JP2017145680A - 初期雨水除去装置とこれを備えた雨水タンク装置、雨水タンク装置の通信ネットワーク、初期雨水除去方法 - Google Patents

初期雨水除去装置とこれを備えた雨水タンク装置、雨水タンク装置の通信ネットワーク、初期雨水除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】清浄な雨水を自動的に状況判断して取水可能な次世代型の初期雨水除去装置を提案する。【解決手段】初期雨水除去装置は、建造物への降雨水を排水するために建造物の屋根の下方に取付けた竪樋と雨水タンクとを中継し、注水口24から雨水タンクへ注水し得る貯留方式の初期雨水除去装置であって、排水口26からの水位を測定可能な、通信装置を備えた水位センサ50と、水位センサ50と送受信可能なコンピュータ70と、コンピュータ70から受信した信号により排水口26を開閉可能な排水手段60とを備え、水位センサ50は、本体10に貯留した雨水の水位を感知してコンピュータ70に水位を送信し、コンピュータ70は、水位に応じて、排水手段60に開口信号又は閉口信号を送信し、排水手段60が受信した信号に応じて排水口26を開閉して、雨水の貯水・排水を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、初期雨水除去装置に関する。
近年、地球温暖化の影響によるゲリラ豪雨や局所的な大雨の発生回数が増加しており、文明の発展に伴なう都市化の影響も相俟って、日本国内では各地で都市型洪水が頻発するようになっている。
このような自然環境の激変に対応して、わが国では2014年5月、「雨水の利用の推進に関する法律」が施行された。この法律では、雨水を資源として有効活用しながら、下水道や河川への流出を抑えることを目的としており、国や独立行政法人の施設における雨水利用の義務化など、雨水利用の普及を国や自治体の責務としている。この法律の運用により一層注目を浴びると思われる雨水利用(活用)ではあるが、それに関わる技術に対する画一的な手法での検証は殆どされておらず、日本工業規格(JIS)等による規格化も皆無である。
雨水を雨水貯留タンク(以下、雨水タンク)に溜めて何らかの用途に利用する場合、最も問題となるのがその水質である。雨は、雨滴形成から地上への落下過程において、大気エアロゾル粒子を雨滴内に取り込みながら落下するため、特に降り始めの雨は汚染度が高い。また、竪樋に流出する雨水中には雨水集水面となる屋根面に蓄積した汚れも含まれる。このため、雨水タンク内の水質を清浄に保持する上で、最も重要な要素技術の一つに初期雨水制御が挙げられる。
現在、初期雨水装置として数種の製品が一般に販売されているが、初期雨水除去装置は、屋根面から竪樋に流入した雨水を雨水タンクに導く過程で、大気中の汚染物質等によって汚れた初期雨水を排除し、より水質の良い雨水を取水するための装置である。以下、戸建住宅での利用を目的とした従来の初期雨水除去装置について、機能や除去方法の違いにより分類する。
[初期雨水除去装置の機能と分類]
上記戸建住宅で使用される初期雨水除去装置とは、竪樋に取り付け、雨水を貯留槽に導く際に、初期雨水や落ち葉等の混入物を除去するものである。初期雨水除去は、取水装置の付属機能であり、「初期雨水除去装置」と表現しているが、実際には初期雨水の除去だけを行う装置は市販の製品としては存在しない。
(1) 排水孔方式
図6のように、初期雨水を装置内の取水カップで受け、その底部に設けた孔から徐々に除去する方式を「排水孔方式」とする。
この方式では、装置内の取水カップで受けた雨水が貯留槽に導かれるが、その際に取水カップに設けた“雨水排水孔”から一定量の雨水が排水され、排水量を超えた分の雨水が取水カップに溜まり、徐々に雨水貯留槽へ導かれる(図6)。“初期雨水排水孔”の径によって初期雨水除去量を調節できる構造ではあるが、市販の製品で調節可能なものは無い。
排水孔方式では、取水カップに設けられた“初期雨水排水孔”によって常に一定量の雨水を排水してしまうため、降り始めから一定時間経過し、雨水の水質が向上した後も、一定量の雨水は排水され続けることになる。また、降り始めから徐々に強くなる降雨の場合は、一定の初期雨水除去効果は認められるが、集水面積が大きい場合、また、近年多発傾向にある局所的集中豪雨などの場合では、一気に多量の雨水が装置内に流れ込み、初期雨水が十分に除去できない。
(2) 貯留方式
次に、図7のように、初期雨水を装置内で一定量溜め、除去する方式を「貯留方式」とよぶこととする。
この方式は、初期雨水を一時的に“初期雨水溜まり”に溜め、そこから越流した分の雨水が雨水貯留槽へ導かれる(図7)。初期雨水溜まり容量の増減によって、初期雨水の除去量を調節できるが、市販のものは、容量の増減に代えて、初期雨水溜まりに取り付けたオリフィスからの排水量を増減させることで、除去量を調節できるようになっている。初期雨水溜まりに設けられたオリフィスは、初期雨水の除去量の調節だけではなく、その排水によって、降雨終了後に初期雨水溜まり内の雨水を自動的に排水し、装置を降雨前の状態に戻す機能を併せ持つ。
貯留方式は、 “初期雨水溜まり”を設けることで、常に一定量を排水してしまう「排水孔方式」の短所を補っているが、オリフィスにごみが詰まってしまうと初期雨水除去効果は得られないという欠点は「排水孔方式」と同様である。加えて「排水孔方式」に比べ構造が複雑でメンテナンスがしにくい上、メンテナンス不備による動作不良が起きやすい。また、装置に流れ込む雨水の量や勢いによっては、初期雨水溜まり内の雨水が貯留槽へ流れ込んでしまう場合もある。
また、この貯留方式の初期雨水除去装置については、特許文献1、2、3などが開示されている。しかし、いずれも以下のような課題が解決されていない。
(a)建物(屋根等)の大きさにより汚染初期雨水量は変化するが、分離する初期雨水量を容易には調整できない。従って、屋根等の大きさに合わせて初期雨水貯水タンクの大きさ(容量)を決定する必要がある。
(b)初期雨水貯水タンクの容量が常に一定なので、貯水の目的(上水用、下水用、散布用、単なる排水用など)に応じた初期後雨水の貯水・排水等に対応できない。
(c)コンピュータ制御ができないので、降雨の汚染の程度(黄砂など)や降雨の強度など、降雨条件に応じた臨機応変な初期雨水貯水量の調整ができない。すなわち、降雨間隔による雨水の汚染度の変化に対応できない。
(3) 流速利用方式
最後に、図8のような、流速差を利用して初期雨水を除去する方式を「流速利用方式」とした。
この方式は、降り始めは装置内を流れる雨量が少ないため流速は低く、経過時間とともに水量が増え流速が上がることを利用し、流量が少なく流速が低い場合には、流れ方向に対し手前側に流れる落ちるため排水され、一定以上の流速になると遠くに流れていくため雨水貯留槽へ導かれる(図8)。
この方式については、特許文献4、5などが開示されている。前述の2つの方式と異なり、装置のメンテナンスをするか否かに係わらず、初期雨水除去能力を発揮できる。しかし、その反面、集水面積、竪樋の形状や大きさといった条件の違いで、装置内を流れる雨水の流速差が生じやすいため、この方式で初期雨水を除去することは難しいと言わざるを得ない。また、「排水孔方式」と同様、局所的集中豪雨等により、一気に大量の雨水が装置内を流れるような場合も、初期雨水除去能力は十分に機能しない。
特開平8−158416号公報 特開2003−268812号公報 特許4861076号公報 特開2001−123484号公報 特開2003−253705号公報 特許5769266
この様に初期雨水装置を分類し、その特徴を比較したが、それぞれに一長一短があり、どのような条件でも一様に初期雨水除去能力が発揮できるという製品はないことが判った。一方、雨水を水資源として利用しながら、雨水の流出抑制を図ることを目的とする「雨水の利用の推進に関する法律」が施行されたことにより、雨水利用に関する様々な技術が求められる。
以上のことから、本発明では雨水活用システムを構成する最も重要な装置である初期雨水除去装置について、従来型の装置が持つ問題点を改良して効率的かつ的確に清浄な雨水を集水可能な初期雨水除去装置を提案する。また、雨水タンクと初期雨水除去装置を、コンピュータにより協働させる雨水タンク装置を提案し、さらに、複数の雨水タンク装置を防災・気象用等のコンピュータ装置に接続する通信ネットワークを提供する。
本発明に係る初期雨水除去装置は、建造物への降雨水を排水するために当該建造物の屋根の下方に取付けた竪樋と雨水タンクとを中継し、前記竪樋に接続され、当該竪樋から雨水を集水する集水口と、当該集水口から集水した雨水を排水し得る排水口と、前記雨水タンクと接続して通水可能な注水口と、を具備する本体が、前記集水した雨水を前記注水口の位置まで貯留可能であり、前記注水口の位置を超えた雨水を、当該注水口から前記雨水タンクへ注水し得る、貯留方式の初期雨水除去装置であって、
前記排水口からの水位h(t)を測定可能な、通信装置を備えた水位センサと、前記水位センサと送受信可能なコンピュータと、前記コンピュータから受信した信号により前記排水口を開閉可能な排水手段と、を備え、前記水位センサは、前記本体に貯留した雨水の水位h(t)を感知して前記コンピュータに当該水位h(t)を送信し、当該コンピュータは、当該受信した水位h(t)に応じて、前記排水手段に、開口信号SOP又は閉口信号SCLを送信し、当該開口信号SOP又は当該閉口信号SCLを受信した当該排水手段が、当該受信した信号SOP又はSCLに応じて前記排水口を開閉して、雨水の貯水・排水を行う。
本発明に係る初期雨水除去装置において、前記本体は、底部と、上底部と、両者を接続する側部とを有する容器であり、前記底部近傍に配置した前記排水口の位置を高さ0として、前記注水口の高さが前記所定の高さHthである、上記初期雨水除去装置であって、
前記集水口を前記竪樋に接続し、前記排水口から所定の高さHthに配置した注水口を前記雨水タンクに接続して、前記コンピュータから前記閉口信号SCLを受信した前記排水手段が前記排水口を閉口した後、前記本体に貯留して前記所定の高さHthを超えた雨水を、前記注水口から前記雨水タンクへ注水し得る。
