JP2001180537A - エアースポイラー - Google Patents

エアースポイラー

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JP2001180537A JP36594299A JP36594299A JP2001180537A JP 2001180537 A JP2001180537 A JP 2001180537A JP 36594299 A JP36594299 A JP 36594299A JP 36594299 A JP36594299 A JP 36594299A JP 2001180537 A JP2001180537 A JP 2001180537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剛性や強度を向上させることができると共に、
車体との取付け箇所に左右されずに良好な外観意匠性及
び空力性能を保持することを可能にした、ブロー成形に
より一体形成されたエアースポイラーを提供する。 【解決手段】ブロー成形により製造され、車両(2) に取
り付けられる熱可塑性樹脂製のエアースポイラー(1)
は、車幅方向に延在される中空状のスポイラー本体部(1
1)と、同スポイラー本体部(11)の少なくとも一端縁部に
沿って延在し、且つ一体に連設された長尺板状の中実連
設部(12)とから構成されている。前記スポイラー本体部
(11)と前記中実連設部(12)との境界部分に、同中実連設
部(12)側から前記スポイラー本体部(11)側に向かって下
降する段差部(25,25’) を有している。表面にヒケを生
じることなく、また、前記スポイラー本体部(11)の内部
に板リブ等で補強を行う必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は車両に装着されるエアー
スポイラーに係わり、特に、ブロー成形により一体形成
されたエアースポイラーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のトランクリッドやルーフ
エンドに取付けられ、車体の空力性能と美観とを向上さ
せるエアースポイラーがある。この種エアースポイラー
が、例えば特開平7一10047号公報に開示されてい
る。同公報に開示された自動車用エアースポイラーは、
加熱軟化している熱可塑性合成樹脂材のパリソンをブロ
ー成形することにより一体形成された長尺状をなす中空
構造体から構成されている。
【0003】この従来のエアースポイラーは、前記中空
構造体の表壁及び裏壁の間に長手方向に延在する複数の
板状リブをブロー成形時に同時に溶着して一体に形成し
ている。この板状リブの前記表壁に対する溶着部分は、
その溶着部分の内部に空隙を形成することにより前記表
壁に接合溶着する接合面を狭く設定するか、或いは同溶
着部分を薄肉に形成することにより前記接合面を狭小に
設定している。
【0004】上記のごとき構成された従来のエアースポ
イラーによれば、前記中空構造体の表壁の外観表面に前
記板状リブに基づく溶着痕、ひけ、そりが発生すること
を防止することができると共に、中空状成形品であるエ
アースポイラーの剛性や外観意匠性を向上させることが
でき、併せて、衝撃や振動を受けても異音を生じること
がないとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
7一10047号公報に開示された自動車用エアースポ
イラーは、板状リブを中空構造体の内部に立ち上げて補
強をしているため、同中空構造体内の全体にわたって前
記板状リブを形成しなければならない。また、この従来
のエアースポイラーに扁平な中空構造体を得ようとして
も、加熱軟化している熱可塑性合成樹脂材のパリソンの
内部に空気を吹き込んで中空に膨らますため、この中空
状成形品は前記パリソンの厚みの数倍の外形寸法とな
る。
【0006】このため、従来の前記エアースポイラーに
あっては、前記板状リブにより前記中空構造体の剛性を
向上させることはできるものの、車体との装着箇所によ
っては空力性能及び外観意匠性が大幅に制限を受ける場
合がある。つまり、前記中空構造体の外形寸法を極力薄
くすることにより、例えばミニバン等の車両のルーフエ
ンド上に前記エアースポイラーを取り付けたい場合があ
っても、前記中空構造体の外形寸法に、同中空構造体の
