JP2001172614A - 合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法 - Google Patents

合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法

Info

Publication number
JP2001172614A
JP2001172614A JP36476999A JP36476999A JP2001172614A JP 2001172614 A JP2001172614 A JP 2001172614A JP 36476999 A JP36476999 A JP 36476999A JP 36476999 A JP36476999 A JP 36476999A JP 2001172614 A JP2001172614 A JP 2001172614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
synthetic polymer
antistatic agent
group
polymer film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36476999A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Hatta
明生 八田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takemoto Oil and Fat Co Ltd filed Critical Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP36476999A priority Critical patent/JP2001172614A/ja
Publication of JP2001172614A publication Critical patent/JP2001172614A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】合成高分子フィルムに低湿度下においても優れ
た帯電防止性を付与でき、また合成高分子フィルムの再
利用性を制約しない、合成高分子フィルム用帯電防止剤
及び合成高分子フィルムの帯電防止方法を提供する。 【解決手段】特定のスルホン酸アニオン基と特定の第四
級アンモニウム塩基とからなる特定の繰り返し単位を有
する所定の数平均分子量のビニル重合体を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成高分子フィルム
用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法に
関する。各種の合成高分子フィルムが、単層フィルムと
して、また単層フィルム相互間に接着性剤を介在させた
複層フィルムとして、広く使用されている。しかし、か
かる合成高分子フィルムには、その製造乃至加工工程
で、またその使用時に、様々な静電気障害の生じること
が知られている。合成高分子フィルムの製造乃至加工で
は、かかる静電気障害を充分に防止できる帯電防止剤を
使用することが要求されるのである。更に近年では、環
境汚染を回避し、同時に製造乃至加工コストを低減する
観点から、合成高分子フィルムの製造乃至加工工程で生
じる残渣や使用済み合成高分子フィルムを再利用するこ
とが望まれているが、そのためには、かかる再利用に問
題を生じない帯電防止剤を使用することが要求されるの
である。本発明は、以上の要求に応える、合成高分子フ
ィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成高分子フィルム用帯電防止剤
として、各種の界面活性剤の他に、イオン性高分子化合
物が提案されている(特開平1−146931、特開平
5−271524、特開平10−24541)。しか
し、界面活性剤を用いると、合成高分子フィルム同士が
粘着し易くなり、その製造乃至加工工程において、また
使用時に、様々な不都合を引き起こすので、近年ではイ
オン性高分子化合物が使用されるようになっている。と
ころが、合成高分子フィルム用帯電防止剤として従来提
案されているイオン性高分子化合物には、1)合成高分
子フィルムの製造時における耐熱性、特に製膜時の加熱
延伸に対する耐熱性に劣るため、結果として合成高分子
フィルムに充分な帯電防止性を付与できない、2)イオ
ン性高分子化合物を用いた合成高分子フィルムの製造乃
至加工残渣や使用済み合成高分子フィルムを再溶融する
と、着色するため、これらの再利用が制約される、とい
う問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、合成高分子フィルム用帯電防止剤として従
来提案されているイオン性高分子化合物では、1)合成
高分子フィルムに充分な帯電防止性を付与できない、
2)合成高分子フィルムの製造乃至加工残渣や使用済み
合成高分子フィルムの再利用が制約される、という点で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者は、上
記の課題を解決するべく研究した結果、合成高分子フィ
ルム用帯電防止剤としては、特定のスルホン酸アニオン
基と特定の第四級アンモニウム塩基とからなる特定の繰
り返し単位を有する所定の数平均分子量のビニル重合体
が好適であること、またかかる合成高分子フィルム用帯
電防止剤を合成高分子フィルムに適用するに際しては、
該合成高分子フィルム用帯電防止剤を延伸工程前の合成
高分子フィルムに所定量塗布するのが好適であること、
以上を見出した。
【0005】すなわち本発明は、繰り返し単位として下
記の式1で示される構成単位Aを有する数平均分子量5
000〜1000000のビニル重合体から成ることを
特徴とする合成高分子フィルム用帯電防止剤に係る。
【0006】
【式1】
【0007】式1において、 R1:水素又はメチル基 R2,R3:メチル基、炭素数2若しくは3のヒドロキシ
アルキル基又はベンジル基 B:炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基、−C
ONH−R4−で示される有機基又は−COO−R5−で
示される有機基(但し、R4,R5;炭素数1〜6の飽和
炭化水素基) X:下記の式2で示される有機基、下記の式3で示され
る有機基又は下記の式4で示される有機基
【0008】
【式2】−CR67−CR89
【式3】−CR1011−CH2−CR1213
