JP2000215800A - 含浸型陰極の製造方法 - Google Patents

含浸型陰極の製造方法

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JP2000215800A
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Yoji Hasegawa
陽二 長谷川
Hirotomo Imabayashi
大智 今林
Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
Atsushi Sato
佐藤  惇司
Yoshiro Hirai
芳郎 平居
Naoki Fujii
直樹 藤井
Seiichi Hiroe
誠一 廣江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要な電子や過剰な電子放射物質から生ずる
粒子等の放出を抑制し、安定した電子放出特性を得るこ
とができると共に長寿命化を図ることができる含浸型陰
極の製造方法を提供する。 【解決手段】 タングステン粉末よりなると共に、表面
に電子放出領域11aを含む一体構造の多孔質焼結体1
1を作製したのち、多孔質焼結体11の電子放出領域1
1aとなる領域以外の領域にレーザビームLBを照射し
て、多孔質焼結体11を部分的に溶融させる。これによ
り、レーザビームLBが照射された領域では、焼結体の
孔が潰れ、多孔質焼結体11の表面に非多孔質面11b
が形成される。更に、多孔質焼結体11中に電子放射物
質1aを含浸させて含浸型陰極1が完成する。この含浸
型陰極1では、陰極動作時における不要な電子の放出、
および電子放射物質1aの余剰粒子の蒸発が抑制され、
安定した電子放出特性を得ることができる。また、陰極
内全体に充分な量の電子放射物質を貯蔵することができ
るため、陰極の長寿命化を図ることできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高融点金属などに
より形成された多孔質体に炭酸バリウム(BaCO3
などの電子放射物質(エミッタ)を含浸させてなる含浸
型陰極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】受像管、ディスプレイ管などの陰極線管
や、撮像管、高周波発信管などの電子管の電子銃には含
浸型陰極が用いられ、この含浸型陰極から電子(熱電
子)が放出されるようになっている。
【0003】この含浸型陰極の性能の良否を決定する要
因としては、例えばカソードカットオフ電圧特性および
グリッドエミッション特性が挙げられる。カソードカッ
トオフ電圧については、その変動を抑制することが重要
である。このカソードカットオフ電圧は、陰極と第1グ
リッドとの距離、第1グリッドと第2グリッドとの距
離、第1グリッドおよび第2グリッドの厚さ、第1グリ
ッドおよび第2グリッドの孔径などに依存するものであ
る。グリッドエミッションは、グリッド(G1,G2
等)に付着した余剰バリウム等から意図しない電子放出
(エミッション)がなされる症状であり、これを抑制す
ることが重要である。このようなカソードカットオフ電
圧特性を劣化させることなく、かつ電子の不要な放出を
抑制するためには、含浸型陰極を構成する多孔質焼結体
表面のうち電子放出領域(ワーキングエリア)に相当す
る部分では空孔率を大きく、その他の領域に相当する部
分では空孔率を小さくするか、または空孔を無くして、
含浸された電子放射物質が電子放出領域以外から余分に
蒸発することを抑制する必要がある。
【0004】ところで、従来の含浸型陰極は、タングス
テン(W)などの高融点金属により構成される多孔質焼
結体のみからなる一体構造のものと、電子放出領域に相
当する部分を多孔質焼結体により構成し、その他の周辺
領域に相当する部分を多孔質ではない耐熱性に優れた金
属により構成し、これらを溶接等により固着させた2体
構造のもの(例えば特開昭60−62034号公報参
照)とに大別される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の含浸型陰極では、それぞれ以下の問題があっ
た。すなわち、多孔質焼結体のみからなる一体構造のも
のは、意図して局所的に空孔率を変化させることが困難
であり、電子放射物質の含浸量が任意に制御された含浸
型陰極を得ることが極めて困難であった。また、安定し
た電子放出特性を得るために充分な量の電子放射物質を
含浸させた場合には、陰極動作時において、電子放射物
質であるバリウム(Ba)あるいは酸化バリウム(Ba
O)が蒸発して、第1グリッドや第2グリッドに付着す
ることがある。そのため、グリッドエミッションが発生
してしまっていた。また、含浸型陰極と第1グリッドと
