JP4075561B2 - 光学素子製造方法及び光学素子製造用金型 - Google Patents

光学素子製造方法及び光学素子製造用金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子を金型に射出成形及び離型して製造する光学素子製造方法及び光学素子の成形に用いる光学素子製造用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、対物レンズ等の光学素子の成形には、金型に溶融樹脂を射出して成形していた(例えば、特許文献1参照)。図17は、従来の対物レンズの成形を説明する図である。従来の光学素子の成形方法は、図17に示すように、成形品を離型させる突き出し部41を備える金型40と、突き出し部を備えない金型50とで形成される型内に、金型40,50の樹脂注入流路であるランナーE1及びゲートE2を順に介して樹脂をキャビティE3に射出し、キャビティE3内の空気は溝E4から排気され、その樹脂が凝固し成形された後に、突き出し部41を備える金型40を移動して型開きを行ない、突き出し部41を作動させて対物レンズ60の成形品を突き出し離型させる。この時、対物レンズ60の光学機能部61の外周のフランジ部63に、ランナーE1及びゲートE2に対応する部分が一体的に形成されているが、後のゲートカット工程でゲートE2に対応する部分が切断されることにより、対物レンズ60が成形されていた。
【0003】
金型40の入射面形成部42は、対物レンズ60の入射面61を形成し、金型50の出射面形成部51は、対物レンズ60の出射面62を形成し、金型40,50のフランジ形成部43,52は、対物レンズ60のフランジ63を形成する。入射面61には、入射面形成部42によりレンズ面、回折輪帯構造等の光学機能面が設けられる。
【0004】
また、従来、レーザ光を情報記録面に集光させて情報を記録及び再生するCD(Compact Disc)があるが、近年、CDよりも波長の短いレーザ光を用いて情報の記録密度の高いDVD(Digital Video Disc)が実施され、更に波長の短い青色レーザ光を用いて更に記録密度の高い記録媒体が近い将来に実現されようとしている。よって、記録媒体に情報を記録及び再生する光ピックアップ装置において、記録媒体の情報記録面にレーザ光を集光させるための光学素子である対物レンズは、記録密度を高めるため集光スポットを小さくする必要があり、そのため対物レンズに像側(記録媒体側)の高い開口数(NA)が要求されている。高い開口数の対物レンズは、レーザ光源から出射されたレーザ光の入射面に高い曲率を有する。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−200638号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の金型による光学素子成形方法では、入射面を有する対物レンズを成形する場合に、溶融樹脂の射出時に入射面形成部に空気だまりができる可能性が大きくなるという問題があった。空気だまりができた対物レンズは、本来の光学機能が低下する。また、成形された対物レンズの金型からの離型には強い力が必要であるためその離型が困難であり、また、その強い力による離型により入射面に傷がついたり変形しやすいという問題があった。傷ができたり変形された対物レンズは、本来の光学機能が低下する。
【0007】
これらの問題は、対物レンズが高い開口数を有する場合に顕著となる。高い開口数のレンズは入射面形成部が深くなり、溶融樹脂射出時にこの部分に空気だまりができやすく、その空気が取り除かれにくくなるからである。例えば、図17においては、金型40,50の間の溝E4から溶融樹脂射出時の空気を排気する構成となり、高い開口数の入射面61を有する入射面形成面42が深くなり、入射面形成面42の奥の中心部44に空気だまりができた場合に、その空気は溝E4から更に排気されにくくなる。
【0008】
また、高い開口数の入射面を形成する深い入射面形成部から成形品を離型するには、金型と成形品との接触面積がより大きくなるのでより強い力が必要となり、離型時に成形品により傷つけたり変形をより起こしやすくなる。例えば、図17において、高い開口数の入射面61を有する入射面形成面42が深くなり、成形品の対物レンズ60を離型するのにより大きな力が必要となり、その離型時に入射面61に、傷をつけたり変形してしまう可能性がより多くあった。
【0009】
更に、図17に示すように、入射面61の外周に一位置に設けられたランナーE1とゲートE2とから樹脂を射出するので、充填された樹脂の凝固はゲートE2を基準としてなされるので、成形品には円状の入射面61の中心から見て偏りが形成されて、その偏りは、非点収差やコマ収差等の原因となってしまうという問題があった。以上の問題は、対物レンズに限るものではなく、他の光学素子の成形においても同様の問題が起こり得る。非点収差やコマ収差等が形成された対物レンズは、本来の光学機能が低下する。
【0010】
本発明の課題は、射出成形される光学素子の光学機能の低下を防ぐことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、
金型に溶融材料を射出して光学機能部を有する光学素子を成形して製造する光学素子製造方法において、
前記金型は、光学素子に前記光学機能部を形成する機能を有するとともに、型開きした際の状態では、成形された光学素子が残る第1の金型部と、型開きした際に、成形された光学素子が離型される第2の金型部とを備え、