【式4】−CR1415−O−CR1617
【0009】式2〜式4において、 R6〜R17:水素又はメチル基
【0010】また本発明は、上記の合成高分子フィルム
用帯電防止剤を、延伸工程に供される合成高分子フィル
ムに、延伸工程後に製品となる合成高分子フィルム1m
2当たり固形分として0.01〜3gの割合となるよう
塗布することを特徴とする合成高分子フィルムの帯電防
止方法に係る。
【0011】本発明の合成高分子フィルム用帯電防止剤
(以下、単に本発明の帯電防止剤という)としてのビニ
ル重合体には、1)繰り返し単位として式1で示される
構成単位Aのみを有するビニル重合体、2)繰り返し単
位として式1で示される構成単位Aと他の構成単位Bと
を有するビニル重合体、3)上記1)のビニル重合体と
上記2)のビニル重合体との混合物が含まれる。
【0012】式1で示される構成単位Aは、アニオン対
としてのスルホン酸アニオン基とカチオン対としての第
四級アンモニウム塩基とを有する塩構造の構成単位であ
る。繰り返し単位としてかかる構成単位Aのみを有する
ビニル重合体は、式1で示される構成単位Aを形成する
こととなるビニル単量体をラジカル重合することにより
得られる。
【0013】式1で示される構成単位Aを形成すること
となるビニル単量体は、式1中のXが式2で示される有
機基である場合の構成単位Aを形成することとなるビニ
ル単量体、式1中のXが式3で示される有機基である場
合の構成単位Aを形成することとなるビニル単量体、式
1中のXが式4で示される有機基である場合の構成単位
Aを形成することとなるビニル単量体に分けられる。
【0014】式1中のXが式2で示される有機基である
場合の構成単位Aを形成することとなるビニル単量体と
しては、スチレンスルホン酸・1−メチル−1−(2−
ヒドロキシエチル)ピロリジウム塩、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸・1−メチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウム塩、2−メタク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1−メチ
ル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウム塩、ス
チレンスルホン酸・1,1−ジメチルピロリジウム塩、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・
1,1−ジ(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウム塩、
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
・1−ベンジル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリ
ジウム塩、スチレンスルホン酸・1,1−ジメチル−
3,4−ジメチルピロリジウム塩、スチレンスルホン酸
・1,1−ジメチル−3−メチルピロリジウム塩、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1,
1−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルピ
ロリジウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸・1−ベンジル−1−(2−ヒドロキシ
エチル)−3,4−ジメチルピロリジウム塩等が挙げら
れる。
【0015】式1中のXが式3で示される有機基である
場合の構成単位Aを形成することとなるビニル単量体と
しては、スチレンスルホン酸・1−メチル−1−(2−
ヒドロキシエチル)ピペリジウム塩、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸・1−メチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジウム塩、2−メタク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1−メチ
ル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジウム塩、ス
チレンスルホン酸・1,1−ジメチルピペリジウム塩、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・
1,1−ジ(2−ヒドロキシエチル)ピペリジウム塩、
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
・1−ベンジル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリ
ジウム塩、スチレンスルホン酸・1,1−ジメチル−
3,4−ジメチルピペリジウム塩、スチレンスルホン酸
・1,1−ジメチル−3−メチルピペリジウム塩、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1,
1−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルピ
ペリジウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸・1−ベンジル−1−(2−ヒドロキシ
エチル)−3,4−ジメチルピペリジウム塩等が挙げら
れる。
【0016】式1中のXが式4で示される有機基である
場合の構成単位Aを形成することとなるビニル単量体と
しては、スチレンスルホン酸・4−メチル−4−(2−
ヒドロキシエチル)モルホリニウム塩、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸・4−メチル−4
−(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウム塩、2−メ
タクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・4−
メチル−4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウム
塩、スチレンスルホン酸・4,4−ジメチルモルホリニ
ウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸・4,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)モルホリ
ニウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸・4−ベンジル−4−(2−ヒドロキシエチ
ル)モルホリニウム塩、スチレンスルホン酸・2,4,
4,6−テトラメチル−モルホリニウム塩、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・4,4−ジ
(2−ヒドロキシエチル)−2,6−ジメチルモルホリ
ニウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸・4−ベンジル−4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2,6−ジメチルモルホリニウム塩等が挙げられ
る。
【0017】以上例示したようなビニル単量体のうちで
も、式1中のBがフェニレン基又は−CONH−C(C
3)2CH2−で示される有機基である場合の構成単位A
を形成することとなるビニル単量体、式1中のR2がメ
チル基であり、R3が2−ヒドロキシエチル基である場
合の構成単位Aを形成することとなるビニル単量体が好
ましく、式1中のBがフェニレン基又は−CONH−C
(CH3)2CH2−で示される有機基であり、R2がメチル
基であって、R3が2−ヒドロキシエチル基である場合
の構成単位Aを形成することとなるビニル単量体がより
好ましい。
【0018】上記のような好ましい或はより好ましいビ
ニル単量体としては、スチレンスルホン酸・1−メチル
−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウム塩、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1−
メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウム
塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸・1−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
リジウム塩、スチレンスルホン酸・1−メチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジウム塩、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1−メチル
−1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジウム塩、2−
メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・1
−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジウム
塩、スチレンスルホン酸・4−メチル−4−(2−ヒド
ロキシエチル)モルホリニウム塩、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸・4−メチル−4−
(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウム塩、2−メタ
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸・4−メ
チル−4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウム塩
が挙げられる。
【0019】繰り返し単位として以上説明したような式
1で示される構成単位Aと他の構成単位Bとを有するビ
ニル重合体は、構成単位Aを形成することとなるビニル
単量体と、これと共重合可能な他の構成単位Bを形成す
ることとなるビニル単量体とをラジカル重合することに
より得られる。かかる他の構成単位Bを形成することと
なるビニル単量体としては、1)アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、オレイン酸等の炭素数3〜18の不
飽和一塩基酸、2)炭素数1〜20の脂肪族アルコール
と(メタ)アクリル酸とのエステル、3)マレイン酸、
フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の炭素数4若し
くは5の不飽和二塩基酸及びその塩、4)マレイン酸、
フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の炭素数4若し
くは5の不飽和二塩基酸と炭素数1〜20の脂肪族アル
コールとのエステル、5)マレイン酸、フマル酸、シト
ラコン酸、メサコン酸等の炭素数4若しくは5の不飽和
二塩基酸と炭素数2〜8のグリコールとのエステル、
6)マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸
等の炭素数4若しくは5の不飽和二塩基酸とオキシアル
キレン基の繰り返し数2〜100のポリアルキレングリ
コールとのエステル、7)(メタ)アクリルアミド、ア
ルキル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド、8)
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、
9)α−メチルスチレン、スチレン等の芳香族ビニル単
量体、10)酸性ビニルスルホン酸、酸性(メタ)アリ
ルスルホン酸、酸性スルホアルキル(メタ)アクリレー
ト、酸性スチレンスルホン酸等の酸性スルホン酸基を有
するビニル単量体、11)ビニルスルホン酸アルカリ金
属塩、(メタ)アリルスルホン酸アルカリ金属塩、スル
ホアルキル(メタ)アクリレートアルカリ金属塩、スチ
レンスルホン酸アルカリ金属塩等のスルホン酸アルカリ
金属塩基を有するビニル単量体、12)グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニル
グリシジルエーテル等のエポキシ基を有するビニル単量
体等が挙げられるが、なかでもスチレン、炭素数4〜1
0のアクリル酸アルキル、(メタ)アクリルアミド、炭
素数5〜11のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルア
ミドが好ましい。
【0020】繰り返し単位として式1で示される構成単
位Aのみを有するビニル重合体は、前記したように、構
成単位Aを形成することとなるビニル単量体をラジカル
重合することにより得られるが、これ以外にも、スルホ
ン酸基が酸性スルホン酸基である相当するビニル単量体
