JP2001186180A - Ip端末装置、周波数誤差範囲推定方法、周波数差推定方法及び推定所要時間算出方法 - Google Patents
Ip端末装置、周波数誤差範囲推定方法、周波数差推定方法及び推定所要時間算出方法Info
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Abstract
御の完了する時間が予想し得なかった。 【解決手段】 他のIP端末装置が一定間隔で送信した
同期タイミングパケットを受信して内部で発生されたク
ロックを送信側のクロックに同期させる同期機能を備え
るIP端末装置において、次の手段を備える。(1) 内部
クロックを発生するクロック生成手段と、(2) クロック
生成手段の生成した内部クロックをカウントするクロッ
クカウンタと、(3) 通信開始後に最初に受信された同期
タイミングパケットの受信時におけるクロックカウンタ
のカウント値とその後に受信された同期タイミングパケ
ットの受信時におけるクロックカウンタのカウント値と
の差分を基に送信側のクロックとクロック生成手段の発
生しているクロックの周波数差を推定し、その推定結果
に応じてクロック生成手段を移相制御する制御手段を備
える。
Description
プロトコル・ネットワーク(以下「IPネットワーク」
という。)に接続される端末装置(以下「IP端末装
置」という。)並びに当該IP端末装置に適用して好適
な周波数誤差範囲推定方法、周波数差推定方法及び推定
所要時間算出方法に関する。
ータの実時間伝送サービス、いわゆるインターネット電
話サービスが運用されている。本サービスの接続形態に
は、IPネットワークに接続されたパソコン同士の通
信、IPネットワークを経由する電話機同士の通信な
ど、さまざまな接続形態が考えられる。
末装置においては、送信側と受信側との間で、各装置に
搭載される水晶発振子その他の部品の精度に起因して伝
送クロック速度に誤差が生じるおそれがある。しかし、
従来装置では、当該誤差が考慮されていない。このた
め、実際にクロック速度の誤差に起因したデータの余り
や不足が生じると、受信側のIP端末装置が余り分に相
当する音声データを廃棄又は不足分に相当する代替デー
タを挿入する処理を行う。
来のデータと、廃棄後又は挿入後のデータ(実際に音声
として再生される波形)との間で、内容の同一性が損な
われてしまい、音声品質が低下するおそれがある。ま
た、かかる処理後のデータをモデムにより復調すると、
本来の波形とは全く異なったアナログ波形に復調される
おそれがあり、モデムを介在させる通信が実現不可能と
なる問題がある。
(クロックの基準となる端末)となる送信側のIP端末
装置から一定周期で同期パケットを送信させて、スレー
ブ端末(マスタのクロックに合わせ込む端末)となる受
信側のIP端末装置で受信させ、その受信の度にクロッ
クが遅れているか進んでいるかを判定させてマスタ端末
のクロックにスレーブ端末のクロックを徐々に合わせ込
む手法の適用が考えられている。
は、クロック同期の調整を開始した時点での周波数のず
れの大きさに応じて合わせ込みが完了するまでに要する
時間にばらつきが生じるのを避け得ない欠点がある。す
なわち、クロックの合わせ込みが完了するまでに要する
時間にばらつきのために、調整開始から完了までに要す
る時間を一意に決定できない欠点がある。このため、I
P端末装置としての仕様(例えば、装置立ち上げ後どれ
だけの時間が経てば同期が確立しているはずであるの
で、これこれの動作が可能である等。)を明確にできな
いという問題があった。
するため、第1の発明においては、他のIP端末装置が
一定間隔で送信した同期タイミングパケットを受信して
内部で発生されたクロックを送信側のクロックに同期さ
せる同期機能を備えるIP端末装置において、(1) 内部
クロックを発生するクロック生成手段と、(2) クロック
生成手段の生成した内部クロックをカウントするクロッ
クカウンタと、(3) 通信開始後に最初に受信された同期
タイミングパケットの受信時におけるクロックカウンタ
のカウント値とその後に受信された同期タイミングパケ
ットの受信時におけるクロックカウンタのカウント値と
の差分を基に送信側のクロックとクロック生成手段の発
生しているクロックの周波数差を推定し、その推定結果
に応じてクロック生成手段を移相制御する制御手段とを
