JP2001176375A - 酸化物カソード、及びその製造方法 - Google Patents

酸化物カソード、及びその製造方法

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JP2001176375A
JP2001176375A JP35552199A JP35552199A JP2001176375A JP 2001176375 A JP2001176375 A JP 2001176375A JP 35552199 A JP35552199 A JP 35552199A JP 35552199 A JP35552199 A JP 35552199A JP 2001176375 A JP2001176375 A JP 2001176375A
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oxide cathode
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Hiroshi Yamaguchi
博 山口
Riichi Kondo
利一 近藤
Kiyoshi Saito
清 斉藤
Takashi Shinjo
孝 新庄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプレー方式によって形成される酸化物カソ
ードの電子放射物質層の表面の凹凸に起因して発生する
モアレを抑制し、電子放射分布の均一性を保ち、更に電
子放出量を減少することなく長時間にわたる高電流動作
を可能とする酸化物カソードを提供する。 【解決手段】 ニッケルを主成分とする金属基体3上に
所定の印刷ペーストをスクリーン印刷により被着させて
乾燥し、熱分解処理して電子放射物質層7を形成し、こ
の電子放射物質層7を、アルカリ土類金属酸化物8と酸
化スカンジウム10と所定径の空孔11とが混在する第
1層5と、この第1層に重ねて形成され、アルカリ土類
金属酸化物8と所定径の空孔11とが混在する第2層6
との2層構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管の酸化物
カソード及びその製造方法に関し、特に電子を放出する
電子放射物質層の構成及びその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、例えば、特公平7−7514
0、特公平7−50586等に開示されている陰極線管
(以下CTRと称す)の従来の酸化物カソードの構成を
示す断面図である。この酸化物カソード60は、円筒状
のスリーブ61とその一端を塞ぐように配置された金属
基体62によって外形が構成されており、金属基体62
は、ニッケルを主成分として例えばシリコン及びマグネ
シウムの還元剤を含む。フィラメント66は、スリーブ
61内に設けられ、後述する電子放射物質層63から熱
電子を放出する際に通電されて加熱する。
【0003】電子放射物質層63は、金属基体62の外
側面上に形成され、バリウム、ストロンチウム、カルシ
ウムなどのアルカリ土類金属酸化物64を主構成物と
し、これに酸化スカンジウム粒子65が所定量(0.1
〜20重量%程度)だけ分散して混ざった構成となって
いる。
【0004】電子放射物質層63の形成は、概ね以下の
ように行なわれる。アルカリ土類金属炭酸塩の粒子と酸
化スカンジウムの粒子とを酢酸ブチルなどの有機溶媒と
接着剤であるニトロセルロースなどのラッカーを混合し
た溶液に分散させ、スプレーに適した適当な粘度の分散
液(サスペンション)とする。この分散液をスプレーで
金属基体62に吹き付けて乾燥させ、所定の厚さ、例え
ば40μmから100μmまで積む。また、スプレーで
吹き付けられる際に、アルカリ土類金属炭酸塩の微結晶
粒子は、数個ないし数十個の塊となって2次粒子を形成
し、この2次粒子の状態で金属基体62上に付着する。
【0005】この酸化物カソードをCRT内の所定位置
に設置し、CRT内をガス抜きして真空にする過程で、
外部から或いはフィラメント66に通電して電子放射物
質層63を加熱し、ラッカーの残留物を分解・蒸発させ
る。更に900℃から1000℃程度まで加熱する熱分
解工程でアルカリ土類金属の炭酸塩を分解して酸化物と
する。
【0006】アルカリ土類金属炭酸塩が分解してアルカ
リ土類金属酸化物となる際には、多少収縮するものの形
状は殆ど変わらない。従って、図10に示すアルカリ土
類金属酸化物64は、前記したアルカリ土類金属炭酸塩
の2次粒子の形状を略保った粒子形状となっている。
尚、図10では、電子放射物質層63の微細構造を明確
にするため、電子放射物質層63の寸法(直径と厚さ)
に対するアルカリ土類金属酸化物64及び酸化スカンジ
ウム65の大きさを、各々実際の約10倍程度に拡大し