をラジカル重合した後、そのラジカル重合物を相当する
第四級アンモニウムのハイドロオキサイドで中和する方
法、或はスルホン酸基がスルホン酸アルカリ金属塩基で
ある相当するビニル単量体をラジカル重合した後、その
ラジカル重合物と相当する第四級アンモニウムカチオン
のハロゲン塩とを塩交換する方法によっても得ることが
できる。繰り返し単位として式1で示される構成単位A
と他の構成単位Bとを有するビニル重合体についても同
様である。いずれの場合も、ビニル単量体のラジカル重
合それ自体は、公知の方法、通常は水又は水と水溶性有
機溶媒との混合溶媒を用いた水性溶液中にて行なうこと
ができる。例えば、式1で示される構成単位Aを形成す
ることとなるビニル単量体を水に溶解し、該ビニル単量
体を合計量として10〜45重量%含む水溶液を調整し
た後、窒素ガス雰囲気下において、これにラジカル開始
剤を加え、50〜70℃で4〜8時間ラジカル重合反応
させる。用いるラジカル開始剤としては、重合反応温度
下において分解し、ラジカル発生するものであれば、そ
の種類は特に制限されないが、水溶性のラジカル開始剤
を用いるのが好ましい。かかる水溶性のラジカル開始剤
としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸
化水素、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩等が挙げられる。これらは、亜硫酸塩やL−アス
コルビン酸の如き還元性物質更にはアミン等と組み合わ
せ、レドックス開始剤として用いることもできる。
【0021】上記のようにして得られるビニル重合体が
繰り返し単位として式1で示される構成単位Aと他の構
成単位Bとを有するビニル重合体である場合には、全繰
り返し単位中、構成単位Aを50モル%以上有するもの
とするのが好ましく、構成単位Aを80モル%以上有す
るものとするのがより好ましい。また上記のようにして
得られるビニル重合体が、繰り返し単位として式1で示
される構成単位Aのみを有するビニル重合体であって
も、或は構成単位Aと他の構成単位Bとを有するビニル
重合体であっても、その数平均分子量が5000〜10
00000のものとするが、10000〜200000
のものとするのが好ましい。数平均分子量が5000未
満であると、合成高分子フィルムに付与する帯電防止性
が不充分になり、逆に数平均分子量が1000000を
超えると、そのようなビニル重合体を合成高分子フィル
ムに均一塗布するのが難しくなる。
【0022】本発明の帯電防止剤としての以上説明した
ビニル重合体は通常、水を主溶媒とし、必要に応じてメ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール等の低級アルコール類、アセトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、ブチルセロソル
ブ、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類等を含有する溶媒を用いた水性液として合成高分子
フィルムに適用される。
【0023】本発明は、以上説明した本発明の帯電防止
剤を合成高分子フィルムに適用する方法を特に制限する
ものではないが、本発明の帯電防止剤を、その後に更に
延伸されて製品化される未延伸フイルムや一軸延伸フイ
ルム等に塗布するのが好ましい。この場合、本発明の帯
電防止剤の塗布量は、延伸工程後に製品となる合成高分
子フィルム1m2当たり固形分として0.01〜3g、
好ましくは0.02〜0.1gの割合となるようにす
る。塗布には公知の方法が適用できる。これには例え
ば、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコー
ト法、エアナイフコート法、バーコート法等が挙げられ
る。塗布に際しては、本発明の効果を損なわない範囲
で、バインダー樹脂、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、架橋剤等を併用することもできる。
【0024】本発明の帯電防止剤を適用する合成高分子
フィルムとしては、1)ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル或は
これらの共重合ポリエステルから製膜されるポリエステ
ル系フィルム、2)ナイロン6、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10等の脂肪族
ポリアミドから製膜されるポリアミド系フィルム、3)
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンと脂肪族
ジカルボン酸とのポリアミド、脂肪族ジアミンと1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸とのポリアミド等の脂環
族ポリアミドから製膜されるポリアミド系フィルム、
4)ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m
−フェニレンイソフタラミド等の芳香族ポリアミド等か
ら製膜されるポリアミド系フィルムが挙げられる。なか
でも、本発明の帯電防止剤は、ポリエステル系フィルム
に適用する場合に効果の発現が高い。上記の合成高分子
フィルムには、合目的的に酸化チタン、タルク、酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、シリコーン等の無機フィ
ラー、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂等の有機フィラー、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の他の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、蛍光増白剤、易滑剤、難燃剤等を含有していても、
支障はない。
【0025】本発明の帯電防止剤は、合成高分子フィル
ムに、低湿度下においても充分な帯電防止性を付与でき
る。また本発明の帯電防止剤を用いた合成高分子フィル
ムの製造乃至加工残渣や使用済み合成高分子フィルムを
再溶融しても着色が殆どないので、これらの再利用が制
約されない。以上説明した本発明は、合成高分子フィル
ムに対して適用するが、同様の合成高分子から製造乃至
加工される他の成形品、例えば繊維や容器等に対しても
適用できる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る帯電防止剤の実施形
