JP2009108537A - 雨水貯留設備 - Google Patents

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    • Y02A20/108Rainwater harvesting

Abstract

【課題】貯留槽に初期雨水を流入させないように切り替える機能を備えた雨水貯留設備を提供すること。
【解決手段】本発明の雨水貯留設備は、流入する雨水を利水のための貯留する貯留槽を備えた雨水貯留設備において、貯留槽の流入口付近に、濁度や流入量や気象データなどに基づいて、流入水を貯留槽に流入させる状態もしくは放流路側に放流する状態の何れか一方の状態に切り替える切り替え手段を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、雨水の利水および治水に供する雨水貯留設備に関し、特には、初期雨水を流入させないように切り替える機能を備えた雨水貯留設備に関する。
従来から、雨水貯留設備は、主として治水を目的として設置されており、豪雨などが発生した場合に、貯留槽内に雨水を貯留して、雨水を調整するために使用されていた。
しかし、近年、貯留槽内に貯留した雨水を、公園や学校、ショッピングセンターなどにおけるトイレや緑化施設へ利用できるように、雨水貯留設備を利水の目的に使用する要求が高まってきている。
しかしながら、利水を目的とする雨水貯留設備では、貯留した雨水を所定期間で消費するため、雨水貯留設備の貯留槽の内部には、常に所定量の雨水が保有されていなければならない。ところが、貯留槽内部に雨水を保有している状態で、豪雨などが発生した場合には、貯留槽が短時間で満水になるために、雨水貯留設備の治水の機能を果たすことができなくなってしまうといった問題が生じる。
そこで、雨水貯留設備に治水槽と利水槽とを別々に施工する方法が、従来から採用されている。
このような雨水貯留設備では、降雨時に治水槽に雨水を貯留し、その後利水槽に雨水を移して利用するように構成されている。したがって、治水槽は降雨時以外には空になるので、次の降雨に備えることができる。また、利水槽、治水槽の双方に雨水が貯留されている場合は、降雨のない間に治水槽の雨水を河川や下水道に放流することによって、治水槽を空けるようにして、治水機能を確保している。
また、例えば特許文献1に記載された雨水調整および利用システムでは、中水用貯水槽、雨水調整槽、および浸透槽を設け、これらの槽をパイプで接続することにより、中水の利用、雨水の調整、雨水の地中への浸透を効率良く行うことが提案されている。
しかしながら、利水槽と治水槽とを別々に有する雨水貯留設備では、同程度の貯留槽を2つ作り、そのうちの一方を空にする必要があるため、土地の利用効率が著しく悪化するといった問題や、同程度の貯留槽を2つ施工するために、施工費用がかかるといった問題があった。
また、上記特許文献1に記載された雨水調整および利用システムにおいても、中水用貯水槽、雨水調整槽、および浸透槽の3つの槽を施工するために、施工費用がかかるといった問題は、依然として生じてしまう。
そこで、本発明の発明者らは、1つの貯留槽と、この貯留槽内に雨水を導く雨水導入手段と、貯留槽内の水を排出する排出手段と、各種計測器により得られた気象データを収集する気象データ収集手段と、この収集した気象データに基づいて貯留槽の貯留水量を制御する貯留水量制御手段と、を有し、前記貯留水量制御手段により、前記気象データに基づいて降雨が予想されるときには貯留槽内に残存する雨水を排出することで貯留槽を治水槽として機能させる一方、前記貯留水量制御手段により、前記気象データに基づいて予想される降雨のおそれのない期間は貯留槽内に残存する雨水を貯留し続けることで貯留槽を利水槽として機能させることを特徴とする雨水貯留設備を先に提案している(特許文献2参照)。
すなわち、この雨水貯留設備は、1つの貯留槽が利水槽として機能するとともに治水槽としても機能するので、貯留槽を1つ施工するだけで利水と治水の双方の目的に雨水貯留設備を使用することができる。したがって、土地の利用効率を大幅に上げることができるとともに、施工費用を大幅に削減することができるという優れた効果を備えている。
ところで、上記のような雨水貯留設備の集水領域に降った初期の雨水は、集水領域面の屋根などの汚れや大気中の汚染物の影響で水質が悪いので、利水に適していないという問題があるとともに、貯留槽内が汚染される問題もあった。