備えるようにする。
ックの周波数差を推定してクロックの同期制御を行うた
め、相対的な位相関係(周波数が高いか低いか)のみに
基づいて同期制御を行う場合に比して同期制御に要する
時間の推定を可能とできる。
の発明に係るIP端末装置の制御手段として、同期タイ
ミングパケットが受信されて新たなカウント値の差分が
算出されるたび、現時点までに算出された各時点のカウ
ント値の差分についての出現範囲の上限範囲を与える直
線の傾斜角と下限範囲を与える直線の傾斜角とを算出し
て当該2つの傾斜角の差分が予め定めた誤差範囲内とな
ったか否かを判定し、2つの傾斜角の差分が予め定めた
誤差範囲内となったとき、当該2つの傾斜角の平均値を
推定対象である送信側のクロックとクロック生成手段の
発生しているクロックの周波数差に対応する直線の傾斜
角とみなして当該傾斜角よりクロックの周波数差を推定
するものを用いるようにする。
ント値の差分の出現結果を基にその出現範囲の上限と下
限を与える直線を更新してその傾斜角の算出を逐次実行
し、推定対象である周波数差に対応する直線の傾斜角が
存在し得る範囲を狭めることにより、その分、推定精度
を高めることができる。
間隔ごと送信される同期タイミングパケットの受信タイ
ミングを、受信装置内のクロックにて動作するクロック
カウンタのカウント値として検出し、そのカウント値の
情報を基に同期タイミングパケットの送信側のクロック
と受信装置内のクロックとの周波数差を推定する場合に
おける周波数誤差の範囲を推定する方法において、通信
開始後に最初に受信された同期タイミングパケットの受
信時におけるクロックカウンタのカウント値とその後に
受信された同期タイミングパケットの受信時におけるク
ロックカウンタのカウント値との差分が算出されるた
び、現時点までに算出された各時点のカウント値の差分
についての出現範囲の上限範囲を与える直線の傾斜角と
下限範囲を与える直線の傾斜角とを算出して当該2つの
傾斜角の差分の半分を推定対象である周波数差に含まれ
ている周波数誤差の範囲と推定するようにする。
間隔ごと送信される同期タイミングパケットの受信タイ
ミングを、受信装置内のクロックにて動作するクロック
カウンタのカウント値として検出し、そのカウント値の
情報を基に同期タイミングパケットの送信側のクロック
と受信装置内のクロックとの周波数差を推定する周波数
差推定方法において、通信開始後に最初に受信された同
期タイミングパケットの受信時におけるクロックカウン
タのカウント値とその後に受信された同期タイミングパ
ケットの受信時におけるクロックカウンタのカウント値
との差分が算出されるたび、現時点までに算出された各
時点のカウント値の差分についての出現範囲の上限範囲
を与える直線の傾斜角と下限範囲を与える直線の傾斜角
とを算出し、その2つの傾斜角の平均値を推定対象であ
る送信側のクロックとクロック生成手段の発生している
クロックの周波数差に対応する直線の傾斜角とみなして
当該傾斜角よりクロックの周波数差を推定するようにす
る。
タイミングパケットの送信側のクロックと受信装置内の
クロックとの周波数差の推定に必要な所要時間の算出方
法において、受信装置内のクロックを基準に設定された
同期タイミングパケットの受信予定間隔をT1、クロッ
クの周波数差が推定されるまでに必要な受信予定間隔の
個数をn、クロックの周波数差の目標誤差をW、ネット
ワーク上に現れるゆらぎの上限をYとするとき、同期タ
イミングパケットの送信側のクロックと受信装置内のク
ロックとの周波数さの推定に必要な所要時間T1×n
を、T1×n=2Y/Wに基づいて算出するようにす
る。
基本形態を示す。図1は、IPネットワーク1を介して
2台のIP端末装置2及び3が接続された状態を表して
いる。なおここでは説明を簡単にするために2台のIP
端末装置のみをIPネットワークに接続しているが、勿
論、3台以上のIP端末装置が接続される場合にも適用
し得る。
マスタとして機能する同期マスタモジュール4をIP端
末装置2に搭載し、スレーブとして機能する同期スレー
ブモジュール5をIP端末装置3に搭載した状態を表し
ている。ここでは、マスタとして動作するIP端末装置
とスレーブとして動作するIP端末装置の関係を固定す
る。
期マスタモジュール4及び同期スレーブモジュール5の
両方を搭載することも可能であるが、ここでは図1に示
す構成について説明する。