本発明に係る初期雨水除去装置において、前記本体は、前記排水口(高さ0)を有し、容器A(以下、「導入管」ともいう。)と、これと平行に配置された容器B(以下、「排出管」ともいう。)とを、各々の管の下方で通水管により接続して通水可能なU字管であり、前記導入管(容器A)は、上底部aと、側部aと、底部aとを有し、当該上底部a近傍に集水口22を設け、これを前記竪樋に接続して鉛直方向に配置し、当該竪樋から雨水を集水し、
前記排出管(容器B)は、上底部bと、側部bと、底部bとを有し、側部bの内壁に前記水位センサを設置して前記排水口(高さ0)からの水位h(t)を測定し、
前記本体の前記所定の高さHthに、前記雨水タンクに注水するための前記注水口を設けると共に、当該本体の底部(底部a、底部bを含む)の近傍(側部a、側部bを含む)に前記排水口(高さ0)を設けてもよい。
本発明に係る初期雨水除去装置は、前記U字管の前記通水管から鉛直方向に、予備貯水管を設けてもよい。
本発明に係る初期雨水除去装置において、前記排水手段は、前記本体の上底部に設けた引上げ機構と、前記排水口を開閉する蓋部と、を連結機構により接続し、前記コンピュータから、前記開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信した当該引上げ機構が、当該連結機構を介して当該蓋部を開閉可能としてもよい。
本発明に係る初期雨水除去装置において、前記排水手段は、通信機能を有し、前記コンピュータから、前記開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信して前記排水口を開閉可能な、電気制御可能な開閉器(以下「バルブ」ともいう。)であってもよい。
本発明に係る初期雨水除去装置において、前記水位センサは、通信機能を有し、前記排水口の高さ0近傍と前記注水口の高さHth間を水位h(t)と共に浮沈可能な全水位測定型の、又は、前記排水口の高さ0近傍と前記注水口の高さHthの少なくとも1箇所に取付けられた局所水位測定型水位センサとしてもよく、少なくとも水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知し、前記コンピュータに送信し得るようにするのが好適である。
本発明に係る初期雨水除去装置において、前記水位センサは、通信機能を有し、前記排水口の高さ0と前記注水口の高さHth間に、前記本体の内壁に沿って設置された静電容量式水位センサとし、水位h(t)を感知して前記コンピュータに送信し得るようにしてもよい。
本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置は、上記雨水タンクが、前記初期雨水除去装置の前記注水口から、該注水口の位置を超えた雨水の注水を受ける、第1電動ポンプを取り付けた第1雨水タンクと、
前記第1雨水タンクと通水管により接続されて通水可能な、第2電動ポンプを取り付けた第2雨水タンクと、を有し、
第1雨水タンクの貯水が一定の高さに到達すると、該一定の高さを超えた雨水を前記通水管を介して前記第2雨水タンクに注水させることができ、
前記第1電動ポンプが、前記初期雨水除去装置による初期雨水除去直後の水質レベルの貯水を供給し、
前記第2電動ポンプが、前記第1電動ポンプより水質レベルの高い貯水を供給し得る。
本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置は、上記初期雨水除去装置の前記注水口から、該注水口の位置を超えた雨水の注水を受ける前記雨水タンクが、時刻tにおける該雨水タンク内部の貯水量、貯水速度、排水量、排水速度のいずれか1以上を含むデータΩ(t)を感知可能な感知センサと、有線又は無線により送受信可能な送受信装置と、該送受信装置から得た情報を解析する制御装置を備える自動開閉バルブと、を備えた雨水タンク装置であって、
前記センサが感知したデータΩ(t)を、前記送受信装置から上記初期雨水除去装置が具備するコンピュータに送信可能であり、該コンピュータから該送受信装置が受信した情報を前記制御装置が解析して、前記自動開閉バルブを開閉可能な、初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置である。
本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置は、上記雨水タンク装置において、前記雨水タンクを構成する前記第1雨水タンク及び/又は第2雨水タンクが、前記感知センサと、前記送受信装置と、前記自動開閉バルブとを備える。
本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置通信ネットワークは、広域な町の一般家庭、事業所および公共事業所等の各所に設置した複数の前記初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置が形成するネットワークであって、
前記複数の雨水タンク装置の初期雨水除去装置が具備する、各々の前記コンピュータと、気象データ、河川データを取得可能で、当該データに基づいて、前記複数の雨水タンク装置の存在地域の局所的な気象情報、河川情報を計算可能なコンピュータ装置と、
が公衆回線網又はノード間通信網に接続され、前記コンピュータ装置と前記各所に設置した複数の雨水タンク装置とが通信可能である。
本発明に係る初期雨水除去方法は、
(1)初期雨水除去装置を準備するステップと、
(2)時間計測可能なコンピュータが、所定のサイクル回数Nを予め記憶する記憶ステップと、
(3)水位センサが水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知すると、飽和水位信号Sthを前記コンピュータに送信し、これを受信した当該コンピュータが前記開口信号SOPを排水手段に送信して、当該排水手段が排水口を開口して排水を行う排水ステップと、
(4)前記コンピュータが前記閉口信号SCLを前記排水手段に送信して、当該排水手段が前記排水口を閉口して貯水を開始する貯水開始ステップと、
(5)連続する前記排水ステップと前記貯水開始ステップからなる初期雨水除去サイクルをN回反復する、初期雨水除去サイクル反復ステップと、
(6)前記本体内に貯水して前記所定の高さHthを超えた雨水を、前記注水口から雨水タンクへ注水開始する、注水ステップと、
を含む。
本発明に係る初期雨水除去方法は、
(1)’初期雨水除去装置を準備するステップにおいて、当該初期雨水除去装置の水位センサは水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知可能であり、
(4)’貯水開始ステップは、
水位センサが水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sを前記コンピュータに送信し、これを受信した当該コンピュータが前記閉口信号SCLを前記排水手段に送信して、当該排水手段が前記排水口を閉口して貯水を開始するのが好適である。
本発明に係る初期雨水除去方法は、
(11)初期雨水除去装置を準備するステップと、
(12)時間計測可能なコンピュータが、所定のサイクル回数Nと、所定の時間間隔ΔTとを、予め記憶する記憶ステップと、
(13)前記コンピュータから開口信号SOPを受信すると、排水手段が排水口を開口して排水を行う排水ステップと、
(14)水位センサが水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sを前記コンピュータに送信し、これを受信した当該コンピュータが閉口信号SCLを前記排水手段に送信して、当該排水手段が前記排水口を閉口して貯水を開始する貯水開始ステップと、
(15)前記水位センサが水位h(t)=H(≧0)を感知すると、当該水位センサから感知信号を受信した前記コンピュータが、当該受信時刻tを計測開始時刻tにセットする計測時刻設定ステップと、
を含む初期雨水除去方法であって、
水位センサが水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知すると、
(16)
(16−1)t<t+ΔTであれば、前記コンピュータが、サイクル回数kを1増加させ、
(16−2)t>t+ΔTであれば、当該コンピュータが、サイクル回数kを0にリセットする、
サイクル回数カウントステップと、
(17)
(17−1)
サイクル回数k<Nであれば、前記コンピュータが開口信号SOPを排水手段に送信して、(13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップとからなる初期雨水排水ステップ、または、
(17−2)
サイクル回数k≧Nであれば、前記所定の高さHthを超えた雨水を、注水口から雨水タンクへ注水開始する注水ステップ、
の何れかを実行する判別ステップと、を含む。
本発明に係る初期雨水除去方法において、
(12)前記記憶ステップは、
(12−1)前記時間計測可能なコンピュータが、ΔT(ΔT<ΔT)を、予め記憶するステップを含み、
(18)t=t+ΔTの経過時に、
前記コンピュータが、開口信号SOPを排水手段に送信して、(13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップを行う、リセット排水ステップ、
を更に含み得る。
本発明に係る初期雨水除去方法において、(18)リセット排水ステップは、(13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップを行うと共に、サイクル回数kを0にリセットするようにしてもよい。
本発明に係る初期雨水除去方法において、(18)リセット排水ステップは、
(18−1)
(18−1−1)前記コンピュータが、t=t+ΔT以内に、前記水位センサから、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信しない非降雨状態の場合は、非降雨期間数mをm=m+1とし、
(18−1−2)前記コンピュータが、t=t+ΔT以内に、前記水位センサから、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信した降雨状態の場合は、非降雨期間数mをm=0とする、
非降雨期間数カウントステップを含み、
(12)前記記憶ステップは、
