JP2001175009A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2001175009A
JP2001175009A JP35400399A JP35400399A JP2001175009A JP 2001175009 A JP2001175009 A JP 2001175009A JP 35400399 A JP35400399 A JP 35400399A JP 35400399 A JP35400399 A JP 35400399A JP 2001175009 A JP2001175009 A JP 2001175009A
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英也 有末
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達司 織田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真プロセス内で繰り返し使用するにあた
り、高感度で繰り返し安定性の優れた電子写真感光体を
提供する。 【解決手段】一般式(1)および(2)で示される化合
物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴と
する電子写真感光体。(1)中、R1は水素原子、置換
されていてもよいアルキル基及び置換されていてもよい
フェニル基から選択され、R2 及びR3 はそれぞれ水素
原子、アルキル基及びアルコキシル基から選択され、
m、nは1または2である。(2)中、R4は水素原
子、置換されていてもよいアルキル基及び置換されてい
てもよいフェニル基から選択され、R5はそれぞれ水素
原子、アルキル基及びアルコキシル基から選択され、
p、qは1または2である。 【化24】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
するものであり、詳しくは高感度で繰り返し安定性の優
れた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の感光体としては、
セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコンなどの無
機光導電体を主成分とする感光層を有するものが広く知
られていた。しかし、これらは感度、熱安定性、耐湿
性、耐久性等において必ずしも満足し得るものではな
く、また特にセレン及び硫化カドミウムはその毒性のた
めに製造上、取扱上にも制約があった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
感光層を有する電子写真感光体は、製造が比較的容易で
あること、安価であること、取扱が容易であること、ま
た一般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れている等
多くの利点を有し、近年多くの注目を集めている。
【0004】このような有機光導電性化合物としては、
ポリ−N−ビニルカルバゾールがよく知られており、こ
れと2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のル
イス酸とから形成される電荷移動錯体を主成分とする感
光層を有する電子写真感光体が特公昭50−10496
号公報に記載されている。しかしながらこの感光体は感
度、成膜性、及び耐久性において必ずしも満足できるも
のではなかった。
【0005】これに対し、トリフェニルアミン類、スチ
ルベン類、ヒドラゾン類に代表される電荷移動剤とフタ
ロシアニン、アゾ化合物等の電荷発生剤などを組み合わ
せた低分子量の有機光導電体を含む電子写真感光体が提
案されている。これらを適当なバインダーと組み合わ
せ、更に電荷発生能力の高い化合物と電荷移動能力の高
い化合物を、例えば積層型感光体として組み合わせるこ
とにより、セレン等の無機感光体に近い感度を有するも
のも出現している。その結果、複写機やプリンター等の
分野で、このような有機光導電性化合物を主成分とする
感光体が大きく進出してきている。
【0006】一方、このような有機感光体では複写機内
で帯電、露光、除電といった複雑なプロセスを経る際、
化合物は電荷の発生移動を担うだけでなく、高い電界中
でオゾン、光などの刺激を受ける。このためにプロセス
を繰り返すに従い、帯電後の初期電位が低下したり、除
電後の残留電位が上昇するなど使用上多くの問題点が残
されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は電子写
真プロセス内で繰り返し使用するにあたり、高感度で繰
り返し安定性の優れた電子写真感光体を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するために種々の検討をした結果、電子写真感光体
に下記一般式(1)および(2)で示される化合物から
選ばれる少なくとも1種を含有させることが有効である
ことを見いだし本発明に至ったものである。本発明は具
体的には導電性支持体上に必要に応じブロッキング層を
設け、その上にバインダーと電荷発生物質及び必要に応
じ種々の電荷移動物質を組み合わせた一つあるいは複数
の層を設けた電子写真感光体であって、該感光体中に一
般式(1)および(2)で示される化合物から選ばれる
少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感
光体である。
【0009】
【化3】
【0010】(1)中、R1は水素原子、置換されてい
てもよいアルキル基及び置換されていてもよいフェニル
基から選択され、R2 及びR3 はそれぞれ水素原子、ア
ルキル基及びアルコキシル基から選択され、m、nは1
または2である。
【0011】
【化4】
【0012】(2)中、R4は水素原子、置換されてい
てもよいアルキル基及び置換されていてもよいフェニル
基から選択され、R5 はそれぞれ水素原子、アルキル基
及びアルコキシル基から選択され、p、qは1または2
である。
【0013】一般式(1)で示される化合物の具体例を
化学式(3)から(11)に示すが、これによって限定
されるものではない。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】一般式(2)で示される化合物の具体例を
