JP2004241249A - 含浸型陰極およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウム生成を持続させることにより、従来の含浸型陰極よりも長寿命な含浸型陰極を提供する。
【解決手段】電子放射物質(4)を多孔質金属基体(6)の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質金属基体(6)中に炭素を含有させる。炭素の好ましい含有量は、0.2mol%以上10mol%以下の範囲である。電子放射物質である酸化スカンジウムを、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物を含む焼結体からなる多孔質基体の空孔中に含浸させて含浸型陰極としても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】電子放射物質(4)を多孔質金属基体(6)の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質金属基体(6)中に炭素を含有させる。炭素の好ましい含有量は、0.2mol%以上10mol%以下の範囲である。電子放射物質である酸化スカンジウムを、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物を含む焼結体からなる多孔質基体の空孔中に含浸させて含浸型陰極としても良い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビあるいは情報表示、いわゆるディスプレイに利用されるブラウン管(CRT)等の電子管における含浸型陰極およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の含浸型陰極は、図7に示すように、ヒータコイル1と、このヒータコイル1を内蔵したキャップ状のスリーブ2と、このスリーブ2の上端部に接合されたタングステン等の高融点金属からなる多孔質基体3と、この多孔質基体3の空孔中に含浸させた酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物を主成分とした電子放射物質4と、多孔質基体3上に蒸着等で形成されたイリジウム、オスミウム等の高融点金属薄膜5で構成されている。このような含浸型陰極は、電子管に一般的に用いられている酸化物陰極に比べて、高い電流を取り出して動作させても長い寿命が得られるため、高輝度・高解像度を必要とする大型TV用のCRTに用いられている。
【0003】
含浸型陰極のエミッション電流を長時間維持させる手段としては、下記特許文献1に開示されているように、多孔質金属基体の表面をタングステンと他の金属との合金で被覆してなる含浸型陰極が提案されている。この含浸型陰極では、電子放射物質中のバリウムの蒸発を抑制し、長時間に渡って安定したエミッション電流特性が得られるとしている。また、下記特許文献2には、多孔質金属基体中にスカンジウムを含有させた含浸型陰極が提案されている。この含浸型陰極では、陰極の動作温度を低減することが可能になり、これによってバリウムの蒸発が抑制され、長寿命化が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−84449号公報
【0005】
【特許文献2】
特開昭58−154131号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電子管用の含浸型陰極は、長時間にわたる動作においても高い電子放射を維持して、さらに長寿命化を図ることが要請されている。
【0007】
本発明は、長時間動作での電子放射低下を抑制することにより、従来の含浸型陰極よりもさらに長寿命な含浸型陰極およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の含浸型陰極は、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、前記多孔質基体が炭素を含有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の含浸型陰極は、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質基体が、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物を含む焼結体からなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の含浸型陰極の製造方法は、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の平均粒子径が、金属粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、前記多孔質基体が炭素を含有することにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散を長時間維持することにある。これにより、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0012】
また、多孔質基体中の炭素の含有量は0.2mol%以上10mol%以下が好ましく、これにより、遊離バリウムの生成速度と蒸発による消失速度が、ほぼ平衡状態に維持され、電子放射をより長時間維持することができる。
【0013】
また、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質基体が、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物の焼結体からなることにより、金属粒子を焼結して多孔質基体を製造する際に、基体の変形や基体表面への炭素の析出を防ぎ、かつ炭素が均一に分布した多孔質基体を安価に製造することができる。
