JP2001181317A - 硬化性組成物およびそれを用いた硬化皮膜の作成方法 - Google Patents

硬化性組成物およびそれを用いた硬化皮膜の作成方法

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JP2001181317A
JP2001181317A JP36862299A JP36862299A JP2001181317A JP 2001181317 A JP2001181317 A JP 2001181317A JP 36862299 A JP36862299 A JP 36862299A JP 36862299 A JP36862299 A JP 36862299A JP 2001181317 A JP2001181317 A JP 2001181317A
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film
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acrylate
meth
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Minoru Nakamura
稔 中村
Takero Sunahara
建朗 砂原
Hiroaki Tanaka
洋明 田中
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリオレフィン基材上に、前処理工程を経るこ
となく密着性が良好な皮膜を作成することができる電子
線硬化性組成物、およびポリオレフィン基材上に密着性
に優れた硬化皮膜を作成する方法の提供。 【解決手段】エチレン性不飽和二重結合を3個以上有す
る重合性化合物およびエチレン性不飽和二重結合を1個
または2個有する重合性化合物を含み、重合性化合物の
全量を基準としたエチレン性不飽和二重結合の量が、5
.0×10-3mol/g以上、1.0×10-2mol
/g以下である電子線硬化性組成物、およびポリオレフ
ィン基材に、前記電子線硬化性組成物を用いて皮膜を作
成し、電子線を照射する硬化皮膜の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、インキ、接
着剤、粘着剤等に使用することのできるポリオレフィン
基材への密着性に優れる硬化性組成物に関する。また、
本発明は、ポリオレフィン基材に、密着性に優れる硬化
皮膜を作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線、電子線等の活性エネルギー線の
照射により硬化する活性エネルギー線硬化型樹脂および
これを含む硬化性組成物は、高速硬化、常温硬化、無溶
剤、省エネルギー、省スペース等の利点を有し、近年、
インキ、塗料、接着剤、粘着剤等にその用途を急速に拡
大してきている。特に、活性エネルギー線硬化型樹脂お
よびこれを含む硬化性組成物は、常温で短時間で硬化で
きることから、耐熱性の乏しいプラスチック基材上に皮
膜を形成するために最適な材料であると考えられてい
る。
【0003】しかしながら、活性エネルギー線硬化型樹
脂およびこれを含む硬化性組成物のプラスチックへの密
着性は一般に劣り、プラスチックへの印刷、コーティン
グに際しては、基材表面に何らかの前処理を行うことが
必要とされる。特に、ポリオレフィンへの密着性は悪
く、ポリオレフィンに対する十分な密着性と硬化性を有
する活性エネルギー線硬化型樹脂およびこれを含む硬化
性組成物はないため、ポリオレフィンへの前処理が必須
とされている。
【0004】前処理の方法としては、例えばコロナ放電
処理、フレーム処理、酸などの薬品による処理等、基材
表面を直接変化させる方法と、プライマーを塗布し塗料
の付着性のよい表面を形成する方法がある。しかしなが
ら、コロナ放電処理などはその効果に時間的、性能的な
限界があったり、その他の基材表面を直接変化させる方
法は基材自体への影響が大きいという欠点を有してい
る。また、プライマー塗布による方法は密着性の向上に
は効果的な方法であり、難密着性の基材では一般的だ
が、工程が増えることで作業性の悪化、コストアップを
もたらす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの前処理の欠点
を改良する方法として、特開昭52−148554号公
報および特開昭52−152972号公報には、ポリオ
レフィン表面に紫外線硬化型組成物を接触させた状態で
紫外線を照射して紫外線硬化型組成物を光グラフト反応
させて、ポリオレフィン表面を改質する方法が開示され
ている。上記方法によれば、密着性の改善されたポリオ
レフィン表面を得ることは可能であるが、表面改質の為
の光グラフト反応をおこなった後に、ポリオレフィン表
面から未反応の紫外線硬化組成物およびグラフトしてい
ない紫外線硬化型組成物の重合体を除去する必要があ
り、工程の増加は間逃れない欠点を有している。
【0006】そこで、本発明は、ポリオレフィン基材上
に、前処理工程を経ることなく密着性が良好な皮膜を作
成することができる電子線硬化性組成物、およびポリオ
レフィン基材上に密着性に優れた硬化皮膜を作成する方
法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エチレン
性不飽和二重結合を3個以上有する重合性化合物および
それ以外の重合性化合物を含み、エチレン性不飽和二重
結合の量が特定範囲内にある電子線硬化性組成物は、電
子線を照射することにより組成物自体が硬化すると同時
にポリオレフィンとグラフトし、ポリオレフィンに対し
て良好な密着性を示す硬化皮膜を形成することを見出
し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、エチレン性不飽和二
