JP2001192548A - 水性硬化性組成物 - Google Patents

水性硬化性組成物

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JP2001192548A JP2000001808A JP2000001808A JP2001192548A JP 2001192548 A JP2001192548 A JP 2001192548A JP 2000001808 A JP2000001808 A JP 2000001808A JP 2000001808 A JP2000001808 A JP 2000001808A JP 2001192548 A JP2001192548 A JP 2001192548A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れ、密着性、耐衝撃性等の硬
化物物性にも優れた水性硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 (イ)硬化性化合物、(ロ)環状テルペ
ン骨格含有フェノール化合物にエチレンオキシド10〜
200モル付加してなるポリエーテル化合物及び(ハ)
水を配合してなる水性硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性硬化性組成物に
関し、詳しくは、保存安定性に優れ、特に、各種基材の
塗料、各種基材の接着剤、バインダー等に好適に使用す
ることができる水性硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シ樹脂は、各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品
性、電気特性、機械特性等に優れるため、特に、塗料、
接着剤、バインダー等として広く用いられている。
【0003】また、エポキシ樹脂の有する特性を生かし
ながら硬化性、物性を改良するため種々の誘導体が作ら
れており、これらエポキシ樹脂由来の誘導体としては、
例えば、ポリエポキシ化合物と活性水素含有化合物から
得られるポリオール樹脂、さらに反応性の基としてアル
コキシシリル基、アシルアセテート基を導入したもの等
が提案されている。
【0004】エポキシ樹脂あるいはその誘導体を上述の
用途に使用する場合には、取り扱いを容易にするために
エポキシ樹脂を、各種低沸点溶媒に溶解した溶剤タイプ
のものが一般的であったが、火災の危険性、人体への有
害性、地球環境への悪影響等の問題から、低沸点溶媒の
使用が制限されるようになり、近年、エポキシ樹脂に乳
化剤を使用して水中に分散させた水系硬化性組成物が開
発され実用化されている。
【0005】このとき使用される乳化剤としては、ノニ
ルフェノールのポリエチレンオキシド付加物、オクチル
フェノールのポリエチレンオキシド付加物あるいはポリ
オキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリ
マー等のノニオン系界面活性剤が知られているが、例え
ば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロッ
クコポリマー等の脂肪族系の乳化剤を使用した場合にお
いては、硬化物の密着性、耐候性等の性能が満足できる
ものが得られず、また、ノニルフェノールのポリエチレ
ンオキシド付加物やオクチルフェノールのポリエチレン
オキシド付加物等のこれまで公知の芳香族系の乳化剤
は、それぞれノニルフェノールやオクチルフェノールと
いった内分泌作用を撹乱する物質としてのおそれがある
物質を原料とするため環境への悪影響が懸念されてい
る。
【0006】一方で、特公昭44−301号公報には、
メンタニルフェノールのポリオキシエチレンエーテルを
避妊剤に使用することが提案されており、また、特開昭
63−104919号公報には、メンタニルフェノール
のエチレンオキサイド付加物を抗癌剤として使用するこ
とが提案されているが、ここにはこれらの環状テルペン
骨格含有フェノールのエチレンオキシド付加物を硬化性
組成物の乳化剤として使用することに関しては全く記載
されていない。
【0007】従って、本発明の目的は、人体・環境への
影響が少なく、エポキシ樹脂あるいはその誘導体の乳化
安定性に優れ、硬化物の物性に悪影響を与えることのな
い乳化剤を用い、保存安定性に優れ、密着性、耐衝撃性
等の硬化物物性にも優れた水性硬化性組成物を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、エポキシ樹脂あるいはその誘導体等の硬
化性樹脂及び環状テルペン骨格含有フェノールのポリエ
チレンオキシド付加物からなる水性硬化性組成物が、保
存安定性に優れ、密着性、耐衝撃性等の硬化物物性にも
優れることを見出し、本願発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は、(イ)硬化化性化合物、
(ロ)環状テルペン骨格含有フェノール化合物にエチレ
ンオキシド10〜200モル付加してなるポリエーテル
化合物及び(ハ)水を配合してなる水性硬化性組成物を
提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水性硬化性組成物
について詳細に説明する。
【0011】本発明に使用される(イ)成分の硬化性化
合物としては、ポリエポキシ化合物あるいはその誘導体
等が挙げられる。これら誘導体としては、例えば、
(1)ポリエポキシ化合物と活性水素含有化合物より得
られるポリオール化合物、(2)ポリエポキシ化合物と
エポキシ基と反応し得る基を有するアルコキシシラン化
合物を反応させることによって得られるアルコキシシリ
ル基(下記に示す〔化4〕)を有するアルコキシシリル
基含有化合物、(3)ポリエポキシ化合物のあるいはポ
リエポキシ化合物から誘導されるポリオール化合物の水
酸基にアシルアセテート基(下記に示す〔化5〕)を導
入して得られるアシルアセテート化合物等が挙げられ
る。
【0012】
【化4】 (式中、R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、
