JP2001192439A - 生体内分解型高分子重合物 - Google Patents

生体内分解型高分子重合物

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JP2001192439A JP2000362683A JP2000362683A JP2001192439A JP 2001192439 A JP2001192439 A JP 2001192439A JP 2000362683 A JP2000362683 A JP 2000362683A JP 2000362683 A JP2000362683 A JP 2000362683A JP 2001192439 A JP2001192439 A JP 2001192439A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薬物の初期放出を抑え、かつ薬物の放出速度を
全期間にわたって一定値に近付けることができる生体内
分解型高分子重合物を開発する。 【構成】低分子物質を含有する生体内分解型脂肪族ポリ
エステルを水易溶性有機溶媒に溶解し、これに水を加え
て低分子物質を除去した、分子量1,000以下の低分
子物質の含量が3.0(%)未満である生体内分解型脂肪
族ポリエステルおよび該ポリエステルを放出制御物質と
して用いた薬物含有製剤。 【効果】本発明の生体内分解型脂肪族ポリエステルを用
いて製造された徐放性製剤は、薬剤の取り込み率が高
く、初期放出を抑えられ、安定に薬剤を放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製剤における基剤とし
て有用な生体内分解型高分子重合物、その製造法および
その用途に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内分解型高分子重合物は、たとえば
マイクロカプセル等の製剤の基剤として用いることがで
きる。このような生体内分解型高分子重合物としては、
たとえば、特開昭61−28521号公報には、乳酸お
よび/またはグリコール酸を触媒の存在下または不存在
下で重縮合させることにより、これらの重合体もしくは
共重合体が得られることが記載されている。特公平1−
57098号公報には、このような生体内分解型高分子
重合物を用いた徐放型マイクロカプセルの製造法が開示
されている。また、特開昭62−54760号公報に
は、生体内分解型高分子重合物溶液を水洗して水易溶性
低分子化合物を除去する事によりマイクロカプセルから
の薬物の初期放出を改善出来ることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】薬物を生体内分解型高
分子重合物に分散させたタイプの徐放性製剤においては
薬物の放出速度を任意にコントロール出来ることが望ま
しい。一般に、徐放性製剤において薬物の放出期間はそ
の基剤である生体内分解型高分子重合物の分子量によっ
て調節されている。ところが薬物の初期放出はその種類
や量によって程度の差はあっても大き過ぎる場合が多
い。上記特開昭62−54760号公報に開示された方
法により水易溶性低分子化合物を除去する事により初期
放出は改善されるが、その程度は薬物の放出速度を全期
間にわたって一定値に近づけることは出来ても、初期の
放出を抑えて後期の放出速度を大きくする様なコントロ
ールは不可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るため鋭意研究の結果、生体内分解型高分子重合物の比
較的低分子量の部分が初期の放出に深く関与しているこ
とを見いだした。
【0005】すなわち、重合反応により製造した高分子
重合物(特開昭61−28521号および特開昭62−
54760号公報参照)には原料モノマーに加え分子量
1,000以下のオリゴマーも多量含まれていることが
判明し、これら比較的低分子量の部分が高分子重合物を
壁物質とする製剤としたときに初期放出が過大となる原
因であることを明らかにした。
【0006】上記比較的低分子量の部分は、高分子重合
物に洗浄など通常の精製方法を適用することによって除
くことが出来なかったが、本発明者らは鋭意研究を行い
これを可能とする方法を見い出し本発明を完成した。
【0007】本発明は、低分子物質を含有する生体内分
解型脂肪族ポリエステルを水易溶性有機溶媒に溶解し、
これに水を加え高分子物質を析出させて、低分子物質を
除去することを特徴とする生体内分解型脂肪族ポリエス
テルの精製法、該方法で得られる分子量1,000以下
の低分子物質の含有量が3.0(%)未満である生体内分
解型脂肪族ポリエステル、および該生体内分解型ポリエ
ステルを放出制御物質とする薬物含有製剤を提供するも
のである。
【0008】本明細書における分子量とは、ポリスチレ
ンを基準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量を
云う。
【0009】本発明方法の生体内分解型脂肪族ポリエス
テルとしては、生体適合性の優れた物が好ましく、たと
えばポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪
酸、ポリヒドロキシピバリン酸、ポリリンゴ酸などの重
合物ポリエステル類、ポリグリコシッド、ポリラクチッ
ド、ポリ−βープロピオラクトン、ポリ−γ−ブチロラ
クトン、ポリ−ε−カプロラクトンなどの開環重合ポリ
エステル類などである。とりわけヒドロキシ脂肪族カル
ボン酸の重縮合ポリエステル類の精製に有利に適用でき
る。
【0010】該ポリエステル類は、上記に例示したホモ
ポリマーに限定されるものではなく2種以上の成分から
なる共重合体も当然含まれる。共重合の形式は、ランダ
ム、ブロック、グラフトの何れでもよい。
【0011】これらの高分子重合体(ホリエステル類)に
おいては、生体内での分解が比較的速やかなものが好ま
しい。
【0012】本発明の生体内分解型脂肪族ポリエステル
類の好ましい例としては、ポリ乳酸、乳酸とグリコール
酸との共重合体が挙げられる。乳酸とグリコール酸との
共重合物としては、その組成比が、乳酸100〜50モ
ル%、残りがグリコール酸であるものが挙げられる。
【0013】さらに、乳酸とグリコール酸との共重合物
としてはGPCによる分子量のピーク値が3,000〜
50,000、とりわけ5,000〜30,000である
ものが好ましい。
【0014】本発明で用いられる水易溶性有機溶媒とし
ては、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド
などが挙げられ、とりわけアセトンが有利に用いられ
る。
【0015】本発明で用いられる水の量と生体内分解型
高分子重合物溶液との量比は、特に制限はないが水の量
が多すぎると低分子重合物の除去が不十分になるし、少
なすぎると生体内分解型高分子重合物の回収率が悪くな
る。通常、水易溶性有機溶媒100に対して水を50〜
150(容量比)用いる生体内分解型高分子重合物溶液を
適当な方法で攪拌しながら水を徐々に加えると目的とす
る生体内分解型高分子重合物は、析出または、分離する
ので適当な方法で析出物または油層を分離し十分に水洗
してから乾燥する。
【0016】一回の溶解、析出工程で低分子重合物の除
去が不十分な場合には溶解、析出工程を複数回繰り返せ
ばよい。
【0017】本発明方法で得られた生体内分解型高分子
重合物は、たとえば、マイクロカプセルの基剤として用
いることが出来る。たとえば、黄体形成ホルモン放出ホ
ルモン、そのアナログ、甲状腺ホルモン放出ホルモンそ
の塩、それらの誘導体等の水溶性ポリペプチドの水溶液
を内水層とし、必要により内水層にゼラチン、アルブミ
ン、ペクチン、寒天等の薬物保持物質を添加し、本発明
で得られた生体内分解型高分子重合物を含む溶液を油層
としてW/O型乳化物をつくり、該乳化物を水層に分散
させてW/O型乳化物をつくり水中乾燥を行なうことに
より、水溶性薬物の徐放性マイクロカプセルを製造する
ことが出来る。
【0018】このようにして得られたマイクロカプセル
は、徐放性の注射剤として投与することができる。その
投与量は、主薬である水溶性薬物の種類と含量,剤形,
薬物放出の持続期間,投与対象動物(例、マウス,ラット,
ウマ,ウシ,人等の温血哺乳動物),投与目的により種々異
なるが、該主薬の有効量であればよい。たとえば、1回
あたりの投与量として、マイクロカプセルの重量が約
0.02ないし200mg/kg、好ましくは約0.2ないし
40mg/kgの範囲から、適宜選択することができる。な
お、上記注射剤として投与する場合の懸濁溶液として用
いる場合の容量は、約0.1ないし5ml、好ましくは約
0.5ないし3mlの範囲から適宜選ぶことができる。
【0019】マイクロカプセル以外にも適当な方法で薬
物を分散させた本発明の生体内分解型高分子重合物を溶
融し球状、棒状、針状等に賦形して徐放性製剤を製造す
ることも出来る。
【0020】
【作用および実施例】以下に比較例および実施例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明する。比較例および実
施例中では、黄体形成ホルモン放出ホルモン誘導体とし
て酢酸リュープロレリン(TAP−144)を使用し
た。 比較例1 窒素導入管および冷却管を備えた1000mlの4頚フラ
スコに90%乳酸水溶液375.3gとグリコール酸9
5.1gを仕込み、窒素気流下90℃、400mmHgから
150℃、30mmHgまで5時間かけて減圧加熱を行なっ
て留出水を除去した。さらに5〜7mmHg、150〜17
5℃で24時間減圧加熱を行なった後冷却し、琥珀色の
乳酸・グリコール酸共重合体を得た。得られた共重合体
を1000mlのジクロルメタンに溶解し、60℃の温水
中に攪拌下注入した。分離してくる餅状の高分子重合物
を集め、30℃で真空乾燥した。得られた乳酸・グリコ
ール酸共重合体は、GPCによる分子量のピーク値10
000、分子量1000以下の低分子重合物の含量は
6.8%であった。
【0021】比較例2 TRH(甲状腺ホルモン放出ホルモン)350mgを蒸留水
0.625mlに溶解し、比較例1で得られた乳酸・グリ
コール酸共重合体(PLGA)5gをジクロロメタン6.
