JP2019094406A - 活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物、uvインクジェットプリンタ、およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】隠蔽性を発揮する活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を提供する。【解決手段】少なくとも重合性化合物、および重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物であって、活性エネルギー線の照射により硬化した際に白濁する、ことを特徴とする活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物とする。【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物に関する。本発明はまた、活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を搭載したUVインクジェットプリンタに関する。本発明はまた、活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式を採用したインクジェットプリンタは、操作が容易で騒音が小さく、カラー印刷が容易である等の利点があることから、家庭およびオフィスでの出力機器として広く普及している。近年では、インクジェットプリンタは、例えばディスプレイ、ポスター、掲示板等への産業用印刷にも利用されている。
インクジェット印刷に用いられるメディアとしては、紙以外にも種々の基材が用いられている。例えば、メディアとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、ガラス基材等の透明基材が用いられている。透明基材上に隠蔽性を有する画像を形成する場合には、一般的に、基材との定着性を向上させるプライマーインク、隠蔽性を付与するための白色インク、および画像を形成するための着色インクの3種類のインクが用いられる(例えば、特許文献1等参照)。
しかしながら、透明基材への印刷にプライマー、白色インク、および着色インクの3種類を用いることはスループットの低下を招く。また白色インクにより十分な隠蔽性を与えるために、白色インクを多量に使用する必要がある場合がある。また、白色インクは、顔料が沈降し易い場合がある。そのため、プライマーが隠蔽性を発揮することができれば、白色インクを使用する必要がないために有益であると考えられる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明は、隠蔽性を発揮する活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を提供することを目的とする。
本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物は、少なくとも重合性化合物、および重合開始剤を含有する。本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化した際に白濁する。
本発明のUVインクジェットプリンタは、上記の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を搭載している。
本発明のインクジェット記録方法は、上記の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を、透明基材上に塗布する工程と、前記塗布されたプライマーインク組成物上に、活性エネルギー線硬化型の画像形成用インク組成物をインクジェット方式で塗布する工程と、塗布された画像形成用インク組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、を包含する。
本発明によれば、新規な隠蔽性を発揮する活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を提供することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物は、少なくとも重合性化合物、および重合開始剤を含有する。そして、本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化した際に白濁する。すなわち、本発明のプライマーインク組成物は、目視した場合に、硬化前には白濁しておらず、硬化の際に白濁するものである。このように、本発明のプライマーインク組成物が白濁することにより、隠蔽性を有することができる。白濁の程度として、本発明のプライマーインク組成物を所望の塗膜厚みでインクジェット印刷した場合に、硬化前のプライマーインク組成物のヘーズ値が5%未満であり、かつ硬化後のプライマーインク組成物のヘーズ値が5%以上であることが好ましい。硬化後のプライマーインク組成物のヘーズ値は、より好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは15%以上である。なお、ヘーズ値は、例えば公知のヘーズメーターを用いて測定することができる。
本発明のプライマーインク組成物を、活性エネルギー線の照射により硬化した際に白濁させる方法としては、相分離を利用して白濁させる方法が挙げられる。具体的には、重合性化合物に少なくとも2つの成分を含有させ、これらが硬化した際に相分離をさせる方法が挙げられる。以下、重合性化合物に含まれる2つの成分を、成分(1)および成分(2)として説明する。
成分(1)と成分(2)の組み合わせの典型例としては、成分(1)として重合性モノマーと、成分(2)として重合性オリゴマーおよび/または重合性ポリマーとの組み合わせである。したがって、重合性化合物は、成分(1)の重合性モノマーと、成分(2)の重合性オリゴマーおよび重合性ポリマーの少なくとも一方とを含有し、硬化の際にこれらの重合体が相分離することによりプライマー組成物が白濁する。よって、成分(1)および成分(2)は、成分(1)の重合体および成分(2)の重合体の物性の差に基づいて、これらが相分離するように選択される。この物性の差があるように、成分(1)と成分(2)との好ましい組み合わせは、成分(1)として炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートと、成分(2)として極性基を有する重合性オリゴマーおよび/または極性基を有する重合性ポリマーとの組み合わせである。
〔成分(1)の炭化水素系の単官能(メタ)アクリレート〕