下面及び車両のルーフパネル面の間の空間に走行時の風
を導入する通路の空間寸法を加えた取付高さ寸法とな
り、前記中空構造体が前記ルーフパネル面上から立ち上
がってしまう。
【0007】そこで、図7に示すように、従来の中空状
のエアースポイラー1をミニバン等の車両2におけるル
ーフパネル4のルーフエンド4a上に装着するに際して
は、同ルーフエンド4aの近傍に配されたリアハッチド
ア3のハッチパネル3aを利用することが考えられる。
この場合には、前記エアースポイラー1を前記ハッチパ
ネル3aに対して片持ち状態に取り付け、前記エアース
ポイラー1の上面部を車両後方に水平に突出させる。こ
れにより、ようやく前記ルーフパネル4のルーフエンド
4aから立ち上がる取付高さ寸法を小さく抑えることが
できる。
【0008】しかしながら、前記エアースポイラー1を
車両に対して片持ち状態に取り付けざるを得ないため、
車体との取付強度を充分に確保せねばならないという新
たな課題が生じる。従って、前記ルーフエンド4a上に
取り付けるこの種のエアースポイラー1にあっては、上
記公報に開示されたごとき中空状のエアースポイラーを
採用することは大変に難しい。
【0009】また、加熱軟化された熱可塑性樹脂材のパ
リソンのブロー成形により一体形成された中空構造体か
らなるエアースポイラーにあっては、例えばウオッシャ
ノズル、ワイパーアームとの干渉を防止したり、前記中
空構造体の一部の外形寸法を薄くし、取付高さ寸法を低
くしたい場合がある。この場合には、ブロー成形時に一
側端縁から他側端縁にわたって前記パリソンを押し当て
て接合溶着させた扁平な中実連設部とすると同時に、同
中実連設部の周縁に沿って連続する中空構造体をブロー
成形することが考えられる。
【0010】しかして、型締め時には、前記中実連設部
に対応するパリソンに対する押し圧力により、同パリソ
ンが前記中空構造体に対応する成形面に沿って微小に移
動しようとする。しかも、型締め後の空気吹込時では、
前記中実連設部と前記中空構造体との境界部分に対応す
るパリソンには空気吹込圧が作用しないため、前記境界
部分に対応するパリソンが前記中空構造体に対応するパ
リソンの膨張に伴って前記中空構造体側に向けて微小に
引っ張られる。その結果、成形品表面の平滑性が不均一
となり、外観意匠性や強度等が損なわれるという不具合
がある。
【0011】本発明は、かかる従来の課題を解消すべく
なされたものであり、その具体的な目的は、剛性や強度
を向上させることができると共に、車体との取付け箇所
に左右されずに良好な外観意匠性及び空力性能を保持す
ることを可能にした、ブロー成形により一体形成された
エアースポイラーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明にお
けるエアースポイラーは、請求項1に係る発明のごと
く、ブロー成形により製造され、車両に取り付けられる
熱可塑性樹脂製のエアースポイラーであって、車幅方向
に延在される中空状のスポイラー本体部と、同スポイラ
ー本体部の少なくとも一端縁部に沿って延在し、且つ一
体に連設された長尺板状の中実連設部とから構成されて
なり、前記スポイラー本体部と前記中実連設部との境界
部分に、同中実連設部側から前記スポイラー本体部側に
向かって下降する段差部を有してなることを特徴とする
エアースポイラーである。
【0013】この請求項1に係る発明によれば、加熱軟
化している熱可塑性樹脂材のパリソンのブロー成形時に
おいて、同パリソン同士を押し当てて接合溶着させた中
実連設部と、この中実連設部に連続して成形される中空
状のスポイラー本体部との境界部分に対応するパリソン
は、前記中実連設部側から前記スポイラー本体部側に向
かって下降する段差部に対応する段差成形面により強く
押圧される。このため、前記パリソンの前記スポイラー
本体部に向かう動きを抑制し、前記スポイラー本体部に
対応する成形空間方向に向かって伸びることなく、前記
中実連設部に対応するパリソンを一定の位置に挟んで安
定化させる。この状態で、一方の前記スポイラー本体部
に対応するパリソンの内部に空気を吹き込む吹込圧によ
ってスポイラー本体部がブロー成形される。
【0014】その結果、前記中実連設部に対応するパリ
ソンを一定の位置に安定化させ、同パリソンの動きを抑
制することができるため、前記パリソンを所望の肉厚寸
法に成形することができ、しかも前記スポイラー本体部