【0014】
また、多項質基体中の炭化タングステンの含有量は0.2mol%以上10mol%以下が好ましく、これにより、遊離バリウムの生成速度と蒸発による消失速度が、ほぼ平衡状態に維持され、電子放射をより長時間維持することができる。
【0015】
また、多孔質基体の空孔率は15体積%以上25体積%以下が好ましく、これにより、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散速度が向上し、高い電子放射を得ることができる。
【0016】
また、多孔質金属基体の厚みは400μm以上600μm以下が好ましく、これにより、多孔質金属基体表面への遊離バリウムの拡散速度が向上し、高い電子放射を得ることができる。
【0017】
また、炭素を含有する多孔質基体の空孔中に、酸化スカンジウムを含有する電子放射物質を含浸させることが好ましい。これにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化スカンジウムを長時間にわたって還元して、遊離スカンジウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離スカンジウムの拡散を長時間維持し、かつ、遊離スカンジウムが電子放射物質の仕事関数を低減するので、従来の含浸型陰極よりも高い電子放射が得られ、かつ長寿命な陰極を得ることができる。
【0018】
さらに、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の平均粒子径が、金属粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下とすることにより、多孔質基体内部において、炭化タングステンが均一に分散し、基体内部の何処においても、炭素による電子放射物質中の酸化バリウムの還元が長時間にわたって持続して遊離バリウムを発生させるので、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散が長時間維持される。これにより、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0019】
本発明の好ましい製造方法は、タングステン粒子に対して炭化タングステン粒子を混合し、この混合物をプレスして、多孔質の金属ペレットを作製し、この金属ペレットを水素雰囲気中で加熱焼結し、多孔質金属基体を作製し、次にこの多孔質金属基体と、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウムの固溶体からなる複合酸化物とを混合し、水素を含む窒素雰囲気中で加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させ、さらに、複合酸化物を含浸させた多孔質金属基体の表面に、イリジウム等の高融点金属薄膜を形成する。このようにして得られた多孔質金属基体をスリーブに被着し、バリウム・カルシウム・アルミニウムの三元複合酸化物からなる電子放射物質を多孔質金属基体の空孔内に含有した構造の含浸型陰極を作製する。
【0020】
本発明の好ましい別の製造方法は、前記の多孔質金属基体に対し、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウム・酸化スカンジウムの固溶体からなる複合酸化物を混合し、水素を含んだ窒素雰囲気中で加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させ、多孔質金属基体の表面に高融点金属の薄膜は形成せずに含浸型陰極を作製する。
【0021】
以下、本発明の具体的実施形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明における含浸型陰極の一実施形態の概略構造を示したものである。図1において、含浸型陰極は、ヒータコイル1と、このヒータコイル1を内蔵したキャップ状のスリーブ2と、このスリーブ2の上端部に接合されたタングステン等の高融点金属と炭素の焼結体からなる多孔質基体6と、この多孔質基体6の空孔中に含浸させた、酸化バリウムを主成分とした電子放射物質4と、多孔質基体6の表面に形成された高融点金属薄膜5で構成されている。多孔質基体が炭素を含有することにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散を長時間維持するので、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に、本発明の実施例を、含浸型陰極の製造工程に沿って、順次、説明する。
【0024】
(実施例1)
タングステン粒子に対し3mol%の割合になるように炭化タングステン粒子を混合し、前記混合物をプレスして、直径1.25mm、厚み0.45mm、密度4.5g/cm3となるように多孔質の金属ペレットを作製した。この金属ペレットを水素雰囲気中、1800℃の温度で1時間加熱焼結し、直径1.2mm、厚み0.43mm、密度5.0g/cm3の多孔質金属基体を作製した。
【0025】
次に、この多孔質金属基体と、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウムの固溶体(モル比4:1:1)からなる複合酸化物とを混合し、25体積%の水素を含んだ窒素雰囲気中において、1600℃の温度に加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させた。水素を含んだ窒素雰囲気中において複合酸化物の含浸をする理由は、水素の還元作用により、多孔質タングステン基体中のタングステン粒子表面にできた酸化層を取り除き、良好なエミッション品質を得ることにある。
