を挿入
するための容器と、これを封止する蓋部材とで概略構成
される。

【００１１】また、上記記録ヘッドは、このようなイン
クタンクと一体化されたチップタイプのものと、インク
タンクと着脱自在に結合するものとがある。ランニング
コストを抑えるためには、インクタンク交換タイプが有
利である。

【００１２】カラー印刷を行う際に使用されるカラーヘ
ッドは、ブラックインクの入ったブラックタンクとイエ
ロー、マゼンタ、シアンの３色が−体になったカラータ
ンクを交換するタイプと、ブラック、イエロー、マゼン
タ、シアンのそれぞれのインクが入ったタンクを交換す
るタイプがある。また、最近は写真調の印刷を行う際に
濃度の薄いマゼンタ、シアンのインクが入ったタンクも
ある。各色ごとにインクタンクを交換するタイプは、無
くなったインクだけを交換することができるため、ラン
ニングコストが抑えられるという利点がある。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各色ご
とにインクタンクを交換するタイプは、インクタンクを
カラーヘッドの正規の位置に挿入するために、インクタ
ンクとヘッドに誤装着を防止する機構を設けることが必
要であった。また、各色のインクタンクの外形形状が同
一の場合には、カラーヘッド、もしくはインクジェット
記録装置本体に設けられたラベルの指示に従い、オペレ
ータがインクタンクを挿入するようにしていた。この場
合、ユーザーがインクタンクを誤装着すると、誤ったイ
ンクで印字を行ってしまい、印刷結果がおかしくなって
しまうという問題点があった。

【００１４】本発明は上記した従来技術の問題点を解決
するためになされたもので、その目的とするところは、
インクタンクを誤装着した場合の印刷間違いを防止し得
るインクジェット記録装置を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本請求項１に記載の発明は、複数のインクタンクを
着脱自在に搭載するキャリッジを有し、インクを吐出し
て記録を行うインクジェット記録装置において、前記キ
ャリッジに装着されたインクタンクの種類を検知する検
知手投を設けたことを特徴とする。

【００１６】キャリッジに装着されたインクタンクの種
類を検知する検知手段を設けたため、インクタンクの誤
装着を防止でき、そのまま印刷を行って印刷結果が乱れ
るということはない。

【００１７】また、請求項２に記載の発明は、前記検知
手段は前記インクタンクに光を照射する光源を有し、各
インクタンクのインクの色に対応する反射光の情報から
インクタンクの種類を検知することを特徴とする。

【００１８】光学的に検知することにより、インクの色
を識別可能である。

【００１９】請求項３に記載の発明は、光源が、赤、
緑、青の３種類の光源であることを特徴とする。赤、
緑、青の三種類の光源を利用することで、マゼンタ、イ
エロー、ブルーの３種類のインクの識別ができる。

【００２０】請求項４に記載の発明は、光源がインクタ
ンクのインクに光を照射することを特徴とする。インク
の色を直接検出することにより、インクタンク内のイン
クの有り無しも検知できる。

【００２１】請求項５に記載の発明は、光源がＬＥＤで
あることを特徴とする。ＬＥＤを使用すれば検知手段の
省スペース化を図れる。

【００２２】請求項６に記載の発明は、前記検知手段に
より前記キャリッジに前記インクタンクが誤装着されて
いると判断した際には、エラー表示をする表示手段を備
えていることを特徴とする。

【００２３】インクタンクを誤装着した際にはエラーの
表示を行えば、そのまま印刷を行って印刷結果が乱れる
ということはない。

【００２４】請求項７に記載の発明は、前記検知手段に
より前記キャリッジに前記複数のインクタンクの順番の
みが誤装着されていると判断した際には、誤装着されて
いるインクタンクの順番の情報をフィードバックし、通
常に印刷する制御手段を備えていることを特徴とする。

【００２５】また、複数のインクタンクを同時に交換す
る際、交換するインクタンクの順番のみ誤っている場合
には、どのような順番でインクタンクが装着されている
かの情報を電気基板にフィードバックし、インク吐出の
順序を変更するなどして正規に印刷を行うことを可能に
する。

【００２６】そのため誤ったインクタンクを装着しない
限り、装着する順番が誤っていても印刷を行うことがで
きるため、オペレータがインクタンクを交換する際に注
意深く作業する必要がなくなる。