重結合を3個以上有する重合性化合物およびエチレン性
不飽和二重結合を1個または2個有する重合性化合物を
含み、重合性化合物の全量を基準としたエチレン性不飽
和二重結合の量が、5.0×10-3mol/g以上、
1.0×10-2mol/g以下であることを特徴とする
電子線硬化性組成物である。また、本発明は、さらに着
色剤を含む上記電子線硬化性組成物である。また、本発
明は、ポリオレフィン基材用途である上記電子線硬化性
組成物である。
【0009】また、本発明は、ポリオレフィン基材に、
上記いずれかの電子線硬化性組成物を用いて皮膜を形成
し、電子線を照射することを特徴とする硬化皮膜の作成
方法である。また、本発明は、電子線の照射線量が20
kGy以上、400kGy以下である上記の硬化皮膜の
作成方法である。
【0010】本発明の電子線硬化性組成物に含まれる重
合性化合物のエチレン性不飽和二重結合は、電子線が照
射されると重合性化合物同士の架橋部位としてはたらき
硬化皮膜を形成させるのと同時に、架橋に関与しないエ
チレン性不飽和二重結合がポリオレフィンとの間でグラ
フト化反応を起こし、硬化皮膜とポリオレフィンとの間
に強力な密着力をもたらす共有結合を形成する。すなわ
ち、硬化皮膜形成とグラフト化が同時におこることで、
強力な密着力を発現する硬化皮膜が形成できると考えら
れる。なお、エチレン性不飽和二重結合の数が1個また
は2個である重合性化合物だけで電子線重合性組成物を
構成すると、密着力発現に必要な量のグラフト化が起こ
らず、密着性が向上しない。
【0011】また、このグラフト化は電子線硬化性組成
物中のエチレン性不飽和二重結合の量にも影響を受け、
良好な密着性を維持するには、重合性化合物の全量を基
準としたエチレン性不飽和二重結合の量が特定範囲内、
すなわち5.0×10-3mol/g以上、1.0×10
-2mol/g以下であることが必要である。エチレン性
不飽和二重結合の量が5.0×10-3mol/g未満で
は密着力発現に必要な量のグラフト化が起こらず、1.
0×10-2mol/gを越えるとグラフト化は充分に起
こるものの、硬化収縮が激しくなり密着性低下を招く。
重合性化合物の全量を基準としたエチレン性不飽和二重
結合の量は、好ましくは5.5×10-3mol/g以
上、9.0×10-3mol/g以下である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電子線硬化性組成物は、
エチレン性不飽和二重結合を含む重合性化合物として、
エチレン性不飽和二重結合を3個以上有するもの、およ
びエチレン性不飽和二重結合を1個または2個有するも
のを含んでいれば限定はない。エチレン性不飽和二重結
合を含む重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリレート系化合物、ビニルエーテル系化合
物、ポリアリル化合物等が挙げられる。これらの化合物
は単独で、または2種類以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0013】エチレン性不飽和二重結合を1個有する
(メタ)アクリレート系化合物としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メトキシ
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、2- ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2- ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2- ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレー
ト、(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロ
ハイドロゲンフタレート、(メタ)アクリロイルオキシ
エチル2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。エチレン性不飽
和二重結合を1個有するビニルエーテル系化合物として
は、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビ
ニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げ
られる。
【0014】また、エチレン性不飽和二重結合を2個有
する(メタ)アクリレート系化合物としては、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変
性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
2-ヒドキロキシ-3- アクリロイロキシプロピル(メタ)
アクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレー
トとヘキサメチレンジイソシアネートからなるウレタン
プレポリマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレー
トとトリレンジイソシアネートからなるウレタンプレポ
リマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレートとイ
ソホロンジイソシアネートからなるウレタンプレポリマ
ー等が挙げられる。
【0015】エチレン性不飽和二重結合を2個有するビ
ニルエーテル系化合物としては、エチレングリコールジ
ビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタ
エリスリトールジビニルエーテル、プロピレングリコー
ルジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニル
エーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、1,4
−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジビニルエーテル、グリセロールジビニルエー
テル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、1,
4−ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエーテル、
1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエ
ーテル、ビスフェノールAジエトキシジビニルエーテ
ル、ビスフェノールSジエトキシジビニルエーテル等が
挙げられる。
【0016】また、エチレン性不飽和二重結合を3個以
上有する(メタ)アクリレート系化合物としては、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネート
からなるウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトール
トリアクリレートとトリレンジイソシアネートからなる
ウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアク
リレートとイソホロンジイソシアネートからなるウレタ
ンプレポリマー等が挙げられる。
【0017】エチレン性不飽和二重結合を3個以上有す
るビニルエーテル系化合物としては、グリセロールトリ
ビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、
トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエ
リスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトー
ルテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキ
サビニルエーテル、ジペンタエリスリトールポリビニル
エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエー
テル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等
が挙げられる。
【0018】本発明の電子線硬化性組成物は、重合性化
合物の全量を基準として、エチレン性不飽和二重結合を
3個以上有する重合性化合物30重量%以上90重量%
以下、エチレン性不飽和二重結合を1個または2個有す
る重合性化合物10重量%以上70重量%以下の比率
で、二種の重合性化合物を含むことが好ましい。エチレ
ン性不飽和二重結合を3個以上有する重合性化合物の比
率が30重量%未満では密着力発現に必要な量のグラフ
ト化が起こらず、90重量%を越えると硬化収縮が激し
くなり密着性低下を招く。さらに好ましくは、エチレン
性不飽和二重結合を3個以上有する重合性化合物が40
重量%以上80重量%以下、エチレン性不飽和二重結合
を1個または2個有する重合性化合物が20重量%以上
60重量%以下である。
【0019】本発明の硬化性組成物には、硬化を阻害し
ない範囲で一般に使用される着色剤、バインダーポリマ
ー、充填剤、重合禁止剤、溶剤、その他の添加剤を含有
させてもよい。着色剤は、おもに着色を目的として用い
られ、カーボンブラック、チタンホワイトなどの無機顔
料、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系などの
有機顔料を用いることができる。また、顔料によって
は、導電性、磁性などの機能を付与することができる。
これらの顔料は、必要に応じて表面が改質されていても
よい。また、染料も、硬化を阻害しない範囲内で自由に
用いることができる。
【0020】バインダーポリマーは、硬化性組成物の粘
度、造膜性、硬化皮膜の物性を調整するために用いられ
る、電子線の照射によりラジカル重合しない樹脂であ
る。バインダーポリマーとしては、重合度10〜500
0、あるいは分子量が103 〜106 の樹脂が好まし
い。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル樹脂、フッソ
樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポ
リブタジエン系樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂やその
変性物を単独で、あるいは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0021】充填剤は、硬化皮膜の物性の改質、意匠の
改善を目的に用いられ、Si系微粒子、雲母、炭酸カルシ
ウム等の無機充填剤を用いることができる。重合禁止剤
は、製造時、あるいは貯蔵中の暗反応によるゲル化防止
のために加える。具体的には、ヒドロキノン、ニトロベ
ンゼン誘導体、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチ
ルクレゾール、p−ベンゾキノン、フェノチアジン,t
−ブチルカテコール、トコフェロール等を用いることが
できる。溶剤は、塗布時の粘度調整を目的に加えること
があり、揮発性溶剤を用い揮発させてもよいし、皮膜物
性の要求によっては硬化皮膜中に残存させてもよい。
【0022】その他の添加剤としては、例えば、顔料分
散剤、レベリング剤、消泡剤、チクソ性付与剤、カップ
リング剤、キレート剤、ワックス、色別れ防止剤、乾燥
剤、増粘剤、垂れ止め剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、