ている。
【0007】通常、電子放射物質となるアルカリ土類金
属炭酸塩の粒子は、針状(棒状)で、この炭酸塩粒子の
長さ方向の最大長をLとし、長さ方向に垂直な断面での
最大直径Dとすると、ここで使用する炭酸塩粒子は、最
大長Lの平均が4から15μm程度で、最大直径Dの平
均が0.4から1.5μ程度であり、熱分解工程後の酸
化物はわずかに縮むがほぼこの形状を保つ。この粒子形
状に加え、スプレーによる塗布によって図10に示すよ
う適当な空隙67が形成され、高い電子放射性能が得ら
れると共に、酸化スカンジウムの混入による高電流密度
動作下での長寿命が達成される。また、特開昭59−1
91226には炭酸塩のペーストを印刷によって被着す
る方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、スプ
レーを用いた製造方法によれば、アルカリ土類金属炭酸
塩の2次粒子が形成され、アルカリ土類金属酸化物64
となった段階でもこの形状が保たれるため、図10に示
す様に、電子放射物質層63の表面の凸凹が大きくな
る。このため、電子放射物質層63から放出される際の
電子ビームの電流密度分布は、電子放射物質層63の表
面の凸凹に符合するように不規則な分布となる。これ
は、例えば、電子放射物質層63の表面にかかる電界が
弱い場合、凸部の先端に電界が集中し、その部分の電子
放出が凹部における電子放出より大きくなるためであ
る。
【0009】一般的に、CRTの電子ビームの分布は、
ガウス分布がよいとされ、上記のような不規則な分布に
なった場合、シャドウマスクのピッチと干渉してモアレ
が出やすいという問題があった。また、電子放射物質層
63の表面の凹凸が大きいと、電子の出射方向が広がり
やすくなるめ、ビームが広がって解像度が低くなるとい
う問題があった。
【0010】一方、電子放射物質層63の表面の凹凸を
小さくするために、アルカリ土類金属炭酸塩を含むペー
ストを印刷によって金属基体62に被着する方法も考え
られている。しかし、この方法では、スプレー方式の場
合には形成される前記した2次粒子が形成されないた
め、図10に示すような電子放射物質層63の適当な空
隙67が形成されず、スプレーを用いた製造方法に比較
して電子放出量が少ないという問題があった。
【0011】また、アルカリ土類金属炭酸塩に、高電流
密度動作下での長寿命をもたらす酸化スカンジウムなど
の希土類金属酸化物の微結晶粉末を混ぜた印刷用ペース
トに、更にスプレー方式の際に形成される空隙と同じ効
果をもたらす空孔を形成するための空孔材粒子を混ぜて
印刷被着する方法を提案して実験した(従って、この方
法は従来例ではない)。
【0012】この方法で製造したCRTによる実験結果
によると、電子放出量は増加して改善されたが、カソー
ドイメージに黒点(局部的に電子放出量の少ない部分)
が数個から数十個発生する現象がみられた。これは、酸
化バリウムに比べて仕事関数が大きいために通常のCR
Tの動作温度では殆ど熱電子が発生しない酸化スカンジ
ウムの微結晶粉末が、印刷乾燥後の電子放射物質層の表
面に露出してしまうため、このような黒点が発生するも
のと推察される。
【0013】尚、前記した従来のスプレー方式で製造さ
れた電子放射物質層の表面にも同様に酸化スカンジウム
が露出しているものと考えられるが、この酸化スカンジ
ウムの粒子直径に比べ、図10に示す電子放出物質層6
3の表面形状の凹凸が非常に大きいため、酸化スカンジ
ウムの露出によって生じるはずの電子放射分布のむら
が、凹凸による電子放射分布の大きなむらに埋もれ、結
果的にカソードイメージに黒点として現われにくかった
ものと推定される。
【0014】本発明の目的は、上記した種々の問題点を
同時に解決すべく、電子放出物質層の表面形状の凹凸を
小さくし、表面に露出する酸化スカンジウムを無くし、
更に適当な空孔を形成することによって、電子放出量を
減少させることなく、モアレが少ないCRTを製造する
ための酸化物カソードを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る酸化物カ
ソードは、ニッケルを主成分とする金属基体上に印刷ペ
ーストをスクリーン印刷により被着させて乾燥し、熱分
解処理して形成した電子放射物質層を有する酸化物カソ
ードであり、この電子放射物質層を、前記金属基体に接
して形成され、アルカリ土類金属酸化物と希土類酸化物
と第1の平均直径を有する空孔とが所定の割合で混在す
る第1層と、該第1層の表面に接して形成され、アルカ
リ土類金属酸化物と第2の平均直径を有する空孔とが所
定の割合で混在する第2層との2層構成とする。
【0016】また、前記第2の平均直径より前記第1の
平均直径を大きくし、且つ該第1の平均直径を12μm
乃至20μm程度としてもよい。また、前記電子放射物