【００２７】請求項８に記載の発明は、前記キャリッジ
は、熱エネルギによって形成されるインク液滴により記
録を行うことを特徴とする。このようなインクジェット
記録装置に好適である。

【００２８】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００２９】＜実施の形態１＞図１は本発明の実施の形
態１に係るインクジェット記録装置の斜視図、図２は同
インクジェット記録装置の断面図である。

【００３０】このインクジェット記録装置は、自動給紙
装置を有しており、給紙部、送紙部、排紙部、キャリッ
ジ部、クリーニング部から構成されるもので、キャリッ
ジ部に複数のインクタンク１３を着脱自在に搭載するキ
ャリッジ１２を有し、インクを吐出して記録を行うもの
で、記録ヘッド１２に装着されたインクタンク１３の種
類を検知する検知手段としてのインクタンク検知部９０
を備えている。

【００３１】まず、キャリッジ部について説明する。キ
ャリッジ部は、記録ヘッド１２と着脱自在に構成された
インクタンク１３により構成された記録手投であるヘッ
ドカートリッジ（カートリッジユニット）１１と、ヘッ
ドカートリッジ１１が着脱可能なキャリッジ１０とを備
えている。

【００３２】キャリッジ１０は、シート材Ｐの搬送方向
に対して直角方向に延伸するガイド軸４およびガイドレ
ール５により支持されている。ガイドレール５は、キャ
リッジ１０の後端を保持して、ヘッドカートリッジ１１
とシート材Ｐとの間隔を維持するものである。また、キ
ャリッジ１０は、キャリッジモータ３からタイミングベ
ルト７を介して伝達される駆動力により、ガイド軸４お
よびガイドレール５に沿つて往復走査する。なお、タイ
ミングベルト７はアイドルプーリ６によってテンション
をかけて支持されており、ガイド軸４、ガイドレール５
およびキャリッジモータ３はシャーシ１に取り付けられ
ている。さらに、キャリッジ１０にはシャーシ１の裏面
に固定された電気基板２からヘッドカートリッジ１１に
電気信号を伝えるためのフレキシブル基板（不図示）が
接続されている。

【００３３】本実施の形態では、シート材Ｐにおいて画
像形成が行われる行位置（シート材Ｐの搬送方向の位
置）にヘッドカートリッジ１１が対向するように、搬送
ローラ及びピンチローラによりシート材Ｐが搬送され
る。そして、キャリッジモータ３の駆動力により、画像
形成する列位置（シート材Ｐの搬送方向と垂直な位置）
にキャリッジ１０が移動して、ヘッドカートリッジ１１
の記録ヘッド１２が画像形成位置に対向する。その後、
電気基板２からの電気信号により記録ヘッド１２からシ
ート材Ｐに向けてインクが吐出して画像が形成される。

【００３４】ここで、図３を用いてヘッドカートリッジ
１１について説明する。図３はヘッドカートリッジ１１
を斜め上方から見た斜視図、図４は裏から見た図であ
る。

【００３５】ヘッドカートリッジ１１は、記録ヘッド１
２と、この記録ヘッド１２に着脱自在に構成された４つ
のインクタンク１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄにより
構成される。インクタンク１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１
３ｄは、インク吸収体と、このインク吸収体を挿入する
ための透明なプラスチックでできた容器と、これを封止
するための蓋部材とで概略構成される。それぞれのイン
クタンク１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄには、右側か
らイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクが入
っている。イエロー、マゼンタ、シアンのインクタンク
１３ａ、１３ｂ、１３ｃは外形形状が同一である。ブラ
ックのインクタンク１３ｄは他のインクタンクに比べて
外形形状が大きく、含まれているインク量が多い。ヘッ
ドカートリッジ１１を裏側から見ると、図４に示すよう
に、記録ヘッド１２のそれぞれのインクタンク１３ａ、
１３ｂ、１３ｃ、１３ｄに対応する位置に穴１２ａが空
いており、各インクタンク１３が見える構成となってい
る。