【0026】
さらに、複合酸化物を含浸させた多孔質金属基体の表面に、スパッタリング法等により、厚さ0.2μmのイリジウムからなる高融点金属薄膜を形成した。
【0027】
このようにして得られた多孔質金属基体をスリーブ2に被着し、バリウム・カルシウム・アルミニウムの三元複合酸化物からなる電子放射物質6を多孔質金属基体の空孔内に含有した図1に示す構造の含浸型陰極を作製した。
【0028】
次に、この含浸型陰極を二極真空管に用い、二極真空管動作時のカソード温度が1220℃、エミッション電流密度が1A/cm2となるように設定して、2000時間の加速寿命試験を行った。図2は、その寿命試験における飽和エミッション電流の経時変化を示したもので、図中の線Aは、基体中に0.2mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Bは、基体中に1mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Cは、基体中に3mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Dは、基体中に10mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線eは、基体中に炭化タングステンを有さない従来の比較例陰極を示す。ここで、飽和エミッション電流とは、陰極から取り出し可能なエミッション電流の最大値を示す。図2より、2000時間寿命試験後の飽和エミッション電流を比較すると判るように、本実施例の含浸型陰極は、炭化タングステンの含有量が0.2〜10mol%の範囲において、高い飽和エミッション電流が維持され、陰極の長寿命化を図ることができた。これは、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを還元し、エミッション電流を出すのに必要な遊離バリウムを長時間に渡って発生させるためである。
【0029】
なお本実施例では、多孔質基体の炭素成分として、炭化タングステンを用いた場合を示したが、基体は、炭素が酸化されていない状態で焼結体が形成されておれば良く、炭化タングステン以外の高融点金属と炭素との焼結体を用いても同様の効果が得られる。
【0030】
本実施例の含浸型陰極における飽和エミッション電流は、図3に示すように、多孔質金属基体の空孔率に依存し、空孔率が15体積%以下になると、基体表面への遊離バリウムの拡散速度が低下して、飽和エミッション電流が低くなる。また、多孔質金属基体の空孔率が25体積%以上になると、基体の変形やひび割れにより、品質上の問題を引き起こす。したがって、多孔質金属基体の空孔率は、15体積%以上25体積%以下が好ましい。
【0031】
また、本実施例の含浸型陰極における飽和エミッション電流は、図4に示すように、多孔質金属基体の厚みにも依存し、厚みが400μm以下の範囲では、多孔質金属基体中の電子放射物質の含有量が少ないために、遊離バリウムの生成速度が低下、すなわち、基体表面への遊離バリウムの拡散速度が低下し、飽和エミッション電流が低下した。一方、厚みが600μm以上になると、基体表面部分の温度低下や、基体とスリーブとの接着強度の低下といった課題を招いた。したがって、多孔質金属基体の厚みは400μm以上600μm以下が好ましい。
【0032】
また、長時間動作における飽和エミッション電流は、図5に示すように、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の粒子径にも依存し、炭化タングステン粒子とタングステン粒子との粒子径が大きく異なると、多孔質金属基体内部における炭化タングステンの分布が不均一になり、高い飽和エミッション電流を維持する効果が小さくなる。高い飽和エミッション電流を維持するためには、炭化タングステン粒子の平均粒子径が、タングステン粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下となるようにするのが好ましい。
【0033】
また、本実施例では、多孔質金属基体に含有する炭素として、炭化タングステンを用いたが、炭化モリブデン、炭化タンタル等の高融点金属炭化物や、タングステンと炭素の焼結体であれば、同様の効果が得られる。
【0034】
(実施例2)
次に、本実施形態における第二の具体例を説明する。
【0035】
第一の実施例における多孔質金属基体に対し、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウム・酸化スカンジウムの固溶体(モル比40:10:10:1)からなる複合酸化物とを混合し、25体積%の水素を含んだ窒素雰囲気中において、1600℃の温度に加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させた。なお、酸化スカンジウムを含有する複合酸化物を含浸させた場合には、第一の実施例と異なり、多孔質金属基体の表面に高融点金属の薄膜は形成しない。このようにして得られた多孔質金属基体をスリーブ2に被着し、バリウム・カルシウム・アルミニウム・スカンジウムの四元複合酸化物からなる電子放射物質6を多孔質金属基体の空孔内に含有した図1に示す構造の含浸型陰極を作製した。
【0036】