前記第1の金型部は、前記光学機能部の光軸に対応する位置又はその近傍に設けられ且つ前記第1の金型の外部まで貫通されていない脱気穴と、光学素子を突き出す突き出し部とを備え、
前記脱気穴から前記金型内の空気が脱気されつつ前記金型へ溶融材料を射出し、
成形された光学素子から前記第2の金型部を離型して型開きし、
前記第2の金型部が離型された光学素子を前記突き出し部により突き出して、光学素子から前記第1の金型部を離型することを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記脱気穴の断面積は、0.13[mm2]以内であることを特徴とする
【0022】
請求項12記載の発明は、
溶融材料が射出されて光学機能部を有する光学素子を成形して製造する光学素子製造用金型において、
光学素子の光学機能部を形成する機能を有するとともに、型開きした際の状態では、成形された光学素子が残る第1の金型部と、
型開きした際に、成形された光学素子が離型される第2の金型部とを備え、
前記第1の金型部は、前記金型へ溶融材料を射出する際に前記金型内の空気が脱気されるように、前記光学機能部の光軸に対応する位置又はその近傍に設けられ且つ前記第1の金型部の外部まで貫通されていない脱気穴と、型開きした際に前記第2の金型部が離型された光学素子を突き出す突き出し部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項1又は記載の発明によれば、第1の金型部において光学素子の光学機能部の光軸に対応する位置又はその近傍に脱気穴が設けられ、脱気穴が第1の金型部の内部に設けられ外部まで貫通されていなく、金型への溶融材料の射出の際に金型内の空気を脱気穴内に脱気するので、成形される光学素子に空気が残りその光学素子の光学機能が低下することを防いで、また、成形された光学素子を第2の金型部から離型し、その光学素子を突き出し部により突き出し、脱気穴が設けられることにより成形された光学素子と第1の金型部との接触面積が減るという効果と脱気穴から空気が流入して光学素子と第1の金型部との間が真空状態にならないという効果とにより、その離型の際に光学素子から第1の金型部を容易に離型するので、光学素子から金型を容易に離型して光学素子の変形又は光学機能部に傷をつけることを防ぎ、射出成形における光学素子の光学機能の低下を防ぐことができる。
【0030】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、
前記脱気穴の断面積は、0.13[mm2]以内であることを特徴とする。
【0031】
請求項又は記載の発明によれば、脱気穴の断面積を0.13[mm2]以内にするので、金型への溶融材料の射出の際に脱気穴の空気の通りを良くしつつ溶融材料が脱気穴に侵入することを防ぐ。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の第1、第2、第3及び第4の実施の形態を順に説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図1〜図5を参照して本実施の形態を説明する。図1は、金型10a,20aの断面を示す図であり、図2は、金型10a,20aに射出された対物レンズ30aの断面を示す図であり、図3は、金型20aが離型された対物レンズ30aの断面を示す図であり、図4は、突き出し部11aに突き出された対物レンズ30aの断面を示す図であり、図5は、対物レンズ30aの入射面31aを示す図である。
【0046】
先ず、本実施の形態の装置の特徴を図1、図2を参照して説明する。本実施の形態の光学素子の一例である対物レンズ30aは、情報の記録密度が高い情報記録媒体である高密度DVD等の情報記録面上の情報を記録又は再生する光ピックアップ装置に設けられ、レーザ光を高密度DVD等の情報記録面に集光するための対物レンズであるものとする。対物レンズ30aの像側(記録媒体側)の開口数(NA)は0.8であり、曲率が大きく、対物レンズ30aにおけるレーザ光の入射面31aを形成する入射面形成部12aも深くなる。開口数(NA)は0.8に限られるものではなく、例えばNAが0.8以上の高い曲率の対物レンズを用いる場合も考えられる。
【0047】
対物レンズ30aは、入射面31aと、前記レーザ光の像側の出射面32aと、光ピックアップ装置に取り付けるためのフランジ33aとから形成される。図1に示すように、金型10a(第1の金型部)には、入射面31aを形成する入射面形成部12aと、フランジ33aを形成するためのフランジ形成部13aとが設けられ、金型20a(第2の金型部)には、出射面32aを形成する出射面形成部21aと、フランジ33aを形成するためのフランジ形成部22aとが設けられ、金型10a及び20aにより、溶融樹脂の導入路であるランナーA1と、溶融樹脂の導入口であるゲートA2とが設けられる。
【0048】
対物レンズ30aの材料は、プラスチック等の透明な樹脂であり、その樹脂を加熱して溶融し、キャビティA3にその溶融樹脂を射出して冷却により凝固させて対物レンズ30aを射出成形する。キャビティA3は、入射面形成部12aと、フランジ形成部13aと、出射面形成部21aと、フランジ形成部22aとからなる。
【0049】