と前記中実連設部との境界部分にヒケを生じさせないで
表面が平滑な長尺板状をなす中実連設部が得られる。前
記中実連設部に対応するパリソンの厚みは、前記スポイ
ラー本体部に対応するパリソンの厚みに比して肉厚に形
成される。なお、前記段差部はブロー成形後に研磨する
ことによりエアスポイラーの上面部を段差のない平滑面
とすることができ、また造形ラインとして残すこともで
きる。
【0015】従って、本発明によれば、前記スポイラー
本体部の少なくとも一端縁部に表面が平滑で所望の厚肉
寸法からなる前記中実連設部を有しているため、車両に
対する取付高さを低くして、前記エアースポイラーの下
面部及び車体の間に走行時の風を導入する空間寸法を充
分に確保した状態で前記エアースポイラーを車両に強固
に取り付けることができる。更に、従来の上記公報のご
とく前記スポイラー本体部の内部に板状リブを成形させ
る必要もなく、前記エアースポイラーの剛性や強度をも
向上させることができる。
【0016】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明の段差部は凹溝部から構成されていることを規定して
いる。この発明によれば、請求項1に係る発明の作用効
果に加えて、前記中実連設部と前記スポイラー本体部と
の境界部分におけるパリソンの肉厚の変化に伴って生じ
るヒケを更に一層防止することができると共に、平滑な
表面を得ることができる。更に、前記凹溝部を介して前
記中実連設部を撓ませ易いため、車体との取付け作業を
効率良く行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
の代表的な第1実施形態であるエアースポイラーを自動
車に装着した状態を示す外観斜視図、図2は図1のA−
A線矢視断面図であり、図3は同エアースポイラーの一
部を切欠いて示す部分断面斜視図である。なお、第1実
施形態では車両のリアハッチドアに取り付けられたエア
ースポイラーを例に挙げて説明するが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えばトランクリッド、ルー
フエンドやバンパーなどにも適用することができる。ま
た、これらの図にあって図7に示した上記従来技術と同
様の部材に関しては、図に付した符号と同一の符号を付
している。
【0018】これらの図において、符号1はミニバン等
の車両2のリアハッチドア3に装着された本発明のエア
ースポイラーを示している。このエアースポイラー1は
PP樹脂、PE樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂材
のパリソンをブロー成形することにより形成される。こ
の第1実施形態によれば、前記エアースポイラー1は車
体幅方向に延在される断面略楔形をなすABS樹脂製の
中空状成形品であり、中空部11aを有するスポイラー
本体部11と、同スポイラー本体部11の上端縁部に連
設して車体前方に延在される扁平な長尺板状の中実連設
部12とを備えている。前記スポイラー本体部11及び
前記中実連設部12の左右両側は滑らかに折曲された末
広がり状の車体取付脚部13,13を構成している。
【0019】前記エアースポイラー1は前記スポイラー
本体部11及び前記中実連設部12によりそれぞれ滑ら
かに連続する上面部21及び下面部22と、これらの上
面部21及び下面部22に滑らかに連設する凹面状の後
面部23とを有している。前記下面部22は前記中実連
設部12から下方向に向かって弓形状に湾曲して滑らか
に延びる傾斜曲面部17と、同傾斜曲面部17から上方
向に向かって滑らかに折曲して延びる傾斜部18とから
構成されている。前記中実連設部12の先端部には、補
強や良好な触感を得るために断面が略円形をなす膨出部
12aが形成されている。
【0020】前記エアースポイラー1の上面部21及び
車体取付脚部13には前記中実連設部12側から前記ス
ポイラー本体部11側に向かって下降する本発明の特徴
部をなす階段状の段差部25が設けられている。同段差
部25はブロー成形時に、加熱軟化された熱可塑性樹脂
材のパリソンを押し当てて接合溶着させた中実連設部1
2と、パリソンの内部に空気を吹き込んで膨張させたス
ポイラー本体部11との境界部分に形成されている。前
記段差部25の設定高さ寸法は約0.5〜3.0mm程
度が好ましい。本実施形態にあっては、前記段差部25
