JP2001185334A - シースヒータ、加熱装置及び真空処理装置 - Google Patents

シースヒータ、加熱装置及び真空処理装置

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JP2001185334A
JP2001185334A JP36648599A JP36648599A JP2001185334A JP 2001185334 A JP2001185334 A JP 2001185334A JP 36648599 A JP36648599 A JP 36648599A JP 36648599 A JP36648599 A JP 36648599A JP 2001185334 A JP2001185334 A JP 2001185334A
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sheath heater
heating device
heater
insulating plates
gas
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Katsuhiko Mori
勝彦 森
Yoshinao Ikeda
佳直 池田
Kazuya Saito
斎藤  一也
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Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空処理装置内で基板を加熱するヒータの寿命
を長くする技術を提供する。 【解決手段】本発明のヒータ18は、二枚の絶縁板5
3、54と、その間に配置されたシースヒータ55とを
有しており、二枚の絶縁板53、54は、その縁近傍に
形成されたシール材71によって固定されている。この
シール材71は、結果としてリング状になり、シースヒ
ータ55はそのリング中に位置するようにされているの
で、シール材71で取り囲まれた空間は外気と遮断され
ている。このため、ヒータ18がクリーニングガスに晒
されても、シースヒータ55は直接クリーニングガスに
晒されないので、従来に比してシースヒータ55が腐食
しにくくなり、寿命が長くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシースヒータ、加熱
装置及び真空処理装置に関し、特に、真空処理装置内で
被処理対象である基板を加熱するシースヒータ、加熱装
置及び、それらを備えた真空処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低温プロセスで絶縁膜を製造する代表的
な方法には、プラズマCVD法がある。図6の符号11
0は、プラズマCVD法を実施するプラズマCVD装置
の従来技術のものを示しており、真空槽112を有して
いる。真空槽112の天井側には、真空槽112と電気
的に絶縁された状態で電極113が設けられている。
【0003】他方、真空槽112外には電圧源122が
配置されており、真空槽112を接地電位に置いた状態
で電極113に高周波電圧を印加できるように構成され
ている。真空槽112底壁上には載置台117が配置さ
れ、その表面に加熱装置118が取り付けられている。
【0004】加熱装置118の表面は平坦にされてお
り、その部分に基板121を水平に載置できるように構
成されている。その状態の基板121表面は、電極11
3表面とが並行に対向するようになっている。
【0005】加熱装置118の断面図を図7(a)に示
す。この加熱装置118は、カーボンで構成された2枚
の絶縁板153、154とシースヒータ155とを有し
ている。各絶縁板153、154の表面には、所定パタ
ーンの溝(図示せず)が形成されており、絶縁板153、
154は、それぞれの溝が互いに対向するように密着し
て配置される。線状のシースヒータ155は、図7(b)
に示すように溝と同じパターンに成形されており、溝内
にはめ込まれることにより、2枚の絶縁板153、15
4の両方と密着している。2枚の絶縁板153、154
に密着するように取り付けられている。2枚の絶縁板1
53、154は、ボルト190でねじ止めされている。
【0006】このシースヒータ155は、図7(c)に示
すように、クロム16%,鉄7%を含むニッケル系合金
(商標名インコネル)からなるチューブ158内に、線状
の抵抗発熱体(NiCr)156が挿通され、絶縁物(M
gO)157が充填されており、絶縁物157によっ
て、抵抗発熱体156とチューブ158とが互いに絶縁
されるように構成されている。
【0007】シースヒータ155内の抵抗発熱体156
は、真空槽112外に配置された電源に接続されてお
り、絶縁板153に基板121を載置した状態で、その
