JP2001197324A - 2色分版方法、2色分版装置及び孔版印刷装置 - Google Patents

2色分版方法、2色分版装置及び孔版印刷装置

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JP2001197324A JP2000010071A JP2000010071A JP2001197324A JP 2001197324 A JP2001197324 A JP 2001197324A JP 2000010071 A JP2000010071 A JP 2000010071A JP 2000010071 A JP2000010071 A JP 2000010071A JP 2001197324 A JP2001197324 A JP 2001197324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆるプリンタドライバ上から2色分解の
指定が可能で、任意の一般的なアプリケーションソフト
を用いて容易に2色分版を連続的に行える2色分版方法
を提供する。 【解決手段】 色情報を含んで入力された文書データの
全てを256階調のグレースケールデータに変換し(S
4)、分版用閾値として指定された所望の階調値よりも
明るいグレースケールデータを抜き出して第1の分版デ
ータを生成するとともに、前記階調値よりも暗い残りの
グレースケールデータを抜き出して第2の分版データを
生成する(S12,S13,S14)ことで、色情報を
含む文書データに関して特色分解に対応していないアプ
リケーションから入力された場合であっても、特色を指
定した2色分解による分版を連続的に行わせることがで
きるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー印刷機やカ
ラープリンタにおいて特色を利用した2色の単色カラー
印刷を行うための2色分版方法、2色分版装置及び孔版
印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フルカラー印刷機やフルカラー
プリンタでは、ブラックKのほかに、イエローY、マゼ
ンタM、シアンCの4色のカラーインキやカラートナー
を備えており、これらの混色によりフルカラー印刷が可
能とされている。ここに、色情報を含む文書データに関
してフルカラー印刷する場合には、各色Y,M,C,K
毎の分版ファイルを作成することが必要とされる。
【0003】ここに、フルカラー印刷に関してはその品
質がかなり向上しているが、現状のフルカラー孔版印刷
機では、レジスト精度の問題があり、なかなか実用化さ
れない状況にある。かといって、1色のみの単色印刷だ
けではアピール度が小さく宣伝効果が上がらないので、
2色の単色カラー印刷を可能とし、2色のうちの1色を
特色(スポットカラー)としてスポット的に用いて印刷
結果を差別化したいというユーザの要求がある。
【0004】色情報を含む文書データに関してこのよう
に2色の単色カラー印刷する場合にも、2色に関して各
色毎の分版ファイルを作成することが必要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような特色を利用
した印刷を行う場合、従来にあっては、一般には、特色
分版機能を有するアプリケーションソフトを利用して分
版ファイルを作成する必要がある。この際、分版したい
色はアプリケーション上で明確に指定する必要がある。
何れにしても、特別なアプリケーションを必要とし、一
般的なアプリケーションソフトでは対処できず、不便で
ある。
【0006】ちなみに、特開平9−167247号公報
によれば、特別なアプリケーションを用いることなく、
分版ファイルを作成するために、色情報をテーブルに保
存し、特色以外の色データを全て白データに置き換える
ことにより特色用の分版ファイルを作成する提案がなさ
れている。しかし、この場合も、適用対象となる文書デ
ータの言語がページ記述言語に限られており、汎用性を
持たせる等の点でまだ不十分である。
【0007】一方、一般のアプリケーションソフトを用
いて特色分版を行うこと自体は可能であるが、一般のア
プリケーションソフトを用いて2色印刷を行う場合には
各々の色毎に1ページずつの分版データを作成する必要
がある。即ち、多色が使われた文書データからは特色分
版を直接連続的に生成することはできず、色毎に作成す
る必要があり、取り扱いが煩雑となる。現実的にも、一
般のアプリケーションソフトで特色毎にページデータを
作成するのは、版間の位置合わせや全体のプレビューの
確認が取りにくく、かつ、修正も困難で手間のかかる対
応策となる。
【0008】そこで、本発明は、いわゆるプリンタドラ
イバ上から2色分解の指定が可能で、任意の一般的なア
