JP2001194049A - 低温貯蔵庫のアジャスターボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温貯蔵庫を水平に据付けるためのアジャス
ターボルトが庫内側から調整可能なものにおいて、アジ
ャスターボルトの結露を防止する。 【解決手段】 断熱箱体２で構築した低温貯蔵庫本体１
ａの架台フレーム４に対して、その下面域に分散して支
持脚を兼ねた複数本のアジャスターボルト７を有し、低
温貯蔵庫の据付け時にアジャスターボルト７を庫内側か
ら調整操作して低温貯蔵庫本体１ａの水平状態の調整を
行うようにしたものにおいて、貫通孔８に断熱材１０を
挿入すると共に、貫通孔８の床面側開口部１１をキャッ
プ１２で閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば玄米等の農
産物を低温で貯蔵する低温貯蔵庫の据付け用のアジャス
ターボルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、かかるアジャスターボルトは、例
えば特願平１１−２２４０５７号で本出願人が既に提案
しており、低温貯蔵庫をロケーション先で据付ける際、
据付け床面の状況から庫内側から水平取り作業を必要と
する場合に、図５に示すように、低温貯蔵庫の断熱箱体
１０２の底面に重合されて設けられる架台フレーム１０
４下面の高ナット１０５に螺合する据え付け用支持脚を
兼ねたアジャスターボルト１００を設けて、その軸部上
端面に形成された六角袋穴１００ａに、断熱箱体１０２
の床面の貫通孔１０８から、回動操作用工具でアジャス
ターボルト１００を回動させ、据付け床面からの高さを
調整している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】低温貯蔵庫内に農産物
等を収納して低温貯蔵のための運転をした際、庫内側と
アジャスターボルトが断熱されていないので、庫内冷気
が熱伝達されてアジャスターボルトの温度が低下し、外
気に接している部分に結露を生じさせ、その結果据付け
床面を濡らすおそれがある。

【０００４】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、結露を生じにくく改良した低温貯蔵庫のアジ
ャスターボルトを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、断熱筐体で構築した低温貯蔵庫本体の架
台フレームに対して、その下面域に分散して支持脚を兼
ねた複数本のアジャスターボルトを有し、断熱筐体の床
面にアジャスターボルトに通じる調整作業用の貫通孔を
開口するとともに、アジャスターボルトの上端面に回動
操作用工具に対応する係合部を設けて、低温貯蔵庫の据
付け時にアジャスターボルトを調整操作して低温貯蔵庫
本体を庫内側から水平状態の調整を行うようにした低温
貯蔵庫のアジャスターボルトにおいて、貫通孔に断熱材
を挿入すると共に、貫通孔の床面側開口部を閉塞部材に
よって閉塞する技術手段を採用した。

【０００６】本発明によれば、アジャスターボルトに対
して庫内冷気側からの断熱効果が高められる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。

【０００８】図１ないし図４は本発明の実施例を示すも
のであり、図１は農産物用低温貯蔵庫の説明図、図２は
水平取り作業前の要部縦断面図、図３は図２の水平取り
作業の説明図、図４は水平取り作業後の要部縦断面図で
ある。

【０００９】図１および図２において、農産物用低温貯
蔵庫１（以下低温貯蔵庫という）は貯蔵庫本体１ａと冷
却ユニット１ｂで構成され、貯蔵庫本体１ａは断熱材を
組み合わせた断熱箱体２と扉体３および断熱箱体２の底
面に重合されて設けられる架台フレーム４を有してい
る。断熱箱体２は扉体３とともに、発泡ウレタン樹脂な
どの断熱材２ａを芯材とした断熱パネルで構築した断熱
筐体としてなり、その床面に結合した鋼板製の架台フレ
ーム４には、四隅および長手方向の中間部の下面側に高
ナット５が溶接等により固定されている。なお、架台フ
レーム４の下面側には複数のキャスター６も設けられて
いて移動可能となっている。

【００１０】高ナット５の下端には、これに螺合可能な
アジャスターボルト７が設けられており、このアジャス
ターボルト７は、低温貯蔵庫１を床面上に据え付けるた
めの支持脚を兼ねており、軸部上端面には回動操作用工
具たる六角レンチを差し込むための操作用係合部である
六角袋穴７ａが形成されるボルト部７ｂと、据付け床面
に接する下端に底部回動用ナット７ｃとともにパッド状
の脚片７ｄを備えている。