の高さ寸法を約1.0mmに設定してある。
【0021】図1に示すように、前記リアハッチドア3
はハッチパネル3a、前方の水平ガラス3b及び後方の
傾斜ガラス3cを備えており、車両2のルーフパネル4
のルーフエンド4aに図示せぬヒンジを介して開閉可能
に取り付けられている。前記水平ガラス3bは前記ハッ
チパネル3aの全幅をカバーする前後に短い板ガラスで
あり、前記傾斜ガラス3cは同じく前記ハッチパネル3
aの全幅をカバーする大きなガラスである。前記エアー
スポイラー1の車体取付脚部13は、例えば図示を省略
したブラケット及び同じく図示せぬ粘着テープなどを用
いて前記ガラス3b及び3c、前記ハッチパネル3aに
取り付けられている。
【0022】図2に示すように、前記エアースポイラー
1の下面部22は前記車体取付脚部13を介して各ガラ
ス3b,3cに所定の間隔をおいて配される。これによ
り、前記エアースポイラー1の下面部22及び前記水平
ガラス3bの間の空間に走行時の風ARが入り、その走
行風は前記傾斜ガラス3cに向かって流れ、走行風の巻
き込みにより発生する渦による前記傾斜ガラス3cの泥
汚れが抑制できる。
【0023】図2を参照すると、前記中実連設部12を
中空構造に形成した場合には、前記中実連設部12の外
形寸法に、前記エアースポイラー1の下面部22及び前
記水平ガラス3bの間に走行時の風ARを導入する通路
の空間寸法を加えた取付高さ寸法となり、前記エアース
ポイラー1が車両2のルーフパネル4から立ち上がり、
かなり高くならざるを得ないことが分かる。
【0024】これに対して、本発明は前記スポイラー本
体部11の少なくとも一端縁部に扁平な長尺板状の前記
中実連設部12を連設しているため、前記エアースポイ
ラー1の下面部22及び前記水平ガラス3b間の走行風
の通路を充分に確保した状態で車両2に対する取付高さ
を低くして、前記エアースポイラー1を車両2のルーフ
パネル4上に取り付けることができる。また、車両2に
対する取付高さを低くした状態で前記エアースポイラー
1の下面部22及び前記水平ガラス3bの間の空隙を充
分に確保することができるため、例えば図示を省略した
ウオッシャノズルや同じく図示せぬワイパーアームとの
干渉を防止することができる。
【0025】以上のごとく構成されたエアースポイラー
1は、加熱軟化している熱可塑性樹脂材のパリソンをブ
ロー成形して製造される。図4はエアースポイラーの成
形に用いる金型の最終動作状態を示している。
【0026】同図において、ブロー成形用の金型は第1
及び第2の割金型31,32からなっている。同第1割
金型31には前記エアースポイラー1の上面形状に対応
する成形面33が形成され、同第2割金型32には前記
エアースポイラー1の下面形状に対応する成形面34が
形成されている。前記第1割金型31は、前記中実連設
部12と前記スポイラー本体部11とに対応する成形面
33の境界部分に前記段差部25に対応する段差成形面
35を突設している。
【0027】前記第1及び第2割金型31,32の各成
形面33,34の外周端縁部にはパリソンの一部を挟持
する食い切り部36,37がそれぞれ突設されている。
各割金型31,32が閉じた状態では、前記食い切り部
36,36は所定の間隙をおいてパリソンの一部を挟む
位置にあり、前記食い切り部37,37は当接する。前
記食い切り部36は前記食い切り部37の設定幅寸法よ
り狭い寸法に設定してある。前記食い切り部36及び3
7の外側は、型締め時に所定の間隙を有する逃がし部3
8が設けられており、前記食い切り部36及び37に型
締め力を集中させている。
【0028】いま、加熱軟化されたABS樹脂材である
パリソンを前記第1及び第2割金型31,32間に導入
したのち、各割金型31,32を閉じて型締めを行う。
このとき、各割金型31,32の型締め動作に伴って、
前記中実連設部12を形成する相対向する二壁のパリソ
ンは接合溶着されながら押圧される。一方の前記スポイ
ラー本体部11に対応するパリソンは各割金型31,3
2の成形面33,34に沿って伸びる。このとき、前記
中実連設部12に対応するパリソンの一部は各割金型3
1,32の型締めにより各食い切り部36,36間を介
して前記逃がし部38に沿って伸び、バリFLとして外
部に積極的に突出される。
【0029】次に、前記第1及び第2割金型31,32
の各成形面33,34に前記中実連設部12に対応する
