JP2001194513A - 光拡散剤 - Google Patents
光拡散剤Info
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Abstract
光透過率が実現できる優れた光拡散剤を提供する。 【解決手段】 平均粒子径0.01〜1μmの架橋重
合体微粒子が集合してなる平均粒子径2〜50μmの微
粒子集合体を含んでなる光拡散剤に関する。
Description
のバックライトや照明装置に用いられる光拡散フィルム
やパネルなどの成形体に使用される光拡散剤に関する。
の裏面より光を照射するバックライトが使用されてお
り、特に薄型化や小型化が要望されているノート型パソ
コン等ではサイドライト型の面光源装置を用い、光拡散
フィルム等によって均一に光を拡散して伝播させる方式
が採用されている。該光拡散フィルムは、一般的には透
明フィルムを基材とし、この表面に無機あるいは有機の
粒子をバインダーと混合して塗布することにより製造さ
れている。また、光拡散パネルは、ガラスやプラスチッ
クなどの透明パネルの表面に前記と同様な手法で表面に
粒子を塗布する方法や、ポリエステル樹脂やエポキシ樹
脂と粒子とを混合し成形する方法により製造されてい
る。
では、光の出射面に対する角度の違いによる輝度分布に
難点があり、光を均一に拡散伝播させると共に、光の透
過率をも高めるための改良が検討されている。しかし、
現在のところ、充分な輝度分布と光透過率を得られてい
ない。
粒子を用いてバインダーと混合して塗布する際の、粒子
とバインダーの比率(特開平5−35124、特開平8
−16732)、塗布面の形状(特開平8−11883
0、8−121878)、塗布面での粒子の埋設状態
(特開平9−229202)など塗布方法の検討が殆ど
であり、粒子自体を改良する方法は採られていない。
ものであり、高透過率と充分な光拡散性を光拡散フィル
ムに付与することのできる光拡散剤、および該光拡散剤
を使用した光拡散性成形体を提供することを目的とす
る。
0.01〜1μmの架橋重合体微粒子が集合してなる平
均粒子径2〜50μmの微粒子集合体を含んでなる光拡
散剤であることを要旨とするものである。
0.01〜1μmの架橋重合体微粒子を含むエマルジョ
ンを、噴霧乾燥して得られる粒子である。
用いてなる光拡散フィルムであることを要旨とするもの
である。
その材質および製法は特に限定されず、例えば、ジビニ
ルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、エチレングリコール類のジ(メタ)アクリレ
ートなどの架橋性単量体を含むビニル系単量体混合物を
重合して得られる架橋微粒子を、噴霧式乾燥方法によっ
て乾燥させる方法により効率良く得られることを、本発
明者らは、先に見いだしている(特願平10−2204
18号)。該方法によれば、耐熱性や強度が高く、原料
微粒子の形状を保持した比表面積の大きい微粒子集合体
が得られることができる。
合体微粒子は、架橋重合体を含んでなる微粒子であれ
ば、その組成および製法は特に限定されないが、例えば
架橋性単量体を含むビニル系単量体の混合物を、従来公
知の方法で乳化重合することにより製造することが可能
である。
体としては、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール類の
ジ(メタ)アクリレート等を例示することができる。
もいても良い架橋性単量体以外の非架橋性単量体として
は、1分子内に1個の重合性不飽和結合を有する単量体
であれば特に限定されず、例えば、スチレンやαメチル
スチレンなどの芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エ
チルや(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリ
ル酸エステル類、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなど
のビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリルなどの
ビニルシアン化合物、塩化ビニルや塩化ビニリデンなど
のハロゲン化ビニル化合物、ブタジエンなどの共役ジエ
ン類などが用いられる。
比率が高いほど、得られる微粒子の耐熱性や強度が高く
なるので好ましいが、高すぎると粒子間の融着が起こり
にくく、集合体とするのが困難である。
ルベンゼンを用いる場合には、ビニル系単量体混合物中
のジビニルベンゼンの重量比率は、通常2〜10重量%
の範囲であり、好ましくは3〜8重量%である。
ルプロパントリ(メタ)アクリレートを用いた場合に
は、ビニル系単量体混合物中のトリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレートの重量比率は、通常5〜30
重量%の範囲であり、好ましくは8〜20重量%の範囲
である。
より製造する方法は特に限定されるものではなく、一般
的には、界面活性剤を用い、固形分濃度が5〜60重量