(12−2)前記時間計測可能なコンピュータが、前記サイクル回数Nを、前記非降雨期間数mと時間間隔ΔTの積の関数であるサイクル回数N(m・ΔT)として記憶するステップと、を含んでもよい。
本発明に係る初期雨水除去装置は、その本体に集水した雨水を、雨水タンクに注水する注水口の高さまで貯水することができると共に、その具備するコンピュータと通信可能な排水手段を用いて排水することができる。特に、雨水を集水する集水口と排水口を底部に配置し、これより高位置に上記注水口を配置して上記雨水タンクに接続すれば、比重の大きい不純物は底部に沈降するので、こうした不純物を排除した高品質の雨水のみを雨水タンクに注水することができる。
上記コンピュータは、本体に備えた水位センサと通信することにより、本体の水位h(t)を管理する事ができる。したがって、コンピュータが、水位h(t)に応じて、排水手段に信号を送信することにより、本初期雨水除去装置は雨水の貯水・排水を自由に制御することができる。
従って、本発明に係る初期雨水除去方法によれば、初期雨水除去装置の本体に貯水した初期雨水ないし汚染雨水を、例えばNサイクル回分排水した後に、注水口から雨水タンクへ注水することができるので、非常に綺麗な高品質の雨水のみを雨水タンクに貯水することができる。
本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置は、初期雨水除去装置の本体と雨水タンクとが、コンピュータを介して連携可能であるので、例えば、前回降雨終了時からの経過時間が短く、初期雨水の汚れが少ないと予想される場合などには、初期雨水除去装置における初期雨水除去の回数Nを減らすなどの調整を行い、より効率的に雨を貯水することができる。
本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置通信ネットワークは、例えば気象用あるいは災害用コンピュータ装置と、上記各所に設置した雨水タンク装置とを通信可能とする。従って、例えば、気象データ、河川データ等を収集したコンピュータ装置が、各雨水タンク装置から貯水量等のデータΩ(t)を収集し、解析することが可能となる。その結果、当該雨水タンク装置の設置地域の局所的な気象情報、河川情報を計算・予想すると共に、当該地域の各雨水タンク装置に、例えば、排水や貯水に関する指示を行うことができる。
本発明に係る初期雨水除去装置の概略図。 本発明に係る初期雨水除去装置の第1実施形態の概略図。 本発明に係る初期雨水除去装置の第2実施形態の概略図。 本発明に係る初期雨水除去装置の斜視図。 本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置が構成する通信ネットワークの概略図。 従来の排水孔方式の初期雨水除去装置の概略図。 従来の貯留方式の初期雨水除去装置の概略図。 従来の流速利用方式の初期雨水除去装置の概略図。 本発明に係る初期雨水除去方法のフロー図。 従来型の初期雨水除去装置の評価装置。 それぞれ、(a)製品A(排水孔方式)、(b)製品B(流速利用方式)、(c)製品C(貯留方式)、に係る市販の初期雨水除去装置の概略図。 従来型の初期雨水除去装置(製品A、製品B)の実施例における想定降雨強度と取水率、取水量の関係図。 本発明に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置の正面図。 本発明の実施例に係る初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置の概略図。 本発明の実施例に係る初期雨水除去装置1のコンピュータ制御および、使用水量計測の概略図。 本発明の実施例に係る遠隔式水量メータおよび記録用データロガーの正面図。 本発明の実施例に係るコンピュータの回路図。
I.[初期雨水除去装置]
以下、図面を参照しながら本発明に係る初期雨水除去装置の実施形態について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
図4に示すように、本発明に係る初期雨水除去装置1は、建造物1000への降雨水を排水するために建造物1000の屋根1002の下方に取付けた竪樋1012と雨水タンク100とを中継する。
図1に示すように、本発明の初期雨水除去装置1の本体10は、屋根1002の下方の軒樋1010に接続された竪樋1012(図4参照)から雨水を集水する集水口22と、集水口22から集水した雨水を排水し得る排水口26と、雨水タンク100と接続して通水可能な注水口24と、を具備する。本発明の初期雨水除去装置1は、集水した雨水を前記注水口24の位置まで貯留可能であり、注水口24の位置を超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水し得る、貯留方式の初期雨水除去装置である。図1において、本体10は円筒形であるが、本明細書において、本体10の形状は特に限定されない。
また、本初期雨水除去装置1は、図1のように、排水口26からの水位h(t)を測定可能な、通信装置を備えた水位センサ50と、水位センサ50と送受信可能なコンピュータ70と、コンピュータ70から受信した信号(下記する開口信号SOP、閉口信号SCL)により排水口26を開閉可能な排水手段60と、を備えている。
そして、水位センサ50は、本体10に貯留した雨水の水位h(t)を感知してコンピュータ70に当該水位h(t)を送信し、コンピュータ70は、当該受信した水位h(t)に応じて、排水手段60に、開口信号SOP又は閉口信号SCLを送信し、当該開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信した排水手段60が、当該受信した信号SOP又はSCLに応じて排水口26を開閉することにより、本初期雨水除去装置1は雨水の貯水・排水を行うことができる。
[実施形態]
図1に示す本発明の実施形態において、本体10は、底部16と、上底部12と、両者を接続する側部14とを有する容器であり、これを例えば図4のように、上記建造物1000と略平行に略鉛直方向に設置する。底部16近傍に配置した排水口26の位置を高さ0とし、初期雨水除去装置の上底部12の高さをH、注水口24の高さを上記所定の高さHthとする。
したがって、上底部12近傍に配置した集水口22を竪樋1012に接続し、排水口26から所定の高さHthに配置した注水口24を雨水タンク100に接続すると、本実施形態の初期雨水除去装置1は、コンピュータ70から閉口信号SCLを受信した排水手段60が排水口26を閉口した後、本体10に貯留して所定の高さHthを超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水することができる。
すなわち、例えば図1の実施形態において、水位センサ50は、注水口24の高さ位置(水位h(t)=Hth)付近に取付けられており、水位センサ50が水位を感知すると、コンピュータ70を介して排水手段60が開口信号SOPを受信して排水を行う。その後コンピュータ70は、例えば適当な一定の時間間隔を置いて閉口信号SCLを排水手段60に送信し、本体10に雨水が貯水される。このような初期雨水の排水工程を、例えば所定のN回繰り返すと、水位センサ50が水位h(t)=Hthを感知してもコンピュータ70は排水手段60への開口信号SOP送信をストップし、所定の高さHthを超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水することができる。
以下、本発明に係る初期雨水除去装置1の各構成要素について説明する。
上記排水手段60としては、例えば電磁弁のような、電気制御可能な開閉器(以下「バルブ」ともいう。)を用いるのが好適である。本発明の初期雨水除去装置1が排水手段60として採用する電気制御可能なバルブは、通信機能を有し、コンピュータ70から、上記開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信して排水口26を開閉可能である。
より単純な例として、排水手段60は、図1のように、本体10の上底部12に設けた引上げ機構62と、排水口26を開閉する弁の蓋部66とを、針金64(連結機構)などで接続した構成としてもよい。引上げ機構62は、コンピュータ70から、上記のように開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信し、針金64(連結機構)を介して蓋部66を開閉することができる。蓋部66としては、ゴム製の栓等を用いてもよい。また、引上げ機構62は、ソレノイド又はサーボなどで構成すればよい。
また、上記水位センサ50は、排水口26の高さ0近傍と注水口24の高さHth近傍間を、本体10内の水位h(t)と共に浮沈可能な全水位測定型のフロート式水位センサ50を用いることができる(図示せず)。又は、水位センサ50は、図1に示すように、注水口24の高さHth近傍の少なくとも1箇所に取付けられた局所水位測定型の水位センサ52(52u)であってもよい。局所水位測定型の水位センサ52は、このように、少なくとも水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知し得るのが望ましく、図2のように、排水口26の高さ0近傍と注水口24の高さHth近傍の2箇所に局所水位測定型の水位センサ52(52u、52d)を取付け、水位h(t)=0(排水口の高さ)と水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知するようにしてもよい。
あるいは、水位センサ50は、図2に概略を示すように、排水口26の高さ0近傍と注水口24の高さHth近傍間に、本体10の内壁に沿って設置された静電容量式水位センサ54としてもよい。水位センサ50に静電容量式水位センサ54を用いれば、これと通信可能なコンピュータ70は、本体10の水位h(t)を随時把握することができる。
実施例1に係る本発明の初期雨水除去装置1を、図2に示す。この実施例1に係る初期雨水除去装置1において、本体10は高さ0の位置に排水口26を有し、容器A(以下、「導入管10a」ともいう。)と、これと平行に配置された容器B(以下、「排出管10b」ともいう。)とを、各々の管の下方で通水管10cにより接続して通水可能なU字管である。