電源を起動してシースヒータ155に通電すると、抵抗
発熱体156が発熱し、絶縁板153、154全体が均
一に加熱され、基板121を加熱できるようになってい
る。
【0008】電極113には、パイプから成るガス導入
手段119が接続されている。電極113内にはガス貯
留室114が設けられており、ガス導入手段119の先
端部分はガス貯留室114に接続されている。
【0009】ガス導入手段119の他端部には、図示し
ないガスボンベが接続されており、ガスボンベ内に充填
された反応性ガスや希釈ガス等を貯留室114内に導入
できるように構成されている。
【0010】電極113の基板121に対向する壁面に
は、複数の孔115が形成されており、各孔115によ
ってガス貯留室114内部と真空槽112内部とが連通
するように構成されている。この孔115とガス貯留室
114とによって、シャワーノズル116が構成されて
いる。
【0011】このようなプラズマCVD装置110を用
い、絶縁膜を形成する場合、先ず、真空排気系123に
よって真空槽112内を真空排気するとともに、シース
ヒータ155に通電して、加熱装置118を加熱して昇
温させる。真空槽112内の圧力が所定圧力になるとと
もに、加熱装置118が所定温度まで昇温されたら、真
空状態を維持しながら、真空槽112内に基板121を
搬入し、加熱装置118上に載置する。
【0012】基板121が所定温度まで昇温されたら、
ガス貯留室114内に反応性ガスを導入し、シャワーノ
ズル116から基板121表面に対して吹き付ける。そ
の状態で電圧源122を起動し、電極113に高周波の
交流電圧を印加すると、反応性ガスが電離し、基板12
1表面近傍に、そのガスのプラズマが形成される。プラ
ズマ中では反応性ガスは活性化するので、基板121表
面には活性なラジカルが入射し、基板121表面で化学
反応が進行し薄膜が形成される。
【0013】このようなプラズマCVD法では、反応性
ガスがプラズマ中で活性化されるので、基板121が比
較的低温でも薄膜を形成することが可能になっている。
そして、真空槽112の容量を大きくし、大面積の基板
を収容できるようにすると、比較的大きな基板表面に
も、プラズマCVD法によって比較的均一な薄膜を形成
することもできる。
【0014】上述のプラズマCVD装置110では、使
用を開始してから1ヶ月経過すると、シースヒータ15
5が断線してしまい、これを交換しなければならなかっ
た。このように、シースヒータ155を1ヶ月程度で交
換しなければならなかったので、メンテナンスが容易で
はなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、寿命が長く、メンテナンスが容易なヒータを提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】従来のシースヒータ15
5が1ヶ月程度で断線してしまう原因について、本発明
の発明者等が調査研究した。上述したように加熱装置1
18では、絶縁板155、156はねじ止めされて固定
されており、シースヒータ155は、絶縁板155、1
56間の隙間を介して加熱装置118の外気と通じてい
る。
【0017】プラズマCVD装置では、プロセス終了後
に、例えばCF4やNF3等のフッ素系のクリーニングガ
スを導入して、真空槽112内をクリーニングしている
が、本発明の発明者等は、このクリーニングの際に、絶
縁板155、156の隙間からクリーニングガスが侵入
してシースヒータ155がクリーニングガスに曝される
ことにより、チューブ158が腐食し、内部の抵抗発熱
体156が断線してしまうと考えた。
【0018】本発明は上記調査研究の結果創作されたも
のであり、請求項1記載の発明は、金属管と、前記金属
管に挿通された線状の発熱体と、前記金属管内に充填さ
れ、前記発熱体と前記金属管とを絶縁する絶縁体とを有
するシースヒータであって、前記金属管表面には、アル
ミニウム酸化物膜が形成されたことを特徴とする。請求
項2記載の発明は、加熱装置であって、二枚の絶縁板が
互いに貼り合わされて構成されたヒータ本体と、前記ヒ
ータ本体内部の前記各絶縁板間に配置されたシースヒー
タと、前記二枚の絶縁板の境界に配置され、前記シース
ヒータが配置された領域の周囲に設けられたシール材と
を有することを特徴とする。請求項3記載の発明は、請
求項2記載の加熱装置であって、前記二枚の絶縁板の、
互いに貼り合わされる面のいずれか一方又は両方には溝
が形成されており、前記溝内に、前記シースヒータが配
置され、前記二枚の絶縁板は互いに密着されたことを特
徴とする。請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項
3記載の加熱装置であって、前記シースヒータは、請求
項1記載のシースヒータで構成されたことを特徴とす
