JP2006331664A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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尚三 芳本
Koji Murakami
浩二 村上
Akira Sugiyama
昭 杉山
Hidekazu Hayashi
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Abstract

【課題】 電極の被処理体との対向表面に見かけ上面状のプラズマを形成する。
【解決手段】 線状導電体51a,52aを有する電極を用い、プロセスガスで充満させた大気圧の反応容器41内で、微細なライン状プラズマを発生させる。また、プロセスガスまたは電圧印加手段44を調整することによって、上記ライン状プラズマを拡散させて、見掛け上、面状プラズマを形成する。こうして、被処理体45に対するプラズマ作用範囲を拡大することができる。また、放電空間が被処理体45と別空間に在るので、被処理体45に対してソフトなプラズマ処理が可能になる。さらに、パーティクルが被処理体45に付着するのを抑制できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、プラズマ処理装置に関し、特に大気圧近傍で安定なグロー放電を発生させる電極を用いたプラズマ処理装置に関する。
例えば、液晶ディスプレイ等の半導体製造における基板表面の改質,エッチング,アッシングおよび成膜等のプラズマプロセスにおいては、これまで減圧された雰囲気内で発生させたプラズマによって処理が行われてきた。しかしながら、近年は大気圧近傍でプラズマを発生させて上述したような処理を行う開発が進んでいる。
ここで、大気圧近傍でプラズマを発生させたプラズマによって処理を行うプラズマ処理装置として、特開平6‐2149号公報(特許文献1)および特開平4‐358076号公報(特許文献2)に開示されたものがある。
特許文献1に開示されたプラズマ処理装置は、平板電極を用いて大気圧プラズマ処理を行うものであり、図8に示すような構成を有している。図8において、内部気圧が大気圧付近に保たれた処理室内1には、金属材から成る2枚の平板電極2,3が互いに平行に対向させて設置されている。また、平板電極2,3の対向表面のうちの少なくとも一方には多孔質誘電体7を備えている。そして、プロセスガスは多孔質誘電体7から供給されることによって、平板電極2,3間のガス分布をより均一なものとしている。
このようにして、大気圧下にある平板電極2,3間の雰囲気をプロセスガスに置換し、平板電極2,3間に電圧を印加することによってプラズマを発生させる。そして、被処理体4を、平板電極2と平板電極3との間、すなわち放電空間内に平板電極2,3と平行に配することによってプラズマに曝し、プラズマ中で励起された活性種と被処理体4の表面とを反応させて、表面処理および成膜等の処理を行う。尚、5は交流電源であり、6は固体誘電体であり、8は通気孔であり、9は流路であり、10はヒータであり、11はガス導入口であり、12はガス排出口である。
また、特許文献2に開示された大気圧プラズマ反応装置は、被処理体上部付近でプラズマを発生させ、これによって生じた活性種を基板に作用させて、大気圧プラズマ処理するものである。以下、図9に従って詳細に説明する。図9は、本大気圧プラズマ反応装置の断面図である。
図9において、テフロン板等からなる反応容器21内にガス導入部22から、反応ガスと希ガスとの混合ガスでなるプロセスガスが導入される。互いに平行に配置された2枚以上の電極24,25の表面に固体誘電体23を配設して成る誘電体皮膜電極26,27を平行に配置し、且つ、被処理体28に対して垂直に配置している。被処理体28はガス流れの下流に在り、電圧が印加される誘電体皮膜電極26,27間にあるプラズマ発生部29で生じた活性種を、ガス導入部22から排気口32へのガスの流れによって被処理体28の方向へ輸送し、被処理体28の表面を処理するようになっている。また、被処理体28は走査するようになっており、被処理体28全域に処理が施される。尚、31は多孔板である。
上記特許文献2に開示された大気圧プラズマ反応装置の場合、例えば一対の誘電体皮膜電極26,27が被処理体28に対して作用させ得るプラズマの幅は、対向配置された誘電体皮膜電極26,27間の距離30に大きく依存し、制限される。