の距離および第1グリッドと第2グリッドとの距離に変
化が生じてカソードカットオフ電圧が変動(ドリフト)
してしまうという問題があった。
【0006】一方、多孔質焼結体と多孔質ではない耐熱
性に優れた金属とからなる2体構造のものは、耐熱性に
優れた金属内には電子放射物質を含浸させることができ
ないために、この部分では電子放射物質の貯蔵庫として
の役割を果たすことはできなかった。従って、陰極内に
安定した電子放出特性を得るために充分な量の電子放射
物質を確保することができず、電子放出特性が低下し、
陰極の寿命が短かくなるという問題があった。また、製
造工程が複雑であり、コストが高くなるという問題もあ
った。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、不要な電子や過剰な電子放射物質か
ら生ずる粒子等の放出を抑制し、安定した電子放出特性
を得ることができると共に長寿命化を図ることができる
含浸型陰極の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による含浸型陰極
の製造方法は、表面に電子放出領域およびその他の周辺
領域を有する導電性の多孔質体に電子放射物質が含浸さ
れてなる含浸型陰極の製造方法であって、多孔質体の周
辺領域に相当する部分にエネルギービームを照射してそ
の表面を溶融させることにより、多孔質体の周辺領域の
表面を非多孔質の面とする工程を含むものである。
【0009】本発明による含浸型陰極の製造方法では、
エネルギービームが照射されることにより多孔質体の周
辺領域表面が溶融され、電子放射物質等の放出を抑制す
るための非多孔質の面となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】まず、本実施の形態に係る含浸型陰極の製
造方法により製造される含浸型陰極を含む電子銃につい
て説明する。
【0012】図2は、上述した電子銃の概略構成を表す
ものである。この電子銃は、陰極構体100と、第1グ
リッド5および第2グリッド6を含むグリッド群200
とを備えた構成を有している。陰極構体100は、詳細
は後述する含浸型陰極1、例えばモリブデン(Mo)ま
たはタンタル(Ta)などの高融点金属よりなるキャッ
プ2、例えばタンタルよりなる厚さ20μmのスリーブ
3および例えば純タングステン(W)線またはタングス
テンに2〜3%のレニウム(Re)を添加したタングス
テン合金線などの電熱線で構成される加熱ヒータ4とを
有している。含浸型陰極1Aはキャップ2に装着されて
おり、このキャップ2を介してスリーブ3に固定されて
いる。スリーブ3内には加熱ヒータ4が配設されてお
り、加熱ヒータ4によって例えば1000℃に加熱され
ることにより電子放射物質1aが活性化して電子を電子
放射孔(ビーム孔)5a,6aへ放出する。また、図示
しないが、スリーブ3は種々の支持方法によって陰極線
管に組み込まれている。
【0013】この電子銃では、陰極構体100の温度は
加熱ヒータ4により約1000℃にまで達し、電子放射
物質1aから電子(熱電子)が放出される。放出された
電子のうち、第1グリッド5の電子放射孔5aおよび第
2グリッド6の電子放射孔6aを通るものは有効な電子
であり、この有効な電子が電子ビームとして出力され、
図示しない蛍光面に照射される。
【0014】次に、図1を参照して含浸型陰極1の具体
的な製造方法について説明する。
【0015】本実施の形態では、まず、図1(A)に示
したように、例えば導電性物質である粒径が3μmのタ
ングステン粉末と、有機化合物よりなるバインダと、水
とを攪拌機を用いて混合し、スラリを形成する。次い
で、このスラリを用いて、例えばスプレードライヤー法
により約50μmの顆粒を作製する。続いて、この顆粒
を金型に充填して、例えば5トン/cm2 の圧力を加え
てプレス加工を施し、例えば水素還元雰囲気中において
加熱してバインダを除去したのち、更に真空中、水素雰
囲気中あるいは不活性ガス雰囲気中において例えば18
00℃で3時間加熱することにより、顆粒を焼結させ
る。このようにして、空孔率が多孔質焼結体11中にお
いて例えば25%で一定であると共に、表面に電子放出
領域11aを含む円柱形状の多孔質焼結体11を作製す
る。この円柱形状の多孔質焼結体11の大きさは、例え
ば直径1.5mm、厚さ0.65mmである。
【0016】ここで、多孔質焼結体11の空孔率は、プ
レス加工時の圧力や焼結時の雰囲気,加熱温度,加熱時
間により制御される。空孔率は、16〜32%の範囲で
あることが好ましい。32%よりも空孔率が大き過ぎる
と、多孔質焼結体11中に含浸された電子放射物質が過
剰に蒸発して早くなくなるため、陰極としての寿命が短
くなり、逆に空孔率が16%未満になると、電子放射物