そこで、水質の悪い初期雨水を除いて、水質の良い雨水のみを利用することが好ましいが、従来は適切な仕組みはなかった。
また、気象データに基づいて水質の悪い初期雨水の流入を排除しようとしても、気象データは、雨水が実際に雨水貯留設備へ流入する時刻や流量とは一致していない。その原因は、集水領域の面積の大小、集水領域面の抵抗による流速の低下、配管の長さの長短、配管の抵抗の大小、などの因子によるものと思われる。これらの因子の影響があるため、気象データに基づいて、雨水が実際に雨水貯留設備へ流入する時刻や流量を予想することは簡単ではなかった。
なお、特許文献3には、ダムにおける気象データと実際の流入量との違いを考慮して、精度の高いダム流入量の予測方法と装置が開示されている。しかし、本発明が対象としている雨水貯留設備は、特許文献3に開示されているようなダムの場合と異なり、水質の良い雨水のみを貯留することを目的とするものであるので、特許文献3の発明とはその技術分野が異なるものである。
特開2000−355959号公報 特開2007−126939号公報 特開平8−219828号広報
本発明は、このような事情に鑑み創案されたもので、貯留槽がより効率よくかつ正確に利水槽として機能するとともに、初期雨水を流入させないように切り替える機能を備えた雨水貯留設備を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、
本発明にかかる請求項1の雨水貯留設備においては、
流入する雨水を利水のための貯留する貯留槽を備えた雨水貯留設備において、
貯留槽の流入口付近に、流入水を貯留槽に流入させる状態もしくは放流路側に放流する状態の何れか一方の状態に切り替える切り替え手段を備えるという手段を講じた。
請求項2の発明では、
流入水の濁度を計測する濁度計測手段と、
濁度計測手段によって計測した濁度が所定の設定濁度以上のときには前記切り替え手段を放流路側に切り替え、設定濁度未満のときには前記切り替え手段を貯留槽側へ切り替える濁度連動切り替え制御手段と
を備えたことにより、初期雨水を除いて貯留するようにした。
請求項3の発明では、
流入水の流量を計測する流量計測手段と、
流量計測手段によって計測した流量が所定の設定積算流量未満のときには前記切り替え手段を放流路側に切り替え、設定積算流量以上のときには前記切り替え手段を貯留槽側へ切り替える流量連動切り替え制御手段と
を備えたことにより、初期雨水を除いて貯留するようにした。
請求項4の発明では、
外部から得られる気象データを収集する気象データ収集手段と、
気象データ収集手段によって収集した気象データに基づいて切り替え条件を決定し、切り替え条件を満足するときには、前記切り替え手段を貯留槽側に切り替え、切り替え条件を満足しないときには前記切り替え手段を放流路側へ切り替える気象データ連動切り替え制御手段と
を備えたことにより、初期雨水を除いて貯留するようにした。
請求項5の発明では、
前記気象データ連動切り替え制御手段は、
予め求めておいた、
前記気象データ収集手段にて収集した降雨量、降雨時刻、及び時間と、
前記切り替え手段へ流入する実際の流入量、流入時刻、及び流入時間との関係に基づいて、
前記切り替え手段を、貯留槽側もしくは放流路側の何れかに切り替えることにより、初期雨水を除いて貯留するようにした。
本発明によれば、以上のように構成したので、利水に適さない水質の悪い初期雨水は貯留槽へ流入しない。
また、気象データと実際の流入量などとに基づいて、あらかじめ流入量を実際の降雨量と流入量のデータより時間的また量的ずれを求め、そのずれを考慮して実流入量とし、正確に実流入量を予測する。そこからカットしたい雨水量に達する時間を求め、その時間までは、貯留槽に入らないようにバルブを設定して下流側へ流すようにする。そして所定時間になるとバルブを再設定し雨水が貯留槽へ入るようにする。このようにして、任意の量の初期雨水カットが可能となる。このように、流入量の時間・量ずれに対しても十分に対応し適切な初期雨水のカットが可能な雨水貯留設備を構築することができる。
本発明にかかる請求項1の雨水貯留設備では、
貯留槽の流入口付近に、流入水を貯留槽に流入させる状態もしくは放流路側に放流する状態の何れか一方の状態に切り替える切り替え手段を有しているので、水質の悪い初期雨水をカットすることができ、利水に適した流入水のみを効果的に貯留することができる。
