JP2001176058A - 塗布型磁気記録媒体の下層用粉末およびその製造法 - Google Patents

塗布型磁気記録媒体の下層用粉末およびその製造法

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JP2001176058A JP35654699A JP35654699A JP2001176058A JP 2001176058 A JP2001176058 A JP 2001176058A JP 35654699 A JP35654699 A JP 35654699A JP 35654699 A JP35654699 A JP 35654699A JP 2001176058 A JP2001176058 A JP 2001176058A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重層構造の塗布型磁気記録媒体の非磁性層を
形成するための下層用粉末として,粒径が小さくても比
表面積が大きくならないオキシ水酸化鉄の粉体を得る。 【解決手段】 第1鉄塩水溶液に当量以上のアルカリを
加えて水酸化第1鉄のコロイド液を作製し,このコロイ
ド液に酸素含有ガスを通気してオキシ水酸化鉄の種晶を
析出させ,この種晶が析出した液にさらに第1塩鉄水溶
液および当量以上のアルカリを添加し,ついで酸素含有
ガスを通気して該種晶を成長させることにより,平均長
軸長が0.25μm以下,軸比が2以上のオキシ水酸化
鉄粒子からなり且つBET法で測定した比表面積が65
2/g以下の下層用オキシ水酸化鉄粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,重層構造の塗布型
磁気記録媒体における非磁性層を形成するのに用いられ
る下層用粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】結合剤樹脂(バインダー)に磁性粉を分
散含有させた塗膜を支持体上に塗布することによって支
持体上に磁性層を形成するいわゆる塗布型磁気記録媒体
において,該磁性層と支持体の間に,非磁性粉末を結合
剤樹脂中に分散含有させた非磁性層の塗膜(本明細書で
は下層と呼ぶ)を形成する重層構造の塗布型磁気記録媒
体が提案されている。
【0003】支持体と磁性層との間に,非磁性粉末を分
散させた非磁性層(下層)を設ける本来の目的は,磁性
層の厚みを薄くして短い記録波長領域での出力を確保
し,低ノイズで高出力特性を得ること,また優れた電磁
変換特性例えば消去特性やオーバーライト特性を改良す
ることにあり,このためには磁性層自身にもそれなりの
特性が要求されるが,下層の非磁性層側の役割として
は,表面凹凸の少ない滑らかな薄い磁性層をその上に塗
布できること,すなわち,非磁性層自体が表面平滑性に
優れること,磁気記録媒体の強度に寄与すること,そし
て上層の磁性層の磁気特性を充分に引出し得ることが重
要となる。
【0004】このような塗布型磁気記録媒体の下層用粉
末として,同一出願人に係る特開平9−255341号
公報,特開平10−53421号公報および特開平10
−340447号公報において,特定の性質および形状
特性をもつオキシ水酸化鉄粉末を用いることを提案し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の公報で提案した
オキシ水酸化鉄粉は塗布型磁気記録媒体の下層用粉末と
してそれぞれの特徴を有し,磁性層の厚みを薄くし且つ
磁性層の表面を平滑にすることができるものであるが,
その粒径が小さくなると比表面積が一般に大きくなるも
のであった。微粒子になればなるほど比表面積が大きく
なるのは粉体の一般的な性質であるが,前掲公報に記載
のオキシ水酸化鉄粉の場合,平均長軸長が0.3μm以
下のものでは,BET法で測定した比表面積(以下,B
ET比表面積と略称することがある)が65m2/gより
大きくなり,平均長軸長が0.3μm以下の微粒子であ
ってもBET比表面積65m2/g以下を有するようなオ
キシ水酸化鉄粉についての具体的開示はない。