質を外部から多孔質焼結体内に含浸させることができな
くなり、かつ動作中の陰極表面への電子放射物質の供給
を妨げるため電子放出特性が悪化するからである。
【0017】多孔質焼結体11を作製したのち、図1
(B)に示したように、多孔質焼結体11の例えば直径
0.9mmの領域が電子放出領域11aとなるように、
それ以外の領域にレーザビームLBを照射して、多孔質
焼結体11を部分的に溶融させる。これにより、レーザ
ビームLBが照射された領域では、焼結体の孔が潰れ、
多孔質焼結体11の表面に非多孔質面11bが形成され
る。
【0018】このレーザ照射は、例えば、アルゴンガス
(Ar)やヘリウムガス(He)などの不活性ガス雰囲
気中において、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レ
ーザを、出力180V、パルス幅3.3msec、スポ
ット径12μm、走査速度70mm/secの条件で電
子放出領域以外の周辺領域の表面上を走査させて行う。
なお、不活性ガス雰囲気中で行うのは、多孔質焼結体1
1を構成する導電性材料の酸化を防止するためである。
【0019】レーザ照射を行うと、多孔質焼結体11の
表面、すなわち電子放出領域11aと非多孔質面11b
との間は凹型、あるいは凸型の段差が生じるが、この段
差は、凹型、凸型のいずれの場合も10μm以下、好ま
しくは5μm以下となるように制御するようにする。こ
れは、段差が10μm以上であると、電子放出特性が不
安定になったり、既に述べた電子銃を組み立てる際に含
浸型陰極1と第1グリッド5との距離を正確に照合する
ことが困難になるからである。なお、上述した条件によ
りYAGレーザを平坦な面に照射した場合には、3μm
程度の凸型形状の段差が生じる。
【0020】レーザビームLBを照射したのち、図1
(C)に示したように、例えば炭酸バリウム(BaCO
3 )と炭酸カルシウム(CaCO3 )と酸化アルミニウ
ム(Al2 3 )とが4:1:1(モル比)の割合で混
合された混合物からなる電子放射物質1aを、真空中あ
るいは水素雰囲気中において、例えば約1700℃の高
温で加熱することにより例えば約3分間含浸させて含浸
型陰極1が完成する。
【0021】作製された含浸型陰極1では、非多孔質面
11bは焼結体の空孔が潰されており、電子放射物質1
aが含浸されていない。また、非多孔質面11bからの
不要な電子の放出が抑制される。よって、電子放出領域
11aからの有効な電子の放出が安定かつ良好に行われ
ると共に、電子放射物質1aの第1グリッド5および第
2グリッド6への付着が抑制される。更に、一体構造の
多孔質焼結体11の全体に電子放射物質1aが含浸され
ているので、陰極内に安定した電子放出特性を得るため
に充分な量の電子放射物質1aを確保することができ
る。その結果、陰極の長寿命化を図ることできる。
【0022】このように本実施の形態によれば、多孔質
焼結体11の電子放出領域11aとなる領域以外の表面
にレーザビームLBを照射し、多孔質焼結体11を部分
的に溶融することによって非多孔質面11bを形成する
ようにしたので、陰極動作時における非多孔質面11b
からの不要な電子の放出が抑制されると共に、電子放射
物質1aの余剰粒子の蒸発が妨げられ、電子放射物質1
aの第1グリッド5および第2グリッド6への付着を抑
制することができる。従って、安定した電子放出特性を
得ることができる。
【0023】また、多孔質焼結体11は一体構造である
ので、製造工程が簡単であり、製造コストの低減化を図
ることができる。
【0024】加えて、本実施の形態の製造方法では、レ
ーザを照射することのみにより非多孔質面11bが形成
されるので、容易かつ安価に製造することができる。
【0025】ところで、電子放出領域以外の周辺領域表
面を非多孔質面にする他の方法としては、表面を機械的
に研磨して形成する方法が考えられる。この方法では研
磨量の調整が困難であり、多孔質焼結体11の高さにば
らつきが生じやすいという問題が生じるが、本実施の形
態の製造方法では、このような問題を生ずるおそれがな
い。更に、機械的に研磨する方法では、治具への取り付
け負荷が大きいこと、研磨粉や研磨屑が多孔質内に侵入
して陰極を汚染してしまうという問題も生じるが、本実
施の形態の製造方法では、このような問題を生ずるおそ
れもない。
【0026】更に、本発明の具体的な実施例について説
明する。
【0027】本実施例では、まず、攪拌機を用いて粒径
3μmのタングステン粉末と有機バインダと水とを混合
して、スラリを形成した。そののち、このスラリを用い
て、スプレードライヤー法により50μm程度の顆粒を
作製した。次いで、この顆粒を金型に充填して、5トン
/cm2 でプレス加工を行い、そののち、水素還元雰囲