パリソンを挟んだ状態で各割金型31,32の前記食い
切り部37,37が当接する。最大の型締め時に、前記
スポイラー本体部11に対応するパリソンの内部に空気
を吹き込んで膨張させる。
【0030】ブロー成形時において、前記中実連設部1
2に対応する二壁のパリソンを接合溶着するとき、同パ
リソンの一部をバリFLとして前記逃がし部38から外
部に突出させた状態で、前記第1割金型31の段差成形
面35により、前記中実連設部12側のパリソンが前記
スポイラー本体部11の成形空間側に向かうことを阻止
されて各割金型31,32の食い切り部36,36間に
挟持される。それと同時に、前記中実連設部12と前記
スポイラー本体部11との境界部分に対応するパリソン
は前記段差成形面35の近傍に挟持される。
【0031】このとき、一方の前記スポイラー本体部1
1に対応するパリソンは前記中実連設部12の成形空間
方向に伸びることなく、前記中実連設部12に対応する
パリソンは強く押圧される。この中実連設部12の上面
部21に押圧されるパリソンは、その下面部22に押圧
されるパリソンと接合溶着され、所謂シートプレス成形
が行われるため、ブロー成形における吹込圧は作用しな
い。プレス成形された相対向する二壁のパリソンは前記
段差成形面35と前記食い切り部36との間で一定の位
置に保持され、表面が平滑で所望の厚肉寸法に成形され
る。
【0032】この状態で、一方の前記スポイラー本体部
11に対応するパリソンの内部に空気を吹き込む吹込圧
により、同パリソンが前記成形面33,34に押し当て
られる。ここで、各成形面33,34を忠実に転写する
には前記吹込圧を高めに設定することが好ましい。本実
施形態にあっては、前記吹込圧を約0.6〜0.9MP
a程度に設定してある。
【0033】また、金型内に設けられた図示せぬ空気抜
き孔は従来から広く知られた周知の構造を採用すること
ができる。例えば、前記第1及び第2割金型31,32
の各成形面33,34から外部に向けて図示せぬ微細な
貫通孔を形成し、パリソンと前記成形面33,34との
間に滞留する空気が各割金型31,32の外部に容易に
排出される構造とすることもできる。前記貫通孔は、空
気が閉じ込められやすい割金型のコーナー部に機械加工
により形成するか、或いは広範な成形面にわたって分布
させるようにポーラス電鋳法と呼ばれる電鋳法により形
成することもできる。
【0034】成形したのち、前記第1及び第2割金型3
1,32の分割線PLの一部に形成されるバリFLは各
割金型31,32から取り出した直後の冷えきらないう
ちに図示せぬハンドカッタ一で切り落とすか、十分に冷
えたのち又は必要に応じて強制冷却したのち、前記分割
線PLの全周を図示せぬ電動サンダーで研磨して仕上げ
る。なお、バリFLは図示せぬレーザーカッターにより
加工することもでき、分割線PLはサンドプラストによ
り加工することもできる。
【0035】更に、成形後のエアースポイラー1に車体
色に合わせた塗装を施す。前記段差部25は図示を省略
したサンダー及び同じく図示せぬバフにより滑らかに仕
上げて平滑面とすることができ、前記段差部25の端縁
部を滑らかにすることにより表面を平滑面として容易に
仕上げることができるが、本実施形態によれば、表面が
平滑面となるまで研磨せず、造形ラインとして残してい
る。
【0036】前記中実連設部12と前記スポイラー本体
部11との境界部分に対応するパリソンは、前記第1割
金型31の前記段差成形面35により肉厚の変化を起こ
さず安定化しているため、前記境界部分にはヒケ線が発
生することなく、表面が平滑なエアースポイラー1を容
易に成形することができる。しかして、前記段差成形面
35を設けていない金型を用いた場合には、前記中実連
設部12と前記スポイラー本体部11との境界部分にヒ
ケが生じ、しかもヒケは陥没するため、ヒケの深さ分だ
け前記境界部分の周辺を削り落とす必要がある。この研
磨作業にあっては、時間、労力、手間等を大幅に必要と
し、しかも、研磨による板厚の減少や多量の粉塵を生ず
ることとなり、好ましくない。
【0037】前記中実連設部12に対応するパリソンの
厚みは前記スポイラー本体部11に対応するパリソンの
厚みに比して厚い寸法に形成されると共に、前記中実連
設部12の外形寸法は前記スポイラー本体部11の外形
寸法よりも小さい寸法に形成される。このため、前記ス
ポイラー本体部11の内部に板状リブを成形させる必要