可塑剤等を用いることができる。本発明の電子線硬化性
組成物は、上記の原料を混合し、3本ロール、ボールミ
ル、自動乳鉢、ミキサー、シェーカー、ホモジナイザ
ー、ニーダー等の混練装置で混練することにより製造す
ることができる。
【0023】本発明の電子線硬化性組成物は、ポリオレ
フィン基材に硬化皮膜を形成するのに特に適するが、こ
れはポリオレフィンがポリマー主鎖分解、水素引き抜き
によりグラフト反応開始点が形成し易い為である。ポリ
オレフィン基材としては、低密度ポリエチレン基材、直
鎖状低密度ポリエチレン基材、高密度ポリエチレン基
材、無延伸ポリプロピレンフィルム基材、延伸ポリプロ
ピレン基材、またオレフィン系モノマーと共重合して作
られるエチレン−ビニルアルコール共重合体基材が挙げ
られる。
【0024】本発明の電子線硬化性組成物は、ポリオレ
フィン基材上に一般的な方法で塗布されて皮膜を作成
し、電子線を照射することにより、ポリオレフィン基材
上に密着性が良好な硬化皮膜を作成することができる。
一般的な塗布方法としては、例えばバーコート、スプレ
ーコート、カーテンコート、ロールコート、ナイフコー
ト、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、
凸版印刷等が挙げられる。皮膜の膜厚は、用途に応じて
自由に選ぶことができる。
【0025】電子線は、(1)重合性化合物の硬化トリ
ガー、(2)グラフト化を誘起する活性ラジカルの発生
トリガーの、2つの役割を果たす。ここで活性ラジカル
とは、ポリオレフィンの主鎖切断により発生するポリマ
ーラジカルや、重合性化合物から発生するラジカル種に
よりポリマー鎖から水素引き抜きが起こり発生するポリ
マーラジカルを意味する。ポリオレフィン基材との密着
性発現には、特に、ポリオレフィン鎖から活性ラジカル
が発生しグラフト化が起こることがに重要であり、グラ
フト化量は活性ラジカル発生量に比例する。
【0026】電子線の照射条件とポリオレフィン鎖から
の活性ラジカル発生量は密接に関連しており、電子線の
照射線量が20kGy以上、400kGy以下であると
活性ラジカル発生量が十分に多く、硬化皮膜のポリオレ
フィン基材への密着性が高いため好ましい。照射線量が
20kGy未満ではグラフト化による密着性が発現する
のに十分な量の活性ラジカルが発生せず、400kGy
を越えると電子線照射によるポリオレフィン基材へのダ
メージが大きく機械強度の低下などの実用上の問題が生
ずる。特に、照射線量が30kGy以上、300kGy
以下の場合、十分な密着性が発現して且つポリオレフィ
ン基材へのへの影響も少なく好ましい。
【0027】ここでいう電子線の照射線量は、以下のよ
うに決定した。線量測定フィルム(FARWEST社製
“RADIACHROMICFILMFWT−60−0
0”厚さ44.5μm)に標準線源(Co60ガンマ線)
で照射し、被照射線量とフィルムの吸光度の相関を求め
た。続いて、電子線を照射して着色したフィルムの吸光
度と同じ吸光度を示す標準線源で照射されたフィルムの
被照射線量を、電子線の照射線量として決定した。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 ◎実施例、比較例で使用した化合物の略語を記す。な
お、Mnは、数平均分子量を意味する。
【0029】(重合性化合物) CN975:6官能芳香族ウレタンアクリレート(サー
トマー社製、Mn=約1400) PE4A:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(共栄社化学製、Mn=352) BADGDA:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(共栄社化学製、Mn=484) BS575:6官能ウレタンアクリレート(荒川化学社
製、Mn=818) EB270:2官能芳香族ウレタンアクリレート(ダイ
セルUCB社製、Mn=約1500)
【0030】NDDA:ノナンジオールジアクリレート
(共栄社化学製、Mn=268) TPGDA:トリプロピレングリゴールジアクリレート
(東亜合成化学社製、Mn=300) TMPTA3EO:トリメチロールプロパントリアクリ
レート・エチレンオキサイド3モル付加物(共栄社化学
社製、Mn=429) TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(大阪有機化学社製、Mn=296) TBA:t−ブチルアクリレート(大阪有機化学社製、
Mn=128)
【0031】(光重合開始剤) Irg907:2−メチル−1[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ
・スペシャリティー・ケミカルズ社製) (顔料) PY1450:アゾ系顔料(山陽色素社製) LR6B:アゾ系顔料(東洋インキ製造社製) LBFG7330:フタロシアニン系顔料(東洋インキ
製造社製) MA−11:カーボンブラック(三菱化学社製) CR50:チタンホワイト(石原産業社製)
【0032】(分散剤) S24000SC:高分子系分散剤(ゼネカ社製) BYK−168:高分子系分散剤(ビックケミージャパ
ン社製) S22000:高分子系分散剤(ゼネカ社製) S5000:高分子系分散剤(ゼネカ社製)
【0033】(実施例1〜7、比較例1、2、4)表
1、2に示す各成分を混ぜて調整した硬化性組成物を、
#4のバーコーターで表面処理延伸ポリプロピレン(O
PP)フィルム(二村化学社製「サンオリエントPB2
60」)の表面処理面に塗工した。つぎに、エリアビー
ム型電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製「Cur
etronEBC−200−20−30」 )を用いて、