【００３６】従来より、インクジェット記録装置におい
て、インクをノズル１２ｂから吐出させるためのエネル
ギを発生するエネルギ発生手段（記録素子）としては、
ピエゾ素子等の電気機械変換体によってインクに加圧す
るものや、レーザー等の電磁波の照射あるいは発熱抵抗
体を有する電気熱変換素子の作用によってインクを加熱
して膨張または沸騰させるもの等がある。後者の熱エネ
ルギを利用して液体を吐出させる方式のインクジェット
記録ヘッドは、ノズルを高密度に配列することができる
ために高解像度の記録をすることが可能である。その中
でも電気熱変換素子をエネルギ発生手段として用いた記
録ヘッドは、コンパクト化が容易であり、かつ最近の半
導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいＩ
Ｃ技術やマイクロ加工技術の長所を十分に活用でき、高
密度実装化が容易で、製造コストも安価であるといった
利点がある。

【００３７】そこで本実施形態のヘッドカートリッジ１
１の記録ヘッド１２は、ヒータ等の発熱抵抗体を有する
電気熱変換素子によりインクに熱を与えるものである。
この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡
の成長または収縮によって生じる圧力変化によって記録
ヘッド１２のノズル１２ｂからインクが吐出されて画像
が形成される。

【００３８】次に、本発明の実施の形態１の特徴的な箇
所であるインクタンク検知部９０について詳細に説明す
る。

【００３９】インクタンク検知部９０は、インクジェッ
ト記録装置の正面から見て左側に位置し、キャリッジ１
０の移動範囲内にあり、かつキャリッジ１０の一部がイ
ンクタンク検知部９０の上を通過するように構成されて
いる。インクタンク検知部９０は、図５（ａ）、（ｂ）
に示すように、赤（レッド）、緑（グリーン）、青（ブ
ルー）の３色の光源としてのＬＥＤ９２ａ、９２ｂ、９
２ｃと、ＬＥＤ９２ａ、９２ｂ、９２ｃの反射光を結像
する結像レンズ９４、結像された反射光を受光する受光
部９３、受光部９３の情報を電気基板２に伝達するため
のリード線（不図示）、前記３色のＬＥＤ９２ａ、９２
ｂ、９２ｃ、受光部９３および結像レンズ９４をカバー
するためのカバー部材９１より構成される。

【００４０】前記カバー部材９１には上側に穴が設けら
れており、その穴からカバー部材９１の内部を見たのが
図５（ａ）である。図５（ｂ）はインクタンク検知部を
インクジェット記録装置の正面方向から見た図である。
ただし図５（ａ）には結像レンズ９４は図示していな
い、カバー部材９１の内側には、レッド、グリーン、ブ
ルーのＬＥＤ９２ａ、９２ｂ、９２ｃが一列に配置さ
れ、ＬＥＤ９２ａ、９２ｂ、９２ｃの反射光を受光する
受光部９３がＬＥＤ９２ａ、９２ｂ、９２ｃの横に配置
されている。結像レンズ９４は各インクタンク１３ａ、
１３ｂ、１３ｃ、１３ｄと受光部９３の中間に位置し、
ＬＥＤ９２ａ、９２ｂ、９２ｃのインクタンク１３での
反射光を結像する。また不図示のリード線により受光部
９３で検知した情報を電気基板２に伝達する。

【００４１】次に記録装置の動作を詳細に説明する。

【００４２】印刷中にインク切れが発生した場合は、カ
バー部材９１に設けられた不図示のヘッドカートリッジ
交換キーを押す。すると、キャリッジ１０はヘッドカー
トリッジ交換ポジションに移動する。ヘッドカートリッ
ジ交換ポジションでインク切れしたいずれかのインクタ
ンク１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄ（以下、いずれか
のインクタンクとして１３の符号を付す）を交換し、再
度ヘッドカートリッジ交換キーを押す。するとキャリッ
ジ１０はインクジェット記録装置の正面から見て左側に
移動し、インクタンク検知部９０のカバー部材９１の穴
の上に交換したいずれかのインクタンク１３ａ、１３
ｂ、１３ｃ、１３ｄが乗るような位置に移動する。

【００４３】まず、レッド（Ｒ）のＬＥＤ９２ａが記録
ヘッド１２の穴１２ａから見えるいずれかのインクタン
ク１３を照射し、インクタンク１３の反射光が結像レン
ズ９４を経由して光電変換特性を持つ受光部９３に受光
される。次に、グリーン（Ｇ）のＬＥＤ９２ｂがインク
タンク１３を照射し、その反射光が結像レンズ９４を経
由して受光部９３に受光される。最後に、ブルー（Ｂ）
のＬＥＤ９２ｃがインクタンク１３を照射し、その反射
光が結像レンズ９４を経由して受光部９３に受光され
る。