【００１１】アジャスターボルト７は、六角袋穴７ａを
含むボルト部７ｂと底部回動用ナット７ｃおよび脚片７
ｄが一体成型される。

【００１２】一方、断熱箱体２の床面には前記アジャス
ターボルト７に通じる調整作業用の貫通孔８が開口して
おり、低温貯蔵庫１の庫内側から貫通孔８を介してアジ
ャスターボルト７の六角袋穴７ａが見えるようになって
いる。

【００１３】図３をあわせて参照して、上記の構成で低
温貯蔵庫１をロケーション先に据付けた状態で水平取り
を行う際には、断熱箱体２の庫内床面に開口している貫
通孔８を通してアジャスターボルト７の六角袋穴７ａに
六角レンチ９を差し込み、アジャスターボルト７を左右
いずれかに回動して据付け床面に対して断熱箱体２の据
付け姿勢が水平となるように水平取り調整を行う。

【００１４】水平取りの作業後を図４をあわせて参照し
つつ説明すると、貫通孔８から六角レンチ９を抜き、貫
通孔８の断面形状に合致した柱状の断熱材１０を断熱箱
体２の庫内床面開口部１１側から挿入し、さらにその開
口部１１を閉塞部材であるキャップ１２で閉塞する。

【００１５】キャップ１２は、ゴム又は樹脂等の可撓性
を有する材料から形成され、庫内床面開口部１１を覆
い、断熱箱体２の床面に接着剤で固着される。

【００１６】次に本実施例の作用を説明すると、断熱箱
体２内に農産物等を収納して扉体３を閉め冷却ユニット
１ｂを運転した際、庫内側の冷気は断熱箱体２と庫内床
面開口部１１側から挿入された断熱材１０で遮断される
と共に、貫通孔８は接着剤で固着されたキャップ１２で
完全に閉塞されるので、貫通孔８を通してアジャスター
ボルト７に内部冷気が伝達されて温度差を生ずることが
なく、結露が発生するおそれがない。

【００１７】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。例えば、回動操作用工
具は六角レンチ９に限らず、ドライバーでもよい。この
場合には、アジャスターボルト７の軸部上端面に設けら
れる係合部はドライバーに合致するプラス若しくはマイ
ナスの溝となる。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、断熱筐体で構築した低
温貯蔵庫本体の架台フレームに対して、その下面域に分
散して支持脚を兼ねた複数本のアジャスターボルトを有
し、断熱筐体の床面にアジャスターボルトに通じる調整
作業用の貫通孔を開口するとともに、アジャスターボル
トの上端面に回動操作用工具に対応する係合部を設け
て、低温貯蔵庫の据付け時にアジャスターボルトを調整
操作して低温貯蔵庫本体を庫内側から水平状態の調整を
行うようにした低温貯蔵庫のアジャスターボルトにおい
て、貫通孔に断熱材を挿入すると共に、貫通孔の床面側
開口部を閉塞部材によって閉塞したので、庫内側の冷気
が断熱材と閉塞部材によって断熱され、アジャスターボ
ルトの外気に接している部分には結露が生じにくくな
り、据付け床面を濡らすことを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】農産物用低温貯蔵庫の説明図である。

【図２】本実施例の水平取り作業前の要部縦断面図であ
る。

【図３】図２の水平取り作業の説明図である。

【図４】本実施例の水平取り作業後の要部縦断面図であ
る。

【図５】従来のアジャスターボルトを示す構成断面図で
ある。

【符号の説明】

１ａ・・・低温貯蔵庫本体 ２・・・・断熱箱体 ４・・・・架台フレーム ７・・・・アジャスターボルト ７ａ・・・六角袋穴（係合部） ８・・・・貫通孔 １０・・・断熱材 １１・・・開口部 １２・・・キャップ（閉塞部材）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断熱筐体で構築した低温貯蔵庫本体の架
   台フレームに対して、その下面域に分散して支持脚を兼
   ねた複数本のアジャスターボルトを有し、前記断熱筐体
   の床面に前記アジャスターボルトに通じる調整作業用の
   貫通孔を開口するとともに、前記アジャスターボルトの
   上端面に回動操作用工具に対応する係合部を設けて、前
   記低温貯蔵庫の据付け時に前記アジャスターボルトを調
   整操作して前記低温貯蔵庫本体を庫内側から水平状態の
   調整を行うようにした低温貯蔵庫のアジャスターボルト
   において、前記貫通孔に断熱材を挿入すると共に、前記
   貫通孔の前記床面側開口部に該開口部を閉塞する閉塞部
   材を設けたことを特徴とする低温貯蔵庫のアジャスター
   ボルト。
2. 【請求項２】 前記閉塞部材は前記断熱筐体の床面に接
   着剤で固着することを特徴とする請求項１記載の低温貯
   蔵庫のアジャスターボルト。