JP2001180423A - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

頭部保護エアバッグ装置

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JP2001180423A
JP2001180423A JP36697399A JP36697399A JP2001180423A JP 2001180423 A JP2001180423 A JP 2001180423A JP 36697399 A JP36697399 A JP 36697399A JP 36697399 A JP36697399 A JP 36697399A JP 2001180423 A JP2001180423 A JP 2001180423A
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裕 永井
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文武 小林
Hiroyuki Tajima
博幸 田嶌
Yasuyuki Osawa
康幸 大澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フロントピラー部からルーフサイドレール部に
配置されるエアバッグカバーが、張力発生用の連結部材
を、エアバッグ収納時に覆っていても、エアバッグ展開
膨張時、連結部材を円滑に突出可能な頭部保護エアバッ
グ装置の提供。 【解決手段】頭部保護エアバッグ装置Mは、エアバッグ
本体30と連結部材44とを有したエアバッグ29と、
折り畳まれたエアバッグを覆うエアバッグカバー8と、
を備える。連結部材は、フロントピラー部FPからルー
フサイドレール部RRにかけて収納される。エアバッグ
カバー8は、一体的に成形された合成樹脂製として、フ
ロントピラー部側8aとルーフサイドレール部側8bと
の下縁側に、連結部材44の下方への突出時に車内側へ
開き可能な前側・後側ドア部15・16を備え、ピラー
部側8aとレール部側8bとの境界部位8cの下縁側
に、ドア部15・16の開きを可能とするための伸び可
能な薄肉部17を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車内側の開口にお
ける上縁側の周縁に折り畳んで収納したエアバッグと、
収納したエアバッグを突出可能に覆うエアバッグカバー
と、を備えて構成される頭部保護エアバッグ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の頭部保護エアバッグ装置
では、特開平11−105659号公報に記載されてい
るものが知られている。
【0003】上記公報記載のエアバッグ装置では、エア
バッグが、車内側の開口における上縁側周縁のフロント
ピラー部からルーフサイドレール部にかけて、折り畳ま
れて収納されていた。
【0004】また、エアバッグを覆うエアバッグカバー
は、フロントピラー部からルーフサイドレール部にかけ
て一体的に成形された合成樹脂製として、折り畳まれた
エアバッグを覆っていた。このエアバッグカバーの下縁
側には、エアバッグの下方への突出時に車内側へ開き可
能なドア部が、配設されていた。
【0005】そして、このエアバッグカバーでは、フロ
ントピラー部からルーフサイドレール部にかけて配置さ
れるように、く字形状に屈曲して形成されており、その
下縁側、すなわち、く字形状の内側に配置されるドア部
は、車内側に開く際に、フロントピラー部側の前側ドア
部とルーフサイドレール部側の後側ドア部とが干渉し
て、それらの前側・後側ドア部の開き動作が阻害されて
しまう。
【0006】そのため、上記公報のエアバッグカバーで
は、前側ドア部と後側ドア部とが、エアバッグの下方へ
の突出時に円滑に開くように、前側ドア部と後側ドア部
との間に、下縁側からエアバッグカバーの上下方向の中
間部位まで、スリットを形成可能な破断予定部を、設け
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような前
側ドア部と後側ドア部とを分割するようなスリットを設
ける場合には、スリット形成時の破断面に、下方へ突出
するエアバッグが引っ掛かって、エアバッグの展開が遅
れてしまう虞れが生ずる。
【0008】特に、エアバッグが、膨張用ガスの流入時
に開口を覆い可能に膨張するエアバッグ本体と、エアバ
ッグ本体の前下縁側とフロントピラー部とを連結して、
膨張時のエアバッグ本体の下縁側に前後方向の張力を生
じさせるベルト等の連結部材と、を備えて構成される場
合には、連結部材が、フロントピラー部からルーフサイ
ドレール部にかけて収納されることとなる。
【0009】そして、張力発生用のベルト等の連結部材