質層の厚さを40μm乃至150μm程度としてもよ
い。
【0017】この発明に係る酸化物カソードの製造方法
は、ニッケルを主成分とする金属基体上に電子放射物質
層が形成された酸化物カソードの製造方法であり、アル
カリ土類炭酸塩と希土類酸化物と第1の平均直径を有し
て600℃程度までの温度で蒸発する空孔材粒子とを所
定の割合で含む第1の印刷ペーストと、アルカリ土類の
炭酸塩と第2の平均直径を有して600℃程度までの温
度で蒸発する空孔材粒子とを所定の割合で含む第2の印
刷ペーストとを用い、前記金属基体上に前記第1の印刷
ペーストをスクリーン印刷により被着させる第1の印刷
工程と、前記第1の印刷ペーストを乾燥して固定させる
第1の乾燥工程と、乾燥した前記第1の印刷ペーストの
上に重ねて前記第2の印刷ペーストをスクリーン印刷に
より被着させる第2の印刷工程と、前記第2の印刷ペー
ストを乾燥して固定させる第2の乾燥工程と、前記空孔
材粒子を蒸発する工程とを含む。
【0018】この製造方法で、前記第2の平均直径より
前記第1の平均直径を大きくし、且つ該第1の平均直径
を12μm乃至20μm程度としてもよい。この製造方
法で、前記アルカリ土類炭酸塩に対する前記空孔材粒子
の体積比を5%乃至30%程度としてもよい。この製造
方法で、前記第1と第2の印刷ペーストの粘度を200
0cP乃至10000cP程度に調整してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1によるCRTの酸化物カソードの断面図で
あり、図2は、その一部の部分拡大図であり、図3は、
同部分の製造工程中の構成を示す部分拡大図である。図
1中、酸化物カソード1は、図示しないCRTの所定位
置に配置され、円筒状のスリーブ2とその一端を塞ぐよ
うに配置された金属基体3によって外形が構成され、更
にスリーブ2の内部に、電子放射物質層7から熱電子を
放出する際に通電されて加熱するフィラメント4を保持
している。電子放射物質層7は、金属基体3の外側面上
に積層して形成され、後述するように第1層5と第2層
6からなる2層構造となっている。
【0020】図2は、金属基体3及び電子放射物質層7
の部分拡大図である。金属基体3は、ニッケルを主成分
として例えばシリコン及びマグネシウムの還元剤を含
む。電子放射物質層7のうち、金属基体3に隣接する第
1層5は、前記した2次粒子が形成されることなくその
ままの細かい粒子の状態で存在するアルカリ土類金属酸
化物8、酸化スカンジウム10、そして所定の大きさの
空孔11が混在するように後述する方法で形成され、こ
の第1層5を覆うように重ねられた第2層6は、酸化ス
カンジウムを含まずにアルカリ土類金属酸化物8と空孔
11のみが混在するように形成されている。尚、図2で
は、構成の理解のため、電子放射物質層7の寸法(直径
と厚さ)に対する酸化スカンジウム10及び空孔11の
形状を実寸の10倍程度で示し、アルカリ土類金属酸化
物8については存在する領域のみ示す。
【0021】以上のような構成の酸化物カソード1の製
造方法について、後述する製造工程初期における電子放
射物質層の構成断面を部分拡大した図3、及び製造工程
を示した工程図9を参照しながら説明する。図3に示す
電子放射物質層17の第1層15は、アルカリ土類金属
炭酸塩12、酸化スカンジウム10、及び空孔材粒子1
4に、更に後述する所定の溶液を加えた第1層用の印刷
ペーストを、スクリーン印刷により金属基体3上に被着
させて形成される。
【0022】電子放射物質となるバリウム、ストロンチ
ウム、カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩12の粒
子(図3には存在領域のみ示す)は、平均の長さLが1
5μm、平均の直径Dが0.4から1.5μmで、その
比L/Dが5から20程度の針状の粒子であり、これら
の物質が所定の比率で混ぜられてアルカリ土類金属炭酸
塩12として使用される。空孔材粒子14は、平均の粒
子直径が1μmから10μm位の粒子で、アルカリ土類
金属炭酸塩12に対する体積比で5〜30%程度含ま
れ、600℃程度までの温度で略分解、蒸発するもので
ある。空孔材粒子14として、例えばアクリル系樹脂粉
末を使用した場合、500℃で完全に蒸発する。
【0023】第1層15用の印刷ペーストは、アルカリ
土類金属炭酸塩12、アルカリ土類金属炭酸塩12の
0.2〜5重量%程度含ませる酸化スカンジウム10、
空孔材粒子14、溶媒のテルピネオール、分散剤、及び
結合剤であるニトロセルロース溶液またはエチルセルロ
ース溶液を混合し、所定の粘度に調整されたものであ
る。一方、第2層16用の印刷ペーストは、酸化スカン
ジウム10を含めないこと以外、第1層用の印刷ペース
トと同等のものである。
【0024】以上のようにして作られた第1層用の印刷
ペーストを、前記したように金属基体3上にスクリーン