本明細書において、炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリレートのエステル基(アルコール残基)が、炭素原子および水素原子からなる基(すなわち、炭化水素基)である化合物のことをいう。炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートとしては、芳香族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートおよび脂肪族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
本明細書において、炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリレートのエステル基(アルコール残基)が、炭素原子および水素原子からなる基(すなわち、炭化水素基)である化合物のことをいう。炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートとしては、芳香族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートおよび脂肪族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
芳香族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートは、分子内に、少なくとも1個の芳香環を有する。芳香族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートの例としては、フェニル(メタ)アクリレート、メチルフェニル(メタ)アクリレート、エチルフェニルメタアクリレート、プロピルフェニル(メタ)アクリレート、ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、エチルベンジル(メタ)アクリレート、プロピルベンジル(メタ)アクリレート、ブチルベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
脂肪族炭化水素系の単官能モノマーの好適な例としては、脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレート、および非脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートは、分子内に、少なくとも1個の脂環式の環状構造を有する。脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートの例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート等が挙げられる。なかでも、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
非脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートは、分子内に、脂環式の環状構造を有しない。非脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートの例としては、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明のプライマーインク組成物中の炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、一方、好ましくは98質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
本発明のプライマーインク組成物においては、重合性単量体が、芳香族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートと、脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートとを含有することが好ましい。本発明のプライマーインク組成物中の芳香族炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上であり、一方、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。本発明のプライマーインク組成物中の脂環式炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、一方、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下である。
〔成分(2)の極性基を有する重合性オリゴマーおよび極性基を有する重合性ポリマー〕
成分(2)の重合性オリゴマーおよび重合性ポリマーが分子内に有する極性基の例としては、酸基(カルボキシル基)、水酸基、アミノ基、ウレタン基などが挙げられる。成分(2)の極性基を有する重合性オリゴマーおよび極性基を有する重合性ポリマーの好適な例としては、酸基を有する(メタ)アクリル系オリゴマー、酸基を有する(メタ)アクリル系ポリマー、およびウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
成分(2)の重合性オリゴマーおよび重合性ポリマーが分子内に有する極性基の例としては、酸基(カルボキシル基)、水酸基、アミノ基、ウレタン基などが挙げられる。成分(2)の極性基を有する重合性オリゴマーおよび極性基を有する重合性ポリマーの好適な例としては、酸基を有する(メタ)アクリル系オリゴマー、酸基を有する(メタ)アクリル系ポリマー、およびウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