プリケーションソフトを用いて容易に2色分版を連続的
に行うことができる2色分版方法及び2色分版装置を提
供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、パソコン等により作成さ
れた文書データはもちろん、スキャナにより読取られた
文書データの他、既に作成済みで蓄積されている文書デ
ータであっても、分版対象とし得る他、その文書データ
のデータ形式等を特に問わない汎用性の高い2色分版方
法及び2色分版装置を提供することを目的とする。
【0010】さらには、本発明は、色分解に関する分版
用閾値の指定が容易な2色分版方法及び2色分版装置を
提供することを目的とする。
【0011】さらには、本発明は、オブジェクトの種類
に応じて取捨選択する編集機能を持たせ得る2色分版方
法及び2色分版装置を提供することを目的とする。
【0012】さらには、本発明は、このような2色分版
装置を利用することにより連続的に2色の分版を製版す
ることができ、2色の単色カラー印刷への対応が容易な
孔版印刷装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の2
色分版方法は、入力された階調表現可能な文書データの
全てをモノクログレースケールデータに変換し、分版用
閾値として指定された所望の階調値を境に前記モノクロ
グレースケールデータを2分して2版の分版データを生
成するようにした。
【0014】従って、階調表現の典型例であり0%から
100%まで濃度を変化させてなるモノクログレースケ
ールデータを利用するものとし、文書データの全てをモ
ノクログレースケールデータに変換した後、分版用閾値
として指定された階調値を境にモノクログレースケール
データを2分して2版の分版データを生成することによ
り、特色分版用の特別なアプリケーションソフトを用い
ることなく、任意の一般的なアプリケーションソフトに
より作成された文書データに関して簡便に2色の単色カ
ラー印刷用の分版データを作成することができる。この
際、文書データとしては既存のデータ形式を活用し得る
ので、分版に際しての修正や位置合わせも容易となる。
【0015】請求項2記載の発明の2色分版方法は、色
情報を含んで入力された文書データの全てを256階調
のグレースケールデータに変換して前記色情報を破棄
し、分版用閾値として指定された所望の階調値よりも明
るいグレースケールデータを抜き出して第1の分版デー
タを生成するとともに、前記階調値よりも暗い残りのグ
レースケールデータを抜き出して第2の分版データを生
成するようにした。
【0016】従って、基本的には請求項1記載の発明と
同様であり、入力される文書データがモノクロ原稿であ
ってもこれをその階調に従い2色に分版して2色の印刷
を行わせることにより色付きの原稿として宣伝効果を持
たせ得るが、本発明では、典型例として、色情報を含む
文書データに関して特色分解に対応していないアプリケ
ーションから入力された場合であっても、特色を指定し
た2色分解による分版を連続的に行わせることができ
る。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の2色分版方法において、前記分版用閾値の指定は、
前記文書データ中に含まれるN色中の1色の指定により
行うようにした。
【0018】従って、分版用閾値の指定、即ち、いわゆ
る特色の指定は文書データ中に含まれるN色中の1色を
指定する方法であるので、細かい指定や調整は必要なく
簡潔的な指定方法となる。残りの(N−1)色分はまと
めて1つの分版を生成させるものとして処理され、処理
が簡易化される。この指定された色はグレースケール変
換に伴い、階調値に変換される。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の2色分版方法において、前記文書データ中に含
まれるオブジェクトの種類毎にその分版データを作成す
るか否かを選択指定自在とした。
【0020】従って、オブジェクトの種類に応じてその
オブジェクトを分版の対象とするか否かを取捨選択する
編集機能を持たせることができ、ユーザ所望通りの仕上
りとすることができる。
【0021】請求項5記載の発明の2色分版装置は、2
色分解及び分版用閾値としての所望の階調値を指定する
指定手段と、この指定手段により2色分解が指定された
場合に入力された階調表現可能な文書データの全てをモ
ノクログレースケールデータに変換するグレースケール
変換手段と、指定された前記階調値に対して前記グレー
スケール変換手段により変換された前記モノクログレー
スケールデータの大小を判別する閾値判別手段と、この
閾値判別手段による判別結果に応じて前記モノクログレ
ースケールデータを2分して2版の分版データをページ
メモリに展開するメモリ展開手段と、前記ページメモリ