請求項2の発明では、濁度計測手段によって計測した濁度が所定の設定濁度以上のときには放流路側に切り替えて、設定濁度未満のときだけ貯留するので、利水に適した流入水のみを効果的に貯留することができる。
請求項3の発明では、流量計測手段によって計測した流量が所定の設定積算流量未満のときには放流路側に切り替えて放流し、水質がよくなってから貯留するので、利水に適した流入水のみを効果的に貯留することができる。
請求項4の発明では、気象データに基づいて、初期雨水を除いて貯留するようにしたので、治水機能を利用しながら、利水に適した流入水のみを効果的に貯留することができる。
請求項5の発明では、
予め求めておいた、
前記気象データ収集手段にて収集した降雨量、降雨時刻、及び時間と、
前記切り替え手段へ流入する実際の流入量、流入時刻、及び流入時間との関係に基づいて、
前記切り替え手段を制御するので、利水に適した流入水のみを、より効果的に貯留することができる。
以下に、本発明にかかる雨水貯留設備を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図5は、本発明にかかる雨水貯留設備の1つの実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この雨水貯留設備1は、1つの貯留槽2と、この貯留槽2内に雨水を導く雨水導入部3と、この雨水導入部3に流入する雨水を貯留槽2へ流入させる状態もしくは下水管へ放流する状態の何れかに切り替える切り替え弁4と、貯留槽2内の水を排出する排出部5と、を有している。
また、雨水導入部3と切り替え弁4の間には、雨水導入部3から流入する流入水の濁度を検知する濁度計6と、雨水導入部3から流入する流入水量を検知する流量計7とが配設されている。
さらに、気象データを収集する気象データ収集部8と、この収集した気象データ、前記濁度計6にて検知された濁度データ、前記流量計7にて検知された流量データ、の少なくとも何れか1つのデータに基づいて、前記切り替え弁3と前記排出部5とを制御することによって貯留槽2の貯留水量を制御する貯留水量制御部10と、を有している。
なお、切り替え弁4は特許請求の範囲に記載された切り替え手段に対応し、濁度計6は濁度検出手段に対応し、流量計7は流量検出手段に対応し、貯留水量制御部10は、濁度連動切り替え制御手段、流量連動切り替え制御手段、および気象データ連動切り替え制御手段に対応する構成である。
貯留槽2は、図2に示すように、駐車場等の地面をまず掘削し、防水シート等を掘削穴の壁面に沿って配置させた状態でポリプロピレン等の合成樹脂製板材や脚部材等の多数の単位部材を掘削穴内に上下左右に組み合わせることによって雨水を貯留し得るように貯留空間が形成されていて、耐荷重性能がT25(25トントラック通過可能耐荷重性能)を保有しており、内部に流入した砂等が最下端に設けられた溝2a部分に集約されるようになっている。
また、貯留槽2には、貯留水量を検知する水位計21が設けられているとともに、図示していないが、利水用のポンプと、利水用の配管、この利水用の配管を流れる利水の流量を計測する流量計およびオーバーフロー配管が設けられている。
雨水導入部3は、貯留槽2の上部に設けられており、集水部である建物の屋上Rから樋31および流入管32を経て雨水が流入してくるように構成されている。
また、流入管32には、図3に示すように、濁度計6と流量計7が設けられ、切り替え弁4に接続されている。
切り替え弁4は、この雨水導入部3に流入して来た雨水を、貯留水量制御部10からの切り替え信号に基づいて、貯留槽2側に切り替えて流入管33を経て貯留槽2へ流入させる状態、もしくは、前記雨水を放流管34側に切り替えて下水へ放流する状態の何れか一方の状態に択一的に切り替えるように構成されている。
排出部5は、貯留槽2の下部に設けられた排水管51と、貯留水量制御部10から出力される開閉信号に応じて開閉される電磁弁52とを備え、電磁弁52を開放状態で満水状態の貯留槽2を1時間で排水できる排水能力を備えている。
気象データ収集部8は、例えば、気象業務支援センターから送信される対象区域を1kmメッシュとし6時間後までの降雨予報が可能な気象データを、インターネット回線を介して収集できるように図られているとともに、図示しないが、たとえば、気圧計、湿度計、露点計、温度計、風向計、風力計、雨量計の計測器を備えている。