2 は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアリール基
を表し、aは1〜3の整数を表す)
【0013】
【化5】 (式中、R3 は炭素原子数1〜10のアルキル基又はア
リール基を表す)
【0014】ここで使用できる(イ)成分のポリエポキ
シ化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、ピロカテコール、フロログルシノール等の単核多価
フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジ
ヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフ
ェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルト
クレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピ
リデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロ
ピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビス
フェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベ
ンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼ
ン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノ
ール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、
オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラ
ック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノー
ルノボラック、レゾルシンノボラック、ビスフェノール
Aノボラック、ビスフェノールFノボラック、テルペン
ジフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリ
ジルエーテル化合物;上記単核多価フェノール化合物あ
るいは多核多価フェノール化合物にエチレンオキシド及
び/又はプロピレンオキシド付加物のポリグリシジルエ
ーテル化合物;上記単核多価フェノール化合物の水添物
のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
サンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキ
シド付加物、ジシクロペンタジエンジメタノール等の多
価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、ス
ベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダ
イマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香
族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリ
シジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,
N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−
N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン等のグリシジ
ルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキ
センジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサ
イド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート
等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化
ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重
合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジル
イソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。ま
た、これらのエポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレ
ポリマーによって内部架橋されたものでもよい。
【0015】上記(1)のポリエポキシ化合物に由来す
るポリオール化合物を製造するのに使用される活性水素
含有化合物としては、リン酸化合物、フェノール化合
物、二級アミン化合物及びカルボキシル基を有する化合
物等が挙げられる。
【0016】上記リン酸化合物としては、P−OH結合
を少なくとも1個有するリンの酸、そのエステル及びそ
の塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のリン酸化
合物であり、これらリンの酸としては、例えば、オルト
リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン
酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン
酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ホ
スフィン酸等が挙げられ、該リンの酸のエステルとして
は、上記の酸のアルキル、アルケニル又は置換アルキル
部分エステル〔アルキル基としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、イソオクチ
ル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデ
シル、オクタデシル等が挙げられ、アルケニル基として
は、アリル、オクテニル、デセニル、オクタデセニル等
の炭素原子数1〜30のものが好ましく、置換アルキル
基としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプ
ロピル、2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−2−
フェニルエチル等のヒドロキシアルキル基;2−ヒドロ
キシ−3−メトキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−ブ
トキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−オクトキシプロ
ピル、2−ヒドロキシ−3−オクタデシロキシプロピ
ル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−ヒ
ドロキシ−3−トルオキシプロピル、2−ヒドロキシ−
3−オクチルフェノキシプロピル等のアルコキシ又はア
リーロキシヒドロキシアルキル基;2−(3−メトキシ
−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、2−(3−ブト
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、2−(3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、2−
(3−トルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル
等のアルコキシ又はアリーロキシヒドロキシアルコキシ
アルキル基等のヒドロキシ基及び/又はエーテル結合を
有するものが好ましい〕が挙げられ、該リンの酸の塩と
しては、上記の酸のカリウム、リチウム、ナトリウム、
カルシウム、バリウム、亜鉛等の各塩が挙げられる。
【0017】上記フェノール化合物としては、例えば、
フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピル
フェノール、p−第三ブチルフェノール、p−第三アミ
ルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデ
シルフェノールあるいはテルペンフェノール等のモノフ
ェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物;及び
上記モノ及び/又はビスフェノール化合物のノボラック
等が挙げられる。
【0018】上記二級アミン化合物としては、例えば、
ジブチルアミン、ジオクチルアミン等のジアルキルアミ
ン化合物;メチルエタノールアミン、ブチルエタノール
アミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、ジメチルアミノプロピルエタノールアミン等のアル
カノールアミン化合物;モルホリン、ピペリジン、4−
メチルピペラジン等の複素環式アミン化合物が挙げられ
る。
【0019】上記カルボキシル基を有する化合物として
は、例えば、酢酸、プロピオン酸、2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸、乳酸、酪酸、オクチル酸、ラウリン
酸、リノール酸、リシノール酸、安息香酸、トルイル
酸、桂皮酸、フェニル酢酸、シクロヘキサンカルボン酸
等の脂肪族、芳香族又は脂環式モノカルボン酸が挙げら
れる。
【0020】上記ポリエポキシ化合物に活性水素含有化
合物を付加する方法としては、例えば、ジメチルベンジ
ルアミン等の触媒の存在下にポリエポキシ化合物と必要
量あるいは過剰量の活性水素含有化合物を一括あるいは
多段階にて60〜200℃に加熱し、1〜10時間反応
させる方法が挙げられる。
【0021】上記(2)のアルコキシシリル基含有化合
物を提供し得るエポキシ基と反応しうる基を有するアル
コキシシラン化合物としては、アルコキシシリル基が、
ジあるいはトリ(〔C1〜4〕アルキコキシ)シリル基
であり、エポキシ基と反応し得る基としては、アミノ
基、メルカプト基、カルボン酸基等がC1〜30の炭化
水素基を介して珪素原子に結合した基等挙げられるが、
これがアミノアルキル基であるアミノアルキルアルコキ
シシランであることが好ましい。
【0022】具体的には、例えば、アミノメチルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)アミノメチルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(アミノアルキル)アミノアル
コキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0023】上記ポリエポキシ化合物にアルコキシシラ
ン化合物を付加する方法としては、例えば、ジメチルベ
ンジルアミン等の触媒の存在下にポリエポキシ化合物と
必要量あるいは過剰量の活性水素含有化合物を一括ある
いは多段階にて60〜200℃に加熱し、1〜10時間
反応させる方法が挙げられる。
【0024】上記(3)のアシルアセテート化合物を得
る方法は、(a)ポリエポキシ化合物のグリシジル基に
アシル酢酸を直接付加する方法、(b)ポリエポキシ化
合物の二級のヒドロキシル基、もしくは上記(1)のポ
リオール化合物あるいはポリエポキシ化合物のグリシジ
ル基にジヒドロキシカルボン酸、ジアルカノールアミン
等の活性水素含有化合物を付加して得られるポリオール
化合物のヒドロキシル基に、アシル酢酸低級エステルを
用いたエステル交換反応あるいはジケテンを反応させる
方法等によってアシル酢酸エステル基を導入する方法が
挙げられる。
【0025】上記アシル酢酸低級エステルとしては、例
えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢
酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸第三ブチ
ル、プロピオニル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチル等
