JP2001182135A - 下水道システムの制御装置 - Google Patents

下水道システムの制御装置

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JP2001182135A
JP2001182135A JP36489099A JP36489099A JP2001182135A JP 2001182135 A JP2001182135 A JP 2001182135A JP 36489099 A JP36489099 A JP 36489099A JP 36489099 A JP36489099 A JP 36489099A JP 2001182135 A JP2001182135 A JP 2001182135A
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JP
Japan
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rainwater
inflow
water quality
sewage treatment
prediction means
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JP36489099A
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English (en)
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Osamu Yamanaka
中 理 山
Akihiro Nagaiwa
岩 明 弘 長
Masahiko Tsutsumi
正 彦 堤
Masashirou Nakada
田 雅司郎 仲
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水道処理施設への流下量および流下水質を
一定の値に保つことができる制御装置を提供する。 【解決手段】 雨水計1からの計測値に基づいて雨水流
入量予測手段10において雨水貯留施設2の可動ゲート
3への雨水流入量が予測され、この雨水流入量予測手段
10からの雨水流入量に基づいて雨水流入水質予測手段
11において雨水貯留施設2への雨水流入水質が予測さ
れる。この雨水流入予測手段10からの雨水流入量に基
づいて雨水流入水質予測手段11において、雨水貯留施
設2への雨水流入水質が予測される。流下量予測手段1
2において、雨水流入量予測手段10からの信号に基づ
いて下水処理場5への流下量が求められ、流下水質予測
手段13において、流下量予測手段12および雨水流下
水質予測手段11からの信号に基づいて下水処理場5へ
の流下水質が求められる。最適制御手段14により、各
予測手段10,11,12,13からの信号に基づいて
可動ゲート3が制御され、下水処理場5への流下量と流
下水質が一定に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雨時の雨水排水
や浸水災害防除を目的として設けられたゲートを有する
雨水貯留施設と、この雨水貯留施設の下流側に設けられ
た下水処理施設とを備えた下水道システムの制御装置に
係り、とりわけ雨水貯留施設を最適に運用することがで
きる下水道システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道システムは、雨水貯留施設と下水
道処理施設とを有し、このうち雨水貯留施設は(1)豪
雨時の浸水の防除、(2)降雨時の路面の埃や下水管堆
積物による汚濁物の負荷低減、を目的として建設されて
いる。雨水貯留施設は、通常地下50m程度のところに
埋設され、下水道幹線からのバイパス管を通って、一時
的に雨水を貯留するものである。一旦、貯留した雨水
は、降雨停止後、所定の期間静置させ、上澄み部分を直
接河川へ、残りを処理場へ返送するという運用方針に従
って運用されている。しかしながら、雨水貯留施設は近
年建設されているものであるため、運用実績は少なく明
確な運用指針は確立されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、雨水
貯留施設運用に関する明確な運用指針は確立されていな
いため、最適な運用方法を考える必要がある。
【0004】まず、雨水貯留施設は、それ自身単独では
存在しえず、対象流域、対象流域内の下水道幹線、対象
流域の下水処理施設等と連携して最適化を図る必要があ
る。
【0005】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、下水処理施設へ流入する雨水の流下量と
流下水質を所定の値とするよう雨水貯留施設を制御する
ことができる下水道システムの制御装置を提供すること