貯留水量制御部10は、制御プログラムおよびこの制御プログラムがインストールされたコンピュータのほか、降雨予報データ取得のための通信機器、バルブ制御のためのリレー、およびA/D変換のためのアダプター等を備え、気象データ収集部8で収集した気象データならびに水位計21により計測した貯留水量データ、濁度計6により計測した流入水の濁度データ、および流量計7により計測した流入水量データを自動分析し、この分析結果に基づいて、切り替え弁4の切り替え信号と電磁弁52の開閉信号を出力し、貯留槽2への流入と排水とを制御するように構成されている。
貯留水量制御部10は、所定の制御プログラムよって、濁度連動切り替え制御手段、流量連動切り替え制御手段、もしくは気象データ連動切り替え制御手段の少なくとも何れかの手段として動作することができる。
濁度連動切り替え制御手段として動作する場合は、
前記濁度計6によって検知された濁度が所定の濁度(例えば、東京都の指導に基づき雨水の散水利用規定2度相当が望ましい。)以上の場合は下水管側に切り替える切り替え信号を出力し、水質の悪い初期雨水は貯留槽内へ流入しないようにする。そして、前記濁度が所定の濁度未満の場合は貯留槽側に切り替える切り替え信号を出力し、貯留槽内へ流入させる。
流量連動切り替え制御手段として動作する場合は、
前記流量計7によって検知された流量に基づいた積算流量が決められた所定の積算流量(例えば、初期雨水2〜5mm相当程度の積算流量が望ましい。)までは下水管側に切り替える切り替え信号を出力し、水質の悪い初期雨水は貯留槽内へ流入しないようにする。そして、前記積算流量が前記所定の積算流量以上になった場合は貯留槽側に切り替える切り替え信号を出力し、貯留槽内へ流入させる。
気象データ連動切り替え制御手段として動作する場合は、
気象データ収集手段によって収集した気象データに基づいて切り替え条件を決定し、切り替え条件を満足するときには、前記切り替え手段を共用槽側に切り替える切り替え信号を出力して、切り替え条件を満足する水質の良い雨水は貯留槽内へ流入させる。そして、切り替え条件を満足しないときには前記切り替え手段を放流路側へ切り替える切り替え信号を出力して、水質の悪い初期雨水は貯留槽内へ流入しないようにする。
そのためには、前記切り替え条件を実際の降雨の場合で調査して予め決定しておくことが好ましい。
例えば、実際の降雨の際に、
前記気象データ収集手段にて収集した降雨量、降雨時刻、及び降雨時間と、
前記切り替え手段へ流入する実際の流入量、流入時刻、及び流入時間との関係を複数回にわたって調査して、
前記気象データに基づいた降雨量、降雨時刻、及び降雨時間に基づいて、
前記切り替え手段へ実際に流入すると予想される予想流入量、予想流入時刻、及び予想流入時間を算出できるような関数もしくは変換式、変換テーブルなどを求めておく。
このような関数は、
集水領域の面積や抵抗あるいは雨水導入部3の配管の長さや径などによる抵抗の違いなどによる流入量や流入時刻のずれをできるだけ補正できるものとする。このような関数は、多くの因子や係数を含んだものとなるので、貯留水量制御部10に含まれるコンピュータで実行される制御プログラムとして設定されている。
そして、実際に切り替え制御する場合には、貯留水量制御部10は、刻々と入手される気象データに基づいて、前記関数を利用して、予想される予想流入量、予想流入時刻、及び予想流入時間を算出して、流入水が、利水に適さない水質の悪い初期雨水の状態から、水質の良い雨水に変わるタイミングを決定し、そのタイミングで、前記切り替え手段を、放流路側から貯留槽側へ切り替える切り替え信号を出力して、水質の悪い初期雨水は排除して、利水に適した水質の流入水のみを貯留槽内へ流入させる。
前記貯留槽は、利水槽と治水槽の共用槽であり、貯留水量制御部10は、切り替え手段4だけでなく排水部5も制御する。貯留水量制御部10は、前記水位計21にて検知される水位が所定の上限を超えた場合には前記排水部5の電磁弁51を開けて排水するように制御する。このようにして、貯留水量制御部10は、降雨予報と集水領域の面積と予想される貯留槽への流入流量と、水位計21等で得られる貯留槽内の貯留量から排水量を決定し、排水制御を行う。
排水部5の電磁弁51は、所定の排水量を確保できるような口径のものを用いる。
そして、利水槽と治水槽の共用槽として十分に機能させるためには、気象データに基づいて降雨が予想されるときには排水部5の電磁弁51を開放して貯留槽2内に残存する雨水を排出することで貯留槽2を治水槽として機能させる一方、気象データに基づいて予想される降雨のおそれのない期間は排水部5の電磁弁51を閉鎖して貯留槽2内に残存する雨水を貯留し続けることで貯留槽2を利水槽として機能させることができる。