レーブモジュール5の両方を各IP端末装置に搭載する
場合にいずれがマスタとして動作し、いずれがスレーブ
として動作するかは取り決めによる。例えば、発呼側が
マスタ、着呼側がスレーブとして動作しても良く、発呼
側がスレーブ、着呼側がマスタとして動作しても良い。
その他の取り決めも考えられる。
ロック構成を示す。同期マスタモジュール4は、クロッ
ク生成器4A、割り込み発生器4B、コントローラ4C
及びIPユニット4Dから構成されている。
ら構成される基準クロック生成手段である。割り込み発
生器4Bは、クロック生成器4Aの発生した基準クロッ
クをカウントし、一定個数に付き一回の割合で割り込み
信号を発生する。この割り込み信号は、送信先となるI
P端末装置3の動作状態に関係無く、一定間隔T1ごと
常に生成される。
るたび、同期制御用データを出力する。IPユニット4
Dは、IPネットワークを終端する手段であり、一定間
隔T1ごとに入力される同期制御用データをパケット化
し、同期タイミングパケットとして出力する。なお、当
該IPユニット4Dは、他のデータパケットの送受にも
用いられる。
ブロック構成を示す。同期スレーブモジュール5は、I
Pユニット5A、コントローラ5B、クロックカウンタ
5C、伝送クロック生成器5Dから構成されている。
ット4Dと同じくIPネットワークを終端する手段であ
る。IPユニット5Aは、同期タイミングパケットが受
信されると、これを同期制御用データとしてコントロー
ラ5Bに出力する。
受信されるたびクロックカウンタ5Cのカウント値Xn
を読み出して保存し、それらの値からマスタ側のクロッ
ク周波数と自身(スレーブ側)のクロック周波数との差
を推定する手段である。また、コントローラ5Bは、周
波数差の推定に許容する目的誤差Wの値を基に、当該推
定に要する最長時間を求める手段としても機能する。さ
らに、コントローラ5Bは、前述の推定に要する最長時
間の経過後、推定されたクロック周波数の差を打ち消す
ように伝送クロック生成器5Dの制御を行う。なお、当
該コントローラ5Bによる制御動作の詳細は後述する。
成器5Dが発生する基準クロックに基づいてカウントア
ップ動作を行う巡回型のカウンタである。ここで、クロ
ックカウンタ5Cのカウント値の最大値(例えば、39
999)は、0からその値をカウントアップするのに要
する時間(一定間隔T2)が、同期タイミングパケット
の送出間隔(一定間隔T1)と同じになるように設定さ
れている。
ク生成器4Aの動作クロックの精度と、同期スレーブモ
ジュール5内の伝送クロック生成器5Dの動作クロック
の精度に全く誤差がない場合には、クロックカウンタ5
Cが0から最大値(例えば、39999)までカウント
アップするのに要する一定間隔T2は一定間隔T1と一
致し、前述のコントローラ5Bが読み出すカウント値は
常に同じ値になる。
送クロック生成器4Aと同様、水晶発振子などから構成
される基準クロック生成手段である。そのクロック速度
の設計値は、マスタ側の伝送クロック生成器4Aと同じ
になっている。なお、伝送クロック生成器5Dは、コン
トローラ5Bからの制御に従って、発生するクロック速
度を変更し得るよう構成されている。
搭載するIP端末装置2及び3間において行われる、伝
送クロックの同期処理動作の内容を具体的に説明を行
う。
タ側となるIP端末装置2は、スレーブ側となるIP端
末装置3の動作状態とは無関係に一定間隔T1ごと同期
タイミングパケットを送出する。もっとも、この同期タ
イミングパケットは常に送出されている必要はなく(送
出されていても良いが)、スレーブ側と通信が行われて
いる間のみ送出されていれば本願発明の目的を達成する
ことができる。
1は、IP端末装置2に搭載された同期マスタモジュー
ル4のクロック生成器4Aが出力するクロック速度に応
じて定まる。
ーブ側となるIP端末装置3は、同期スレーブモジュー
ル5のコントローラ5Bにおいて同期タイミングパケッ
トの到着を監視しており、同期タイミングパケットの到
着を確認するたび、その時点でのクロックカウンタ5C
のカウント値Xnの読み出しを行う。
初に読み込んだカウント値をX0とし、2番目以降に読
み込んだカウント値をXn(n=1、2…)とする。図
4は、この対応関係を表している。なお、図4では時間
軸を横軸にとり、全くゆらぎがない場合(一定の遅延は