大気圧プラズマ発生電極における電極間の距離は、安定したグロー放電を発生させるには、ガスの種類やガス混合比や使用電源にもよるが、例えば経験上およそ5mm以下が望ましい。5mmを超える場合には、拡散係数が高くなり、比較的グロー放電が容易とされているヘリウムガスを用いた場合であっても、アーク放電を起こす可能性が非常に高くなる。つまり、上記特許文献2に開示された大気圧プラズマ反応装置の場合、一対の誘電体皮膜電極26,27が被処理体28に作用させ得るプラズマの幅は、誘電体皮膜電極26,27間の距離30に略等しいおよそ5mm以下程度に制限されるのである。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたプラズマ処理装置、および、特許文献2に開示された大気圧プラズマ反応装置には、以下のような問題がある。
先ず、上記特許文献1に開示されたプラズマ処理装置においては、被処理体4を放電空間に曝して処理を行う。したがって、プラズマ生成空間に在るエネルギーの高い電子を、被処理体4に直接衝突させることになり、被処理体4へ与えるダメージが大きいことが懸念される。
次に、特許文献2に開示された大気圧プラズマ反応装置においては、被処理体28の表面は放電空間とは別の空間にあり、被処理体28と放電空間とが同空間に在る特許文献1に開示されたプラズマ処理装置に比べると、被処理体28表面近傍に存在する電子のエネルギーは低く、比較的ダメージの小さい処理方法であると言える。しかしながら、一対の誘電体皮膜電極26,27が被処理体28に作用できるプラズマ幅は、上述したように、安定なグロー放電を発生させるためにはおよそ5mm以下である。したがって、処理能力不足が生じる場合には、複数の誘電体皮膜電極26,27を並列に設けることで処理能力を上げる必要が生ずる。
ところが、上記誘電体皮膜電極26,27を複数並列させることは、大気圧プラズマ反応装置サイズの拡大、コストの引き上げ、ガス使用量の増加等を招く結果となる。また、ガスによって、被処理体28に向けて活性種を輸送すると同時に、プラズマ中で発生する反応生成物をも被処理体28に積極的に到達させる傾向にある。この場合、上記反応生成物の被処理体28への付着は、配線パターンの短絡等の欠陥を招き、歩留まりの低下に至るという重要な問題を発生させる。
特開平6‐2149号公報 特開平4‐358076号公報
そこで、この発明の課題は、電極における被処理体との対向表面に見かけ上面状のプラズマを形成でき、被処理体へのパーティクルの付着および被処理体のダメージを抑制できる大気圧でのプラズマ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明は、反応容器と、上記反応容器にガスを導入するガス導入手段と、上記反応容器内で被処理体を搬送する被処理体搬送手段と、電圧が印加されて、上記被処理体に対して処理を施すためのプラズマを発生させる電極と、上記電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えたプラズマ処理装置であって、上記電極は、平行に配列されると共に誘電体によって被覆された複数の線状導電体を有しており、上記線状導電体の配列面が上記被処理体における処理面と対向するように配置されていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記各線状導電体の間または上記線状導電体とその他の導電体との間に電圧が印加されると、夫々の線状導電体に沿って複数の微細なライン状のプラズマが発生する。また、上記微細なライン状のプラズマが拡散して、見掛け上、面状のプラズマが形成される。したがって、上記被処理体に対するプラズマ作用範囲を拡大することができ、処理能力を高めることができる。さらに、ガス導入手段から導入されたプロセスガスが充満した雰囲気で処理することができ、プロセスガスを被処理体に噴き付ける場合に比べて、反応生成物等パーティクルの被処理体への付着を抑制することができる。さらに、放電空間と被処理体とが別空間に在るので、プラズマ生成空間に被処理体が直接曝されることが無く、ダメージの少ないソフトなプラズマ処理が可能になる。
また、1実施例のプラズマ処理装置では、上記線状導電体は網目状に配列されている。
この実施例によれば、上記線状導電体が網目状に配列されているため、面状のプラズマが網目状の上記線状導電体に沿って容易に形成される。
また、1実施例のプラズマ処理装置では、上記線状導電体は,少なくとも高い方の電圧が印加される系統と低い方の電圧が印加される系統との2系統に分かれており、異なる系統に属する上記線状導電体間は電気的に絶縁されており、上記2系統の上記線状導電体間に電圧を印加することによってプラズマを発生させる。
この実施例によれば、上記異なる系統に属する上記線状導電体の間に電圧が印加されると、夫々の線状導電体に沿って複数の微細なライン状のプラズマが発生して、見掛け上、面状のプラズマが容易に形成される。
また、1実施例のプラズマ処理装置では、上記2系統のうちの何れか一方に属する上記線状導電体と,他方に属する上記線状導電体とは,互いに隣接して交互に配置されており、上記各線状導電体の表面全域が上記誘電体で覆われている。