をと目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、対象流域に設
けられた下水道幹線と、下水道幹線から流出した雨水を
一時的に貯留する雨水貯留施設と、雨水貯留施設の入側
に設けられた可動ゲートと、下水幹線の下流側に設けら
れた下水処理施設とを備えた下水道システムの制御装置
において、対象流域の雨量を計測する雨量計と、雨量計
からの計測値に基づいて可動ゲートへの雨水流入量を予
測する雨水流入量予測手段と、雨水流入予測手段の雨水
流入量に基づいて可動ゲートへの雨水の雨水流入水質を
予測する雨水流入水質予測手段と、雨水流入量予測手段
の雨水流入量に基づいて、下水処理施設への流下量を予
測する流下量予測手段と、雨水流入水質予測手段の雨水
流入水質と流下量予測手段の流下量とに基づいて下水処
理施設への雨水の流下水質を予測する流下水質予測手段
と、雨水流入量予測手段、雨水流入水質予測手段、流下
量予測手段、流下水質予測手段からの信号に基づいて、
流下水質および流下量が所定値となるよう可動ゲートの
操作量を求める最適制御手段と、を備えたことを特徴と
する下水道システムの制御装置である。
【0007】本発明によれば、雨水貯留施設の可動ゲー
トを調整することによって下水処理場への流下量と流下
水質を適切に制御することができる。
【0008】本発明は、雨水流入量予測手段は、対象流
域の下水道幹線の管構造情報および下水管ネットワーク
情報と、対象流域の土地利用状況とを利用した流入量予
測モデルを用いて雨水流入量を予測することを特徴とす
る下水道システム制御装置である。
【0009】本発明によれば、対象流域の詳細な情報を
流入量予測に反映させるため、より精度の高い流入量予
測が可能となり、ひいては、雨水貯留施設の最適運用の
信頼性を高めることができる。
【0010】本発明は、雨水貯留施設の可動ゲート入り
口に流量計が取付けられ、雨水流入量予測手段は、雨水
量計の計測値と、可動ゲートの流量計からの実際値を用
いた同定モデルを有することを特徴とする下水道システ
ム制御装置である。
【0011】本発明によれば、流量計からの実際値と雨
量計の計測値によって比較的簡単に予測モデルを構築す
ることができる。また、このように構築した予測モデル
は、予測演算に要する時間が非常に短くなるため、比較
的パフォーマンスの低い計算機を用いて制御装置をオン
ラインで実行させることができる。
【0012】本発明は、雨水流入水質予測手段は、雨水
流入予測手段によって予測した雨水流入量予測値と、初
期の水質値とを入力値とする概念モデルを用いて流入水
質を予測することを特徴とする下水道システムの制御装
置である。
【0013】本発明は、雨水貯留施設の可動ゲート入り
口に濁度計が取付けられ、雨水流入水質予測手段は雨水
流入量予測手段からの雨水流入と、可動ゲートの濁度計
からの実際値を用いた同定モデルを有することを特徴と
する下水道システム制御装置である。
【0014】本発明は、流下量予測手段は、ダイナミッ
クウェーブ法、ディフューシブウェーブ法、キネマティ
ックウェーブ法を用いて流下量を演算することを特徴と
する下水道システム制御装置である。
【0015】本発明は、下水処理施設の入り口に流量計
が取付けられ、流下量予測手段は雨水流入量予測手段の
雨水流入量と、下水処理施設の流量計からの実際値を用
いた同定モデルを有することを特徴とする下水道システ
ム制御装置である。
【0016】本発明は、下水処理施設入り口に濁度計が
取付けられ、流下水質予測手段は、雨水流入量予測手段
の雨水流入量と、流下量予測手段からの流下量と、下水
処理施設の濁度計からの実際値を用いた同定モデルを有
することを特徴とする下水道システム制御装置である。
【0017】本発明は、下水処理施設の入り口に流量計
と濁度計が取付けられ、最適制御手段は、流入量予測手
段からの信号と、流入水質予測手段からの信号と、流下
量予測手段からの信号と、流下水質予測手段からの信号
とに基づくフォードフォワード制御と、下水処理施設の
流量計および濁度計からの信号に基づくフィードバック
制御とを独立に組み合わせた2自由度最適制御を行なう
ことを特徴とする下水道システム制御装置である。
【0018】本発明によれば、フィードバックによる、
前記雨水貯留施設運用制御装置の安定性、ロバスト性、
外乱抑制特性等のフィードバック特性と、フィードワー
ドによる、前記雨水貯留施設運用制御装置の前記下水処
理場流入水質および前記下水処理場流入量の目標値追従
特性を独立に設定することができる。従って、前記流入
量予測等の予測精度が劣化した場合にも安定性やロバス
ト性を保証することができ、制御装置の信頼性を高める
ことができる。さらに、前記流入量予測等の性能を追及
することにより、より高性能な制御装置とすることがで
きる。
【0019】本発明は、下水処理施設に排出ポンプを設