に展開された2版の分版データを外部に出力する出力手
段と、を備える。
【0022】従って、階調表現の典型例でありグレース
ケール変換手段により0%から100%まで濃度を変化
させてなるモノクログレースケールデータを利用するも
のとし、文書データの全てをモノクログレースケールデ
ータに変換した後、指定手段により分版用閾値として指
定された階調値を境にモノクログレースケールデータを
閾値判別手段により2分し、メモリ展開手段により2版
の分版データを生成することにより、特色分版用の特別
なアプリケーションソフトを用いることなく、任意の一
般的なアプリケーションソフトにより作成された文書デ
ータに関して簡便に2色の単色カラー印刷用の分版デー
タを作成することができる。この際、文書データとして
は既存のデータ形式を活用し得るので、分版に際しての
修正や位置合わせも容易となる。
【0023】請求項6記載の発明の2色分版装置は、2
色分解及び分版用閾値としての所望の階調値を指定する
指定手段と、この指定手段により2色分解が指定された
場合に色情報を含んで入力された文書データの全てを2
56階調のグレースケールデータに変換して前記色情報
を破棄するグレースケール変換手段と、指定された前記
階調値に対して前記グレースケール変換手段により変換
された前記グレースケールデータの明暗を判別する閾値
判別手段と、この閾値判別手段により前記階調値よりも
明るいと判別されたグレースケールデータを抜き出して
第1の分版データをページメモリに展開するとともに、
前記階調値よりも暗いと判別された残りのグレースケー
ルデータを抜き出して第2の分版データをページメモリ
に展開するメモリ展開手段と、前記ページメモリに展開
された2版の分版データを外部に出力する出力手段と、
を備える。
【0024】従って、基本的には請求項5記載の発明と
同様であり、入力される文書データがモノクロ原稿であ
ってもこれをその階調に従い2色に分版して2色の印刷
を行わせることにより色付きの原稿として宣伝効果を持
たせ得るが、本発明では、典型例として、色情報を含む
文書データに関して特色分解に対応していないアプリケ
ーションから入力された場合であっても、特色を指定し
た2色分解による分版を連続的に行わせることができ
る。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載の2色分版装置において、前記指定手段による前記分
版用閾値の指定は、前記文書データ中に含まれるN色中
の1色の指定により行うようにした。
【0026】従って、分版用閾値の指定、即ち、いわゆ
る特色の指定は文書データ中に含まれるN色中の1色を
指定する方法であるので、細かい指定や調整は必要なく
簡潔的な指定方法となる。残りの(N−1)色分はまと
めて1つの分版を生成させるものとして処理され、処理
が簡易化される。この指定された色はグレースケール変
換に伴い、階調値に変換される。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項5,6又は
7記載の2色分版装置において、前記文書データ中に含
まれるオブジェクトの種類毎にその分版データを作成す
るか否かを選択自在に指定する指定手段と、前記文書デ
ータ中に含まれるオブジェクトの種類を判別するオブジ
ェクト判別手段とを備え、前記指定手段により指定され
た種類のオブジェクトのみを分版の対象とするようにし
た。
【0028】従って、オブジェクトの種類に応じてその
オブジェクトを分版の対象とするか否かを取捨選択する
編集機能を持たせることができ、ユーザ所望通りの仕上
りとすることができる。
【0029】請求項9記載の発明の孔版印刷装置は、請
求項5ないし8の何れか一に記載の2色分版装置の出力
手段から出力される2版の分版データに基づき各々製版
処理を行う少なくとも1つの製版部と、これらの製版部
により製版されたマスタ及び特色インキを用いて同一の
印刷用紙に2色の印刷を順次行う少なくとも1つの印刷
部と、を備える。
【0030】従って、請求項5ないし8の何れか一に記
載の2色分版装置を利用することにより連続的に2色の
分版を製版することができ、2色の単色カラー印刷への
対応が容易な孔版印刷装置を提供できる。
【0031】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
孔版印刷装置において、前記印刷部は、分版用閾値とし
て指定された階調値に対して印刷時の階調値が補正自在
である。
【0032】従って、ユーザ所望通りの印刷仕上りとす
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。本実施の形態の2色分版方法及び2色
分版装置は、例えばパソコンを文書データの入力手段と
する2色の単色カラー孔版印刷装置に適用されており、