化学式(12)から(16)に示すが、これによって限
定されるものではない。
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】本発明にかかる電子写真感光体は、上記に
示した様な一般式(1)あるいは(2)で示される化合
物を含有させることにより得られ、優れた性能を有す
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要素について
詳細に説明する。
【0031】本発明において、感光体が形成される導電
性支持体としては周知の電子写真感光体に採用されてい
るもの等がいずれも使用できる。具体的には、例えば
金、銀、白金、チタニウム、アルミニウム、銅、亜鉛、
鉄、導電処理をした金属酸化物等のドラム、シート、ベ
ルトあるいはこれらの薄膜のラミネート物、蒸着物等が
挙げられる。
【0032】更に、金属粉末、金属酸化物、カーボンブ
ラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機塩、
イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当なバ
インダーと共に塗布しポリマーマトリックス中に埋め込
んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、紙等
で構成されるドラム、シート、ベルト等や、このような
導電性物質を含有し導電性となったプラスチック、セラ
ミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙げられ
る。
【0033】感光層は電荷発生物質である顔料等を分散
しバインダー中に埋め込んだ顔料分散単層型や、電荷発
生物質と電荷移動物質を分散混合しバインダー中に閉じ
込めた単層型、電荷発生物質と電荷移動物質を分離しバ
インダー中に封じた積層型などにより構成される。本発
明は何れの系にも適用させることが可能であるが、電荷
発生物質と電荷移動物質の性能を最大限に生かし易い機
能分離型積層感光体の系において用いられるのが好まし
い。
【0034】感光体の構成中には、感光層と導電性支持
体の間に感光層から導電性支持体への電荷の注入をコン
トロールするためのブロッキング層を必要に応じ設け、
また感光層表面には感光体の耐久性を向上させるために
表面層を設けても構わない。一般式(1)あるいは
(2)で表される化合物は、感光層を構成するこれらの
種々の層に含有させる事ができる。
【0035】ブロッキング層は、バインダー樹脂単独あ
るいは、バインダー樹脂と無機顔料等との混合で構成さ
れる。バインダー樹脂としてはポリアミド、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、無機顔料としては酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
【0036】一般式(1)あるいは(2)で表される化
合物をブロッキング層に含有させる場合、バインダー樹
脂あるいは、バインダー樹脂と無機顔料100重量部に
対し、0.01から1000重量部、好ましくは0.1
から100重量部の範囲で用いられる。
【0037】本発明で用いられる電荷発生物質として
は、モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料、
ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料およびチアゾ
ールアゾ顔料等に代表されるアゾ系顔料、ペリレン無水
物及びペリレン酸イミド等に代表されるペリレン系顔
料、アントラキノン誘導体、アンスアンスロン誘導体、
ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビ
オラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導体等に
代表されるアントラキノン系または多環キノン系顔料、
金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、無金属フ
タロシアニン、無金属ナフタロシアニンなどに代表され
るフタロシアニン系顔料、ポルフィリン誘導体等の顔料
と、メチルバイオレットに代表されるトリフェニルメタ
ン染料、キニザリン等のキノン染料やピリリウム塩、チ
アピリリウム塩、ベンゾピリウム塩等の染料が挙げられ
る。
【0038】これらの中で、特にキャリア発生効率の高
いものとしてビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、フタロシ
アニン系顔料を用いたものは、高い感度を与え、優れた
感光体を提供するため好ましい。例えば、ビスアゾ顔料
の場合であれば、特開昭62−286058号公報、同
63−32557号公報、同63−243948号公
報、同64−21453号公報、同64−21455号
公報、特開平1−94350号公報、同1−20026
7号公報、同1−202757号公報等に記載の化合物
を使用することが出来る。
【0039】フタロシアニン系顔料の例としては、無金
属フタロシアニン、銅、インジウム、チタン、ガリウ
ム、ゲルマニウム、バナジウム等の金属、又はその酸化
物、塩化物、水酸化物等の配位したフタロシアニン類や
それらの混晶体、ナフタロシアニン類等が挙げられる。
これらの中で、チタニルフタロシアニン(チタニルオキ
シフタロシアニン)を用いたものは特に好ましい。
【0040】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
【0041】チタニルフタロシアニンを例にとると、特
開昭61−217050号公報では、X線回折スペクト
ルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°、
10.2°、22.3°、25.3°、28.6°に主
たる回折ピークを有するα形チタニルフタロシアニン、
特開昭62−67094号公報には9.3°、10.6
°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1
°、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°
に主たる回折ピークを有するβ形チタニルフタロシアニ
ン、特開昭64−17066号公報には9.5°、9.