この実施例によれば、上記異なる系統に属する上記線状導電体の間に電圧が印加されると、上記被処理体における処理面と対向する誘電体の面に沿って、上記見掛け上、面状のプラズマがさらに容易に形成される。
また、1実施例のプラズマ処理装置では、上記線状導電体は所定の電圧が印加される1系統でなり、上記線状導電体の配列面に沿って配置されると共に,上記各線状導電体とは電気的に絶縁された上記線状導電体とは異なる導電体を有して、上記導電体と上記線状導電体との間に電圧を印加することによってプラズマを発生させる。
この実施例によれば、導電体と線状導電体との間に電圧を印加することによって、夫々の線状導電体に沿って複数の微細なライン状のプラズマが発生して、見掛け上、面状のプラズマが容易に形成される。さらに、2系統の線状導電体のうちの1系統を削除することができ、上記電極の構成が簡単になる。
また、1実施例のプラズマ処理装置では、上記導電体は上記被処理体における処理面と対向する面を有しており、上記導電体の面には平行に配列された複数の溝部が形成されており、上記線状導電体は上記導電体の面に設けられた複数の溝部内に配置され、上記導電体の面に設けられた溝部内には誘電体が充填されて上記各線状導電体の表面全域が上記誘電体で覆われている。
この実施例によれば、上記線状導電体は上記導電体の面に設けられた溝部内に配置されているため、電圧が印加される上記導電体と線状導電体との間隔が均一になる。したがって、見掛け上、面状のプラズマが安定して形成される。
以上より明らかなように、この発明のプラズマ処理装置は、電圧が印加されて被処理体に処理を施すためのプラズマを発生させる電極を、平行に配列されると共に誘電体によって被覆された複数本の線状導電体を有して構成し、上記線状導電体の配列面を上記被処理体の処理面と対向するように配置したので、夫々の線状導電体に沿って複数の微細なライン状のプラズマを発生させることができる。また、上記微細なライン状のプラズマを拡散させて、見掛け上、面状のプラズマを形成することができる。したがって、上記被処理体に対するプラズマの作用範囲を拡大することができ、処理能力を高めることができる。
さらに、プロセスガスを充満させた雰囲気で処理することができ、プロセスガスを被処理体に噴き付ける場合に比べて、反応生成物等パーティクルの被処理体への付着を抑制することができる。さらに、被処理体が放電空間外に在るので、被処理体がプラズマに直接曝されることを防止でき、ダメージの少ないソフトなプラズマ処理を行うことが可能になる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。本実施の形態は、大気圧近傍で行うプラズマ処理装置であって、下記手段を備えたものである。
すなわち、反応容器にガス導入口を介してプロセスガスを導入し、大気圧近傍で充満させる。上記反応容器内に配する電極は、被処理体処理面と対向して設置されている。上記電極における被処理体対向表面には、ワイヤ状の線状導電体が規則的に配列されており、誘電体が被覆されている。そして、上記線状導電体に電圧を印加することによって、微細な複数のライン状のプラズマ、あるいは見掛け上面状のプラズマを発生させて、プラズマ処理を行う。
本プラズマ処理装置の特徴をまとめると、以下のようになる。
(a)微細なライン状プラズマを微細な間隔で複数生成させる。特に、拡散し易いヘリウム等のガスを用いたり、高電力を供給したりすると、上記微細なライン状プラズマは拡散して、見掛け上、面状のプラズマを形成する。こうすることによって、被処理体に対して大面積に亘ってプラズマを作用させることができる。
(b)プロセスガスを充満させた雰囲気で処理することによって、ガスを被処理体に噴き付ける場合に比べて、反応生成物等パーティクルの被処理体への付着を抑制できる。
(c)被処理体を電極間に設置して処理する場合に比べて、被処理体表面に存在する電子のエネルギーが低いので、ダメージの少ない処理ができる。
以下、本プラズマ処理装置を、図に従って具体的に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態のプラズマ処理装置における概略断面図である。本実施例における大気圧プラズマ処理装置は、反応容器41,電極ユニット42,搬送手段43および電圧印加手段44によって概略構成されている。反応容器41は、電極ユニット42および搬送手段43の一部を収納する。電極ユニット42は、被処理体を処理するためのプラズマを発生する。搬送手段43は、被処理体45を搬送する。電圧印加手段44は、電極ユニット42に電圧を印加する。