合っても良い)における同期タイミングパケットの伝送
を実線で、ゆらぎがある場合における同期タイミングパ
ケットの伝送を破線で表している。
通信が終了されるか同期スレーブモジュール5の動作が
停止するまでの間、コントローラ5B内のレジスタ等の
記憶手段に保持され、途中で変更されることはない。
ントローラ5Bは、前述の通り、同期タイミングパケッ
トの到着を確認するとクロックカウンタ5Cにその都度
アクセスし、その時点におけるカウント値の読み出しを
行う。
(A)に示すように、自装置内にある伝送クロック生成
器5Dから供給される伝送クロックに基づいて0から所
定値(例えば、39999)までカウントアップする動
作を行っており、当該巡回的なカウントアップ動作によ
り一定間隔T2の同期タイミングを得ている。
周波数が等しく(一定間隔T1とT2が等しく)、しか
も、IPネットワーク1上にゆらぎが全くない場合(一
定の遅延は合っても良い)には、図5(B)に示すよう
に、読み出されるカウント値は常に同じ値になる。
全く無くても(一定の遅延は合っても良い)、マスタ側
とスレーブ側のクロック周波数に違いがあると(一定間
隔T1とT2が相違すると)、図5(C)に示すよう
に、読み出されるカウント値に周波数差に比例したずれ
が現れることになる。
ずれが認められる場合には、その規則性を確認すること
により、容易にクロック周波数のずれを特定することが
できる。
における伝送にはゆらぎがあり、図5(D)に示すよう
に、その影響によって読み出されるカウント値はクロッ
ク周波数のずれに応じて定まる本来の規則性(図中複数
の巡回周期にわたって斜めに描いた直線)とは全く無関
係なものとなる。このため、読み出されるカウント値の
差分を単に監視するだけで、クロック周波数のずれに応
じた本来の規則性を求めることは容易ではない。
によって一見無秩序に見えるカウント値の系列の中から
クロック周波数のずれを推定する。この推定に際し、コ
ントローラ5Bは、IPネットワーク1上におけるゆら
ぎの上限値をY(単位はX0、Xnと同じ。)とする。
ここで、ゆらぎが無い場合にXn−X0(n=1、2、
…)が採る値をとZ(n)すると、揺らぎがある場合に
おけるXn−X0の値は、Z(n)−Y≦Xn−X0≦
Z(n)+Yのいずれかの値となる。
nとすると、時間とΔXとの関係は図6のようになる。
ここで、図中の黒丸は、各読み出しタイミングでのカウ
ント値Xnの初期値X0に対する相対値ΔXnを表して
いる。また、初期カウント値X0を始点とする直線LA
はゆらぎが無い場合にカウント値が本来とるべき値の系
列を結んだものである。また、初期カウント値Yを始点
とする直線LBはゆらぎがある場合にカウント値がとり
得る最大許容値の系列を結んだものである。また、初期
カウント値−Yを始点とする直線LCはゆらぎがある場
合にカウント値がとり得る最小許容値の系列を結んだも
のである。
であるので、各通信においてカウント値の現れる範囲は
直線LBとLCで挟まれる全範囲ではなく、図中斜線で
表される直線LD及びLEで挟まれる範囲に限られるこ
とになる。
の初期値を与える(0,Y)と各差分値ΔX(n)とを
結ぶ線分LFの傾きは常に直線LBの傾き(すなわち、
直線LAの傾き)よりも小さくなる関係が認められ、ま
た、最小許容値の初期値を与える(0,−Y)と各差分
値ΔX(n)とを結ぶ線分LGの傾きは直線LCの傾き
(すなわち、直線LAの傾き)よりも大きくなる関係が
認められる。
5Bは、新たな差分値ΔX(n)が算出されるたび、最
大許容値の初期値を与える(0,Y)と各差分値ΔX
(n)とを結ぶ線分LFのうちでその傾きがより大きく
なるものの選択を行うと共に、最小許容値の初期値を与
える(0,−Y)と各差分値ΔX(n)とを結ぶ線分L
Gのうちでその傾きがより小さくなるものの選択を行
い、真に求めたい直線LAの傾きが存在し得る範囲を狭
める処理を実施する。
9→図10→図11→図12→図7に示すように、2種
類の線分LFとLGの傾きの差を狭めて真に求めたい直
線LAの傾きが存在し得る範囲を狭める処理を実施す
る。
分が縮小して当該差分が予め定めた誤差の範囲内になる
と、コントローラ5Bは、両線分の傾きの平均をクロッ
ク周波数の差分に相当する傾きであると推定を行う。当
然に、この推定値の精度は、予め定める誤差範囲を狭め
ることで高めることができる。
作により実施される。すなわち、コントローラ5Bは、
