JP2001194511A - 光学部材及び光学部材の製造方法 - Google Patents
光学部材及び光学部材の製造方法Info
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Abstract
学部材の製造方法を提供する。 【解決手段】 光軸Nを有するレンズ100は成形型1
10〜112を用いた樹脂成形により形成され、レンズ
面100aにおける光軸N位置を樹脂の流入口であるピ
ンポイントゲート116位置とし、ピンポイントゲート
116部分の樹脂120の切断部116′を取り囲むよ
うに光を遮るドーナツ状の遮光面100cを設けた。
Description
れる樹脂製のレンズ等に適用して好適な光学部材及び光
学部材の製造方法に関する。
光学装置では安価に製造できる樹脂製のレンズの需要が
高まっている。通常、このようなレンズは成形型を用い
た樹脂成形によって製造されている。
が切り離される前のレンズ50を示す平面図、図9は図
8における9−9断面図、図10は樹脂70のキャビテ
ィ65内への充填状態を説明するための説明図である。
成形型60と61を用いて樹脂成形されていた。これら
成形型60、61は、樹脂の注入口であるスプルー62
と、流れの路にあたるランナー63と、成形品(レンズ
50)が成形されるキャビティ65と、ランナー63か
らキャビティ65への流入口にあたるゲート64を備え
ている。
ィ65においては、レンズ50の側壁面(外周面)の一
部に相当する位置にゲート64を設けて、このゲート6
4を流入口としてキャビティ65内に樹脂70を充填す
るようにしていた。すなわち、図10に示すように、樹
脂70がキャビティ65内へ充填されるときには、樹脂
70はゲート64からこのゲート64と対向するキャビ
ティ65の側壁面側へほぼ一方向に流入するようになっ
ている。そして、キャビティ65内が樹脂70で完全に
満たされた後に、樹脂70は冷却されてレンズ50が完
成する。
うに製造されたレンズ50は、樹脂70のほぼ一方向
(x方向)の流れに沿った歪みを生じ、その結果、例え
ば、樹脂70の流れの方向であるx方向とx方向と直交
する方向で光の焦点位置が一致しないというように、い
わゆる非点収差が発生して、レンズ50が方向性を持つ
問題点があった。そのため、このレンズ50を光学装置
に搭載するときには、レンズ50の光軸回りの位置を例
えば光学装置の光学系として非点収差が最小となるよう
に特定してから固定しなければならず、作業性が悪くな
る問題があった。
ない光学部材及び光学部材の製造方法を提供することに
ある。
の第1の解決手段として、光軸を有する光学部材であっ
て、該光学部材は樹脂成形により形成され、光の透過面
あるいは反射面における前記光軸位置を樹脂の流入口で
あるゲート位置とし、該ゲート位置部分に光の透過ある
いは反射を遮る遮光帯を設けたことを特徴とするもので
ある。
帯は前記透過面あるいは前記反射面よりも粗い面で形成
された遮光面であることを特徴とするものである。
面は前記透過面あるいは前記反射面よりも突出させて形
成したことを特徴とするものである。
部材はレンズであり、前記遮光帯を該レンズの超解像効
果のための遮光マスクに利用したことを特徴とするもの
である。
する光学部材を成形型を用いた樹脂成形よって製造する
ための製造方法であって、前記光学部材の光の透過面あ
るいは反射面における前記光軸位置に対応して前記成形
型にゲートを設け、該ゲートから樹脂を注入するととも
に、前記光学部材の前記ゲート位置部分に対応した所定
の箇所に遮光帯を配設することを特徴とするものであ
る。
型の前記ゲート位置部分に前記透過面あるいは前記反射
面よりも粗い粗面を形成し、前記ゲート位置部分の前記
光学部材に前記粗面を転写し前記遮光帯である遮光面を
形成することを特徴とするものである。
材及び光学部材の製造方法について、図面を用いて以下
に説明する。
0を示す平面図、図2は図1における2−2断面図、図
3は成形型110〜112とこの成形型に充填された樹
脂120を示す一部断面図、図4はレンズ100を成形
型110〜112から取り出す状態を示す説明図、図5
は樹脂120のキャビティ117内への充填状態を説明
するための説明図である。
ちレンズ100は、図1、図2に示すように、透過面で
ある2つのレンズ面100aと100bからなる凸レン
ズである。そして、レンズ100の成形時において、レ
ンズ面100aにおける光軸N位置にこの光軸Nを略中