【0006】多重構造の塗布型磁気記録媒体における非
磁性層を形成する場合に,下層粉の粒径が大きくなると
非磁性層の表面平滑性ひいてはその上の磁性層の表面平
滑性が悪くなる。他方,下層粉のBET比表面積が大き
くなるとこれをバイダー樹脂に分散させる場合の分散性
が悪くなり,円滑な塗料化が困難となる。したがって下
層粉としては,粒径はできるだけ小さく,そしてBET
比表面積もできるだけ小さいことが望まれる。しかし,
前記のように粒径が小さくなればなるほど,BET比表
面積も大きくなるのが通常であるから,平均長軸長が
0.3μm以下で軸比が2以上の微細な粒子でありなが
ら,BET比表面積が65m2/g以下のオキシ水酸化鉄
粉を得ることは一般に困難である。
【0007】したがって,本発明の目的は,粒径が小さ
くてもBET比表面積が従来の常識を超えて小さいよう
なオキシ水酸化鉄からなる下層粉を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明者らは種々の試験研究を重ねた結果,第1鉄
塩水溶液に当量以上のアルカリを加えて水酸化第1鉄の
コロイド液を作製し,このコロイド液に酸素含有ガスを
通気してオキシ水酸化鉄の種晶を析出させ,この種晶が
析出した液にさらに第1塩鉄水溶液および当量以上のア
ルカリを添加し,ついで酸素含有ガスを通気して該種晶
を成長させると,粒径が小さくてもBET比表面積が小
さいオキシ水酸化鉄粉が得られることを見い出した。
【0009】この方法によると,平均長軸長が0.25
μm以下,軸比が2以上のオキシ水酸化鉄粒子からなり
且つBET法で測定した比表面積が65m2/g以下のオ
キシ水酸化鉄粉が得ることができ,したがって,本発明
によれば,平均長軸長が0.25μm以下,軸比が2以
上のオキシ水酸化鉄粒子からなり且つBET法で測定し
た比表面積が65m2/g以下である塗布型磁気記録媒体
の下層用粉末を提供する。
【0010】このオキシ水酸化鉄粉は0.1〜5.0重量
%のAlまたはSiを含有することができる。また,こ
のオキシ水酸化鉄粉はカルボン酸で表面処理されている
ことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】針状のオキシ水酸化鉄,例えばα
−FeOOHの針状粒子を製造する方法として,第1鉄
塩溶液にアルカリを添加して水酸化第1鉄を生成させ,
この水酸化第1鉄の懸濁液(コロイド液)に空気等の酸
素含有ガスを吹き込んで酸化処理することにより,α−
FeOOHの針状粒子を析出させる方法が良く知られて
いる。このような一般的なα−FeOOHの製法におい
て,その条件制御を行うことにより,α−FeOOH粒
子の枝分かれ状態や粒子形状を変化させることができ,
また粒径も変化させることができる。しかし,この一般
的の製法に従う限り,粒径の小さいものを得ようとする
と,それに伴ってBET比表面積が大きくなるというの
が,常識的なところであった。理論的にも粒径が小さい
ほどその粉体の単位重量当りの表面積が大きくなるか
ら,α−FeOOHについても同様のことが言い得るの
はむしろ当然のことである。
【0012】ところが,このα−FeOOHの製法を多
段階で実施し,いったんα−FeOOHの種晶を析出さ
せ,この種晶の存在下でα−FeOOHを析出させる
(種晶を成長させる)と,前記の常識に反して,粒径が
小さくなってもBET比表面積が大きくならずに,小さ
なBET比表面積をもつα−FeOOHの針状微粒子が
得られることがわかった。このことは,表面に凹凸や空
洞のない微細なα−FeOOHが得られることを示して
いる。
【0013】より具体的には,第1鉄塩水溶液に当量以
上のアルカリを加えてpH7以上の水酸化第1鉄コロイ
ド溶液を作製し,このコロイド溶液に80℃以下の温度
で酸素含有ガス(例えば空気)を通気することによりα
−FeOOHの種晶を先ず生成させる。すなわち,目的
とするα−FeOOHの粒子よりも遙かに小さなα−F
eOOHの結晶核を生成させる。このためには,水酸化
第1鉄コロイドからα−FeOOHの微小な核がが多数
同時に発生し,時間をかけずに終了することが必要であ