酸基を有する(メタ)アクリル系オリゴマーおよび酸基を有する(メタ)アクリル系ポリマーとしては、側鎖または末端に(メタ)アクリル酸基を有する(メタ)アクリル系オリゴマー、および側鎖または末端に(メタ)アクリル酸基を有する(メタ)アクリル系ポリマーが好ましく、その例としては、ダイセル・オルネクス社製の、EBECRYL 745、EBECRYL 754、EBECRYL 767、EBECRYL 1701、およびEBECRYL 1755等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオールとポリイソシアネートとの付加反応により得られるウレタン基(ウレタン結合)を複数有する主骨格(当該複数のウレタン基とそれらより連結された部分)を有し、さらに、末端および/または側鎖に(メタ)アクリル基が導入された化合物である。硬化性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、多官能(特に2〜4官能)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの例としては、ダイセル・オルネクス社製の、EBECRYL 230、EBECRYL 244、EBECRYL 245、EBECRYL 264、EBECRYL 265、EBECRYL 270、EBECRYL 280/15 IB、EBECRYL 284、EBECRYL 285、EBECRYL 294/25 HD、EBECRYL 401、EBECRYL 402、EBECRYL 1259、EBECRYL 4820、EBECRYL 4858、EBECRYL 8200、EBECRYL 8201、EBECRYL 8210、EBECRYL 8307、EBECRYL 8402、EBECRYL 8405、EBECRYL8407、EBECRYL 8411、EBECRYL 8465、EBECRYL 8800−20R、EBECRYL 8804、EBECRYL 8807、EBECRYL 9260、EBECRYL 9270、KRM7735、KRM8296;サートマー社製の、CN929、CN940、CN944B85、CN959、CN961、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J75、CN964、CN964A85、CN964E75、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN966R60、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN982P90、CN983、CN985B88、CN989、CN991、CN996、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9007、CN9008、CN9009、CN9011、CN9178、CN9788、CN9893;Rahn AG社製の、GENOMER 4215、GENOMER 4269/M22、GENOMER 4297、GENOMER 4312、GENOMER 4316;日本合成化学工業社製の、UV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B,UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのガラス転移温度は、常温(例、25℃)以上であることが好ましい。具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのガラス転移温度は、好ましくは30℃以上であり、より好ましくは40℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上である。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは6000以下であり、より好ましくは5500以下であり、さらに好ましくは5000以下である。なお、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、例えばGPC測定により測定することができる。
本発明のプライマーインク組成物中のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、一方、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
なお、重合性化合物は、相分離を阻害しない範囲内でその他の化合物を含んでいてもよい。例えば、重合性化合物は、反応性希釈剤成分となるモノマー(以下、「反応性希釈モノマー」ともいう)を含有していてもよい。反応性希釈モノマーの例としては、(メタ)アクリロイルモルフォリン)等が挙げられる。本発明のプライマーインク組成物中の反応性希釈モノマーの含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、一方、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。
以上、成分(1)および(2)について説明したが、重合性化合物として、その他の化合物(例、ヘテロ原子を含有する単官能(メタ)アクリレート、二官能以上の炭化水素系(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、スチレン系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー等)を用いることも可能である。
本発明のプライマーインク組成物を活性エネルギー線の照射により硬化した際に白濁させるための好ましい重合性化合物の組み合わせとしては、炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートと、極性基を有する重合性オリゴマーおよび極性基を有する重合性ポリマーの少なくとも一方との組み合わせである。より好ましい組み合わせは、炭化水素系単官能(メタ)アクリレートと、酸基を有する(メタ)アクリル系オリゴマーおよびガラス転移温度が30℃以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの少なくとも一方との組み合わせである。
〔重合開始剤〕
本発明のプライマーインク組成物は、重合開始剤を含有する。開始剤は、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生して、上述の重合性化合物の重合を開始させる成分である。重合開始剤としては、例えば、照射される活性エネルギー線(例、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線、イオンビーム等)に感度を有する公知の光重合開始剤を用いることができる。