印刷して被着させて第1層15(図3)を形成する(図
9の工程41)が、このとき、スクリーンのメッシュを
120番〜500番程度とする。そして第1層用の印刷
ペーストを被着したカソード13(酸化物カソード1の
未完成の段階での名称)を約100℃の乾燥した大気中
に数分から数十分程度放置し、ペースト中のテルピネオ
ール等の液体分を気化させて乾燥し、ペースト中に含有
したニトロセルロースによってペースト自体を固めると
同時に金属基体3に固着する(図9の工程42)。
【0025】その後、第2層用の印刷ペーストを、第1
層の上に重ねてスクリーン印刷して被着させて第2層を
形成し(図9の工程43)、同様にして乾燥させる(図
9の工程44)。図3は、この段階のカソード15の電
子放射物層17の断面構成を示している。このときの第
1層と第2層とを合わせた電子放射物層7の厚さが40
〜150μm程度に収まるように形成する。尚、上記乾
燥工程は、100℃〜140℃程度の炉中で行なった
が、あまり急激に蒸発させて電子放射物層17にひびや
亀裂が生じたり、空孔材粒子14をこの段階で蒸発させ
たりしないようにすれば、自然乾燥等の他の方法でも良
い。
【0026】次に、このカソード15を図示しないCR
Tに組込み、排気工程でCRT内を真空にするが、この
工程での排気中にCRTを高温に加熱し、電子放射物層
17のテルピネオール、分散剤の残留分、及び結合剤な
どを分解、蒸発する。更に、フィラメント4に通電する
か、或いは外部の加熱手段によってカソードを最高でも
600℃程度まで(実施例では500℃程度)加熱して
空孔材粒子14を分解・蒸発する(図9の工程45)。
この空孔材粒子14の蒸発によって、アルカリ土類金属
炭酸塩12の構成に影響を与えることなく、空孔材粒子
14の存在した個所が空孔となる。
【0027】その後、更にフィラメント4を加熱し、ア
ルカリ土類金属炭酸塩12を熱分解して金属酸化物とす
るカソード熱分解処理を行い、図2に示す電子放射物質
層7を完成させる(図9の工程46)。アルカリ土類金
属炭酸塩が酸化物となる際に僅かに収縮するが、その粒
子の重なり状態や構成に影響はなく、空孔材粒子の抜け
た位置は完成後も空孔として残る。
【0028】以上の様に、本発明の実施の形態1によれ
ば、印刷ペーストをスクリーン印刷して被着させる印刷
方式によって電子放射物質層7を形成するため、その表
面を滑らかにできると共に、電子放射物質層を2重層構
造とすることにより、酸化スカンジウムが表面に露出す
るのを防ぐことができる。更に、適当な空孔を混在させ
て電子放射物質層7を形成しているため、電子放出量を
減少させることなく、CRTのモアレの発生を抑制する
ことができる。
【0029】一方、本発明の実施の形態1の製造方法に
よると、電子放射物質層7の第1層5の表面が滑らかな
ため、第1層と第2層間の接合力が十分に得られずに剥
離してしまい、これによって熱電子の放出量が低下する
現象が確認された。次にこの問題を解決するために改良
された酸化物カソードを提供する本発明の実施の形態2
について説明する。
【0030】実施の形態2.図4は、本発明の実施の形
態2によるCRTの酸化物カソードの断面図であり、図
5は、その一部の部分拡大図であり、図6は、同部分の
製造工程中の様子を示す部分拡大図である。前記実施の
形態1による図1乃至図3に示す酸化物カソードと同一
の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、
異なる部分の構成を説明する。図4中、酸化物カソード
21は、電子放射物質層25の構成を除いて実施の形態
1による酸化物カソード1と同じ構成を有する。電子放
射物質層25は、金属基体3の外側面上に形成され、後
述するように第1層22と第2層23からなる2層構造
となっている。
【0031】図5は、金属基体3及び電子放射物質層2
5の部分拡大図である。電子放射物質層25の第1層2
2及び第2層23は、図2に示す前記実施の形態1によ
るCRT1の第1層5及び第2層6に比べ、第1層22
の空孔28aの径を大きくしたことを特徴とし、このた
め後述するように、第1層と第2層間の接合部分の構成
が異なる他は、酸化物カソード1の電子放射物質層7と
同じ構成となっている。尚、図5では、構成の理解のた
め、図2の場合と同様に電子放射物質層25の寸法(直
径と厚さ)に対する酸化スカンジウム10及び空孔28
a,28bの形状を実寸の10倍程度で示し、アルカリ
土類金属酸化物8については存在する領域のみ示す。
【0032】以上のように構成される電子放射質層25
の製造方法は、第1層用の印刷ペーストに混入する空孔
材粒子30a(図6)の平均の粒子直径を12μm〜2
0μmとした他は、実施の形態1で示したCRT1の製
造方法と全く同じであるため、その説明を省略する。