導入管(容器A)10aは、上底部12aと、側部14aと、底部16aとを有し、上底部12a近傍に集水口22を設け、これを竪樋1012に接続して鉛直方向に配置し、当該竪樋1012から雨水を集水する(図4参照)。
排出管(容器B)10bは、上底部12bと、側部14bと、底部16bとを有し、側部14bの内壁に水位センサ50を設置して、排水口26(高さ0)からの水位h(t)を測定する。
上述の図1のように、通常は排水口26を本体10の底部16(又はその近傍の側部14)に設けるので、本体10に貯水された雨水の水位h(t)や上底部12aの高さH、注水口24の高さHth(所定の高さ)などは、排水口26を基準(高さ0)として測るのが好適である。したがって、本実施例1のような本体10がU字管である場合も、底部16a及び底部16bを含む本体10の底部16又はその近傍(側部14a、側部14bを含む)に排水口26を設け、その高さを0とするのが好ましい。図2の例では、排水口26は排出管(容器B)10bの底部16b直下に設け、その高さを0とした。なお、このように「本体10の底部16近傍に排水口26を設ける」とは、「本体10の底部16や、その直下、あるいはその直近の側部14などの底部16の近傍に排水口26を設ける」ことと同義であるとする。
また、上述のように、本体10の上記所定の高さHthに、雨水タンク100に注水するための注水口24を設けるが、本実施例1では、図2のように、導入管(容器A)10aの側部14aに注水口24を設けている。
このような実施例1に係る初期雨水除去装置1において、例えば排水手段60は、排出管10bの上底部12bに設けた引上げ機構62と、排出管10bの底部16bの排水口26を開閉する蓋部66と、を連結機構64で接続し、コンピュータ70から、上記開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信した引上げ機構62が、連結機構64を介して蓋部66を開閉可能である。
なお、図2に示すように、U字管(本体10)の通水管10cから鉛直方向に、予備貯水管10dを設けてもよい。予備貯水管10dを設けることにより、本体10の貯水容量を増加させることができ、汚染した初期雨水を排水するために排水手段60により排水口26を開閉させる回数を減少させることができる。
また、水位センサ50として、排水口26の高さ(高さ0)と排出管10bの注水口24の高さHthの位置に、それぞれ局所水位測定型の水位センサ52を設置すればよい。図2においては、局所水位測定型の水位センサ52として、高さHthに設置した上部取付水位センサ52uと、高さ0に設置した下部取付水位センサ52dを表示している。上部取付水位センサ52uは、水位h(t)が所定の高さHthまで達しているか否かを、下部取付水位センサ52dは、水位h(t)が排水口26の高さ0から当該水位センサ52dの設置位置まで増加しているか否かを感知し、水位を感知すると、例えばスイッチオンの信号をコンピュータ70に送信する。
あるいは、水位センサ50として、排水口26の高さ(高さ0)と注水口24の高さHth間に、排出管10bの内壁に沿って静電容量式水位センサ54を設置してもよい。静電容量式水位センサ54は、高さ0と高さHth間の全水位h(t)を感知し、コンピュータ70に送信することができる。しかし、静電容量式水位センサ54は、周囲の環境条件によって誤差を生じることもあるので、少なくとも高さ0と所定の高さHthが確実に感知できる上記局所水位測定型の52(52u、52d)と併用するのが好適である。
なお、雨水タンク100内部に雨水タンク設置センサを設置し、コンピュータ70を当該雨水タンク設置センサと送受信可能とすると便利である。雨水タンク100の貯水可能容積をコンピュータ70にインプットすると共に、雨水タンク設置センサが感知する、当該雨水タンク100内部の貯水量、貯水速度、排水量、排水速度などのデータΩ(t)をコンピュータ70に適宜送信し、これを受信したコンピュータ70がこれらのデータを記憶して活用可能とするのが好適である。
図3は、本発明に係る初期雨水除去装置1の実施例2の概略図である。本発明に係る実施例2の初期雨水除去装置1は、建造物1000への降雨水を排水するために、建造物1000の屋根1002の下方に取付けた軒樋1010から、竪樋1012と給水管1014を介して接続され、雨水タンク100とは注水管1016を介して接続されて、竪樋1012と雨水タンク100とを中継する。
図3に示すように、本発明の初期雨水除去装置1の本体10は、上底部12に注水口24を配置し、本体10の上方に配した注水管1016により雨水タンク100に注水することができる。
本実施例2では、図3のように、集水口22と排水口26とを、いずれも底部16に配置し、集水口22を給水管1014を介して軒樋1010に接続して雨水を集水し、排水口26を排水管1018に接続して排水を行う。したがって、本実施例2の初期雨水除去装置1は、注水口24の位置を所定の高さHthに設定し、高さ0の集水口22から集めた雨水を高さHth付近(Hth以下)まで貯水し、初期雨水除去のため、高さ0の排水口26より排水する。このような初期雨水除去を所定回数のN(Nは0又は自然数)回繰り返した後、排水口26を閉口し、当該Hthを超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水することができる。
すなわち、本実施例2の初期雨水除去装置1は、上述の実施形態等と同様に、排水口26からの水位h(t)を測定可能な、通信装置を備えた水位センサ50、水位センサ50と送受信可能なコンピュータ70、コンピュータ70から受信した信号により排水口26を開閉可能な排水手段60等を備えており、上述の実施形態、実施例1と同様に初期雨水除去と注水を行うことができる。
なお、集水口22と排水口26を同一の集排水口とし、給水管1014と排水管1018に接続して、集排水を行ってもよい。また、給水管1014と排水管1018も同一の配水管であってよく、上記集排水口と接続して集排水を切り替えるようにしてもよい。また、給水管1014と排水管1018等は、地下に埋設されていてもよい。

II.[初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置]
本発明に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2は、図13のように、第1雨水タンク100Aと第2雨水タンク100Bの2つの雨水タンクを有する。すなわち、初期雨水除去装置1の注水口24から、注水口24の位置を超えた雨水の注水を受ける第1雨水タンク100A、および、第1雨水タンク100Aと通水管1017により接続されて通水可能な第2雨水タンク100Bとを有している。
このような本発明の初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2においては、第1雨水タンク100Aの貯水量が一定の高さに到達すると、例えばボールタップにより水の流れが切り替わり、当該一定の高さを超えた貯水を通水管1017を介して第2雨水タンク100Bに注水させることができる。このため、第2雨水タンク100Bには、初期雨水の影響を受けない水質レベルの高い雨水を貯水することができる。
本発明に係る雨水タンク装置2では、初期雨水除去装置1による初期雨水排除直後の、少ないながらもまだ汚濁が残っていると推測される雨水を第1雨水タンク100Aに貯水し、あまり高い水質レベルが求められない、例えばトイレ洗浄用に用いることができる。また、第2雨水タンク100Bに貯水した、初期雨水の影響を受けない水質レベルの高い雨水は、例えば洗濯用に用いることができる。
以上のように、実施例3に係る雨水タンク装置2では、水質レベルの異なる雨水を第1雨水タンク100Aと第2雨水タンク100Bとに別々に貯水することができるので、求められる水質に応じて第1雨水タンク100Aと第2雨水タンク100Bの貯水を使い分け、より有効に貯水した雨水を活用することができる。
あるいは、本発明に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2は、図4に示すように、初期雨水除去装置1と1つの雨水タンク100から構成し、雨水タンク100とコンピュータ70とを連携させてもよい。すなわち、雨水タンク100は、時刻tにおける雨水タンク100内部の貯水量、貯水速度、排水量、排水速度のいずれか1以上を含むデータΩ(t)を感知可能なセンサ102と、有線又は無線により送受信可能な送受信装置104と、送受信装置104から得た情報を解析する制御装置106を備える自動開閉バルブ108と、を備える。
このような本発明に係る雨水タンク装置2は、センサ102が感知したデータΩ(t)を送受信装置104から初期雨水除去装置1のコンピュータ70に送信する。そして、その返信として送受信装置104がコンピュータ70から受信した情報を制御装置106が解析して、本発明の雨水タンク装置2は、自動開閉バルブ108を開閉することができる。
したがって、本発明に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2は、初期雨水除去装置の本体10と雨水タンク100とが、コンピュータ70を介して連携可能である。例えば、渇水期に雨水タンク100の貯水量が不足しているときなどは、初期雨水除去装置1における初期雨水除去の回数Nを0にしたりするなどの調整を行い、雨水タンク100の貯水量を効果的に制御することができる。
なお、上記2つの雨水タンクを有する図13の雨水タンク装置2において、第2雨水タンク100B(及び/又は第1雨水タンク100A)に、感知センサ102(図示せず)と、送受信装置104と、制御装置106と、自動開閉バルブ108とを取り付けて、初期雨水除去装置1とコンピュータ70を介して連携可能としてもよい。

III.[初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置の通信ネットワーク]
上述のような本発明に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2を、一般家庭、事業所および公共事業所等、広域な町の各所に複数設置して、各初期雨水除去装置1が備えるコンピュータ70の通信ネットワークを構築することは、非常に有意義である。