同期タイミングパケットの受信が通知されるたび、次の
(1)式及び(2)式で与えられる2種類の傾きK1及
びK2をそれぞれ計算し、その都度、前者については過
去の計算によって得られた傾きより小さいものを、後者
については過去の計算によって得られた傾きよりも大き
いものの選択を行う。
式で表される傾きK1は図7〜図12の線分LGの傾き
に、(2)式で表される傾きK2は図7〜図12の線分
LFの傾きにそれぞれ相当する。
の値が50で、新たに計算された傾きK1の値が40で
ある場合、コントローラ5Bは、傾きK1の値として新
たに計算された40という値を選択する。一方、それま
で保持されていた傾きK2の値が20で、新たに計算さ
れた傾きK2の値が10である場合、コントローラ5B
は、傾きK2の値として値20をそのまま保持する。
きK1とK2の差分は徐々に小さくなり(図8→図9→
図10→図11→図12→図7のように)、時間的な制
約を設けなければやがて2つの傾きはほぼ一致する状態
になる。
クロック周波数の差分を求め、その差分値に基づいてマ
スタ側の伝送クロックとスレーブ側の伝送クロックとの
間に存在する差分を解消する必要がある。そこで、コン
トローラ5Bは、傾きK1及びK2の値が更新されるた
びに現在の誤差範囲を次式により求め、その値が予め定
めた範囲以下になっているか判定する。
ントローラ5Bは、新たな傾きK1、K2の算出と更新
とを継続し、傾きK1、K2が更新されるたび同様の判
定処理を実行する。一方、(3)式で求めた値が予め定
めた範囲内にある場合、コントローラ5Bは、次式で与
えられる傾きK1とK2の平均値を求めようとするクロ
ック周波数の差分に相当する傾きであると推定し、当該
推定値に応じた(すなわち、当該推定値に応じた周波数
誤差を打ち消すような)制御信号を伝送クロック生成器
5Dに出力する。
ク周波数は、確実にマスタ側のクロック周波数に制御さ
れる。
差の推定開始から推定終了までの間に、同期タイミング
パケットの受信のたびクロックカウンタ5Cから読み出
されるカウント値にいずれも桁上がり(オーバーフロ
ー)がない場合に支障無く成り立つものの、傾きK1及
びK2を算出するのに用いる、すなわち(1)式及び
(2)式におけるXn又はX0のいずれか一方に桁上が
りがある場合には、(Xn−X0)の値が本来の差分を
表さないため、正確なクロック周波数誤差を求めること
ができなくなる。例えば、クロックカウンタ5Cが0〜
39999の場合、39999の次は0からカウントア
ップが継続されるため、傾きの正負や差分が全く異なっ
た値になってしまう。
5Bは、図13に示す判定処理に従ってカウント値の桁
上がりを補正し、常に正確な傾きK1及びK2を計算で
きるようにする。なお言うまでも無く、判定の順序は図
13の場合に限るものでない。
グパケットの受信の確認の後、新たなカウント値Xnが
読み出されると、Xn−X0が”20000”より大き
いか否かを判定する(ステップSP1)。
た場合(負数がないために桁上がりの結果、Xnが非常
に大きな値になって読み出された場合)、コントローラ
5Bは、カウント値Xnを本来の負数に戻すべく”40
000”を減算して補正値を得、その値からカウント値
の初期値X0を減算することで、真の差分値を得る(ス
テップSP2)。例えば、Xnが”39998”でX0
が”5”の場合、Xn−X0の補正値は、次式のように
なる。
合、コントローラ5Bは、さらにXn−X0が”−20
000”より小さいか否かを判定する(ステップSP
3)。
(カウント値の最大値を超えたために、Xnが非常に小
さい値になって読み出された場合)、コントローラ5B
は、カウント値の初期値X0をカウント値Xnに対する
相対的な真値に戻すべく”40000”を減算して補正
値を得、その値からカウント値のXnから減算すること
で、真の差分値を得る(ステップSP4)。例えば、X
nが”3”でX0が”39990”の場合、Xn−X0
の補正値は、次式のようになる。
結果が得られた場合、前述の説明の通り、何らの補正を
行わない条件下でカウント値の差分(Xn−X0)を計
算する(ステップSP5)。
ーラ5Bは、カウント値の桁上がりにも的確に対処し得
るように構成されている。
ローラ5Bは、上述の手法によって所定の精度でクロッ
ク周波数の差を特定し、その情報に基づいてクロック周