り,この種晶の生成工程では,水酸化第1鉄コロイドの
濃度,供給酸素濃度,温度,液pHをそれぞれ次のよう
な範囲に設定するのがよい。
【0014】種晶の生成工程 水酸化第1鉄コロイドの濃度:0.01〜1 mol/L 酸素供給条件:Fe1mol あたり空気で100〜100
0mL/min 反応温度:10℃以上80℃以下 pH:7〜11
【0015】このようにして得られた種晶が生成した液
に,次いで,新たに第1鉄塩水溶液と当量以上のアルカ
リを加えて酸素含有ガスを通気すると,該種晶が成長し
て粒径は小さくてもBET比表面積が小さいα−FeO
OH結晶が得られる。この挙動は,種晶に水酸化第1鉄
が析出し,その種晶に析出した水酸化第1鉄がα−Fe
OOHになるものと推定される。
【0016】この種晶の成長工程では,次のように条件
設定するのがよい。 種晶の成長工程 第1鉄塩水溶液の添加量:0.01〜1 mol/L アルカリの添加量:1〜5当量 酸素供給条件:Fe1mol あたり空気で100〜300
0mL/min 反応温度:20℃以上80℃以下 pH:10〜14
【0017】このα−FeOOHの種晶の生成と,その
成長の2段階に分けて行う酸化反応において,後段の酸
化反応のさいに,水可溶性のAl塩やアルミン酸塩を適
量添加するとα−FeOOH粒子内にAlを固溶させる
ことができ,このAlの固溶によってオキシ水酸化鉄粒
子の形状安定性・耐熱性・保存安定性を改善することが
でき,非磁性層の塗膜形成にさいしての塗料粘度の低下
を図ることができ,またテープ化のさいの乾燥工程にお
ける昇温時にもオキシ水酸化鉄粉体が変質せず安定に存
在でき,ひいてはテープの表面平滑性を向上させること
ができる。オキシ水酸化鉄中に含有させるAl量として
は0.1〜5重量%が適切である。0.1重量%未満では
Al含有のによる効果は不充分であり,Alの含有量が
5重量%より多いと粉体の比表面積が大きくなる傾向と
なる。ここで,Alの含有量とは,Alが化合物として
含有されている場合にはその化合物の量ではなく,Al
元素の含有量を言う。Al添加に使用する化合物として
は,Al2(SO4)3, Al(NO3)3, AlCl3などの
水可溶塩,更にはNaAlO2(アルミン酸ナトリウ
ム)などの水可溶性アルミン酸などのを使用することが
できる。
【0018】なお,前記のようなAl化合物をアルカリ
水溶液に溶解させた溶液に対して,前記の後段の酸化反
応が終了したオキシ水酸化鉄を分散させ,炭酸ガスや酸
を添加することにより,該液中からオキシ水酸化鉄の表
面に結晶質または非結晶質なAl23・nH2Oを被着
させることにより,オキシ水酸化鉄粒子の結合剤樹脂中
への分散性を改善することができる。
【0019】また,前記のAl化合物に代えて, Si化
合物例えばケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム,コ
ロイダルシリカ懸濁液若しくは3号水ガラス等を使用す
ることができ,Al化合物を添加する場合と同様にこれ
らSi化合物を添加してオキシ水酸化鉄に対して0.1
〜5 重量%の範囲でSiを含有させると,オキシ水酸化
鉄粒子の表面性をコントロールでき,脂肪酸吸着量を低
減できる。なお,Al化合物とSi化合物を併用するこ
とにより,オキシ水酸化鉄にAlとSiを複合含有させ
ることもできる。この場合にはAlとSiの合計量が
0.1〜5 重量%となるように添加すればよい。
【0020】さらに,本発明に従って得られたオキシ水
酸化鉄粒子の表面にカルボン酸を付着させると,これを
樹脂系バインダーに分散させた非磁性層の表面粗度が低
くなり,しかも強度を増強させることができ,このた
め,その上に塗布する薄膜の磁性層の表面粗度が低くな
って表面平滑性に優れた磁気テープが得ることができ
る。使用できるカルボン酸としては,シュウ酸,マロン
酸,マレイン酸,フタル酸,コハク酸,リンゴ酸,フマ
ル酸,酒石酸,アジピン酸,グルタミン酸等のジカルボ
ン酸:クエン酸,トリメリト酸等のトリカルボン酸等が
あり,これらの少なくとも一種のカルボン酸をオキシ水