が挙げられる。
【0026】さらに、ここで得られたアシルアセテート
化合物のアシルアセチル基に上記アミノアルキルアルコ
キシシラン化合物を付加することもできる。
【0027】これらエポキシ化合物あるいは誘導体の中
でも下記一般(III )で表される(水添)ビスフェノー
ル誘導骨格を有する化合物を用いることによって耐候
性、強靭性に優れた硬化物が得られるため好ましい。
【0028】
【化6】 (式中、環Aはベンゼン環又はシクロヘキサン環を表
し、Zは直接結合、炭素原子数1〜4のアルキリデン基
又は−SO2 −を表す)
【0029】本発明に使用される環状テルペン骨格含有
フェノール化合物のエチレンオキサイド付加物を提供す
ることのできる環状テルペン骨格含有フェノール化合物
は、フェノール類1モルに対し、環状テルペン化合物1
〜3モル、好ましくは1モルを付加したものが好まし
い。
【0030】本発明に使用される環状テルペン化合物と
しては、単環のテルペン化合物であってもよいし、双環
のテルペン化合物であってもよい。その具体例として
は、下記〔化7〕〜〔化11〕に示す化合物等が挙げら
れる。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】また、上記フェノール類としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピル
フェノール、ノニルフェノール、メトキシフェノール、
ブロモフェノール等が挙げられる。
【0037】上記環状テルペン化合物と上記フェノール
類とを付加する方法は、フェノール類1モルに対し、環
状テルペン化合物を好ましくは0.5〜5モル、更に好
ましくは0.8〜1.5モル使用し、例えば、酸触媒の
存在下、40〜160℃で1〜10時間反応させること
により容易に行なうことができる。また、芳香族炭化水
素類、アルコール類、エーテル類等の溶媒中で上記反応
を行なうこともできる。ここで、上記フェノール類の使
用量が上記環状テルペン化合物1モルに対して0.5モ
ル未満の場合及び5モルを超える場合には、後述の反応
副生物が生じやすくなるため好ましくない。また、上記
反応で使用される上記酸触媒としては、例えば、塩酸、
硫酸、リン酸、ポリリン酸、三フッ化ホウ素もしくはそ
の錯体、活性白土等が挙げられる。
【0038】また、上記フェノール類1モルと上記環状
テルペン化合物1〜3モルとからなる上記環状テルペン
骨格含有モノフェノール化合物の構造は、両者の種類及
び付加反応した部位によって多岐にわたるが、該モノフ
ェノール化合物はフェノール類と環状テルペン化合物が
1:1〜3、好ましくは1:1で付加した化合物であ
り、これは下記〔化12〕の一般式(IV)で表される化
合物である。
【0039】
【化12】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はTを示し、
Tはテルペン炭化水素基を示す)
【0040】上記環状テルペン骨格含有モノフェノール
化合物の基Tの具体的な例を下記〔化13〕の化合物
(1)〜(5)に示すがこれらに限定されるものではな
い。
【0041】
【化13】
【0042】また、上記環状テルペン骨格含有モノフェ
ノール化合物を製造する際には、多くの反応副生物を含
む不純物ができ、これを完全に除去することは困難であ
るが、上記環状テルペン骨格含有モノフェノール化合物
の純度が好ましくは70%以上、更に好ましくは80%
以上であれば有効に使用することができ、この程度の純
度であれば減圧蒸留等の方法によって容易に得ることが
できる。ここで上記純度が70%未満のものを使用した
場合には、粘度が高くなり過ぎ、希釈剤としての機能を
果たさなくなったり、また、塗膜の物性、特に耐食性、
密着性、他の非反応性希釈剤との相溶性等が不十分なも
のとなるため好ましくない。
【0043】ここで、上記不純物としては、例えば、テ
ルペン多価フェノール類、多テルペンモノフェノール
類、テルペン重合物、高分子量体、未反応原料等であ
り、その具体例を下記〔化14〕の(い)〜(は)に示
す。
【0044】
【化14】 (式中、mは正の整数を示し、nは0又は正の整数を示
す)
【0045】環状テルペン骨格含有フェノール化合物に
エチレンオキシドを付加する方法は常法によって容易に
行なわれるが、環状テルペン骨格含有フェノール化合物
1モルに対し、エチレンオキシド10〜200モル、特
に50〜180モル付加されたものが好ましく、この範
囲を超えるものは乳化剤としての機能を満足に発揮する
ことができないため好ましくない。
【0046】これらの(ロ)成分のポリエーテル化合物
の配合量は、ポリエポキシ化合物あるいはその誘導体1
00重量部に対し、0.01〜30重量部、好ましくは
0.1〜20重量部である。該配合量が0.01重量部
未満では乳化剤としての機能を十分に発揮することがで
きず、30重量部よりも多いときには、硬化物の物性が
低下するおそれがあるため好ましくない。
【0047】本発明の水性硬化性組成物には、(ロ)成
分のポリエーテル化合物と共に他の乳化剤を併用するこ
ともできる。
【0048】他の乳化剤としては、例えば、ラウリルエ
ーテルエチレンオキサイド付加物、セチルエーテルエチ
レンオキサイド付加物、ステアリルエーテルエチレンオ
キサイド付加物、オレイルエーテルエチレンオキサイド
付加物、オクチルフェニルエーテルエチレンオキサイド
付加物、ノニルフェニルエーテルエチレンオキサイド付
加物、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタント
リステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタン
トリオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタン
ジステアレート、ソルビタンモノラウレートエチレンオ
キサイド付加物、ソルビタンモノパルミテートエチレン
オキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレ
ンオキサイド付加物、ソルビタントリステアレートエチ
レンオキサイド付加物、ソルビタンモノオレートエチレ