本発明に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2の通信ネットワーク3(図5参照)においては、上記複数の雨水タンク装置2の初期雨水除去装置1が具備する、各々のコンピュータ70同士を、公衆回線網やノード間通信網に接続するのが好適である。そして、気象データ、河川データ等を取得可能で、当該データに基づいて、上記複数の雨水タンク装置2の存在地域の局所的な気象情報、河川情報を計算可能なコンピュータ装置200を、上記公衆回線網又はノード間通信網に接続して、本発明に係る通信ネットワーク3を構築することができる。
このような通信ネットワーク3により、コンピュータ装置200と上記各所に設置した雨水タンク装置2とが通信可能となる。従って、コンピュータ装置200は、例えば、収集した気象データ、河川データ等から当該雨水タンク装置2の設置地域の局所的な気象情報、河川情報を計算・予想すると共に、各雨水タンク装置2から収集した貯水量等のデータΩ(t)を解析して、当該地域の各該雨水タンク装置2に排水や貯水に関する指示を行うことができる(特許文献6参照)。
図5に、本発明に係る通信ネットワーク3の概略図を示す。図5中、A、Bがコンピュータ装置200、「tank」が各所に設置した雨水タンク装置2を表す。Aのコンピュータ装置200には、スター型に雨水タンク装置2が直接、有線又は無線の回線等で接続されており、雨水タンク装置2同士は接続されていない。一方、Bのコンピュータ装置200には、直接接続される雨水タンク装置2が存在すると共に、ノード間通信網等で雨水タンク装置2同士も接続され、広範な通信ネットワーク3を構成している。
なお、本実施例3で、ノード間通信網は、例えばP2P(peer to peer)通信、メッシュ・ネットワーク、センサー・ネットワーク、などを利用できるが、これらに限定されるものではない。ノード間通信網とは、コンピュータ装置200と通信可能なn個のノード(nは2以上の任意の整数)が、相互に近隣のノード間でアドホック通信を行う通信網である。ノード間通信網は、上記n個のノード中の少なくとも1つのノードがコンピュータ装置200と交信中であることを必要とする。なお、本発明の通信ネットワーク3において、ノードの役割は各雨水タンク装置2のコンピュータ70が担うが、中継基地や家庭におかれたPCや無線装置、あるいはタブレットやスマートホンなどの可動な携帯デバイス、携帯端末などがノードとなってもよい。
Aのコンピュータ装置200に接続された雨水タンク装置2と、Bのコンピュータ装置200に接続された雨水タンク装置2とが少なくとも1つずつノード間通信網等で接続されれば、さらに広範囲の通信ネットワーク3を構築することができ、A、Bのコンピュータ装置200を各々の地域のローカル局として機能させることができる。

IV.[初期雨水除去方法]
以上、本発明に係る初期雨水除去装置1、これを備えた雨水タンク装置2、およびこれらの通信ネットワーク3について説明したが、以下に、上述した初期雨水除去装置1を用いた本発明に係る初期雨水除去方法について説明する。
本発明に係る初期雨水除去方法は、図1を参照して、
(1)初期雨水除去装置1を準備するステップと、
(2)時間計測可能なコンピュータ70が、所定のサイクル回数N(Nは1以上の整数)を予め記憶する記憶ステップと、
(3)水位センサ50が水位h(t)=Hth(上記所定の高さ)を感知すると、飽和水位信号Sthを上記コンピュータ70に送信し、これを受信したコンピュータ70が上記開口信号SOPを上記排水手段60に送信して、排水手段60が排水口26を開口して排水を行う排水ステップと、
(4)コンピュータ70が上記閉口信号SCLを排水手段60に送信して、排水手段60が排水口26を閉口して貯留を開始する貯水開始ステップと、
(5)連続する上記排水ステップ(3)と上記貯水開始ステップ(4)からなる初期雨水除去サイクルを、上記所定のN回のサイクル回数反復する、初期雨水除去サイクル反復ステップと、
(6)上記本体10内に貯留したNサイクル回分の汚染雨水を排水した後、当該本体10内に貯水して上記所定の高さHthを超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水する、注水開始ステップと、
を含む。
本発明に係る初期雨水除去方法によれば、上述のように、初期雨水除去装置1の本体10に貯水した初期雨水ないし汚染雨水を、Nサイクル回分排水した後、注水口24から雨水タンク100へ注水することができるので、非常に綺麗な雨水のみを雨水タンク100に貯水することができる。
このようなN回の初期雨水除去サイクル反復ステップを行うことを特徴とする本発明に係る初期雨水除去方法は、種々の有用な変形が可能である。例えば、排水ステップ(3)を実行後、所定時間経過後に貯水開始ステップ(4)を実行するようにしてもよい。
あるいは、貯水開始ステップ(4)は、水位センサ50を局所水位測定型の水位センサ52(52u、52d)として、
(4)’水位センサ52(52d)が水位h(t)=0(排水口26の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sをコンピュータ70に送信し、これを受信したコンピュータ70が上記閉口信号SCLを排水手段60に送信して、排水手段60が排水口26を閉口して貯留を開始する貯水開始ステップと、
のように変形、又は具体化することができる。
以下にこのような具体例、変形例を、いくつか実施例として紹介する。
以下に示す本実施例4のような方法により、本発明の初期雨水除去装置1を用いて、自動的に、効果的な初期雨水(汚染雨水)除去を行うことができる。
実施例4に係る初期雨水除去方法は、
(11)初期雨水除去装置1を準備するステップと、
(12)時間計測可能なコンピュータ70が、所定のサイクル回数Nと、所定の時間間隔ΔTとを、予め記憶する記憶ステップと、
(13)コンピュータ70から開口信号SOPを受信すると、排水手段60が排水口26を開口して排水を行う排水ステップと、
(14)水位センサ50が水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sをコンピュータ70に送信し、これを受信したコンピュータ70が閉口信号SCLを排水手段60に送信して、排水手段60が排水口26を閉口して貯水を開始する貯水開始ステップと、
(15)水位センサ50が水位h(t)=H(≧0)を感知すると、水位センサ50から感知信号を受信したコンピュータ70が、当該受信時刻tを計測開始時刻tにセットする計測時刻設定ステップと、
を含む初期雨水除去方法である。なお、計測時刻設定ステップ(15)において、水位h(t)=Hは微小な高さが望ましく、0であってもよい。
なお、貯水開始ステップ(14)において、「水位センサ50が水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知する」場合は、水位センサ50が直接水位h(t)=0を測定する場合に限られない。例えば、水位センサ50として局所水位測定型の水位センサ52を用い、下部取付水位センサ52dと上部取付水位センサ52uにより構成した場合、下部取付水位センサ52dがオンからオフとなれば、この一連のオン・オフ信号を受信したコンピュータ70が当該信号を「ゼロ水位信号S」と判定してもよい。例えばこのような場合も、「水位センサ50が水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sをコンピュータ70に送信」する場合に含まれる。
そして、水位センサ50が水位h(t)=Hth(所定の高さ≧H)を感知すると、
(16)
(16−1) t<t+ΔTであれば、コンピュータ70が、サイクル回数kを1増加させ、
(16−2)t>t+ΔTであれば、コンピュータ70が、サイクル回数kを0にリセットする、
サイクル回数カウントステップと、
(17)
(17−1)
サイクル回数k<Nであれば、コンピュータ70が開口信号SOPを排水手段60に送信して、(13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップとからなる初期雨水排水ステップ、
または、
(17−2)
サイクル回数k≧Nであれば、所定の高さHthを超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水開始する注水ステップ、
の、(17−1)又は(17−2)の何れかを実行する判別ステップと、
を含む。
このような本実施例4に係る初期雨水除去方法においては、排水直後の計測開始時刻tからΔT以内に水位センサ50が水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した場合のみ、初期雨水除去サイクルが反復される。所定のサイクル回数のN回連続で初期雨水除去サイクルが反復されると、注水口24から雨水タンク100へ注水開始する注水ステップが実行される。
あるいは本実施例4に係る初期雨水除去方法において、
(12)前記記憶ステップは、
(12−1)時間計測可能なコンピュータ70が、ΔT(ΔT<ΔT)を、予め記憶するステップを含み、
(18)t=t+ΔTの経過時に、コンピュータ70が、開口信号SOPを排水手段に送信して、排水ステップ(13)、貯水開始ステップ(14)、計測時刻設定ステップ(15)を行うと共に、コンピュータ70がサイクル回数kを0にリセットする、リセット排水ステップ、
を更に含んでもよい。降雨時、非降雨時を問わず、計測開始時tから一定時間ΔTが経過したときは、強制的に排水する意図である。
あるいは、上記リセット排水ステップ(18)において、コンピュータ70は、排水ステップ(13)、貯水開始ステップ(14)、計測時刻設定ステップ(15)の実行後、サイクル回数kをそのままにしてもよく、0にリセットしなくてもよい。
このような初期雨水除去方法においては、初期雨水除去装置1が、
(a)降雨時で、
(a−1)初期雨水排水ステップ(17−1)、
(a−2)注水ステップ(17−2)
の何れかの判別ステップ(17)の最中であっても、あるいは、
(b)非降雨時で、
(b−1)サイクル回数k=0のまま、ΔT毎の排水を繰り返す場合、