本発明のプライマーインク組成物は、重合開始剤を含有する。開始剤は、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生して、上述の重合性化合物の重合を開始させる成分である。重合開始剤としては、例えば、照射される活性エネルギー線(例、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線、イオンビーム等)に感度を有する公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤の例としては、アシルホスフィンオキサイド系開始剤、α−アミノアルキルフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アリールアルキルケトン系開始剤、オキシムケトン系開始剤、アシルホスホナート系開始剤、チオ安息香酸S−フェニル系開始剤、チタノセン系開始剤、芳香族ケトン系開始剤、ベンジル系開始剤、キノン誘導体系開始剤、ケトクマリン系開始剤などが挙げられる。なかでも、高い硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド系開始剤、α−アミノアルキルフェノン系開始剤、およびチオキサントン系開始剤が好ましく、アシルホスフィンオキサイド系開始剤がより好ましい。光重合開始剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アシルホスフィンオキサイド系開始剤の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−エチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−イソプロピルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチルシクロヘキサノイルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
α−アミノアルキルフェノン系開始剤の例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−2−オン等が挙げられる。
チオキサントン系開始剤の例としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン,2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
本発明のプライマーインク組成物中の光重合開始剤の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、一方、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。光重合開始剤の含有量が上記範囲にあると、プライマーインク組成物に高い硬化性を付与することができ、低温状態において光重合開始剤がプライマーインク組成物から析出することを防止できる。
〔重合促進剤〕
本発明のプライマーインク組成物は、重合促進剤をさらに含有してもよい。重合促進剤の例としては、アミン類、スルフィン酸およびその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、スズ化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩などが挙げられる。重合促進剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のプライマーインク組成物は、重合促進剤をさらに含有してもよい。重合促進剤の例としては、アミン類、スルフィン酸およびその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、スズ化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩などが挙げられる。重合促進剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のプライマーインク組成物中の重合促進剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、一方、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。重合促進剤の含有量が上記範囲にあると、プライマーインク組成物の硬化性を効果的に高めることができる。
〔界面活性剤〕
本発明のプライマーインク組成物は、界面活性剤をさらに含有していてもよい。界面活性剤は、表面張力および界面張力を適正化する成分である。界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。ノニオン性界面活性剤の例としては、ソルビット系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。なかでも、少量で静的表面張力を調整できることから、シリコーン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のプライマーインク組成物は、界面活性剤をさらに含有していてもよい。界面活性剤は、表面張力および界面張力を適正化する成分である。界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。ノニオン性界面活性剤の例としては、ソルビット系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。なかでも、少量で静的表面張力を調整できることから、シリコーン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のプライマーインク組成物中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上であり、一方、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。
〔その他の成分〕
本発明のプライマーインク組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、pH調整剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有していてもよい。
本発明のプライマーインク組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、pH調整剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有していてもよい。
〔色材〕
本発明のプライマーインク組成物は、色材を実質的に含有しない。色材の例としては、染料、顔料等が挙げられる。なお、本明細書において、「プライマーインク組成物が色材を実質的に含有しない」とは、プライマーインク組成物中の色材の含有量が、0.1質量%未満であることをいい、プライマーインク組成物中の色材の含有量は、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは、0.01質量%以下、さらに好ましくは0質量%(すなわち、プライマーインク組成物が色材を含有しない)である。