ンオキサイド付加物、ソルビタントリオレートエチレン
オキサイド付加物、テトラオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビット、グリセロールモノステアレート、ポリエ
チレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコ
ールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステ
アレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリ
エチレンアルキルアミン、ひまし油エチレンオキサイド
付加物、硬化ひまし油エチレンオキサイド付加物、ビス
フェノールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリ
コール−ポリプロピレングリコールコポリマーあるいは
これらをポリイソシアネート化合物で縮合した縮合物等
のノニオン系界面活性剤;脂肪酸塩、高級アルコールの
硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族
アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪族アルコール
のリン酸エステル、二塩基性酸性脂肪酸エステルのスル
ホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルアリ
ルスルホン酸、ホルマリン縮合ナフタリン酸塩等のアニ
オン系界面活性剤;第一アミン塩、第二アミン塩、第三
アミン塩、第四級アミン塩、ピリジニウム塩等のカチオ
ン系界面活性剤;ベタイン型、硫酸エステル型、スルホ
ン酸型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0049】本発明の水性硬化性組成物には、一般式
(I)のエポキシ化合物100重量部に対し、水が20
〜700重量部、好ましくは50〜300重量部配合さ
れる。水の配合量が20重量部よりも少ない時には水分
散物としての安定性が保てなくなるおそれがあり、70
0重量部よりも多い場合には、ムダでもあるし、取り扱
いも困難になるため好ましくない。
【0050】本発明の水性硬化性組成物を製造する方法
は、例えば、乳化剤(例えば、上記ビスフェノール系ポ
リエーテル化合物)をエポキシ樹脂又は水の何れか一方
あるいは両方に予め配合してこれを撹拌する方法、ある
いは撹拌時に一括して配合する方法等種々の方法が用い
られるが、その方法は特に限定されるものではない。
【0051】ここで、上記撹拌に使用される撹拌機とし
ては、例えば、ディスパー、ホモミキサー、回転型ホモ
ジナイザー、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
【0052】本発明の水性硬化性組成物を水に分散させ
る際には、必要に応じて、有機溶剤を使用することがで
きる。
【0053】ここで有機溶剤としては、例えば、アセト
ン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、シクロヘキサノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,
2−ジエトキシエタン等のエーテル類;酢酸エチル、酢
酸n−ブチル等のエステル類;イソ−又はn−ブタノー
ル、イソ−又はn−プロパノール、アミルアルコール等
のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素;テレピン油、D−リモネン、ピネン等の
テルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾー
ル#310(丸善石油化学(株))、ソルベッソ#10
0(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶剤;四塩
化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチ
レン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等
のハロゲン化芳香族炭化水素;アニリン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ジオキサン、酢酸、アセトニトリル、
二硫化炭素等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用い
ることも、また任意に2種以上の混合溶剤として用いる
ことも可能である。
【0054】これらの有機溶媒は、水100重量部に対
し、0〜100重量部の範囲で適宜使用される。
【0055】また、本発明の水性硬化性組成物には、通
常、エポキシ樹脂用の硬化剤を使用することができ、該
硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリ
エチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポ
リアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキ
サン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキ
サン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m
−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジ
アミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類等が
挙げられる。また、これらのポリアミン類と、フェニル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビス
フェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール
F−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類又
はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ
樹脂とを常法によって反応させることによって製造され
るポリエポキシ付加変性物;これらの有機ポリアミン類
と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等のカルボン
酸類とを常法によって反応させることによって製造され
るアミド化変性物;これらのポリアミン類とホルムアル
デヒド等のアルデヒド類及びフェノール、クレゾール、
キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン等の
核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有する
フェノール類とを常法によって反応させることによって
製造されるマンニッヒ化変性物等が挙げられる。さら
に、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コ
ハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライ
ン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のジカル
ボン酸ジヒドラジド;ジシアンジアミド;酸無水物;イ
ミダゾール類等の潜在性硬化剤も使用できる。
【0056】また、ポリエポキシ化合物から誘導される
ポリオール化合物用の硬化剤としては、例えば、メラミ
ン、メチロールメラミン、メチルメラミン、ブチルメラ
ミン、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン、グ
アナミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェ
ノール樹脂、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MD
I、水添TDI、イソホロンジイソシアネート、イソシ
アネート樹脂及び上記イソシアネート化合物と一般のポ
リオールとを反応して得られるウレタンプレポリマーに
ε−カプロラクタム、オキシム、フェノール、アルコー
ル等のマスク剤で変性したブロックイソシアネートが挙
げられる。
【0057】また、本発明の水性硬化性組成物には、必
要に応じて、硬化触媒;モノグリシジルエーテル類、ジ
オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルア
ルコール、コールタール等の反応性又は非反応性の希釈
剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケ
イ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウ
ム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二
酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化
鉄、瀝青物質等の充填剤もしくは顔料;γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラ
ワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、
みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油
ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エ
ーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;
増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;
紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシ
リカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有して
もよく、さらに、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の
樹脂類を併用することもできる。
【0058】本発明の水性硬化性組成物は、例えば、コ
ンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラ
ス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あ
るいは接着剤;包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食
品ラベル、リムーバルラベル、POSラベル、粘着壁
紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャ
ストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙
等の加工紙;天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊
維処理剤;シーリング材、セメント混和剤、防水材等の
建築材料等の広範な用途に使用することができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の水性硬化性組
成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0060】〔製造例1〕YP−90LL(ヤスハラケ
ミカル(株)製;テルペンモノフェノール90%含有化
合物;平均分子量266、水酸基当量300)340重
量部に水酸化カリウム0.5重量部を添加し、そこにエ
チレンオキシド1760重量部をフィードして125
℃、2時間反応して水酸基当量2100のテルペンフェ
ノールエチレンオキシド付加物(TPEO−1)を得
た。
【0061】〔製造例2〕YP−90LL(ヤスハラケ
ミカル(株)製;テルペンモノフェノール90%含有化