酸化鉄粉末に対して0.1〜10重量%の量で付着させ
るのがよい。
【0021】このようにして,本発明によれば,粒子径
が小さくなってもBET比表面積が大きくならないオキ
シ水酸化鉄粉末が製造でき,例えば長軸長が0.25μ
m以下軸比が2以上で且つBET比表面積が65m2/g
以下,さらに好ましくは,長軸長が0.20μm以下軸
比が2以上で且つBET比表面積が60m2/g以下のオ
キシ水酸化鉄が得られる。この結果,テープ化するとき
の分散性が良好で且つ良好な表面平滑性が得られるよう
になり,多層構造の塗布型磁気記録媒体の下層用粉末に
適したオキシ水酸化鉄粉が得られる。
【0022】また,このオキシ水酸化鉄は結晶性が良好
であり,後記の実施例に示すように粒径が小さいにも拘
わらず,結晶粒径が100オングストローム以上,好ま
しくは,150オングストローム以上を示す。このよう
に長軸長および短軸長が小さくても比較的大きな結晶子
を有することがBET比表面積を高くしない一つの要因
になっているものと考えられる。
【0023】
【実施例】〔実施例1〕4Lのイオン交換水に,Fe
0.7 mol相当のFeSO4,1.4 mol相当のNa2
3を窒素ガス雰囲気で混合し,水酸化第1鉄のコロイ
ド溶液(30℃)を得る。このコロイド溶液を約35℃
に維持しながら液中に空気を160mL/minの流量
で135分間吹き込み(一次酸化),水酸化第1鉄コロ
イドのほぼ全量をα−FeOOHの種晶として析出させ
る。次いで,窒素ガス雰囲気として,この種晶が析出し
た液に,Fe0.1 mol相当のFeSO4と4 mol相当の
NaOHを添加し,次に空気を200mL/minの流
量で20分間吹き込んだ(二次酸化)。
【0024】このようにして得られたオキシ水酸化鉄の
スラリーをろ過,水洗,乾燥,調湿してオキシ水酸化鉄
粉体71gを得た。得られた粉体からサンプルを採取し
て,次の項目の測定を行ない,その粉体特性を調べた。
その結果を表1に示した。
【0025】平均長軸長,平均短軸長および平均軸比:
174000倍の電子顕微鏡写真にて100個の粒子に
ついて計測し,平均を求めた。 結晶粒径(表1ではDx:単位オングストロームで示
す):X線回析装置を用いて得られたプロファイルから
(110)面に相当するピークの半価幅を求め,これを
シェラーの式に代入して算出した。 比表面積(同BET):BET法で測定。 タップ密度(同TAP):JISK5101に準じて測
定した。 pH:JISK5101に準じて測定した。 ステアリン酸吸着量(同STA) :試料粉末をステアリ
ン酸2%のMEK溶液に分散させた後,遠心分離機によ
り試料粉末を沈ませ,上澄み液の濃度を求めることによ
り比表面積当りの吸着量として算出した。
【0026】また,該オキシ水酸化鉄の粉末と下記材料
とで下記組成で塗料化した。 オキシ水酸化鉄粉 100重量部 塩化ビニル樹脂 9重量部 メチルエチルケトン 45重量部 シクロヘキサノン 105重量部 トルエン 60重量部
【0027】遠心ボールミルで1時間分散させて得た上
記組成の塗料を,ポリエチレンテレフタラートからなる
ベースフィルム上に,アプリケーターを用いて,目標厚
みが約3μmとなるように塗布して非磁性の下層を形成
した。この下層だけのテープに対して,株式会社小坂研
究所製の3次元微細形状測定機(ET−30HK)を用
いて,テープ表面のRa(粗度)を測定した。また,該
塗料の粘度をE型粘度計(東機産業株式会社製の商品名
RE−110H)により測定した。これらの測定値を,
表1のテープ評価の欄に記した。
【0028】〔実施例2〕一次酸化で種晶を析出させた
あとに加えるFeSO4の添加量をFe0.3mol相当に
変更し,二次酸化の空気吹き込み条件を200mL/m
in×60分間に変更した以外は,実施例1を繰り返
し,得られたオキシ水酸化鉄粉を実施例1と同様にして
評価した。その結果を表1に併記した。
【0029】〔実施例3〕一次酸化前のコロイド溶液を
得るためのFeSO4水溶液の量をFe0.3molに相当
に変更し,またNa2CO3を0.6mol に相当に変更
し,種晶を析出させたあとに加えるFeSO4添加量を