置するとともに、下水処理施設の入り口に流量計が設け
られ、下水処理施設の流量計からの信号により排出ポン
プを起動させることを特徴とする下水道システムの制御
装置である。
【0020】本発明によれば、下水処理施設への流下量
予測値が実際値と異なっても、排水ポンプにより下水処
理施設内の雨水を適宜排出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0022】図1は本発明による下水道システムの制御
装置を示す構成図である。図1において、下水道システ
ムは下水道幹線(下水道管)9と、下水道管9から流出
した雨水を一時的に貯留する雨水貯留施設2と、雨水貯
留施設2の入側に設けられた可動ゲート3と、下水道管
9の下流側に設けられた下水処理施設(下水処理場)5
とを備えている。
【0023】また雨水貯留施設2には、雨水貯留施設2
内の雨水を所定時間放置した後、上澄液を河川へ放流す
るとともに沈降物を下水処理場5へ送る排水・返送ポン
プ4が設けられている。
【0024】さらに下水処理場5の入口側には水位計7
および濁度計8が設けられ、また下水処理場5には流入
雨水を排出する排水ポンプ6が設けられている。
【0025】また本発明による下水道システムの制御装
置は、対象流域の雨量を計測する雨量計1と、雨量計1
からの計測値に基づいて可動ゲート3への雨水流入量を
予測する雨水流入量予測手段10と、雨水流入量予測手
段10の雨水流入量に基づいて可動ゲート3への雨水の
雨水流入水質を予測する雨水流入水質予測手段11とを
備えている。
【0026】また雨水流入量予測手段10の雨水流入量
は流下予測手段12へ送られて下水処理場5への雨水流
下量が予測され、また雨水流入水質予測手段11の雨水
流入水質と流下量予測手段12の雨水流下量は流下水質
予測手段13へ送られて下水処理場5への雨水の雨水流
下水質が予測される。
【0027】また雨水流下量予測手段10、雨水流入水
質予測手段11、流下量予測手段12、および流下水質
予測手段13からの信号に基づいて、最適制御手段14
により雨水流下水質および雨水流下量が所定値となるよ
う可動ゲート3の操作量が求められる。
【0028】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。まず雨量計1からの計測値が
流入量予測手段10へ送られる。次に流入量予測手段1
0において、雨量計1からの計測値と、下水道管9の構
造や下水道ネットワークの情報を利用した予測モデル、
例えば、拡張Road Research Laboratory(RRL)法に
よって、各可動ゲート3への流入量を予測する。拡張R
RL法で用いられる式は、 RE(t)=sig(RI)(t))・R(t) …(1) R(t)=AsE(t−s+1)+As-1E(1−s+2)+…+A1E(t ) …(2)
【数1】 S(tc)=KQN(tc) …(4) である。ここで、R(t):降雨量、RE(t):有効
降雨量(下水管へ実際に流出する降雨量)、P(t):
仮想的流入量、S(tc):貯留高、Q(tc):雨水流
入量、である。
【0029】また、Rl(t)は現時点までの積算降雨
量を示し、sig(・)はシグモイド関数を示す。また、A
i 、K、Nはパラメータを表わす。また、離散時間系の
式と離散時間系の式をつなぎあわせるときは、適当なサ
ンプル操作やホールド操作を行なうこととする。
【0030】ここで、パラメータAiは、下水道管の構
造や下水道ネットワークの情報を利用して設定される。
また、パラメータKやNは、各可動ゲート3の状態を固
定した場合の下水処理場5への流下量データを用いて調
整する。また、(1)式で、より詳細な有効降雨量を算
出したい場合は、流域内の土地利用図(土地利用状況)
などを利用してより精度の高い有効降雨量の算出も可能
である。
【0031】次に、雨水流入量予測手段10からの雨水
流入量に基づいて雨水流入水質予測手段11により、各
可動ゲート3への流入濁度(流入水質)を予測する。た
とえば、流入水質予測は次式を用いて行う。
【0032】
【数2】 D=β・S・Qα-1 …(6) ここで、Qs :晴天負荷量、S:下水管内堆積物量、
Q:(予測)雨水流入量、D:(予測)雨水流入水質で
ある。また、αとβは調整パラメータである。
【0033】(5)式は下水管内の堆積物の堆積過程と
流出過程の変化を表わす式であり、(6)式は、流入濁
度が堆積量と雨水流入量のべき乗に比例することを表わ
す式である。また雨水流入水質予測手段11は、雨水流
入量予測手段10からの雨水流入予測値と、初期の濁度
値を入力した概念モデルを用いて水質を予測してもよ
い。
【0034】次に、雨水流入量予測手段10からの雨水
流入量に基づいて流下量予測手段12によって、流下量
を予測する。例えば流下量予測モデルとして、次式で表
わされるダイナミックウェーブ法を用いることができ