合物;平均分子量266、水酸基当量300)340重
量部に水酸化カリウム0.5重量部を添加し、そこにエ
チレンオキシド4400重量部をフィードして125
℃、2時間反応し水酸基当量4740のテルペンフェノ
ールエチレンオキシド付加物(TPEO−2)を得た。
【0062】〔実施例1〕アデカレジンEP−4100
(旭電化工業( 株) 製;ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量190)440重量部に予め水で50
重量%に希釈したTPEO−1 88重量部を加えて5
0℃まで昇温して均一となった後に、撹拌しながら水4
40重量部を徐々に加えて水性硬化性組成物を製造し
た。
【0063】〔実施例2〕アデカレジンEP−4100
440重量部に予め水で50重量%に希釈したTPE
O−2 88重量部を加えて50℃まで昇温して均一と
なった後に、撹拌しながら水430重量部を徐々に加え
て水性硬化性組成物を製造した。
【0064】〔比較例1〕アデカレジンEP−4100
440重量部に予め水で50重量%に希釈したポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ー(EOPO、水酸基当量2200)88重量部を加え
て50℃まで昇温して均一となった後に、撹拌しながら
水430重量部を徐々に加えて水性硬化性組成物を製造
した。
【0065】〔実施例3〕アデカレジンEP−4080
(旭電化工業(株)製;水添ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、エポキシ当量240)440重量部に予め水で
50重量%に希釈したTPEO−1 88重量部及びプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を加
えて50℃まで昇温して均一となった後に、撹拌しなが
ら水430重量部を徐々に加えて水性硬化性組成物を製
造した。
【0066】〔実施例4〕アデカレジンEP−4080
440重量部に予め水で50重量%に希釈したTPE
O−2 88重量部及びプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル10重量部を加えて50℃まで昇温して均一
となった後に、撹拌しながら水430重量部を徐々に加
えて水性硬化性組成物を製造した。
【0067】〔比較例2〕アデカレジンEP−4080
440重量部に予め水で50重量%に希釈したEOP
O 88重量部及びプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル10重量部を加えて50℃まで昇温して均一とな
った後に、撹拌しながら水430重量部を徐々に加えて
水性硬化性組成物を製造した。
【0068】〔使用例1〕上記実施例1〜4及び比較例
1〜2より得られた水性硬化性組成物を用いて以下の評
価試験を行った。その結果を表1に示した。
【0069】(保存安定性)水性硬化性組成物をメスシ
リンダー中に深さ30cmとなるように入れ、40℃で
30日、60日及び90日間放置したあと、樹脂相と水
相との分離状態を下記基準により4段階で評価した。
【0070】1:分離が全く見られない。 2:僅かに分離が見られる。 3:分離が見られる。 4:完全に分離している。
【0071】(平均粒径)水性硬化性組成物中の粒子の
粒径をレーザー回折式粘度分布測定装置を用いて測定し
た(単位μm)。
【0072】アデカコールW−284(旭電化工業
(株)製;顔料分散剤、固形分40%)4重量部、水3
0重量部、酸化チタン30重量部、炭酸カルシウム30
重量部及びタルク30重量部をディスパー、ボールミル
で分散し、ここに上記実施例1〜4及び比較例1〜2よ
り得られた水性硬化性組成物200重量部を混合して塗
料組成物を製造した。得られた塗料組成物に硬化剤とし
てアデカハードナーEH−040−1(旭電化工業
(株)製;変性脂肪族ポリアミン、活性水素当量18
7)を混合(エポキシ当量:活性水素当量=1:1.
1)したものをJIS G 3141の圧延鋼鈑(密着
性はモルタル板)に膜厚100〜150μmで塗布し、
25℃で1週間養生した後、下記の物性値を得た。
【0073】(鉛筆硬度)JIS K 5400に従
い、鉛筆硬度を測定した。
【0074】(耐食性)JIS K 5400に従い、
200時間SSTにかけて耐食性試験を行なった。
【0075】1:さび、ふくれなし。 2:さび、ふくれややみられる。 3:さび、ふくれ多くみられる。
【0076】(耐候性)83℃ウエザオメーターで20
0時間劣化前後の試験片を色差計で測定した。Δb値を
示した。
【0077】(耐衝撃性)JIS K 5400に従
い、デュポン式耐衝撃性試験機を用いて耐衝撃性(c
m)を行なった。
【0078】(密着性)JIS K 5400に従い、
アドヒージョンテスターを用いて、密着性(kgf)を
測定した。
【0079】
【表1】
【0080】〔実施例5〕アデカレジンEP−5400
(旭電化工業(株)製;ビスフェノールA型エポキシ、
エポキシ当量925)400重量部を150℃まで昇温
し、撹拌しながらジエタノールアミン45重量部を1時
間かけて滴下し、さらに3時間反応させて水酸基価30
7のポリオール樹脂を得た。
【0081】ここで得られたポリオール樹脂440重量
部に予め水で50重量%に希釈したTPEO−1 88
重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、
撹拌しながら水440重量部を徐々に加えて水性硬化性
組成物を製造した。水性硬化性組成物をメスシリンダー
中に深さ30cmとなるように入れ、40℃に90日間
放置したが、分離は全く見られない。
【0082】〔実施例6〕アデカレジンEP−5200
(旭電化工業(株)製;ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量650)2600重量部を仕込み、加
熱溶解して130℃で撹拌しながらハイジエン(KFト
レーディング製;主成分9,10−オクタデカジエン
酸、酸当量275)550重量部及びトリフェニルホス
フィン2.5重量部を仕込み、150℃、4000Pa