なお、本実施の形態では、排水部5においては電磁弁51を開閉することで貯留槽2内の貯留水量を制御しているが、電磁弁に限らず、例えば、エアー弁や油圧弁など貯留水量制御可能な開閉弁であってもよい。
また、1つの貯留槽が利水槽として機能するとともに治水槽としても機能するので、貯留槽を1つ施工するだけで利水と治水の双方の目的に雨水貯留設備を使用することができる。したがって、土地の利用効率を大幅に上げることができるとともに、施工費用を大幅に削減することができる。
なお、気象データ収集部8は、例えば、インターネットを介して気象業務支援センターから送信される降雨データあるいは、各種インターネット上の各種サイトから提供される降雨情報を気象データとして利用することができる。好ましくは気象業務支援センターから送信される対象区域を1kmメッシュとし6時間後までの降雨予報が可能なデータを活用するのが好ましい。
また、気圧計、湿度計、露点計、温度計、風向計、風力計、雨量計などの計測器を備えて独自に気象データを生成してもよい。ここで生成する気象データは、例えば低気圧が接近し湿度が高くなると雨が降るといった自然現象の原因と結果に基づいて分析して生成することができる。このとき、気圧や湿度などの気象データを一定時間ごとに採取し、その経時変化に基づいて降雨予測を行う簡易降雨予測システム(エキスパートシステム)を構築しておき、この簡易降雨予測システムによる気象データを用いることができる。
以下に、貯留水量制御部10に含まれるコンピュータで実行される制御プログラムの一例を実施例1として説明する。
前記制御プログラムにおいては、
例えば、概念的には
実際の降雨量をあらわす関数f(t,q)と、雨水の貯留槽への流入量をあらわす関数g( t,q)の関係を決める変換関数z(q)を、予め調査等によって求めておき、
その変換関数z(q)にもとづいて、下記の演算によって雨水の貯留槽への流入量g(t,q)を予測流入量g(t,q)として予測することができる。
g(t,q)=z(q)*f(t,q)
t;時間、q;降雨量
降雨計等により、降雨量状況について
実際の降雨開始時刻 Train.start
実際の降雨終了時刻 Train.end
を計測し、貯留槽入り口に流量計7がある場合には、そこから得られる流量、流量計がない場合には、貯留槽に設置されている水位計21により、
実際の流入開始時刻 Tin.start
実際の流入停止時刻 Tin.end
を求める。
それらの情報より、
流入時間ずれ
Td=Tin.start−Train.start
降雨時間のずれ
Tr= Train.end−Train.start
流入時間のずれ
Ti= Tin.end−Tin.start
を求める。
その結果、降雨とその瞬間の雨水が貯留槽へ入ってくる時間の関係は、
雨水流入時刻
=降雨時刻 + Td + Ti / Tr ×(降雨時刻−降雨開始時刻) (1)
とあらわすことができ、
その時刻に流入してくる予想流入量は
予想流入量
=降雨量 × Tr / Ti (2)
とあらわすことができ、
したがって、降雨時刻・降雨開始時刻・降雨量を、気象データによって予測することにより、式(2)により、貯留槽へ流入する量を推測して、図4に示したように、予測降雨(予想降雨)曲線、予想流入量(貯留層流入量予測)曲線として得ることができるのである。
そして、実際の切り替え手段4の制御においては、初期雨水をカットしたい量を積算流入量として設定し、その量になるまでの降雨時間を、前記予測降雨曲線もしくは前記予想流入量曲線から求める。
式(1)より降雨時間から雨水流入時刻がわかるので、その時間までは切り替え手段4を放流側へ切り替えることにより、初期雨水は下水側へ放流し、その時間が過ぎると切り替え手段4を貯留槽側へ切り替えて、貯留槽へ雨水を入れるようにすることにより、初期雨水をカット可能である。
これらの関係は、降雨量の状況により変化するので、
降雨量と時刻に関する情報を
降雨量 0〜5mm の場合
5〜10mm の場合
10〜20mmの場合
20〜 の場合
などで場合分けし、降雨量の状況の違いによって、異なる予測降雨曲線もしくは予想流入量曲線を作成し、データベースに蓄積することにより、精度を上げて行く。