【００４４】３色のＬＥＤ９２がインクタンク１３を照
射した反射光の受光部９３のデータより、装着されてい
るインクタンク１３の種類を検知する。その際、正規の
インクタンクが装着されている場合は、インクジェット
記録装置の次の動作に移行する。もし正規のインクタン
クとは異なるインクタンクが装着されている場合には、
ブザーを鳴らすなどして表示手段によってエラー表示を
行い、オペレータに正規のインクタンクを装着するよう
に促す。

【００４５】たとえば、図６に示すように、イエローの
インクが切れた場合（図６（ａ）参照）、イエローのイ
ンクタンク１３ａを取り外す（図６（ｂ）参照）。ここ
で誤ってマゼンタのインクタンク１３ｂを装着したとす
る（図６（ｄ）参照）。キャリッジ１０は記録装置の左
側に移動する。そして、いま装着したインクタンク（マ
ゼンタ）１３ｂが、インクタンク検知部９０のカバー部
材９１の穴の上に来るような位置で停止する。そこでレ
ッド、グリーン、ブルーのＬＥＤ９２を順番にインクタ
ンク１３ｂに照射し、それぞれの反射光の受光部９３の
データより、装着されているインクタンク１３ｂがマゼ
ンタであると判断する。本来イエローのインクタンク１
３ａが装着されるべき箇所にマゼンタのインクタンク１
３ａが装着されているため、エラーと判断し、エラー表
示する。インクタンク交換の際に、正規のイエローのイ
ンクタンク１３ａが装着されていればエラー表示は行わ
れない（図６（ｃ）参照）。

【００４６】以上のように、正規のインクタンクと異な
るインクタンクが誤って装着されたとしてもエラーの表
示が行われ、そのまま印刷を行って印刷結果が乱れると
いうことがない。

【００４７】また、同時に複数のインクタンクを交換し
た場合は、それぞれ交換したインクタンク１３がインク
タンク検知部９０のカバー部材９１の穴の上に来るよう
に移動し、３色のＬＥＤ９２を照射し装着されているイ
ンクタンク１３の種類を判断する。

【００４８】たとえば、図７のように、シアン、マゼン
タ、イエローのインクタンク１３ｃ、１３ｂ、１３ａを
交換する場合、前記ヘッドカートリッジ交換ポジション
でシアン、マゼンタ、イエローのインクタンクを取り外
す（図７（ｂ）参照）。ここで誤って左からシアン、イ
エロー、マゼンタの順番にインクタンク１３ｃ、１３
ａ、１３ｂを装着したとする（図７（ｄ）参照）。キャ
リッジ１０はインクジェット記録装置の左側に移動す
る。まず、今装着されたインクタンクの最も左側にある
シアンのインクタンク１３ｃが、インクタンク検知部９
０のレバー部材９１の穴の上に来るような位置で停止す
る。

【００４９】そこでレッド、グリーン、ブルーのＬＥＤ
９２ａ、９２ｂ、９２ｃを順番にインクタンク１３ｃに
照射し、それぞれの反射光の受光部９３のデータより、
装着されているインクタンク１３ｃがシアンであると判
断される。シアンのインクタンク１３ｃが装着されるべ
き箇所にシアンのインクタンク１３ｃが装着されている
ため問題なしと判断する。

【００５０】次に、シアンの右隣りのイエローのインク
タンク１３ａ（本来マゼンタが装着されるべき箇所）
が、カバー部材９１の穴の上に来るような位置で停止す
る。そこでレッド、グリーン、ブルーのＬＥＤ９２を順
番にインクタンク１３に照射し、それぞれの反射光の受
光部のデータより、装着されているインクタンクがイエ
ローであると判断される。マゼンタのインクタンク１３
ｂが装着されるべき箇所にイエローのインクタンクが装
着されているため、エラーと判断し、エラー表示する。

【００５１】インクタンク１３のＬＥＤ９２を照射する
箇所にインクと同じ色のラベルを貼り付けてもインクタ
ンク１３の検知は行えるが、ＬＥＤ９２を直接インクに
照射するため、インクの有り無しも検知することができ
る。