心とした円形断面のゲートすなわちピンポイントゲート
116(図3参照)を配設するようになっている。図中
116′はピンポイントゲート116における樹脂12
0の切断部を示している。
6′を取り囲み、かつ、ほぼ同軸状に形成したドーナツ
状の凹部100dが形成されており、凹部100dの内
底面の全面には遮光帯すなわち遮光面100cが形成さ
れている。遮光面100cはレンズ面100a、100
bよりも成形面を粗く形成することによって構成してい
る。このようにして、遮光面100cは光の透過を遮る
ようになっている。
態について説明する。
成形型110と111と112を主に用いて樹脂成形さ
れる。これら成形型110、111、112は、樹脂の
注入口であるスプルー113と、流れの路にあたるラン
ナー114、115と、成形品(レンズ100)が成形
されるキャビティ117と、ランナー114からキャビ
ティ117への流入口にあたるピンポイントゲート11
6を備えている。
面に横長のランナー114を形成し、このランナー11
4の中央部に連結するように成形型110の上方からス
プルー113が貫通して形成されている。また、成形型
111にはランナー114の両端部側から下方に向かっ
て配設した2つのランナー115と、このランナー11
5の下端部からキャビティ117に貫通する2つのピン
ポイントゲート116が形成されている。
6に対応して成形型111の下面に形成されたキャビテ
ィ117には、レンズ100のレンズ面100aと凹部
100dと遮光面100cを形成するためのそれぞれ、
曲面117cと、曲面117cの中心(光軸N)位置で
曲面117cよりも下方に突出して形成した円筒状の突
出部117bと、突出部117bの先端面に形成した粗
面117aとを設けてある。また、突出部117bの中
心を貫通するように上述したピンポイントゲート116
が設けられている。
00のレンズ面100bを形成するための曲面117d
が形成されている。なお、曲面117cと117dは研
磨加工等により精密な表面に仕上げられている。また、
粗面117aは曲面117c、117dに比べて充分に
粗い表面となるように加工されているものである。
2により、レンズ100が成形される。すなわち、スプ
ルー113より所定の圧力により樹脂120が注入され
る。そして、図5に示すように、樹脂120がキャビテ
ィ117内へ充填されるときには、樹脂120はぽピン
ポイントゲート116からキャビティ117の側壁面
(内周面)へ放射状に流入されるようになっている。そ
して、キャビティ117内が樹脂120で完全に満たさ
れた後に、樹脂120は冷却されてレンズ100が完成
する。
成形型110〜112から取り出すときには、成形型1
10〜112に設けた図示しない切断手段によりピンポ
イントゲート116部分の樹脂120が切断されるよう
になっている。このレンズ100側の切断部116′
(図2参照)の切断面は遮光面100cと同様に光を遮
断できるような粗面となるように切断することが好まし
い。なお、成形型110〜112に切断手段を設けない
で、レンズ100を成形型111から取り出すときの引
張力によってピンポイントゲート116部分の樹脂12
0を切断するようにしてもよい。このときは、引張力が
レンズ100の特性に悪影響を及ぼさない程度にピンポ
イントゲート116の断面積をできるかぎり小さくして
おくことが好ましい。
5を用いて説明したように、樹脂120はキャビティ1
17内で放射状に沿って充填され、すなわち光軸Nに対
して回転対称に充填されるので、従来のレンズ50のよ
うに非点収差が発生することがなく、レンズ100が方
向性を持つことがない。したがって、このレンズ100
を光学装置に搭載するときには、レンズ100の光軸N
回りの位置を気にせずに固定してよいので、作業性が良
くなる効果が得られる。
と切断部116′を凹部100dの内底面に設けている
ので、これらがレンズ面100aよりも突出することが
なく、他の部材を接近させて配置することが可能とな
る。
112によって、レンズ100を2個成形する2個取り
としたが、これに限らず、1個取りあるいは3個以上の
多数個取りとしてもよい。
cの作用について図6A、Bを用いて説明する。
設けない場合の光の集光状態を説明するための説明図、
図6Bはレンズ100に遮光面100cを設けた場合の
光の集光状態を説明するための説明図である。
置に用いる対物レンズに適用した場合には、レンズ10
0によって集光された光すなわちレーザ光を光ディスク