7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1
°、27.3°に主たる回折ピークを有するY形チタニ
ルフタロシアニンが報告されており、全てのチタニルフ
タロシアニンが使用できるが、Y形に代表される、X線
回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)
が27.2°に主要なピークを示すチタニルフタロシア
ニンは、特に高い感度を与え優れた感光体を提供するた
め好ましい。
【0042】積層型感光体では少なくともこれら電荷発
生物質とバインダー樹脂の混合で電荷発生層が構成され
る。バインダー樹脂としてはスチレン、酢酸ビニル、ア
クリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のビニル
化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ
樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、フェノール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等やエ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、光硬化性
樹脂等が挙げられる。バインダーは電荷発生物質100
重量部に対し1から1000重量部、好ましくは1から
400重量部の範囲で用いられる。電荷発生層の厚さ
は、0.1から20μmが好ましい。
【0043】一般式(1)あるいは(2)で表される化
合物を電荷発生層に含有させる場合、電荷発生物質10
重量部に対し、0.01から100重量部、好ましくは
0.1から50重量部の範囲で用いられる。
【0044】本発明で用いられる電荷移動物質には正孔
移動物質と電子移動物質がある。前者の例としては、例
えば特公昭34−5466号公報に示されているオキサ
ジアゾール類、特公昭45−555号公報に示されてい
るトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公報
に示されているピラゾリン類、特公昭55−42380
号公報に示されているヒドラゾン類、特開昭56−12
3544号公報に示されているオキサジアゾール類、特
公昭58−32372号公報に示されているトリアリー
ルアミン類、特開昭58−198043号公報に示され
ているスチルベン類等をあげることができる。一方、電
子輸送物質としては、例えばクロラニル、テトラシアノ
エチレン、ジフェノキノン、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサ
ントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェンな
どがある。これらの電荷移動物質は単独または2種以上
組み合わせて用いることが出来る。
【0045】これらの電荷移動物質のなかで、ヒドラゾ
ン類、スチルベン類は高い電荷(正孔)移動度をもち、
優れた感光体を提供するため好ましい。ヒドラゾン類の
中では、特開平1−100555号公報、同2−103
67号公報、同2−51163号公報、同2−9676
7号公報、同2−183260号公報、同2−1848
56号公報、同2−184858号公報、同2−184
859号公報、同2−226160号公報、同5−18
8609号公報、同7−140686号公報に記載の化
合物が特に好ましい。またスチルベン類の中では、特開
平2−51162号公報、同2−184857号公報、
同3−75660号公報、同4−177358号公報、
同6−194851号公報、同7−120945号公
報、同7−140683号公報、同10−78671号
公報、同10−90923号公報に記載の化合物が特に
好ましい。
【0046】積層型感光体では少なくともこれら電荷移
動物質とバインダー樹脂の混合で電荷移動層が構成され
る。バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレートに代表されるアクリル樹脂、ビスフェ
ノールAやZに代表される骨格を持つポリカーボネート
樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができ
る。バインダーは電荷移動物質100重量部に対し、1
0から400重量部の範囲で用いられる。電荷移動層の
厚さは、5から50μmが好ましい。
【0047】一般式(1)あるいは(2)で表される化
合物を電荷移動層に含有させる場合、電荷移動物質10
0重量部に対し、0.01から200重量部、好ましく
は0.1から50重量部の範囲で用いられる。
【0048】本発明の電子写真感光体は構成材料の有機
化合物の酸化による劣化を防止するために周知の酸化防
止剤等を添加してもよい。また成膜性、可とう性、機械
的強度を向上させるために周知の可塑剤を使用してもよ
い。
【0049】更に、本発明の電子写真感光体では、顔料
の場合は溶剤に分散し、染料やバインダー及び電荷移動
物質は溶解させて使用する。使用する溶剤はクロロホル
ム、ジクロルエタン、トリクロルエタン、トリクロルエ
チレンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン系、メチルセロソルブ、ジメチルセロソル
ブ、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系など
の溶剤の単独または2種以上の混合溶剤または必要に応
じてアルコール類、アセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミドなどの溶剤を更に加え使用することができ
る。またドラムに塗工する場合には浸漬(ディップ)塗
布方法等が用いられる。
【0050】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0051】実施例1 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
50重量部をメタノール950重量部とプロピレングリ
コールモノメチルエーテル50重量部の混合溶剤に溶解
させ、それに酸化チタン(テイカ製;MT−150W)
50重量部、例示化合物(4)5重量部を混合し、直径
1mmのジルコニアビーズと共にサンドグラインドミル
を用いて5時間分散してブロッキング層形成用塗液を作
製した。このブロッキング層形成用塗布液にアルミニウ
ムドラム素管を浸漬塗布し、自然乾燥して乾燥膜厚0.