また、金型10aには、対物レンズ30aの入射面31aのほぼ中央部分(対物レンズ30aの光学機能面の光軸に対応する位置)に脱気穴14aが設けられる。脱気穴14aは、金型10a中を貫通され、断面が円状で直径約0.2[mm]、面積約0.13[mm2]の穴である。この大きさは、キャビティA3内の空気を脱気する際の空気の通りをよくするのに適していて且つ溶融樹脂が脱気穴14a内に侵入しないように調整されおり、この条件を満たす大きさなら他の大きさでもよく、また、脱気穴14aの断面形状は円状に限るものではなく、三角形、多角形等の他の形状でもよい。また、図示しないが、溶融樹脂を射出する射出装置と、空気を吸気する吸気装置(吸気手段)と、圧縮空気を噴射するコンプレッサ(噴射手段)とが設けられる。
【0050】
次に、本実施の形態において、光学素子の一例である対物レンズ30aを射出成形して製造する方法を説明する。先ず、図1に示すように、金型10a及び20aを合せてランナーA1、ゲートA2及びキャビティA3を形成する。また、脱気穴14aには吸気装置が接続される。
【0051】
そして、図示しないスプルーを介して射出装置から溶融樹脂を射出する工程に入る。スプルーはランナーA1及び射出装置に接続され、図2に示すように、射出装置から射出された溶融樹脂は、スプルー、ランナーA1、ゲートA2を順に介してキャビティA3内に射出される。それと同時に、キャビティA3内に残留している空気は、吸気手段により脱気穴14aから吸気されるので、深い入射面形成部12aにおいても、中心部34a付近に空気だまりが発生することを防ぎ入射面31aを精度良く転写することができる。
【0052】
金型10a,20aに射出された溶融樹脂が冷却により凝固し対物レンズ30aが成形された後、離型の工程に入る。このとき、脱気穴14aには、コンプレッサが接続される。先ず、図3に示すように、金型10aを移動して、凝固した対物レンズ30aから金型20aを離型させる。これにより、出射面32a及び出射面側のフランジ33aが離型される。そして、図4に示すように、金型10aから突き出し部11aを突き出して、入射面側のフランジ33aを離型する。
【0053】
そして、コンプレッサから脱気穴14aを介して圧縮空気を噴射し、その圧縮空気の勢いで入射面31aを離型する。入射面形成部12aは深く、入射面31aとの接触面積が大きいにもかかわらず、強い力も必要なく容易に対物レンズ30aを突き出し部11aから離型することができる。特に、圧縮空気により入射面31aが押されるので、フランジ33a等を無理に引っ張って、入射面31aが金型10aに引っ掛かってその光学機能面に傷をつけたり、対物レンズ30aを変形させることもない。
【0054】
最後に、ランナーA1及びゲートA2において成形された不必要な成形部分を例えばゲートA2に対応する位置で切断することにより、対物レンズ30aが完成する。
【0055】
図5に示すように、対物レンズ30aの入射面31aには、入射面形成部12aにより、レンズ面や、輪帯回折構造、階段状位相差付与構造等の光学機能面が自在に形成可能である。しかし、対物レンズ30aの入射面の中央部34aには、入射面形成部が接触せず、光学機能が形成されないこととなる。
【0056】
しかし、光ピックアップ装置のレーザ光の入射瞳の面積を基準として、対物レンズ上の約16%以下の面積割合の部分に光学機能面が実現できなくても、記録媒体の情報記録面上の情報の記録及び再生が可能であり、中央部34aの断面積(脱気穴14aの断面積)は、この条件も満たしており、総じて、キャビティ内の空気を脱気するのに適して且つ溶融樹脂の脱気穴14aへの侵入を防ぎ且つ光学機能を実現することを妨げない。もちろん、成形後に中央部34aをバイト等で削ったり研磨したりして、中央部34aに光学機能面を形成する構成でもよい。
【0057】
よって、本実施の形態によれば、入射面形成部12aのほぼ中央部分(光軸に対応する位置)に脱気穴14aが設けられ、キャビティA3への溶融樹脂の射出の際にキャビティA3内の空気を脱気するので、キャビティA3内の空気だまりの発生による対物レンズ30a内に空気が残り対物レンズ30aの光学機能が低下することを防ぎ、成形された対物レンズ30aを金型20aから離型し、突き出し部11aにより対物レンズ30aを金型10aから突き出して、その離型の際に脱気穴14a内の空気により対物レンズ30aを金型10aから容易に離型でき、離型時における対物レンズ30aの変形又は光学機能面に傷をつけることを防ぎ、射出成形における対物レンズ30aの光学機能の低下を防ぐことができる。
【0058】
また、脱気穴14aからキャビティA3内の残留空気を吸気するので、対物レンズ30a内に空気が残り対物レンズ30aの光学機能が低下することをより効果的に防ぎ、また、離型時に脱気穴14aから圧縮空気を噴射するので、対物レンズ30aをより容易に金型10aから離型でき、離型時における対物レンズ30aの変形又は光学機能面に傷をつけることをより効果的に防ぎ、射出成形における対物レンズ30aの光学機能の低下を防ぐことができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、金型10aを内部から外部まで貫通する脱気穴14aが設けられる構成であったが、金型10aの内部に設けられ外部まで貫通しない脱気穴が設けられる構成でもよい。この場合、貫通しない脱気穴には、吸気装置やコンプレッサは接続できなく、吸気や圧縮空気の噴出はできないが、キャビティA3内の残留空気は、従来のように2つの金型10a,20aの間に形成された隙間の溝から脱気され、更に脱気穴にある程度の空気が脱気されるので、対物レンズ30aの入射面側の中央部に空気だまりが発生し、成形される対物レンズ30aに空気が残り対物レンズ30aの光学機能が低下することを防いで、また、貫通しない脱気穴により対物レンズ30aと金型10aとの接触面積が減るので、対物レンズ30aから金型を容易に離型して対物レンズ30aの変形又は光学機能部に傷をつけることを防ぎ、射出成形における対物レンズ30aの光学機能の低下を防ぐことができる。