【0033】空孔材料30aの粒子直径を大きくするこ
とによって、以下の理由により、第1層が乾燥したとき
の表面が粗くなり、第2層との接合をより強くすること
ができる。通常、印刷方式によって印刷ペーストを被着
させる場合、被着物がペースト状であるため比較的強い
表面張力を有する。この表面張力は、そのものの表面積
を小さくするように作用するため、例えば、空孔材粒子
が表面から突出した状態にあると、ペースト内に引き込
んで、表面を平らにするように作用する。一方、印刷ペ
ースト内では、他の含有物や粒子との接触抵抗によっ
て、空孔材粒子の動きを妨げる力が働く。
【0034】例えば実施の形態1において、第1層15
(図3)で使用される空孔材粒子14のうち、直径が1
0μm程度以下の比較的小さなものは、表面張力による
引き込む力によりペースト内に引き込まれるため、第1
層3(図2)の完成時の表面が比較的滑らかなものにな
ると考えられる。
【0035】一方、実施の形態2の場合のように、第1
層32(図6)で使用される空孔材料30aの直径が1
2μm〜20μm程度になると、ペースト内での抵抗力
が大きくなって、表面張力による引き込む力と抵抗力と
が引き込み途中で釣り合うことになり、空孔材料30a
がペースト表面から突出した状態のまま乾燥して固まる
ものと考えられる。
【0036】この様にして、乾燥後の第1層32の表面
には、不充分に突出する空孔材粒子30aが多数存在す
るために粗さが保たれる。従って、この第1層32の表
面とその上にスクリーン印刷により重ねて被着される第
2層用のペーストとの接着面積が増え、結果的に両層間
の接着強度を増すことができる。以上のように、実施の
形態2による酸化物カソード21によれば、剥離する恐
れのある実施の形態1による酸化物カソード1の構成上
の欠点を解消することが出来る。
【0037】図7は、電子放射物質層がスプレーによっ
て塗布される従来方式の製造方法によって製造された酸
化物カソードを用いた第1のCRT、電子放射物質層が
スクリーン印刷によって塗布された単層構造の酸化物カ
ソードを用いた第2のCRT、実施の形態1による酸化
物カソードを用いた第3のCRT、及び実施の形態2に
よる酸化物カソードを用いた第4のCRTにおける、各
電子放射能力を比較したグラフであり、図8は、前記第
1乃至第4の各CRTのモアレ評価の結果を示す表であ
る。
【0038】第1乃至第4の各CRTの製造条件は以下
の通りである。第3のCRTは、実施の形態1に示され
る酸化物カソード1(図2)の構成を有するもので、第
1層用の印刷用ペーストに用いられたアルカリ土類金属
炭酸塩の粒子は、実施の形態1で述べた棒状の粒子であ
ってバリウム、ストロンチウム、及びカルシウムで組成
され、各原子比が0.5:0.4:0.1のものであ
る。第1層用の印刷用ペーストは、このアルカリ土類金
属炭酸塩に対して3重量%、平均粒子直径約3μmの酸
化スカンジウムの粒子を加え、更にこの混合粉末100
gに対して空孔材粒子である平均粒子直径7μmのポリ
メチルメタアクリレート粉末を25g、分散材を3〜5
g、酢酸ブチル溶媒の3%ニトロセルロース溶液を3
g、及びテルピネオールを60〜80gそれぞれ加えて
いる。そしてその粘度が、混合しながら主に分散材とテ
ルピネオールの添加量で調節され、ほぼ3000cPと
される。
【0039】第2層用の印刷用ペーストは、酸化スカン
ジウムを含ませずに、アルカリ土類金属炭酸塩100g
に対して空孔材粒子、その他材料を上記した第1層用の
印刷ペーストと同量加えたものとする。金属基体は、主
成分がニッケルで、シリコンを0.08重量%、マグネ
シウムを0.04重量%含み、直径r1が1.6mm、
厚さが80μmである。印刷用のスクリーンは、メッシ
ュが250番、マスクの開口径r2が1.4mmであ
る。
【0040】第3のCRTで使用される酸化物カソード
は、前記した実施の形態1で示した図9の製造工程図に
沿って製造され、先ず金属基体3の表面に上記した第1
層用の印刷ペーストをスクリーン印刷で被着させて約4
0μmの厚みの第1層15(図3)を形成し、110℃
の大気中で10分間乾燥させる。そして第1層の上に重
ねて、上記した第2層用の印刷ペーストをスクリーン印
刷で被着させて厚み約40μmの第2層16(図3)を
形成して110℃の大気中で10分間乾燥させ、合わせ
て厚さ約80μmの2層構造の電子放射物質層17を形
成する。そしてカソードをモニター用17インチカラー
CRTに組み込んで、前記した熱処理を行なって空孔材
粒子を蒸発させて空孔を形成し、更にアルカリ土類金属
の炭酸塩を酸化物とする所定の工程を経て第3のCRT
を完成する。
【0041】比較用として用意する前記第2のCRT
は、使用する酸化物カソードの電子放射物質層が、上記
した第3のCRTの酸化物カソードの第1層用の印刷ペ