(b−2)サイクル回数k=N又はk>Nのまま、即ち、水位h(t)=Hth(所定の高さ)のまま、事実上注水を行わない、
などのいずれの場合であっても強制的に排水を行い、同時に計測時刻設定ステップ(15)により、計測開始時刻tをリセットする。そして、注水ステップ(17)(初期雨水排水ステップ(17−1)又は注水ステップ(17−2))を引き続きk不変のまま実行し、サイクル回数kを0にリセットするのであれば、注水ステップ(17)をk=0からやり直す。
したがって、以下に示すように、t=t+ΔT以内に、コンピュータ70が水位センサ50から、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信するか否かにより、現在降雨状態か非降雨状態かをコンピュータ70は判断することができる。
すなわち、
(18)’リセット排水ステップが、
(18−1)
(18−1−1)コンピュータ70が、t=t+ΔT以内に、水位センサ50から、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信しない非降雨状態の場合は、非降雨期間数mをm=m+1とし、
(18−1−2)コンピュータ70が、t=t+ΔT以内に、水位センサ50から、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信した降雨状態の場合は、非降雨期間数mをm=0とする、
非降雨期間数カウントステップを含むことによって、ΔTを単位非降雨期間とする非降雨期間数mをカウントすることができる。
そして、
(12)上記記憶ステップが、
(12−2)時間計測可能なコンピュータ70が、上記サイクル回数Nを、上記非降雨期間数mと時間間隔ΔTの積の関数であるサイクル回数N(m・ΔT)として記憶するステップと、
を含むことにより、非降雨期間がm・ΔTであれば、予め記憶されたサイクル回数N(m・ΔT)サイクル回の初期雨水除去を行うことができる。
すなわち、このような初期雨水除去方法によれば、非降雨期間を非降雨期間数mと時間間隔ΔTの積m・ΔTと定義し、所定のサイクル回数Nをm・ΔTの関数N(m・ΔT)としてコンピュータ70にインプットさせておけば、非降雨期間の長さに応じた初期雨水除去のサイクル回数を自動的に選択させることができる。例えば、関数N(m・ΔT)を、N(m・ΔT)=ΔT+m・ΔT=(1+m)ΔTとすればよい。

V.[シミュレーション及び従来装置との比較]
本実施例5では、実際に完成した本発明に係る初期雨水除去装置1をモデルとして、これに本発明に係る初期雨水除去方法を適用して、初期雨水除去についてのシミュレーションを行った。また一方で、従来の初期雨水除去装置の評価を行うための試験装置(以下、「評価装置」という。)を作製し、市販の初期雨水除去装置の初期雨水除去性能を評価した。以下に、(A)本発明に係る初期雨水除去装置1を用いたシミュレーション、(B)市販の初期雨水除去装置を上記評価装置により評価した実験、について説明し、(C)これらを比較・検討する。
(A)本発明に係る初期雨水除去装置1を用いたシミュレーション
(A−1)装置の内容
本実施例5に係るシミュレーションでは、実施例2で説明した、図3に示す初期雨水除去装置1をモデルに用いた。この初期雨水除去装置1は、竪樋1012と給水管1014を介して接続され、雨水タンク100と注水管1016を介して接続されている。
本実施例5に係る初期雨水除去装置1において、集水口22と排水口26は同一であり(集排水口(22、26))、これと接続する1つの集排水管により集排水を行っている。また、給水管1014と排水管1018も同一の給排水管(1014、1018)とし、給排水管の先端部に取付けられた電磁バルブの開閉によって雨水の流れる方向が切り替わる構成としている(図3参照)。なお、これら給排水管、集排水管等は、地下に埋設されている。
本実施例5に係る初期雨水除去装置1は、水位センサ50として局所水位測定型の水位センサ52を用い、集排水口(22、26)の直近側部に水位センサ52d(下部取付水位センサ)を、注水口24の直近側部に水位センサ52u(上部取付水位センサ)を取り付け、それぞれの位置の水位を感知することができる。h(t)を集排水口(22、26)からの水位として、水位センサ52dは、h(t)=0より僅かに大きい場合(水位h(t)=H)にオンとなり、また、水位センサ52uは、h(t)=Hth(注水口24の高さ)の場合にオンとなって、それぞれスイッチオンの感知信号をコンピュータ70に送信する。コンピュータ70は、当該信号の受信により排水手段60に信号(開口信号SOP、閉口信号SCL)を送り、集排水口(22、26)、注水口24から、それぞれ初期雨水の排水、注水を行うことができる。
(A−2)実験方法
本実験では、上記実施例2に係る初期雨水除去装置1の本体10内の貯水量と、これに応じた水位センサ52u、52dのオン・オフ状態、バルブ(集排水口(22、26))の開閉動作(OPEN、CLOSE)、各サイクルにおける計測開始時刻t(Sec1、Sec2、Sec3)を、時刻tについて調べた。時刻t(以下、本シミュレーションで〔単位時間〕)の降雨量には、2000年から2009年の地域気象観測システム(AMeDAS)の福井観測所の降水データを用いた。表3は、上記シミュレーションにおけるデータ中で、本発明の特徴を表す一部を取り出したものである。
初期雨水除去方法として上記実施例4に係る方法を用い、そのフローを図9に示した。本実施例5では、上記所定の時間間隔ΔT=10、ΔT=36〔単位時間〕とし、強制排水ステップ(17−1)による初期雨水除去を所定回数のN=3回繰り返した後、集排水口(排水口26)を閉口し、当該Hthを超えた雨水を、注水口24から雨水タンク100へ注水することとした。
(A−3)本シミュレーションの結果および考察
表3において、t=2111において、ΔT毎のリセット排水ステップ(18)を行い、暫く降雨0が続いた後(20単位時間;表3中省略)、t=2131において水位センサ52dがオンとなり、t=2131(Sec1)、2142(Sec2)、2145(Sec3)からΔT以内に、それぞれ水位センサ52uがオンとなったため、計N=3回の初期雨水排水ステップ(17−1)を連続して行った。
3回目の初期雨水排水ステップ(17−1)後、t=2147で水位センサ52dがオンとなり、それからΔT以内のt=2150で水位センサ52uがオンとなって、注水ステップ(17−2)が実行された。t=2147からΔT経過したt=2183に、ΔT毎のリセット排水ステップ(18)が実行された。
(B)従来の初期雨水除去装置の評価装置
(B−1)装置の内容
従来の初期雨水除去装置の評価装置の開発にあたり、擬似的に雨の降り始めから本降りの状態を再現できる装置を作製した。評価装置の写真を、図10に示す。
疑似雨水は、評価装置下部の貯水トレーから浅井戸ポンプで評価装置上部の疑似雨水給水パイプに送水される。その後、軒樋−呼び樋−竪樋を経て初期雨水除去装置(従来型)に導かれ、雨水タンク方向と排水用竪樋方向の二つに分流される。竪樋方向に流れた疑似雨水は、底部貯水トレーに戻り、もう一方の雨水タンク方向に流れた分については計量容器に貯水される。なお、想定する降雨強度に従った疑似雨水流量は、浅井戸ポンプに設置されている三方バルブの開閉調節によって制御される。
(B−2)実験方法
(B−2−1)評価条件および評価対象
単位時間当たりの疑似雨水流量は、想定降雨強度と屋根面積の積によって決定される(表1)。今回の実験では、日本全国の戸建て住宅の平均建築面積86mと、住宅の四隅に竪樋が有るとの仮定から、1本の竪樋が負担する屋根面積をその約1/4の20mとして流量設定した。また、想定降雨強度については、表1に記載されている1〜50mm/hとした。
今回評価対象とした初期雨水除去装置の構造模式図を、図11(a)、(b)、(c)に示す。各初期雨水除去装置の構造は、(1)製品Aが、排水孔方式(図11(a))、(2)製品Bが、流速利用方式(図11(b))、(3)製品Cが、貯留方式(図11(c))、に分類される。
(B−2−2)性能評価試験
従来型の初期雨水除去装置(図11(a)、(b)、(c))の性能評価試験は、評価装置に各初期雨水除去装置を取付け、上記(B−2−1)の評価条件に従って行った。試験は、浅井戸ポンプに設置した三方バルブを操作して任意流量に設定して流量変化が無いことを確認した後、5分間雨水タンク側に分流された疑似雨水を採取、計量して行った。
(B−3)従来型の初期雨水除去装置の性能評価試験結果および考察
製品Aおよび製品B実験時の想定降雨強度と取水率、取水量の関係を、図12に示す。製品Aは、一般的な初期雨水時の降水強度と考えられる1mm/h時の取水率がほぼ0%であり、初期雨水除去性能が比較的高いと考えられる。それ以上の降雨強度では、一般的な強さの雨の強度である3〜10mm/hの雨で60%以上の取水率を示しており、比較的バランスの取れた取水性能を持つことが分る。それ以上の降雨強度では、取水カップ内の雨水が中央部に向かって溢れ、急激に取水率が落ちており、大流量に対応した吐出口形状にすることで、より効率の良い装置になると考えられる。製品Bは、降雨強度1mm/h時から約50%の取水効率を示し、初期雨水除去はあまり期待できない。しかしながら、降雨強度が高い範囲まで取水効率が高く、より多くの雨水貯留を目指す場合に向く。
製品C実験時の想定降雨強度と取水開始時間の関係を、表2に示す。製品Cについては、構造上初期雨水溜まりに初期雨水が満たされた後は、ほぼ100%の取水率となるため、疑似雨水流入開始後から取水開始までの時間を計測した。この装置の場合、取水開始までの状態では、底部のオリフィスから初期雨水溜まり内の水位によって0.3〜1.0L/分で疑似雨水が流出していた。これによって、初期雨水溜まりの容量の小ささをカバーし、より確実に初期雨水を除去することができる。以上のことから、降り始めから一定量の初期雨水を除去しつつ、取水開始後は全量取水するという理想的な動作に近い働きをする装置と位置づけられる。しかしながら、降雨強度の弱い雨が降り続くような場合には取水が始まらず、このような降り方の雨の場合には取水できない。また、装置構造の複雑さからメンテナンスを行う際の煩雑さやオリフィスの目詰まりなどのトラブルが起こる可能性が挙げられる。