得られた陰極を二極真空管に用い、二極真空管動作時のカソード温度が1080℃、エミッション電流密度が1A/cm2となるように設定して、2000時間の加速寿命試験を行った。図6は、その加速寿命試験における飽和エミッション電流の経時変化を示したもので、図中の線Aは、基体中に1mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Bは、基体中に3mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線cは、基体中に炭化タングステンを有さない陰極を示す。図6より、2000時間寿命試験後の飽和エミッション電流を比較すると判るように、本実施例の含浸型陰極では、第一の実施例と同様に、炭化タングステンの含有量が0.2〜10mol%の範囲において、高い飽和エミッション電流が維持され、陰極の長寿命化を図ることができる。
【0037】
また、電子放射物質内に酸化スカンジウムを含有すると、酸化スカンジウムを含有しない場合に比べて、3倍程度の飽和エミッション電流を得ることができる。
【0038】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、多孔質金属基体が0.2mol%以上10mol%以下の炭素を含有することにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散を長時間維持される。これにより、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明は、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウム生成を持続させることにより、従来の含浸型陰極よりも長寿命な含浸型陰極を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における含浸型陰極の概略一部断面図。
【図2】従来および本発明の実施例1の含浸型陰極における飽和エミッション電流の経時変化を示す図。
【図3】本発明の実施例1の含浸型陰極における寿命試験開始前の飽和エミッション電流に対する、多孔質金属基体の空孔率依存性を示す図。
【図4】本発明の実施例1の含浸型陰極における寿命試験開始前の飽和エミッション電流に対する多孔質金属基体の厚み依存性を示す図。
【図5】本発明の実施例1の含浸型陰極における寿命試験2000時間後の飽和エミッション電流に対する炭化タングステンの粒子径依存性を示す図。
【図6】従来および本発明の実施例2の含浸型陰極における飽和エミッション電流の経時変化を示す図。
【図7】従来の含浸型陰極の概略構造を示す概略一部断面図。
【符号の説明】
1 ヒータコイル
2 スリーブ
3 多孔質金属基体
4 電子放射物質
5 高融点金属薄膜
6 電子放射物質
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビあるいは情報表示、いわゆるディスプレイに利用されるブラウン管(CRT)等の電子管における含浸型陰極およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の含浸型陰極は、図7に示すように、ヒータコイル1と、このヒータコイル1を内蔵したキャップ状のスリーブ2と、このスリーブ2の上端部に接合されたタングステン等の高融点金属からなる多孔質基体3と、この多孔質基体3の空孔中に含浸させた酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物を主成分とした電子放射物質4と、多孔質基体3上に蒸着等で形成されたイリジウム、オスミウム等の高融点金属薄膜5で構成されている。このような含浸型陰極は、電子管に一般的に用いられている酸化物陰極に比べて、高い電流を取り出して動作させても長い寿命が得られるため、高輝度・高解像度を必要とする大型TV用のCRTに用いられている。
【0003】
含浸型陰極のエミッション電流を長時間維持させる手段としては、下記特許文献1に開示されているように、多孔質金属基体の表面をタングステンと他の金属との合金で被覆してなる含浸型陰極が提案されている。この含浸型陰極では、電子放射物質中のバリウムの蒸発を抑制し、長時間に渡って安定したエミッション電流特性が得られるとしている。また、下記特許文献2には、多孔質金属基体中にスカンジウムを含有させた含浸型陰極が提案されている。この含浸型陰極では、陰極の動作温度を低減することが可能になり、これによってバリウムの蒸発が抑制され、長寿命化が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−84449号公報
【0005】
【特許文献2】
特開昭58−154131号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電子管用の含浸型陰極は、長時間にわたる動作においても高い電子放射を維持して、さらに長寿命化を図ることが要請されている。
【0007】
本発明は、長時間動作での電子放射低下を抑制することにより、従来の含浸型陰極よりもさらに長寿命な含浸型陰極およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の含浸型陰極は、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、前記多孔質基体が炭素を含有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の含浸型陰極は、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質基体が、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物を含む焼結体からなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の含浸型陰極の製造方法は、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の平均粒子径が、金属粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、前記多孔質基体が炭素を含有することにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散を長時間維持することにある。これにより、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0012】