【0060】
また、もちろん、金型10aを内部から外部まで貫通する脱気穴14aが設けられるが、その脱気穴14aに吸気装置やコンプレッサが接続されない場合も同様にして、脱気穴14aから空気が脱気されるので、対物レンズ30aの入射面側の中央部に空気だまりが発生し、成形される対物レンズ30aに空気が残り対物レンズ30aの光学機能が低下することを防いで、また、脱気穴14aにより対物レンズ30aと金型10aとの接触面積が減るという効果と脱気穴14aから空気が流入して対物レンズ30aと金型10aとの間が真空状態にならないという効果とにより、対物レンズ30aから金型を容易に離型して対物レンズ30aの変形又は光学機能部に傷をつけることを防ぎ、射出成形における対物レンズ30aの光学機能の低下を防ぐことができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図6〜図10を参照して本実施の形態を説明する。図6は、金型10b,20bに射出された対物レンズ30bの断面を示す図であり、図7は、金型20bが離型され突き出し部11b,14bに突き出された対物レンズ30bの断面を示す図であり、図8は、金型20bが離型され突き出し部11b,14bに突き出された後、更に突き出し部14bに突き出された対物レンズ30bの断面を示す図であり、図9は、金型20bが離型され突き出し部14bに突き出された対物レンズ30bの断面を示す図であり、図10は、対物レンズ30bの入射面31bを示す図である。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の構成部分があり、重複する説明を避けるため第1の実施の形態と異なる部分について説明する。これに関して、後述する第3及び第4の実施も第1の実施の形態と同様の構成部分があるので、同様に異なる部分について説明する。
【0062】
本実施の形態の装置において、図6に示すように、金型10bは、第1の実施の形態と同様に、突き出し部11b(第2の突き出し部)と、入射面形成部12bと、フランジ形成部13bとが設けられ、突き出し部11bのほぼ中央部分(対物レンズ30bの光学機能面の光軸に対応する位置)に更に径の小さな棒状の突き出し部14b(第1の突き出し部)が設けられている。金型20bは、第1の実施の形態と同様に、出射面形成部21bと、フランジ形成部22bとが設けられ、同様に金型10b,20bにより、ランナーB1とゲートB2とが設けられ、金型10bと金型20bとの間に溝B4が形成されている。
【0063】
対物レンズ30bは、第1の実施の形態と同様に、入射面31bと、出射面32bと、フランジ33bと、突き出し部14bとの接触部分である中央部34bとが設けられている。また、キャビティB3は、入射面形成部12bと、出射面形成部21bと、フランジ形成部13b,22bとから形成される。
【0064】
突き出し部11bには、その先端に、対物レンズ30bの中央部34bと接触する突き出し面15(光学機能形成部)が設けられている。突き出し面15には、出射成形時に入射面形成部12bが入射面31bに光学機能面を形成するのと同様に、出射成形時に中央部34bに光学機能面を形成するための加工が施されている。
【0065】
次に、本実施の形態において、対物レンズ30bを射出成形して製造する方法を説明する。先ず、図6に示すように、金型10b及び20bを合せてランナーB1、ゲートB2、キャビティB3及び溝B4を形成する。
【0066】
そして、図示しないスプルーを介して図示しない射出装置から溶融樹脂を射出する工程に入る。スプルーはランナーB1と射出装置とに接続され、射出装置から射出された溶融樹脂は、スプルー、ランナーB1、ゲートB2を順に介してキャビティB3内に射出される。キャビティB3内に残留している空気は、溝B4から排気される。
【0067】
そして、金型10b,20bに射出された溶融樹脂が冷却により凝固し対物レンズ30bが成形された後、離型の工程に入る。先ず、金型10bを移動して、凝固した対物レンズ30bから金型20bを離型させる。これにより、出射面32b及び出射面側のフランジ33bが離型される。そして、図7に示すように、金型10bから突き出し部11b,14bを同時に突き出して、入射面側のフランジ33bを離型する。
【0068】
そして、図8に示すように、金型10bから突き出し部14bを更に突き出して、突き出し部11bに残された入射面31bを離型する。入射面形成部12bは深く、入射面31bとの接触面積が大きいにもかかわらず、その後、強い力も必要なく容易に対物レンズ30bを突き出し部14bから離型することができる。
【0069】
最後に、ランナーB1及びゲートB2において成形された不必要な成形部分を例えばゲートB2に対応する位置で切断することにより、対物レンズ30bの成形が完了する。
【0070】
次に、本実施の形態において、対物レンズ30bを射出成形して製造するもう一つの方法を説明する。先ず、対物レンズ30bから金型20bを離型させるまでの工程は、上記の射出成形方法と同様である。そして、図9に示すように、金型10bから突き出し部14bのみを突き出して、フランジ33bと入射面31bとを一気に離型する。その後、強い力も必要なく容易に対物レンズ30bを突き出し部14bから離型することができ、ランナーB1及びゲートB2において成形された不必要な成形部分を例えばゲートB2に対応する位置で切断する。
【0071】