る。
【0035】
【数3】 ここで、A:下水道管9の水路断面積、Ql :(予測)
流下量、q:枝線流出量(通常は0)、U:平均流速、
h:水深、R:管径、n:管の粗度係数、i:水面勾
配、g:重力定数、である。(6)式は連続の式であ
り、(7)式は運動の式である。また、流下量の初期値
は、各可動ゲート3の雨水流入量予測値を与えるものと
する。ダイナミックウェーブ法の他、ディフューシブウ
ェーブ法、キネマティックウェーブ法を用いてもよい。
【0036】次に雨水流入水質手段11と流下量予測手
段12からの信号が流下水質予測手段13へ送られ、流
下水質予測手段13によって、下水処理場5への雨水の
流下水質が予測される。流下水質を予測する精度のよい
物理モデルは得られていないため、システム同定モデル
を用いて雨水流入水質と流下量とに基づいて流下水質を
予測する。まず、降雨量、流入量の関係を表すための関
数として、図2に示す伝達関数モデルを用意する。ここ
で、uは各可動ゲート3への雨水の雨水流入水質予測デ
ータ、yはuから見て下流側のとなりの各可動ゲート3
の流入水質予測データであり、最下流の各可動ゲート3
への流入水質が入力uである場合は、流入渠の濁度デー
タ(下水処理場5への雨水の流下水質)、eは観測でき
ない計測誤差である。また、 A(z)=ann+an-1+…a0 …(8) B(z)=bmm+bm-1+zm-1…b0 …(9) C(z)=cll+cl-1+zl-1…c0 …(10) である。ここで、(8)〜(10)式における係数パラ
メータはまだ決定されていない。
【0037】次に、各ゲート3間の雨水流入水質予測デ
ータを模擬的に発生させ、これを用いて、(8)〜(1
0)式の係数パラメータをシステム同定法によって決定
する。
【0038】このように(8)〜(10)式の係数パラ
メータを求めることにより、雨水流入水質予測手段11
による雨水流入水質と、流下量予測手段12による流下
量とに基づいて流下水質を予測する。
【0039】以上の手順により、ある一定期間の将来に
わたって、各可動ゲート3への雨水流入量、雨水流入水
質、および下水処理場5への流下量と流下水質の予測値
を得ることができる。
【0040】次に最適制御手段14によって、下水処理
場5への流下量と流下水質を次のように制御する。
【0041】図3は、各予測手段10〜14を各ゲート
3毎に書き下したブロック図である。これを式で表現す
ると、 各部分流域流出量qi=雨水流入量予測モデル(手段)Hi(ri) …(11) 貯留施設各ゲート流入水質di=雨水流入水質予測モデル(手段)Ei(qi) …(12) 各ゲート下流側幹線流下量ui=qi−vi+yi-1 …(13) 各ゲート上流側幹線流下量yi=流下量予測モデル(手段)Gi(ui) …(14) 各ゲート上流側幹線流下水質zi=流下量水質予測モデル(手段)Fi(zi-1 、ui) …(15) となる。ここで、Hi(ri)等の雨水流入量予測モデル
(手段)Hiに各部分流域降雨量riを作用させることを
示す。他も同様である。
【0042】(11)〜(15)式を用いると、各ゲー
ト3への雨水流入量および下水処理場への流下量を予測
することができる。また、(11)〜(15)式への操
作量はviであり、制御量は、yiとzi(最終的に制御
を行ないたい量はynとzn)である。この操作量v
iは、実際には各可動ゲート3の操作量となる。
【0043】さて、各時刻tにおける、各ゲート3への
流入量および下水処理場5への流下量の目標値をy
Ri(t)とする。
【0044】最適制御の目的は、下水処理場5の流下量
および流下水質を最適化することを考える場合、評価関
数として、例えば以下の評価関数をとることができる。
【0045】
【数4】 ここで、Wiz(t)、Wyi(t)は評価重み、e
zi(t)=zRi(t)−zi(t)、ey(t)=y
Ri(t)−yi(t)である。また、nはゲート数、m
は予測ホライズン(予測時間)である。
【0046】また、(16)以外の評価関数として、例
えば(17)式のような評価関数を考えることができ
る。
【0047】
【数5】 ここで、Wzyi(t)は評価重み、ezyi(t)=z
Ri(t)yRi(t)−zi(t)yi(t)である。
【0048】(17)式は、汚濁物総量の最小化を図る
最適評価関数である。
【0049】(16)式や(17)式の評価関数を最小
化するように制御量viを求める。
【0050】ここで、評価関数Jを各ゲート毎の評価関
数に分割する。例えば(17)式の評価関数は、各ゲー
ト毎に
【数6】 と書くことができる。ここで、(11)〜(15)式を
用いると、各ゲート毎の評価関数Ji は、ri,vi,y
i-1,zRi,yRi の関数として書くことができ、ri
Ri,yRiは既知、zi-1,yi-1は、上流側のゲートの
予測がなされていれば既知であるので、(19)式を解