は、それ自体が膨張しない帯状に形成されているため、
前側ドア部と後側ドア部とにおけるそれらのスリット形
成時の破断した端面に、一層、引っ掛かり易くなって、
エアバッグの展開を遅らせてしまう。
【0010】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、フロントピラー部からルーフサイドレール部にかけ
て配置されるエアバッグカバーが、張力発生用の連結部
材を、エアバッグ収納時に覆っていても、エアバッグの
展開膨張時、連結部材を円滑に突出させることができる
頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る頭部保護エ
アバッグ装置は、エアバッグが、車内側の開口における
上縁側周縁のフロントピラー部からルーフサイドレール
部にかけて折り畳まれて収納されるとともに、膨張用ガ
スの流入時に前記開口を覆い可能に膨張するエアバッグ
本体と、該エアバッグ本体の前下縁側と前記フロントピ
ラー部とを連結して、膨張時の前記エアバッグ本体の下
縁側に前後方向の張力を生じさせる連結部材と、を備え
て構成され、該連結部材が、前記フロントピラー部から
前記ルーフサイドレール部にかけて一体的に成形された
合成樹脂製のエアバッグカバーの車外側の部位に、収納
され、前記エアバッグカバーが、フロントピラー部側と
ルーフサイドレール部側との下縁側に、前記連結部材の
下方への突出時に車内側へ開き可能とする前側・後側ド
ア部を配置させて構成されている頭部保護エアバッグ装
置であって、前記エアバッグカバーにおけるフロントピ
ラー部側とルーフサイドレール部側との境界部位の下縁
側に、前記前側・後側ドア部の開きを可能とするための
伸び可能な薄肉部が、形成されていることを特徴とす
る。
【0012】前記連結部材は、前記エアバッグ本体と別
体として、前記エアバッグ本体に結合されるベルトから
構成することが望ましい。
【0013】
【発明の効果】本発明に係る頭部保護エアバッグ装置で
は、エアバッグ本体に膨張用ガスが流入されて、連結部
材が、エアバッグ本体とともに、下方へ突出する際、エ
アバッグカバーにおけるフロントピラー部側の前側ドア
部とルーフサイドレール部側の後側ドア部とを、それぞ
れ、開くこととなる。
【0014】その際、エアバッグカバーにおけるフロン
トピラー部側とルーフサイドレール部側との境界部位の
下縁側に、前側・後側ドア部の開きを可能とするため
の、伸び可能な薄肉部が、形成されていることから、前
側ドア部と後側ドア部とが、薄肉部を伸ばして、それぞ
れ、円滑に開く。
【0015】そして、薄肉部は、破断することなく、単
に、伸びるだけであるため、連結部材が、伸びた薄肉部
の車外側の面に接触しても、引っ掛かることなく、円滑
に、下方へ突出することとなる。
【0016】したがって、本発明に係る頭部保護エアバ
ッグ装置では、フロントピラー部からルーフサイドレー
ル部にかけて配置されるエアバッグカバーが、張力発生
用の連結部材をエアバッグ収納時に覆っていても、エア
バッグの展開膨張時、円滑に、連結部材を突出させるこ
とができる。
【0017】そして、連結部材を、エアバッグ本体と別
体として、エアバッグ本体に結合されるベルトから構成
すれば、ベルトの長さの変更で、エアバッグ本体の下縁
側に生じさせる前後方向の張力を、エアバッグ本体を変
更することなく、容易に調整することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mで
は、図1に示すように、エアバッグ29が、車内側のド
アや窓部の開口Wの上縁側におけるフロントピラー部F
P、ルーフサイドレール部RR、及び、リヤピラー部R
Pにわたって、折り畳まれて収納されている。
【0020】頭部保護エアバッグ装置Mは、エアバッグ
29と、インフレーター25と、取付ブラケット26・
47と、エアバッグカバー8と、を備えて構成されてい
る。なお、折り畳まれたエアバッグ29は、エアバッグ
カバー8の後部側では、ルーフガーニッシュ21とリヤ
ピラーガーニッシュ23とに覆われている。
【0021】インフレーター25は、折り畳まれたエア
バッグ29に膨張用ガスを供給するシリンダタイプとし
ており、エアバッグ29の後述するガス流入部36が外
装されることとなる。
【0022】取付ブラケット26は、板金製として、エ
アバッグ29のガス流入部36を外装させたインフレー
ター25を、ガス流入部36ごと外周側から挟持し、2
本の取付ボルト27を利用して、リヤピラー部RPのリ
ヤピラー本体6であるインナパネル3に取り付けてい
る。
【0023】エアバッグ29は、図1・9に示すよう
に、可撓性を共に有したエアバッグ本体30と連結部材
としてのベルト44とを備えて構成されている。エアバ
ッグ本体30は、ポリアミド糸等を使用した袋織りによ