(C)本発明に係る装置と従来装置との比較
上述のように、製品Aは、一般的な初期雨水時の降水強度(1mm/h時)での初期雨水除去性能は比較的高く、初期以降の一般的な降雨強度(3〜10mm/h)でも60%以上の取水率を示したが、それ以上の降雨強度では、急激に取水率が落ちた。また、製品Bは、初期雨水除去はあまり期待できない。製品Cについては、降り始めから一定量の初期雨水を除去しつつ、取水開始後は全量取水可能であるが、降雨強度の弱い雨が降り続くような場合には取水が始まらず、このような降り方の雨の場合には雨水タンクへの注水はできない。
これらの従来装置に対して、本発明に係る初期雨水除去装置に本発明の初期雨水除去方法を適用すれば、所定の時間間隔ΔTの調整により、降雨の強弱に拘わらず確実に初期雨水の除去ができると共に、初期雨水除去後は略100%の取水率が期待できる。また、一定の時間間隔(ΔT〔単位時間〕)毎のリセット排水ステップにより、降雨状況を確認できると共に、長時間(ΔT〔単位時間〕以上)にわたって装置内に雨水が溜まっている状態を回避し、常に一定以上の品質の雨水を雨水タンクへ注水することができる。
本実施例6では、現に実装した最新の本発明に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2を紹介する。全体概略図を図14に示す、本実施例6の雨水タンク装置2は、平成27年10月に福井県福井市内で竣工した、新築戸建住宅に設置された。雨水タンクからトイレ、洗濯機、屋外水栓へ配管工事が行われており、雨水を生活用水等として利用可能である。
雨水タンク装置2の構成要素は、雨水タンク2基(100A、100B)、コンピュータ70、初期雨水除去装置1および使用水量の計測装置類である。2基の雨水タンク100A、100Bは2m容積のもので、合計4mの容積をもつ。雨水タンク100A、100Bは、それぞれトイレ用と洗濯および屋外水栓用に用途分類されており、初期雨水除去装置1では除去しきれなかった、汚染物質を含む雨水が雨水タンク100Aからトイレ用タンクに流入し、もう一方の洗濯および屋外水栓用タンクへは初期雨水降雨後の清浄な雨水が雨水タンク100Bから流入する(図13参照)。
屋根1002の竪樋1012(2箇所)から取水した雨水は、地面下の配管1014で運搬され、初期雨水除去装置1内を上昇し、上部から雨水タンク100A内へ流入する。初期雨水除去装置1の内径146mm塩ビパイプの上下2箇所には、フロート式水位センサ52u、52dが取付けられている。初期雨水除去装置1の下部には、排水用電磁バルブ((株)キッツ、EA100−TE)が設置され、コンピュータ70によるコンピュータ制御によってバルブ開閉が行われる。トイレ、洗濯および屋外水栓へは浅井戸用電動ポンプ((株)川本製作所、NF2−150S)により供給する。また、配管に設置された遠隔式水量メータ(愛知時計電機(株)、MG700M)により使用水量の計測が行える。
初期雨水除去装置1のコンピュータ制御および、使用水量計測の概略図を、図15に示す。また、遠隔式水量メータおよび記録用データロガー(グラフテック(株)、GL240)を、図16に示す。水量メータは、10Lの流量毎に内部のリードスイッチがON(短絡)/OFF(絶縁)に切替わる仕様である。各メータのリードスイッチが切り替わる日時をデータロガーで記録する。
また、コンピュータ70の回路図を、図17に示す。回路は、Arduinoと呼ばれるマイクロコンピュータ(以下、マイコン)を用いた組み込みシステムの一種を応用したものである。直流5Vで動作し、回路内には電磁バルブ制御用リレースイッチの他、各項目(リレー作動、電磁バルブの開閉状況、各水量メータの4項目)の確認用LEDがある。また、液晶モニタモジュールにより、電磁バルブの開閉状況や現在のモード、経過時間、リレースイッチの切り替わり回数を表示する。電磁バルブの開閉は、マイコンからの信号により1極双投型のリレースイッチを切替えることにより制御する。
このような実施例6に係る初期雨水除去装置1を備えた雨水タンク装置2を用いて、雨水の有効活用を行えると共に、装備した遠隔式水量メータおよび記録用データロガーを用いて、さらに詳細なデータ収集とその解析を行い、本発明に係る雨水タンク装置2の改善に資することができる。
以上、本発明の初期雨水除去装置、これを備えた雨水タンク装置、雨水タンク装置の通信ネットワーク、初期雨水除去方法について説明したが、本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではない。また、本発明は汚染した初期雨水の除去に主眼を置いたが、初期雨水除去を含む、広く汚染した汚染雨水の除去に対応することもでき、必ずしも初期雨水除去に限定されるものではない。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明に係る初期雨水除去装置は、雨水タンク貯留雨水の水質向上、雨水の取水効率向上、および近年特に顕著に発生する局所的ゲリラ豪雨による都市の洪水被害を効果的な抑制などに利用することができる。
1:初期雨水除去装置
2:雨水タンク装置
3:雨水タンク装置通信ネットワーク
10:本体
10a:導入管(容器A)
10b:排出管(容器B)
10c:通水管
10d:予備貯水管
12、12a、12b:上底部
14、14a、14b:側部
16、16a、16b:底部
22:集水口
24:注水口
26:排水口
50:水位センサ
52:局所水位測定型の水位センサ
52u:上部取付(水位h(t)=Hth)水位センサ
52d:下部取付(水位h(t)=0)水位センサ
54:静電容量式水位センサ
60:排水手段
62:引上げ機構
64:連結機構
66:蓋部
70:コンピュータ
100:雨水タンク
100A:第1雨水タンク
100B:第2雨水タンク
102:センサ
104:送受信装置
106:制御装置
108:自動開閉バルブ
200:コンピュータ装置(放送局、気象観測所などを含む)
1000:建造物
1002:屋根
1010:軒樋
1012:竪樋
1014:給水管
1016:注水管
1017:通水管
1018:排水管
h(t):時刻tにおける水位
OP:開口信号
CL:閉口信号
th:飽和水位信号
:ゼロ水位信号

Claims (18)

  1. 建造物への降雨水を排水するために当該建造物の屋根の下方に取付けた竪樋と雨水タンクとを中継し、
    前記竪樋に接続され、該竪樋から雨水を集水する集水口と、
    該集水口から集水した雨水を排水し得る排水口と、
    前記雨水タンクと接続して通水可能な注水口と、
    を具備する本体が、前記集水した雨水を前記注水口の位置まで貯留可能であり、
    前記注水口の位置を超えた雨水を、該注水口から前記雨水タンクへ注水し得る、貯留方式の初期雨水除去装置であって、
    前記排水口からの水位h(t)を測定可能な、通信装置を備えた水位センサと、
    前記水位センサと送受信可能なコンピュータと、
    前記コンピュータから受信した信号により前記排水口を開閉可能な排水手段と、を備え、
    前記水位センサは、前記本体に貯留した雨水の水位h(t)を感知して前記コンピュータに該水位h(t)を送信し、
    該コンピュータは、該受信した水位h(t)に応じて、前記排水手段に、開口信号SOP又は閉口信号SCLを送信し、
    該開口信号SOP又は該閉口信号SCLを受信した該排水手段が、該受信した信号SOP又はSCLに応じて前記排水口を開閉して、雨水の貯水・排水を行う初期雨水除去装置。
  2. 前記本体は、
    底部と、上底部と、両者を接続する側部とを有する容器であり、
    前記底部近傍に配置した前記排水口の位置を高さ0として、前記注水口の高さが前記所定の高さHthである、請求項1に記載の初期雨水除去装置であって、
    前記集水口を前記竪樋に接続し、
    前記排水口から所定の高さHthに配置した注水口を前記雨水タンクに接続して、
    前記コンピュータから前記閉口信号SCLを受信した前記排水手段が前記排水口を閉口した後、前記本体に貯留して前記所定の高さHthを超えた雨水を、前記注水口から前記雨水タンクへ注水し得る、初期雨水除去装置。
  3. 前記本体は、前記排水口(高さ0)を有し、
    容器A(以下、「導入管」ともいう。)と、これと平行に配置された容器B(以下、「排出管」ともいう。)とを、各々の管の下方で通水管により接続して通水可能なU字管であり、
    前記導入管(容器A)は、
    上底部aと、側部aと、底部aとを有し、該上底部a近傍に集水口22を設け、これを前記竪樋に接続して鉛直方向に配置し、該竪樋から雨水を集水し、
    前記排出管(容器B)は、
    上底部bと、側部bと、底部bとを有し、側部bの内壁に前記水位センサを設置して前記排水口(高さ0)からの水位h(t)を測定し、
    前記本体の前記所定の高さHthに、前記雨水タンクに注水するための前記注水口を設けると共に、該本体の底部(底部a、底部bを含む)の近傍(側部a、側部bを含む)に前記排水口(高さ0)を設けた、
    請求項2に記載の初期雨水除去装置。
  4. 前記U字管の前記通水管から鉛直方向に、予備貯水管を設けた、
    請求項3に記載の初期雨水除去装置。
  5. 前記排水手段は、
    前記本体の上底部に設けた引上げ機構と、前記排水口を開閉する蓋部と、を連結機構により接続し、
    前記コンピュータから、前記開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信した該引上げ機構が、該連結機構を介して該蓋部を開閉可能な、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の初期雨水除去装置。
  6. 前記排水手段は、通信機能を有し、
    前記コンピュータから、前記開口信号SOP又は閉口信号SCLを受信して前記排水口を開閉可能な、電気制御可能な開閉器(以下「バルブ」ともいう。)である、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の初期雨水除去装置。
  7. 前記水位センサは、通信機能を有し、
    前記排水口の高さ0近傍と前記注水口の高さHth間を水位h(t)と共に浮沈可能な全水位測定型の、又は、