本発明のプライマーインク組成物は、色材を実質的に含有しない。色材の例としては、染料、顔料等が挙げられる。なお、本明細書において、「プライマーインク組成物が色材を実質的に含有しない」とは、プライマーインク組成物中の色材の含有量が、0.1質量%未満であることをいい、プライマーインク組成物中の色材の含有量は、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは、0.01質量%以下、さらに好ましくは0質量%(すなわち、プライマーインク組成物が色材を含有しない)である。
本発明のプライマーインク組成物は、各成分を公知方法に従って混合することにより作製することができる。
本発明のプライマーインク組成物を、活性エネルギー線により硬化させた場合には、本発明のプライマーインク組成物の硬化物が白濁し、これにより隠蔽性が得られる。したがって、本発明のプライマーインク組成物を用いて透明基材に対して画像形成を行う場合には、隠蔽性を付与するために白色インクを使用しなくてもよい。したがって、従来方法による白色インクの使用によるスループットの低下、白色インクの消費、白色インクの保存安定性などの問題を解消することができる。よって、本発明のプライマーインク組成物は、透明基材に対する画像形成(印刷)に極めて有用である。また、本発明のプライマーインク組成物は、インクジェット用のプライマーインク組成物として好適に用いることができる。
また、本発明のプライマーインク組成物を用いてガラス基材に画像形成を行った際には、画像の定着性が特に高くなる。したがって、本発明のプライマーインク組成物は、ガラス基材に用いることが有利である。本発明のプライマーインク組成物は、透明性のない基材に対しても用いることができる。本発明のプライマーインク組成物を用いてアルミニウム基材に画像形成を行った際には、画像の定着性が特に高くなる。
そこで別の側面から、本発明は、上記の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物(本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物として説明したインク組成物)を、透明基材上に塗布する工程(以下、「プライマー塗布工程」ともいう)と、当該塗布されたプライマーインク組成物上に、活性エネルギー線硬化型の画像形成用インク組成物をインクジェット方式で塗布する工程(以下、「画像形成用インク塗布工程」ともいう)と、塗布された画像形成用インク組成物に活性エネルギー線を照射する工程(以下、「照射工程」ともいう)と、を包含するインクジェット記録方法である。
プライマー塗布工程は、公知方法に従い、上記のプライマーインク組成物を、透明基材上に塗布することにより行うことができる。プライマーインク組成物を基材上に塗布する範囲は、通常、画像形成インクを塗布する範囲と同じか、それよりも広い範囲である。透明基材の例としては、ガラス基材;アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明樹脂基材が挙げられる。
塗布方法の具体例としては、インクジェット記録装置(即ち、インクジェットプリンタ)を用いて、インクジェット記録方式により、上記の基材上に、上記のプライマーインクの微細な液滴を吐出する方法、塗布装置(即ち、コーター)を用いて、上記の基材上に、上記のプライマーインクをコーティングする方法が挙げられる。これらのうち、インクジェット記録方式による方法が好ましい。
プライマー塗布工程の後に、塗布されたプライマーインク組成物を半硬化する工程を行ってもよい。ここで、「半硬化」とは、部分的な硬化(すなわち、プライマーインク組成物が部分的に硬化しているが完全に硬化していない状態)を意味する。半硬化は、塗布されたプライマーインク組成物に活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。活性エネルギー線の例としては、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線、イオンビーム等が挙げられる。照射条件は、プライマーインク組成物が含有する重合開始剤の種類と量等により適宜決定すればよい。あるいは、半硬化は、塗布されたプライマーインク組成物を加熱することにより行なうことができる。加熱条件は、プライマーインク組成物が含有する重合開始剤の種類と量などにより適宜決定すればよい。
ここで、プライマーインク組成物は、硬化の際に白濁するため、硬化後のプライマー層は、隠蔽性を有する。そのため、隠蔽性を付与するために白色インクを使用する必要がない。したがって、塗布されたプライマーインク組成物の直上に、白色インク組成物の塗布を行わないことが好ましい。このとき、高いスループットで画像を形成でき、白色インク使用に伴う問題を解消することができ、有利である。なお、プライマーインク組成物の直上に白色インク組成物が塗布されるとは、プライマーインク組成物に白インク組成物が接触するように塗布されることをいう。
画像形成用インク塗布工程は、公知方法に従い、インクジェット記録装置を用いて、塗布されたプライマーインク組成物上に、活性エネルギー線硬化型の画像形成用インク組成物をインクジェット方式で吐出することにより行うことができる。
画像形成用インクとしては、例えば、色材を含有する公知の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いることができる。
照射工程は、公知方法に従い行なうことができる。活性エネルギー線の例としては、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線、イオンビーム等が挙げられる。照射条件は、画像形成用インクおよびプライマーインク組成物が含有する重合開始剤の種類と量などにより適宜決定すればよい。
照射工程により、プライマーインク組成物および画像形成用インク組成物が硬化して、画像が形成される。このとき、プライマーインク組成物が硬化したプライマー層は、白濁しているため、隠蔽性の高い画像を得ることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、上記の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を搭載しているUVインクジェットプリンタを用いて容易に行うことができる。UVインクジェットプリンタは、典型的には、基材搬送用ローラと、インクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドに接続されたインク収容部と、UV照射器とを備える。当該インク収容部は、上記の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を含む。UVインクジェットプリンタは、シングルパス方式とマルチパス方式のいずれであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