また、多孔質基体中の炭素の含有量は0.2mol%以上10mol%以下が好ましく、これにより、遊離バリウムの生成速度と蒸発による消失速度が、ほぼ平衡状態に維持され、電子放射をより長時間維持することができる。
【0013】
また、電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質基体が、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物の焼結体からなることにより、金属粒子を焼結して多孔質基体を製造する際に、基体の変形や基体表面への炭素の析出を防ぎ、かつ炭素が均一に分布した多孔質基体を安価に製造することができる。
【0014】
また、多項質基体中の炭化タングステンの含有量は0.2mol%以上10mol%以下が好ましく、これにより、遊離バリウムの生成速度と蒸発による消失速度が、ほぼ平衡状態に維持され、電子放射をより長時間維持することができる。
【0015】
また、多孔質基体の空孔率は15体積%以上25体積%以下が好ましく、これにより、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散速度が向上し、高い電子放射を得ることができる。
【0016】
また、多孔質金属基体の厚みは400μm以上600μm以下が好ましく、これにより、多孔質金属基体表面への遊離バリウムの拡散速度が向上し、高い電子放射を得ることができる。
【0017】
また、炭素を含有する多孔質基体の空孔中に、酸化スカンジウムを含有する電子放射物質を含浸させることが好ましい。これにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化スカンジウムを長時間にわたって還元して、遊離スカンジウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離スカンジウムの拡散を長時間維持し、かつ、遊離スカンジウムが電子放射物質の仕事関数を低減するので、従来の含浸型陰極よりも高い電子放射が得られ、かつ長寿命な陰極を得ることができる。
【0018】
さらに、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の平均粒子径が、金属粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下とすることにより、多孔質基体内部において、炭化タングステンが均一に分散し、基体内部の何処においても、炭素による電子放射物質中の酸化バリウムの還元が長時間にわたって持続して遊離バリウムを発生させるので、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散が長時間維持される。これにより、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0019】
本発明の好ましい製造方法は、タングステン粒子に対して炭化タングステン粒子を混合し、この混合物をプレスして、多孔質の金属ペレットを作製し、この金属ペレットを水素雰囲気中で加熱焼結し、多孔質金属基体を作製し、次にこの多孔質金属基体と、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウムの固溶体からなる複合酸化物とを混合し、水素を含む窒素雰囲気中で加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させ、さらに、複合酸化物を含浸させた多孔質金属基体の表面に、イリジウム等の高融点金属薄膜を形成する。このようにして得られた多孔質金属基体をスリーブに被着し、バリウム・カルシウム・アルミニウムの三元複合酸化物からなる電子放射物質を多孔質金属基体の空孔内に含有した構造の含浸型陰極を作製する。
【0020】
本発明の好ましい別の製造方法は、前記の多孔質金属基体に対し、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウム・酸化スカンジウムの固溶体からなる複合酸化物を混合し、水素を含んだ窒素雰囲気中で加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させ、多孔質金属基体の表面に高融点金属の薄膜は形成せずに含浸型陰極を作製する。
【0021】
以下、本発明の具体的実施形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明における含浸型陰極の一実施形態の概略構造を示したものである。図1において、含浸型陰極は、ヒータコイル1と、このヒータコイル1を内蔵したキャップ状のスリーブ2と、このスリーブ2の上端部に接合されたタングステン等の高融点金属と炭素の焼結体からなる多孔質基体6と、この多孔質基体6の空孔中に含浸させた、酸化バリウムを主成分とした電子放射物質4と、多孔質基体6の表面に形成された高融点金属薄膜5で構成されている。多孔質基体が炭素を含有することにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散を長時間維持するので、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に、本発明の実施例を、含浸型陰極の製造工程に沿って、順次、説明する。