まず、その2色の単色カラー孔版印刷装置の構成例を図
1に示す。
【0034】この2色の単色カラー孔版印刷装置には、
軸線を中心として回転自在に設けられて各々軸線が平行
となるように配置されて印刷部P,P′の主体となる多
孔性円筒状の2個の版胴1,1a、これらの版胴1,1
aの外周面に接離する位置へ移動自在に設けられて版胴
1,1aの軸線と平行な軸線を中心として回転自在なプ
レスローラ2,2a、版胴1,1aの外周面に巻き付け
られるマスタ3,3aを製版する製版部4,4a、プレ
スローラ2,2aを版胴1,1aに接離する位置へ移動
させる移動機構(図示せず)、使用済みのマスタ3,3
aを版胴1,1aから剥がして収容する排版部5,5
a、印刷用紙6を収容する給紙台7、版胴1とプレスロ
ーラ2との間へ給紙される印刷用紙6の給紙タイミング
を図るレジストローラ8、版胴1,1a側での印刷が終
了した印刷用紙6をこの印刷用紙6の搬送方向下流側へ
搬送する搬送機構9,9a、版胴1a側での印刷が終了
して搬送機構9aで搬送された印刷用紙6が排紙される
排紙トレイ10等が設けられている。
【0035】製版部4,4aは、プラテンローラ11,
11a、多数の発熱素子を備えてプラテンローラ11,
11aの外周面に押圧されるサーマルヘッド12,12
a、カッタ13,13a、マスタガイド板14,14
a、補助ローラ15,15a等により構成されている。
プラテンローラ11,11aと補助ローラ15,15a
とは、ステッピングモータ(図示せず)により回転駆動
される。プラテンローラ11,11aが回転駆動される
ことによりロール状態に巻かれているマスタ原紙16,
16aが引き出され、サーマルヘッド12,12aの発
熱素子が画像データに応じて発熱され、マスタ原紙1
6,16aが加熱溶融穿孔(製版)されることによりマ
スタ3,3aが作られる。マスタ3,3aは、プラテン
ローラ11,11a及び補助ローラ15,15aからの
駆動力によりマスタガイド板14,14a上を版胴1,
1a側へ向けて搬送され、版胴1,1aの外周面に巻き
付けられる。カッタ13,13aはステッピングモータ
のステップ数に応じた所定のタイミングで駆動され、こ
のカッタ13,13aの駆動によりマスタ3,3aが所
定長さにカットされる。
【0036】版胴1,1aの外周面には、開閉機構(図
示せず)に連結されたクランパ17,17aが開閉自在
に設けられている。マスタガイド板14,14aの先端
部に対向する位置で開放されていたクランパ17,17
aがステッピングモータのステップ数に応じた所定のタ
イミングで閉止位置へ回動することにより、製版部4,
4aから搬送された製版済みのマスタ3,3aの先端部
がクランパ17,17aにより挟持される。
【0037】版胴1,1aの内部には、版胴1,1aの
軸線上に位置して版胴1,1aを回転自在に支持する支
軸を兼ねたインキパイプ18,18a、版胴1,1aの
内周面と微小隙間をもって矢印で示す時計方向へ回転駆
動されるインキローラ19,19a、インキローラ1
9,19aの外周面との間に微小隙間をもって配置され
たドクターローラ20,20a等が設けられている。イ
ンキローラ19,19aの外周面とドクターローラ2
0,20aの外周面とで挟まれた部分には、インキパイ
プ18,18aから供給されたインキ(例えば、シアン
インキとブラックインキ)が貯溜されるインキ溜り2
1,21aが形成されている。
【0038】排版部5,5aは、排版収納ボックス2
2,22a、版胴1,1aから剥がされたマスタ3,3
aを排版収納ボックス22,22a内へ送り込む排版ロ
ーラ23,23a等により構成されている。
【0039】搬送機構9,9aは、少なくとも一方が回
転駆動される一対の搬送ローラ24,25,24a,2
5a、これらの搬送ローラ24,25,24a,25a
の周りに捲き付けられた搬送ベルト26,26a、印刷
用紙6を搬送ベルト26,26aに吸着させる吸着ファ
ン27,27a等により構成されている。なお、印刷用
紙6の搬送方向に沿った各版胴1,1aの下流側には、
印刷用紙6を版胴1,1aから剥がす剥離爪28,28
aが設けられている。
【0040】図2はプリンタドライバ31を介してパソ
コン32に接続された2色の単色カラー孔版印刷装置の
制御構成を示すブロック図である。CPU33に対し
て、制御プログラムなどの固定データが格納されたRO
M34、分版データなどの各種のデータを格納するペー
ジメモリ等を備えたRAM35、ワークエリア36、モ
ータ等の各種負荷37、各種センサ38、各種の操作キ
ーや表示部を備えた操作部39、サーマルヘッド用画像
処理部40を介したサーマルヘッド12,12a等が接
続されている。
【0041】ここに、本実施の形態では、パソコン32
が孔版印刷装置に対する文書データ等の入力装置として
機能する。このパソコン32が有するキーボード操作等