25mlに溶解した液に加え、小型ホモジナイザーで60
秒間混合し、W/O型エマルジョンを得た。このエマル
ジョンを18℃に冷却した後、あらかじめ18℃に調整
しておいた0.25%ポリビニールアルコール(PVA)
水溶液1250mlに注入しタービン型ホモミキサーを使
用してW/O/W型エマルジョンとした。この後、W/
O/W型エマルジョンを室温で攪拌しつつジクロロメタ
ンを揮散させて内部のW/O型エマルジョンを固化させ
遠心分離機を用いて捕集した。これを再び蒸留水に分散
しさらに遠心分離を行なって遊離薬物等を洗浄した。捕
集されたマイクロカプセルは凍結乾燥によって粉末とし
て得られた。得られたマイクロカプセルの薬物トラップ
率および37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中で行なった
in vitro 溶出試験の結果を〔表1〕に示す。
【0022】比較例3 窒素導入管および冷却管を備えた1000mlの4頚フラ
スコに90%乳酸水溶液375.3gとグリコール酸9
5.1gを仕込み、窒素気流下90℃、400mmHgから
150℃、30mmHgまで5時間かけて減圧加熱を行なっ
て留出水を除去した。さらに5〜7mmHg、150〜17
5℃で36時間減圧加熱を行なった後冷却し、琥珀色の
乳酸・グリコール酸共重合体を得た。得られた共重合体
を1000mlのジクロルメタンに溶解し、60℃の温水
中に攪拌下注入した。分離してくる餅状の高分子重合物
を集め、30℃で真空乾燥した。得られた乳酸・グリコ
ール酸共重合体は、GPCによる分子量のピーク値13
000、分子量1000以下の低分子重合体の含量は
5.5%であった。
【0023】比較例4 TAP−144(450mg)とゼラチン40mgを蒸留水
0.8mlに溶解し、比較例3で得られた乳酸・グリコー
ル酸共重合体(PLGA)3.5gをジクロロメタン5ml
に溶解した液に加え、小型ホモジナイザーで60秒間混
合し、W/O型エマルジョンを得た。このエマルジョン
を18℃に冷却した後、あらかじめ18℃に調整してお
いた0.5%ポリビニールアルコール(PVA)水溶液2
00mlに注入しタービン型ホモミキサーを使用してW/
O/W型エマルジョンとした。この後、W/O/W型エ
マルジョンを室温で攪拌しつつジクロロメタンを揮散さ
せて内部のW/O型エマルジョンを固化させ遠心分離機
を用いて捕集した。これを再び蒸留水に分散しさらに遠
心分離を行なって遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマ
イクロカプセルは凍結乾燥によって粉末として得られ
た。得られたマイクロカプセルの薬物トラップ率および
37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中で行なった in vitr
o 溶出試験の結果を〔表2〕に示す。
【0024】比較例5 窒素導入管および冷却管を備えた1000mlの4頚フラ
スコにグリコール酸190.2gとD,L−2−ヒドロ
キシ酪酸260.2gを仕込み、窒素気流下90℃、4
00mmHgから150℃、30mmHgまで5時間かけて減圧
加熱を行って留出水を除去した。さらに5〜7mmHg、1
50〜185℃で72時間減圧加熱を行った後冷却し、
琥珀色のグリコール酸・2−ヒドロキシ酪酸共重合体を
得た。得られた共重合物を1000mlのジクロルメタン
に溶解し、60℃の温水中に攪拌下注入した。分離して
くる餅状の高分子重合物を集め、30℃で真空乾燥し
た。得られたグリコール酸・2−ヒドロキシ酪酸共重合
体は、GPCによる分子量のピーク値12000、分子
量1000以下の低分子重合体の含量は5.2%であっ
た。
【0025】比較例6 TRH(甲状腺ホルモン放出ホルモン)350mgを蒸留水
0.3mlに溶解し、比較例5で得られたグリコール酸・
2−ヒドロキシ酪酸共重合体4.65gをジクロロメタ
ン5mlに溶解した液に加え、小型ホモジナイザーで60
秒間混合し、W/O型エマルジョンを得た。このエマル
ジョンを18℃に冷却した後、あらかじめ18℃に調整
しておいた0.1%ポリビニールアルコール(PVA)水
溶液1000mlに注入しタービン型ホモミキサーを使用
してW/O/W型エマルジョンとした。この後、W/O
/W型エマルジョンを室温で攪拌しつつジクロロメタン
を揮散させて内部のW/O型エマルジョンを固化させ遠