の情報記録面に照射して情報の記録あるいは再生が行わ
れる。このとき、集光されたレーザ光(集光スポット)
の径が小さいほど光ディスクにおける情報の記録密度を
向上させることができる。
ーザ光の波長を短くすることと、超解像効果を用いるこ
とが知られている。このうち、超解像効果はレンズの中
心部(瞳位置)に円形状あるいは方形状などの遮光マス
クを設置することによって得られ、波動光学的な回折限
界で決定される集光スポット径よりも小さくすることが
できる。一方、短波長化は、短波長のレーザ光を出射す
るレーザダイオードを使用することによって実現できる
が、レーザダイオードを短波長化するためには常に最先
端の技術導入が必要でありコストがアップする問題点が
ある。
ときに、レンズ100に遮光面100c(遮光マスク)
を設けない(切断部116′も含まず)場合(A)と設
けた場合(B)の光ディスクに集光された状態における
集光スポットの強度分布を定性的に示している。図6A
に示すメインビーム200のビーム径D1(半値幅)に
対して、図6Bにおけるメインビーム201のビーム径
D2(半値幅)が細くなっている。このときメインビー
ム201の両側にはサイドローブと呼ばれる2次的なレ
ーザ光201a、201aが発生するが、光ディスクの
記録/再生にはメインビーム201のみを用いることが
できるので、レーザ光201a、201aが記録/再生
動作に悪影響を及ぼすことはない。
プ装置に搭載した場合には、波長を短波長化することな
く安価なレーザダイオードを用いて集光スポット径を小
さくすることができ、高密度な光ディスクの記録あるい
は再生に対応することができるメリットが得られる。な
お、光ピックアップ装置に限らず他の光学装置にも適用
することができる。
図7を用いて説明する。
00を示す断面図である。なお、第1の実施の形態のレ
ンズ100と共通部分には共通の符号を付してある。
軸N位置にピンポイントゲート116を配置するのは第
1の実施の形態と同様であるが、本実施の形態では、遮
光面300cをレンズ面100aよりも突出した位置に
配設している。すなわち、レンズ面100aの光軸Nと
同軸で、かつ、レンズ面100aよりも突出した円柱状
の突出部300dを形成し、この突出部300dの上端
面に遮光面300cを形成している。なお、遮光面30
0cの中央部にピンポイントゲート116部分の切断部
116′が配置される。
と同様の効果が得られるだけでなく、レンズ300を成
形型から取り出した後に、切断部116′を再度切断し
て遮光面300c位置に揃えるような場合に、切断位置
をレンズ面100aから上方に離れた位置にすることが
できるので、レンズ面100aを傷つけることなく切断
作業ができる。
00dの上端面を粗面ではなく平坦な加工面としてお
き、レンズ300を成形型から取り出した後に、切断部
116′を含めた突出部300dの上端面を粗く研いて
遮光面300cを形成するようにしてもよい。
は、ピンポイントゲート116の断面を円形としたが、
これに限らず、方形状としても良い。また、遮光面10
0c、300cの外形を円形としたが、これに限らず、
方形状としても良い。
00を実施の形態として説明したが、これに限らず、対
物レンズの他、コリメートレンズ、シリンドリカルレン
ズ等でもよいし、反射ミラー、ハーフミラー、及びビー
ムスプリッタ等でもよい。
光軸を有する光学部材であって、該光学部材は樹脂成形
により形成され、光の透過面あるいは反射面における前
記光軸位置を樹脂の流入口であるゲート位置とし、該ゲ
ート位置部分に光の透過あるいは反射を遮る遮光帯を設
けたことにより、光学部材は、樹脂が光軸部分のゲート
から放射状に広がって充填されて形成されているので、
すなわち光軸に対して回転対称に充填されているので、
従来の一方向の樹脂の充填によって形成されたレンズの
ように非点収差が発生することがなく、光学部材が方向
性を持つことをなくすことができる。また、この光学部
材を光学装置に搭載するときには、光学部材の光軸回り
の位置を気にせずに固定してよいので、作業性が良くす
ることができる。また、光学部材を例えばレンズとした
場合には、遮光帯を利用して波長を短波長化することな
く集光スポット径を小さくする作用を得ることができ
る。
りも粗い面で形成された遮光面であることにより、遮光
帯は透過面あるいは反射面に比べて粗く形成するだけで
よいので光学部材を簡単に構成できコストも安価なもの
とすることができる。