5μmのブロッキング層を形成した。
【0052】続いて、無金属フタロシアニン顔料(東洋
インキ製;TPA−891)10重量部、塩化ビニル系
共重合樹脂(日本ゼオン製;MR−110)10重量部
をメチルエチルケトン1000重量部に混合し、直径1
mmの低アルカリガラスビーズと共にサンドグラインド
ミルを用いて2時間分散した。この電荷発生層形成用塗
液を前記ブロッキング層上に浸漬塗布し、自然乾燥して
乾燥膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0053】更に、下記化学式(17)で示されるヒド
ラゾン化合物100重量部、ポリカーボネート樹脂(三
菱瓦斯化学製;Z−200)100重量部、DL−α−
トコフェロール1重量部を、テトラヒドロフラン800
重量部に溶解させた。この電荷移動層形成用塗液を前記
電荷発生層上に浸漬塗布し、115℃で2時間加熱乾燥
して乾燥膜厚25μmの電荷移動層を形成した。
【0054】
【化19】
【0055】このように作製した電子写真感光体を室温
暗所で一昼夜保管した後、室温23℃、相対湿度55%
の条件下において、ドラム感光体評価装置(ジェンテッ
ク製;シンシア90)を用いて、プロセス速度:190
mm/秒、帯電電圧:−7.0kV、露光光波長:78
0nm、露光光強度:2μW/cm2、光除電:タング
ステンランプアレイ、の条件で、帯電、露光、除電プロ
セスを行い半減露光量を測定した。また、このプロセス
を10000回繰り返して行ない、その前後で、感光体
の帯電電位及び残留電位を測定した。これらの結果を表
1に示す。
【0056】実施例2 ブロッキング層に例示化合物(4)の代わりに例示化合
物(9)5重量部を含有させた他は実施例1と同様に電
子写真感光体を作製し、試験を行った。結果を表1に示
す。
【0057】実施例3 ブロッキング層に例示化合物(4)の代わりに例示化合
物(13)5重量部を含有させた他は実施例1と同様に
電子写真感光体を作製し、試験を行った。結果を表1に
示す。
【0058】実施例4 ブロッキング層に例示化合物(4)の代わりに例示化合
物(14)5重量部を含有させた他は実施例1と同様に
電子写真感光体を作製し、試験を行った。結果を表1に
示す。
【0059】比較例1 ブロッキング層に例示化合物を含有させなかった他は実
施例1と同様に電子写真感光体を作製し、試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0060】比較例2 ブロッキング層に例示化合物の代わりに下記比較化合物
(18)5重量部を含有させた他は実施例1と同様に電
子写真感光体を作製し、試験を行った。結果を表1に示
す。
【0061】
【化20】
【0062】比較例3 ブロッキング層に例示化合物の代わりに下記比較化合物
(19)5重量部を含有させた他は実施例1と同様に電
子写真感光体を作製し、試験を行った。結果を表1に示
す。
【0063】
【化21】
【0064】
【表1】
【0065】実施例5 CuKα線を用いたX線回折スペクトルが図1に示す結
晶形を持つチタニルフタロシアニン顔料10重量部、ス
チレン−ブタジエン共重合樹脂(GOODYEAR製;
Pliolite S−5D)10重量部、例示化合物(4)5
重量部をテトラヒドロフラン1000重量部に混合し、
直径1mmの低アルカリガラスビーズと共にサンドグラ
インドミルを用いて2時間分散した。この電荷発生層形
成用塗液にアルミニウムドラム素管を浸漬塗布し、自然
乾燥して乾燥膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
【0066】続いて、下記化学式(20)で示されるス
チルベン化合物100重量部、ポリカーボネート樹脂
(出光興産製;BPPC)100重量部、フェノール系
抗酸化剤(旭電化製;アデカスタブAO−330)2重
量部をテトラヒドロフラン800重量部に溶解させた。
この電荷移動層形成用塗液を前記電荷発生層上に浸漬塗
布し、115℃で2時間加熱乾燥して乾燥膜厚25μm
の電荷移動層を形成した。このように作製した電子写真
感光体を用い、実施例1と同様の試験を行った。結果を
表2に示す。
【0067】
【化22】
【0068】実施例6 電荷発生層に例示化合物(4)の代わりに例示化合物
(10)5重量部を含有させた他は実施例5と同様に電
子写真感光体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0069】実施例7 電荷発生層に例示化合物(4)の代わりに例示化合物
(12)5重量部を含有させた他は実施例5と同様に電
子写真感光体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0070】実施例8 電荷発生層に例示化合物(4)の代わりに例示化合物
(15)5重量部を含有させた他は実施例5と同様に電
子写真感光体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表2に示す。 比較例4 電荷発生層に例示化合物を含有させなかった他は実施例
5と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の
試験を行った。結果を表2に示す。
【0071】比較例5 電荷発生層に例示化合物の代わりに比較化合物(18)
5重量部を含有させた他は実施例5と同様に電子写真感
光体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を