【００５２】以上のように正規のインクタンクと異なる
インクタンクが誤って装者されたとしても、エラーの表
示が行われそのまま印刷を行って印刷結果が乱れるとい
うことがない。

【００５３】＜実施の形態２＞図８に本発明の実施の形
態２に係るインクジェット記録装置を示す、同時に複数
のインクタンクを交換する場合、上記実施の形態１にお
いては１ケ所でも誤ったインクタンクが装着されている
時点で、エラーと判断しエラー表示を行った。しかし、
本実施の形態２では交換したインクタンクすべての種類
を検知する。

【００５４】たとえば、図８のように、本来左からシア
ン、マゼンタ、イエローの順番にインクタンク１３ｃ、
１３ｂ、１３ａが装着される箇所に、シアン、イエロ
ー、マゼンタの順番にインクタンク１３ｃ、１３ａ、１
３ｂを装着したとする。上記実施の形態１では、シアン
のインクタンク１３ｃを検知後、イエローのインクタン
ク１３ａを検知し、その時点で誤ったインクタンクが装
着されていると認識し、エラーと判断していた。本実施
の形態２では、イエローのインクタンク１３ａを検知
後、隣のマゼンタのインクタンク１３ｂを検知する。こ
の場合、本来装着されるべき箇所に該当するインクタン
クが装着されていないが、順番のみ誤って装着されてい
ると認識し、エラーとは判断しない。そして、どのよう
な順番でインクタンクが装着されているかの情報を制御
手段としてのマイクロコンピュータ等が組み込まれた電
気基板２にフィードバックし、インク吐出の順序を変更
するなどして正規に印刷を行うようになっている。

【００５５】本実施の形態２によれば、誤ったインクタ
ンクを装着しない限り、装着する順番が誤っていても印
刷を行うことができるため、オペレータがインクタンク
を交換する際に注意深く作業する必要がなくなる、その
他の構成については実施の形態１と同様である。

【００５６】＜実施の形態３＞次に、図９乃至図１１を
用いて本発明の実施の形態３を説明する。図９は本発明
の実施の形態３に係るインクジェット記録装置の斜視図
であり、図１０及び図１１は実施の形態３に使用される
ヘッドカートリッジの斜視図である。

【００５７】この実施の形態３では、キャリッジ２０に
種類の違うヘッドカートリッジとしてのフォトヘッド２
１とカラーヘッド３１が２個積載されており、この２個
のフォトヘッド２１とカラーヘッド３１は記録紙搬送方
向に所定量（たとえば略４ｍｍ）ずれている。フォトヘ
ッド２１は、図１０に示すように、濃度の薄いマゼン
タ、シアンのインクタンク２３ａ、２３ｂとブラックの
インクタンク２３ｃを有するヘッドカートリッジであ
り、裏側から見ると、図１１に示すように、記録ヘッド
２２のそれぞれのインクタンク２３ａ、２３ｂ、２３ｃ
に対応する位置に穴１２ａが空いており、各インクタン
ク２３ａ、２３ｂ、２３ｃが見える構成となっている。

【００５８】カラーヘッド３１は、特に図示しないが、
実施の形態１、２と同様のイエロー、マゼンタ、シアン
のインクタンクを有するヘッドカートリッジである。

【００５９】この組み合わせで６色のインクで印刷する
ことになり、写真調の印刷を鮮明に行うことが可能であ
る。あるいは、フォトヘッド２１を大容量のブラックの
インクタンクを有するブラックヘッドに交換して、テキ
スト印字を高速で行ったり、ビジネスカラーを高速で印
刷することも可能である。

【００６０】大容量のブラックのインクタンク以外の、
６色のインクタンクの外形形状は同一である。インクタ
ンク交換の際に、実施の形態１のように誤ったインクタ
ンクを装着した場合には、エラー表示を行う。よって、
正規のインクタンクと異なるインクタンクが誤って装着
されたとしてもエラーの表示が行われ、そのまま印刷を
行って印刷結果が乱れるということがない。

【００６１】また、実施の形態２のように、複数のイン
クタンクを交換する際に、順番のみ誤って装着した場合
は、どのような順番でインクタンクが装着されているか
の情報を電気基板にフイードバックし、インク吐出の順
序を変更するなどして正規に印刷を行うことができる。

【００６２】誤ったインクタンクを装着しない限り、装
着する順番が誤っていても印刷を行うことができるた
め、オペレータがインクタンクを交換する際に注意深く
作業する必要がなくなる。