Fe0.7mol 相当に変更し,一次酸化の空気吹き込み
条件を160mL/min×60分間,二次酸化の空気
吹き込み条件を200mL/min×45分間に変更し
た以外は,実施例1を繰り返し,得られたオキシ水酸化
鉄粉を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1
に併記した。
【0030】〔実施例4〕二次酸化のさいに,Al/F
eOOHの重量百分比=1重量%に相当するAl 2(SO
4)3を加えてAlイオンを液中に存在させた以外は実施
例1を繰り返し,得られたオキシ水酸化鉄粉を実施例1
と同様にして評価した。その結果を表1に併記した。
【0031】〔実施例5〕二次酸化のさいに,Si/F
eOOHの重量百分比=0.5重量%に相当するケイ酸
ナトリウムを加えてSiを液中に存在させた以外は,実
施例1を繰り返し,得られたオキシ水酸化鉄粉を実施例
1と同様にして評価した。その結果を表1に併記した。
【0032】〔実施例6〕二次酸化のさいに,Al/F
eOOHの重量百分比=1重量%に相当するAl 2(SO
4)3と,Si/FeOOHの重量百分比=0.5重量%に
相当するケイ酸ナトリウムを加えてAlとSiを液中に
存在させた以外は,実施例1を繰り返し,得られたオキ
シ水酸化鉄粉を実施例1と同様にして評価した。その結
果を表1に併記した。
【0033】〔実施例7〕実施例1を繰り返して得られ
たオキシ水酸化鉄のスラリーをろ過,水洗したあと,オ
キシ水酸化鉄粉に対する重量百分比で1.0重量%に相
当するフタル酸を添加混合し,このフタル酸処理したオ
キシ水酸化鉄粉を用いて実施例1と同様にしてテープ評
価試験を行なった。試験結果を表1に示した。
【0034】〔実施例8〕実施例1を繰り返して得られ
たオキシ水酸化鉄のスラリーをろ過,水洗したあと,オ
キシ水酸化鉄粉に対する重量百分比で1.0重量%に相
当するクエン酸を添加混合し,このクエン酸処理したオ
キシ水酸化鉄粉を用いて実施例1と同様にしてテープ評
価試験を行なった。試験結果を表1に示した。
【0035】〔実施例9〕実施例1を繰り返して得られ
たオキシ水酸化鉄のスラリーをろ過,水洗したあと,オ
キシ水酸化鉄粉に対する重量百分比で1.0重量%に相
当するトリメリト酸を添加混合し,このトリメリト酸処
理したオキシ水酸化鉄粉を用いて実施例1と同様にして
テープ評価試験を行なった。試験結果を表1に示した。
【0036】〔実施例10〕実施例6を繰り返して得ら
れたAl・Si含有オキシ水酸化鉄のスラリーをろ過,
水洗したあと,オキシ水酸化鉄粉に対する重量百分比で
1.0重量%に相当するフタル酸を添加混合し,このフ
タル酸処理したAl・Si含有オキシ水酸化鉄粉を用い
て実施例1と同様にしてテープ評価試験を行なった。試
験結果を表1に示した。
【0037】〔比較例1〕第1鉄塩水溶液に当量以上の
水酸化アルカリを加えて得られる水酸化第1鉄コロイド
を含む水溶液をpH11以上にて80℃の温度で酸素含
有ガスを通気して酸化反応を行なわせ,表1に示すよう
に,長軸長=0.11μm,短軸長=0.03μm,BE
T比表面積=90m2/g,結晶粒径=90オングストロ
ーム,Al含有量=2.0重量%のオキシ水酸化鉄を得
た。このオキシ水酸化鉄を用いて実施例1と同様にして
テープ評価試験を行なったところ,当該樹脂を用いたも
のでは塗料化が困難であり,テープ化ができなかった。
【0038】〔比較例2〕長軸長=0.15μm,短軸
長=0.02μmである以外は比較例1と同様にしてオ
キシ水酸化鉄を得て,実施例1と同様にしてテープ評価
試験を行なったところ,当該樹脂を用いたものでは塗料
化が困難であり,テープ化ができなかった。
【0039】〔比較例3〕長軸長=0.30μm,短軸
長=0.04μm,BET比表面積=60m2/g,Al
含有量=3.0重量%である以外は比較例1と同様にし
てオキシ水酸化鉄を得て,実施例1と同様にしてテープ
評価試験を行なったところ,塗料の粘度=100mPa
s,表面粗度=300オングストロームであった。
【0040】〔参考例1〕表1に記載した長軸長,短軸