って形成され、ベルト44は、ポリアミド糸等を使用し
た織布から形成されている。
【0024】エアバッグ本体30は、インフレーター2
5からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から
展開し、車内側と車外側との壁部相互を離して、厚さを
増すように膨張する膨張部31と、膨張用ガスGを流入
させることなく、厚さを増さない非膨張部38と、から
構成されている。
【0025】膨張部31は、車両の前席と後席との側方
に配置される前膨張部32と後膨張部34とを備え、さ
らに、前・後膨張部32・34相互を連通する連通部3
3を備えて、構成されている。後膨張部34の後上端に
は、インフレーター25を挿入させる円筒状のガス流入
部36が連通されている。
【0026】非膨張部38は、膨張部31の外周縁で気
密性を確保できるように密に織成される周縁部39と、
膨張時の膨張部31を区画して膨張部31の厚さを各部
で略均等に規制する規制部41と、板状部42と、を備
えて構成されている。
【0027】周縁部39の上縁側には、複数の取付部4
0が形成されている。各取付部40には、それぞれ、中
央に、取付ボルト48(図1・5参照)を挿通させる取
付孔40aが、袋織り後の孔明け加工により形成されて
いる。
【0028】各取付部40には、図1・5に示すよう
に、折り畳まれたエアバッグ29をルーフサイドレール
本体5としてのインナパネル3に取り付けるための板金
製の取付ブラケット47が、固定されている。各取付ブ
ラケット47は、取付部40を挟持する二枚のプレート
から構成されるとともに、取付ボルト48を挿通させる
取付孔47aを備えて構成されている。そして、取付ボ
ルト48を、取付孔47a・40aに挿通させて、ルー
フサイドレール本体5の取付孔5a周縁に固着されたナ
ット5bに螺合させることにより、折り畳まれたエアバ
ッグ29がボディ1に取り付けられることとなる。
【0029】規制部41は、前膨張部32と後膨張部3
4との領域内に、周縁部39から延びて配設されたり、
周壁部39から離れて配設されている。
【0030】また、板状部42は、連通部33の下方に
おける前膨張部32と後膨張部34との間に配置され、
膨張部31の容積を小さくするために配設されている。
【0031】ベルト44は、周壁部39の前縁下部に連
結されている。実施形態の場合には、ベルト44は、周
壁部39における前縁側の上部に、元部44aを縫着さ
せ、周壁部前縁側の下部のスリット39aを挿通させ
て、先端部44b側を前方に延ばすように、配設されて
いる。先端部44bには、フロントピラー部FPの下方
のサイドパネル2にボルト45(図1・7参照)止めす
るための取付孔44cが形成されている。なお、ベルト
44の元部44a側を、周壁部39の前縁下部に直接縫
着させずに、スリット39aを挿通させて、周壁部39
の前縁上部に縫着させている理由は、エアバッグ29の
折り畳み時に、ベルト44を、先端部44b側に繰り出
させて長くし、先端部44bをボルト45止めし易くす
るためである。そして、ベルト44は、先端部44bが
サイドパネル2に固定されていれば、エアバッグ本体3
0の展開膨張時、エアバッグ本体30の前縁下部におけ
るスリット39aの周縁を引っ張って、エアバッグ本体
30の下縁30b側に、前後方向に作用する張力を生じ
させることとなる。
【0032】エアバッグカバー8は、図1・7に示すよ
うに、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂
製として、車内側のフロントピラー部FPからルーフサ
イドレール部RRにかけて配設されるように、車内側か
ら見てく字形状として、かつ、断面を略U字形状とし
て、一体的に成形されている。
【0033】そして、このエアバッグカバー8は、下端
に、ブラケット部12を備え、このブラケット部12
は、ボディ1のサイドパネル2と図示しないインストル
メントパネルとの間に差し込まれる。エアバッグカバー
8は、ブラケット部12の上方側では、上縁側の基部9
と下縁側のドア部14と、から構成されている。基部9
は、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラー
部側8aの裏面側(車外側)に、2つのクリップ部10
と1つのクリップ部11とを備え、ルーフサイドレール
部RRに配置されるルーフサイドレール部側8bの裏面
側に、2つのクリップ部11を備えて構成されている。
【0034】クリップ部10は、図2に示すように、フ
ロントピラー本体4としてのインナパネル3に設けられ
た係止孔4aに挿入係止される係止脚13aから、構成
されている。クリップ部11は、図4に示すように、基
部9の裏面側に埋設される金属製のピン11aと、ピン