りも突出させて形成したことにより、例えば、光学部材
を成形型から取り出した後に、ゲート位置の樹脂を切断
して所定の位置に揃えるような場合に、切断位置を透過
面あるいは反射面から離れた位置にすることができるの
で、透過面あるいは反射面を傷つけることなく切断作業
ができる。
帯を該レンズの超解像効果のための遮光マスクに利用し
たことにより、例えば、レンズを光ピックアップ装置に
適用した場合には、波長を短波長化することなく、例え
ば安価なレーザダイオードから出射するレーザ光を用い
て集光スポット径を小さくすることができ、高密度な光
ディスクの記録あるいは再生に対応することができるメ
リットが得られる。
用いた樹脂成形よって製造するための製造方法であっ
て、前記光学部材の光の透過面あるいは反射面における
前記光軸位置に対応して前記成形型にゲートを設け、該
ゲートから樹脂を注入するとともに、前記光学部材の前
記ゲート位置部分に対応した所定の箇所に遮光帯を配設
することにより、光学部材は、樹脂が光軸部分のゲート
から放射状に広がって充填されて形成されるので、すな
わち光軸に対して回転対称に充填されるので、従来の一
方向の樹脂の充填によって形成されたレンズのように非
点収差が発生することがなく、方向性を持つことのない
光学部材を簡単に製造できる。また、光学部材を例えば
レンズとした場合には、遮光帯を利用して波長を短波長
化することなく集光スポット径を小さくする作用を得る
ことのできるレンズを簡単に製造することができる。
あるいは反射面よりも粗い粗面を形成し、前記ゲート位
置部分の光学部材に前記粗面を転写し遮光帯である遮光
面を形成することにより、光学部材の遮光帯に対応した
位置の成形型に透過面あるいは反射面に比べて粗い粗面
を形成するだけでよいので光学部材を簡単に製造できコ
ストも安価なものとすることができる。
図である。
1における2−2断面図である。
形型110〜112とこの成形型に注入された樹脂12
0を示す一部断面図である。
ンズ100を成形型110〜112から取り出す状態を
示す説明図である。
脂120のキャビティ117内への充填状態を説明する
ための説明図である。
はレンズ100に遮光面100cを設けない場合の光の
集光状態を説明するための説明図、Bはレンズ100に
遮光面100cを設けた場合の光の集光状態を説明する
ための説明図である。
断面図である。
造されたゲートが切り離される前のレンズ50を示す平
面図である。
断面図である。
ティ65内への充填状態を説明するための説明図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 光軸を有する光学部材であって、該光学
部材は樹脂成形により形成され、光の透過面あるいは反
射面における前記光軸位置を樹脂の流入口であるゲート
位置とし、該ゲート位置部分に光の透過あるいは反射を
遮る遮光帯を設けたことを特徴とする光学部材。 - 【請求項2】 前記遮光帯は前記透過面あるいは前記反
射面よりも粗い面で形成された遮光面であることを特徴
とする請求項1に記載の光学部材。 - 【請求項3】 前記遮光面は前記透過面あるいは前記反
射面よりも突出させて形成したことを特徴とする請求項
2に記載の光学部材。 - 【請求項4】 前記光学部材はレンズであり、前記遮光
帯を該レンズの超解像効果のための遮光マスクに利用し
たことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
光学部材。 - 【請求項5】 光軸を有する光学部材を成形型を用いた
樹脂成形よって製造するための製造方法であって、前記
光学部材の光の透過面あるいは反射面における前記光軸
位置に対応して前記成形型にゲートを設け、該ゲートか
ら樹脂を注入するとともに、前記光学部材の前記ゲート
位置部分に対応した所定の箇所に遮光帯を配設すること
を特徴とする光学部材の製造方法。 - 【請求項6】 前記成形型の前記ゲート位置部分に前記
透過面あるいは前記反射面よりも粗い粗面を形成し、前
記ゲート位置部分の前記光学部材に前記粗面を転写し前
記遮光帯である遮光面を形成することを特徴とする請求
項5に記載の光学部材の製造方法。
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US6437928B2 (en) | 2002-08-20 |
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