上記反応容器41は、特に気密性は要しないので、コスト的に有利なもの、例えば塩化ビニルやアクリル等を用いる。尚、反応容器41の壁面には、プロセスガスを供給するためのガス導入口46、プロセスガスを排気するためのガス排気口47、被処理体45を搬入するための被処理体搬入用スリット48、および、被処理体45を搬出するための被処理体搬出用スリット49が設けられている。
図2は、上記電極ユニット42の被処理体45側から見た斜視図である。以下、図1および図2に従って、電極ユニット42について詳細に説明する。電極ユニット42は、ベース部材50、電極51,52、誘電体53から概略構成される。尚、図2においては、電極51,52を被覆する誘電体53を省略している。
上記ベース部材50の材質は特に限定しないが、後述するように、冷却手段をベース部材50に設けるので、熱伝導率の高い金属体を使用することが望ましい。ベース部材50の被処理体45との対向面には、図2に示すように、2系統の櫛状の線状導電体51a,52aを有する電極51,52を、電極51の各線状導電体51a,51a,…を電極52の各線状導電体52a,52a,…の間に挿入して、線状導電体51aと線状導電体52aとが交互に配列されるように配置する。そして、電極51,52のうちの一方を電圧印加側電極とする一方、他方を接地側電極とする。尚、電極51,52に用いられる材料としては、アルミニウム,ステンレス,真鍮等が挙げられるが、例えば大型ガラス基板の処理等に伴う電極サイズの拡大を考慮すると、質量の小さいアルミニウムを用いる方が望ましい。
上記両電極51,52を構成する個々の線状導電体51a,52aの断面寸法は、直径1mm程度であり、互いに隣接する線状導電体51a,52a間の距離は、安定したグロー放電得るために1mmとする。電極51,52表面全域は誘電体53で被覆され、さらに、この誘電体53によってベース部材50と電極51,52とが接着されて固定されている。誘電体53の材質はセラミックである。被覆する誘電体53の厚さは、あまり薄過ぎると、高電圧印加の際に破損する恐れがある。逆に厚すぎると、放電に至る電圧が高くなって放電し難くなる。さらに、放電に至った場合においても、放電開始時点での電圧が高すぎるため、放電開始と同時にアーク放電になってしまう恐れがある。以上の点から、誘電体53の線状導電体51a,52aの部分での厚さは、0.1mm〜2mm程度が好ましい。
また、上記電極ユニット42のベース部材50には、少なくとも1系統以上の冷却手段を構成する水循環パイプ54設け、電力の投入による電極ユニット42の温度上昇を冷却する。
以下、上記構成を有するプラズマ処理装置の動作について説明する。尚、以下の説明においては、ガラス基板の表面改質処理を行う場合を例に挙げる。
上記ガス導入口46より反応容器41内にプロセスガスを導入して充満させる。プロセスガス種については、撥水性付与や親水性付与等のプロセスによって様々であり、上記撥水性付与の場合にはフッ化炭素や6フッ化炭素等のフッ素含有ガスが用いられ、上記親水性付与の場合にはヘリウムやアルゴンや窒素等の単ガス、あるいはこれらの混合ガスが一般的によく用いられる。
上記プロセスガスの導入を継続するに従って、上記反応容器41内の雰囲気はプロセスガスによって置換される。処理される被処理体45としてのガラス基板は、被処理体搬入用スリット48から反応容器41内に投入され、搬送手段43によって搬送されて、被処理体搬出用スリット49から矢印方向へ搬出される。尚、搬送手段43による被処理体45の搬送はころ搬送であるとする。しかしながら、搬送手段43による搬送方法は様々であり、ころ搬送に限定されるものではない。
上記反応容器41内には、電極ユニット42が、搬送される被処理体45の表面から垂直方向に例えば2mmの間隔をもって、電極ユニット42の基板対向表面が位置するように設置されている。そして、電極ユニット42の電極51には、電圧印加手段44の印加端子が接続され、電極52には電圧印加手段44の接地端子が接続されて、両電極51,52間に(つまり、線状導電体51a,52a間に)電圧が印加される。尚、電圧印加手段44としては、AC電源やDCパルス電源等の電源を用いることができる。ここで、周波数やデューティー比に関しても特に制約しないが、過度の高周波での処理は、電極や被処理体の温度を著しく上昇させるため、アーク放電や被処理体45としてのガラス基板へのダメージを起こす要因となる。したがって、電圧印加手段44の周波数としては、10kHz〜50kHz程度が望ましい。
上述したように、上記電極ユニット42のベース部材50に設けられた水循環パイプ54内を水が循環されて電極ユニット42が水冷される。こうして、電力の投入によって電極ユニット42の温度が上昇し、電極51と電極52との溶融や誘電体53の劣化等を防止することができる。また、誘電体53の表面温度の上昇を抑制することによって、プラズマ中の電子量や電子エネルギーの過度な増加を防止し、アーク放電の発生を抑制することができる。