加速電圧150kV、照射線量40kGyの条件で電子
線を照射して硬化皮膜を作成した。
【0034】得られた硬化皮膜にカッターでクロス状に
傷をつけ、セロハンテープ剥離試験を行い、セロハンテ
ープ剥離後の残存塗膜の様子を目視で観察して、クロス
カット密着性を5段階で評価した。5:クロスカットで
入れた4つの桝目部分が剥がれない。4:3つの桝目部
分が剥がれない(桝目の1つだけが剥がれる。)。3:
2つの桝目部分が剥がれない(2つの桝目が剥がれ
る。)。2:1つの桝目部分が剥がれない(3つの桝目
が剥がれる。)。1:すべての桝目が剥離する。
【0035】また、得られた硬化性組成物を、バーコー
ター#4で、OPPフィルムの表面処理面に塗工し、次
いで表面処理無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム
(東洋紡績社製「パイレンフィルム−CT」)の表面処
理面をラミネートして、加速電圧150kV、照射線量
40kGyの条件で電子線を照射して硬化性組成物を硬
化させ、ラミネート複合フィルムを作成した。得られた
ラミネート複合フィルムのT型剥離強度を、引張り試験
機により、25℃−65%RH雰囲気のもとで、引張り
速度300mm/分、試料幅15mmの条件で測定し
た。結果を表1、2に示す。
【0036】(比較例3)表2に示す各成分を混ぜて調
整した硬化性組成物を、#4のバーコーターで、実施例
1と同様のOPPフィルムの表面処理面に塗工した。つ
ぎに、80W、120Wの水銀ランプ2灯用いて、20
cmの距離から紫外線を照射して硬化皮膜を作成し、実
施例1と同様にしてクロスカット密着性をで評価した。
また、得られた硬化性組成物を、バーコーター#4で、
OPPフィルムの表面処理面に塗工し、次いでCPPフ
ィルムの表面処理面をラミネートして、80W、120
Wの水銀ランプ2灯用いて、20cmの距離から紫外線
を照射してラミネート複合フィルムを作成し、実施例1
と同様にしてT型剥離強度を測定した。結果を表2に示
す。
【0037】(実施例8〜12、比較例5)表3に示す
硬化性組成物を用いて、表3に示す処方のフレキソイン
キを調整した。フレキソインキは、表3に示す各成分
と、その各成分と等重量のガラスビーズ(直径2.0m
m)をマヨネーズビンに入れ、ペイントコンディショナ
ーで2時間分散させた後、ガラスビーズを取り除いて調
整した。得られたインキを、バーコーター#4で、OP
Pフィルムの表面処理面に塗工して、加速電圧150k
V、照射線量40kGyの条件で電子線を照射して硬化
皮膜を作成し、実施例1と同様にしてクロスカット密着
性を評価した。結果を表3に示す。
【0038】(比較例6)実施例8と同様にして調整し
たフレキソインキを、バーコーター#4で、OPPフィ
ルムの表面処理面に塗工した。つぎに、80W、120
Wの水銀ランプ2灯用いて、20cmの距離から紫外線
を照射して硬化皮膜を作成し、実施例1と同様にしてク
ロスカット密着性を評価した。結果を表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明により、これまで前処理工程が必
須であったポリオレフィン基材への印刷、コーティング
において、前処理を行うことなく、ポリオレフィン基材
への密着性が良好な硬化皮膜を作成できるようになっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 4/00 C09J 4/00 C08L 23:02 C08L 23:02 Fターム(参考) 4F006 AA12 AB24 AB64 BA04 EA03 4J011 PA03 PA07 PA22 PB25 PC02 PC08 PC11 QA03 QA08 QA12 QA13 QA14 QA19 QA22 QA23 QA24 QA26 QA33 QA34 QA35 QA37 QA38 QA45 QA46 TA03 TA09 TA10 UA03 VA01 VA06 WA02 WA05 WA06 4J038 FA011 FA111 KA08 PA17 PC08 4J040 FA011 FA081 JB07 KA35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和二重結合を3個以上有す
    る重合性化合物およびエチレン性不飽和二重結合を1個
    または2個有する重合性化合物を含み、重合性化合物の
    全量を基準としたエチレン性不飽和二重結合の量が、5
    .0×10-3mol/g以上、1.0×10-2mol
    /g以下であることを特徴とする電子線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】さらに、着色剤を含む請求項1記載の電子
    線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン基材用途である請求項1ま
    たは2記載の電子線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン基材に、請求項1ないし3
    いずれか記載の電子線硬化性組成物を用いて皮膜を作成
    し、電子線を照射することを特徴とする硬化皮膜の作成
    方法。
  5. 【請求項5】電子線の照射線量が、20kGy以上、4
    00kGy以下である請求項4記載の硬化皮膜の作成方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011150897A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Fujikura Ltd 電子線硬化用導電性ペースト及びこれを用いた回路基板の製造方法
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