を通じて、印刷画面上で2色分解モードの指定、分版用
閾値としての階調値の入力指定、さらには処理対象とす
るオブジェクトの種類(テキスト、図形、画像)の選択
指定が可能とされている。ここに、指定手段としての機
能が実現される。
【0042】このようなパソコン32から入力される文
書データに関して、プリンタドライバ31を介して、R
OM34に格納されたプログラムに従いCPU33によ
り実行される2色分版処理機能の機能的構成図を図3に
示す。これは、パソコン32を入力装置とし、製版部
4,4aにおけるサーマルヘッド12,12aを出力装
置とするもので、グレースケール変換手段41とオブジ
ェクト判別手段42と閾値判別手段43とメモリ展開手
段44と出力手段45とにより構成されている。
【0043】グレースケール変換手段41は、2色分解
が指定された場合に色情報を含んで入力された文書デー
タの全てを0〜255なる256階調のグレースケール
データに変換して色情報を破棄する処理を実行する。オ
ブジェクト判別手段42は、文書データ中に含まれるオ
ブジェクトの種類を判別する処理を実行する。これらの
グレースケール変換手段41及びオブジェクト判別手段
42の機能は周知の技術により実現可能である。例え
ば、グレースケール変換手段に関しては、特開平10−
136213号公報、オブジェクト判別手段に関しては
特開平10−51651号公報に示される技術を利用で
きる。閾値判別手段43は指定された階調値に対してグ
レースケール変換手段41により変換されたグレースケ
ールデータの明暗を判別する処理を実行する。メモリ展
開手段44は、閾値判別手段43により所定の階調値よ
りも明るいと判別されたグレースケールデータを抜き出
して第1の分版データ46aをページメモリ47(RA
M35中)に展開するとともに、所定の階調値よりも暗
いと判別された残りのグレースケールデータを抜き出し
て第2の分版データ46bをページメモリ47に展開す
る処理を実行する。出力手段45は、ページメモリ47
に展開された2版の分版データ46a,46bをサーマ
ルヘッド用画像処理部40を介してサーマルヘッド1
2,12aに出力する。
【0044】このような構成において、例えば、色情報
を含む文書データをパソコン32から入力させた場合の
2色分版処理例を図4に示すフローチャートを参照して
説明する。シアンインキを第1色(特色)、ブラックイ
ンキを第2色とする2色の単色カラー印刷を所望する場
合には、パソコン32において2色分解モードを指定
し、かつ、分版用閾値となる所望の階調値を指定入力す
る。この際、具体的な分版用閾値の指定は、分版対象と
なる文書データ中に含まれているN色のカラーのうち、
所望の1色を指定することにより行う。また、分版処理
に先立ち、必要があれば、分版対象となる文書データ中
に含まれているオブジェクトの種類毎、即ち、テキスト
/図形/画像毎に分版処理対象とするか否かを指定す
る。通常は、全てのオブジェクトの種類が選択指定され
る。
【0045】まず、この処理はパソコン32から文書デ
ータが入力されることにより開始される(ステップS
1)。文書データが入力された場合、2色分解モードが
指定されていなければ(S2のN)、他の処理(通常の
製版印刷処理等)に移行する。2色分解モードが指定さ
れている場合には(S2のY)、分版用閾値が指定され
るまで待機する(S3)。分版用閾値が指定入力される
と(S3のY)、グレースケール変換手段41によりグ
レースケール変換処理が行われる(S4)。即ち、カラ
ー情報を含む文書データを解析し、そのカラー成分を2
56階調のグレースケールデータ(モノクログレースケ
ールデータ)に変換する処理が実行され、文書データに
関してカラー情報が破棄される。この際、分版用閾値と
して指定されたN色のうちの1色のデータもグレースケ
ールデータに変換され、分版用閾値が対応する所定の階
調値N(0から255のうちの数値)として設定され
る。
【0046】この後、グレースケールデータに対する処
理が行われる。まず、オブジェクト判別手段42により
データ内容を解析し、処理しようとしているテータ部分
がどのようなオブジェクトの種類に属するものであるか
を判別する(S5)。この判別処理の結果、テキストデ
ータであるか(S6)、図形データであるか(S7)、
画像データであるか(S8)、何れかの判別がなされ
る。このような判別結果に対して、そのオブジェクトの
種類が分版処理対象として選択されているか否かを各々
判別する(S9,S10,S11)。分版処理対象とし
て選択されていない種類のオブジェクトの場合には(S
9のN,S10のN,S11のN)、次のデータ処理に
移行する(S15)。
【0047】分版処理対象として選択されている種類の
オブジェクトの場合には(S9のY,S10のY,S1
1のY)、閾値判別手段43により処理対象となってい