ここから予想される貯留槽2への流入量の内、初期カットしたい雨水量(例えば初期5mm降水量)の分が予測できるので、その分を入り口バルブ等で雨水貯留槽へ流入しないようにすることにより、利水に適した水質の流入水のみを貯留できるのである。
以上のように初期雨水をカットする制御の概略手順の一例を、図5に基づいて説明する。
図5において、
手順1では、気象データを取り込む。
手順2では、気象データに基づいて予想降雨曲線を参照して、予想流入時刻まで待機し、予想流入時刻になれば、切り替え手段を下水側へ切り替えて流入水を放流する。
手順3では、設定された初期雨水カット水量(例えば、設定値5mmなど。)を読み込む。
手順4では、気象データに基づいて予想流入曲線を参照して、前記初期雨水カット水量になる時刻(切り替え時刻)を算出する。
順5では、前記切り替え時刻まで待機し、切り替え時刻になれば、切り替え手段を貯留槽側へ切り替えて貯留開始する。
なお、実際の降雨量としては、降雨計がついている場合には、降雨計による計測値が、降雨計がない場合は、気象データにおける解析降雨量が用いられる。
実際の流入量としては、貯留槽の流入口に流量計がついている場合には、流量計による計測値が、流量計がない場合には、貯留槽に設置されている水位計の上昇量より算出した量が用いられる。
以上、本発明の実施の形態について、一例としての実施例について説明したが、上述した実施例に限られるものではない。
本発明は、1つの貯留槽が利水槽として機能するとともに治水槽としても機能する雨水貯留設備を提供することができる。
本発明にかかる雨水貯留設備の実施の形態の構成を示した構成図である。 前記雨水貯留設備の貯留槽の構成を説明する概略図である。 前記雨水貯留設備の切り替え制御を説明する説明図である。 予測降雨曲線と予想流入量曲線の一例を示す説明図である。 前記雨水貯留設備の切り替え制御の制御手順を説明する説明図である。
符号の説明
1 雨水貯留設備
2 貯留槽
3 雨水導入部
4 切り替え弁
5 排出部
6 濁度計
7 流量計
8 気象データ収集部
10 貯留水量制御部

Claims (5)

  1. 流入する雨水を利水のための貯留する貯留槽を備えた雨水貯留設備において、
    貯留槽の流入口付近に、流入水を貯留槽に流入させる状態もしくは放流路側に放流する状態の何れか一方の状態に切り替える切り替え手段を有することを特徴とする雨水貯留設備。
  2. 流入水の濁度を計測する濁度計測手段と、
    濁度計測手段によって計測した濁度が所定の設定濁度以上のときには前記切り替え手段を放流路側に切り替え、設定濁度未満のときには前記切り替え手段を貯留槽側へ切り替える濁度連動切り替え制御手段と
    を備えたことにより、初期雨水を除いて貯留することを特徴とする請求項1記載の雨水貯留設備。
  3. 流入水の流量を計測する流量計測手段と、
    流量計測手段によって計測した流量が所定の設定積算流量未満のときには前記切り替え手段を放流路側に切り替え、設定積算流量以上のときには前記切り替え手段を貯留槽側へ切り替える流量連動切り替え制御手段と
    を備えたことにより、初期雨水を除いて貯留することを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留設備。
  4. 外部から得られる気象データを収集する気象データ収集手段と、
    気象データ収集手段によって収集した気象データに基づいて切り替え条件を決定し、切り替え条件を満足するときには、前記切り替え手段を貯留槽側に切り替え、切り替え条件を満足しないときには前記切り替え手段を放流路側へ切り替える気象データ連動切り替え制御手段と
    を備えたことにより、初期雨水を除いて貯留することを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留設備。
  5. 前記気象データ連動切り替え制御手段は、
    予め求めておいた、
    前記気象データ収集手段にて収集した降雨量、降雨時刻、及び時間と、
    前記切り替え手段へ流入する実際の流入量、流入時刻、及び流入時間との関係に基づいて、
    前記切り替え手段を、貯留槽側もしくは放流路側の何れかに切り替えることにより、初期雨水を除いて貯留することを特徴とする請求項4に記載の雨水貯留設備。
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