で4時間減圧反応を行った。その後窒素で減圧を戻し、
130℃まで冷却してキシレン1204重量部を加え、
撹拌しながらさらに110℃まで冷却してKBE−90
3(信越化学工業(株)製;アミノプロピルトリエトキ
シシラン)221重量部を仕込み、110℃で4時間反
応し、エポキシ当量が10万を超えたことを確認して反
応を終了した。これを80℃まで冷却してエタノール2
41重量部を加えて30分混合してアルコキシシラン化
合物を得た。
【0083】上記で得られたアルコキシシラン化合物4
00重量部、TPEO−1 40重量部、ナフテン酸コ
バルト2重量部、アデカスタブBT−11(旭電化工業
(株)製;ジブチル錫ラウレート)2重量部及び水33
1重量部を仕込んで混合して水性硬化性組成物を製造し
た。水性硬化性組成物をメスシリンダー中に深さ30c
mとなるように入れ、40℃に90日間放置したが、分
離は全く見られない。
【0084】〔実施例7〕アデカレジンEP−4100
(旭電化工業(株)製;ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量190)380重量部及びジメチロー
ルプロピオン酸268重量部を混合して130℃まで加
熱して、酸価が1以下となるまで反応させた。そこへ、
アセト酢酸エチル624重量部を添加後、常圧にて揮発
成分を留去した後、更に減圧下にて揮発成分を留去し
た。残渣物をキシレンで固形分70重量%となるように
希釈した。これにより、固形分中、アセトアセテート含
有率35%、カルボニル当量250の黄褐色液状樹脂を
製造した。
【0085】上記で得られた黄褐色液状樹脂300重量
部、TPEO−1 30重量部とを40℃以下で三軸ミ
キサーを用いて30分撹拌後、水248重量部を徐々に
加えて、固形分40%の水性硬化性組成物を得た。水性
硬化性組成物をメスシリンダー中に深さ30cmとなる
ように入れ、40℃に90日間放置したが、分離は全く
見られない。
【0086】上記の結果より明らかなように、公知乳化
剤であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブ
ロックコポリマーを使用した水性硬化性組成物は、粒径
が小さく、保存安定性には優れるものの、これから得ら
れる硬化物は密着性等の問題がある。
【0087】これに対して、本願発明のテルペンフェノ
ールのエチレンオキシド付加物を配合してなる水性硬化
性組成物は、粒径が小さく、保存安定性に優れ、しかも
これから得られる硬化物は密着性等の物性に優れてい
る。
【0088】
【発明の効果】本発明の水性硬化性組成物は、保存安定
性に優れ、その硬化物の基材への密着性に優れることか
ら、特に、塗料、接着剤等の用途に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 171/02 C09J 171/02 (72)発明者 秋本 耕司 埼玉県南埼玉郡菖蒲町昭和沼20番地 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CD00W CD01W CD02W CD04W CD05W CD06W CD10W CD14W CD18W CD19W CD20W CH02X CH05X DE026 FD206 GH01 GJ01 4J038 DB001 DB002 DB021 DB022 DB041 DB042 DB061 DB062 DF041 DF042 GA02 GA03 GA15 KA03 KA04 KA06 KA09 MA08 MA11 NA04 NA12 NA14 NA21 NA26 PC02 PC03 PC04 PC06 PC07 PC08 PC09 4J040 DN072 EC051 EC061 EC071 EC091 EC211 EC261 EC311 EC331 EC341 EE052 EL012 GA06 GA31 JA03 LA05 LA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)硬化性化合物、(ロ)環状テルペ
    ン骨格含有フェノール化合物にエチレンオキシド10〜
    200モル付加してなるポリエーテル化合物及び(ハ)
    水を配合してなる水性硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 上記(イ)硬化性化合物が、ポリエポキ
    シ化合物又はその誘導体であることを特徴とする請求項
    1記載の水性硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 上記ポリエポキシ化合物の誘導体がポリ
    エポキシ化合物及び活性水素含有化合物を反応して得ら
    れるエポキシポリオールであることを特徴とする請求項
    2記載の水性硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 上記(イ)硬化性化合物が、下記(I)
    又は(II)の反応性基を有する化合物であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の水性硬化性組成物。 【化1】 (式中、R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、
    2 は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアリール基
    を表し、aは1〜3の整数を表す) 【化2】 (式中、R3 は炭素原子数1〜10のアルキル基又はア
    リール基を表す)
  5. 【請求項5】上記(イ)硬化性化合物が、下記一般式
    (III )で表されるビスフェノール誘導骨格を有する化
    合物であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の水性硬化性組成物。 【化3】 (式中、環Aはベンゼン環又はシクロヘキサン環を表
    し、Zは直接結合、炭素原子数1〜4のアルキリデン基
    又は−SO2 −を表す)
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