るデータ部分のグレースケールデータの階調値と分版用
閾値として設定されている階調値Nとの明暗の比較処理
(大小の比較処理)が行われる(S12)。この比較処
理の結果、所望の階調値Nよりも明るいデータの場合に
は(階調値=0〜N)(S12のY)、メモリ展開手段
44によりそのデータが第1の分版データ46aとして
抜き出され、ページメモリ47中に展開され格納される
(S13)。一方、所望の階調値Nよりも暗いデータ
(即ち、残りのデータ)の場合には(階調値=(N+
1)〜255)(S12のN)、メモリ展開手段44に
よりそのデータが第2の分版データ46bとして抜き出
され、ページメモリ47中に展開され格納される(S1
4)。このようにして、分版用閾値として指定された所
望の階調値Nを境にグレースケールデータを2分して第
1の分版データ46a、第2の分版データ46bを連続
的に生成する処理が、グレースケールデータが終了する
まで同様に繰返される(S15)。
【0048】変換処理された全てのグレースケールデー
タについての分版処理が終了すると(S15のY)、ペ
ージメモリ47中の第1の分版データ46aと第2の分
版データ46bとが出力手段45により各々対応するサ
ーマルヘッド12,12aに出力され、製版処理に供さ
れる(S16)。この製版処理により第1の色版用のマ
スタと第2の色版用のマスタとが形成されると、引き続
き、印刷部P,P′による印刷処理が行われる。
【0049】即ち、第1、第2の分版データ46a,4
6bに応じたマスタ3,3aが製版部4,4aにより製
版され、製版されたマスタ3,3aが版胴1,1aの外
周面に巻き付けられる。版胴1,1aの外周面へのマス
タ3,3aの巻き付けが終了した後、操作部39に設け
られている印刷スタートキー(図示せず)が押されるこ
とにより、給紙台7上の印刷用紙6が給紙され、この印
刷用紙6が版胴1とプレスローラ2との間に送り込まれ
ることによりシアンインキC(特色)による第1色目の
画像の印刷が行われる。第1色目の画像の印刷が行われ
た印刷用紙6は搬送機構9により版胴1a側へ搬送さ
れ、版胴1aとプレスローラ2aとの間に送り込まれる
ことによりブラックインキKによる第2色目の画像の印
刷が行われ、第2色目の画像の印刷が行われた印刷用紙
6は搬送機構9aにより搬送されて排紙トレイ10上へ
排紙されることによりシアン、ブラックの2色の単色カ
ラー印刷が終了する。
【0050】このようにして、本実施の形態によれば、
特色分解に対応していないアプリケーションからもカラ
ー成分を含んだ既存の文書データに関して、2色の単色
カラー印刷を要する場合には、プリンタドライバ31上
で2色分解を指定し、かつ、分版用閾値としての階調値
を指定するだけで、連続的に2版の分版データを生成さ
せることができ、特色分版用の特別なアプリケーション
を必要とせず、汎用性が増す。この際、分版するのは、
特定の階調を持ったテキスト、図形、画像なるオブジェ
クトであるので、予め文書データ中で色を定義しておく
必要はない。換言すれば、モノクロで階調表現可能な文
書データであれば分版処理の対象となり得るもので、ペ
ージ記述言語はもちろん、エミュレーション、プリンタ
コマンド等も対象となり得るもので、汎用性の高いもの
となる。結果として、入力される文書データがモノクロ
原稿画像の場合であってもこれをその階調に従い2色に
分版して2色の印刷を行わせることにより色付きの原稿
として宣伝効果を持たせることも可能となる。
【0051】この際、印刷処理に際しては、操作部39
の操作により、分版用閾値として指定された階調値に対
して印刷時の階調値を補正自在としてもよい。即ち、操
作部39において階調値調整モードキーを押下すると、
操作部39における液晶タッチパネル構成の表示操作部
51には例えば図5に示すような態様で階調値調整モー
ド設定画面52が出現するように設定されている。
【0052】この階調値調整モード設定画面52は、
“128”で示すように階調値の調整量として、階調処
理部(図示せず)における階調値の数値を直接、矢印キ
ー53、設定キー54の操作より増減設定するものであ
る。ここでは、“0”〜“255”なる256階調の範
囲内で任意に設定可能とされている。このような階調値
調整量に関するデータはCPU33により取り込まれて
印刷処理時の階調値制御に供される。これにより、ユー
ザ所望通りの階調による印刷仕上りとすることができ
る。
【0053】なお、本実施の形態では、パソコン32よ
り入力される文書データ(既に作成されて保存されてい
た文書データを含む)を対象としたが、スキャナにより
読み込まれて入力される原稿画像データであってもよ
い。
【0054】また、本実施の形態では、印刷部P,P′
による印刷色をシアンCとブラックKとしたが、イエロ
ーYやマゼンタMを用いてもよい。