11aに外装されて、ポリアミドやオレフィン系熱可塑
性エラストマー等の弾性変形可能な合成樹脂やゴム等か
ら形成される略円筒状の係止キャップ11bと、を備え
て構成されている。このクリップ部11は、ルーフサイ
ドレール本体5やフロントピラー本体4に設けられた係
止孔5c・4bに挿入係止され、エアバッグ29の展開
膨張時、係止孔5c・4bから離脱しない状態で、係止
キャップ11bが弾性変形して、エアバッグカバー8の
ルーフサイドレール部側8bとフロントピラー部8a側
におけるルーフサイドレール部8b側近傍とを車内側へ
移動可能としている。
【0035】そして、エアバッグカバー8は、ブラケッ
ト部12がサイドパネル2とインストルメントパネルと
の間に差し込まれ、クリップ部10・11がフロントピ
ラー本体4とルーフサイドレール本体5との係止孔4a
・4b・5cに挿入係止されることにより、ボディ1の
インナパネル3に取付固定されることとなる。
【0036】また、エアバッグカバー8の下縁側のドア
部14は、フロントピラー部側8aの前側ドア部15
と、ルーフサイドレール部側8bの後側ドア部16と、
から構成されている。前側・後側ドア部15・16は、
エアバッグ29の展開膨張時に、押されて開き易いよう
に、基部9との間に、適宜、薄肉等としたヒンジ部13
を配設させている。そして、前側ドア部15は、図1・
2に示すように、フロントピラー部FPに沿うヒンジ部
13の前斜め下向きの軸を回転中心として、車内側に開
き、後側ドア部16は、図1・4に示すように、ルーフ
サイドレール部RRに沿うヒンジ部13の略水平方向の
軸を回転中心として、車内側に開く構成としている。
【0037】そして、開き時の前側・後側ドア部15・
16の動作を阻害しないように、エアバッグカバー8に
おけるフロントピラー部側8aとルーフサイドレール部
側8bとの境界部位8cの下縁側には、図7の斜線で示
すエリアに、伸び可能な薄肉部17が、形成されている
(図3・8参照)。この薄肉部17は、実施形態の場
合、車内側から見て下広がりの三角形状として、車内側
に凹むように形成されている。また、薄肉部17の上端
17aは、前側・後側ドア部15・16のヒンジ部13
を越えた上方位置に配置されている。
【0038】なお、リヤピラーガーニッシュ23は、図
1・6に示すように、前部側に配置される前パネル部2
3aと、後部側に配置される後パネル部23bと、を備
えて構成されている。これらのパネル部23a・23b
は、図示しない取付手段によって、板金製のリヤピラー
本体6としてのインナパネル3に取付固定されている。
そして、このリヤピラーガーニッシュ23では、エアバ
ッグ29の膨張時、折り畳まれて収納されたエアバッグ
29を覆っている後パネル部23bが、その前縁側のド
ア部23cを、エアバッグ29によって押されて開かせ
るように、構成されている。
【0039】ルーフガーニッシュ21は、図1・5に示
すように、クリップ部11と同様なクリップ部21aを
係止孔5cに挿入させて板金製のルーフサイドレール本
体5としてのインナパネル3に係止させることにより、
インナパネル3に取付固定されている。そして、このル
ーフガーニッシュ21も、エアバッグ29の膨張時にエ
アバッグ29を突出可能に、下縁側のドア部21bが押
されて開くように、構成されている。
【0040】そして、頭部保護エアバッグ装置Mの車両
への搭載について述べると、まず、エアバッグ29を折
り畳む。その際、図9に示すように、平らに展開した状
態で、エアバッグ本体30の上縁30aと平行な折目C
を付けて、ベルト44をスリット39aから引っ張り出
しつつ、エアバッグ本体30を、下縁30b側から上縁
30a側へ蛇腹折りする。さらに、折り畳んだ後には、
折り崩れしないように、所定間隔で破断可能なテープ材
を巻き付けておく。
【0041】また、折り畳んだ後には、各取付部40に
取付ブラケット47を取り付けるとともに、ガス流入部
36の折りを解消して、インフレーター25をガス流入
部36に挿入し、ガス流入部36の外周に取付ブラケッ
ト26を取り付けて、エアバッグ組立体を形成してお
き、車両への取付待機状態としておく。
【0042】その後、取付ブラケット26をリヤピラー
本体6の所定位置に配置させて、ボルト27止めし、ま
た、各取付ブラケット47をルーフサイドレール本体5
の所定位置に配置させてボルト48止めするとともに、
ベルト44の先端部44bをサイドパネル2にボルト4
5止めする。そして、ルーフガーニッシュ21・リヤピ
ラーガーニッシュ23をボディ1に取り付け、さらに、
ブラケット部12をサイドパネル2とインストルメント
パネルとの間に差し込みつつ、クリップ部10・11を
係止孔4a・4b・5cに挿入係止させて、エアバッグ
カバー8をフロントピラー部FPとルーフサイドレール