上述のようにして発生するプラズマは、図3に示すように、電極51,52の線状導電体51a,52aに沿って、誘電体53の表面に、複数の微細なライン状(ライン状プラズマ55)に発生する。その場合、プロセスガスとして拡散し易いヘリウム等のガスを用いたり、電圧印加手段44によって高電力を供給したりした場合には、微細なライン状プラズマ55は拡散して、見掛け上、面状プラズマ56が形成される。
この状態において、上記搬送手段43によって、被処理体45をスキャンすることによって、発生した活性種を被処理体45表面へ作用させて、プラズマ処理を行う。
以上のごとく、本実施の形態においては、交互に配列された線状導電体51a,52aを有する電極51,52を用い、プロセスガスで充満させた大気圧の反応容器41内で、微細なライン状プラズマ55を発生させるようにしている。したがって、被処理体45に対するプラズマ作用範囲を拡大することができる。また、図3に示すように、放電空間が被処理体45とは別空間に在るので、ライン状プラズマ55や面状プラズマ56が形成されるプラズマ生成空間に被処理体45を直接曝す場合のように、高いエネルギーを有する電子が被処理体45の表面に垂直に衝突する率を低くすることができ、ダメージの少ないソフトなプラズマ処理が可能になる。また、ガスを被処理体45に対して直接噴き付ける場合に比して、反応生成物等のパーティクルが被処理体45に付着するのを抑制することができるのである。
・第2実施の形態
本実施の形態は、電極ユニットの構成を、上記第1実施の形態における構成とは異なる構成にしたプラズマ処理装置に関する。図4および図5は、第1実施例における電極ユニットの断面形状を示す。尚、図4と図5とは、電極の断面形状が異なるだけで他の構成は同じであるから、図4および図5において同じ機能を有する部材には同じ番号を付し、図4および図5に従って、本実施例について説明する。
図4および図5は、本実施例における電極ユニット61の断面図である。ベース部材62は、アルミニウム等の金属板によって形成されている。そして、ベース部材62の一面には溝加工を施し、並列して配置された複数の溝部63内に線状導電体64を配列する。そして、溝部63内の線状導電体64を誘電体65で埋め込んで固定する。したがって、本実施例においては、上記第1実施の形態における電極51,52のうち、一方の電極52に相当するものは無いのである。そして、電圧印加手段66によって、ベース部材62と線状導電体64との間に電圧を印加することによって、上記第1実施の形態の場合と同様に、誘電体65の表面にプラズマを生成させて被処理体(図示せず)に対して処理を行うのである。尚、67は、上記冷却手段としての水循環パイプである。
図4における線状導電体64aの断面形状は円形であるのに対して、図5における線状導電体64bの断面形状は矩形である。そのために、図5における線状導電体64bでは、矩形断面を有する線状導電体64bの一側面のレベルをベース部材62における溝部63間の面のレベルに合わせることによって、誘電体65における被処理体との対向面を凹凸の少ない平面にすることができる。したがって、図4に示す構造よりも面状のプラズマが発生し易い構造になっている。
尚、上述の説明においては、上記ベース部材62の一面には並列された複数の溝部63を加工し、この並列して配置された複数の溝部63内に線状導電体64を配列する構成について説明している。しかしながら、ベース部材62の一面には溝部を網目状に配置し、線状導電体を網目状の溝部内に網目状に配列しても差し支えない。この場合には、線状導電体64を並列する場合に比して、面状のプラズマが発生し易くなる。
図6および図7は、第2実施例における電極ユニットの断面形状を示す。尚、図6と図7とは、電極の断面形状が異なるだけで他の構成は同じであるから、図6および図7において同じ機能を有する部材には同じ番号を付し、図6および図7に従って、本実施例について説明する。
図6および図7は、本実施例における電極ユニット71の断面図である。尚、本実施例におけるベース部材72,線状導電体73,74,誘電体75,電圧印加手段76および水循環パイプ77は、上記第1実施の形態におけるベース部材50,線状導電体51a,52a,誘電体53,電圧印加手段44および水循環パイプ54と同じである。つまり、上記第1実施の形態の場合と同様に、櫛状の線状導電体73,73,…を有する電極と櫛状の線状導電体74,74,…を有する電極とを、線状導電体73と線状導電体74とが交互に配列されるように配置するのである。