波数を制御可能であるが、クロック周波数の差を特定す
るのにどの程度の時間を必要とするかが分からなければ
依然として装置としての仕様を決定できない。
法によるクロック周波数の差の特定方法によると、誤差
範囲が予め定めた範囲内に収束するのに要する時間の最
長値が、各同期タイミングパケットに全くゆらぎが無い
場合(図6で全ての点が直線LAの上にある場合)に当
ることに着目して当該時間の算出を実行する。
Wとするとき、傾きK1及びK2から算出される誤差範
囲(K1−K2)/2が目標値Wと一致するまでの時間
T1×nを次式のように決定する。
ーブモジュール5としてコントローラ5Bを有するも
の)を用いることにより、(K1+K2)/2±(K1
−K2)/2で与えられる傾きに相当する周波数の精度
で、マスタ側のクロックとスレーブ側のクロックとの周
波数のずれを最悪T1×n時間後には確定することがで
きる。
明確にしたクロック周波数の設定が可能となり、動作保
証の範囲を明確にしたネットワークシステム及びIP端
末装置の設計が可能となる。
の基本形態を示す。14は、ブロードキャストドメイン
を構成するIPネットワーク1を介して接続された一台
のIP端末装置2と複数台のIP端末装置3間において
伝送クロック速度の違いを調整する場合のシステム形態
について表したものである。ただし、図14には、図1
と対応する部分に同一符号を付して示している。
は、第1の実施形態が相手先となるスレーブ側のIP端
末装置3を特定して同期タイミングパケットを送信した
のに対し、この第2の実施形態では、当該同期タイミン
グパケットをブロードキャストパケットとしてドメイン
内に存する全てのIP端末装置に同報する点が異なる。
モジュール4を搭載するIP端末装置2は、同期スレー
ブモジュール5を搭載する全てのIP端末装置3に対
し、同期タイミングパケットを一定間隔T1ごとにブロ
ードキャストする点が異なる。
る各IP端末装置3における同期確立動作は第1の実施
形態で説明した動作と同じであり、スレーブ側となるI
P端末装置のそれぞれが、自装置の伝送クロック速度を
マスタ側の伝送クロック速度に同期させる動作を実行さ
れることになる。
れることになる。すなわち、同一ブロードキャストドメ
イン内に位置する全ての同期スレーブモジュール5は、
そのいずれについても、同一ブロードキャストドメイン
内に位置する同期マスタモジュール4との同期が確保さ
れる。従って、各同期スレーブモジュール5相互間につ
いても、同期マスタモジュール4との同期を前提とし
て、伝送クロックの同期が確保されることになる。
するIP端末装置3間における通信においても、データ
の廃棄や代替データの挿入が一切不要となり、長時間に
亘り(時間制限無く)、通信を行うことが可能となる。
すなわち、同一のブロードキャストドメイン内に位置す
る全てのIP端末装置(同期スレーブモジュール5を搭
載するものに限らず、同期マスタモジュール4を搭載す
るものも含む)間で、モデム通信が可能となり、回線交
換と同等の品質の通話を可能とできる。
ドメイン内に位置する全てのIP端末装置(同期スレー
ブモジュール5を搭載するものに限らず、同期マスタモ
ジュール4を搭載するものも含む)間において伝送クロ
ック速度の同期が確保されるため、1つの同期マスタモ
ジュール又は同期スレーブモジュールを搭載するだけで
(すなわち、各チャネルごとに各モジュールを搭載しな
くても)、複数チャネルの同時通話を実現できる。
ータを伝送する場合を前提に説明したが、伝送される情
報としてはこれに限るものでなく、いわゆるテレビ電話
や放送系の映像データのように実時間性が要求される他
の情報を伝送する場合にも適用し得る。
のIP端末装置が一定間隔で送信した同期タイミングパ
ケットを受信して内部で発生されたクロックを送信側の
クロックに同期させる同期機能を備えるIP端末装置
に、(1) 内部クロックを発生するクロック生成手段と、
(2) クロック生成手段の生成した内部クロックをカウン
トするクロックカウンタと、(3) 通信開始後に最初に受
信された同期タイミングパケットの受信時におけるクロ
ックカウンタのカウント値とその後に受信された同期タ
イミングパケットの受信時におけるクロックカウンタの
カウント値との差分を基に送信側のクロックとクロック
生成手段の発生しているクロックの周波数差を推定し、
