JP3068160B2 - 含浸型陰極及びその製造方法 - Google Patents

含浸型陰極及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は主として電子ビーム発生装置、陰極線管の電
子源として用いられる含浸型陰極に関する。
〔従来の技術〕
従来、含浸型陰極は以下のような方法で作られてい
る。まず4〜6μm程度の平均粒径のタングステン粉末
をプレス成型し、約2000〜2300℃で焼結を行い、気孔率
20〜25%の多孔質タングステンを作る。陰極形状への機
械加工が必要な場合は銅やプラスチックを含浸し、加工
後に熱処理でこれを除去するなどの工程が入るが、多孔
質体にはその後BaCO3を主成分とする化合物を水素雰囲
気中にて約1800℃に加熱、溶融し多孔質体内部に含浸す
る。陰極表面に残った余剰の含浸剤を研摩紙等で除去し
た後、真空中で熱処理を行い、陰極製作の基本工程を完
了する。
このようにして作られた陰極の電子放射面には含浸剤
を詰められた5μmφ程度の大きさの開孔が無数に存在
している。
第1図は、そのような電子放射面の一部を拡大した模
式図であり、1は多孔質体、2はその開孔を示す。図示
したように開孔間の間隔をd(平均値を)とすると
≒2〜10μm程度となっている。また電子放射面(全
面)に対する開孔部分の面積比は20〜50%程度となって
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のようにして作られた含浸型陰極は、10-7〜10-8
Torrのような非常に良好な真空中では安定して動作する
が、真空度が10-5〜10-7Torrで使用される装置や、工程
中に水蒸気等にさらされることが不可避のような場合に
は電子放出特性の劣化又は不安定動作が引きおこされる
という問題点があった。
本発明は上記問題点を解消し、真空度の低い状態にさ
らされても特性の劣化が小さく安定動作が保たれる改善
された含浸型陰極およびその製造方法を提供しようとす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明はタングステン、
モリブデン等の高融点金属の多孔質体にBaCO3を主成分
とする化合物を溶融、含浸してなる含浸型陰極におい
て、前記多項質体の電子放射面における開孔間の平均間
隔25〜125μmとし、電子放射面に対する開孔部分の面
積比が0.02〜1.0%となるようにしたものである。
また、上記陰極を作る製造方法として、平均粒径1〜
2.5μmのタングステン、モリブデン等の高融点金属の
粉末を成型、焼結して多孔質体を作り、該多孔質体にBa
CO3を主成分とする化合物を溶融、含浸した後、前記多
孔質体の電子放射面の開口部分の一部を目詰まりさせる
ことにより、前記平均間隔、前記面積比を有する陰極を
製造するようにしたものである。
〔作用〕
含浸型陰極の電子放射面を本発明のように構成するこ
とにより開孔部分の面積が従来のものに較べ1/100〜1/5
0と格段に小さくなるので低真空下における含浸部分へ
の悪影響が著しく低減される。一方、電子放射特性につ
いては開孔部分の面積が小さくなるにも拘らず以下に述
べる理由で放射電流の低下を招くことはない。
バリウムを含む含浸型陰極においては、陰極温度を10
00〜1100℃に加熱すると含浸した化合物と多孔質体金
属とが界面にて化学反応をおこして遊離バリウムが生成
し、これが陰極表面に拡散してバリウムの単原子層を作
り電子放射源となるが、このバリウム単原子層の拡散距
離は900℃で約250μm、1100℃で約100μmであ
る。本発明においては開孔間の平均間隔を125μm以下
とするのでバリウム単原子層を電子放射面に隈なく生成
させるには充分短かい間隔であり、その生成は充分に行
なわれ電子放射特性が損われることは全くない。
また従来の含浸型陰極においては開孔が近接して存在
するため電子放射面に過剰なバリウム原子を生じ、特性
が逆に悪化することがあったが本発明では平均間隔を25
μm以上とすることにしたのでそのおそれを軽減するこ
とができる。
〔実施例〕
本発明の実施例について以下に説明する。まず、平均
粒径2μm、純度99.9%のタングステン粉末を0.5〜1.0
t/cm2の圧力で所要の形状にプレス成型し、その後2200
〜2500℃の還元性雰囲気中で焼結を行い気孔率18〜25%
の多孔質タングステンを得る。多孔質タングステンに銅
又はプラスチックを含浸した後、機械加工により所要の
陰極寸法に加工し、その後熱処理により含浸した銅また
はプラスチックを完全に除去する。
次に、モリブデン等の高融点金属よりなるカソードス
リーブ(カソード支持筒)の端部に上記陰極をMo−Ru粉
末ロウ材により接合し、カソードスリーブの内側に陰極
加熱用ヒータをアルミナ粉末によるポッティングにより