もなく、前記エアースポイラー1の剛性や強度を向上さ
せることができる。しかも、車両2に対する取付高さを
低くすることができると共に、走行時に車両2のルーフ
パネル4に沿って流れる走行風の所定量を傾斜ガラス3
cに向かって変化させる空間を効果的に設定することが
できる。
【0038】図5は本発明の第2実施形態であるエアー
スポイラーを示している。上記第1実施形態ではエアー
スポイラー1の車体幅方向全長に形成した段差部25で
あったものを、この第2実施形態では段差部25をエア
ースポイラー1の車体幅方向中央部に形成している。な
お、同図において上記第1実施形態と実質的に同じ部材
には同一の符号と部材名とを付している。従って、これ
らの部材に関する詳細な説明は省略する。
【0039】同図において、スポイラー本体部11の車
体幅方向中央部に狭幅の中実連設部12を形成してい
る。同中実連設部12と前記スポイラー本体部11との
上面部21の境界部分には前記中実連設部12側から前
記スポイラー本体部11側に向かって下降する階段状の
段差部25が形成されており、図示せぬワイパーアーム
の駆動軸部との干渉を回避している。
【0040】図6は本発明の第3実施形態であるエアー
スポイラーを示している。上記第1及び第2実施形態で
は階段状の段差部25であったものを、この第3実施形
態では段差部25を凹溝部25’としている。なお、同
図において上記各実施形態と実質的に同じ部材には同一
の符号と部材名とを付している。従って、これらの部材
に関する詳細な説明は省略する。
【0041】同図において、エアースポイラー1は車両
2のトランクリッド5のコーナー部に下面を当接させる
構成になっている。同エアースポイラー1は、断面が略
台形をなす中空状成形品であるスポイラー本体部11を
備えており、同スポイラー本体部11は、水平方向の上
面部21と、同上面部21から分岐して垂直下方向に延
びる下面部22と、前記上面部21の後側端末部から垂
直方向に延びて前記下面部22の後側端末部に向かって
弓なり状に滑らかに湾曲した状態で傾斜した後面部23
とを有している。
【0042】前記上面部21及び前記下面部22の合流
点と、同下面部22及び前記後面部23の合流点とには
車体幅方向に扁平な長尺板状をなす第1及び第2の中実
連設部12,12がそれぞれ延設されている。同第1中
実連設部12は前記スポイラー本体部11の上面部21
及び下面部22に滑らかに連設しており、前記エアース
ポイラー1の上面部は前記トランクリッド5上に僅かな
段差をもって車体後方向に略水平に延設され、表面が平
滑面をなしている。前記第2中実連設部12は前記スポ
イラー本体部11の下面部22及び前記後面部23に滑
らかに連設している。前記第1及び第2中実連設部1
2,12と前記スポイラー本体部11とにより構成され
るエアースポイラー1の下面部は前記トランクリッド5
のコーナー部に合致した曲面形状をなしている。
【0043】前記エアースポイラー1には、本発明の特
徴部をなす段差部である凹溝部25’が前記スポイラー
本体部11と前記第1及び第2中実連設部12,12と
の下面側の境界部分にわたってそれぞれ設けられてい
る。前記凹溝部25’を設けているため、ブロー成形時
に前記中実連設部12と前記スポイラー本体部11との
境界部分に対応するパリソンの肉厚の変化に伴って生じ
るヒケを抑制することができ、塗装鋼板の鏡面に調和す
る極めて高品位の外観を得ることができると共に、前記
スポイラー本体部11の内部に板リブを成形することな
く前記エアスポイラー1の剛性や強度を向上させること
ができる。
【0044】更に、前記凹溝部25’を介して各中実連
設部12,12を撓ませ易いため、車体との取付け作業
を効率良く行うことができる。また、少ない仕上げ工程
によって、或いは、ほとんど製品の表面に研磨を要する
ことがない。なお、前記凹溝部25’は前記エアスポイ
ラー1の上下面側のいずれか一方に形成すれば十分に実
用に供することができるが、上下両面側にそれぞれ形成
してもよい。また、前記上面部21に上記第1及び第2
実施形態のごとき階段状の段差部25を設けると共に、
前記下面部22に前記凹溝部25’を設けることもでき
る。
【0045】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係るエアースポイラーによれば、熱可塑性樹脂材のパ