その推定結果に応じてクロック生成手段を移相制御する
制御手段とを備えたことにより、相対的な位相関係(周
波数が高いか低いか)のみに基づいて同期制御を行う場
合に比して同期制御に要する時間の推定を可能とでき
る。
係るIP端末装置の制御手段として、同期タイミングパ
ケットが受信されて新たなカウント値の差分が算出され
るたび、現時点までに算出された各時点のカウント値の
差分についての出現範囲の上限範囲を与える直線の傾斜
角と下限範囲を与える直線の傾斜角とを算出して当該2
つの傾斜角の差分が予め定めた誤差範囲内となったか否
かを判定し、2つの傾斜角の差分が予め定めた誤差範囲
内となったとき、当該2つの傾斜角の平均値を推定対象
である送信側のクロックとクロック生成手段の発生して
いるクロックの周波数差に対応する直線の傾斜角とみな
して当該傾斜角よりクロックの周波数差を推定するもの
を用いることにより、推定精度を高めることができる。
送信される同期タイミングパケットの受信タイミング
を、受信装置内のクロックにて動作するクロックカウン
タのカウント値として検出し、そのカウント値の情報を
基に同期タイミングパケットの送信側のクロックと受信
装置内のクロックとの周波数差を推定する場合における
周波数誤差の範囲を推定する方法において、通信開始後
に最初に受信された同期タイミングパケットの受信時に
おけるクロックカウンタのカウント値とその後に受信さ
れた同期タイミングパケットの受信時におけるクロック
カウンタのカウント値との差分が算出されるたび、現時
点までに算出された各時点のカウント値の差分について
の出現範囲の上限範囲を与える直線の傾斜角と下限範囲
を与える直線の傾斜角とを算出して当該2つの傾斜角の
差分の半分を推定対象である周波数差に含まれている周
波数誤差の範囲と推定することにより、周波数誤差を高
精度で推定できる。
送信される同期タイミングパケットの受信タイミング
を、受信装置内のクロックにて動作するクロックカウン
タのカウント値として検出し、そのカウント値の情報を
基に同期タイミングパケットの送信側のクロックと受信
装置内のクロックとの周波数差を推定する周波数差推定
方法において、通信開始後に最初に受信された同期タイ
ミングパケットの受信時におけるクロックカウンタのカ
ウント値とその後に受信された同期タイミングパケット
の受信時におけるクロックカウンタのカウント値との差
分が算出されるたび、現時点までに算出された各時点の
カウント値の差分についての出現範囲の上限範囲を与え
る直線の傾斜角と下限範囲を与える直線の傾斜角とを算
出し、その2つの傾斜角の平均値を推定対象である送信
側のクロックとクロック生成手段の発生しているクロッ
クの周波数差に対応する直線の傾斜角とみなして当該傾
斜角よりクロックの周波数差を推定することにより、周
波数差を高精度で推定できる。
グパケットの送信側のクロックと受信装置内のクロック
との周波数差の推定に必要な所要時間の算出方法におい
て、受信装置内のクロックを基準に設定された同期タイ
ミングパケットの受信予定間隔をT1、クロックの周波
数差が推定されるまでに必要な受信予定間隔の個数を
n、クロックの周波数差の目標誤差をW、ネットワーク
上に現れるゆらぎの上限をYとするとき、同期タイミン
グパケットの送信側のクロックと受信装置内のクロック
との周波数さの推定に必要な所要時間T1×nを、T1
×n=2Y/Wに基づいて算出するようにする。このよ
うに、第5の発明によれば、クロックの周波数差の推定
に必要な所要時間を予め確定できるため、装置の仕様を
容易に設定できる。
全体構成を示す図である。
す図である。
示す図である。
を示す図である。
送ゆらぎとの関係を示す図である。
出現範囲と伝送ゆらぎに起因したカウント値の出現範囲
との関係を説明する図である。
を説明する図である(その1)。
を説明する図である(その2)。
を説明する図である(その3)。
理を説明する図である(その4)。
理を説明する図である(その5)。
理を説明する図である(その6)。
の差分算出処理手順を示すフローチャートである。
の全体構成を示す図である。
期マスタモジュール、4A…クロック生成器、4B…割
り込み発生器、4C…コントローラ、4D…IPユニッ
ト、5…同期スレーブモジュール、5A…IPユニッ
ト、5B…コントローラ、5C…クロックカウンタ、5
D…伝送クロック生成器。
Claims (5)