%の範囲、開始剤として無機過酸化物あるいはレドック
ス系開始剤を使用し、重合温度20〜100℃の範囲で
実施することが可能である。
01〜1μmの範囲の架橋重合体微粒子が簡便で効率良
く得られる。
方法は、特に限定されないが、噴霧式乾燥方法によって
乾燥して粒子間の融着を起こす方法が、集合体の粒子径
や形状の制御が容易であり推奨される。噴霧式乾燥方法
とは、一般的にスプレードライヤーや気流乾燥機を用い
て、ガス気流と共に水分散体を噴霧して粒子を乾燥させ
る方法のことを言う。
供給速度、乾燥温度などは適宜に調節することにより、
粒子径、粒子形状、かさ比重などを調整することが可能
であり、特に上記の条件に限定する必要はないが、例え
ば前記固形分濃度は、通常5〜60重量%であり、より
好ましくは10〜50重量%であり、前記乾燥温度は、
噴霧入口温度が100〜200℃の範囲、粉体の出口温
度が30〜100℃の範囲である。
体は、例えば架橋重合体微粒子の形状を保持しながら該
架橋重合体微粒子が相互に連結した集合体である。前記
微粒子集合体は、粒子が球状で粒度分布もシャープであ
り、比表面積が大きくかさ比重が小さいという特長を有
している。さらに前記微粒子集合体は、従来の微粒子集
合体に比べ、強度が高いという特長を有している。
ダーを添加することにより耐溶剤性を向上させた微粒子
集合体を得ることが出来る。該反応性バインダーとは、
反応性官能基を有する高分子材料のことであり、反応性
官能基は例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ
基、オキサゾリン基、アジリジン基などを挙げることが
できる。また、添加量は、原料微粒子に対し固形分で
0.1〜10重量%で充分に耐溶剤性を向上させること
ができる。
子集合体の平均粒子径は、2〜50μmの範囲であり、
好ましくは5〜20μmの範囲である。平均粒子径が2
μmより小さいと光拡散性能が充分でなく、50μmよ
り大きいと光透過率が低くなる。
剤、コーティング用樹脂などに配合して使用することが
できる。また、使用に際して従来公知の光拡散剤と併用
しても何等差し支えはないが、前記微粒子集合体が光拡
散剤中に通常10重量%以上、好ましくは20重量%以
上の範囲で含有される。
拡散性能が優れていると共に重量が小さく、従来の光拡
散剤に比べ少量の配合で高い効果を得ることができる。
その結果、優れた輝度分布と共に高い光透過率を達成す
ることが可能となる。
を用いてなる成形体であればその製法は特に限定されな
いが、一般的には、(i)フィルムやパネルなどの透明
性基材の表面に前記光拡散剤をコーティングする方法
や、(ii)前記光拡散剤をエポキシ樹脂やポリエステ
ル樹脂などの成形用樹脂と混合して各種用途に応じた形
状に成型する方法により容易に得られる。
ィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリスチレンなどを例示することができ、
特にポリエチレンテレフタレートが安価であり透明性も
高いので好適に用いられる。また、(i)の方法の透明
基材に用いる透明性パネルとしては、ガラス製パネル、
ポリエステル樹脂パネル、ポリカーボネート樹脂パネ
ル、ポリメチルメタクリレート樹脂パネルなどが好適に
用いられる。なお、本発明の成形体は、フィルムやパネ
ルなど平面構造の成形体に限定されるものではなく、L
EDや蛍光などの発光装置の様に立体構造を有する成形
体をも包含するものである。
ては、通常、樹脂バインダーを有機溶剤で希釈して光拡
散剤を混合する。使用される樹脂バインダーとしては、
例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂などを例示する
ことができ、光学的透明性を有するものが好適に用いら
れる。希釈用に使用する有機溶剤としては、例えば、ト
ルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ン、酢酸エステル類などを挙げることができる。これら
の配合比率は、特に限定されるものではないが、例え
ば、光拡散剤(100重量部)に対し、樹脂バインダー
(50〜300重量部)、有機溶剤(50〜500重量
部)を混合してコーティング用組成物を得ることができ
る。また、該コーティング用組成物に、樹脂バインダー
の架橋剤、帯電防止剤、光拡散剤の分散剤などを配合す
ることもできる。
ィング組成物をフィルム表面に塗布する方法としては、
特に限定されるものではないが、コンマダイレクト法、
スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ロー
ルコート法、ディッピング法、ナイフコート法、カーテ
ンフロー法、ラミネート法などを例示することができ
る。
ルム表面に塗布して得られる光拡散層の厚みは、5〜1
00μmの範囲であることが好ましい。
のバックライトなどに適用した場合には、高い輝度と広
い視野角を実現することができる。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
フラスコに、純水433gとハイテノールN08 0.