部RRの前部側とのインナパネル3に取り付ければ、頭
部保護エアバッグ装置Mを車両に搭載することができ
る。
【0043】なお、ベルト44は、エアバッグ本体30
の折り畳み時に、元部44aの縫着部位とスリット39
aとの間が接近するように折り畳まれることから、先端
部44b側に繰り出し可能となっている。そのため、ベ
ルト44が、エアバッグ29の展開膨張時に、エアバッ
グ本体30の下縁30b側に前後方向の張力を発揮させ
るように、短くとも、その先端部44bを、容易に、サ
イドパネル2に連結することができる。
【0044】また、エアバッグ29の車両への搭載時に
は、エアバッグカバー8のドア部14の裏面側(車外
側)で、エアバッグ本体30の前端部位が、エアバッグ
カバー8におけるフロントピラー部側8aとルーフサイ
ドレール部側8bとの境界部位8c付近に配置され、ベ
ルト44が、その境界部位8cの後方側付近からサイド
パネル2付近まで配置されることとなる。
【0045】頭部保護エアバッグ装置Mの車両への搭載
後、インフレーター25が作動されれば、インフレータ
ー25からの膨張用ガスGが、図9に示すように、ガス
流入部36から膨張部31の後膨張部34・連通部33
・前膨張部32に流れて、折りを解消させつつ、エアバ
ッグ本体30を展開膨張させることとなる。その際、エ
アバッグ本体30に巻き付けていた図示しないテープ材
が破断し、さらに、エアバッグカバー8・ルーフガーニ
ッシュ21・リヤピラーガーニッシュ23における後パ
ネル部23bの各ドア部14・21a・23cが押され
て開き、図1〜6の二点鎖線で示すように、ベルト44
が突出するとともに、エアバッグ本体30が、開口Wを
覆うように、大きく膨張することとなる。
【0046】そして、ベルト44は、エアバッグ本体3
0とともに、ドア部14を開いて下方へ突出する際、ド
ア部14におけるフロントピラー部側8aの前側ドア部
15とルーフサイドレール部側8bの後側ドア部16と
を、それぞれ、開くこととなる。
【0047】その際、エアバッグカバー8には、フロン
トピラー部側8aとルーフサイドレール部側8bとの境
界部位8cの下縁側に、前側・後側ドア部15・16の
開きを可能とするように、伸び可能な薄肉部17が、形
成されていることから、エアバッグ本体30の前膨張部
32の膨張にともなって、後側ドア部16が開き、さら
に、薄肉部17が伸びつつ、後側ドア部16の開きに引
っ張られるように、前側ドア部15も開くこととなっ
て、前側ドア部15と後側ドア部16とが、薄肉部17
を伸ばして、それぞれ、円滑に開くこととなる。
【0048】さらに、この薄肉部17は、破断すること
なく、単に、伸びるだけであるため、膨張しないベルト
44が、伸びた薄肉部17の車外側の面に接触しても、
引っ掛かることなく、円滑に、下方へ突出することとな
る。
【0049】したがって、実施形態の頭部保護エアバッ
グ装置Mでは、フロントピラー部FPからルーフサイド
レール部RRにかけて配置されるエアバッグカバー8
が、張力発生用のベルト44を、エアバッグ29の収納
時に覆っていても、エアバッグ29の展開膨張時、円滑
に、ベルト44を突出させることができる。
【0050】なお、実施形態では、エアバッグカバー8
を、ピン11aをインサートとして、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等の一種類の合成樹脂で、一体的に成
形したものを示したが、薄肉部17、折り畳まれた前膨
張部32を覆って開く角度の大きくなる後側ドア部1
6、及び、その後側ドア部16近傍や境界部位8c近傍
のクリップ部11付近等の部位を、伸びのある合成樹脂
材料で成形し、その他の部位を剛性のある合成樹脂材料
で成形するように、エアバッグカバー8を、二種類の合
成樹脂材料で、一体的に成形(二色成形)しても良い。
【0051】また、実施形態の頭部保護エアバッグ装置
Mでは、折り畳んだエアバッグ29の車両への搭載時
に、エアバッグ本体30の膨張部31(前膨張部32)
を、エアバッグカバー8における前方側のフロントピラ
ー部側8aに収納させず、後方側のルーフサイドレール
部側8bの部位に収納させるように構成している。すな
わち、エアバッグ本体30の膨張部31をエアバッグカ
バー8のフロントピラー部側8aより後方側に配置させ
て、膨張部31のエリアを小さくさせていることから、
膨張部31の容積を小さくすることができ、膨張完了ま
での時間を短縮させることに寄与できる。
【0052】さらに、実施形態のエアバッグ29では、
エアバッグ本体30の下縁30b側に前後方向の張力を
生じさせる連結部材として、エアバッグ本体30と別体
として、エアバッグ本体30に結合される帯状で長尺状
のベルト44から構成しており、ベルト44の長さの変
更で、エアバッグ本体30の下縁30b側に生じさせる