〔活性エネルギー線硬化型プライマーインクの調製〕
表1に記載の各成分を、表1に示す質量割合で均一に混合して、各実施例および各比較例の活性エネルギー線硬化型プライマーインクを得た。得られたプライマーインクを用いて、下記の方法にて隠蔽性および定着性を評価した。
表1に記載の各成分を、表1に示す質量割合で均一に混合して、各実施例および各比較例の活性エネルギー線硬化型プライマーインクを得た。得られたプライマーインクを用いて、下記の方法にて隠蔽性および定着性を評価した。
〔隠蔽性〕
PETフィルムに22μmバーコーターを用いて各実施例および各比較例のプライマーインクを塗布した後、4000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させた。プライマーインクを硬化させたPETフィルムを、黒いポリ塩化ビニル製のメディア(3M スコッチカルマスターカット)上に載せた試料を作製した。この試料について、X−Rite社製の分光側色計「i1Pro」を用いてD50光源、2°視野の条件で反射濃度を測定し、下記の基準で隠蔽性を評価した。結果を表1に示す。
○:OD値が1.0未満
△:OD値が1.0以上1.5未満
×:OD値が1.5以上
PETフィルムに22μmバーコーターを用いて各実施例および各比較例のプライマーインクを塗布した後、4000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させた。プライマーインクを硬化させたPETフィルムを、黒いポリ塩化ビニル製のメディア(3M スコッチカルマスターカット)上に載せた試料を作製した。この試料について、X−Rite社製の分光側色計「i1Pro」を用いてD50光源、2°視野の条件で反射濃度を測定し、下記の基準で隠蔽性を評価した。結果を表1に示す。
○:OD値が1.0未満
△:OD値が1.0以上1.5未満
×:OD値が1.5以上
〔定着性〕
ガラス基材上およびアルミ基材上に、ローランド ディー.ジー.社製のUV−LEDインクジェットプリンタ「LEF−20」を用いて各実施例および各比較例のプライマーインクを印刷し、さらにその上にECO−UVインクを印刷した。JIS K 5600−5−9:1999に記載のクロスカット法にて、ガラス基板上およびアルミ基材上にそれぞれ印刷された塗膜(画像)の定着性試験を行い、下記の基準により、定着性を評価した。結果を表1に示す。
5:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
4:カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、および/または交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
2:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大はがれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
1:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大はがれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に35%を超えるが65%を上回ることはない。
0:はがれの程度が上記分類1を超える場合。
ガラス基材上およびアルミ基材上に、ローランド ディー.ジー.社製のUV−LEDインクジェットプリンタ「LEF−20」を用いて各実施例および各比較例のプライマーインクを印刷し、さらにその上にECO−UVインクを印刷した。JIS K 5600−5−9:1999に記載のクロスカット法にて、ガラス基板上およびアルミ基材上にそれぞれ印刷された塗膜(画像)の定着性試験を行い、下記の基準により、定着性を評価した。結果を表1に示す。
5:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
4:カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、および/または交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
2:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大はがれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
1:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大はがれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に35%を超えるが65%を上回ることはない。
0:はがれの程度が上記分類1を超える場合。
(表中の各成分についての数値は、質量割合を示す。)
BZA:ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製)
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学社製)
ACMO:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ社製)
EBECRYL 767:アクリル系オリゴマー(ダイセル・オルネスク社製)
UF−8001G:ウレタンアクリレートオリゴマー、2官能、分子量約4500、ガラス転移温度56℃(共栄社化学社製)
EBECRYL 600:ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート(ダイセル・オルネスク社製)
EBECRYL 4491:ウレタンアクリレートオリゴマー、2官能、重量平均分子量7000、硬化物ガラス転移温度−45℃(ダイセル・オルネスク社製)
Irgacure TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
BYK−UV3500:シリコーン系界面活性剤(ビックケミージャパン社製)
BZA:ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製)
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学社製)
ACMO:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ社製)
EBECRYL 767:アクリル系オリゴマー(ダイセル・オルネスク社製)