る。請求項5記載の発明は、真空槽と、基板加熱装置と
を有する真空処理装置であって、前記基板加熱装置は、
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の加熱装置で
構成されたことを特徴とする。
【0019】本発明は上記のように構成されており、そ
のシースヒータでは、金属管表面に、溶射法によってア
ルミニウム酸化物膜を形成している。アルミニウム酸化
物は、フッ素系のガスに対する耐食性が高いので、クリ
ーニングガスに多用されるフッ素系のガス雰囲気に曝さ
れても断線しにくく、寿命が長くなる。
【0020】また、本発明において、特にアルミ酸化物
膜を溶着法で形成した場合には、その表面に多数の凹凸
が形成され、表面積が大きくなるので、シースヒータの
熱容量が大きくなり、またアルミ酸化物膜は、熱輻射率
が高いので、シースヒータは、その熱効率が高くなる。
【0021】なお、本発明の加熱装置は、シール材を有
しており、このシール材は、二枚の絶縁板の境界に配置
され、シースヒータが配置された領域の周囲に設けられ
ている。
【0022】このため、シースヒータは、シール材によ
り、加熱装置外部の雰囲気と遮断されるので、加熱装置
が、シースヒータを腐食させやすいガス雰囲気に曝され
た場合であっても、シースヒータはそのガスには直接曝
されない。従って、シースヒータが外気に通じていた従
来に比してシースヒータが腐食しにくくなるので、加熱
装置の寿命が長くなる。
【0023】さらに、本発明の加熱装置は、上述した本
発明のシースヒータで構成されるようにしてもよい。こ
のように構成することにより、仮にシール材を介してシ
ースヒータがフッ素系のガスに曝されるようなことがあ
っても、本発明のシースヒータはフッ素系ガスに対して
耐食性が高いので、腐食しにくく、さらに寿命が長くな
る。また、上述したように本発明のシースヒータは熱効
率が高いので、加熱装置全体としての熱効率が高くな
る。
【0024】さらにまた、本発明の真空処理装置では、
上述したように寿命の長い本発明の加熱装置を基板加熱
装置として用いているので、従来に比して加熱装置を交
換する間隔が長くなり、装置のメンテナンス作業を軽減
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下で図面を参照し、本発明の実
施形態について説明する。図1の符号10に、本発明の
実施形態のプラズマCVD装置を示す。このプラズマC
VD装置10は真空槽12を有している。真空槽12の
天井側には、真空槽12と電気的に絶縁された状態で電
極13が設けられている。他方、真空槽12外には電圧
源22が配置されており、真空槽12を接地電位に置い
た状態で電極13に高周波電圧を印加できるように構成
されている。
【0026】真空槽12底壁上には載置台17が配置さ
れ、その表面に、本発明の加熱装置の一例であり、後に
詳述する加熱装置18が取り付けられている。加熱装置
18の表面は平坦にされており、その部分に基板21を
水平に載置できるように構成されている。その状態の基
板21表面は、電極13表面と並行に対向するようにな
っている。
【0027】電極13には、パイプから成るガス導入手
段19が接続されている。電極13内にはガス貯留室1
4が設けられており、ガス導入手段19の先端部分はガ
ス貯留室14に接続されている。
【0028】ガス導入手段19の他端部には、図示しな
いガスボンベが接続されており、ガスボンベ内に充填さ
れた反応性ガスや希釈ガス等を貯留室14内に導入でき
るように構成されている。
【0029】電極13の基板21に対向する壁面には、
複数の孔15が形成されており、各孔15によってガス
貯留室14内部と真空槽12内部とが連通するように構
成されている。この孔15とガス貯留室14とによっ
て、シャワーノズル16が構成されている。
【0030】上述した加熱装置18の断面図を図2(a)
に示す。この加熱装置18は、カーボンで構成され、本
発明のヒータ本体を構成する2枚の絶縁板53、54
と、後に詳述する線状のシースヒータ55とを有してい
る。
【0031】2枚の絶縁板53、54は、互いに密着し
て上下に配置されている。2枚の絶縁板53、54のう
ち、上側の絶縁板53の周囲には、庇部95が設けられ
ており、この庇部95は、絶縁板53、54が密着した
状態で、庇部95が設けられていない下側の絶縁板54
の側面と密着している。
【0032】絶縁板53、54の互いに対向する面の、
絶縁板53、54には、絶縁板53、54の外周より内
側の領域に、折れ曲がりながら引き回された溝(図示せ
ず)がそれぞれ形成されている。これらの溝は絶縁板5
3、54の側面からは見えないようになっており、溝の
一部には、下側の絶縁板54を貫通して設けられた貫通