【0024】
(実施例1)
タングステン粒子に対し3mol%の割合になるように炭化タングステン粒子を混合し、前記混合物をプレスして、直径1.25mm、厚み0.45mm、密度4.5g/cm3となるように多孔質の金属ペレットを作製した。この金属ペレットを水素雰囲気中、1800℃の温度で1時間加熱焼結し、直径1.2mm、厚み0.43mm、密度5.0g/cm3の多孔質金属基体を作製した。
【0025】
次に、この多孔質金属基体と、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウムの固溶体(モル比4:1:1)からなる複合酸化物とを混合し、25体積%の水素を含んだ窒素雰囲気中において、1600℃の温度に加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させた。水素を含んだ窒素雰囲気中において複合酸化物の含浸をする理由は、水素の還元作用により、多孔質タングステン基体中のタングステン粒子表面にできた酸化層を取り除き、良好なエミッション品質を得ることにある。
【0026】
さらに、複合酸化物を含浸させた多孔質金属基体の表面に、スパッタリング法等により、厚さ0.2μmのイリジウムからなる高融点金属薄膜を形成した。
【0027】
このようにして得られた多孔質金属基体をスリーブ2に被着し、バリウム・カルシウム・アルミニウムの三元複合酸化物からなる電子放射物質6を多孔質金属基体の空孔内に含有した図1に示す構造の含浸型陰極を作製した。
【0028】
次に、この含浸型陰極を二極真空管に用い、二極真空管動作時のカソード温度が1220℃、エミッション電流密度が1A/cm2となるように設定して、2000時間の加速寿命試験を行った。図2は、その寿命試験における飽和エミッション電流の経時変化を示したもので、図中の線Aは、基体中に0.2mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Bは、基体中に1mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Cは、基体中に3mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Dは、基体中に10mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線eは、基体中に炭化タングステンを有さない従来の比較例陰極を示す。ここで、飽和エミッション電流とは、陰極から取り出し可能なエミッション電流の最大値を示す。図2より、2000時間寿命試験後の飽和エミッション電流を比較すると判るように、本実施例の含浸型陰極は、炭化タングステンの含有量が0.2〜10mol%の範囲において、高い飽和エミッション電流が維持され、陰極の長寿命化を図ることができた。これは、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを還元し、エミッション電流を出すのに必要な遊離バリウムを長時間に渡って発生させるためである。
【0029】
なお本実施例では、多孔質基体の炭素成分として、炭化タングステンを用いた場合を示したが、基体は、炭素が酸化されていない状態で焼結体が形成されておれば良く、炭化タングステン以外の高融点金属と炭素との焼結体を用いても同様の効果が得られる。
【0030】
本実施例の含浸型陰極における飽和エミッション電流は、図3に示すように、多孔質金属基体の空孔率に依存し、空孔率が15体積%以下になると、基体表面への遊離バリウムの拡散速度が低下して、飽和エミッション電流が低くなる。また、多孔質金属基体の空孔率が25体積%以上になると、基体の変形やひび割れにより、品質上の問題を引き起こす。したがって、多孔質金属基体の空孔率は、15体積%以上25体積%以下が好ましい。
【0031】
また、本実施例の含浸型陰極における飽和エミッション電流は、図4に示すように、多孔質金属基体の厚みにも依存し、厚みが400μm以下の範囲では、多孔質金属基体中の電子放射物質の含有量が少ないために、遊離バリウムの生成速度が低下、すなわち、基体表面への遊離バリウムの拡散速度が低下し、飽和エミッション電流が低下した。一方、厚みが600μm以上になると、基体表面部分の温度低下や、基体とスリーブとの接着強度の低下といった課題を招いた。したがって、多孔質金属基体の厚みは400μm以上600μm以下が好ましい。
【0032】
また、長時間動作における飽和エミッション電流は、図5に示すように、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の粒子径にも依存し、炭化タングステン粒子とタングステン粒子との粒子径が大きく異なると、多孔質金属基体内部における炭化タングステンの分布が不均一になり、高い飽和エミッション電流を維持する効果が小さくなる。高い飽和エミッション電流を維持するためには、炭化タングステン粒子の平均粒子径が、タングステン粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下となるようにするのが好ましい。
【0033】
また、本実施例では、多孔質金属基体に含有する炭素として、炭化タングステンを用いたが、炭化モリブデン、炭化タンタル等の高融点金属炭化物や、タングステンと炭素の焼結体であれば、同様の効果が得られる。
【0034】
(実施例2)
次に、本実施形態における第二の具体例を説明する。
【0035】