【００６３】その他の構成については実施の形態１と同
様である。

【００６４】＜その他＞なお、上述の実施の形態におい
ては、キャリッジにインクジェット記録ヘッドを搭載す
るプリンタを用いて本発明を説明したが、例えば、イン
クジェット記録ヘッドとほぼ同一の外形を備えること
で、このキャリッジにインクジェット記録ヘッドと交換
可能にキャリッジに搭載することのできるスキャナユニ
ットを備え、プラテンに支持される原稿シートから画像
情報を読み取ることのできる情報処理装置であっても本
発明を説明した構成を好適に用いることができる。

【００６５】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギを利用して飛翔的液滴を形成、記録
を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッドを使用す
るインクジェット記録装置において優れた効果をもたら
すものである。

【００６６】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。

【００６７】この記録方式を簡単に説明すると、液体
（インク）が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
に膜沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるような急速な
温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動信号を印
加することによって、熱エネルギを発生せしめ、記録ヘ
ッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。このように液体
（インク）から電気熱変換体に付与する駆動信号に一対
一対応した気泡を形成できるため、特にオンデマンド型
の記録法には有効である。この気泡の成長、収縮により
吐出孔を介して液体（インク）を吐出させて、少なくと
も一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とす
ると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特
に応答性に優れた液体（インク）の吐出が達成でき、よ
り好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第４４６３３５９号明細書、同第４３４５２６２号
明細書に記載されているようなものが適している、な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第４３１３１２４号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行なうことができる。

【００６８】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体の組み合わせ構成（直線液状流路または直角液流路）
の他に、米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許
第４４５９６００号明細書に開示されているように、熱
作用面が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本
発明に含まれる。

【００６９】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を閑
示する特開昭５９年第１２３６７０号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭５９年第１３８４６１号公報に基づいた構
成においても本発明は有効である。

【００７０】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドとがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数個組み合わせることに
よってフルライン構成にしたものや、一体的に形成され
た１個の記録ヘッドであってもよい。

【００７１】また、本発明のインクジェット記録装置
に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な補助手段等
を付加することは、本発明の記録装置を一層安定にする
ことができるので好ましいものである。これらを具体的
に挙げれば、記録ヘッドに関しての、キャッピング手
段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の租み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モードを行なう手段を付加することも安
定した記録を行なうために有効である。

【００７２】以上説明した本発明実施の形態において
は、液体インクを用いて説明しているが、本発明では室
温で固体状であるインクであっても、室温で軟化状態と
なるインクであっても用いることができる。上述のイン
クジェット装置ではインク自体を３０℃以上７０℃以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液体をなすものであれば
よい。

【００７３】加えて、熱エネルギによるヘッドやインク
の過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状態
変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止
するか、または、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることもできる。いずれにし
ても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインク
が液化してインク液状として吐出するものや記録媒体に
到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、
熱エネルギの付与によって初めて液化する性質を持つイ
ンクの使用も本発明には適用可能である。

【００７４】このようなインクは、特開昭５４−５６８
４７号公報あるいは特開昭６０−７１２６０号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としてもよい。

【００７５】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取る
ものであってもよい。

【００７６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような格別の効果が得られる。

【００７７】請求項１に記載の発明によれば、複数のイ
ンクタンクを着脱自在に搭載するキャリッジを有し、イ
ンクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置にお
いて、前記キャリッジに装着されたインクタンクの種類
を検知する検知手投を設けたことにより、インクタンク
の誤装着を防止でき、そのまま印刷を行って印刷結果が
乱れるということはない。

【００７８】また、請求項２に記載の発明によれば、前
記検知手段は前記インクタンクに光を照射する光源を有
し、各インクタンクのインクの色に対応する反射光の情
報からインクタンクの種類を検知することにより、イン
クの色を識別可能である。

【００７９】請求項３に記載の発明によれば、光源が、
赤、緑、青の３種類の光源であることにより、マゼン
タ、イエロー、ブルーの３種類のインクの識別ができ
る。

【００８０】請求項４に記載の発明によれば、光源がイ
ンクタンクのインクに光を照射することにより、インク
タンク内のインクの有り無しも検知できる。

【００８１】請求項５に記載の発明によれば、光源がＬ
ＥＤであることにより、検知手段の省スペース化を図れ
る。

【００８２】請求項６に記載の発明によれば、前記検知
手段により前記キャリッジに前記インクタンクが誤装着
されていると判断した際には、エラー表示をする表示手
段を備えていることにより、そのまま印刷を行って印刷
結果が乱れるということはない。