くことにより、各ゲート3に関する最適操作量viを決
定することができる。
【0051】
【数7】 (19)式は、下水道の上流側(i=1)から順に解く
ことにより、下水処理場5の流下量と流下水質を最適と
するゲート3の操作量を求めることができる。(19)
式を解くことにより求めた操作量が最適操作量となる
が、(19)式を解く際に用いる計測信号は降雨量のみ
であり、他は全て計算量であるため、フィードフォワー
ド制御になっている。
【0052】従って、各予測手段10〜14の精度が悪
い場合は、実際の下水処理場5への流入量、流入水質
は、望ましい値に保たれなくなる。そこで、zn,yn
関しては、水位から換算した下水処理場5への実際の流
下量と、実際の流下水質を求めてフィードバック制御を
付加することにより、ロバスト性や外乱抑制特性を増す
ことができる。
【0053】フィードバック制御として、通常のPID
制御などを用いることができる。この制御系の構成を図
4と図5に示す。図4は、各可動ゲート5での流入量と
流入水質の制御であり、これはフィードフォワード制御
になっている。図5は、下水処理場5への流下量と流下
水質の制御であり、これは、水位計7と濁度計8からの
フィードバック制御も含む2自由度制御系になってい
る。なお、図5の制御系において、フィードバックある
いはフィードフォワードのいずれかの制御のみを用いて
も良い。
【0054】このようにして雨水貯留施設2の各可動ゲ
ート3を制御して、下水処理場5への流下量と流下水質
が一定となるようにする。次に下水処理場5の排水ポン
プ6を制御する必要がある。下水処理場5への流下量と
流下水質を目標値となるよう一定に保っておけば、排水
ポンプ6を、一定量(0も含む)の排水量に保持するよ
うな一定排水量制御とすることができる。しかし、下水
処理場5への流下量や流下水質は必ず目標値との間に誤
差をもつため、水位計7からの信号により水位に依存し
て排水ポンプ6の起動停止を行なう水位フィードバック
制御を付加しておくと、下水処理場5の水位変動が生じ
たときもフィードバック効果が働き、より効果的となる
(図6参照)。
【0055】本実施の形態によれば、フィードバック制
御によって、安定性、ロバスト性、外乱抑制特性を確保
しながら、予測モデルの予測値を用いたフィードフォワ
ード制御を付加することにより、制御性能を向上させ
た、下水処理場5への流下量と流下水質を最適な値に保
つよう可動ゲート3を制御することができる。
【0056】次に図7により本発明の他の実施の形態に
ついて説明する。図7において雨水貯留施設2の可動ゲ
ートの入り口側に流量に換算可能な水位計等の流量計1
51,152,153と、濁度計161,162,16
3が設けられている。この場合、雨水流入側予測手段1
0、雨水流入水質予測手段11、流下量予測手段12、
および流下水質予測手段13は、各々図2と(8)〜
(10)式で表すシステム同定モデルを有することがで
き、予測値と、流量計151,152,153および濁
度計161,162,163からの実際値を用いてモデ
ルの同定を行なうことができる。さらに、各可動ゲート
3全てに流量計151,152,153と濁度計16
1,162,163が備わっているため、各ゲート3の
流入量と流入水質に関してもフィードバック制御を働か
すことができる。すなわち、各可動ゲート3に対して、
すべて図5のようなフィードバックとフィードフォワー
ドを組み合わせた2自由度制御系を構成することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下水処理
場への流下量と流下水質が最適となるよう雨水貯留施設
の可動ゲートを制御することができる。このため下水処
理場の排水ポンプを適切に運転して下水処理場からの排
水量および水質を適切に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による下水道システムの制御装置を示す
概略図。
【図2】システム同定モデルの入出力関係を示した図。
【図3】本発明の各予測手段の概略構成を各ゲート毎に
ブロック線図で表現した図。
【図4】各可動ゲート付近の流下量と流下水質に関する
フィードフォワード制御系を示す図。
【図5】下水処理場への流入量と流下水質に関するフィ
ードバックとフィードフォワードを併せ持つ2自由度制
御系を示す図。
【図6】下水処理場の排水ポンプの起動停止を行う水位
フィードバック制御を示す説明図。
【図7】本発明による下水道システムの制御装置の他の
実施の形態を示す概略図。
【符号の説明】