態としては、次の1)〜18)が挙げられる。 1)繰り返し単位として、式1中のR1が水素、Bがフ
ェニレン基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチ
ル基、Xが式2で示される有機基であって式2中のR6
〜R9が水素である場合の式1で示される構成単位(A
−1)のみを有する数平均分子量31000のビニル重
合体から成る帯電防止剤(V−1)。
【0027】2)繰り返し単位として、式1中のR1
水素、Bが−CONH−C(CH3)2CH2−で示される
有機基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチル
基、Xが式2で示される有機基であって式2中のR6
9が水素である場合の式1で示される構成単位(A−
2)のみを有する数平均分子量85000のビニル重合
体から成る帯電防止剤(V−2)。
【0028】3)繰り返し単位として、式1中のR1
メチル基、Bが−CONH−C(CH 3)2CH2−で示さ
れる有機基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチ
ル基、Xが式2で示される有機基であって式2中のR6
〜R9が水素である場合の式1で示される構成単位(A
−3)のみを有する数平均分子量71000のビニル重
合体から成る帯電防止剤(V−3)。
【0029】4)繰り返し単位として、式1中のR1
水素、Bがフェニレン基、R2がメチル基、R3が2−ヒ
ドロキシエチル基、Xが式3で示される有機基であって
式3中のR10〜R13が水素である場合の式1で示される
構成単位(A−4)のみを有する数平均分子量4500
0のビニル重合体から成る帯電防止剤(V−4)。
【0030】5)繰り返し単位として、式1中のR1
水素、Bが−CONH−C(CH3)2CH2−で示される
有機基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチル
基、Xが式3で示される有機基であって式3中のR10
13が水素である場合の式1で示される構成単位(A−
5)のみを有する数平均分子量66000のビニル重合
体から成る帯電防止剤(V−5)。
【0031】6)繰り返し単位として、式1中のR1
メチル基、Bが−CONH−C(CH 3)2CH2−で示さ
れる有機基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチ
ル基、Xが式3で示される有機基であって式3中のR10
〜R13が水素である場合の式1で示される構成単位(A
−6)のみを有する数平均分子量50000のビニル重
合体から成る帯電防止剤(V−6)。
【0032】7)繰り返し単位として、式1中のR1
水素、Bがフェニレン基、R2がメチル基、R3が2−ヒ
ドロキシエチル基、Xが式4で示される有機基であって
式4中のR14〜R17が水素である場合の式1で示される
構成単位(A−7)のみを有する数平均分子量6000
0のビニル重合体から成る帯電防止剤(V−7)。
【0033】8)繰り返し単位として、式1中のR1
水素、Bが−CONH−C(CH3)2CH2−で示される
有機基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチル
基、Xが式4で示される有機基であって式4中のR14
17が水素である場合の式1で示される構成単位(A−
8)のみを有する数平均分子量44000のビニル重合
体から成る帯電防止剤(V−8)。
【0034】9)繰り返し単位として、式1中のR1
メチル基、Bが−CONH−C(CH 3)2CH2−で示さ
れる有機基、R2がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチ
ル基、Xが式4で示される有機基であって式4中のR14
〜R17が水素である場合の式1で示される構成単位(A
−9)のみを有する数平均分子量110000のビニル
重合体から成る帯電防止剤(V−9)。
【0035】10)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−1)を85モル%、及びN,N−ジメチルアクリ
ルアミドから形成された構成単位を15モル%の割合で
有する数平均分子量76000のビニル重合体から成る
帯電防止剤(V−13)。
【0036】11)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−2)を92モル%、及びアクリルアミドから形成
された構成単位を8モル%の割合で有する数平均分子量
86000のビニル重合体から成る帯電防止剤(V−1
4)。
【0037】12)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−3)を95モル%、スチレンから形成された構成
単位を3モル%、及びブチルアクリレートから形成され
た構成単位を2モル%の割合で有する数平均分子量55
000のビニル重合体から成る帯電防止剤(V−1
5)。
【0038】13)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−4)を89モル%、ブチルアクリレートから形成
された構成単位を7モル%、及びN,N−ジメチルアク
リルアミドから形成された構成単位を4モル%の割合で
有する数平均分子量32000のビニル重合体から成る
帯電防止剤(V−16)。
【0039】14)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−5)を90モル%、ブチルアクリレートから形成
された構成単位を5モル%、及びN,N−ジメチルアク
リルアミドから形成された構成単位を5モル%の割合で
有する数平均分子量71000のビニル重合体から成る
帯電防止剤(V−17)。
【0040】15)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−6)を85モル%、及びスチレンから形成された
構成単位を15モル%の割合で有する数平均分子量25
000のビニル重合体から成る帯電防止剤(V−1
8)。
【0041】16)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−7)を85モル%、メタクリル酸から形成された
構成単位を5モル%、マレイン酸ジメチルから形成され
た構成単位を5モル%、及びスチレンスルホン酸ナトリ
ウムから形成された構成単位を5モル%の割合で有する
数平均分子量20000のビニル重合体から成る帯電防
止剤(V−19)。