【００８３】請求項７に記載の発明によれば、前記検知
手段により前記キャリッジに前記複数のインクタンクの
順番のみが誤装着されていると判断した際には、誤装着
されているインクタンクの順番の情報をフィードバック
し、通常に印刷する制御手段を備えていることにより、
インク吐出の順序を変更するなどして正規に印刷を行う
ことが可能になる。そのため誤ったインクタンクを装着
しない限り、装着する順番が誤っていても印刷を行うこ
とができ、オペレータがインクタンクを交換する際に注
意深く作業する必要がなくなる。

【００８４】請求項８に記載の発明によれば、キャリッ
ジは、熱エネルギによって形成されるインク液滴により
記録を行うことにより、コンパクトで、しかもインクタ
ンクの誤装着を防止し得るインクジェット記録装置を実
現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１に係るインクジェット記
録装置の斜視図である。

【図２】図１の装置の断面図である。

【図３】図１の装置のヘッドカートリッジの斜視図であ
る。

【図４】図３のヘッドカートリッジを裏面から見た斜視
図である。

【図５】図１の装置のインクタンク検知部を説明するた
めの図である。

【図６】図１の装置のインクタンクの検知動作を説明す
るための図である。

【図７】図１の装置のインクタンクの他の検知動作を説
明するための図である。

【図８】本発明の実施の形態２に係るインクジェット記
録装置のインクタンクの検知動作を説明するための図で
ある。

【図９】本発明の実施の形態３に係るインクジェット記
録装置の斜視図である。

【図１０】図９の装置のヘッドカートリッジの斜視図で
ある。

【図１１】図１０のヘッドカートリッジを裏面から見た
斜視図である。

【符号の説明】

１ シャーシ ２ 電気基板 ３ キャリッジモータ ４ ガイド軸 ５ ガイドレール ６ アイドルプーリ ７ タイミングベルト １０ キャリッジ １１ ヘッドカートリッジ １２ 記録ヘッド １３ａ〜１３ｄ インクタンク ２０ キャリッジ ２１ フォトヘッド ２２ 記録ヘッド ２３ インクタンク２ ３１ カラーヘッド ９０ インクタンク検知部 ９１ カバー部材 ９２ａ〜９２ｃ ＬＥＤ ９３ 受光部 ９４ 結像レンズ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のインクタンクを着脱自在に搭載する
   キャリッジを有し、インクを吐出して記録を行うインク
   ジェット記録装置において、 前記キャリッジに装着されたインクタンクの種類を検知
   する検知手投を設けたことを特徴とするインクジェット
   記録裳置。
2. 【請求項２】前記検知手段は前記インクタンクに光を照
   射する光源を有し、各インクタンクのインクの色に対応
   する反射光の情報からインクタンクの種類を検知するこ
   とを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装
   置。
3. 【請求項３】光源が、赤、緑、青の３種類の光源である
   ことを特徴とする請求項２に記載のインクジェット記録
   装置。
4. 【請求項４】光源がインクタンクのインクに光を照射す
   ることを特徴とする請求項２または３に記載のインクジ
   ェット記録装置。
5. 【請求項５】光源がＬＥＤであることを特徴とする請求
   項２乃至４のいずれかの項に記載のインクジェット記録
   装置。
6. 【請求項６】前記検知手段により前記キャリッジに前記
   インクタンクが誤装着されていると判断した際には、エ
   ラー表示をする表示手段を備えていることを特徴とする
   請求項１乃至５のいずれかの項に記載のインクジェット
   記録装置。
7. 【請求項７】前記検知手段により前記キャリッジに前記
   複数のインクタンクの順番のみが誤装着されていると判
   断した際には、誤装着されているインクタンクの順番の
   情報をフィードバックし、通常に印刷する制御手段を備
   えていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかの
   項に記載のインクジェット記録装置。
8. 【請求項８】前記キャリッジは、熱エネルギによって形
   成されるインク液滴により記録を行うことを特徴とする
   請求項１乃至７のいずれかの項に記載のインクジェット
   記録装置。