9g(第一工業製薬製アニオン界面活性剤)とを仕込
み、窒素置換を行いながら、撹拌下に70℃まで昇温し
た。70℃に昇温後、メチルメタクリレート57gを添
加し、その5分後に、過硫酸カリウムの2重量%水溶液
70gを添加した。
チルメタクリレート:608g、ジビニルベンゼン:3
5g、純水:752g、ハイテノールN08:34g)
を、過硫酸カリウム添加の20分後より70℃にて等速
度で4時間かけて添加した。
成を行い、その後、40℃まで冷却して架橋重合体エマ
ルションを得た。このエマルションの平均粒子径を光散
乱式粒度分布計で測定した所、0.2μmであった。
含有ポリマー(日本触媒製:エポクロス−K2020
E)を固形分で100:10の割合で混合し、混合液を
ヤマト科学製のスプレードライヤーで、 供給速度:5ml/min、 噴霧圧:2kg/cm2、 風量:0.3m3/min、 加熱部入口温度:150℃、 加熱部出口温度:60℃ の条件下にて乾燥して粉体を得た。
ールター社製)で測定したところ、平均粒子径は9μm
であった。また、該粉体は電子顕微鏡(SEM)観察に
よると、架橋重合体微粒子からなる原料微粒子が形状を
保持したまま相互に連結してなる微粒子集合体であっ
た。
製:バイロン200)、希釈用有機溶剤としてトルエン
120gとメチルエチルケトン30gを用い、これに製
造例で得られた微粒子集合体20gを混合してコーティ
ング用組成物を得た。
エステルフィルム(東レ製:ルミラー#100T56)
を用い、該フィルムの片面に前記コーティング用組成物
をロールコート法により塗布し、120℃で1分間熱風
乾燥させて厚み30μmの光拡散層を形成してフィルム
(A)を得た。
の単一粒子(日本触媒製:エポスターMA1010、平
均粒子径10μm)を30g用いた以外は、実施例と同
様の操作を繰り返してフィルム(B)を得た。
フィルム(B)の光拡散性能および光透過率を以下の手
順により測定した。ゴニオフォトメーターを用い、光拡
散層に対し鉛直方向からビーム径1mmの平行光を入射
し、受光角を変えながら出射光の透過率を測定した。背
面の鉛直方向の透過率は、フィルム(A)が95%に対
し、フィルム(B)は90%であった。また、透過率が
鉛直方向の半分になる角度は、フィルム(A)が20度
であったのに対し、フィルム(B)は15度であった。
比較して、光拡散性能が高く、粒子1個の重量が軽い微
粒子集合体を主体としており、少量の添加で高い光拡散
能を得ることができると共に高い光透過率を得ることが
できる。また本発明の光拡散剤を用いて光拡散性成形体
を作成し液晶表示装置のバックライトなどに適用した場
合には、高い輝度と広い視野角を実現することができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 平均粒子径0.01〜1μmの架橋重合
体微粒子が集合してなる平均粒子径2〜50μmの微粒
子集合体を含んでなる光拡散剤。 - 【請求項2】 前記微粒子集合体が、平均粒子径0.0
1〜1μmの架橋重合体微粒子を含むエマルジョンを、
噴霧乾燥して得られる粒子である請求項1記載の光拡散
剤。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の光拡散剤を用
いてなる光拡散性成形体。
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