気中で加熱して有機バインダを除去した。更に、真空中
において1800℃で3時間加熱して、直径が1.5m
m、高さが0.65mmの円柱形状の多孔質焼結体11
を作製した。なお、この多孔質焼結体11の空孔率を測
定したところ、25%であった。
【0028】続いて、多孔質焼結体11の例えば直径
0.9mmの領域が電子放出領域11aとなるように、
アルゴンガス雰囲気において、YAGレーザを、出力1
80V、パルス幅3.3msec、スポット径12μ
m、走査速度70mm/secの条件で、多孔質焼結体
11の電子放出領域以外の周辺領域の表面上を走査させ
て、非多孔質面11bを形成した。この多孔質焼結体1
1の表面および断面を走査電子顕微鏡(SEM;Scanni
ng Electron Microscopy)で観察したところ、非多孔質
面41bでは、焼結体が溶融され、空孔が潰れて消滅し
ていることが確認された。
【0029】次いで、真空中で炭酸バリウム(BaCO
3 )と炭酸カルシウム(CaCO3)と酸化アルミニウ
ム(Al2 3 )との混合物で、それらのモル比が4:
1:1である電子放射物質1aを加熱溶融し、多孔質焼
結体11中に含浸させて、含浸型陰極1を得た。そのの
ち、含浸型陰極1を用いて電子銃を組み立てて陰極線管
に実装した。
【0030】なお、本実施例に対する比較例として、レ
ーザ照射を行わないこと以外は本実施例と同一の条件で
含浸型陰極を製造し、この含浸型陰極を用いて電子銃を
組み立てて陰極線管に実装した。
【0031】このようにして得られた実施例および比較
例の陰極線管を用いて、5000時間の信頼性試験を行
った。その結果、本実施例の陰極線管では、カットオフ
電圧の変動(ドリフト量)は、比較例のそれの20%以
下であった。また、本実施例の陰極線管では、グリッド
エミッションの発生も防止することができた。更に、試
験後に、実施例および比較例の陰極線管を解体し、第1
グリッドおよび第2グリッドの表面へのバリウムなどの
付着量を確認したところ、本実施例の陰極線管における
付着量は、比較例のそれの20%以下であった。以上の
結果から、本実施例において得られた陰極線管(電子
銃)は、カソードカットオフ電圧特性およびグリッドエ
ミッションなどに於いて抑制の信頼性が高く、かつ電子
放出特性に優れていることが分かった。
【0032】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態および実
施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。
例えば、上記実施の形態および実施例では、多孔質体を
高融点金属のタングステン粉末により形成する例につい
て説明したが、その他の材質であっても、モリブデン
(Mo)粉末などのように、導電性を有すること、酸化
バリウム等の電子放射物質を還元でき、適当な仕事関数
を持つこと、陰極動作温度(含浸型は約1000℃)や
ブラウン管等の作成プロセスでの一時的な高いエージン
グ温度(約1200〜1300℃)に真空中で耐える融
点を持つこと、多孔質焼結が可能なこと、の要件を満た
すものであればよい。
【0033】また、上記各実施の形態および実施例にお
いては、YAGレーザを用いてレーザ照射を行う場合に
ついて説明したが、炭酸ガス(CO2 )レーザやエキシ
マレーザなどの他のレーザ光源を用いてレーザ照射を行
うようにしてもよい。
【0034】更に、上記実施の形態および実施例におい
ては、平坦な多孔質焼結体11の表面にレーザを照射す
るようにしたが、レーザ照射により生じる段差を考慮し
て、凹型形状の段差部を有する多孔質焼結体11の表面
にレーザを照射するようにしてもよい。
【0035】更に、上記実施の形態および実施例におい
ては、一体構造の多孔質焼結体11よりなる含浸型陰極
1の製造方法について説明したが、本発明は、2つ以上
の多孔質焼結体により構成される含浸型陰極を製造する
場合にも適用することができる。
【0036】加えて、上記実施の形態および実施例で
は、本発明により製造された含浸型陰極1を陰極線管に
適用した例について説明したが、更に、マイクロ波管な
どを含む電子管一般にも広く適用できるものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項6のいずれか1項に記載の含浸型陰極の製造方法によ
れば、多孔質体の電子放出領域の周辺領域に相当する部
分にエネルギービームを照射し、その表面を溶融させる
ことによって非多孔質の面を形成するようにしたので、
周辺領域からの不要な電子等の放出を抑制できると共
に、過剰な電子放射物質により生ずる物質のグリッドへ
の付着を抑制することができる。よって、電子放出領域
から電子が安定に放出されるという効果を奏する。