- 【請求項1】 他のIP端末装置が一定間隔で送信した
同期タイミングパケットを受信して内部で発生されたク
ロックを送信側のクロックに同期させる同期機能を備え
るIP端末装置において、 内部クロックを発生するクロック生成手段と、 上記クロック生成手段の生成した内部クロックをカウン
トするクロックカウンタと、 通信開始後に最初に受信された同期タイミングパケット
の受信時における上記クロックカウンタのカウント値と
その後に受信された同期タイミングパケットの受信時に
おける上記クロックカウンタのカウント値との差分を基
に送信側のクロックと上記クロック生成手段の発生して
いるクロックの周波数差を推定し、その推定結果に応じ
て上記クロック生成手段を移相制御する制御手段とを備
えたことを特徴とするIP端末装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のIP端末装置におい
て、 上記制御手段は、同期タイミングパケットが受信されて
新たなカウント値の差分が算出されるたび、現時点まで
に算出された各時点のカウント値の差分についての出現
範囲の上限範囲を与える直線の傾斜角と下限範囲を与え
る直線の傾斜角とを算出して当該2つの傾斜角の差分が
予め定めた誤差範囲内となったか否かを判定し、2つの
傾斜角の差分が予め定めた誤差範囲内となったとき、当
該2つの傾斜角の平均値を推定対象である送信側のクロ
ックと上記クロック生成手段の発生しているクロックの
周波数差に対応する直線の傾斜角とみなして当該傾斜角
よりクロックの周波数差を推定することを特徴とするI
P端末装置。 - 【請求項3】 一定間隔ごと送信される同期タイミング
パケットの受信タイミングを、受信装置内のクロックに
て動作するクロックカウンタのカウント値として検出
し、そのカウント値の情報を基に同期タイミングパケッ
トの送信側のクロックと受信装置内のクロックとの周波
数差を推定する場合における周波数誤差の範囲を推定す
る方法において、 通信開始後に最初に受信された同期タイミングパケット
の受信時におけるクロックカウンタのカウント値とその
後に受信された同期タイミングパケットの受信時におけ
るクロックカウンタのカウント値との差分が算出される
たび、現時点までに算出された各時点のカウント値の差
分についての出現範囲の上限範囲を与える直線の傾斜角
と下限範囲を与える直線の傾斜角とを算出して当該2つ
の傾斜角の差分の半分を推定対象である周波数差に含ま
れている周波数誤差の範囲と推定することを特徴とする
周波数誤差範囲推定方法。 - 【請求項4】 一定間隔ごと送信される同期タイミング
パケットの受信タイミングを、受信装置内のクロックに
て動作するクロックカウンタのカウント値として検出
し、そのカウント値の情報を基に同期タイミングパケッ
トの送信側のクロックと受信装置内のクロックとの周波
数差を推定する周波数差推定方法において、 通信開始後に最初に受信された同期タイミングパケット
の受信時におけるクロックカウンタのカウント値とその
後に受信された同期タイミングパケットの受信時におけ
るクロックカウンタのカウント値との差分が算出される
たび、現時点までに算出された各時点のカウント値の差
分についての出現範囲の上限範囲を与える直線の傾斜角
と下限範囲を与える直線の傾斜角とを算出し、その2つ
の傾斜角の平均値を推定対象である送信側のクロックと
上記クロック生成手段の発生しているクロックの周波数
差に対応する直線の傾斜角とみなして当該傾斜角よりク
ロックの周波数差を推定することを特徴とする周波数差
推定方法。 - 【請求項5】 同期タイミングパケットの送信側のクロ
ックと受信装置内のクロックとの周波数差の推定に必要
な所要時間の算出方法において、 受信装置内のクロックを基準に設定された同期タイミン
グパケットの受信予定間隔をT1、クロックの周波数差
が推定されるまでに必要な上記受信予定間隔の個数を
n、クロックの周波数差の目標誤差をW、ネットワーク
上に現れるゆらぎの上限をYとするとき、同期タイミン
グパケットの送信側のクロックと受信装置内のクロック
との周波数さの推定に必要な所要時間T1×nを、次式
に基づいて算出することを特徴とする推定所要時間算出
方法。 T1×n=2Y/W
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