【0055】また、本実施の形態の孔版印刷装置では、
2つの版胴1,1aを有する単色カラー孔版印刷装置へ
の適用例としたが、例えば、版胴取付個所を1個所のみ
とし、最初の版胴を用いて1版目で印刷された用紙6を
再度給紙台7上に載せ、版胴を交換して2色目のマスタ
を巻き付けて2版目で重ね印刷させるようにした孔版印
刷装置であってもよい。これは、製版部4,4a側につ
いても同様である。さらには、3つ以上の版胴や製版部
を備える孔版印刷装置であって、そのうちの2つ(2色
分)を使うようにしてもよい。要は、1つ以上の版胴と
1つ以上の製版部とを備えていればよい。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明の2色分版方法によ
れば、階調表現の典型例であり0%から100%まで濃
度を変化させてなるモノクログレースケールデータを利
用するものとし、文書データの全てをモノクログレース
ケールデータに変換した後、分版用閾値として指定され
た階調値を境にモノクログレースケールデータを2分し
て2版の分版データを生成するようにしたので、特色分
版用の特別なアプリケーションソフトを用いることな
く、任意の一般的なアプリケーションソフトにより作成
された文書データに関して簡便に2色の単色カラー印刷
用の分版データを作成することができる。
【0057】請求項2記載の発明の2色分版方法によれ
ば、基本的には請求項1記載の発明と同様であるが、特
に、典型例として、色情報を含む文書データに関して特
色分解に対応していないアプリケーションから入力され
た場合であっても、特色を指定した2色分解による分版
を連続的に行わせることができる。
【0058】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の2色分版方法において、分版用閾値の指定、
即ち、いわゆる特色の指定を文書データ中に含まれるN
色中の1色を指定するようにしたので、細かい指定や調
整は必要なく簡潔的な指定方法となる。
【0059】請求項4記載の発明によれば、請求項1,
2又は3記載の2色分版方法において、オブジェクトの
種類に応じてそのオブジェクトを分版の対象とするか否
かを取捨選択する編集機能を持たせることができ、ユー
ザ所望通りの仕上りとすることができる。
【0060】請求項5記載の発明の2色分版装置によれ
ば、階調表現の典型例でありグレースケール変換手段に
より0%から100%まで濃度を変化させてなるモノク
ログレースケールデータを利用するものとし、文書デー
タの全てをモノクログレースケールデータに変換した
後、指定手段により分版用閾値として指定された階調値
を境にモノクログレースケールデータを閾値判別手段に
より2分し、メモリ展開手段により2版の分版データを
生成するようにしたので、特色分版用の特別なアプリケ
ーションソフトを用いることなく、任意の一般的なアプ
リケーションソフトにより作成された文書データに関し
て簡便に2色の単色カラー印刷用の分版データを作成す
ることができる。
【0061】請求項6記載の発明の2色分版装置によれ
ば、基本的には請求項5記載の発明と同様であるが、特
に、典型例として、色情報を含む文書データに関して特
色分解に対応していないアプリケーションから入力され
た場合であっても、特色を指定した2色分解による分版
を連続的に行わせることができる。
【0062】請求項7記載の発明によれば、請求項5又
は6記載の2色分版装置において、分版用閾値の指定、
即ち、いわゆる特色の指定は文書データ中に含まれるN
色中の1色を指定するようにしたので、細かい指定や調
整は必要なく簡潔的な指定方法となる。
【0063】請求項8記載の発明によれば、請求項5,
6又は7記載の2色分版装置において、オブジェクトの
種類に応じてそのオブジェクトを分版の対象とするか否
かを取捨選択する編集機能を持たせることができ、ユー
ザ所望通りの仕上りとすることができる。
【0064】請求項9記載の発明の孔版印刷装置によれ
ば、請求項5ないし8の何れか一に記載の2色分版装置
を利用することにより連続的に2色の分版を製版するこ
とができ、2色の単色カラー印刷への対応が容易な孔版
印刷装置を提供できる。
【0065】請求項10記載の発明によれば、請求項9
記載の孔版印刷装置において、印刷部は、分版用閾値と
して指定された階調値に対して印刷時の階調値が補正自
在としたので、ユーザ所望通りの印刷仕上りとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す2色の単色カラー
孔版印刷装置の概略構成図である。
【図2】制御構成を示すブロック図である。
【図3】2色分版処理機能を実現するための構成を示す
機能的ブロック図である。
【図4】2色分版処理例を示すフローチャートである。
【図5】印刷階調値調整モードの設定画面例を示す平面