【0042】17)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−8)を85モル%、マレイン酸ジポリエチレング
リコール(ポリエチレン部分の平均分子量200)から
形成された構成単位を5モル%、及び酢酸ビニルから形
成された構成単位を5モル%の割合で有する数平均分子
量10000のビニル重合体から成る帯電防止剤(V−
20)。
【0043】18)全繰り返し単位中、前記の構成単位
(A−9)を85モル%、及びN,N−ジメチルアクリ
ルアミドから形成された構成単位を15モル%の割合で
有する数平均分子量70000のビニル重合体から成る
帯電防止剤(V−21)。
【0044】本発明に係る合成高分子フィルムの帯電防
止方法の実施形態としては、次の19)が挙げられる。 19)ポリエチレンテレフタレート製の未延伸フィルム
を、縦方向に延伸した後、更に横方向にも延伸して、製
品フィルムを製造するに際し、前記1)〜18)のいず
れかの帯電防止剤を水希釈した固形分5重量%の水溶液
を、縦方向に延伸したフィルムに、製品フィルム1m2
当たり固形分として0.05gの割合となるよう、キス
コート法で塗布する方法。
【0045】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の
構成及び効果をより具体的にするが、本発明がこれらの
実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実
施例及び比較例において、部は重量部を、また別に記載
しない限り%は重量%を意味する。
【0046】
【実施例】試験区分1(ビニル重合体の合成) ・ビニル単独重合体(V−1)の合成 反応容器に水400gを仕込み、撹拌下に該反応容器内
を窒素置換して80℃とした後、スチレンスルホン酸・
1−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウ
ム塩300gと水240gとからなるビニル単量体水溶
液と、5%過硫酸アンモニウム水溶液30gとを、同時
に2時間かけて滴下し、ラジカル重合反応を行なった。
次いで5%過硫酸アンモニウム水溶液30gを1時間か
けて追加した後、反応温度を80℃に保持して2時間ラ
ジカル重合反応を続け、反応物を得た。反応物の一部を
精製して分析した結果、繰り返し単位として、式1中の
1が水素、Bがフェニレン基、R2がメチル基、R3
2−ヒドロキシエチル基、Xが式2で示される有機基で
あって式2中のR6〜R9が水素である場合の式1で示さ
れる構成単位(A−1)のみを有する数平均分子量31
000のビニル重合体(V−1)であった。これを本発
明の帯電防止剤(V−1)とした。
【0047】・ビニル重合体(V−2)〜(V−12)
及び(RV−1)〜(RV−5)の合成 ビニル重合体(V−1)と同様にして、ビニル重合体
(V−2)〜(V−12)及び(RV−1)〜(RV−
5)を合成した。これらをそれぞれ、本発明の帯電防止
剤(V−2)〜(V−12)及び比較の帯電防止剤(R
V−1)〜(RV−5)とした。ビニル重合体(V−
1)も含め、これらの内容を表1にまとめて示した。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、 B−1:フェニレン基 B−2:−CONH−C(CH3)2CH2−で示される有
機基 B−3:−CO2−CH2CH2CH2−で示される有機基 B−4:−CH2−で示される有機基 X−1:式2中のR6〜R9が水素である場合の式2で示
される有機基(エチレン基) X−2:式3中のR10〜R13が水素である場合の式3で
示される有機基(トリメチレン基) X−3:式4中のR14〜R17が水素である場合の式4で
示される有機基(メチレンオキシメチレン基) X−4:式2中のR6,R8がメチル基であってR7,R9
が水素である場合の式2で示される有機基(1,2−ジ
メチル−エチレン基) X−5:式3中のR10,R12がメチル基であってR11
13が水素である場合の式3で示される有機基(1,3
−ジメチル−トリメチレン基) X−6:式4中R14,R16がメチル基であってR15,R
17が水素である場合の式4で示される有機基(1,3−
ジメチル−メチレンオキシメチレン基) RV−3:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム RV−4:ポリ(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド) RV−5:ポリアクリル酸ジ(2−ヒドロキシエチル)
ジメチルアンモニウム
【0050】・ビニル共重合体(V−13)の合成 反応容器に水400gを仕込み、撹拌下に該反応容器内
を窒素置換して80℃とした後、スチレンスルホン酸・
1−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジウ
ム塩266g(0.85モル)とN,N−ジメチルアク
リルアミド15g(0.15モル)と水240gとから
なるビニル単量体水溶液と、5%過硫酸アンモニウム水
溶液30gとを、同時に2時間かけて滴下し、ラジカル
重合反応を行なった。次いで5%過硫酸アンモニウム水
溶液30gを1時間かけて追加した後、反応温度を80
℃に保持して2時間ラジカル重合反応を続け、反応物を
得た。反応物の一部を精製して分析した結果、全繰り返
し単位中、式1中のR1が水素、Bがフェニレン基、R2
がメチル基、R3が2−ヒドロキシエチル基、Xが式2
で示される有機基であって式2中のR6〜R9が水素であ
る場合の式1で示される構成単位(A−1)を85モル
%、またN,N−ジメチルアクリルアミドから形成され
た構成単位を15モル%の割合で有する数平均分子量7
6000のビニル重合体(V−13)であった。これを
本発明の帯電防止剤(V−13)とした。
【0051】・ビニル重合体(V−14)〜(V−2
1)の合成 ビニル重合体(V−13)と同様にして、ビニル重合体
(V−14)〜(V−21)を合成した。これらをそれ
ぞれ、本発明の帯電防止剤(V−14)〜(V−21)
とした。ビニル重合体(V−13)も含め、これらの内
容を表2にまとめて示した。
【0052】
【表2】
【0053】表2において、 DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミドから形成さ
れた構成単位 AA:アクリルアミドから形成された構成単位 ST:スチレンから形成された構成単位 BA:ブチルアクリレートから形成された構成単位 MA:メタクリル酸から形成された構成単位 MLDM:マレイン酸ジメチルから形成された構成単位 STSNA:スチレンスルホン酸ナトリウムから形成さ