孔(図示せず)が設けられている。
【0033】これらの溝には、溝と同じパターンに成形
された線状のシースヒータ55がはめ込まれており、2
枚の絶縁板53、54の両方と密着している。シースヒ
ータ55の両端74は、上述した溝の一部に設けられた
貫通孔を介して下側の絶縁板54の裏面に引き出され
る。載置台17には、絶縁板54の貫通孔と連通して配
置された孔(図示せず)が設けられており、下側の絶縁板
54の裏面に引き出されたシースヒータ55の両端74
は、載置台17の孔と真空槽12の壁面とを介して、真
空槽12と絶縁された状態で真空槽12の外部に引き出
されている。こうして引き出されたシースヒータ55の
両端74は、真空槽12外に配置された図示しない電源
に接続されており、電源を起動してシースヒータ55に
通電すると、シースヒータ55が発熱し、絶縁板53、
54全体が昇温する。
【0034】2枚の絶縁板53、54は、その四隅がボ
ルト90でねじ止めされているとともに、絶縁板53、
54の間に設けられたシール材71で固定されている。
このシール材71は、絶縁板53、54の縁近傍に配置
されている。
【0035】本実施形態のシースヒータ55の平面図
と、断面図を図3(a)、(b)にそれぞれ示す。このシー
スヒータ55は、クロム16%,鉄7%を含むニッケル
系合金(商標名インコネル)からなるチューブ58を有し
ている。チューブ58内には、線状の抵抗発熱体(Ni
Cr)56が挿通され、絶縁物(MgO)57が充填され
ており、絶縁物57によってチューブ58と抵抗発熱体
56が絶縁されている。さらに、チューブ58の周囲に
は、アルミナ膜59が形成されている。
【0036】本実施形態の加熱装置18を製造するに
は、最初に絶縁物57と抵抗発熱体56とが挿通された
線状のチューブ58を折り曲げ、複数の折り曲げ部を有
する所定パターンに成形しておく。
【0037】その後、所定パターンに成形されたチュー
ブ58を、図4に示すように溶射ガン60近傍に配置す
る。溶射ガン60は、その内部にアルゴンガスを導入し
て外部に噴出するとともに、内部で放電を生じさせるこ
とができるように構成されており、溶射ガン60をチュ
ーブ58に向け、アルゴンガスを溶射ガン60内部に導
入して噴出させた状態で放電を生じさせると、放電によ
りアルゴンガスがプラズマ化し、外部に噴出され(以下
でプラズマジェットと称する)、チューブ58に向けて
吹き付けられる。
【0038】溶射ガン60には、プラズマジェット中に
アルミナの粉末を供給できる機構(図示せず)が設けられ
ており、プラズマジェットをチューブ58に向けて噴出
させた状態で、プラズマジェット中にアルミナの粉末を
供給すると、アルミナ粉末はプラズマジェット中で溶融
しつつ加速されながら飛行して、チューブ58表面に衝
突する。溶融したアルミナ粉末はチューブ58に濡れな
がら熱を奪われ固化し、チューブ58表面にアルミナ膜
59が成膜される。以上の工程を経て、シースヒータ5
5が形成される。
【0039】こうして形成されたシースヒータ55を、
図5(a)に示すように、下側の絶縁板54上に配置し、
下側の絶縁板54の表面に形成された溝61にはめ込
み、絶縁板54に密着させるとともに、シースヒータ5
5の端部74を、上述した不図示の貫通孔を挿通させ、
下側の絶縁板54の裏面に引き出しておく。
【0040】次に、図5(b)に示すように、下側の絶縁
板54表面に、カーボン粒子を含有するシール材の原料
液を塗布し、下側の絶縁板54上に、上側の絶縁板53
を対向させる。塗布されたシール材の原料液を符号7
6、77に示す。上側の絶縁板53の表面には溝62が
形成されており、この溝62と、シースヒータ55とが
対向するように上下の絶縁板53、54を相対的に位置
合わせした後に、上側の絶縁板53を下側の絶縁板54
上に圧着する。すると、図5(c)に示すように、シース
ヒータ55が上側の絶縁板53の溝62にはめ込まれる
とともに、上下の絶縁板53、54が、塗布されたシー
ル材の原料液76、77と密着し、上側の絶縁板53の
庇部95が、下側の絶縁板54の側面と密着する。絶縁
板53、54が圧着されて、シール材の原料液76が絶
縁板53、54の境界から側面へ浸み出しても、シール
材71は庇部95と絶縁板53、54の側面との間で止
まり、はみ出さないようになっている。
【0041】上下の絶縁板53、54には、それぞれね
じ孔80、81が設けられており、各ねじ孔80、81
は、絶縁板53、54が相対的に位置合わせされた状態
で互いに連通するように配置されている。このねじ孔8
0、81を、図5(d)に示すようにボルト90でねじ止
めする。
【0042】その後、窒素ガス雰囲気において、100
0度程度の温度でシール材の原料液76、77を焼成
し、シール材71、72を形成する。こうして形成され
たシール材71、72で二枚の絶縁板53、54が固定