ーストをスクリーン印刷で厚み約80μmまで被着させ
て単層に構成したものであり、その他の点は第3のCR
Tと全く同じ方法で製造されるものである。更に比較用
として用意する前記第1のCRTの酸化物カソードは、
他のCRTの酸化物カソードで使用されるのと同仕様の
アルカリ土類金属炭酸塩と酸化スカンジウムとを用い、
酸化スカンジウムの混入濃度も3重量%として従来のス
プレー方式で金属基体に塗布したものである。
【0042】第4のCRTは、使用する酸化物カソード
が、実施の形態2に示される酸化物カソード21(図
5)の構成を有するもので、第1層に用いられる空孔材
粒子30a(図6)が平均粒子直径15μmのポリメチ
ルメタアクリレート粉末である以外は、前記した第3の
CRTと全く同じ方法で製造されるものである。
【0043】第1乃至第4のCRTには、金属基体、ス
リーブ、フィラメント等の陰極構造体が、全て同じ設計
且つ同じ製造ロットのものを備えたモニター用17イン
チカラーCRTが使用されている。寿命試験(電子放射
量の経時変化)、及びラスターモアレの評価試験は、こ
の様にして製作された第1乃至第4のCRTを各々5本
づつ使用して行ない、各々の平均で評価した。
【0044】寿命試験は、アノード電圧を25kV、フ
ォーカス電圧を約6kV、Ec2電圧を600V、及び
Ec1電圧を0Vにそれぞれ設定し、Ek電圧は、カソ
ード電流が300μA/1カソードとなるように調整し
た。そして連続動作時間が0、1000、及び2000
の各時間毎に最大取り出し電流を測定し、初期状態から
の劣化の程度を評価した。測定結果を図7のグラフに示
す。
【0045】一方、ラスターモアレの測定は、色度計と
輝度計を用い、各々のCRTを画面中央でx=0.28
3、y=0.297、輝度20カンデラ/m2とし、1
024×768ドット表示にて官能評価し、一層印刷方
式の酸化物カソードを使用した第2のCRTを基準とし
て比較判断した。
【0046】寿命試験の結果を示す図7のグラフから明
らかなように、CRTの寿命は、従来のスプレー方式に
よる第1のCRTが最も良い結果となったが、実施の形
態2による酸化物カソードを使用した第4のCRTは、
これとほぼ同等の寿命特性が得られた。又、図8のモア
レ評価表に示す様に、実施の形態1による酸化物カソー
ドを使用した第3のCRT及び実施の形態2による酸化
物カソードを使用した第4のCRTは、従来のスプレー
方式による第1のCRTにくらべて大幅に改善された。
【0047】本発明による酸化物カソードを製造する際
の留意点について記す。 (ペーストの厚さについて)乾燥工程後の印刷用ペース
トの被着厚さは、寿命及び電子放射量の点で、40μm
〜150μmとすることが好ましい。40μm以下の厚
さでは動作中のバリウムの蒸発により、電子放射物質層
中のバリウムの比率が減少して短寿命になり易く、逆に
150μm越えると、電子放射量が減少しはじめる傾向
がある。後者の理由は、例えば、電子放射物質層が厚く
なることで電子放射物質層表面の温度が若干下がり、熱
電子の放射量が減少するものと考えられる。
【0048】(ペースト及び印刷の条件について)前記
した実施形態では、印刷用ペーストが、ニトロセルロー
ス溶液とエチルセルロース溶液とのどちらか一方と、テ
ルピネオール及び分散剤を含み、かつ、その粘度が20
00cP〜10000cP(センチポアズ)となるよう
に調整した。これは、印刷後のペースト膜厚を均一に形
良く形成するための条件である。
【0049】この範囲より粘度が小さいと、層を厚くし
にくく、しかも金属基体上の中央が厚く、周辺部が薄く
なって膜厚分布が大きくなりやすくなる。また、この範
囲より粘度が大きいと、スクリーンから印刷用ペースト
がぬけにくくなって、印刷面の特に周辺部に欠けができ
やすくなる。また、粘度が大きいと空孔ができにくく、
電子放射量が少なくなる傾向がある。
【0050】CRTにおいて、酸化物カソードから電子
を取り出す範囲は、次に電子が通過する第1グリッドに
あけられた0.2〜0.6mm程度の電子通過孔の範囲
程度であり、本来はこの範囲だけ、印刷の厚さの条件を
満たせばよく、上記の印刷厚さの均一性は必須条件では
ない。しかし、このように電子放射物質層の厚さを均一
にしておくと第1グリッドと酸化物カソードの組立精度
の余裕度を大きくでき、好ましい。
【0051】また、印刷のスクリーンのメッシュを12
0番〜500番としているが、これはこれより細かいと
印刷用ペーストがぬけにくく、また、これより荒いとメ
ッシュのあとが印刷面に残りやすく、凹凸として残って
モアレの原因やビーム径増大の原因になりやすいためで
ある。
【0052】(空孔材粒子材質、温度条件について)空
孔材粒子はアクリル樹脂粉末に限定するものではなく、
要は印刷後の乾燥工程後までそのまま粒として残り、そ