但し、本実施例における誘電体75は、上記第1実施の形態における誘電体53が線状導電体51a,52aを完全に埋め込んでおらず、被処理体45との対向面が凹凸を有しているのに対して、線状導電体73,74を完全に埋め込んでおり、被処理体(図示せず)との対向面が平坦になっている。したがって、図3に示す上記第1実施の形態の構造よりも面状のプラズマを容易に発生させることができるのである。
図6における線状導電体73a,74aの断面形状は円形であるのに対して、図7における線状導電体73b,74bの断面形状は矩形である。そのために、図7における線状導電体73b,74bでは、矩形断面を有する各線状導電体73b,74bの一側面のレベルを合わせることによって、誘電体75における被処理体との対向面を容易に平坦にすることができるのである。
この発明は、上記電極の各線状導電体の断面形状,寸法,配列本数および配列パターン等については、上記各実施の形態に限定されるものではない。
この発明のプラズマ処理装置における概略断面図である。 図1における電極ユニットの被処理体側から見た斜視図である。 発生するプラズマの状態を示す図である。 図1とは異なるプラズマ処理装置における電極ユニットの断面を示す図である。 図4とは異なる電極の断面形状を示す図である。 図1,図4および図5とは異なるプラズマ処理装置における電極ユニットの断面を示す図である。 図6とは異なる電極の断面形状を示す図である。 従来のプラズマ処理装置の構成を示す図である。 図8とは異なる従来の大気圧プラズマ反応装置の構成を示す図である。
符号の説明
41…反応容器、
42,61,71…電極ユニット、
43…搬送手段、
44,66,76…電圧印加手段、
45…被処理体、
46…ガス導入口、
47…ガス排気口、
48…被処理体搬入用スリット、
49…被処理体搬出用スリット、
50,62,72…ベース部材、
51,52…電極、
51a,52a,64,73,74…線状導電体、
53,65,75…誘電体、
54,67,77…水循環パイプ、
55…ライン状プラズマ、
56…面状プラズマ、
63…溝部。

Claims (6)

  1. 反応容器と、
    上記反応容器にガスを導入するガス導入手段と、
    上記反応容器内で被処理体を搬送する被処理体搬送手段と、
    電圧が印加されて、上記被処理体に対して処理を施すためのプラズマを発生させる電極と、
    上記電極に電圧を印加する電圧印加手段
    を備えたプラズマ処理装置であって、
    上記電極は、
    平行に配列されると共に、誘電体によって被覆された複数の線状導電体を有しており、
    上記線状導電体の配列面が上記被処理体における処理面と対向するように配置されている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    上記線状導電体は、網目状に配列されている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    上記線状導電体は、少なくとも高い方の電圧が印加される系統と低い方の電圧が印加される系統との2系統に分かれており、異なる系統に属する上記線状導電体間は電気的に絶縁されており、
    上記2系統の上記線状導電体間に電圧を印加することによって、プラズマを発生させる
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項3に記載のプラズマ処理装置において、
    上記2系統のうちの何れか一方に属する上記線状導電体と、他方に属する上記線状導電体とは、互いに隣接して交互に配置されており、
    上記各線状導電体の表面全域が上記誘電体で覆われている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    上記線状導電体は、所定の電圧が印加される1系統でなり、
    上記線状導電体の配列面に沿って配置されると共に、上記各線状導電体とは電気的に絶縁された上記線状導電体とは異なる導電体を有して、
    上記導電体と上記線状導電体との間に電圧を印加することによって、プラズマを発生させる
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項5に記載のプラズマ処理装置において、
    上記導電体は、上記被処理体における処理面と対向する面を有しており、
    上記導電体の面には、平行に配列された複数の溝部が形成されており、
    上記線状導電体は、上記導電体の面に設けられた複数の溝部内に配置され、
    上記導電体の面に設けられた溝部内には誘電体が充填されて、上記各線状導電体の表面全域が上記誘電体で覆われている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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