され、図2に示した本実施形態の加熱装置18が完成す
る。
【0043】以上説明した加熱装置18を有するプラズ
マCVD装置10を用い、絶縁膜を形成する場合、先
ず、真空排気系23によって真空槽12内を真空排気す
るとともに、シースヒータ55に通電して、加熱装置1
8を加熱して昇温させる。真空槽12内の圧力が所定圧
力になるとともに、加熱装置18が所定温度まで昇温さ
れたら、真空状態を維持しながら、真空槽12内に基板
21を搬入し、加熱装置18上に載置する。すると、加
熱装置18で基板21が加熱され、基板21が昇温する 基板21が所定温度まで昇温されたら、ガス貯留室14
内に反応性ガスを導入し、シャワーノズル16から基板
21表面に対して吹き付ける。
【0044】その状態で電圧源22を起動し、電極13
に高周波の交流電圧を印加すると、反応性ガスが電離
し、基板21表面近傍に、そのガスのプラズマが形成さ
れる。プラズマ中では反応性ガスは活性化するので、基
板21表面には活性なラジカルが入射し、基板21表面
で化学反応が進行して薄膜が形成される。
【0045】その後、成膜済みの基板21を真空槽12
外へと搬出した後に、未処理の基板21を真空槽12内
へと搬入して、上述の成膜処理を行う。この動作を繰り
返して、所定枚数の基板21表面に成膜処理を行う。
【0046】こうして、所定枚数の成膜処理が終わり、
一連の成膜プロセスが終了したら、真空槽12内に、例
えばCF4ガスやNF3ガス等のようなフッ素系のクリー
ニングガスを導入して、真空槽12内をクリーニングす
る。
【0047】図2(a)、(b)に示すように、シースヒー
タ55は、絶縁板53、54上で巻回され、その端部7
4は、下側の絶縁板54に設けられた貫通孔を挿通し
て、下側の絶縁板54の裏面に引き出されている。従っ
て、シースヒータ55は、絶縁板53、54の縁よりも
内側の位置に収められている。
【0048】シースヒータ55が巻回された領域の周囲
には、シール材71が設けられており、結果として、シ
ール材71はリング状になり、シースヒータ55はリン
グの内側に配置される。また、シール材71で囲まれた
空間には、下側の絶縁板54の貫通孔が通じているが、
下側の絶縁板54は載置台17と密着しており、絶縁板
54の貫通孔にはガスが入り込まないようにされている
ので、シール材71で囲まれた空間は外気と遮断され、
その空間内にはクリーニングガスが侵入せず、シースヒ
ータ55がクリーニングガスに曝されないようになって
いる。
【0049】従って、シースヒータ55は腐食しにく
く、その寿命が長くなる。これにより、加熱装置18の
交換を頻繁に行う必要がないので、従来に比してプラズ
マCVD装置10のメンテナンス作業を軽減できる。
【0050】また、本実施形態のシースヒータ55で
は、その表面にアルミナ膜59が形成されているので、
従来のシースヒータ155に比して、フッ素系のクリー
ニングガスに曝されても腐食しにくくなっている。
【0051】従って、何らかの原因で、シール材71で
囲まれた空間内にクリーニングガスが侵入し、シースヒ
ータ55がクリーニングガスに曝されるようなことがあ
っても、本実施形態のシースヒータ55は腐食しにくい
ので、従来構造のシースヒータを用いた場合に比して、
加熱装置18の寿命がさらに長くなる。従来構造の加熱
装置118の寿命は1ヶ月程度であったが、本実施形態
の加熱装置18では、その寿命が6ヶ月以上まで達し
た。
【0052】また、アルミナ膜59は溶射法でチューブ
58上に成膜されている。この場合、アルミナ膜59の
表面には多数の凹凸が形成され、表面積が大きくなるの
で熱容量が大きくなり、加えてアルミナ膜59は熱輻射
率が高いので、シースヒータ55の熱効率は高くなる。
【0053】このように熱効率の高いシースヒータ55
を用いることにより、本実施形態の加熱装置18の熱効
率も、従来の加熱装置に比して高くなるので、昇温に要
する時間を従来に比して短縮できる。
【0054】なお、上述の加熱装置18では、シースヒ
ータ55の周囲にリング状に配置されたシール材71の
他に、そのシースヒータ71の内側の領域内に、シース
ヒータ55の折り曲げ部近傍に点在して配置されたシー
ル材72を設けており、このシール材72により、絶縁
板53、54間の接着強度を高めている。これらのシー
ル材72は、必ずしも必要なものではないので、設けな
くともよい。
【0055】また、本実施形態の加熱装置18では、図
2(b)に示すように、表面にアルミナ膜59が形成され
たシースヒータ55を用いたが、本発明はこれに限られ
るものではなく、図7(c)に示した従来構造のシースヒ
ータ155を用いても、従来のヒータに比して加熱装置
18の寿命は長くなる。ただし、何らかの原因で、シー
スヒータがクリーニングガスに曝されてしまった場合に