心分離機を用いて捕集した。これを再び蒸留水に分散し
さらに遠心分離をおこなって遊離薬物等を洗浄した。捕
集されたマイクロカプセルは凍結乾燥によって粉末とし
て得られた。得られたマイクロカプセルの薬物トラップ
率および37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中でおこなっ
た in vitro 溶出試験の結果を〔表3〕に示す。
【0026】比較例7 窒素導入管および冷却管を備えた1000mlの4頚フラ
スコにD,L−乳酸450gを仕込み、窒素気流下90
℃、400mmHgから150℃、30mmHgまで5時間かけ
て減圧加熱を行って留出水を除去した。さらに5〜7mm
Hg、150〜185℃で23時間減圧加熱を行った後冷
却し、微黄色のポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸を1
000mlのジクロルメタンに溶解し、60℃の温水中に
攪拌下注入した。分離してくる餅状の高分子重合物を集
め、30℃で真空乾燥した。得られたポリ乳酸は、GP
Cによる分子量のピーク値8000、分子量1000以
下の低分子重合体の含量は5.6%であった。
【0027】比較例8 TAP−144(400mg)を蒸留水0.4mlに溶解
し、比較例7で得られたポリ乳酸4.0gをジクロロメ
タン5mlに溶解した液に加え、小型ホモジナイザーで6
0秒間混合し、W/O型エマルジョンを得た。このエマ
ルジョンを18℃に冷却した後、あらかじめ18℃に調
整しておいた0.1%ポリビニールアルコール(PVA)
水溶液1000mlに注入しタービン型ホモミキサーを使
用してW/O/W型エマルジョンとした。この後、W/
O/W型エマルジョンを室温で攪拌しつつジクロロメタ
ンを揮散させて内部のW/O型エマルジョンを固化させ
遠心分離機を用いて捕集した。これを再び蒸留水に分散
しさらに遠心分離をおこなって遊離薬物等を洗浄した。
捕集されたマイクロカプセルは凍結乾燥によって粉末と
して得られた。得られたマイクロカプセルの薬物トラッ
プ率および37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中でおこな
った in vitro 溶出試験の結果を〔表4〕に示す。
【0028】実施例1 比較例1で得られた乳酸・グリコール酸共重合体20g
を100mlのアセトンに溶解した。この溶液を攪拌しな
がら蒸留水60mlを滴下した。分離してくる油層を集め
500mlの蒸留水で2回洗浄すると油層は餅状になっ
た。これを30℃で真空乾燥した。収率は17.4gで
あった。得られた乳酸・グリコール酸共重合体のGPC
による分子量のピーク値10000、分子量1000以
下の低分子量重合体の含有率は2.0%であった。
【0029】実施例2 実施例1で得られた乳酸・グリコール酸共重合体を用
い、比較例2と同様にしてマイクロカプセルを調整し
た。得られたマイクロカプセルの薬物トラップ率および
37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中で行なった in vitr
o 溶出試験の結果を〔表1〕に示す。
【表1】 トラップ 放出率(%)b) 率(%)a) 1日 1週間 2週間 比較例2 93.0 8.8 47.8 95.2 実施例2 93.6 5.7 27.8 77.6 a) TRHの仕込量に対し実際に取り込まれた量 b) pH7.0,1/30Mリン酸緩衝液,37℃
【0030】実施例3 比較例3で得られた乳酸・グリコール酸共重合体20g
を100mlのアセトンに溶解した。この溶液を攪拌しな
がら蒸留水60mlを滴下した。分離してくる油層を集め
500mlの蒸留水で2回洗浄すると油層は餅状になっ
た。これを30℃で真空乾燥した。収率は17.4gで
あった。得られた乳酸・グリコール酸共重合体のGPC
による分子量のピーク値13000、分子量1000以
下の低分子量重合体の含有率は2.2%であった。
【0031】実施例4 実施例3で得られた乳酸・グリコール酸共重合体を用
い、比較例4と同様にしてマイクロカプセルを調製し
た。得られたマイクロカプセルの薬物トラップ率および
37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中で行なった in vitr
o 溶出試験の結果を〔表2〕に示す。