リソンのブロー成形時において、パリソン同士を押し当
てて接合溶着させた中実連設部と、パリソンの内部に空
気を吹き込んで膨張させたスポイラー本体部との境界部
分に対応するパリソンは、前記中実連設部側から前記ス
ポイラー本体部側に向かって下降する段差部に対応する
段差成形面により強く押圧される。このため、前記パリ
ソンの前記スポイラー本体部側に向かう動きを抑制し、
前記スポイラー本体部に対応する成形空間方向に伸びる
ことなく、前記中実連設部に対応するパリソンを一定の
位置に保持して安定化させることができる。このため、
前記中実連設部に対する金型の押し圧力によって、同中
実連設部を強固に挟持して前記スポイラー本体部側の成
形面に沿って移動しようとする動きを抑制することがで
きると共に、前記中実連設部と前記スポイラー本体部と
の境界部分の肉厚寸法を安定化させることができる。そ
の結果、パリソンを所望の肉厚寸法に成形することがで
き、表面が平滑で所望の厚肉寸法の中実連設部が得られ
る。
【0046】このように、前記スポイラー本体部の少な
くとも一端縁部に表面が平滑で厚肉の長尺板状の中実連
設部を容易に形成することができるため、車両に対する
取付高さを低くすることができ、前記エアースポイラー
の下面部及び車体の間の空隙を充分に確保した状態で前
記エアースポイラーの取付強度を向上させることができ
る。また、前記スポイラー本体部の内部に板状リブを成
形させる必要もなく、前記エアースポイラーの剛性や強
度をも向上させることができる。更に、前記中実連設部
と前記スポイラー本体部との境界部分に対応するパリソ
ンの肉厚の変化に伴って生じるヒケを防止することがで
きる。なお、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、それらの実施例から当業者が容易に変更可能な技
術的な範囲をも当然に包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な第1実施形態であるエアース
ポイラーを自動車に装着した状態を示す外観斜視図であ
る。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】同エアースポイラーの一部を切欠いて示す部分
断面斜視図である。
【図4】同エアースポイラーの成形に用いる一対の金型
の最終動作状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態であるエアースポイラー
の一部を切欠いて示す部分断面斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態であるエアースポイラー
を自動車に装着した状態を示す断面図である。
【図7】従来のエアースポイラーを自動車に装着した状
態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 エアースポイラー 2 車両 3 リアハッチドア 3a ハッチパネル 3b 水平ガラス 3c 傾斜ガラス 4 ルーフパネル 5 トランクリッド 11 スポイラー本体部 11a 中空部 12 中実連設部 12a 膨出部 13 車体取付脚部 17 傾斜曲面部 18 傾斜部 21 上面部 22 下面部 23 後面部 25 段差部 25’ 凹溝部 31 第1割金型 32 第2割金型 33,34 成形面 35 段差成形面 36,37 食い切り部 38 逃がし部 AR 風 FL バリ PL 分割線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロー成形により製造され、車両に取り
    付けられる熱可塑性樹脂製のエアースポイラーであっ
    て、 車幅方向に延在される中空状のスポイラー本体部と、 同スポイラー本体部の少なくとも一端縁部に沿って延在
    し、且つ一体に連設された長尺板状の中実連設部と、か
    ら構成されてなり、 前記スポイラー本体部と前記中実連設部との境界部分
    に、同中実連設部側から前記スポイラー本体部側に向か
    って下降する段差部を有してなることを特徴とするエア
    ースポイラー。
  2. 【請求項2】 前記段差部が凹溝部から構成されてなる
    請求項1記載のエアースポイラー。
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