れた構成単位 MLDPEG:マレイン酸ジポリエチレングリコール
(ポリエチレン部分の平均分子量200)から形成され
た構成単位 VA:酢酸ビニルから形成された構成単位
【0054】試験区分2(合成高分子フィルムへの帯電
防止剤の水性液の塗布、並びにその評価) ・合成高分子フィルムへの帯電防止剤の水性液の塗布 極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを28
0〜300℃で溶融押し出しし、15℃の冷却ロールで
冷却して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを
周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に3.5
倍に一軸延伸した。次に、試験区分3で調製した帯電防
止剤の5%水性液を、一軸延伸フィルムに、更に延伸さ
れて製品となる二軸延伸フィルム1m2当たり表3又は
表4に記載の塗布量となるようキスコート法で 塗布
し、70℃の熱風で乾燥して、一軸延伸コーティングポ
リエステルフィルムとした。最後に、一軸延伸コーティ
ングポリエステルフィルムをテンターにより98℃で横
方向に3.5倍延伸し、200〜210℃で熱固定し
て、厚さ100μmの二軸延伸コーティングポリエステ
ルフィルムを得た。得られた二軸延伸コーティングポリ
エステルフィルムについて以下の評価を行なった。結果
を表3及び表4にまとめて示した。
【0055】・帯電防止性の評価 条件1 上記で得た一軸延伸コーティングポリエステルフィルム
を、20℃で相対湿度50%の条件下に24時間調湿し
た後、同条件で表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置
(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を
用いて測定し、下記の基準で評価した。 評価基準 ◎:1×1010未満 ○:1×1010以上1×1011未満 △:1×1011以上1×1012未満 ×:1×1012以上
【0056】条件2 上記で得た二軸延伸コーティングポリエステルフィルム
を、20℃で相対湿度50%の条件下に24時間調湿し
た後、同条件で表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置
(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を
用いて測定し、下記の基準で評価した。 評価基準 ◎:1×1010未満 ○:1×1010以上1×1011未満 △:1×1011以上1×1012未満 ×:1×1012以上
【0057】条件3 上記で得た二軸延伸コーティングポリエステルフィルム
を、20℃で相対湿度30%の条件下に24時間調湿し
た後、同条件で表面比抵抗(Ω)を表面抵抗値測定装置
(シシド電気社製の商品名メガレスタHT−301)を
用いて測定し、下記の基準で評価した。 評価基準 ◎:1×1011未満 ○:1×1011以上1×1012未満 △:1×1012以上1×1013未満 ×:1×1013以上
【0058】・塗布性の評価 上記で得た二軸延伸コーティングポリエステルフィルム
の表面を肉眼で観察し、下記の基準で評価した。 評価基準 ◎:塗布抜けがなく、均一な塗布膜である ○:極めて僅かに塗布抜けがあるが、ほぼ均一な塗布膜
である △:塗布抜けが幾分あるが、ほぼ均一な塗布膜である ×:塗布抜けが多く、不均一な塗布膜である
【0059】・再利用性 上記で得た二軸延伸コーティングポリエステルフィルム
を粉砕し、押し出し機にて約300℃で溶融してチップ
化した。このチップを用いて溶融製膜し、再生フィルム
を作製した。別にブランクとして、水のみを塗布した二
軸延伸コーティングポリエステルフィルムを用いて再生
フィルムを作製した。再生フィルムの着色から再利用性
を下記の基準で評価した。 評価基準 ◎:ブランクと同等であって、ほとんど着色していない ○:ブランクと比較してわずかに着色しているが、再利
用に問題がない △:ブランクと比較して着色しており、再利用に制約が
ある ×:ブランクと比較して著しく着色しており、再利用で
きない
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、合成高分子フィルムに低湿度下においても優れ
た帯電防止性を付与でき、また合成高分子フィルムの再
利用性を制約しない、という効果がある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位として下記の式1で示され
    る構成単位Aを有する数平均分子量5000〜1000
    000のビニル重合体から成ることを特徴とする合成高
    分子フィルム用帯電防止剤。 【式1】 {式1において、 R1:水素又はメチル基 R2,R3:メチル基、炭素数2若しくは3のヒドロキシ
    アルキル基又はベンジル基 B:炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基、−C
    ONH−R4−で示される有機基又は−COO−R5−で
    示される有機基(但し、R4,R5;炭素数1〜6の飽和
    炭化水素基) X:下記の式2で示される有機基、下記の式3で示され
    る有機基又は下記の式4で示される有機基} 【式2】−CR67−CR89− 【式3】−CR1011−CH2−CR1213− 【式4】−CR1415−O−CR1617− (式2〜式4において、 R6〜R17:水素又はメチル基)
  2. 【請求項2】 ビニル共重合体が、全繰り返し単位中、
    構成単位Aを50モル%以上有するものである請求項1
    記載の合成高分子フィルム用帯電防止剤。
  3. 【請求項3】 ビニル重合体が、数平均分子量1000
    0〜200000のものである請求項1又は2記載の合
    成高分子フィルム用帯電防止剤。
  4. 【請求項4】 構成単位Aが、式1中のBがフェニレン
    基又は−CONH−C(CH3)2CH2−で示される有機
    基である場合のものである請求項1、2又は3記載の合
    成高分子フィルム用帯電防止剤。
  5. 【請求項5】 構成単位Aが、式1中のR2がメチル
    基、R3が2−ヒドロキシエチル基である場合のもので
    ある請求項1、2、3又は4記載の合成高分子フィルム
    用帯電防止剤。
  6. 【請求項6】 延伸工程に供されるポリエステル系フィ