図10に示すように、本実施の形態の上記2つの射出成形方法のいずれにおいても、入射面形成部12bにより入射面31bに光学機能面が形成され、対物レンズ30bの入射側の中央部34bには、突き出し面15により光学機能面が形成されるので、突き出し部14bの断面積に特に制限はない。しかし、突き出し面15に中央部34bの光学機能面を形成させる加工がなされていない構成をとる場合には、第1の実施の形態で説明したように、光ピックアップ装置のレーザ光源からのレーザ光の入射瞳の面積を基準として、突き出し面15の面積割合を約16%以下に設定することが好ましい。
【0072】
これは、以下の理由による。対物レンズ30bの入射面31bの中央部34bに、このように光学機能が形成されていない場合、中央部34bに入射するレーザ光は集光スポットの形成に寄与しない不要光となる。従って、光学機能が形成されない中央部34bを有する対物レンズ30bは、入射面の中央部でレーザ光の吸収が大きく周辺に行くに従って吸収が小さくなる振幅フィルタ(いわゆる超解像フィルタ)が入射瞳面に設けられたレンズと同様の状態となる。かかる場合、対物レンズ30bによる集光スポットのI1(回折像の中心強度)は、超解像現象により、中央部に光学機能が形成された対物レンズによる集光スポットの強度I2に比して弱くなる。対物レンズ30bが、回折限界レンズとして機能するためには、強度I1が強度I2の80%以上であることが好ましい。実際に作製されたレンズは製造誤差により収差が残存するので、強度I1が強度I2の80%以上であることがより好ましい。よって、特に対物レンズ30bの開口数が0.8以上に高められる場合、強度I1が強度I2の80%以上となるためには、入射面31bの面積(入射瞳面の面積)に対する中央部34bの面積の割合は、16%以下であることが好ましい。
【0073】
よって、本実施の形態によれば、入射面形成部12bのほぼ中央部分(光軸に対応する位置)に突き出し部14bが設けられ、キャビティB3へ溶融樹脂を射出し、成形された対物レンズ30bを金型20bから離型し、その対物レンズ30bを突き出し部14bにより突き出して金型10bを離型するので、対物レンズ30bを容易に離型でき、離型時における対物レンズ30bの変形又は光学機能面に傷をつけることを防ぎ、また、突き出し部14bは入射面12bの光学機能部に比べて小さい断面積を有するので、突き出し部14bと成形される対物レンズ30bとの接触による対物レンズ30bの光学機能の低下を少なくすることができる。また、突き出し面15bには光学機能面形成のための加工がされ、光学機能面が形成された中央部34bを形成するので、中央部34bにも光学機能面が形成され、射出成形における対物レンズ30bの光学機能の低下を防ぐことができる。
【0074】
また、対物レンズ30bを、突き出し部11b,14bにより突き出し更に突き出し部14bで突き出す2段階の突き出しにより金型10bを離型する場合は、対物レンズ30bと金型10bとの接触面積を段階的に減らすので、対物レンズ30bをより容易に離型でき、離型時における対物レンズ30bの変形又は光学機能面に傷をつけることをより効果的に防ぐことができる。
【0075】
(第3の実施の形態)
図11〜図13を参照して本実施の形態を説明する。図11は、金型10c,20cに射出された対物レンズ30cの断面を示す図であり、図12は、金型10c,20cが離型された対物レンズ30cの断面を示す図であり、図13は、対物レンズ30cの入射面31cを示す図である。
【0076】
本実施の形態の装置において、図11に示すように、金型10cは、第1の実施の形態と同様に、突き出し部11cと、入射面形成部12cと、フランジ形成部13cとが設けられ、対物レンズ30cの入射面31cのほぼ中央部分(対物レンズ30cの光学機能面の光軸に対応する位置)に、溶融樹脂の導入口であるゲート14c(射出穴)が設けられている。金型20cは、第1の実施の形態と同様に、出射面形成部21cと、フランジ形成部22cとが設けられている。また、金型10c,20cの間に溝C1,C2が設けられている。対物レンズ30cは、第1の実施の形態と同様に、入射面31cと、出射面32cと、フランジ33cとが設けられている。また、キャビティC3は、入射面形成部12cと、出射面形成部21cと、フランジ形成部13c,22cとから形成される。
【0077】
ゲート14cには、図示しないが、溶融樹脂の導入路であるランナーが接続され、そのランナーには、溶融樹脂を介するスプルーが接続され、そのスプルーには、溶融樹脂を射出する射出装置が接続されている。
【0078】
次に、本実施の形態において、対物レンズ30bを射出成形して製造する方法を説明する。先ず、図11に示すように、金型10c及び20cを併せてゲート14c及びキャビティC3を形成する。
【0079】
そして、図示しないスプルーを介して射出装置から溶融樹脂を射出する。射出された溶融樹脂は、図示しないランナー及びゲート14cを順に介してキャビティC3内に射出される。キャビティC3内に残留している空気は、金型10c,20cの間の溝C1,C2から排気される。
【0080】
ゲート14cは、入射面形成部12cのほぼ中央に位置するので、図13に示すように、溶融樹脂は、対物レンズ30cの中央から放射状にキャビティC3内に射出されて冷却により凝固する。よって、溶融樹脂の転写速度及び収縮速度の偏りによるコマ収差や非点収差等の発生を防ぎ、中央部34cを中心(光軸を中心)として軸対称に均一な対物レンズ30cが成形される。そして、入射面形成部12cにより入射面31cに光学機能面が形成される。
【0081】
そして、金型10c,20cに射出された溶融樹脂が冷却により凝固し対物レンズ30cが成形された後、離型の工程に入る。先ず、金型10cを移動して、凝固した対物レンズ30cから金型20cを離型させる。これにより、出射面32c及び出射面側のフランジ33cが離型される。そして、図示しないランナー等に成形されている樹脂部分を切断する。これによって、入射面側の中央部34cのランナー側の固定が解かれる。そして、金型10cから突き出し部11cを突き出して、入射面側のフランジ33cを離型する。
【0082】
そして、図12に示すように、棒状の中央部34cを対物レンズ30c側に突き出し、入射面31cを離型する。入射面形成部12cは深く、入射面31cとの接触面積が大きいにもかかわらず、容易に対物レンズ30cを離型することができる。最後に、中央部34cを所定の切断部C4において切断する。切断部C4を、入射面31cからある程度離れた部分にすると、その切断時に入射面31cを傷つける可能性が低くなり好ましい。
【0083】
中央部34cには、光学機能面が形成されないので、ゲート14cの断面積は、第1及び第2の実施の形態で説明したように、光ピックアップ装置のレーザ光源からのレーザ光の入射瞳の面積を基準として、ゲート14cの断面積割合を約16%以下に設定すればいい。しかし、ゲート14cの断面積を小さくすればするほど溶融樹脂の射出効率が下がってしまい、溶融樹脂の射出に時間がかかってしまう。また、ゲート14cの断面積を大きくすればするほど、ゲート14cに成形される不要な樹脂部分が多くなり、樹脂の無駄も多くなる。これらの点を考慮して、ゲート14cの断面積を適切な値にすることが好ましい。
【0084】
よって、本実施の形態によれば、溶融樹脂を射出するゲート14cが、入射面形成部12cのほぼ中央部分(光軸に対応する位置)に設けられ、ゲート14cからキャビティC3へ溶融樹脂を射出するので、入射面31cの光軸を中心として軸対称で均一に転写及び収縮された対物レンズ30cを成形し、その対物レンズ30cの使用時のコマ収差又は非点収差の発生を防ぎ、射出成形における対物レンズ30cの光学機能の低下を防ぐことができる。また、第1の実施の形態と同様に、キャビティC3へ溶融樹脂を射出し、成形された対物レンズ30cを金型20dから離型し、その対物レンズ30cを突き出し部11cにより突き出して金型10cを容易に離型して、対物レンズ30cの変形又は光学機能部に傷をつけることを防ぐことができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、対物レンズ30cの離型の際に、金型20cが離型された対物レンズ30cに中央部34cを突き出して一気に離型しているが、これに限るものではなく、金型20cが離型された対物レンズ30cを先ず突き出し部11cを突き出して、フランジ33cを離型し、突き出し部11cに残った対物レンズ30cに中央部34cを突き出して入射面31cを離型してもよい。この場合、対物レンズ30cと金型10cとの接触面積を段階的に減らすので、対物レンズ30bをより容易に離型でき、離型時における対物レンズ30bの変形又は光学機能面に傷をつけることをより効果的に防ぐことができる。
【0086】
(第4の実施の形態)
図14〜図16を参照して本実施の形態を説明する。図14は、金型10d,20dに射出された対物レンズ30dの断面を示す図であり、図15は、金型10d1,10d2,20dが離型された対物レンズ30dの断面を示す図であり、図16は、対物レンズ30dの入射面31dを示す図である。
【0087】
本実施の形態の装置において、図14に示すように、金型10dは、図14上で上下に分割可能な分割部10d1,10d2と、同じく分割部101,102の内側で上下に分割可能な分割部11d1,11d2とが設けられている。第1の実施の形態と同様に、分割部11d1,11d2には入射面形成部12dが設けられ、分割部10d1,10d2にはフランジ形成部13dが設けられている。また、分割部10d1及び11d1、分割部10d2及び11d2はそれぞれ一体に上下に分割され、その分割の境界の分割部10d1,10d2,11d1,11d2による上下の分割の境界には、溝14dが設けられる。溝14dは、対物レンズ30dの入射面31dのほぼ中央部分(対物レンズ30dの光学機能面の光軸に対応する位置)を通るものとする。
【0088】
金型20dは、第1の実施の形態と同様に、出射面形成部21dと、フランジ形成部22dとが設けられている。金型10d,20dにより、ゲートD1及びキャビティD3とが形成されており、金型10d(分割部10d1)と金型20dとの間に溝D2が形成されている。対物レンズ30dは、第1の実施の形態と同様に、入射面31dと、出射面32dと、フランジ33dとが設けられ、また、溝14dに対応する部分に境界線部34dが設けられる。また、キャビティD3は、入射面形成部12dと、出射面形成部21dと、フランジ形成部13d,22dとから形成される。
【0089】
次に、本実施の形態において、対物レンズ30dを射出成形して製造する方法を説明する。先ず、図14に示すように、金型10d及び20dを合せてゲートD1、溝D2及びキャビティD3を形成する。
【0090】
そして、図示しないスプルーを介して射出装置から溶融樹脂を射出する工程に入る。スプルーは図示しないランナーに接続され、射出された溶融樹脂は、ゲートD1を介してキャビティD3内に射出される。キャビティD3内に残留している空気は、溝14d,D2から排気される。
【0091】
そして、金型10d,20dに射出された溶融樹脂が冷却により凝固し対物レンズ30dが成形された後、離型の工程に入る。先ず、金型10dを移動して、凝固した対物レンズ30dから金型20dを離型させる。これにより、出射面32d及び出射面側のフランジ33dが離型される。
【0092】
そして、図15に示すように、分割部10d1,11d1を図上の上に移動し、分割部10d2,11d2を図上の下に移動して金型10dを上下に分割する。この上下の分割は、入射面31dの光軸と垂直方向である。この上下の分割により、入射面31d、入射面側のフランジ33d及び境界線部34dを一気に離型する。入射面形成部12dは深く、入射面31dとの接触面積が大きいにもかかわらず、強い力も必要なく容易に対物レンズ30dを離型することができる。
【0093】
最後に、ゲートD1において成形された不必要な成形部分を例えばゲートD1に対応する位置で切断することにより、対物レンズ30dの成形が完了する。
【0094】
図16に示すように、本実施の形態の射出成形方法においても、入射面形成部12dにより入射面3dに光学機能面が形成され、対物レンズ30dの入射側の境界線部34dには、光学機能面が形成されないので、溝14dの幅は、例えば、約0.01〜0.02[mm]の細い線であることが好ましい。この場合に、光学機能面が形成されない領域である境界線部34dを狭くして、対物レンズ30dの光学機能の低下に寄与する影響を少なくし、またキャビティD3内の空気を溝14d内に脱気しつつ出射成形時に溶融樹脂が溝14dに侵入することを防ぐことができる。
【0095】
よって、本実施の形態によれば、キャビティD3へ溶融樹脂を射出し、キャビティD3内の空気を溝14d内に脱気して、成形される対物レンズ30dに空気が残り対物レンズ30dの光学機能が低下することを防いで、成形された対物レンズ3dを金型20dから離型し、対物レンズ30dの光軸に直行する線を境界として金型10dを光軸と垂直方向に分割させて対物レンズ30dを離型するので、容易に金型10dを対物レンズ30dから離型でき、対物レンズ30dの変形又は光学機能面に傷を付けることを防ぎ、射出成形における対物レンズ30dの光学機能の低下を防ぐことができる。
【0096】
なお、本実施の形態では、金型10dについて上下それぞれに2つの分割部(10d1,11d1)、(10d2,11d2)を設ける構成であったが、分割部10d1と11d1とを一体に形成し、分割部10d2と11d2とを一体に形成する構成でもよい。また、上下2つに分割する構成に限られるものではなく、入射面30dの光軸を通る線を境界として、光軸と垂直方向に金型が2つ以上の分割部に分割される構成でもよい。
【0097】
なお、第1〜第4の実施の形態においては、プラスチック等の樹脂を対物レンズの材料として使用したが、これに限るものではなく、低融点ガラス等の他の溶融材料を用いる構成でもよい。また、第1〜第4の実施の形態においては、像側の開口率が0.8の対物レンズ30a,30b,30c,30dを製造する構成であり、像側の開口率が0.8以上の高いレンズの製造により効果的であるが、像側の開口率が0.8未満のレンズの製造に各実施の形態を適用してもよい。
【0098】
また、第1〜第4の実施の形態においては、光学素子として光ピックアップ装置用の対物レンズについて説明したが、これに限るものではなく、コリメータ、シリンドリカルレンズ、反射ミラー、ハーフミラー及びビームスプリッタ等の他の光学素子にも適用できる。また、カメラ等の他の装置に用いるレンズ等の光学素子にも適用することができる。
【0099】
また、第1〜第4の実施の形態においては、レーザ光の入射面における光学機能の低下を防ぐ構成について説明したが、これに限るものではなく、入射面及び出射面のいずれか一方又は両方の光学機能の低下を防ぐ構成としてもよい。例えば、第1の実施の形態では、入射面形成部及び出射面形成部のいずれか一方又は両方のほぼ中央部分(光軸に対応する位置)に脱気穴を設けてもよく、第2の実施の形態では、入射面形成部及び出射面形成部のいずれか一方のほぼ中央部分(光軸に対応する位置)に突き出し部を設けてもよく、第3の実施の形態では、入射面形成部及び出射面形成部のいずれか一方又は両方のほぼ中央部分(光軸に対応する位置)にゲートを設けてもよく、第4の実施の形態では、入射面形成部及び出射面形成部のいずれか一方又は両方の光軸を通る線を境界として金型を光軸に垂直方向に分割する構成でもよい。更に、第1〜第4の実施の形態のうちの少なくとも2つ以上を組合せる構成でもよい。
【0100】
また、第1〜第3の実施の形態においては、脱気穴14a、突き出し部14b、ゲート14cをそれぞれ金型10a,10b,10cにおける対物レンズ30a,30b,30cの光学機能面の光軸に対応した位置に設けているが、対物レンズ30a,30b,30cの光学機能面の光軸に対応する位置の近傍に設ける構成も考えられる。同様に、第4の実施の形態においては、溝14dを対物レンズ30dの光学機能面の光軸に対応した位置を通るように設けているが、対物レンズ30dの光学機能面の光軸に対応する位置の近傍に設ける構成も考えられる。
【0101】
以上、本発明の実施の形態及につき説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜に変更実施が可能なものである。
【0102】
【発明の効果】