表2に示す。
【0072】比較例6 電荷発生層に例示化合物の代わりに比較化合物(19)
5重量部を含有させた他は実施例5と同様に電子写真感
光体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を
表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】実施例9 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
50重量部をメタノール600重量部と1,3−ジオキ
ソラン400重量部の混合溶剤に溶解させ、それに酸化
チタン(石原産業製;TTO−M−1)50重量部を混
合し、直径1mmのジルコニアビーズと共にサンドグラ
インドミルを用いて5時間分散してブロッキング層形成
用塗液を作製した。このブロッキング層形成用塗布液に
アルミニウムドラム素管を浸漬塗布し、自然乾燥して乾
燥膜厚0.5μmのブロッキング層を形成した。
【0075】続いて、CuKα線を用いたX線回折スペ
クトルが図1に示す結晶形を持つチタニルフタロシアニ
ン顔料10重量部、スチレン−ブタジエン共重合樹脂
(GOODYEAR製;Pliolite S−5B)10重量
部を1,3−ジオキソラン1000重量部に混合し、直
径1mmの低アルカリガラスビーズと共にサンドグライ
ンドミルを用いて2時間分散した。この電荷発生層形成
用塗液を前記ブロッキング層上に浸漬塗布し、自然乾燥
して乾燥膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0076】更に、下記化学式(21)で示されるスチ
ルベン化合物100重量部、ポリカーボネート樹脂(出
光興産製;BPPC)80重量部、ポリエステル樹脂8
0重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1
重量部、例示化合物(4)2重量部をテトラヒドロフラ
ン800重量部に溶解させた。この電荷移動層形成用塗
液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、115℃で2時間
加熱乾燥して乾燥膜厚25μmの電荷移動層を形成し
た。このように作製した電子写真感光体を用い、実施例
1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
【0077】
【化23】
【0078】実施例10 電荷移動層に例示化合物(4)の代わりに例示化合物
(6)2重量部を含有させた他は実施例9と同様に電子
写真感光体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。
結果を表3に示す。
【0079】実施例11 電荷発生層に例示化合物(4)の代わりに例示化合物
(12)2重量部を含有させた他は実施例9と同様に電
子写真感光体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表3に示す。
【0080】実施例12 電荷発生層に例示化合物(4)の代わりに例示化合物
(16)2重量部を含有させた他は実施例9と同様に電
子写真感光体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表3に示す。
【0081】比較例7 電荷発生層に例示化合物を含有させなかった他は実施例
9と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の
試験を行った。結果を表3に示す。
【0082】比較例8 電荷発生層に例示化合物の代わりに比較化合物(18)
2重量部を含有させた他は実施例9と同様に電子写真感
光体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を
表3に示す。
【0083】比較例9 電荷発生層に例示化合物の代わりに比較化合物(19)
2重量部を含有させた他は実施例9と同様に電子写真感
光体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を
表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、高感度で繰り返し安定性の優れた電子写真感光体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたチタニルフタロシアニン顔料の
X線回折スペクトル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)および(2)で示され
    る化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを
    特徴とする電子写真感光体。 【化1】 ((1)中、R1は水素原子、置換されていてもよいア
    ルキル基及び置換されていてもよいフェニル基から選択
    され、R2及びR3はそれぞれ水素原子、アルキル基及び
    アルコキシル基から選択され、m、nは1または2であ
    る。) 【化2】 ((2)中、R4は水素原子、置換されていてもよいア
    ルキル基及び置換されていてもよいフェニル基から選択
    され、R5はそれぞれ水素原子、アルキル基及びアルコ
    キシル基から選択され、p、qは1または2である。)
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