【表2】 トラップ 放出率(%)b) 率(%)a) 1日 1週 2週 3週 4週 比較例4 95.0 10.4 30.7 41.3 59.5 65.2 実施例4 97.2 4.8 9.7 24.5 41.2 55.7 a) TAP−144の仕込量に対し実際に取り込まれた量 b) pH7.0,1/30Mリン酸緩衝液,37℃
【0032】実施例5 比較例5で得られたグリコール酸・2−ヒドロキシ酪酸
共重合体20gを100mlのアセトンに溶解した。この
溶液を攪拌しながら蒸留水80mlを滴下した。分離して
くる油層を集め500mlの蒸留水で2回洗浄すると油層
は餅状となった。これを30℃で真空乾燥した。収率は
18.1gであった。得られたグリコール酸・2−ヒド
ロキシ酪酸共重合体のGPCによる分子量のピーク値1
3000、分子量1000以下の低分子量重合体の含有
率は2.5%であった。
【0033】実施例6 実施例5で得られたグリコール酸・2−ヒドロキシ酪酸
共重合体を用い、比較例6と同様にしてマイクロカプセ
ルを調整した。選られたマイクロカプセルの薬物トラッ
プ率および37℃、pH7.0のリン酸緩衝液中で行った
in vitro 溶出試験の結果を〔表3〕に示す。
【表3】 トラップ 放出率(%)b) 率(%)a) 1日 1週 2週 3週 比較例6 85.6 17.3 50.1 89.7 99.8 実施例6 95.6 9.0 40.5 85.1 99.9 a) TRHの仕込量に対し実際に取り込まれた量 b) pH7.0,1/30Mリン酸緩衝液,37℃
【0034】実施例7 比較例7で得られたポリ乳酸20gを100mlのアセト
ンに溶解した。この溶液を攪拌しながら蒸留水80mlを
滴下した。分離してくる油層を集め500mlの蒸留水で
2回洗浄すると油層は餅状となった。これを30℃で真
空乾燥した。収率は18.5gであった。得られたポリ
乳酸GPCによる分子量のピーク値8000、分子量1
000以下の低分子量重合体の含有率は2.3%であっ
た。
【0035】実施例8 実施例7で得られたポリ乳酸を用い、比較例8と同様に
してマイクロカプセルを調整した。得られたマイクロカ
プセルの薬物トラップ率および37℃、pH7.0のリ
ン酸緩衝液中で行った in vitro 溶出試験の結果を〔表
4〕に示す。
【表4】 トラップ 放出率(%)b) 率(%)a) 1日 1週 2週 3週 比較例8 92.5 22.4 36.8 44.1 56.8 実施例8 98.6 8.4 18.2 28.5 48.2 a) TAP−144の仕込量に対し実際に取り込まれた量 b) pH7.0,1/30Mリン酸緩衝液,37℃
【0036】
【発明の効果】本発明の生体内分解型高分子重合物を用
いて製造された徐放性製剤は、薬剤の取り込み率が高
く、初期過剰放出が少なく、安定に薬剤を放出する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 5/06 C08L 67:00 5/14 A61K 37/02 C08J 3/00 CFD 37/24 // C08L 67:00 37/43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量1,000以下の低分子重合物の含
    有量が3.0(%)未満である生体内分解型脂肪族ポリ
    エステル。
  2. 【請求項2】分子量1,000以下の低分子重合物を含
    有する生体内分解性脂肪族ポリエステルを水易溶性有機
    溶媒に溶解し、これに水を加え高分子物質を析出させ
    て、分子量1,000以下の低分子重合物を除去するこ
    とにより得られる請求項1記載の生体内分解型脂肪族ポ
    リエステル。
  3. 【請求項3】水易溶性有機溶媒100に対して水を50
    〜150(容量比)加える請求項2記載の生体内分解型
    脂肪族ポリエステル。
  4. 【請求項4】請求項1記載の生体内分解型ポリエステル
    を放出制御物質とする薬物含有製剤。
  5. 【請求項5】薬物が黄体形成ホルモン放出ホルモン、甲
    状腺ホルモン放出ホルモンもしくはその塩またはその誘
    導体である請求項4記載の製剤。
  6. 【請求項6】薬物が酢酸リュープロレリンである請求項
    4記載の製剤。
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