長,BET比表面積をもつ針状酸化鉄(Fe23)を用
いて実施例1と同様にしてテープ評価試験を行なったと
ころ,塗料の粘度=220mPas,表面粗度=230
オングストロームであった。
【0041】〔参考例2〕表1に記載した粒径の球状酸
化チタンを用いて実施例1と同様にしてテープ評価試験
を行なったところ,塗料の粘度=220mPas,表面
粗度=220オングストロームであった。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果に見られるように,実施例のオ
キシ水酸化鉄は,いずれも長軸長が0.15μm以下で
ありながら,BET比表面積は55m2/g以下である。
また結晶子が150オングストローム以上であり,タッ
プ密度が0.76g/cm3以上である。その結果,前記し
た試験条件でのテープ評価では表面粗度が殆んどのもの
が140〜180オングストロームであり,塗料粘度も
低いものが得られている。これに対して,比較例1〜2
では長軸長が0.15μm以下ではBET比表面積90
2/gに達し,このテープ評価試験では分散性が悪くて
テープ化ができなかった。また比較例3のものはBET
比表面積55m2/gであるが,長軸長が0.30μmと
大きく表面粗度が粗いものとなった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると粒
径が小さくてもBET比表面積が小さいオキシ水酸化鉄
が得られるので,これを,重層構造の塗布型磁気記録媒
体の下層用粉末として用いると,表面平滑性と強度に優
れた非磁性層を構成することができ,その結果,高密度
記録に適した重層構造の磁気記録媒体を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直樹 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4G002 AA05 AA06 AA12 AA13 AB04 AB05 AD01 AE03 5D006 CA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均長軸長が0.25μm以下,軸比が
    2以上のオキシ水酸化鉄粒子からなり且つBET法で測
    定した比表面積が65m2/g以下である塗布型磁気記録
    媒体の下層用粉末。
  2. 【請求項2】 平均長軸長が0.25μm以下,軸比が
    2以上で,0.1〜5.0重量%のAlまたはSiを含有
    したオキシ水酸化鉄粒子からなり且つBET法で測定し
    た比表面積が65m2/g以下である塗布型磁気記録媒体
    の下層用粉末。
  3. 【請求項3】 平均長軸長が0.25μm以下,軸比が
    2以上で,表面にカルボン酸を被着したオキシ水酸化鉄
    粒子からなり且つBET法で測定した比表面積が65m
    2/g以下である塗布型磁気記録媒体の下層用粉末。
  4. 【請求項4】 平均長軸長が0.25μm以下,軸比が
    2以上で,0.1〜5.0重量%のAlまたはSiを含有
    し且つ表面にカルボン酸を被着したオキシ水酸化鉄粒子
    からなり且つBET法で測定した比表面積が65m2/g
    以下である塗布型磁気記録媒体の下層用粉末。
  5. 【請求項5】 平均長軸長が0.20μm以下で,BE
    T法で測定した比表面積が60m2/g以下である請求項
    1,2,3または4に記載の塗布型磁気記録媒体の下層
    用粉末。
  6. 【請求項6】 第1鉄塩水溶液に当量以上のアルカリを
    加えて水酸化第1鉄のコロイド液を作製し,このコロイ
    ド液に酸素含有ガスを通気してオキシ水酸化鉄の種晶を
    析出させ,この種晶が析出した液にさらに第1塩鉄水溶
    液および当量以上のアルカリを添加し,ついで酸素含有
    ガスを通気して該種晶を成長させることからなる塗布型
    磁気記録媒体の下層用オキシ水酸化鉄粉末の製造法。
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