埋め込む。次に、含浸剤としてBaCO3,CaCO3,Al2O3を4:
1:1に混合した化合物を陰極表面に載せ、還元性雰囲気
炉で多孔質体内部に溶融、含浸する。含浸されない余剰
の含浸剤を除去した後#600〜#1000メッシュの粗さの
アルミナ製研摩紙を用いて電子放射面を研摩する。この
研摩により多孔質タングステンの表面の薄層に微細な変
形を生じるが、無数に存在する開孔の中の一部はその変
形により目詰まりされ塞がれた状態となる。
第2図は本発明の陰極の電子放射面の一部を拡大した
模式図であり、3は多孔質体、4は開孔である。研摩前
の状態では開孔間隔は2〜5μm程度であり、電子放射
面に対する開孔部の面積比は10〜20%程度となっている
が、上記研摩を行いその強度(圧力、速度、時間等)を
調節することにより図示したように開孔間隔を=25〜
125μmとすることができる。同時に開孔部分の面積比
は0.02〜1.0%となる。上記研摩工程のあと真空炉中で
熱処理を行い含浸型陰極の製作を完了する。
本実施例の陰極を真空度10-5〜10-6Torrの電子ビーム
発生装置に装着し動作させたという、顕著な特性の改善
が見られた。特性例を第3図に示す。第3図は陰極電流
の陰極温度特性を示す特性図であり、5は従来技術によ
る陰極の特性、6は本発明による陰極の特性を示す。本
発明の場合、放射電流特性の改善により図示したように
従来技術のものに較べ約100℃低い陰極温度で同一な
陰極電流が得られることが確められた。
上述の実施例は多孔質体に含浸剤を含浸した後に研摩
工程を設け所要の表面状態を得るようにした場合である
が、製造方法としては、本発明の構成要素である上記開
孔間隔および開孔部分の面積比が得られる加工方法であ
ればよく、上述の方法に限られるものではない。
たとえば多孔質体の本体となるべき粒度4〜6μmの
タングステン粉末の上層に適度な粒度(2μm以下)の
タングステン粉末の層(成型後の厚さ約100μm)を被
せて一体に成型し、これを焼結することにより、研摩工
程なしで上記と同等な表面状態の得ることが可能であ
る。なお従来の様な方法で表面から内部まで均一な多孔
質体で同様な表面状態を得ることも可能ではあるが、こ
の場合は同時に気孔率が小さくなり、含浸量が減る結果
となるので寿命の点で好ましくない。
〔効果〕
以上説明したように本発明による含浸型陰極は従来技
術によるものに較べ電子放射面における開孔部分の面積
が極めて小さいので低真空雰囲気に強く、且つ充分な電
子放射が得られるので、比較的低真空度雰囲気で使用す
る電子装置の陰極として利用す場合、特にその効果が発
揮される。
また前述のように製造方法としては本実施例の他に種
々考えられるが実施例のような方法によった場合は、多
孔質体内部の気孔率は18〜25%と大きくとれるので含浸
剤を充分に貯えることができ、且つ開孔部分の面積が小
さく作られるので含浸剤の蒸発を充分抑制でき、寿命の
点でも好結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来技術による含浸型陰極の電子放射面の拡大
模式図、第2図は本発明による同上陰極の拡大模式図、
第3図は陰極電流の対陰極温度特性を示す特性図であ
り、本発明によるものと従来技術によるものとを対比し
て示す。 1,3……多孔質体、2,4……開孔、 5……従来技術による含浸型陰極の特性、 6……本発明による含浸型陰極の特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−100659(JP,A) 特開 昭63−116330(JP,A) 特公 昭56−16499(JP,B2) 特公 昭44−10810(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/14,1/28 H01J 9/04,29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステン、モリブデン等の高融点金属
    の多孔質体にBaCO3を主成分とする化合物を溶融、含浸
    してなる含浸型陰極において、前記多孔質体の電子放射
    面における開孔間の平均間隔を25〜125μmとし、電子
    放射面に対する開孔部分の面積比を0.02〜1.0%とした
    ことを特徴とする含浸型陰極。
  2. 【請求項2】平均粒径1〜2.5μmのタングステン、モ
    リブデン等の高融点金属の粉末を成型、焼結して多孔質
    体を作り、該多孔質体にBaCO3を主成分とする化合物を
    溶融、含浸した後、前記多孔質体の電子放射面に研摩加
    工を加えて該電子放射面の開孔部分の一部を目詰まりさ
    せ、請求項1項記載の含浸型陰極を製造する方法。
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