図である。
【符号の説明】
P,P′ 印刷部 4,4a 製版部 41 グレースケール変換手段 42 オブジェクト判別手段 43 閾値判別手段 44 メモリ展開手段 45 出力手段 46a 第1の分版データ 46b 第2の分版データ 47 ページメモリ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された階調表現可能な文書データの
    全てをモノクログレースケールデータに変換し、分版用
    閾値として指定された所望の階調値を境に前記モノクロ
    グレースケールデータを2分して2版の分版データを生
    成するようにした2色分版方法。
  2. 【請求項2】 色情報を含んで入力された文書データの
    全てを256階調のグレースケールデータに変換して前
    記色情報を破棄し、分版用閾値として指定された所望の
    階調値よりも明るいグレースケールデータを抜き出して
    第1の分版データを生成するとともに、前記階調値より
    も暗い残りのグレースケールデータを抜き出して第2の
    分版データを生成するようにした2色分版方法。
  3. 【請求項3】 前記分版用閾値の指定は、前記文書デー
    タ中に含まれるN色中の1色の指定により行うようにし
    た請求項1又は2記載の2色分版方法。
  4. 【請求項4】 前記文書データ中に含まれるオブジェク
    トの種類毎にその分版データを作成するか否かを選択指
    定自在とした請求項1,2又は3記載の2色分版方法。
  5. 【請求項5】 2色分解及び分版用閾値としての所望の
    階調値を指定する指定手段と、 この指定手段により2色分解が指定された場合に入力さ
    れた階調表現可能な文書データの全てをモノクログレー
    スケールデータに変換するグレースケール変換手段と、 指定された前記階調値に対して前記グレースケール変換
    手段により変換された前記モノクログレースケールデー
    タの大小を判別する閾値判別手段と、 この閾値判別手段による判別結果に応じて前記モノクロ
    グレースケールデータを2分して2版の分版データをペ
    ージメモリに展開するメモリ展開手段と、 前記ページメモリに展開された2版の分版データを外部
    に出力する出力手段と、を備える2色分版装置。
  6. 【請求項6】 2色分解及び分版用閾値としての所望の
    階調値を指定する指定手段と、 この指定手段により2色分解が指定された場合に色情報
    を含んで入力された文書データの全てを256階調のグ
    レースケールデータに変換して前記色情報を破棄するグ
    レースケール変換手段と、 指定された前記階調値に対して前記グレースケール変換
    手段により変換された前記グレースケールデータの明暗
    を判別する閾値判別手段と、 この閾値判別手段により前記階調値よりも明るいと判別
    されたグレースケールデータを抜き出して第1の分版デ
    ータをページメモリに展開するとともに、前記階調値よ
    りも暗いと判別された残りのグレースケールデータを抜
    き出して第2の分版データをページメモリに展開するメ
    モリ展開手段と、 前記ページメモリに展開された2版の分版データを外部
    に出力する出力手段と、を備える2色分版装置。
  7. 【請求項7】 前記指定手段による前記分版用閾値の指
    定は、前記文書データ中に含まれるN色中の1色の指定
    により行うようにした請求項5又は6記載の2色分版装
    置。
  8. 【請求項8】 前記文書データ中に含まれるオブジェク
    トの種類毎にその分版データを作成するか否かを選択自
    在に指定する指定手段と、 前記文書データ中に含まれるオブジェクトの種類を判別
    するオブジェクト判別手段とを備え、 前記指定手段により指定された種類のオブジェクトのみ
    を分版の対象とするようにした請求項5,6又は7記載
    の2色分版装置。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし8の何れか一に記載の2
    色分版装置の出力手段から出力される2版の分版データ
    に基づき各々製版処理を行う少なくとも1つの製版部
    と、 これらの製版部により製版されたマスタ及び特色インキ
    を用いて同一の印刷用紙に2色の印刷を順次行う少なく
    とも1つの印刷部と、を備える孔版印刷装置。
  10. 【請求項10】 前記印刷部は、分版用閾値として指定
    された階調値に対して印刷時の階調値が補正自在である
    請求項9記載の孔版印刷装置。
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