の後、600℃あるいはそれ以下の真空中加熱で完全に
分解して残らない粒子であればよい。乾燥工程までは、
ペーストを塗布した層内の構造が変化しやすく、それま
でに空孔材粒子が溶けたり、液化したり、分解・蒸発し
て、その形を保てない場合、粒子が支えている構造が変
化して空孔材粒子を入れた効果がなくなる。
【0053】また、空孔材粒子が600℃を越えても分
解・蒸発を続けた場合、次に述べるように電子放射量が
小さくなる。即ち、アルカリ土類の炭酸塩は約600℃
で炭酸塩から酸化物に分解を始める。一般にこの分解時
に真空度が十分低くないと焼結して電子放射量が小さく
なるが、このときに空孔材粒子の分解・蒸発によるガス
があるとこの現象が起こる。また、できたアルカリ土類
の酸化物が、空孔材粒子の分解したガスと反応し、酸化
物以外の例えば水酸化物などになるとその部分は電子放
射をほとんどしなくなる。従って、空孔材粒子は600
℃に達するまでに分解・蒸発が終わっている必要があ
る。さらに必須ではないが、空孔材粒子の分解・蒸発に
よる発生ガスの悪影響をさけるためには空孔材粒子が完
全に分解・蒸発する温度で数十分程度昇温を止めると効
果的である。
【0054】(空孔材粒子の比率、寸法について)上記
空孔材粒子は印刷用ペースト中においてアルカリ土類金
属炭酸塩に対する体積比で、5%から30%である必要
がある。5%以上でないと空孔材粒子を入れた効果が小
さく、電子放射量が小さい。逆に30%以上では、空孔
材粒子を分解・蒸発させた後、そのぬけた後がそのまま
の空隙とならずにつぶれてしまう率が高く、また、全体
的な完成した電子放射物質層が崩れやすくなるため電子
放射量のばらつきが大きくなる。
【0055】また、平均の粒子直径が1μmより小さい
と空孔の大きさが十分でなく、入れた効果が小さい。ま
た、平均の粒子直径が20μmより大きいと表面位置で
空孔材粒子のぬけあとに相当する電子ビームの分布の不
均一ができ、モアレが起こる場合がある。平均の粒子直
径が1μmから20μmの範囲内なら、このようなこと
がなく、十分効果が得られる。更に、ここでいう粒子直
径Dとは、その粒子の最も長い軸方向に対して垂直な断
面内で最も大きい長さをいう。平均の粒子直径は、粒子
の群内の粒子直径の算術平均である。これらの定義は電
子放射物質層になるアルカリ土類金属炭酸塩の粒子の寸
法の定義、平均の定義と同様である。また、ここでは、
一例として、球形の空孔材粒子を用いたが、球形である
必要はなく、この寸法条件を満たせば、同様に効果があ
る。
【0056】尚、請求の範囲、及び実施の形態の説明に
おいて、「上」、「下」といった言葉を使用したが、これ
らは便宜上であって、装置を使用する状態における絶対
的な位置関係を限定するものではない。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、酸化物カソードの電子
放射物質層をスクリーン印刷で被着させて形成すること
により電子放射物質層の表面の大きな凹凸をなくし、電
子放射物質層を2重層とすることによって酸化スカンジ
ウム等の希土類酸化物が表面に露出するのを防せぎ、更
に電子放射物質層に空孔が混在する構成としている。従
って、本発明の酸化物カソードを採用することによっ
て、電子放出量を減少させることなく、電子放射分布の
均一性を向上しつつラスターモアレの発生を抑制し、更
に従来のスプレー方式によって形成された酸化物カソー
ド並の長時間にわたる高電流動作を可能とすCRTを提
供できる。
【0058】更に、実施の形態2の酸化物陰極によれ
ば、電子放射物質層の第1層と第2層の接合がより強固
となり、この接合部の剥離による電子放射能力の低下を
防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による酸化物カソード
の断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による酸化物カソード
の断面の部分拡大図である。
【図3】 本発明の実施の形態1による酸化物カソード
の製造工程中の構成を示す断面の部分拡大図である。
【図4】 本発明の実施の形態2による酸化物カソード
の断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2による酸化物カソード
の断面の部分拡大図である。
【図6】 本発明の実施の形態2による酸化物カソード
の製造工程中の断面の部分拡大図である。
【図7】 従来の酸化物カソードを用いたCRTと、本
発明による酸化物カソードを用いたCRTとの電子放射
能力を比較したグラフである。
【図8】 従来の酸化物カソードを用いたCRTと、本
発明による酸化物カソードを用いたCRTとのモアレ評
価の結果を示す表である。
【図9】 酸化物カソードの製造工程を示した工程図で
ある。