    ルム又はポリアミド系フィルム用のものである請求項
    1、2、3、4又は5記載の合成高分子フィルム用帯電
    防止剤。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    合成高分子フィルム用帯電防止剤を、延伸工程に供され
    る合成高分子フィルムに、延伸工程後に製品となる合成
    高分子フィルム1m2当たり固形分として0.01〜3
    gの割合となるよう塗布することを特徴とする合成高分
    子フィルムの帯電防止方法。
  8. 【請求項8】 延伸工程に供されるポリエステル系フィ
    ルムに塗布する請求項7記載の合成高分子フィルムの帯
    電防止方法。
JP36476999A 1999-12-22 1999-12-22 合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法 Pending JP2001172614A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36476999A JP2001172614A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36476999A JP2001172614A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172614A true JP2001172614A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18482623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36476999A Pending JP2001172614A (ja) 1999-12-22 1999-12-22 合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172614A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024988A1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-03 和光純薬工業株式会社 アリルスルホネートアニオン含有イオン液体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024988A1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-03 和光純薬工業株式会社 アリルスルホネートアニオン含有イオン液体
US8546609B2 (en) 2009-08-31 2013-10-01 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Ionic liquid containing allylsulfonate anion
JP5682564B2 (ja) * 2009-08-31 2015-03-11 和光純薬工業株式会社 アリルスルホネートアニオン含有イオン液体
KR101788578B1 (ko) * 2009-08-31 2017-11-15 와코 쥰야꾸 고교 가부시키가이샤 알릴술포네이트 음이온 함유 이온액체

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100439429C (zh) 抗静电性层压聚酯膜
JP4306024B2 (ja) 高制電性積層体およびそれを用いた成形品
GB2212741A (en) Printable polyolefinic film material
JP3963447B2 (ja) ポリエステル系フィルム用帯電防止剤及びポリエステル系フィルムの帯電防止方法
JP2008056711A (ja) 熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体
JP2001172614A (ja) 合成高分子フィルム用帯電防止剤及び合成高分子フィルムの帯電防止方法
KR100728661B1 (ko) 대전방지용 수분산 코팅액 및 이를 이용하여 제조된대전방지성 폴리에스테르 필름
JP3749555B2 (ja) 易接着性水性塗剤及びこれを塗布したポリエステルフィルム
JP4330223B2 (ja) 合成高分子フィルム用帯電防止剤、これを含有する水性組成物、及びこの水性組成物を用いる合成高分子フィルムの帯電防止方法
JP5431708B2 (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
US3852249A (en) Antistatic agent for polymeric materials
JPH0931222A (ja) 制電性フイルム
JP4632406B2 (ja) 熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体
JP5046478B2 (ja) 熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体
JP2016186072A (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP4869413B2 (ja) 熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体
JPH08157626A (ja) 制電性フイルム
JP2006306106A (ja) 高制電性積層体およびそれを用いた成形品
JP3272796B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3301493B2 (ja) 積層フィルム
JP3192442B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JPH08143691A (ja) 制電性フイルム
JP2867013B2 (ja) アクリルアミド系またはメタクリルアミド系カチオン変性共重合体、該共重合体を含有する帯電防止剤、熱可塑性樹脂組成物、水性組成物および熱可塑性樹脂積層体
JPH06172563A (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JPH0931224A (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム