JP2001194311A - 基板検査装置 - Google Patents

基板検査装置

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JP2001194311A
JP2001194311A JP2000325855A JP2000325855A JP2001194311A JP 2001194311 A JP2001194311 A JP 2001194311A JP 2000325855 A JP2000325855 A JP 2000325855A JP 2000325855 A JP2000325855 A JP 2000325855A JP 2001194311 A JP2001194311 A JP 2001194311A
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Makoto Nishizawa
誠 西澤
Tsutomu Ozawa
津登務 小澤
Nobuo Fujisaki
暢夫 藤崎
Yasushi Sato
靖 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ミクロ観察時の振動の影響を改善し、ガラス基
板の検査を容易にかつ短時間で能率よくすること。 【解決手段】 ガラス基板1に対するマクロ観察とミク
ロ観察とを行う基板検査装置に、ガラス基板1を保持し
てミクロ観察を行うためのミクロ検査用ホルダ6と、ガ
ラス基板1を保持して揺動自在に設けられかつこのミク
ロ検査用ホルダ6上から退避可能にしたマクロ検査用ホ
ルダ14とを備えることで、マクロ観察とミクロ観察と
を同一位置若しくは隣接位置で行うことができ、さら
に、ガラス基板1の搬送時間を短縮し、タクトタイムを
短くできる。又、マクロ検査用ホルダ14をミクロ検査
用ホルダと別体にすることで、マクロ観察時の揺動動作
の自由度及び設計の自由度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶ディス
プレイ(以下、LCDと称する)に用いられるガラス基
板を検査して欠陥等を検出するに適用される基板検査装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】LCDに用いられるガラス基板の欠陥検
査では、マクロ観察と称する検査とミクロ観察と称する
検査とが行われている。マクロ観察は、ガラス基板の表
面に照明光を照射し、その反射光の光学的変化をオペレ
ータの目視により観察してガラス基板の表面上の傷など
の欠陥を検出するものである。ミクロ観察は、マクロ観
察で検出された欠陥部分を顕微鏡を用いて拡大して観察
するものである。
【0003】この場合、マクロ観察とミクロ観察とで同
一のホルダを用いる場合、マクロ観察では、ガラス基板
を基板検査装置におけるホルダ上に保持し、この状態で
ホルダをオペレータに向かって前後方向に揺動させてオ
ペレータの目視によりガラス基板の表面を観察してい
る。一方、裏面を観察したい場合には、ホルダを反転さ
せて、上記同様にホルダをオペレータに向かって前後方
向に揺動させてオペレータの目視によりガラス基板の裏
面を観察することが考えられている。
【0004】このマクロ観察で抽出された欠陥をミクロ
観察する場合には、上記ホルダを水平状態にし、このホ
ルダを水平面内で移動させ、ガラス基板の上方に固定さ
れた顕微鏡によりミクロ観察する。
【0005】又、マクロ観察とミクロ観察とを別々の装
置で行う場合には、マクロ観察が終了すると、ガラス基
板をマクロ観察のホルダから取り出し、ローダ等で移動
してミクロ観察の別のホルダに移し替えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、LCDの大型化
に伴って複数面取りのガラス基板がさらに大型化する傾
向にあり、その重量も大きくなっている。このような大
型のガラス基板を保持するホルダでは、ミクロ観察時に
振動の影響を受け易くなるために、振動が発生しにくい
ようにホルダの重量と強度を高めることが要求される。
ところが、マクロ観察とミクロ観察とで同一ホルダを用
いる場合では、ホルダの重量及び強度を高くすると、ミ
クロ観察時に振動が生じにくくなる反面、マクロ観察時
に重いホルダを揺動させるの大きなパワーのモータとそ
のモータから発生する内部振動を抑える特別な工夫が必
要になるとともに、ホルダの揺動の自由度に規制を受け
てしまう。
【0007】一方、マクロ観察とミクロ観察とを別々の
場所で行う場合には、マクロ観察が終了した後に、ガラ
ス基板をマクロ観察のホルダから取り出し、ローダ等で
移動してミクロ観察のホルダに移し替えなければならな
い。このため、ガラス基板の搬送距離が長くなり、ガラ
ス基板の検査作業が煩雑となり、タクトタイムの掛かる
ものであった。さらに、マクロ検査装置とミクロ検査装
置とを別々に並設した場合、両装置間にガラス基板を転
送するローダ装置を配置しければならないため、設計、
配置の自由度の制限を受けるとともに、これら装置の設
置スペースが大きくなってしまう。
【0008】そこで本発明は、ミクロ観察時の振動の影
響を改善し、ガラス基板の検査を容易にかつ短時間で能
率よくできる基板検査装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載による本発
明は、基板を目視により検査するマクロ観察又は前記基
板の画像を拡大して検査するミクロ観察を行うための基
板検査装置において、前記基板を保持するもので、前記
ミクロ観察を行うミクロ検査用ホルダと、前記基板を保
持するもので、前記ミクロ検査用ホルダに隣接して揺動
自在に設けられかつ前記ミクロ検査用ホルダ上方に挿脱
可能なマクロ検査用ホルダとを具備したことを特徴とす
る基板検査装置である。
【0010】請求項2記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記ミクロ観察用のヘ
ッドと前記ミクロ検査用ホルダとは、相対的に前記基板
面に対して平行な平面内で移動自在に設けられたことを
特徴とする。
【0011】請求項3記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダは、前記基板を通る一方向を軸として前記基板を揺動
させることを特徴とする。
【0012】請求項4記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダは、前記退避方向に対して交差する方向に移動可能で
あることを特徴とする。
【0013】請求項5記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダは、前記基板面上に中心をおいて前記基板を回動させ
ることを特徴とする。
【0014】請求項6記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダは、前記基板を所望の傾斜角で傾斜させた状態で前記
基板を前後方向に移動可能であることを特徴とする。
【0015】請求項7記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダは、前記基板をほぼ垂直に傾斜させた状態で前記基板
を前後方向(Y方向)、平行方向(X方向)、昇降方向
(Z方向)に移動可能であることを特徴とする。
【0016】請求項8記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダには、前記基板上の欠陥の座標を検出するポインタが
一体に設けられていることを特徴とする。
【0017】請求項9記載による本発明は、請求項1記
載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホル
ダは、前記ミクロ検査用ホルダの上方又は退避位置で前
記マクロ観察可能であることを特徴とする。
【0018】請求項10記載による本発明は、請求項1
記載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホ
ルダと、このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に
設けられかつ軸方向に回転可能な支持部材とを有するホ
ルダ機構を備えたことを特徴とする。
【0019】請求項11記載による本発明は、請求項1
記載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホ
ルダは、このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に
設けられかつ軸方向に回転可能な支持部材と、この支持
部材を回動させて前記マクロ検査用ホルダを揺動させる
揺動回転機構とを備えたことを特徴とする。
【0020】請求項12記載による本発明は、請求項1
記載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホ
ルダは、このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に
設けられかつ軸方向に回転可能な支持部材と、これらマ
クロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に平行移動させ
る平行移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0021】請求項13記載による本発明は、請求項1
記載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホ
ルダは、このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に
設けられかつ軸方向に回転可能な支持部材と、これらマ
クロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に昇降させる昇
降機構とを備えたことを特徴とする。
【0022】請求項14記載による本発明は、請求項1
記載記載の基板検査装置において、前記マクロ検査用ホ
ルダは、このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に
設けられかつ軸方向に回転可能な支持部材と、この支持
部材を回動させて前記マクロ検査用ホルダを揺動させる
揺動回転機構と、これらマクロ検査用ホルダ及び支持部
材を一体的に平行移動させる平行移動機構と、これらマ
クロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に昇降させる昇
降機構とを備えたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0024】図1及び図2はLCDに用いられるガラス
基板の欠陥検査に適用した基板検査装置の構成図であっ
て、図1は正面図、図2は上方から見た図である。この
基板検査装置は、複数枚のガラス基板1を収納するカセ
ットステーション2と、このカセットステーション2に
収納されているガラス基板1を取り出し保持して検査装
置3に搬送し、かつ検査装置3で検査済みのガラス基板
1を取り出し保持してカセットステーション2に戻す搬
送ロボット4と、ガラス基板1を目視して検査するマク
ロ観察又はガラス基板1の画像を拡大して検査するミク
ロ観察とを行うことによりガラス基板1に対する検査を
行うための上記検査装置3と、この検査装置3に搬送さ
れたガラス基板1を保持してX方向、Y方向及びZ方向
に移動自在であると共に、揺動、回転自在に設けられた
ホルダ機構5とを備えている。これらカセットステーシ
ョン2、搬送ロボット4、検査装置3及びホルダ機構5
は、図面上X方向に配置されている。
【0025】上記カセットステーション2は、未検査の
ガラス基板1を複数枚収納する第1のカセット2aと、
検査済みのガラス基板1を複数枚収納する第2のカセッ
ト2bとを備えている。これら第1と第2のカセット2
a、2bは、搬送ロボット4の移動方向(矢印イ方向:
Y方向)に対して並行方向に配列されている。
【0026】搬送ロボット4は、矢印イ方向に移動可能
であって、多関節のロボットアームの先端にハンドを取
付けたロボットアーム4a、4bを一対備え、さらに一
対のハンドを上下に配置して2枚のガラス基板1を同時
に搬送できるダブルアーム方式を採用した。この搬送ロ
ボット4は、一方のロボットアーム4aで第1のカセッ
ト2aに収納されている未検査のガラス基板1を取り出
して保持し、この状態で矢印イ方向に移動し180°回
転して検査装置3に位置決めし、他方のロボットアーム
4bで検査装置3内のミクロ検査用ホルダ6に置かれて
いる検査済みのガラス基板1を取り出すと同時に一方の
ロボットアーム4aで未検査のガラス基板を検査装置3
内のミクロ検査用ホルダ6に置く。次に搬送ロボット4
は、矢印イ方向に移動し180°回転して第2のカセッ
ト2bに位置決めし、他方のロボットアーム4bで保持
している検査済みのガラス基板1を第2のカセット2b
に収納し、再び矢印イ方向に移動して第1のカセット2
aに位置決めする動作を繰り返すものとなっている。
【0027】又、搬送ロボット4は、第1のカセット2
aに収納されている未検査のガラス基板1を取り出す高
さ位置、検査装置3内にガラス基板1を載置又は取り出
す高さ位置、第2のカセット2bに検査済みのガラス基
板1を収納する高さ位置に調整するように矢印ロ方向
(Z方向)に昇降自在に設けられている。
【0028】検査装置3は、例えば同一ステーション内
でマクロ観察とミクロ観察とを行えるようにしたもの
で、これら観察の対象となるガラス基板1を保持してミ
クロ観察を行うためのミクロ検査用ホルダ6が備えられ
ている。このミクロ検査用ホルダ6は、検査装置3のベ
ース上に固定されたもので、その下方には複数のリフト
ピン7がガラス基板1の全面に対して所定の間隔で配置
されている。これらリフトピン7は、昇降(Z方向)し
てミクロ検査用ホルダ6上に保持されているガラス基板
1を所定の高さだけ持ち上げるものとなっている。
【0029】検査装置3の上部には、マクロ観察で使用
する照明装置8が設けられている。又、ミクロ検査用ホ
ルダ6の上部には、ミクロ観察を行うための顕微鏡9
(ミクロ観察用のヘッド)が設けられている。この顕微
鏡9は、門型アーム9aに対して移動自在(X方向)に
設けられている。門型アーム9aは、ミクロ検査用ホル
ダ6の両側を挟んでガイドレール上に沿って(Y方向)
走行するものとなっている。従って、顕微鏡9は、ミク
ロ検査用ホルダ6上に保持されたガラス基板1に対して
XY方向に移動自在となっている。
【0030】ホルダ機構5は、図3に示すように回転軸
10に例えばモータを内蔵した回転源11を介して支持
部材12を設け、かつこの支持部材12の先端部に貫通
して設けられた回転軸13に固定されたヨ字形状のマク
ロ検査用ホルダ14を回転自在に設けたものとなってい
る。
【0031】このマクロ検査用ホルダ14は、回転軸1
0と一体的に、ミクロ検査用ホルダ6の上方から退避す
るX方向(回転軸10の軸方向、ミクロ検査用ホルダ6
の上方に挿脱する方向)に移動可能であり、さらに回転
軸10に対して揺動、傾動、反転可能(矢印ハ方向)、
上記退避方向(X方向)に対して交差する方向に移動可
能(前後方向:Y方向、平行方向、昇降方向:Z方
向)、ガラス基板1の面上のほぼ中心において回転可能
(矢印ニ方向)となっている。なお、このガラス基板1
を矢印ハ方向に反転可能であることから、ガラス基板1
の裏面をオペレータQ側に向ける反転動作が可能となっ
ている。
【0032】このようなマクロ検査用ホルダ14であれ
ば、例えばガラス基板1を所望の傾斜角で傾斜させた状
態で前後方向に移動可能となり、さらにはカラス基板1
を所望の傾斜角で傾斜させた状態で前後方向、平行方
向、昇降方向にそれぞれ移動可能となる。
【0033】具体的にマクロ検査用ホルダ14は、上記
回転軸10を中心(X軸方向を中心に)に矢印ハ方向に
回転自在に設けられている。又、マクロ検査用ホルダ1
4は、支持部材12の先端部の回転軸13を回転中心と
して矢印ニ方向に回動自在に設けられている。このうち
マクロ検査用ホルダ14を回動運動させる機構は、回転
源11の出力軸(回転軸)15と、支持部材12の下面
に半径の異なる各プーリを一体化した回転体16との間
にタイミングベルト17を掛け、かつこの回転体16と
回転軸13との間にタイミングベルト18を掛けたもの
となっている。
【0034】従って、回転源11が回転駆動すると、こ
の回転がタイミングベルト17を介して回転体16に伝
達され、さらにタイミングベルト18を介して回転軸1
3に伝達されることによって、マクロ検査用ホルダ14
が図4(a)(b)に示すように回動する。同図(a)は支持部
材12とマクロ検査用ホルダ14とが同一方向を向いて
おり、これをホルダ回転0度とする。同図(b)は支持部
材12に対してマクロ検査用ホルダ14が90度回転し
ており、これをホルダ回転90度とする。
【0035】なお、図3及び図4では、マクロ検査用ホ
ルダ14上にLCDに用いられるガラス基板1が保持さ
れている。
【0036】又、マクロ検査用ホルダ14には、欠陥の
xy座標を指示するポインタ手段として、例えば図5に
示すようにレーザポインタを構成する各レーザ光源19
a、19bが備えられている。これらレーザ光源19
a、19bは、マクロ検査用ホルダ14の枠上(マクロ
検査用ホルダ14の縁)に形成された各ガイドスケール
20a(x座標)、20b(y座標)上を移動自在に設
けられている。この場合、マクロ検査用ホルダ14上に
基準の座標系x−yを設定すると、各レーザ光源19
a、19bから出力される各レーザ光L1、L2の交差
点のx,y座標が各レーザ光源19a、19bの位置に
おけるx座標とy座標に一致し、この両座標からレーザ
光L1、L2の交差点のxy座標が求められる。レーザ
光源19aの位置がx座標、レーザ光源19bの位置が
y座標を示すものとなる。従って、ガラス基板1上の欠
陥上に各レーザ光L1、L2の交差点が位置するように
各レーザ光源19a、19bを移動させれば、欠陥の座
標が求められる。
【0037】なお、各レーザ光源19a、19bは、そ
れぞれモータ及びベルトと連結し、モータの回転により
ベルトを駆動して各ガイドスケール20a、20b上を
自動的に移動するように構成することが好ましい。この
場合、各レーザ光源19a、19bの移動は、後述する
操作部27へのオペレータQの操作によって行われるよ
うにすればよい。
【0038】又、ポインタ手段は、図5に示すXYレー
ザポインタに限られるものではないが、ガラス基板1が
揺動、回転することから欠陥位置の座標を正確かつ容易
に求めるためにマクロ検査用ホルダ14上に設けること
が好ましい。
【0039】又、マクロ検査用ホルダ14上には、ガラ
ス基板1の周縁部を保持するための吸着機構が設けられ
ている。この吸着機構は、ホルダ機構5が揺動、反転し
てもガラス基板1がマクロ検査用ホルダ14から取り外
れない程度の吸着力を持っている。
【0040】ホルダ機構5には、図2に示すように回転
駆動機構21、揺動回転機構22、前後移動機構23、
平行移動機構24及び昇降機構25が備えられている。
回転駆動機構21は、図3に示す回転源11を駆動して
マクロ検査用ホルダ14を矢印ニ方向に回動させ、例え
ば図4(a)に示すホルダ回転0度や同図(b)に示すホルダ
回転90度の任意の回転角度に、又は360°に回転運
動させる機能を有している。
【0041】揺動回転機構22は、図3に示す回転軸1
0を回転させる駆動源を備え、この回転軸10を回転さ
せてホルダ機構(支持部材12とマクロ検査用ホルダ部
材14の一体)5を矢印ハ方向に揺動、傾動又は反転さ
せる機能を有している。
【0042】前後移動機構23は、図3に示す回転軸1
0を含むホルダ機構5全体を図2に示すY方向すなわち
オペレータQから見て前後方向に移動させる機能を有し
ている。
【0043】平行移動機構24は、図3に示す回転軸1
0を含むホルダ機構5全体を図2に示すX方向すなわち
オペレータQから見て左右方向に移動させる機能を有し
ている。
【0044】昇降機構25は、図1に示すように回転軸
10を含むマクロ検査用ホルダ14をZ方向すなわちオ
ペレータQから見て上下方向に昇降させる機能を有して
いる。
【0045】このようなホルダ機構5であれば、コンパ
クトな構成で、マクロ検査用ホルダ14上にガラス基板
1を載置し、吸着機構により吸着保持することにより、
回転運動、揺動運動、前後移動、平行移動及び昇降がで
きるものとなる。
【0046】制御部26は、基板検査装置全体の動作を
制御するもので、操作部27からの指令を受けて搬送ロ
ボット3を動作制御してカセットステーション2と検査
装置3との間でガラス基板1を搬送させ、さらに上記回
転駆動機構21、揺動回転機構22、前後移動機構2
3、平行移動機構24及び昇降機構25をそれぞれ動作
制御してホルダ機構5を回転運動、揺動(傾動、反転)
運動、前後(Y方向)移動、平行(X方向)移動及び昇
降(Z方向)させる機能を有している。又、制御部26
は、マクロ検査用ホルダ14上の各レーザ光源19a、
19bの各位置から例えば欠陥の座標を求める機能を有
している。
【0047】操作部27は、検査装置3のオペレータQ
が観察するところに設置されるもので、オペレータQか
ら操作されるホルダ機構5に対する回動運動、揺動運
動、前後移動、平行移動及び昇降の指示を制御部26に
送る機能を有している。又、この操作部27は、搬送ロ
ボット3の動作指令、検査装置3におけるマクロ観察の
ための照明装置8の点灯の有無の指示、ミクロ観察のた
めに顕微鏡9を移動させて位置決めするための指示など
を操作する機能を有している。なお、操作部27は、図
2中において図示する関係上オペレータQの横側に設け
られているが、実際にはオペレータQの前方に配置され
ている。
【0048】次に、上記の如く構成された装置の作用に
ついて説明する。
【0049】搬送ロボット4は、一対のロボットアーム
4a、4bを動作させ、例えば、一方のロボットアーム
4aで第1のカセット2aに収納されている未検査のガ
ラス基板1を取り出して保持し、この状態で矢印イ方向
に移動し180°回転して検査装置3に位置決めし、ガ
ラス基板1を検査装置3内のミクロ検査用ホルダ6上に
載置する。このとき検査装置3内に検査済みのガラス基
板1があれば、未検査のガラス基板1を検査装置3内に
搬入する前に、他方のロボットアーム4bでミクロ検査
用ホルダ6上に置かれている検査済みのガラス基板1を
先に取り出し、これと共に一方のロボットアーム4aで
未検査のガラス基板1をミクロ検査用ホルダ6上に載置
する。
【0050】このガラス基板の搬送のとき搬送ロボット
4は、図1に示すように矢印ロ方向に昇降して第1のカ
セット2aに収納されている未検査のガラス基板1を取
り出す高さ位置、検査装置3内にガラス基板1を搬入又
は搬出する高さ位置に調整される。
【0051】搬送ロボット4により検査装置3内に未検
査のガラス基板1が搬入されると、先ずガラス基板1に
対するマクロ観察が行われ、続いてミクロ観察が行われ
る。これらマクロ観察及びミクロ観察は、オペレータQ
が操作部27を操作することによりその操作指示が制御
部26に送られ、この制御部26の制御により回転駆動
機構21、揺動回転機構22、前後移動機構23、平行
移動機構24又は昇降機構25のいずれか1つ又は組み
合わせで動作して行われる。
【0052】先ず、マクロ観察について検査装置3のミ
クロ検査用ホルダ6をX方向から見た図6〜図10を参
照して説明する。検査装置3内においてガラス基板1
は、図6に示すようにミクロ検査用ホルダ6上に正しく
位置決めされた状態で載置されている。この状態から複
数のリフトピン7が上昇し、図7に示すようにガラス基
板1を所定の高さまで持ち上げる。
【0053】次に、ホルダ機構5は、平行移動機構24
の動作によってX方向、すなわち図1及び図2では右側
方向に移動し、図8に示すように支持部材12及びマク
ロ検査用ホルダ14が各リフトピン7の間を通ってガラ
ス基板1の下方に挿入される。このとき、ホルダ機構5
は、ガラス基板1が正規の位置からずれた場合には、マ
クロ検査用ホルダ14上にガラス基板1が正しく載置さ
れるようにX方向の他に前後移動機構23の動作によっ
て前後方向(Y方向)に移動させて位置調整される。
又、図示しない位置決め機構によりガラス基板1が基準
位置に位置決めされると、吸着作用によりガラス基板1
をマクロ検査用ホルダ14上に吸着保持する。
【0054】このとき、各リフトピン7が図9に示すよ
うに下降し、これによってガラス基板1は、ホルダ機構
5のマクロ検査用ホルダ14上に載せ替えられる。
【0055】次に、ホルダ機構5は、前後移動機構23
の動作によってオペレータQ側に移動し、昇降機構25
によりホルダ機構5が回転しても検査装置3の内壁やミ
クロ検査用ホルダ6に接触しないように上昇した後、揺
動回転機構22の動作によって回転軸10を中心として
所定角度範囲内でガラス基板1を前後に揺動させながら
オペレータQの目視によるマクロ観察が行われる。
【0056】このホルダ機構5の揺動及びオペレータQ
側への移動によりホルダ機構5は、図10に示すように
ガラス基板1を水平状態から斜め状態にし、かつオペレ
ータQ側に近付けられる。なお、ホルダ機構5の揺動、
オペレータQ側への移動及び昇降は、同時に動作させて
もよし、別々に動作させてもよい。図10中の示すR1
はホルダ機構5の揺動、オペレータQ側への移動及び昇
降を同時に動作させたときの支持部材12の軌跡、同図
中のR2はオペレータQ側への移動及び昇降を別々に動
作させたときの支持部材12の軌跡の一例を示してい
る。
【0057】より具体的にガラス基板1の揺動マクロ観
察のときのホルダ機構5におけるマクロ検査用ホルダ1
4の動作について説明すると、例えば、このマクロ検査
用ホルダ14は、先ず、昇降機構25によりマクロ検査
用ホルダ14がミクロ検査用ホルダ6に干渉せず見やす
い高さ位置まで上昇すると同時に前後移動機構23によ
りマクロ検査用ホルダ14を前に移動させてオペレータ
Q側に近付ける。続いて揺動回転機構22により所定の
角度に傾斜される。このとき、傾斜されたマクロ検査用
ホルダ14上のガラス基板1に対して照明装置8から照
明されることによりマクロ検査が行われる。
【0058】すなわち、ガラス基板1が傾斜してセット
されると、照明装置8が点灯されてガラス基板1を照明
する。このときガラス基板1の表面に照明光を照射し、
その反射光の光学的変化をオペレータQの目視により観
察してガラス基板1の表面上の傷などの欠陥を検出する
というマクロ観察が行われる。このマクロ観察では、ガ
ラス基板1の表面からの反射光の光学的変化を観察する
ためにオペレータQの操作により揺動回転機構22を動
作させ、ホルダ機構5が所望の傾斜角になるように調整
される。
【0059】なお、マクロ検査用ホルダ14を傾斜させ
るとき、予めマクロ検査用ホルダ14を上昇させるの
で、このマクロ検査用ホルダ14がミクロ検査用ホルダ
6に接触することはない。
【0060】次に、マクロ検査用ホルダ14は、揺動回
転機構22により揺動され、この揺動中のガラス基板1
に対して照明装置8から照明されることによりマクロ検
査が行われる。
【0061】次に、マクロ検査用ホルダ14は、回転駆
動機構21により図3に示す矢印ニ方向に回動され、ガ
ラス基板1を当該ガラス基板1上の欠陥の種類(欠陥の
方向)に応じて欠陥が見やすい角度、例えば図4(b)に
示すホルダ角度90°若しくは360°に回転移動す
る。これにより、ガラス基板1に対して照明装置8から
照明されることによりマクロ検査が行われる。
【0062】次に、マクロ検査用ホルダ14は、揺動回
転機構22によりマクロ検査用ホルダ14をほぼ垂直な
状態まで回動させた後、前後移動機構23によりオペレ
ータQ側に近付けるように移動(Y方向)し、さらに平
行移動機構24によりオペレータQに対して左右方向
(X方向)に移動されるとともに、昇降機構25により
Z方向に昇降され、これによりガラス基板1上の欠陥が
オペレータQにより最も観察しやすい所望の位置、例え
ばオペレータQの前方に移動される。
【0063】このとき、オペレータQは、操作部27を
操作し、マクロ検査用ホルダ14をXYZ方向に移動
し、例えばオペレータQの目の前に欠陥Gを移動させる
ので、オペレータQは観察位置から移動しないでも、前
方の観察しやすいところに欠陥Gの部分を移動させるこ
とができる。又、ガラス基板1の欠陥によっては、透過
照明の方が見え易い場合があるので、バックライトを用
意するのが好ましい。
【0064】次に、ガラス基板1の裏面のマクロ観察を
行う場合は、図11に示すようにホルダ機構5は、ガラ
ス基板1の表面のマクロ観察をしている状態から揺動回
転機構22の動作によって回転軸10を中心として反転
される。そして、ガラス基板1の裏面がオペレータQ側
を向いた状態で斜め方向でセットされると、上記同様に
照明装置8が点灯されてガラス基板1の裏面を照明す
る。このようにガラス基板1の裏面に照明光を照射し、
その反射光の光学的変化をオペレータQの目視により観
察してガラス基板1の裏面上の傷などの欠陥を検出する
というマクロ観察が行われる。
【0065】又、ガラス基板1の表面又は裏面のマクロ
観察において、図12に示すように照明装置8の照明光
の照射領域Wがガラス基板1の全面に照射されず、一部
分の狭い領域である場合がある。この場合、ホルダ機構
5は、平行移動機構24の動作によってマクロ検査用ホ
ルダ14をX方向又はY方向に平行移動させる。この場
合、マクロ検査用ホルダ14をX方向に移動させること
によりガラス基板1は、図13に示すように図中右側方
向に移動し、欠陥Gが照明光の照射領域Wに入る。
【0066】又、ガラス基板1には、規則的なパターン
が形成されたものがある。このようなガラス基板1で
は、図4(a)に示すようにガラス基板1を横方向に載置
して揺動するのでは、パターンの配列方向や当該ガラス
基板1面上の欠陥等を検出できないことがある。このパ
ターン特有の欠陥もその方向によっては検出できないも
のである。この場合、オペレータQによる操作部27へ
の操作によりホルダ機構5は、回転駆動機構21の駆動
によって回転源11を回動駆動する。この回動駆動は、
タイミングベルト17を介して回転体16に伝達され、
さらにタイミングベルト18を介してマクロ検査用ホル
ダ14の回転軸に伝達される。
【0067】これによりマクロ検査用ホルダ14は、回
動し、例えば図4(b)に示すようにホルダ回転90度の
状態となる。このホルダ回転90度の状態であれば、規
則的なパターンが形成されたガラス基板1に照明光を照
射してマクロ観察することが可能となる。又、ガラス基
板1面上に形成されているパターンが互いに直交してい
る2つのパターンであれば、例えばマクロ検査用ホルダ
14を45度の回動角度の状態にすれば、両方のパター
ンに対する欠陥を同時にマクロ観察することが可能とな
る。
【0068】例えば、ホルダ回転90度の状態におい
て、ガラス基板1の表面からの反射光の光学的変化を観
察するためにオペレータQの操作により揺動回転機構2
2を動作させ、ホルダ機構5が所望の傾斜角になるよう
に調整することができる。
【0069】又、上記同様に、ホルダ回転90度の状態
でガラス基板1の裏面のマクロ観察を行う場合でも、オ
ペレータQの操作によりホルダ機構5を揺動回転機構2
2の動作によって反転させることによってガラス基板1
の裏面上のマクロ観察が可能である。
【0070】さらに、ホルダ回転90度の状態でのガラ
ス基板1の表面又は裏面のマクロ観察において、照明装
置8の照明光の照射領域Wがガラス基板1の全面に照射
されない場合には、ホルダ機構5を平行移動機構24の
動作によってX方向に平行移動やY方向に前後移動、さ
らにZ方向に昇降させることによってオペレータQの前
方の観察しやすいところに欠陥Gの部分を配置すること
が可能である。
【0071】以上のような各マクロ観察において、ガラ
ス基板1の表面又は裏面に欠陥Gが検出されると、図5
に示すレーザポインタを構成する各レーザ光源19a、
19bからそれぞれレーザ光L1、L2が出力され、こ
の状態に各レーザ光源19a、19bがオペレータQの
手動によって各レーザ光L1、L2の交差点が欠陥G上
に位置するように各ガイドスケール20a、20b上に
移動される。なお、自動操作の場合は、オペレータQが
操作部27を操作することによって各レーザ光源19
a、19bが各ガイドスケール20a、20b上を移動
する。
【0072】各レーザ光L1、L2の交差点が欠陥G上
に位置すると、このときのレーザ光源19aの位置がx
座標、レーザ光源19bの位置がy座標を示すものとな
り、従って、ガラス基板1上の欠陥Gの座標(x,y)
が求められる。この欠陥Gの座標(x,y)は、制御部
26に記憶される。
【0073】マクロ観察が終了すると、ホルダ機構5
は、回転駆動機構21、揺動回転機構22、前後移動機
構23、平行移動機構24及び昇降機構25の動作によ
りガラス基板1を水平状態に戻す。そして、リフトピン
7が上昇してガラス基板1を支持し、このときホルダ機
構5は、ガラス基板1に対する吸着を停止し、マクロ検
査用ホルダ14をガラス基板1の下方から抜き出しミク
ロ検査用ホルダ6上から退避させる。この後、リフトピ
ン7が下降してガラス基板1をミクロ検査用ホルダ6上
に載置する。
【0074】次に、ミクロ観察が行われる。このミクロ
観察は、マクロ観察で検出されたガラス基板1の欠陥G
の部分を顕微鏡9を用いて拡大して観察する。顕微鏡9
は、マクロ観察で検出された欠陥Gの座標(x,y)に
基づいて門型アーム9a上でのX方向への移動、門型ア
ーム9aのY方向への移動によってガラス基板1の上方
でXY方向に移動する。そして、顕微鏡9は、ガラス基
板1上の欠陥Gの上方で停止し、欠陥Gの拡大像を捕ら
える。この拡大像は、例えばCDD等の撮像装置によっ
て撮像され、モニタテレビジョンに映し出される。
【0075】マクロ観察及びミクロ観察が終了すると、
搬送ロボット4は、既に一方のロボットアーム4aで未
検査のガラス基板1を保持している状態にある。従っ
て、他方のロボットアーム4bで検査装置3内の検査済
みのガラス基板1が取り出されて保持され、これ共に一
方のロボットアーム4aで未検査のガラス基板が検査装
置3内に載置される。そして、搬送ロボット4は、矢印
イ方向に移動し回転して第2のカセット2bに位置決め
し、他方のロボットアーム4bで保持している検査済み
のガラス基板1を第2のカセット2bに収納し、再び矢
印イ方向に移動して第1のカセット2aに位置決めす
る。
【0076】このように上記一実施の形態においては、
ガラス基板1を目視して検査するマクロ観察又はガラス
基板1の画像を拡大して検査するミクロ観察とを行う基
板検査装置に、ガラス基板1を保持してミクロ観察を行
うための固定されたミクロ検査用ホルダ6と、ガラス基
板1を保持してミクロ検査用ホルダ6の上方で揺動回転
自在でかつXYZ方向に移動可能に設けられたマクロ検
査用ホルダ14とを備えたので、ガラス基板1に対する
マクロ観察とミクロ観察とを同一位置で行うことがで
き、従来のようにマクロ観察とミクロ観察とを別々の装
置で行う場合と比較して装置の設置スペースを小さくで
き、装置全体のコンパクト化ができる。
【0077】上記の如くマクロ観察とミクロ観察とを同
一位置で行うことができるので、マクロ観察とミクロ観
察との別々の装置間にガラス基板1を搬送することがな
くなり、ガラス基板1の検査時間を短縮でき、タクトタ
イムを短くできる。
【0078】すなわち、検査装置3においてマクロ観察
とミクロ観察とが同一位置でできるので、従来のように
マクロ観察とミクロ観察とを別々の装置まで移送して行
うのでなく、ガラス基板1をマクロ検査用ホルダ14又
はミクロ検査用ホルダ6に載せ替えると同時にマクロ観
察又ミクロ観察を行うことが可能になるので、検査時間
を短縮できる。カセットステーション2に収納されてい
るガラス基板1を搬送ロボット4により取り出し検査装
置3に搬送した後は、この検査装置3内においてガラス
基板1のマクロ観察及びミクロ観察が行なわれ、このマ
クロ/ミクロ観察検査済みのガラス基板1を搬送ロボッ
ト4により検査装置3から取り出してカセットステーシ
ョン2に搬送するというような一連の検査動作の時間を
短縮でき、検査の能率を向上できる。
【0079】又、ミクロ検査用ホルダ6を固定にするこ
とによりミクロ観察時に振動の影響を受けることなく検
査ができ、ガラス基板1が振動することなく、顕微鏡9
による欠陥G等の拡大画像を鮮明に高画質で得ることが
でき、ミクロ観察の性能を向上できる。さらにマクロ検
査用ホルダ14を別体にし退避可能に設けることにより
ガラス基板1の揺動の自由度及び設計の自由度を向上さ
せることができる。
【0080】マクロ観察においてマクロ検査用ホルダ1
4を回転運動、揺動運動、前後移動、平行移動及び昇降
させるので、例えば、マクロ検査用ホルダ14を、先ず
上昇させ、続いて傾斜させてマクロ検査を行い、次に、
揺動させてマクロ検査を行い、次に回動させてガラス基
板1を当該ガラス基板1上の欠陥の種類(欠陥の方向)
に応じてオペレータQから欠陥が観察可能となる角度に
してマクロ検査を行い、次にオペレータQ側に近付ける
ように前後方向に移動させ、さらにオペレータQに対し
て左右方向に移動されるとともに、Z方向に昇降させ、
これによりガラス基板1上の欠陥をオペレータQにより
最も観察しやすい所望の位置、例えばオペレータQの前
方に移動させることができる。さらにマクロ検査用ホル
ダ14を回動させてガラス基板1を反転して、ガラス基
板1の裏面をマクロ観察できる。
【0081】すなわち、検査装置3でのマクロ観察にお
いてガラス基板1を保持するマクロ検査用ホルダ14
を、回動運動、揺動運動、前後移動、平行移動及び昇降
させることができ、ガラス基板1の表面と裏面とのマク
ロ観察がオペレータQの操作部27への操作だけで容易
にできる。
【0082】なお、マクロ検査用ホルダ14を前後移動
(Y方向)及び平行移動(X方向)させることにより、
ガラス基板1がミクロ観察時の基準位置からずれたとき
の位置ずれを修正できる。
【0083】又、ホルダ機構5は、支持部材12と、こ
の支持部材12の先端に対して回転自在に設けられたマ
クロ検査用ホルダ14とから構成し、支持部材12とマ
クロ検査用ホルダ14とを一体的に揺動運動、前後移
動、平行移動及び昇降させる各機構を備えたので、当該
ホルダ機構5をコンパクトで安価にできる。
【0084】さらに、マクロ観察の場合には、マクロ検
査用ホルダ14を、傾斜させ、オペレータQ側に近付け
るように前後方向に移動させ、さらにオペレータQに対
して左右方向に移動させるとともに、Z方向に昇降させ
ることができるので、オペレータQからガラス基板1を
見易い傾斜角度に調整することができる上、オペレータ
Qとガラス基板1との間隔を遠くすることなく、ガラス
基板1の表面又は裏面が見易いところまで近付けること
ができ、オペレータQからガラス基板1が見易くマクロ
観察で欠陥Gを検出し易くなる。
【0085】又、マクロ観察での照明装置8の照明光の
照射領域Wが狭い領域であっても、マクロ検査用ホルダ
14を平行移動機構24の動作によってX−Y方向に平
行移動やZ方向に昇降するだけで、部分照明光で大型ガ
ラス基板1の全面を照射することができる。さらに、オ
ペレータQが観察位置から移動しないでも、例えばオペ
レータQの前方の観察しやすい視野範囲に部分照明を照
射しマクロ検査用ホルダ14をX−Y方向にラスタスキ
ャンさせることもできる。特に大型のガラス基板1のマ
クロ観察には有効である。又、照射領域Wの小さな照明
装置8を使用できる。従って、例えば大型のガラス基板
1を照射領域Wの小さな照明装置8を使用してマクロ照
明する場合のようなガラス基板1の一部分にしかマクロ
照明できない場合には、マクロ検査用ホルダ14をX方
向やZ方向に移動することで、ガラス基板1の全面をマ
クロ観察できる。
【0086】さらに、規則的なパターンが形成されたガ
ラス基板1であっても、マクロ検査用ホルダ14を回転
駆動機構21の駆動によって回動運動させることによっ
て例えばホルダ回転90度や45度などの状態にすれ
ば、規則的なパターンが形成されたガラス基板1でもオ
ペレータQは回動指示を操作部27に与えるだけでマク
ロ観察が可能となる。
【0087】マクロ観察でガラス基板1上に欠陥Gが検
出された場合には、レーザポインタを構成する各レーザ
光源19a、19bからそれぞれレーザ光L1、L2の
交差点を欠陥G上に位置するように移動すれば、欠陥G
の座標(x,y)を容易に求めることができる。そし
て、この欠陥Gの座標(x,y)は、ミクロ観察での欠
陥位置情報として使用できる。
【0088】この欠陥Gの座標(x,y)は、マクロ検
査用ホルダ14にレーザポインタを構成する各レーザ光
源19a、19bを備えたので、ホルダ機構5が回動運
動、揺動運動、前後移動、平行移動及び昇降してもマク
ロ検査用ホルダ14上に固有の座標系x−yは変化する
ことなく、常に同じ座標系x−yで欠陥Gの座標(x,
y)を得ることができる。
【0089】ミクロ観察では、マクロ観察で検出された
マクロ検査用ホルダ14上の固有の座標系x−yでの欠
陥座標(x,y)に基づいて顕微鏡9を移動させるの
で、マクロ観察においてホルダ機構5が回動運動、揺動
運動、前後移動、平行移動及び昇降しても、固定された
ミクロ検査用ホルダ6上のガラス基板1の欠陥Gの位置
に正確に顕微鏡を位置合わせすることができる。
【0090】なお、本発明は、上記一実施の形態に限定
されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない
範囲で種々に変形することが可能である。
【0091】さらに、上記実施形態には、種々の段階の
発明が含まれており、開示されている複数の構成要件に
おける適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出でき
る。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾
つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとす
る課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で
述べられている効果が得られる場合には、この構成要件
が削除された構成が発明として抽出できる。
【0092】例えば、上記一実施の形態は、次の通り変
形してもよい。例えば、ホルダ機構5は、図14に示す
ようにモータ等の回転源30を設け、この回転源30の
回転出力に回転軸31を連結する。そして、この回転軸
31に連結部材32を介して上記回転軸10を連結して
もよい。このように構成しても上記一実施の形態と同様
にマクロ観察においてホルダ機構5を旋回運動、揺動運
動、前後移動、平行移動及び昇降させることができる。
【0093】又、ホルダ機構5は、検査装置3から退避
した当該検査装置3に隣接した位置においてマクロ観察
可能としてもよい。なお、この検査装置3の隣接位置を
マクロステーションの専用の位置としてもよい。すなわ
ち、ホルダ機構5のマクロ検査用ホルダ14は、検査装
置3に隣接した位置において回転軸10に対して揺動、
傾動、反転可能(矢印ハ方向)、上記退避方向(X方
向)に対して交差する方向に移動可能(前後方向:Y方
向、平行方向、昇降方向:Z方向)、ガラス基板1の面
上のほぼ中心をおいてミクロ検査用ホルダ6を回転可能
(矢印ニ方向)となる。又、この検査装置3に隣接した
位置には、その上方にマクロ照明装置が備えられてい
る。
【0094】これにより、上記一実施の形態と同様に、
例えば、マクロ検査用ホルダ14を、先ず上昇させ、続
いて傾斜させてマクロ検査を行い、次に、揺動させてマ
クロ検査を行い、次に回動させてガラス基板1を当該ガ
ラス基板1上の欠陥の種類(欠陥の方向)に応じてオペ
レータQから欠陥が観察可能となる角度にしてマクロ検
査を行い、次にオペレータQ側に近付けるように前後方
向に移動させ、さらにオペレータQに対して左右方向に
移動されるとともに、Z方向に昇降させ、これによりガ
ラス基板1上の欠陥をオペレータQにより最も観察しや
すい所望の位置、例えばオペレータQの前方に移動させ
ることができる。さらにマクロ検査用ホルダ14を回動
させてガラス基板1を反転して、ガラス基板1の裏面を
マクロ観察できる。
【0095】このように検査装置3に隣接した位置にお
いてマクロ観察を行うことができるので、上記第1の実
施の形態と同様の効果を奏することができるとともに、
検査装置3では、ミクロ観察用の顕微鏡9や門型アーム
9aなどからの反射光による外乱光の影響、さらにはこ
れら外乱光による背景への影響を受け易いが、これらの
影響を全く受けずに、目視によるマクロ観察の精度を高
めることができる。但し、ホルダ機構5を退避させるこ
とからタクトタイムが上記一実施の形態よりも多少かか
るが、それよりも目視によるマクロ観察の精度が高くな
る方が検査に対する効果が大きい。
【0096】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、ミ
クロ観察時の振動の影響を改善し、ガラス基板の検査を
容易にかつ短時間で能率よくできる基板検査装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態を
正面から見た構成図。
【図2】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態を
上方から見た構成図。
【図3】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるホルダ機構の具体的な構成図。
【図4】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるホルダ機構の回転を示す図。
【図5】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるホルダ機構での欠陥の座標の求め方を説明するた
めの図。
【図6】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるマクロ観察の動作を説明するための図。
【図7】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるマクロ観察の動作を説明するための図。
【図8】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるマクロ観察の動作を説明するための図。
【図9】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態に
おけるマクロ観察の動作を説明するための図。
【図10】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態
におけるマクロ観察の動作を説明するための図。
【図11】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態
におけるガラス基板の裏面のマクロ観察を行う場合のホ
ルダ機構の回転を示す図。
【図12】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態
におけるガラス基板の平行移動を説明するための図。
【図13】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態
におけるガラス基板の平行移動を説明するための図。
【図14】本発明に係わる基板検査装置の一実施の形態
におけるホルダ機構の変形例を示す構成図。
【符号の説明】
1:ガラス基板 2:カセットステーション 3:検査装置 4:搬送ロボット 5:ホルダ機構 6:ミクロ検査用ホルダ 7:リフトピン 8:照明装置 9:顕微鏡 10:回転軸 11:回転源 12:支持部材 13:回転軸 14:マクロ検査用ホルダ 16:回転体 17:タイミングベルト 18:タイミングベルト 19a,19b:レーザ光源 20a,20b:ガイドスケール 21:回転駆動機構 22:揺動回転機構 23:前後移動機構 24:平行移動機構 25:昇降機構 26:制御部 27:操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤崎 暢夫 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 靖 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を目視により検査するマクロ観察又
    は前記基板の画像を拡大して検査するミクロ観察を行う
    ための基板検査装置において、 前記基板を保持するもので、前記ミクロ観察を行うミク
    ロ検査用ホルダと、 前記基板を保持するもので、前記ミクロ検査用ホルダに
    隣接して揺動自在に設けられかつ前記ミクロ検査用ホル
    ダ上方に挿脱可能なマクロ検査用ホルダと、を具備した
    ことを特徴とする基板検査装置。
  2. 【請求項2】 前記ミクロ観察用のヘッドと前記ミクロ
    検査用ホルダとは、相対的に前記基板面に対して平行な
    平面内で移動自在に設けられたことを特徴とする請求項
    1記載の基板検査装置。
  3. 【請求項3】 前記マクロ検査用ホルダは、前記基板を
    通る一方向を軸として前記基板を揺動させることを特徴
    とする請求項1記載の基板検査装置。
  4. 【請求項4】 前記マクロ検査用ホルダは、前記退避方
    向に対して交差する方向に移動可能であることを特徴と
    する請求項1記載の基板検査装置。
  5. 【請求項5】 前記マクロ検査用ホルダは、前記基板面
    上に中心をおいて前記基板を回動させることを特徴とす
    る請求項1記載の基板検査装置。
  6. 【請求項6】 前記マクロ検査用ホルダは、前記基板を
    所望の傾斜角で傾斜させた状態で前記基板を前後方向に
    移動可能であることを特徴とする請求項1記載の基板検
    査装置。
  7. 【請求項7】 前記マクロ検査用ホルダは、前記基板を
    ほぼ垂直に傾斜させた状態で前記基板を前後方向(Y方
    向)、平行方向(X方向)、昇降方向(Z方向)に移動
    可能であることを特徴とする請求項1記載の基板検査装
    置。
  8. 【請求項8】 前記マクロ検査用ホルダには、前記基板
    上の欠陥の座標を検出するポインタが一体に設けられて
    いることを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
  9. 【請求項9】 前記マクロ検査用ホルダは、前記ミクロ
    検査用ホルダの上方又は退避位置で前記マクロ観察可能
    であることを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
  10. 【請求項10】 前記マクロ検査用ホルダと、 このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に設けられ
    かつ軸方向に回転可能な支持部材と、を有するホルダ機
    構を備えたことを特徴とする請求項1記載の基板検査装
    置。
  11. 【請求項11】 前記マクロ検査用ホルダは、 このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に設けられ
    かつ軸方向に回転可能な支持部材と、 この支持部材を回動させて前記マクロ検査用ホルダを揺
    動させる揺動回転機構と、を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の基板検査装置。
  12. 【請求項12】 前記マクロ検査用ホルダは、 このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に設けられ
    かつ軸方向に回転可能な支持部材と、 これらマクロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に平行
    移動させる平行移動機構と、を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の基板検査装置。
  13. 【請求項13】 前記マクロ検査用ホルダは、 このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に設けられ
    かつ軸方向に回転可能な支持部材と、 これらマクロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に昇降
    させる昇降機構と、を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の基板検査装置。
  14. 【請求項14】 前記マクロ検査用ホルダは、 このマクロ検査用ホルダが先端部に回動自在に設けられ
    かつ軸方向に回転可能な支持部材と、 この支持部材を回動させて前記マクロ検査用ホルダを揺
    動させる揺動回転機構と、 これらマクロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に平行
    移動させる平行移動機構と、 これらマクロ検査用ホルダ及び支持部材を一体的に昇降
    させる昇降機構と、を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の基板検査装置。
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