第一の実施例における多孔質金属基体に対し、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化アルミニウム・酸化スカンジウムの固溶体(モル比40:10:10:1)からなる複合酸化物とを混合し、25体積%の水素を含んだ窒素雰囲気中において、1600℃の温度に加熱して、前記複合酸化物を多孔質金属基体の空孔中に含浸させた。なお、酸化スカンジウムを含有する複合酸化物を含浸させた場合には、第一の実施例と異なり、多孔質金属基体の表面に高融点金属の薄膜は形成しない。このようにして得られた多孔質金属基体をスリーブ2に被着し、バリウム・カルシウム・アルミニウム・スカンジウムの四元複合酸化物からなる電子放射物質6を多孔質金属基体の空孔内に含有した図1に示す構造の含浸型陰極を作製した。
【0036】
得られた陰極を二極真空管に用い、二極真空管動作時のカソード温度が1080℃、エミッション電流密度が1A/cm2となるように設定して、2000時間の加速寿命試験を行った。図6は、その加速寿命試験における飽和エミッション電流の経時変化を示したもので、図中の線Aは、基体中に1mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線Bは、基体中に3mol%の炭化タングステンを有する本実施例の陰極を、線cは、基体中に炭化タングステンを有さない陰極を示す。図6より、2000時間寿命試験後の飽和エミッション電流を比較すると判るように、本実施例の含浸型陰極では、第一の実施例と同様に、炭化タングステンの含有量が0.2〜10mol%の範囲において、高い飽和エミッション電流が維持され、陰極の長寿命化を図ることができる。
【0037】
また、電子放射物質内に酸化スカンジウムを含有すると、酸化スカンジウムを含有しない場合に比べて、3倍程度の飽和エミッション電流を得ることができる。
【0038】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、多孔質金属基体が0.2mol%以上10mol%以下の炭素を含有することにより、基体中に含まれる炭素が、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウムを発生させ、多孔質基体表面への遊離バリウムの拡散を長時間維持される。これにより、従来の含浸型陰極に比べて、長時間動作での電子放射の低下を小さくする作用が発生し、長寿命な陰極を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明は、電子放射物質中の酸化バリウムを長時間にわたって還元して、遊離バリウム生成を持続させることにより、従来の含浸型陰極よりも長寿命な含浸型陰極を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における含浸型陰極の概略一部断面図。
【図2】従来および本発明の実施例1の含浸型陰極における飽和エミッション電流の経時変化を示す図。
【図3】本発明の実施例1の含浸型陰極における寿命試験開始前の飽和エミッション電流に対する、多孔質金属基体の空孔率依存性を示す図。
【図4】本発明の実施例1の含浸型陰極における寿命試験開始前の飽和エミッション電流に対する多孔質金属基体の厚み依存性を示す図。
【図5】本発明の実施例1の含浸型陰極における寿命試験2000時間後の飽和エミッション電流に対する炭化タングステンの粒子径依存性を示す図。
【図6】従来および本発明の実施例2の含浸型陰極における飽和エミッション電流の経時変化を示す図。
【図7】従来の含浸型陰極の概略構造を示す概略一部断面図。
【符号の説明】
1 ヒータコイル
2 スリーブ
3 多孔質金属基体
4 電子放射物質
5 高融点金属薄膜
6 電子放射物質
Claims (8)
- 電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、前記多孔質基体が炭素を含有することを特徴とする含浸型陰極。
- 多孔質基体中の炭素の含有量が0.2mol%以上10mol%以下である請求項1に記載の含浸型陰極。
- 電子放射物質を多孔質基体の空孔中に含浸させた含浸型陰極において、多孔質基体が、金属の粒子と炭化タングステンの粒子との混合物を含む焼結体からなることを特徴とする含浸型陰極。
- 多項質基体中の炭化タングステンの含有量が0.2mol%以上10mol%以下である請求項3に記載の含浸型陰極。
- 多孔質基体の空孔率が、15体積%以上25体積%以下である請求項1から4に記載の含浸型陰極。
- 多孔質基体の厚みが、400μm以上600μm以下である請求項1から5に記載の含浸型陰極。
- 電子放射物質が酸化スカンジウムを含有する請求項1から6に記載の含浸型陰極。
- 請求項3または4に記載の含浸型陰極の製造方法であって、金属粒子と焼結する前の炭化タングステン粒子の平均粒子径が、金属粒子の平均粒子径の1/3以上かつ平均粒子径以下であることを特徴とする含浸型陰極の製造方法。
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JP2003028811A JP2004241249A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 含浸型陰極およびその製造方法 |
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CN114203500A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-03-18 | 北京航空航天大学 | 发射基体组件的制备方法、发射基体组件和电子枪 |
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2003
- 2003-02-05 JP JP2003028811A patent/JP2004241249A/ja not_active Withdrawn
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