【図10】 スプレー方式で形成された従来の酸化物カ
ソードの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 酸化物カソード、 2 スリーブ、 3 金属基
体、 4 フィラメント、 5 第1層、 6 第2
層、 7 電子放射物質層、 8 アルカリ土類金属酸
化物、 10 酸化スカンジウム、 11 空孔、 1
2 アルカリ土類金属炭酸塩、 13 カソード、 1
4 空孔材粒子、 15 第1層、 16第2層、 2
1 酸化物カソード、 22 第1層、 23 第2
層、 25電子放射物質層、 28a 空孔、 28b
空孔、 30a 空孔材粒子、30b 空孔材粒子、
32 第1層、 33 第2層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 清 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 新庄 孝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5C027 CC05 CC11 CC12 5C031 DD04 DD07 DD09 DD15 DD19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルを主成分とする金属基体上に印
    刷ペーストをスクリーン印刷により被着させて乾燥し、
    熱分解処理して形成した電子放射物質層を有する酸化物
    カソードであって、該電子放射物質層が、 前記金属基体に接して形成され、アルカリ土類金属酸化
    物と希土類酸化物と第1の平均直径を有する空孔とが所
    定の割合で混在する第1層と、 該第1層の表面に接して形成され、アルカリ土類金属酸
    化物と第2の平均直径を有する空孔とが所定の割合で混
    在する第2層とからなることを特徴とする酸化物カソー
    ド。
  2. 【請求項2】 前記第2の平均直径より前記第1の平均
    直径を大きくし、且つ該第1の平均直径を12μm乃至
    20μm程度としたことを特徴とする請求項1記載の酸
    化物カソード。
  3. 【請求項3】 前記電子放射物質層の厚さを40μm乃
    至150μm程度としたことを特徴とする請求項1記載
    の酸化物カソード。
  4. 【請求項4】 ニッケルを主成分とする金属基体上に電
    子放射物質層が形成された酸化物カソードの製造方法で
    あって、 アルカリ土類炭酸塩と希土類酸化物と第1の平均直径を
    有して600℃程度までの温度で蒸発する空孔材粒子と
    を所定の割合で含む第1の印刷ペーストと、アルカリ土
    類の炭酸塩と第2の平均直径を有して600℃程度まで
    の温度で蒸発する空孔材粒子とを所定の割合で含む第2
    の印刷ペーストとを用い、 前記金属基体上に前記第1の印刷ペーストをスクリーン
    印刷により被着させる第1の印刷工程と、 前記第1の印刷ペーストを乾燥して固定させる第1の乾
    燥工程と、 乾燥した前記第1の印刷ペーストの上に重ねて前記第2
    の印刷ペーストをスクリーン印刷により被着させる第2
    の印刷工程と、 前記第2の印刷ペーストを乾燥して固定させる第2の乾
    燥工程と、 前記空孔材粒子を蒸発する工程とを含むことを特徴とす
    る酸化物カソードの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の平均直径より前記第1の平均
    直径を大きくし、且つ該第1の平均直径を12μm乃至
    20μm程度としたことを特徴とする請求項4記載の酸
    化物カソードの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ土類炭酸塩に対する前記空
    孔材粒子の体積比を5%乃至30%程度としたことを特
    徴とする請求項4記載の酸化物カソードの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1と第2の印刷ペーストの粘度を
    2000cP乃至10000cP程度に調整したことを
    特徴とする請求項4記載の酸化物カソードの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100768183B1 (ko) * 2001-10-30 2007-10-17 삼성에스디아이 주식회사 전자총 캐소드의 펠렛 제조 방법
CN100385597C (zh) * 2004-11-16 2008-04-30 彩虹集团电子股份有限公司 一种氧化物阴极表面的涂敷方法

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