前後方向の張力を、エアバッグ本体30を変更すること
なく、容易に調整することができる。
【0053】勿論、連結部材としては、エアバッグ本体
30の下縁30b側に前後方向の張力を生じさせること
ができれば、エアバッグ本体30と別体のベルトでな
く、エアバッグ本体30の前下縁側の周縁部39から延
びるような、エアバッグ本体30と一体的なベルトとし
ても良い。
【0054】さらに、エアバッグ本体30の前下縁側と
フロントピラー部FPとを連結して、エアバッグ本体3
0の下縁30b側に前後方向の張力を生じさせることが
できれば、ベルト形状でなくとも、図10に示すエアバ
ッグ49のような、三角板状の連結部材54としても良
い。この連結部材54は、周縁部39の部位が延長され
て形成されている。連結部位54の前部には、取付ブラ
ケット47を使用して、フロントピラー本体4にボルト
48止めされるように、取付孔40aを備えた取付部4
0が形成されている。なお、図10では、エアバッグ2
9と同様な部位には、同一符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の頭部保護エアバッグ
装置を、車内側から見た正面図である。
【図2】図1のII−II部位の概略拡大断面図である。
【図3】図1の III− III部位の概略拡大断面図であ
る。
【図4】図1のIV−IV部位の概略拡大断面図である。
【図5】図1のV−V部位の概略拡大断面図である。
【図6】図1のVI−VI部位の概略拡大断面図である。
【図7】同実施形態のエアバッグカバーの前部側の部分
拡大正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII部位の拡大断面図である。
【図9】同実施形態で使用するエアバッグを平らに展開
した状態の正面図である。
【図10】他の実施形態のエアバッグを平らに展開した
状態の正面図である。
【符号の説明】
8…エアバッグカバー、 8a…フロントピラー部側、 8b…ルーフサイドレール部側、 8c…境界部位、 15…前側ドア部、 16…後側ドア部、 17…薄肉部、 29・49…エアバッグ、 30…エアバッグ本体、 44…(連結部材)ベルト、 54…連結部材、 FP…フロントピラー部、 RR…ルーフサイドレール部、 RP…リヤピラー部、 W…開口、 M…頭部保護エアバッグ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 文武 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 田嶌 博幸 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 大澤 康幸 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 3D054 AA07 AA20 BB30 CC29 CC50 DD13 FF17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグが、 車内側の開口における上縁側周縁のフロントピラー部か
    らルーフサイドレール部にかけて折り畳まれて収納され
    るとともに、 膨張用ガスの流入時に前記開口を覆い可能に膨張するエ
    アバッグ本体と、 該エアバッグ本体の前下縁側と前記フロントピラー部と
    を連結して、膨張時の前記エアバッグ本体の下縁側に前
    後方向の張力を生じさせる連結部材と、 を備えて構成され、 該連結部材が、前記フロントピラー部から前記ルーフサ
    イドレール部にかけて一体的に成形された合成樹脂製の
    エアバッグカバーの車外側の部位に、収納され、 前記エアバッグカバーが、フロントピラー部側とルーフ
    サイドレール部側との下縁側に、前記連結部材の下方へ
    の突出時に車内側へ開き可能とする前側・後側ドア部を
    配置させて構成されている頭部保護エアバッグ装置であ
    って、 前記エアバッグカバーにおけるフロントピラー部側とル
    ーフサイドレール部側との境界部位の下縁側に、前記前
    側・後側ドア部の開きを可能とするための伸び可能な薄
    肉部が、形成されていることを特徴とする頭部保護エア
    バッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記連結部材が、前記エアバッグ本体と
    別体として、前記エアバッグ本体に結合されるベルトと
    していることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エ
    アバッグ装置。
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