請求項1又は記載の発明によれば、第1の金型部において光学素子の光学機能部の光軸に対応する位置又はその近傍に脱気穴が設けられ、脱気穴が第1の金型部の内部に設けられ外部まで貫通されていなく、金型への溶融材料の射出の際に金型内の空気を脱気穴内に脱気するので、成形される光学素子に空気が残りその光学素子の光学機能が低下することを防いで、また、成形された光学素子を第2の金型部から離型し、その光学素子を突き出し部により突き出し、脱気穴が設けられることにより成形された光学素子と第1の金型部との接触面積が減るという効果と脱気穴から空気が流入して光学素子と第1の金型部との間が真空状態にならないという効果とにより、その離型の際に光学素子から第1の金型部を容易に離型するので、光学素子から金型を容易に離型して光学素子の変形又は光学機能部に傷をつけることを防ぎ、射出成形における光学素子の光学機能の低下を防ぐことができる。
【0106】
請求項又は記載の発明によれば、脱気穴の断面積を0.13[mm2]以内にするので、金型への溶融材料の射出の際に脱気穴の空気の通りを良くしつつ溶融材料が脱気穴に侵入することを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型10a,20aの断面を示す図である。
【図2】金型10a,20aに射出された対物レンズ30aの断面を示す図である。
【図3】金型20aが離型された対物レンズ30aの断面を示す図である。
【図4】突き出し部11aに突き出された対物レンズ30aの断面を示す図である。
【図5】対物レンズ30aの入射面31aを示す図である。
【図6】金型10b,20bに射出された対物レンズ30bの断面を示す図である。
【図7】金型20bが離型され突き出し部11b,14bに突き出された対物レンズ30bの断面を示す図である。
【図8】金型20bが離型され突き出し部11b,14bに突き出された後、更に突き出し部14bに突き出された対物レンズ30bの断面を示す図である。
【図9】金型20bが離型され突き出し部14bに突き出された対物レンズ30bの断面を示す図である。
【図10】対物レンズ30bの入射面31bを示す図である。
【図11】金型10c,20cに射出された対物レンズ30cの断面を示す図である。
【図12】金型10c,20cが離型された対物レンズ30cの断面を示す図である。
【図13】対物レンズ30cの入射面31cを示す図である。
【図14】金型10d,20dに射出された対物レンズ30dの断面を示す図である。
【図15】金型10d1,10d2,20dが離型された対物レンズ30dの断面を示す図である。
【図16】対物レンズ30dの入射面31dを示す図である。
【図17】従来の対物レンズの成形を説明する図である。
【符号の説明】
10a,10b,10c,10d…金型
11a,11b,14b,11c,11d…突き出し部
12a,12b,12c,12d…入射面形成部
13a,13b,13c,13d…フランジ形成部
14a…脱気穴
14c…ゲート
14d…溝
15b…突き出し面
20a,20b,20c,20d…金型
21a,21b,21c,21d…出射面形成部
22a,22b,22c,22d…フランジ形成部
30a,30b,30c,30d…対物レンズ
31a,31b,31c,31d…入射面
32a,32b,32c,32d…出射面
33a,33b,33c,33d…フランジ
34a,34b,34c,34d…中央部
A1,B1…ランナー
A2,B2,D1…ゲート
A3,B3,C3,D3…キャビティ
C1,C2,B4,D2…溝
C4…切断部
40…金型
41…突き出し部
42…入射面形成部
43…フランジ形成部
44…中央部
50…金型
51…出射面形成部
52…フランジ形成部
60…対物レンズ
61…入射面
62…出射面
63…フランジ
E1…ランナー
E2…ゲート
E3…キャビティ
E4…溝

Claims (4)

  1. 金型に溶融材料を射出して光学機能部を有する光学素子を成形して製造する光学素子製造方法において、
    前記金型は、光学素子に前記光学機能部を形成する機能を有するとともに、型開きした際の状態では、成形された光学素子が残る第1の金型部と、型開きした際に、成形された光学素子が離型される第2の金型部とを備え、
    前記第1の金型部は、前記光学機能部の光軸に対応する位置又はその近傍に設けられ且つ前記第1の金型の外部まで貫通されていない脱気穴と、光学素子を突き出す突き出し部とを備え、
    前記脱気穴から前記金型内の空気が脱気されつつ前記金型へ溶融材料を射出し、
    成形された光学素子から前記第2の金型部を離型して型開きし、
    前記第2の金型部が離型された光学素子を前記突き出し部により突き出して、光学素子から前記第1の金型部を離型することを特徴とする光学素子製造方法。
  2. 前記脱気穴の断面積は、0.13[mm2]以内であることを特徴とする請求項に記載の光学素子製造方法。
  3. 溶融材料が射出されて光学機能部を有する光学素子を成形して製造する光学素子製造用金型において、
    光学素子の光学機能部を形成する機能を有するとともに、型開きした際の状態では、成形された光学素子が残る第1の金型部と、
    型開きした際に、成形された光学素子が離型される第2の金型部とを備え、
    前記第1の金型部は、前記金型へ溶融材料を射出する際に前記金型内の空気が脱気されるように、前記光学機能部の光軸に対応する位置又はその近傍に設けられ且つ前記第1の金型部の外部まで貫通されていない脱気穴と、型開きした際に前記第2の金型部が離型された光学素子を突き出す突き出し部とを備えたことを特徴とする光学素子製造用金型。
  4. 前記脱気穴の断面積は、0.13[mm2]以内であることを特徴とする請求項に記載の光学素子製造用金型。
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