UF−8001G:ウレタンアクリレートオリゴマー、2官能、分子量約4500、ガラス転移温度56℃(共栄社化学社製)
EBECRYL 600:ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート(ダイセル・オルネスク社製)
EBECRYL 4491:ウレタンアクリレートオリゴマー、2官能、重量平均分子量7000、硬化物ガラス転移温度−45℃(ダイセル・オルネスク社製)
Irgacure TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
BYK−UV3500:シリコーン系界面活性剤(ビックケミージャパン社製)
隠蔽性の評価において、重合性化合物が、成分(1)として重合性モノマーと、成分(2)として重合性オリゴマーとを含有する実施例1および2の活性エネルギー線硬化型プライマーインクは、紫外線照射によって硬化する際に白濁した。その結果、実施例1および2の活性エネルギー線硬化型プライマーインクを用いて印刷を行った場合には、表1に示すように高い隠蔽性が得られた。これに対し、重合性化合物の成分(2)に該当する成分を含有しない比較例1の活性エネルギー線硬化型プライマーインクは、紫外線照射によって硬化する際に白濁しなかった。その結果、表1に示すように、隠蔽性が得られなかった。重合性化合物の成分(2)として重合性オリゴマーではなく、重合性モノマー(エポキシアクリレートモノマー)を含有する比較例2の活性エネルギー線硬化型プライマーインクは、紫外線照射によって硬化する際に白濁しなかった。その結果、表1に示すように、隠蔽性が得られなかった。成分(2)としてガラス転移温度が低いウレタン(メタ)アクリレートを含有する比較例3の活性エネルギー線硬化型プライマーインクは、紫外線照射によって硬化する際に、白濁しなかった。その結果、表1に示すように、隠蔽性が得られなかった。
一方、定着性の評価では、実施例1および2の活性エネルギー線硬化型プライマーインクを用いた場合、得られた画像は、アルミニウム基材およびガラス基材に対して優れた定着性を示した。これに対し、比較例1〜3の活性エネルギー線硬化型プライマーインクを用いた場合、得られた画像は、アルミニウム基材およびガラス基材に対して十分な定着性を示さなかった。以上のことから、本発明のプライマーインク組成物は、ガラス基材のような透明基材以外にも、アルミニウム基材のような透明性のない基材にも使用可能であることがわかる。
本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物は、透明基材に対するインクジェット画像形成(印刷)用途に極めて有用である。よって、本発明の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物は、産業用印刷用途(例えばディスプレイ、ポスター、掲示板等への印刷用途)に非常に適している。本発明のプライマーインク組成物は、透明性のない基材に使用することもできる。
Claims (8)
- 少なくとも重合性化合物、および重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物であって、
活性エネルギー線の照射により硬化した際に白濁する、
ことを特徴とする活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物。 - 色材を実質的に含有しない、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物。
- 前記重合性化合物が、重合性モノマーと、重合性オリゴマーおよび重合性ポリマーの少なくとも一方とを含有し、硬化の際にこれらの重合体が相分離することにより白濁する、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物。
- 前記重合性化合物が、炭化水素系の単官能(メタ)アクリレートと、極性基を有する重合性オリゴマーおよび極性基を有する重合性ポリマーの少なくとも一方とを含有する、請求項3項に記載の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物。
- 前記重合性化合物が、炭化水素系単官能(メタ)アクリレートと、酸基を有する(メタ)アクリル系オリゴマーおよびガラス転移温度が30℃以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの少なくとも一方とを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を搭載している、UVインクジェットプリンタ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物を、透明基材上に塗布する工程と、
前記塗布されたプライマーインク組成物上に、活性エネルギー線硬化型の画像形成用インク組成物をインクジェット方式で塗布する工程と、
塗布された画像形成用インク組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、
を包含する、インクジェット記録方法。 - 前記塗布されたプライマーインク組成物の直上に、白色インク組成物の塗布を行わない、請求項7に記載のインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017223558A JP2019094406A (ja) | 2017-11-21 | 2017-11-21 | 活性エネルギー線硬化型プライマーインク組成物、uvインクジェットプリンタ、およびインクジェット記録方法 |
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JP (1) | JP2019094406A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11807768B2 (en) | 2019-10-31 | 2023-11-07 | General Co., Ltd. | Inkjet ink, hiding layer coating agent, recording sheet and method for manufacturing the same, recorded product and method for manufacturing the same, and image recording ink |
-
2017
- 2017-11-21 JP JP2017223558A patent/JP2019094406A/ja active Pending
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