1 雨量計 2 雨水貯留施設 3 可動ゲート 4 排水・返送ポンプ 5 下水処理場 6 排水ポンプ 7 水位計 8 濁度計 9 下水道管 10 雨水流入量予測手段 11 雨水流入水質予測手段 12 流下量予測手段 13 流下水質予測手段 14 最適制御手段 151〜153 流量計 161〜163 濁度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 正 彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 仲 田 雅司郎 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 2D063 AA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象流域に設けられた下水道幹線と、下水
    道幹線から流出した雨水を一時的に貯留する雨水貯留施
    設と、雨水貯留施設の入側に設けられた可動ゲートと、
    下水幹線の下流側に設けられた下水処理施設とを備えた
    下水道システムの制御装置において、 対象流域の雨量を計測する雨量計と、 雨量計からの計測値に基づいて可動ゲートへの雨水流入
    量を予測する雨水流入量予測手段と、 雨水流入予測手段の雨水流入量に基づいて可動ゲートへ
    の雨水の雨水流入水質を予測する雨水流入水質予測手段
    と、 雨水流入量予測手段の雨水流入量に基づいて、下水処理
    施設への流下量を予測する流下量予測手段と、 雨水流入水質予測手段の雨水流入水質と流下量予測手段
    の流下量とに基づいて下水処理施設への雨水の流下水質
    を予測する流下水質予測手段と、 雨水流入量予測手段、雨水流入水質予測手段、流下量予
    測手段、流下水質予測手段からの信号に基づいて、流下
    水質および流下量が所定値となるよう可動ゲートの操作
    量を求める最適制御手段と、 を備えたことを特徴とする下水道システムの制御装置。
  2. 【請求項2】雨水流入量予測手段は、対象流域の下水道
    幹線の管構造情報および下水管ネットワーク情報と、対
    象流域の土地利用状況とを利用した流入量予測モデルを
    用いて雨水流入量を予測することを特徴とする請求項1
    記載の下水道システム制御装置。
  3. 【請求項3】雨水貯留施設の可動ゲート入り口に流量計
    が取付けられ、雨水流入量予測手段は、雨水量計の計測
    値と、可動ゲートの流量計からの実際値を用いた同定モ
    デルを有することを特徴とする請求項1記載の下水道シ
    ステム制御装置。
  4. 【請求項4】雨水流入水質予測手段は、雨水流入予測手
    段によって予測した雨水流入量予測値と、初期の水質値
    とを入力値とする概念モデルを用いて流入水質を予測す
    ることを特徴とする請求項1記載の下水道システムの制
    御装置。
  5. 【請求項5】雨水貯留施設の可動ゲート入り口に濁度計
    が取付けられ、雨水流入水質予測手段は雨水流入量予測
    手段からの雨水流入量と、可動ゲートの濁度計からの実
    際値を用いた同定モデルを有することを特徴とする請求
    項1記載の下水道システム制御装置。
  6. 【請求項6】流下量予測手段は、ダイナミックウェーブ
    法、ディフューシブウェーブ法、キネマティックウェー
    ブ法を用いて流下量を演算することを特徴とする請求項
    1記載の下水道システム制御装置。
  7. 【請求項7】下水処理施設の入り口に流量計が取付けら
    れ、流下量予測手段は雨水流入量予測手段の雨水流入量
    と、下水処理施設の流量計からの実際値を用いた同定モ
    デルを有することを特徴とする請求項1記載の下水道シ
    ステム制御装置。
  8. 【請求項8】下水処理施設入り口に濁度計が取付けら
    れ、流下水質予測手段は、雨水流入量予測手段の雨水流
    入量と、流下量予測手段からの流下量と、下水処理施設
    の濁度計からの実際値を用いた同定モデルを有すること
    を特徴とする請求項1記載の下水道システム制御装置。
  9. 【請求項9】下水処理施設の入り口に流量計と濁度計が
    取付けられ、 最適制御手段は、流入量予測手段からの信号と、流入水
    質予測手段からの信号と、流下量予測手段からの信号
    と、流下水質予測手段からの信号とに基づくフォードフ
    ォワード制御と、下水処理施設の流量計および濁度計か
    らの信号に基づくフィードバック制御とを独立に組み合
    わせた2自由度最適制御を行なうことを特徴とする請求
    項1記載の下水道システム制御装置。
  10. 【請求項10】下水処理施設に排出ポンプを設置すると
    ともに、下水処理施設の入り口に流量計が設けられ、下
    水処理施設の流量計からの信号により排出ポンプを起動
    させることを特徴とする請求項1記載の下水道システム
    の制御装置。
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