は、従来構造のシースヒータでは、腐食の進行が速く、
寿命が短くなるので、本実施形態のシースヒータ55を
用いることが好ましい。
【0056】さらに、本実施形態では、ヒータ本体を構
成する絶縁板53、54の両方に、シースヒータ55を
はめ込む溝61、62を設けたが、本発明はこれに限ら
れるものではなく、溝が絶縁板53、54のいずれか一
方に設けられるように構成してもよい。
【0057】また、本実施形態では、ボルト90で二枚
の絶縁板53、54をねじ止めしているが、シール材7
1、72によって絶縁板53、54が確実に固定されて
いれば、必ずしもボルト90を用いてねじ止めしなくと
もよい。さらに、本実施形態では、プラズマCVD装置
について説明しているが、本発明の真空処理装置はこれ
に限られるものではない。
【0058】
【発明の効果】本発明のシースヒータでは、シースヒー
タ自身の寿命が長くなる。また、本発明の加熱装置によ
れば、加熱装置自身の寿命が長くなるとともに、熱効率
が高まり、基板を所定温度まで昇温させるのに要する時
間を短縮することができる。さらに、本発明の真空処理
装置によれば、加熱装置の交換を頻繁にする必要がなく
なるため、メンテナンス作業を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマCVD装置の一例を示す断面
【図2】(a):本発明の加熱装置の一例を示す断面図 (b):本発明の加熱装置内の各部材の配置を説明する平
面図
【図3】(a):本発明のシースヒータを説明する平面図 (b):本発明のシースヒータを説明する断面図
【図4】本発明のシースヒータの製造工程を説明する図
【図5】(a):本発明の加熱装置の製造工程を説明する
第1の断面図 (b):本発明の加熱装置の製造工程を説明する第2の断
面図 (c):本発明の加熱装置の製造工程を説明する第3の断
面図 (d):本発明の加熱装置の製造工程を説明する第4の断
面図
【図6】従来のプラズマCVD装置の一例を示す断面図
【図7】(a):従来の加熱装置を説明する断面図 (b):従来の加熱装置内の各部材の配置を説明する平面
図 (c):従来のシースヒータを説明する断面図
【符号の説明】
10……プラズマCVD装置(真空処理装置) 18…
…加熱装置 53、54……絶縁板 55……シー
スヒータ 56……抵抗発熱体 57……絶縁体
58……金属管 59……アルミナ膜(アルミニウ
ム酸化物膜) 71、72……シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 一也 茨城県つくば市東光台5−9−7 日本真 空技術株式会社筑波超材料研究所内 Fターム(参考) 3K092 PP20 QA01 QA05 QB02 QB26 RD02 RD26 RF03 RF18 RF27 UB01 VV40 4K029 DA08 4K030 KA10 KA24 5F045 BB10 EB06 EB10 EF05 EH05 EH14 EK09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属管と、 前記金属管に挿通された線状の発熱体と、 前記金属管内に充填され、前記発熱体と前記金属管とを
    絶縁する絶縁体とを有するシースヒータであって、 前記金属管表面には、アルミニウム酸化物膜が形成され
    たことを特徴とするシースヒータ。
  2. 【請求項2】二枚の絶縁板が互いに貼り合わされて構成
    されたヒータ本体と、 前記ヒータ本体内部の前記各絶縁板間に配置されたシー
    スヒータと、 前記二枚の絶縁板の境界に配置され、前記シースヒータ
    が配置された領域の周囲に設けられたシール材とを有す
    ることを特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】前記二枚の絶縁板の、互いに貼り合わされ
    る面のいずれか一方又は両方には溝が形成されており、
    前記溝内に前記シースヒータが配置され、前記二枚の絶
    縁板は互いに密着されたことを特徴とする請求項2記載
    の加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項2又は請求項3記載の加熱装置であ
    って、 前記シースヒータは、請求項1記載のシースヒータで構
    成されたことを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】真空槽と、 基板加熱装置とを有する真空処理装置であって、 前記基板加熱装置は、請求項2乃至請求項4のいずれか
    1項記載の加熱装置で構成されたことを特徴とする真空
    処理装置。
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