    前記注水口の高さHthの少なくとも1箇所に取付けられた局所水位測定型の水位センサであり、
    少なくとも水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知し、前記コンピュータに送信し得る、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の初期雨水除去装置。
  8. 前記水位センサは、通信機能を有し、
    前記排水口の高さ0と前記注水口の高さHth間に、前記本体の内壁に沿って設置された静電容量式水位センサであり、
    水位h(t)を感知して前記コンピュータに送信し得る、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の初期雨水除去装置。
  9. 請求項1に記載の雨水タンクが、
    前記初期雨水除去装置の前記注水口から、該注水口の位置を超えた雨水の注水を受ける、第1電動ポンプを取り付けた第1雨水タンクと、
    前記第1雨水タンクと通水管により接続されて通水可能な、第2電動ポンプを取り付けた第2雨水タンクと、
    を有し、
    第1雨水タンクの貯水が一定の高さに到達すると、該一定の高さを超えた雨水を前記通水管を介して前記第2雨水タンクに注水させることができ、
    前記第1電動ポンプが、前記初期雨水除去装置による初期雨水除去直後の水質レベルの貯水を供給し、
    前記第2電動ポンプが、前記第1電動ポンプより水質レベルの高い貯水を供給し得る、
    初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置。
  10. 請求項1に記載された初期雨水除去装置の前記注水口から、該注水口の位置を超えた雨水の注水を受ける前記雨水タンクが、
    時刻tにおける該雨水タンク内部の貯水量、貯水速度、排水量、排水速度のいずれか1以上を含むデータΩ(t)を感知可能な感知センサと、
    有線又は無線により送受信可能な送受信装置と、
    該送受信装置から得た情報を解析する制御装置を備える自動開閉バルブと、
    を備えた雨水タンク装置であって、
    前記センサが感知したデータΩ(t)を、前記送受信装置から請求項1に記載の初期雨水除去装置が具備するコンピュータに送信可能であり、
    該コンピュータから該送受信装置が受信した情報を前記制御装置が解析して、前記自動開閉バルブを開閉可能な、初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置。
  11. 請求項9に記載の雨水タンク装置において、
    前記雨水タンクを構成する前記第1雨水タンク及び/又は第2雨水タンクが、前記感知センサと、前記送受信装置と、前記自動開閉バルブとを備えた、
    請求項10に記載の初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置。
  12. 広域な町の一般家庭、事業所および公共事業所等の各所に設置した、複数の請求項9に記載の雨水タンク装置が形成するネットワークであって、
    前記複数の雨水タンク装置の初期雨水除去装置が具備する、各々の前記コンピュータと、
    気象データ、河川データを取得可能で、該データに基づいて、前記複数の雨水タンク装置の存在地域の局所的な気象情報、河川情報を計算可能なコンピュータ装置と、
    が公衆回線網又はノード間通信網に接続され、
    前記コンピュータ装置と前記各所に設置した複数の雨水タンク装置とが通信可能な、初期雨水除去装置を備えた雨水タンク装置通信ネットワーク。
  13. (1)初期雨水除去装置を準備するステップと、
    (2)時間計測可能なコンピュータが、所定のサイクル回数N(Nは1以上の整数)を予め記憶する記憶ステップと、
    (3)水位センサが水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知すると、飽和水位信号Sthを前記コンピュータに送信し、これを受信した該コンピュータが前記開口信号SOPを排水手段に送信して、該排水手段が排水口を開口して排水を行う排水ステップと、
    (4)前記コンピュータが前記閉口信号SCLを前記排水手段に送信して、該排水手段が前記排水口を閉口して貯水を開始する貯水開始ステップと、
    (5)連続する前記排水ステップと前記貯水開始ステップからなる初期雨水除去サイクルをN回反復する、初期雨水除去サイクル反復ステップと、
    (6)前記本体内に貯水して前記所定の高さHthを超えた雨水を、前記注水口から雨水タンクへ注水開始する、注水ステップと、
    を含む、初期雨水除去方法。
  14. (1)’初期雨水除去装置を準備するステップにおいて、該初期雨水除去装置の水位センサは水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知可能であり、
    (4)’貯水開始ステップは、
    水位センサが水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sを前記コンピュータに送信し、これを受信した該コンピュータが前記閉口信号SCLを前記排水手段に送信して、該排水手段が前記排水口を閉口して貯水を開始する、
    請求項13に記載の初期雨水除去方法。
  15. (11)初期雨水除去装置を準備するステップと、
    (12)時間計測可能なコンピュータが、所定のサイクル回数Nと、所定の時間間隔ΔTとを、予め記憶する記憶ステップと、
    (13)前記コンピュータから開口信号SOPを受信すると、排水手段が排水口を開口して排水を行う排水ステップと、
    (14)水位センサが水位h(t)=0(排水口の高さ)を感知すると、ゼロ水位信号Sを前記コンピュータに送信し、これを受信した該コンピュータが閉口信号SCLを前記排水手段に送信して、該排水手段が前記排水口を閉口して貯水を開始する貯水開始ステップと、
    (15)前記水位センサが水位h(t)=H(≧0)を感知すると、該水位センサから感知信号を受信した前記コンピュータが、該受信時刻tを計測開始時刻tにセットする計測時刻設定ステップと、
    を含む初期雨水除去方法であって、
    水位センサが水位h(t)=Hth(所定の高さ≧H)を感知すると、
    (16)
    (16−1)t<t+ΔTであれば、前記コンピュータが、サイクル回数kを1増加させ、
    (16−2)t>t+ΔTであれば、該コンピュータが、サイクル回数kを0にリセットする、
    サイクル回数カウントステップと、
    (17)
    (17−1)
    サイクル回数k<Nであれば、前記コンピュータが開口信号SOPを排水手段に送信して、(13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップとからなる初期雨水排水ステップ、
    または、
    (17−2)
    サイクル回数k≧Nであれば、前記所定の高さHthを超えた雨水を、注水口から雨水タンクへ注水開始する注水ステップ、
    の何れかを実行する判別ステップと、
    を含む、初期雨水除去方法。
  16. (12)’前記記憶ステップは、
    (12−1)前記時間計測可能なコンピュータが、ΔT(ΔT<ΔT)を、予め記憶するステップを含み、
    (18)t=t+ΔTの経過時に、
    前記コンピュータが、開口信号SOPを排水手段に送信して、(13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップを行う、リセット排水ステップ、
    を更に含む、請求項15に記載の初期雨水除去方法。
  17. (18)リセット排水ステップは、
    (13)の排水ステップと(14)の貯水開始ステップと(15)の計測時刻設定ステップを行うと共に、サイクル回数kを0にリセットする、
    請求項16に記載の初期雨水除去方法。
  18. (18)’リセット排水ステップは、
    (18−1)
    (18−1−1)前記コンピュータが、t=t+ΔT以内に、前記水位センサから、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信しない非降雨状態の場合は、非降雨期間数mをm=m+1とし、
    (18−1−2)前記コンピュータが、t=t+ΔT以内に、前記水位センサから、水位h(t)=Hth(所定の高さ)を感知した飽和水位信号Sthを受信した降雨状態の場合は、非降雨期間数mをm=0とする、
    非降雨期間数カウントステップを含み、
    (12)前記記憶ステップは、
    (12−2)前記時間計測可能なコンピュータが、前記サイクル回数Nを、前記非降雨期間数mと時間間隔ΔTの積の関数であるサイクル回数N(m・ΔT)として記憶するステップと、
    を含む、請求項16または請求項17に記載の初期雨水除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111606523A (zh) * 2020-07-04 2020-09-01 中科星图(深圳)数字技术产业研发中心有限公司 一种具有雨洪分流的水质净化装置
WO2021150211A1 (en) * 2020-01-21 2021-07-29 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Capacitive fluid level sensing
CN113932862A (zh) * 2021-09-30 2022-01-14 上海市环境科学研究院 一种感潮河网地区旱地农田沟渠入河口水量水质监测方法
CN114753478A (zh) * 2022-03-28 2022-07-15 武汉圣禹排水系统有限公司 基于水压控制柔性截流装置的方法及系统
CN115230571A (zh) * 2022-07-21 2022-10-25 上汽大通房车科技有限公司 一种房车顶部排水装置

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