【0038】また、電子放出領域および周辺領域が多孔
質体により構成されているので、陰極内全体にわたっ
て、安定した電子放出特性を得るために充分な量の電子
放射物質を貯蔵することができる。よって、陰極の長寿
命化を図ることできる。
【0039】特に、請求項5記載の含浸型陰極の製造方
法によれば、一体構造の焼結体よりなる多孔質焼結体を
用いるようにしたので、製造工程が簡単であり、製造コ
ストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る含浸型陰極の製造
方法を工程毎に構成を表す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る含浸型陰極の製造
方法により製造された含浸型陰極を用いた電子銃の構成
を表す断面図である。
【符号の説明】
1…含浸型陰極、1a…電子放射物質、11…多孔質焼
結体、11a…電子放出領域、11b…非多孔質面、L
B…レーザビーム
フロントページの続き (72)発明者 今林 大智 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 吉野 信幸 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 シチ ズン時計株式会社内 (72)発明者 佐藤 惇司 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 シチ ズン時計株式会社内 (72)発明者 平居 芳郎 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 シチ ズン時計株式会社内 (72)発明者 藤井 直樹 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 シチ ズン時計株式会社内 (72)発明者 廣江 誠一 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 シチ ズン時計株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AH01 DA09 5C027 CC14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に電子放出領域およびその他の周辺
    領域を有する導電性の多孔質体に電子放射物質が含浸さ
    れてなる含浸型陰極の製造方法において、 前記多孔質体の周辺領域に相当する部分にエネルギービ
    ームを照射してその表面を溶融させることにより、前記
    多孔質体の周辺領域の表面を非多孔質の面とする工程を
    含むことを特徴とする含浸型陰極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギービームとして、レーザビ
    ームを用いることを特徴とする請求項1記載の含浸型陰
    極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多孔質体として、金属粉末を焼結さ
    せた多孔質焼結体を用いることを特徴とする請求項1記
    載の含浸型陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属粉末として、タングステン
    (W)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも一
    方を含んだものを用いることを特徴とする請求項3記載
    の含浸型陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記多孔質焼結体が、一体構造の焼結体
    よりなることを特徴とする請求項3記載の含浸型陰極の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電子放出領域の表面と前記周辺領域
    の表面との間の段差が10μm以下となるように前記非
    多孔質の面を形成することを特徴とする請求項1記載の
    含浸型陰極の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006518109A (ja) * 2003-02-14 2006-08-03 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. ディスペンサ陰極
CN111036914A (zh) * 2020-01-03 2020-04-21 北京工业大学 一种钨基扩散阴极的增材制造制备方法

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